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【発明の名称】 超解像理論によるデジタルパノラマX線撮影装置及び超解像断層画像構築方法
【発明者】 【氏名】丹羽 克味

【氏名】中浜 久則

【要約】 【課題】超解像の理論を用いて高解像度の画像を提供する。

【解決手段】X線撮影中、被写体の変調画像情報をCCDセンサに入力し、逐次送られてくるフレーム画像を変調用周波数格子と同一周波数として画像メモリで作成した復調用周波数格子を同位相として重ね、この際、CCDセンサのピクセル(1画素)サイズに合わせるため、変調されたフレーム画像情報はCCDセンサのピクセル(1画素)サイズより小さな画素配列で作成し、このため、画像構築は大容量メモリ上で行い、この時、フレーム画像を順次書込み、加算、合成し、得られた最終画像は、大容量メモリ上に高解像度のパノラマ画像として得ることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線を発生し被写体に照射するX線源と、該被写体を通過したX線を検出するX線撮像手段と、被写体を中心に位置させて前記X線源と前記X線撮像手段とを一定距離互に対向して固定し、前記被写体の周りを旋回させる旋回駆動手段と、該X線撮像手段の前面に取り付けられた変調用周波数格子手段と、該変調用周波数格子手段を通して前記X線撮像手段で得られた、変調された画像情報(被写体像)をフレーム画像として記憶する大容量フレーム画像記憶手段と、該大容量フレーム画像記憶手段から変調されたフレーム画像を抽出し前記変調されたフレーム画像の復調を、デジタル処理によって行う復調画像処理手段と、該復調画像処理されたフレーム画像をフレームごとに一定距離ずらせて重ね合わせを行い、これを記憶する大容量復調処理画像記憶手段と、該大容量復調処理画像記憶手段の処理されたフレーム画像を画像表示し記憶する全画像表示記憶手段と、該全画像表示記憶手段の全画像を出力する出力画像表示手段とを備え、多数の断層像を構築するに当たり、撮影時に、該変調用周波数格子手段により変調された被写体画像情報を有するn枚のフレーム画像を前記大容量フレーム画像記憶手段に記憶しておき、該大容量フレーム画像記憶手段に記憶されているn枚の変調されたフレーム画像から、断層像生成のために所望のフレーム画像を取り出し、該取り出されたフレーム画像から、超解像断層像生成のために、1画素(1ピクセル)よりも小さいピクセル数に拡張したフレーム画像を作成し、該拡張したフレーム画像に対し、変調用周波数格子の正確な位置、すなわち、変調用周波数格子と復調用周波数格子を同位相とし、変調用周波数格子のX線遮へい部分に相当するフレーム画像の画素部分を消去して画像情報のない状態とし、該消去した画素以外の空き画素にはフレーム画像情報を書き残す処理を行って復調画像処理を施し、n枚のフレーム画像に対しこの消去処理を順次行い、斯様に処理されたフレーム画像を該大容量復調処理画像記憶手段上でCCDセンサの1画素(1ピクセル)よりも小さい範囲のフレーム画像の微少ずらし処理を施した後に、加算合成し、これによって、構築された当該断層面の回転半径から微少間隔毎の回転半径の超解像断層像を各々構築することを特徴とする超解像断層画像構築方法。
【請求項2】
前記大容量フレーム画像記憶手段に記憶されているn枚のフレーム画像の平面上のデータを曲面上での円弧データに変換し、該変換された円弧データにフレーム飛越し法およびフレーム微少移動法による断層像構築処理を施して画像を鮮明化することを特徴とする請求項1に記載の超解像断層画像構築方法。
【請求項3】
X線を発生し被写体に照射するX線源と、該被写体を通過したX線を検出するX線撮像手段と、被写体を中心に位置させて前記X線源と前記X線撮像手段とを一定距離に相互に対向して固定し前記被写体の周りを旋回させる旋回駆動手段と、該X線撮像手段の前面に取り付けられた変調用周波数格子手段と、該変調用周波数格子手段を通して前記X線撮像手段で得られ、変調された画像情報(被写体像)をフレーム画像として記憶する大容量フレーム画像記憶手段と、該大容量フレーム画像記憶手段から変調されたフレーム画像を抽出し前記変調されたフレーム画像の復調を、デジタル処理によって行う復調画像処理手段と、該復調画像処理されたフレーム画像をフレームごとに一定距離ずらせて重ね合わせを行い、これを記憶する大容量復調処理画像記憶手段と、該大容量復調処理画像記憶手段で処理されたフレーム画像を画像表示し記憶する全画像表示記憶手段と、該全画像表示記憶手段の全画像を出力する出力画像表示手段とを設けたデジタルパノラマX線撮影装置において、撮影時に、該変調用周波数格子手段により変調された被写体画像情報を有するn枚のフレーム画像を前記大容量フレーム画像記憶手段に記憶する手段と、該大容量フレーム画像記憶手段に記憶されているn枚の変調されたフレーム画像から、断層像生成のために取り出したあるフレーム画像を、1画素(1ピクセル)よりも小さいピクセル数に拡張したフレーム画像を作成する手段と、該拡張したフレーム画像に対し、変調用周波数格子の正確な位置、すなわち、変調用周波数格子と復調用周波数格子を同位相とし、変調用周波数格子のX線遮へい部分に相当するフレーム画像の画素部分を消去して画像情報のない状態とし、該消去した画素以外の空き画素にはフレーム画像情報を書き残す処理を行う復調画像処理手段を設け、n枚のフレーム画像に対しこの消去処理を順次行い、斯様に処理されたフレーム画像を前記大容量復調処理画像記憶手段上でCCDセンサの1画素(1ピクセル)よりも小さい範囲のフレーム画像の微少ずらし処理を施した後に、加算合成を行うことにより構築した当該断層面の回転半径から微少間隔毎の回転半径上の超解像断層像を各々構築する手段とを備えることを特徴とする超解像理論によるデジタルパノラマX線撮影装置。
【請求項4】
前記X線撮像手段は、CCDセンサ、TFTセンサ、MOSセンサ、XII(Xray Image intensifier)センサ、FPD(Flat Panel Detector)センサ、CdTeセンサ等から選択されたセンサを具えることを特徴とする請求項1に記載の超解像断層画像構築方法。
【請求項5】
前記X線撮像手段は、CCDセンサ、TFTセンサ、MOSセンサ、XII(Xray Image intensifier)センサ、FPD(Flat Panel Detector)センサ、CdTeセンサ等から選択されたセンサを具えることを特徴とする請求項3に記載の超解像理論によるデジタルパノラマX線撮影装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、超解像理論を用いたパノラマX線撮影装置、特に、パノラマX線撮影で、被写体画像を変調用周波数格子によって変調されたフレーム画像に対し復調用周波数格子をデジタル処理で行い、これを大容量復調処理画像記憶手段に記憶する。このときそのフレーム画像を復調処理及び復調処理されたフレーム画像の重ね合わせ処理により、撮影系の持つ解像限界を超える高い周波数成分を有する画像を抽出する。この画像は本来の撮影系のもつ解像力を理論的に2倍にすることが可能な超解像理論によるデジタルパノラマX線撮影装置および超解像断層画像構築方法に関するものである。(Lukosz,W, and Marchand,M.:Optischen Abbildung unter Uberschreitung der beugungsbedingten Auflosungsgrenze.Optics Acta,10:241−255,1963.参照)
【背景技術】
【0002】
従来、フィルムを用いたパノラマX線撮影装置において、X線撮像手段(フィルムカセット)とX線源が相対し患者の回りを回転し、歯列弓を透過したX線により歯列弓のX線像をパノラマ画像としてフィルム上に形成する方法が提案されている。
また、フィルムカセットの代わりに、CCDセンサを用いて透過X線の像を、フィルム送り速度と同様にCCD電荷転送クロックの周波数を変化させることによって、所望のパノラマ画像を画像表示装置(例えば、CRTまたは液晶表示装置上に歯列弓に沿った全歯顎のX線断層画像として写し出すデジタルパノラマX線撮影装置が提案されている。「例えば、特許文献1、特許文献2参照」
【特許文献1】特開平10−211200号公報
【特許文献2】実用新案公報(Y2)平4−48169号
【非特許文献1】Lukosz,W, and Marchand, M.:Optischen Abbildung unter Uberschreitung der beugungsbedingten Auflosungsgrenze.Optics Acta,10:241−255,1963.参照
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のデジタルパノラマX線撮影装置においては、歯列に沿ったCCD電荷転送クロックの周波数、すなわち、CCDセンサから転送されてくる画像信号の転送速度に応じて形成されるパノラマ画像があるが、解像力はCCDセンサのピクセルサイズすなわち、ナイキスト周波数以上には上がらないのが現状である。
解像力を上げるには、
1. CCDセンサのピクセルサイズを小さくする、
2. 管球焦点サイズを小さくする、
3. 焦点・被写体・CCDセンサの幾何学的配置を変更して拡大撮影を行う、
等の手段が考えられるが、技術的に未開発であったり、高価であったり、また、設置スペースが広くなるという問題がある。
【0004】
本発明の目的は、上述した問題点を解決し、超解像の理論を用いて高解像の画像を提供せんとするにある。
本発明の他の目的は、医療だけでなく、非破壊検査装置にも用いられる方法を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の超解像断層画像構築方法は、X線を発生し被写体に照射するX線源と、該被写体を通過したX線を検出するX線撮像手段と、被写体を中心に位置させて前記X線源と前記X線撮像手段とを一定距離互に対向して固定し、前記被写体の周りを旋回させる旋回駆動手段と、該X線撮像手段の前面に取り付けられた変調用周波数格子手段と、該変調用周波数格子手段を通して前記X線撮像手段で得られ、変調された画像情報(被写体像)をフレーム画像として記憶する大容量フレーム画像記憶手段と、該大容量フレーム画像記憶手段から変調されたフレーム画像を抽出し前記変調されたフレーム画像の復調を、デジタル処理によって行う復調画像処理手段と、該復調画像処理されたフレーム画像をフレームごとに一定距離ずらせて重ね合わせを行い、これを記憶する大容量復調処理画像記憶手段と、該大容量復調処理画像記憶手段の処理されたフレーム画像を画像表示し記憶する全画像表示記憶手段と、該全画像表示記憶手段の全画像を出力する出力画像表示手段とを備え、多数の断層像を構築するに当たり、撮影時に、該変調用周波数格子手段により変調された被写体画像情報を有するn枚のフレーム画像を前記大容量フレーム画像記憶手段に記憶しておき、該大容量フレーム画像記憶手段に記憶されているn枚の変調されたフレーム画像から、断層像生成のために所望のフレーム画像を取り出し、該取り出されたフレーム画像から、超解像断層像生成のために、1画素(1ピクセル)よりも小さいピクセル数に拡張したフレーム画像を作成し、該拡張したフレーム画像に対し、変調用周波数格子の正確な位置すなわち、変調用周波数格子と復調用周波数格子を同位相とし、変調用周波数格子のX線遮へい部分に相当するフレーム画像の画素部分を消去して画像情報のない状態とし、該消去した画素以外の空き画素にはフレーム画像情報を書き残す処理を行って復調画像処理を施し、n枚のフレーム画像に対しこの消去処理を順次行い、斯様に処理されたフレーム画像を該大容量復調処理画像記憶手段上でCCDセンサの1画素(1ピクセル)よりも小さい範囲のフレーム画像の微少ずらし処理を施した後に加算合成し、これによって、構築された当該断層面の回転半径から微少間隔毎の回転半径の超解像断層像を各々構築することを特徴とする。
【0006】
また、本発明の超解像断層画像構築方法によれば、前記大容量フレーム画像記憶手段に記憶されているn枚のフレーム画像の平面上のデータを曲面上での円弧データに変換し、該変換された円弧データにフレーム飛越し法およびフレーム微少移動法による断層像構築処理を施して画像を鮮明化し得るようにする。
【0007】
また、本発明の超解像理論によるデジタルパノラマX線撮影装置は、X線を発生し被写体に照射するX線源と、該被写体を通過したX線を検出するX線撮像手段と、被写体を中心に位置させて前記X線源と前記X線撮像手段とを一定距離に相互に対向して固定し前記被写体の周りを旋回させる旋回駆動手段と、該X線撮像手段の前面に取り付けられた変調用周波数格子手段と、該変調用周波数格子手段を通して前記X線撮像手段で得られ、変調された画像情報(被写体像)をフレーム画像として記憶する大容量フレーム画像記憶手段と、該大容量フレーム画像記憶手段から変調されたフレーム画像を抽出し前記変調されたフレーム画像の復調を、デジタル処理によって行う復調画像処理手段と、該復調画像処理されたフレーム画像をフレームごとに一定距離ずらせて重ね合わせを行い、これを記憶する大容量復調処理画像記憶手段と、該大容量復調処理画像記憶手段で処理されたフレーム画像を画像表示し記憶する全画像表示記憶手段と、該全画像表示記憶手段の全画像を出力する出力画像表示手段とを設けたデジタルパノラマX線撮影装置において、撮影時に、該変調用周波数格子手段により変調された被写体画像情報を有するn枚のフレーム画像を前記大容量フレーム画像記憶手段に記憶する手段と、該大容量フレーム画像記憶手段に記憶されているn枚の変調されたフレーム画像から、断層像生成のために取り出したあるフレーム画像を、1画素(1ピクセル)よりも小さいピクセル数に拡張したフレーム画像を作成する手段と、該拡張したフレーム画像に対し、変調用周波数格子の正確な位置、すなわち、変調用周波数格子と復調用周波数格子を同位相とし、変調用周波数格子のX線遮へい部分に相当するフレーム画像の画素部分を消去して画像情報のない状態とし、該消去した画素以外の空き画素にはフレーム画像情報を書き残す処理を行う復調画像処理手段を設け、n枚のフレーム画像に対しこの消去処理を順次行い、斯様に処理されたフレーム画像を前記大容量復調処理画像記憶手段上でCCDセンサの1画素(1ピクセル)よりも小さい範囲のフレーム画像の微少ずらし処理を施した後に、加算合成を行うことにより構築した当該断層面の回転半径から微少間隔毎の回転半径上の超解像断層像を各々構築する手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
X線を発生し、被写体に照射するX線源と、被写体を通過したX線を検出するX線撮像手段と、X線撮像手段の前面に取り付けられた変調用周波数格子とを備え、被写体を中心にしてX線源とX線撮像手段とを一定距離に相互に対向して固定して該被写体の周りを旋回させるものとし、該X線撮像手段と該変調用周波数格子を通して変調された画像情報をフレーム画像として記憶する大容量フレーム画像記憶手段から、一枚目のフレーム画像を1μm画素単位に拡張し、大容量フレーム画像記憶手段において、フレーム画像に重ねた変調用周波数格子の正確な位置を1μm画素単位で変調用周波数格子の格子部に相当するフレーム画像の画素を消去し、画像情報のない状態とする。すなわちこれがデジタル復調処理にあたる。次に復調処理された該フレーム画像を大容量復調処理画像記憶手段に記憶する。
【0009】
次に、2枚目のフレーム画像も1枚目のフレーム画像と同様、大容量フレーム画像記憶手段において、フレーム画像の画素を1μm画素単位に拡張したフレーム画像とする。次に拡張された該2枚目のフレーム画像に対し、変調用周波数格子の正確な位置すなわち、変調用周波数格子と復調用周波数格子を同位相とし、変調用周波数格子のX線遮へい部分に相当するフレーム画像の画素部分を消去して画像情報のない状態とし、該消去した画素以外の空き画素にはフレーム画像情報を書き残す処理を行う復調画像処理を施し、大容量復調処理画像記憶手段に記憶されている復調処理された1枚目のフレーム画像に対してある画素数をずらして書き込み加算合成する。
【0010】
この大容量復調処理画像記憶手段でフレーム画像ごとに変調用周波数格子の格子部の正確な位置の画像情報を消去することは、復調用周波数格子を用いることによる復調処理に相当する。従って大容量復調処理画像記憶手段で再合成されたパノラマ画像は、理論的に撮影装置のもつ解像限界を理論的に2倍の解像力を持つ超解像画像になっている。
【0011】
画像再生にあたっては、これまでのパノラマ画像の再生画面では、表示できる解像力、すなわち画素の最小単位はCCDの画素サイズ(100μm)で決定されているため、超解像の画像は表示できない。そこで大容量フレーム画像記憶手段の1μm単位で表された超解像画像をそのまま画像表示装置(CRT)に表示するか1μm画素の最小単位を数画素のビニング処理したものを1画素とする画像となるが、CRT上では部分的な画像を表示し観察することになる。
【0012】
解像力が上がれば、今までの装置で抽出できなかった組織や病巣が抽出でき、診断能を向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
既存のX線撮影装置の解像力を理論的に2倍に向上させることができ、診断上、今まで抽出できなかった組織や病巣等の画像情報を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
1. 撮影原理
従来のデジタルパノラマ撮影装置は、単断層を撮影する原理であり、撮影原理は、本願人による歯科用パノラマ断層撮影装置で説明されている。次に多断層を撮影する原理は図1に示すように、X線を発生し被写体1に照射するX線源2と、被写体1を通過したX線を検出するX線撮像手段3と、被写体1を中心に位置させてX線源2とX線撮像手段3とを一定距離に相互に対向して固着し、前記被写体1の周りを旋回駆動手段4によって相対的に旋回させるものとし、撮影は旋回駆動手段4を回転軸とし、該回転軸を回転中心aとして1回転させる。この時、前記被写体1は、前記旋回駆動手段4の真下、すなわち、回転中心aに位置するものとする。(特開2004-375011号公報参照)
【0015】
次に、前記X線撮像手段3として用いるCCDセンサは被写体1を透過したX線像をA/D変換手段5によって一定の面積を持つフレーム画像としてのデジタル電気信号に変換するものである。また、前記X線撮像手段3で得られた画像情報をフレーム画像として記憶する大容量フレーム画像記憶手段6を設け、このフレーム画像の抽出やパノラマ画像をデジタル処理によって任意の断層面形成を行う画像処理手段7と、該画像処理を行った画像を記憶させる大容量処理画像記憶手段8と、該大容量処理画像記憶手段8により、各断層像を表示させる全画像表示記憶手段9を設け、該全画像表示記憶手段9を出力する出力画像表示手段10(例えば、CRTディスプレイ、液晶パネルのような画像表示装置や画像をプリントアウトするプリンタ等)を設ける。
【0016】
ここで重要なことは、上述した本願人による単断層デジタルパノラマX線撮影装置と多断層撮影原理とするデジタルパノラマX線撮影装置とがパノラマ撮影方法は同一であるが、上述した本願人による単断層デジタルパノラマX線撮影装置はCCDセンサを用いるものの、処理する信号に対してTDI(Time Delay Integration)法を用いているため、フレーム画像として記憶できないことである。(特開平10−211200号および実用新案公報(Y2)平4-48169参照)
【0017】
フレーム飛越し法による断層像構築方法
まず、図1に示すように、被写体1をX線源2とX線撮像手段3との間の中心位置に導入する。これらX線源2とX線撮像手段3は、円の直径方向に対向して配置し、旋回駆動手段4に回転自在に固着し、これらX線源2とX線撮像手段3の回転中心aに被写体1が位置し得るように配置する。撮影は旋回駆動手段4を回転駆動しながらX線源2からX線を照射し、被写体1を透過したX線をX線撮像手段3(CCDセンサ)で受け、得られたX線画像をA/D変換手段5によりA/D変換し、フレーム画像のデジタル電気信号に変換する。このA/D変換されたフレーム画像を大容量フレーム画像記憶手段6に記憶させるという手順をとる。
【0018】
X線源から照射されるX線は平行ビームであるものと仮定して以下の説明を行う。
例えば、CCDセンサの画素サイズは1列のラインセンサで1ピクセル×横6ピクセルとし、CCDセンサの1画素サイズを100μmとして、回転半径300mm上に位置している被写体の撮影部位を360°の撮影角度で1画素ずつシフトしながら段歩的にまたは連続的に撮影すると、前記大容量フレーム画像記憶手段6に記憶されるフレーム画像枚数は以下のようになる。
【0019】
即ち、図2に示すように、X線源2(図2には示さない)およびX線源2から照射された平行ビームを受けるX線撮像手段3は、旋回駆動手段4(図示せず)によって回転中心aを中心として回転し、1回転のX線撮影を行うと、回転中心aから半径r上の断層像が得られる。この際、
(a)半径300mmの円周は2πr=1884mmとなる。
ここで、得られるフレーム枚数をnとし、1画素づつシフトさせて撮影を行うと、CCDセンサの1画素の画素サイズが100μmであるため、半径300mm上で得られるフレーム枚数nは、n=1884000μm/100μm=18840枚となる。
【0020】
すなわち、前記大容量フレーム画像記憶手段6には18840枚のフレーム画像が記憶される。次に、この大容量フレーム画像記憶手段6に記憶されているフレーム画像を使用して、以下に説明する『フレーム飛越し法』によって、任意の断層像の構築を行う。
【0021】
(l)前記大容量フレーム画像記憶手段6に記憶されているフレーム画像18840枚を全て取り出し、図3、図4に示すようにフレーム画像をX軸方向にフレーム1とフレーム2をCCDセンサの1画素単位でずらして重ね合わせ、次にフレーム2とフレーム3をCCDセンサの1画素単位でずらして重ね合わせるという手順で、フレーム画像18840枚を撮影順にCCDセンサの1画素毎にずらして重ね合わせた時に得られる断層像は、II,III,IV,V,VIの断層像(図9参照)となり、得られた断層像は回転中心aからの距離r=300mm上に位置していることがわかる。
【0022】
(2)次に、前記大容量フレーム画像記憶手段6に記憶されているフレーム画像(図3、図4参照)の中から、図5、図6に示すように、1フレームおきのフレーム画像を取り出した(2フレーム(2画素)づつずらしたフレーム画像)フレーム1、フレーム3、フレーム5の画像について、取り出したフレーム1とフレーム3をX軸方向にCCDセンサの1画素単毎にずらして重ね合わせ、次にフレーム3とフレーム5をCCDセンサ1画素ずらして重ね合わせるという手順で、前記大容量フレーム画像記憶手段6から取り出したフレーム画像をCCDセンサの1画素ずつずらして重ね合わせた時に得られる断層像は、図9に示すようにB、C、D、E、Fの断層像となる。
【0023】
すなわち、前記大容量フレーム画像記憶手段6に記憶されているフレーム画像18840枚から、1フレームおきのフレーム画像を取り出し、取り出した各フレーム画像毎にX軸方向にCCDセンサの1画素単位でずらし重ねた場合、全てのフレーム画像を使用してCCDセンサの1画素単位でずらして重ね合わせた時のフレーム枚数18840枚の1/2となることから、得られる断層像B、C、D、E、F、はr/2(CCDセンサの最初の18840枚を用いて1画素づつずらした場合の半径rの1/2)、すなわち150mmの半径上の断層像となる。
【0024】
(3)次に、前記大容量フレーム画像記憶手段6に記憶されているフレーム画像(図3、図4参照)の中から図7、図8に示すように、2フレームおきのフレーム画像である(3フレーム(3画素)づつずらしたフレーム画像)フレーム1、フレーム4を取り出し、(1)及び(2)と同様にして、取り出したフレーム1とフレーム4をX軸方向にCCDセンサ1画素単位でずらして重ね合わせるという手順で、前記大容量フレーム画像記憶手段6から取り出したフレーム画像をCCDセンサの1画素単位でずらして重ね合わせた時に得られる断層像は、図9に示すように、い、う、え、お、かの断層像となる。
【0025】
すなわち、前記大容量フレーム画像記憶手段6に記憶されているフレーム画像18840枚から、2フレームおきに、取り出した各フレーム画像をX軸方向にCCDセンサの1画素単位でずらし重ねた場合、全てのフレーム画像を使用し1画素単位でずらして重ね合わせた時のフレーム枚数18840枚の1/3となることから、得られる断層像、い、う、え、お、か、はr/3(CCDセンサの最初の18840枚を用いて1画素づつずらした場合の半径rの1/3)、すなわち100mmの半径上の断層像となる。
【0026】
つまり、前記大容量フレーム画像記憶手段6に記憶されている各フレーム画像の中から、kフレームおきに、取り出した各フレーム画像をX軸方向にCCDセンサの1画素単位でずらして重ね合わせると、得られる断層像は、全てのフレーム画像を使用しCCDセンサの1画素単位でずらして重ね合わせた時の得られる断層像半径rのr/k上の半径に位置していることになる。
【0027】
ここで、本発明の実施例として、回転半径300mm上に位置する断層像を撮影すると仮定し、大容量フレーム画像記憶手段6に記憶されているフレーム画像枚数n枚を算出し、次に、大容量フレーム画像記憶手段6に記憶されている各フレーム画像の中から、kフレームおきにフレーム画像を取り出し、取り出した各フレーム画像をX軸方向にCCDセンサの1画素単位でずらして重ね合わせた時に得られる断層像の回転半径と得られるフレーム枚数とを計算し、次表1に示す。
【0028】
【表1】


【0029】
すなわち、フレーム飛び越し法による画像構築では、n枚のフレーム画像から得られる断層像位置、つまり回転中心aからの回転半径rとし、次にkフレームずつ抽出し、取り出した各フレーム画像をX軸方向に1画素づつずらして重ね合わせて得られる断層像の位置における回転半径はそれぞれr/2、r/3、‥‥となるが、半径rとr/2との間、半径r/2とr/3との間‥‥のそれぞれの断層像を抽出することは図9から明らかなように不可能である。さらに、回転半径の間隔が微少距離となる断層像を得ようとすると、大容量フレーム画像記憶手段6に記憶されている各フレーム画像の中から、X軸方向に30フレームおきに取り出したフレーム画像を使用し、フレーム画像をCCDセンサの1画素単位で重ね合わせることとなるが、この時の回転半径は10mm前後となってしまう。
【0030】
これより、フレーム飛び越し法による画像構築では再生される回転半径rの間隔を細かくしようとすれば、1回の撮影で得られる断層像の回転半径を十分大きくとり、フレームを取り出すときの飛越し間隔を大きくすることで細かな回転半径の間隔上の断層像が得られるが、その場合、回転半径が小さくなり、必要とする診断領域(例えば歯列弓域)をカバーすることが難しくなることを確かめた。
【0031】
また、本願発明で使用するCCDセンサをそのまま用いるのであれば、回転半径を大きくし、大きな飛越し法を行うことは、重ね合わせに使用するフレーム画像の枚数が減少し、断層効果のある画像を得るには致命的な欠陥となる。更に、相応の外周を設定すれば、前述した計算のように必要な半径間隔上の断層像が得られても、その回転半径が小さすぎて実用に供し得ないなどの問題が生じることをも確かめた。
【0032】
したがって、フレーム飛び越し法による画像構築だけでは、臨床診断に提供し得る断層像を得ることは困難である。
【0033】
そこで、本願発明では、フレーム飛び越し法による画像構築に加え、フレーム画像の微少移動による画像構築法を用いることにより、上記問題を解決できることを見いだした。この解決法を以下に説明する。
【0034】
フレーム微少移動法による断層像構築方法
今、必要とするのは『フレーム飛び越し法』によって、必要とする断層像の回転中心aからの距離、つまり回転半径rを決定し、決定した回転半径rに位置する断層像から微少間隔の距離±△rで、なおかつ微少間隔で得られる断層像間が一定間隔である±△r上の断層像を取得することである。
【0035】
そこで、必要とする断層像の回転中心aから微少距離かつ一定間隔の±△r上の断層像を構築することを可能にする方法として、半径rに位置する断層像を構築するのに要したフレーム画像を使用し、このフレーム画像の重ね合わせをごく小さい間隔(CCDセンサの1画素サイズより小さい範囲)で、X軸方向にずらして重ね合わせること(以下フレーム微少移動法という)を行う。
【0036】
すなわち、フレーム移動量を大容量復調処理画像記憶手段でCCDセンサの1画素サイズより小さいフレーム移動量でX軸方向にずらして重ね合わせれば、必要とする断層像の回転中心aから微少距離かつ一定間隔の±△r上の断層像が得られることを確かめた。すなわち、『フレーム飛び越し法』により必要とする断層像の回転半径rを求め、そのフレーム画像を用いて、『フレーム微少移動法』により、必要とする回転半径r上の断層像面から微少距離かつ一定間隔のほぼr±△r上の断層像を得ることができる。
【0037】
今、必要とするのは、回転半径r(r=50.0mm)から±30.0mm程度内に位置している被写体の断層像である、とする。
ここでは、一例として、必要とする断層像の回転半径rを50.0mmに設定し、CCDセンサの1画素サイズよりも小さい間隔のフレーム移動によって、微少間隔かつ一定間隔の距離での画像構築を行い、半径50.0mm近傍のr±△r上に位置する断層像の構築を行う。
【0038】
ここで、前述した『フレーム飛び越し法』では回転半径300mm上に位置している被写体を撮影した場合を例示したが、これはデータ上、300mm付近程度まで撮影可能であることを標記したものであり、実際に必要とする被写体の断層像の半径は回転中心から50.0mm程度である。これは被写体頭部中心から歯列弓域までの距離がおおよそ回転中心からの半径が50.0mmくらいと推定されるためであり、回転中心aに被写体の頭部の中心を位置させれば回転中心aから半径20.0mm〜80.0mm程度の円周上の断層像を取得することで全診断領域をカバーできるためである。
【0039】
そこで、前述した『フレーム飛び越し法』により求めた「得られる断層像の回転半径とフレーム枚数の計算結果」から回転半径が50.0mmとなる5フレームおきに取り出したフレーム画像(5つおきのフレーム画像)3140枚を利用して『フレーム微少移動法』による画像構築の説明を以下に示す。
【0040】
まず、回転半径50.0mm程度の断層像を構築するために『フレーム飛び越し法』による画像構築で前記大容量フレーム画像記憶手段6に記憶されているフレーム画像18840枚から5フレームおきに取り出したフレーム画像3140枚を利用し、CCDセンサの1画素サイズよりもさらに微少なフレームの重ね合わせ処理を行うことにより、微少半径r±△rの曲面の断層像を構築することが可能となる。フレーム画像の重ね合わせの間隔を例えば、フレーム飛び越し法で行った半径のみ、1画素(100μm)間隔、その近傍の半径△rは、1/100画素として1μm毎、すなわち100μm間隔(図10)、101μm間隔(図11)、102μm間隔(図12)の3種類で、それぞれフレーム微少移動法によって断層像を構築させる。
【0041】
まず、必要とする回転半径50.0mm上の断層像を構築するには、前記大容量フレーム画像記憶手段6から5フレームおきに取り出したフレーム画像3140枚を使用してCCDセンサの1画素サイズよりも微少なフレーム微少移動による重ね合わせを行う。
【実施例1】
【0042】
図面につき本発明を説明する。
図13は本発明デジタルパノラマX線撮影装置の超解像断層画像を作成する装置を示す。
図中、11は被写体を示し、その頭部12のほぼ両側に、即ち、頭部を回転中心とし直径的に対向する位置に、X線を発生するX線源13および被写体11の頭部12を通過したX線を検出するX線撮像手段14を配設し、これらX線源13およびX線撮像手段14を固定枠15により固定し、該固定枠15の中央上部に回転軸16を介して旋回駆動手段17を設けて前記X線源13およびX線撮像手段14を回動自在に旋回せしめるようにする。また、X線撮像手段14には、そのX線入射面に、即ち被写体11の頭部12と対向する箇所に変調用周波数格子手段18を設ける。この変調用周波数格子手段の格子は回転方法をX軸とすると、このX軸に直交するように配置するものとする。X線撮像手段14の出力画像情報はA/D変換手段19を介して大容量フレーム画像記憶手段20に供給する。この大容量フレーム画像記憶手段20の後段には復調画像処理手段21、大容量復調処理画像記憶手段22、全画像表示記憶手段23および出力画像表示手段24を夫々順次に接続する。
【0043】
即ち、図13に示すように、X線を発生するX線源13と、被写体11の頭部12を通過したX線を検出するX線撮像手段14と、X線撮像手段14の前面に取り付けられた変調用周波数格子手段18は、撮影系のもつCut-off周波数相当のX線減弱特性を有する物質である鉛を用いる。被写体11を中心にしてX線源13とX線撮像手段14とを一定距離に相互に対向して被写体11の周りを旋回させるものとし、X線撮像手段14で得られた変調用周波数格子手段18により変調された被写体像n枚の画像情報をA/D変換手段19を介して、フレーム画像として大容量フレーム画像記憶手段20に記憶し、記憶された大容量フレーム画像記憶手段20から、1枚目のフレーム画像を1μm画素単位に拡大し、大容量復調処理画像記憶手段22に書き込む。この時、図14に示すように、フレーム画像に重ねた変調用周波数格子手段18の正確な位置を1μm画素単位に大容量フレーム画像記憶手段上で確認して、変調用周波数格子手段の格子部の画素を消去し、該消去した画素以外の空き画素にはフレーム画像情報を書き残す処理を行って復調画像処理を施し、大容量復調処理画像記憶手段に記憶する。
【0044】
次に、図15に示すように、2枚目のフレームを書き込むときは、通常のパノラマ画像を合成する位置を大容量復調処理画像記憶手段に書き込むが、この時も1枚目のフレーム画像の書き込みと同様、変調用周波数格子手段の格子部に相当する部分の情報を消去し、画像情報のない状態とし、それ以外の空き画素にはフレーム画像情報を残して、1枚目のフレーム画像に加算する。このような処理を繰り返して順次フレーム画像を図16に示すように、加算し、合成する。
【0045】
図16から明らかなように、この大容量復調処理画像記憶手段でフレーム画像ごとに変調用周波数格子手段の格子部の正確な位置の画像情報を消去することは、復調用周波数格子による復調処理に相当する。
すなわち、変調用周波数格子手段18と復調用周波数格子(アルゴリズム)を移動させることによって、モアレ像を平均化し消去しなければならないので、周波数格子の移動は絶対に必要な条件となる。しかし、パノラマ撮影においては、CCD画像面には時々刻々画像が流れ、相対的には格子を移動させていることと等価である。このことからパノラマ撮影においては格子移動の必要はなく、そのままフレーム画像の加算による画像合成を行えばモアレ像は消去されることになる。
【0046】
また、図17〜図23に示すように、使用される周波数格子は1次元である。周波数格子をX軸に直交するように画像に重ねれば、X軸方向の解像力が向上する。
【0047】
以下に、超解像法の理論をパノラマX線撮影系において、簡単にスペクトル領域で説明する。
図17は、パノラマX線撮影系について2つのスペクトル曲線を示す。図中、O(ω)は被写体のスペクトル、E(ω)は撮影系のスペクトル、即ち、撮影系の周波数伝達特性であるMTF曲線を表す。ここで撮影系のcut-off周波数をμとする。
図18に示すように、この撮影系で被写体を撮影すると、写し出される画像のスペクトルはO(ω)×E(ω)となる。そこには被写体の周波数成分のうち、μより高い周波数の伝達は存在しない。
【0048】
図19に示すように、変調用周波数格子の周波数をμとし、これをμとほぼ同じ周波数とする。被写体の周波数のうちμより大きなある周波数に着目する。この周波数をμとし、仮にこの周波数を被写体と考える。
図20は、被写体のスペクトル (μ)に変調用周波数格子(μ)を重ねた像のスペクトルを求めたものである。現れるスペクトルは、μ、μの周波数以外に両者の和と差の周波数、即ち、(μ+ μ)と(μ- μ)の周波数成分が側帯波として出現する。
【0049】
図21に示すように、変調用周波数格子を被写体に重ねたとき、出現するスペクトルは、4種類あることを図20に示した。これを撮影すると、写し出される画像のスペクトルは、
(μ- μ)< μ ≦ μ、μ、(μ+ μ
であることから、cut-off周波数(μ)より小さい(μ)のみが撮影系を通過することができ、画像として写し出されることになる。μ、μ、(μ+ μ)はμより高周波数領域にあるため、これを撮影しても画像にはならない。(μ- μ)画像はモアレ像として出現する。
図22に示すように、図21で出現した(μ- μ)のモアレ像に復調用周波数格子(μ)を重ねた像のスペクトルには、
μ 、[(μ- μ)- μ]および[(μ- μ)+ μ]が出現する。
このうち[(μ- μ)+ μ] = μ、即ち、被写体とした周波数(μ)が、撮影系の周波数伝達特性(MTF)の範囲(cut-off周波数(μ)を超えて、画像として出現することになる。しかし、ここに(μ- 2μ)の周波数に相当するモアレ像が重なって出現している。
【0050】
図23は(μ- 2μ)の像を消去するため、変調用周波数格子と復調用周波数格子とを同位相にし、撮影中に移動させることを行う。こうすることによってモアレ像は平均化されて無構造化し、μの被写体が写し出されることになる。被写体の周波数成分のうちμより大きい周波数成分については、全てこの原理でμを超えて伝達されることになる。被写体の周波数成分が伝達できるのは、μ=μとすれば、(μM)≦μの成り立つ範囲となり、μM=2μm、すなわちその撮影系のcut-off周波数を理論的に2倍にすることができる。図23は超解像理論を応用したパノラマX線撮影系の周波数伝達特性、即ちMTFを表す。
【0051】
パノラマ撮影装置においては、スリットビームを用いているため、ほぼ1次元の連続画像である。従って、X軸方向の解像力が上がれば、今までの装置で抽出できなかった組織や病巣が抽出でき、診断能を向上させることが可能となる。
【0052】
また、本実施例では、X線撮像手段としてCCDセンサを例にあげたが、このTFT、MOS、XII、FPD、CdTeセンサを使用することも可能である。
変調用周波数格子は、X線減弱特性の大きい物質である鉛を例にあげたが、一般的にX線の遮蔽物に使用される物質を用いることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、X線撮像手段に対して変調用周波数格子のみを移動させて撮影し、その復調用周波数格子による処理をデジタル処理にて行うことによってCT装置、一般撮影法にも応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明を説明する多断層像構築方法の処理手順を示すフローチャート図である。
【図2】本発明を説明する多断層像構築方法のX線撮影の状態を示す説明図である。
【図3】本発明を説明する多断層像構築方法において投影された全フレーム画像を示す説明図である。
【図4】本発明を説明する多断層像構築方法において投影された全フレーム画像を示す図3の要部拡大図および得られる断層像を示す説明図である。
【図5】本発明を説明する多断層像構築方法により投影された1フレームおきのフレーム画像を示す説明図である。
【図6】本発明を説明する多断層像構築方法により投影された1フレームおきのフレーム画像を示す図5の要部拡大図および得られる断層像を示す説明図である。
【図7】本発明を説明する多断層像構築方法により投影された2フレームおきのフレーム画像を示す説明図である。
【図8】本発明の多断層像構築方法により投影された2フレームおきのフレーム画像を示す図7の要部拡大図および得られる断層像を示す説明図である。
【図9】各半径上に得られる断層像を示す説明図である。
【図10】100μm単位間隔でフレーム微少移動法によって断層像を構築させる説明図である。
【図11】101μm単位間隔でフレーム微少移動法によって断層像を構築させる説明図である。
【図12】102μm単位間隔でフレーム微少移動法によって断層像を構築させる説明図である。
【図13】本発明を説明する超解像理論によるデジタルパノラマX線撮影構築方法の処理手順を示すフローチャート図である。
【図14】本発明の画像構築方法を示す説明図である。
【図15】本発明による各フレーム画像のデジタル復調処理を示す説明図である。
【図16】超解像構築法により抽出されたデジタル超解像画像を示す説明図である。
【図17】パノラマ撮影系において撮影された画像について、スペクトル領域で表したもので、被写体のスペクトル0(ω)と、撮影系のスペクトルE(ω)とを示した図である。
【図18】被写体を撮影したときに写し出される画像のスペクトルは0(ω)× E(ω)となることを示した図である。
【図19】変調用周波数格子(μ)およびある特定の周波数を被写体としたときの周波数(μ)を表示した図である。
【図20】被写体(μ)に変調用周波数格子(μ)を重ねたときに出力される像に現れる4種類のスペクトルを示す図である。
【図21】変調用周波数格子を被写体に重ねたとき出現する4種類のスペクトルのうち撮影系を通過し得るスペクトル成分で、これが実空間ではモアレ像として出現することを示す図である。
【図22】図21に出現したモアレ像に復調用周波数格子を重ねた像のスペクトルには、不所望な周波数に相当するモアレ像が重なって出現していることを示す図である。
【図23】変調用周波数格子と復調用周波数格子とを同位相にし、 撮影中に移動させて不所望な像を消去し、所望の周波数成分を伝達し、撮影系のcut-off周波数を理論的に2倍にし得るようにしたパノラマX線撮影系の周波数伝達特性(MTF)曲線を表す図である。
【符号の説明】
【0055】
11 被写体
12 頭部
13 X線源
14 X線撮像手段
15 固定枠
16 回転軸
17 旋回駆動手段
18 変調用周波数格子手段
19 A/D変換手段
20 大容量フレーム画像記憶手段
21 復調画像処理手段
22 大容量復調処理画像記憶手段
23 全画像表示記憶手段
24 出力画像表示手段
【出願人】 【識別番号】000141598
【氏名又は名称】株式会社吉田製作所
【出願日】 平成17年11月29日(2005.11.29)
【代理人】 【識別番号】100069420
【弁理士】
【氏名又は名称】奈良 武


【公開番号】 特開2007−143973(P2007−143973A)
【公開日】 平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願番号】 特願2005−344490(P2005−344490)