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【発明の名称】 使い捨ての切断/ステープルユニットを備えた電気外科用ステープル装置
【発明者】 【氏名】フレドリック・イー・シェルトン・ザ・フォース

【要約】 【課題】着脱自在に接続可能な切断/ステープルユニットを含む外科切断/ステープル装置に用いるように構成した電気エネルギー伝送システムを提供する。

【解決手段】電気エネルギー伝送システムは電源、と使い捨て切断/ステープルユニットのアンビル組立部およびカートリッジ組立部の少なくとも一方に配置した少なくとも1つの電極とを具備してもよい。その装置の電極は、使い捨て切断/ステープルユニットが着脱自在に外科切断/ステープル装置に接続されたときに電源から電力を受けるように構成することもできる。ある実施例では、電源は装置の電極に電流を供給する高周波電源を含んでもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着脱自在に接続可能な使い捨て切断/ステープルユニットを含む外科切断/ステープル装置と共に用いるように構成された電気エネルギー伝送システムにおいて、
電源と、
前記使い捨て切断/ステープルユニットのアンビル組立部またはカートリッジ組立部の少なくとも一方に配置された少なくとも1つの電極であって、前記使い捨て切断/ステープルユニットを前記外科切断/ステープル装置に着脱自在に接続したときに、前記電源から電力受け取るように構成された、少なくとも1つの電極と、
を具備する、電気エネルギー伝送システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電気エネルギー伝送システムにおいて、
前記電源が高周波電源を含む、電気エネルギー伝送システム。
【請求項3】
請求項1に記載の電気エネルギー伝送システムにおいて、
前記使い捨て切断/ステープルユニットであって、前記外科切断/ステープル装置のシャフトに前記使い捨て切断/ステープルユニットを着脱自在に接続したときに、前記シャフト上に配置された電気接点のセットと電気回路を形成するように、前記使い捨て切断/ステープルユニットに配置された電気接点のセットを有する、前記使い捨て切断/ステープルユニット、
をさらに具備する、電気エネルギー伝送システム。
【請求項4】
請求項1に記載の電気エネルギー伝送システムにおいて、
前記組立部の電極は、前記アンビル組立部に形成された複数のステープル受け用凹部にほぼ隣接して配置されたアンビル組立部電極を含む、電気エネルギー伝送システム。
【請求項5】
請求項1に記載の電気エネルギー伝送システムにおいて、
前記電極は、前記カートリッジ組立部内に収容されたステープルカートリッジ上に配置されたカートリッジ組立部電極を含む、電気エネルギー伝送システム。
【請求項6】
請求項5に記載の電気エネルギー伝送システムにおいて、
前記カートリッジ組立部電極であって、前記ステープルカートリッジに形成された複数のステープル穴にほぼ隣接して配置されている、カートリッジ組立部電極、
をさらに具備する、電気エネルギー伝送システム。
【請求項7】
請求項1に記載の電気エネルギー伝送システムにおいて、
前記電源と操作可能に連動するトリガーであって、前記電源を手動で始動できるように構成されたトリガー、
をさらに具備する、電気エネルギー伝送システム。
【請求項8】
請求項1に記載の電気エネルギー伝送システムにおいて、
前記電源であって、前記外科切断/ステープル装置の始動に関連して自動的に作動し、電気エネルギーを発生するように構成された、前記電源、
をさらに具備する、電気エネルギー伝送システム。
【請求項9】
請求項1に記載の電気エネルギー伝送システムにおいて、
前記アンビル組立部またはカートリッジ組立部の一方の少なくとも一部が電気的に接地されている、電気エネルギー伝送システム。
【請求項10】
電気エネルギー伝送システムを有する外科切断/ステープル装置において、
電源を内部に含むハンドル部と、
前記ハンドル部に接続された実施部であって、使い捨て切断/ステープルユニットを着脱自在に接続するように構成されたシャフトを含む、実施部と、
アンビル組立部、およびカートリッジ組立部を含む前記使い捨て切断/ステープルユニットであって、前記アンビル組立部または前記カートリッジ組立部の少なくとも一方には、少なくとも1つの電極が配置されており、この組立部の電極は、前記使い捨て切断/ステープルユニットが前記シャフトに着脱自在に接続されたとき、前記電源から電力を受け取るように構成されている、使い捨て切断/ステープルユニットと、
を具備する、装置。
【請求項11】
着脱自在に接続可能な使い捨て切断/ステープルユニットを含む外科切断/ステープル装置と共に用いるように構成された電気エネルギー伝送システムにおいて、
電源であって、高周波電源を含む、電源と、
前記使い捨て切断/ステープルユニットのアンビル組立部に配置された少なくとも1つの電極であって、前記アンビル組立部電極は、前記使い捨て切断/ステープルユニットが前記外科切断/ステープル装置に着脱自在に接続されたときに、前記電源から電力を受け取るように構成されている、電極と、
前記使い捨て切断/ステープルユニットのステープルカートリッジ組立部に配置された少なくとも1つの電極であって、前記カートリッジ組立部電極は、前記使い捨て切断/ステープルユニットが前記外科切断/ステープル装置に着脱自在に接続されたときに、前記電源から電力を受け取るように構成されている、電極と、
を具備する、電気エネルギー伝送システム。
【請求項12】
電気エネルギー伝送システムを有する外科切断/ステープル装置において、
電源を内部に含むハンドル部であって、前記電源が、高周波電源を含む、ハンドル部と、
前記ハンドル部に接続された実施部であって、前記実施部に使い捨て切断/ステープルユニットを着脱自在に接続するように構成されたシャフトを有する、実施部と、
アンビル組立部、およびカートリッジ組立部を含む前記使い捨て切断/ステープルユニットであって、前記アンビル組立部または前記カートリッジ組立部の少なくとも一方に配置された少なくとも1つの電極を含み、前記電極は、前記使い捨て切断/ステープルユニットが前記シャフトに着脱自在に接続されたときに、前記電源から電力を受け取るように構成されていて、前記アンビル組立部またはカートリッジ組立部の一方の少なくとも一部は、電気的に接地されている、前記使い捨て切断/ステープルユニットと、
を具備し、
前記使い捨て切断/ステープルユニットは、前記使い捨て切断/ステープルユニットが前記シャフトに着脱自在に接続されたときに、前記シャフト上に配置された電気接点のセットと電気回路を形成するように、前記使い捨て切断/ステープルユニットに配置された電気接点のセットを有する、
外科切断/ステープル装置。
【発明の詳細な説明】【開示の内容】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は広くは外科器具に関する。またさらに具体的には、本発明は切断しステープリングした組織の縫合と治癒を促進するための外科器具の使用に関連して行う電気エネルギーの伝送と印加に関する。
【0002】
〔発明の背景〕
体組織を切開し同時にその切開部の両側に複数列のステープルを打ち込むのに使用できる外科ステープル装置は、当技術分野では従来から知られている。そのような装置は一般に、内視鏡下または腹腔鏡下で適用される場合はカニューレ内の通路を通過できる一対の協働する顎部材を備えている。一方の顎部材は通常、横方向に離間した少なくとも2列のステープルを収容するステープルカートリッジを有している。他方の顎部材は、ステープルカートリッジのステープル列に対応して整列したステープル成形ポケットを備えたアンビルを有する。さらに、外科ステープル装置には、外科手術処置時に組織を切るように設計されたナイフまたは他の切刃が含まれる。
【0003】
ステープル装置の操作に際して、臨床医はステープル装置の起動または作動前に顎部材を閉じまたは締め付けて組織を所定の位置に置くことができる。顎部材が組織を所望の位置で固定していると臨床医が判断すれば、臨床医が外科ステープル装置を起動して組織を切開し、同時に切開部周辺の組織をステープリングできる。この同時切断/ステープリング処置により、切断およびステープリングを順次および/または別々の器具(すなわち、1つの器具を使って組織を切断し、続いて別の器具を使って組織をステープリングする)を使用して行う時に起きやすい煩雑さを回避することができる。
【0004】
一般に、組織の創傷の縫合に関連していろいろな種類のエネルギーを加えることにより、治癒を促進したり、感染症の可能性を減らしたり、および/または創傷の適正な閉鎖を促進したりできる。例えば、電気エネルギーによる焼灼作用を援用すれば、多くの外科ステープル装置は、治癒の増進、感染症に対する抵抗力の増加、および組織切開部の閉鎖の促進などについて良い外科的成果を上げることができる。しかし、多くの従来のステープル装置の構造とそれらを使う医療処置は、切断/ステープリングした組織に電気エネルギーを加えることによって得られる有益な効果を適切に活かしていない。
【0005】
前述を背景に、外科ステープル装置の使用を伴う処置時に生じた組織切開部の閉鎖、治療および治癒をより効果的に、かつ効率よく促進できる改良された電気外科装置と電気エネルギー伝送システムが求められている。
【0006】
〔発明の概要〕
本発明のいろいろな実施例では、着脱自在に接続可能な使い捨て切断/ステープルユニットを含む、外科用切断/ステープル装置とともに使用するよう構成した電気エネルギー伝送システムを提供する。この電気エネルギー伝送システムは電源と、使い捨て切断/ステープルユニットのアンビル組立部およびカートリッジ組立部の少なくとも一方に配置した少なくとも1つの電極と、を具備してもよい。この組立部の電極(assembly electrode)は、使い捨て切断/ステープルユニットが着脱自在に外科装置に接続されたときに電源から電力を受けるように構成することもできる。ある実施例では、電源は装置の電極に電流を供給する高周波電源を含んでもよい。
【0007】
本発明のさまざまな実施例では、外科切断/ステープル装置は電気エネルギー伝送システムを備えることもできる。この装置は、電源を含むハンドル部とそのハンドル部に接続された実施部とを具備してもよい。実施部は、使い捨て切断/ステープルユニットを着脱自在に実施部に接続するように構成されたシャフトを含むこともできる。使い捨て切断/ステープルユニットはアンビル組立部とカートリッジ組立部とを含んでもよい。アンビル組立部またはカートリッジ組立部の少なくとも一方は、この組立部に配置された少なくとも1つの電極を具備してもよく、これにより、使い捨てユニットを外科装置と共に使用するためにシャフトに着脱自在に接続したときに、組立部の電極を、電源から電力を受け取るように構成することができる。
【0008】
本明細書に組込まれその一部を構成する添付の図面は、本発明の実施例を示すものである。本明細書における実施例の記述とともに、添付図面は当業者に対し本発明の原理を説明するものである。
【0009】
〔発明の詳細な説明〕
本明細書で用いる用語「組織」(tissue)はヒトまたは動物のさまざまな組織(tissues)、膜(membranes)、または他の生体器官の基質(organic substrates)を含んでもよい。また用語「組織」は本明細書で説明するいろいろな実施例の外科ステープル/切断装置により切断、ステープリングまたはそれ以外の治療対象となりうる物質(substance)、基質(substrate)、または組成物(composition of matter)を含んでもよい。
【0010】
図面全般について、本発明のさまざまな実施例では電気エネルギー伝送システムを備えた切断/ステープル装置10を提供することもできる。装置10は実施部22に接続したハンドル部20を含んでもよい。実施部22は、ハンドル部から遠位方向に延在し使い捨て切断/ステープルユニット26に着脱自在に接続可能なシャフト24を有する。使い捨て切断/ステープルユニット26は、ステープルカートリッジ組立部30に対して開閉動作ができるように使い捨てユニット26において旋回可能に接続される、遠位方向に配置されたアンビル組立部28を備えてもよい。アンビル組立部28とステープルカートリッジ組立部30との間の間隔を、例えば、医療処置において、臨床医による外科装置10の使用時に組織の効果的な固定(clamping)、ステープリングおよび切断を促進するように構成しうることが分かる。
【0011】
使い捨てユニット26とシャフト24との着脱自在な接続は、使い捨ての切断/ステープルユニット26の近位端から外側に延在する1つ以上のプッシュロッド32、34を用いて行うこともできる。プッシュロッド32、34は、使い捨てユニット26を実施部22のシャフト24から外した後は通常(例えば、図2に示すように)外側位置に弾性的に(例えば、従来のバネ形状の作用で)偏倚されている。使い捨てユニット26のシャフト24に対する接続に関連して、プッシュロッド32、34をプッシュロッドの凹部(例えば、図1に示す凹部38)で受けて、使い捨てユニット26を実施部22のシャフト24に対して所定の位置に確実にロックするようにしてもよい。このプッシュロッド32、34の形状により、特に装置10の各回の起動に新しい使い捨てユニット26が望ましい場合には、使い捨てユニット26を簡単に取り外すことができる。またプッシュロッド32、34の形状は装置10の使用および操作時に使い捨てユニット26のシャフト24からの無用な脱落を防ぐ。
【0012】
装置10のハンドル部20はグリップ42を具備してもよく、それに対して閉鎖トリガー44を例えば、臨床医が手で握り締めることで旋回させて引付けて、アンビル組立部28を使い捨てユニット26のカートリッジ組立部30に対して固定、すなわち閉鎖させるようにできる。外科装置10の使用を伴う手術では、アンビル組立部28をカートリッジ組立部30に対して閉じることで組織を挟むことができる。またハンドル部20は、アンビル組立部28をカートリッジ組立部30に対して閉じた後、装置10に、使い捨てユニット26で挟んだ組織のステープリングおよび切断をほぼ同時におこなわせる起動トリガーまたは他の機能性を含んでもよい。
【0013】
いろいろな実施例では、使い捨てユニット26は下側溝形部材(lower channel)52と上側カバー部材(upper cover)54とを有してもよい。ステープルカートリッジ組立部30は図2に示すように下側溝形部材52の遠位端内に配置してよい。さらに、ステープルカートリッジ56をステープルカートリッジ組立部30内に配置することもできる。ステープルカートリッジ56は、そこに形成された複数のステープル穴(典型的なステープル穴58、60、62で例示したようなステープル穴)を備えてもよく、装置10の発射操作時にそれらの穴を介して複数のステープル(図示せず)を発射して切断された組織のステープリングを行う。
【0014】
またステープルカートリッジ組立部30は遠位端に切断刃68を有するナイフシャフト66がカートリッジ組立部30内を移動できる長手方向スロット64を備えた形状にすることもできる。操作時には、装置10を起動すると、ナイフシャフト66とその切断刃68が、ナイフシャフト66と連動する発射ロッド70の作用でカートリッジ組立部30の縦軸に沿ってスロット64内を移動する。発射ロッド70のナイフシャフト66との協働相互作用は発射ロッド70の遠位端に取付けたアダプター72を用いて得ることもできる。アダプター72は、ナイフシャフト66にロック部材76で接続される駆動ブロック74に接続するように構成してもよい。駆動ブロック74は、図2に示すように、保持クリップ78を用いてロック部材76に取付けることもできる。発射ロッド70でナイフシャフト66の切断刃68を駆動してカートリッジ組立部30を通過させると、アンビル組立部28とカートリッジ組立部30との間に挟まれている組織が切断される。さらに、スレッド82をナイフシャフト66の遠位端に隣接して配置して、ナイフシャフト66がカートリッジ組立部30のスロット64およびカートリッジ組立部30とアンビル組立部28の間に挟まれている組織を通り抜けやすくすることもできる。また取付板84をナイフシャフト66の下部に取付けてナイフシャフト66が下側溝形部材52を通過するときにナイフシャフト66を安定させまた通過しやすくさせることもできる。
【0015】
いろいろな実施例において、アンビル組立部28はすくなくとも2つの構成部品、すなわち下板28Bに(摩擦嵌めのようにして)取付けるように構成した上板28A、を備えてもよい。アンビル組立部28の下板28Bに、ステープル穴58、60、62に対応して位置合わせするように形成された(例えば、図4に例示した典型的な凹部86、88、90のような)複数のステープル受け用凹部を有していてもよい。ステープル受け用凹部86、88、90は、装置10により切断した組織を介してステープルカートリッジ56からステープルを受ける。クリップばね92をアンビル部組立28の下板28Bの近位部とナイフシャフト66の遠位部との間に配置してもよい。クリップばね92は、アンビル組立部28をステープルカートリッジ組立部30に対して通常の開位置(すなわち、起動前位置)に保持するよう弾性的に偏倚して形成することができる。またピン94を、アンビル組立部28の縦軸に沿って形成したスロット98と連動するように構成できるナイフシャフト66の遠位部に形成した穴96に嵌めこんでもよい。装置10の操作時には、アンビル組立部28がスロット98に沿って移動し始めるとピン94の作用でカートリッジ組立部30との間で組織を挟み、すなわち配置させるようにアンビル組立部をカートリッジ組立部に向かって移動させることができる。
【0016】
本発明の実施例に機能的にも構造的にも類似し、それら実施例と関連させて実施しうる典型的な外科切断/ステープル装置の例がイェイツ(Yates)等の米国特許、名称「電気外科装置および方法」(米国特許第5,833,690号、1998年11月10日発行)に開示されており、その全体を参照して本明細書に組み入れる。
【0017】
さまざまな実施例において、エネルギー伝送システムを外科装置10に関連して設けて、装置10の切断/ステープリング動作で生じた組織切開部の閉鎖と治癒を促すこともできる。ハンドル部20に従来のバッテリまたは他の適当なエネルギー源から電力を供給される電源112を設けることができる。電源112は例えば、高周波(RF)エネルギーを発生し供給するように構成してもよく、そのエネルギーは(電線114、116等の)電気接続によりシャフト24の遠位端に配置した第1電気接点セット118に送出できる。周波数、電流、電圧および他の特性(characteristics)などのRFエネルギーの特性を選択して切断組織へのRFエネルギーの印加をより安全により効果的に行うようにできることは、当業者には理解されるであろう。
【0018】
使い捨て切断/ステープルユニット26には、使い捨て切断/ステープルユニット26の近位端に配置され、装置10の操作時に使用するよう使い捨てユニット26をシャフト24に着脱自在に接続した時に第1電気接点セット118と電気回路を形成するように構成した第2電気接点セット122を備えることもできる。第2電気接点セット122は、アンビル組立部28に形成したステープル受け用凹部86、88、90の列にほぼ隣接して置かれた第1のセットの電極132、134に(電線124、126等により)電気的に接続してもよい。第2電気接点セット122は、カートリッジ組立部30のステープルカートリッジ56に形成した複数のステープル穴58、60、62の列にほぼ隣接して置かれた少なくとも第2のセットの電極136、138に電気的に接続してもよい。電極132、134、136、138は銅、アルミニウム、銀、または電極132、134、136、138から切断した組織に電気エネルギーを伝達するのに適した物質組成などの電気導電材料を含んでもよい。従来の絶縁構造および技術を利用して、電気エネルギーを切断された組織に安全かつ効果的に伝送するためにここで述べた導電性要素の電気絶縁を増すようにすることもできることは理解されるであろう。
【0019】
当業者には、電極132、134、136、138のいずれかのセットまたは各セットの個別の電極132、134、136、138を自由にマイナスまたはプラスに充電して切断した組織に電気エネルギーを送達できる電気回路を形成してもよい。例えば、アンビル組立部28の第1のセットの電極132、134をプラスに充電してもよく、ステープルカートリッジ組立部30の第2のセットの電極136、138をマイナスに充電してもよい。ある実施例では、ある実施例では、図面では開示の都合上それぞれ1つの連続した構成要素として示している電極132、134、136、138を2つまたは以上の別個の構成要素とし、適宜充電し、電気エネルギー伝送のため電気的に接続してもよい。他の例では、電極132、134、136、138の1つ以上のものを2つの別個の構成要素に分割してもよく、電極132、134、136、138の1つの構成要素をプラスに充電し、電極132、134、136、138のもう1つの構成要素はプラスに充電して電気エネルギー伝送回路においてその2つの構成要素間に電流路を形成するようにしてもよい。またある実施例では、電極または電極構成要素をアンビル組立部28および/またはカートリッジ組立部30上の特定の所定位置に配置して、電気エネルギーを切断した組織のある部分にのみ容易に集中できるようにもできる。
【0020】
いろいろな実施例では、使い捨て切断/ステープルユニット26にアンビル組立部28上に配置した電極132、134の片方または両方を持たせることもできるが、カートリッジ組立部30上には対応する電極は配置されない。このような実施例において、アンビル組立部28上の電極132、134を電源112に電気的に接続して伝送された電流の供給を受けるようにしてもよく、またカートリッジ組立部30の少なくとも一部(例えば、ステープルカートリッジ56の一部または複数部分)を、例えば、電源112の接地接続を介して、または他の適当な接地接続を介して電気的に接地することもできる。したがって、電極132、134の一方または両方をプラスに充電でき、またカートリッジ組立部30の少なくとも一部を電気的に接地できる。これらの形状構成により、電極132、134から切断/ステープリングした組織のアンビル組立部28とカートリッジ組立部30との間に挟まれた部分を通して接地されたカートリッジ組立部30への電流を流れ易くする回路が形成されることが分かる。
【0021】
さまざまな実施例において、使い捨て切断/ステープルユニット26にカートリッジ組立部30上に配置した電極136、138の片方または両方を持たせることもできるが、アンビル組立部28上には対応する電極は配置されない。このような実施例において、カートリッジ組立部30上の電極136、138を電源112に電気的に接続して伝送された電流の供給を受けるようにしてもよく、またアンビル組立部28の少なくとも一部を例えば、電源112の接地接続を介して、または他の適当な接地接続を介して電気的に接地することもできる。したがって、電極136、138の一方または両方をプラスに充電でき、またアンビル組立部28の少なくとも一部を電気的に接地できる。これらの形状構成により、電極136、138から切断/ステープリングした組織のアンビル組立部28とカートリッジ組立部30との間に挟まれた部分を通して接地されたカートリッジ組立部30への電流を流れ易くする回路が形成されることが分かる。
【0022】
電気エネルギー(例えば、RF電気エネルギー)を外科装置10の操作に関連して用いて切断した組織を焼灼、そうでなければ、その閉鎖または封止を促進したりしてもよいことが分かる。ある実施例においては、電源112をボタンまたはトリガー142により起動し手動で電流をエネルギー伝送システムを通じて電極132、134、136、138に流すこともできる。電源112はまた装置10の起動に連動して自動的に起動し電気エネルギーを発生するように形成してもよい。例えば、装置10を起動して組織の切断/ステープリングを行うのに連動して、電源112を自動的に起動してRFエネルギーをエネルギー伝送システムの電極132,134,136,138の1つ以上を介して伝送して、装置10の動作により切断しステープリングした組織を焼灼、または、その閉鎖または封止を促進するようにもできる。
【0023】
用語「近位の(proximal)」および「遠位の(distal)」は、装置のハンドルを握っている臨床医を基準とするような相対的な方向を表わす便宜的な用語として使うことができる。例えば、使い捨てユニット26は「近位の」ハンドル部20に対して「遠位」だと考えられる(例えば、図1を参照)。開示の便宜と明確化のため、「上面(top)」と「下面(bottom)」、「上方(upper)」と「下方(lower)」または「下向き(downward)」と「上向き(upward)」のような空間的に組み合わされ相対的な方向を表わす用語は、ここでは図面を基準にして用いることができる。しかしながら、外科装置は多くの方向と姿勢で使用してもよく、また前述の用語は本発明を限定せずまた絶対的なものでもないことは当業者には理解されるであろう。
【0024】
本明細書に参照して組込まれるとしているいかなる特許、刊行物または他の開示物は、その全体または一部を問わず、既存の定義、言説または本明細書において記述された他の開示物に抵触しない範囲においてのみ本明細書に参照して組込まれる。したがって、必要な範囲において、本明細書で明白になされた開示は、本明細書に参照して組込まれた抵触するすべての開示物に対し、優先する。本明細書に参照して組込まれるとされるいかなる開示物またはその一部、ただし既存の定義、言説または本明細書において記述された他の開示物に抵触する前記の開示物は、その組込まれるものと既存の開示物との間で抵触が起こらない範囲においてのみ、本明細書に組込まれる。
【0025】
本明細書で述べた実施例は、当業者に対し、本発明の可能であり特定の実施を示そうと意図したものである。本明細書に含まれる実施例のどの態様も、必ずしも本発明の範囲を限定しようと意図するものではない。
【0026】
本発明の図面および記述は、本発明を明瞭に理解するのに関連する要素を示すために簡略化し、明確化するために、他の要素を省略している。しかしながら、当業者は、これらの要素と他の要素が標準的なコンピューターシステムまたはデータベースシステムにおいては望ましいこともあることを理解するであろう。しかし、そのような要素は当技術分野では周知であり、それらの要素は本発明のよりよい理解を容易にはしないため、それらの要素については本明細書では述べなくてもよい。
【0027】
本明細書で特定の機能を果たすための手段として述べられたすべての要素は、例えば、その機能を果たす要素の組み合わせを始めとして、その機能を果たす方法も包含しようとするものである。さらに、機能的手段形式の特許請求の範囲(means-plus-function claims)で定義するように、本発明の特徴は、さまざまな記載された手段により得られる機能を添付の特許請求の範囲で定義する様式で組み合わせ、統合することにある。したがって、そのような機能が得られるいかなる手段も、本明細書で示した手段と等価であるとみなされる。
【0028】
本明細書において開示された本発明のさまざまな実施例において、所定の機能を実行するために、単一の要素は複数の要素に代用することが可能であり、複数の要素は単一の要素に代用することが可能である。このような代用が本発明の実施例の実施に効力を持たない場合を除き、このような代用は本発明の範囲内にあるものとする。
【0029】
本発明をいくつかの実施例の記述で示し、これらの例示の実施例をかなり詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲をこのような詳細な事項に制限またはいかなる意味においても限定することは出願人の意図するところではない。さらなる利点や変形は当業者には容易に明らかになるであろう。本発明は内視鏡下処理および装置に関連して述べた。しかし、本明細書での「内視鏡下」(endoscopic)のような用語の使用は本発明を内視鏡管(例えば、トロカール)とのみ併用する外科ステープルおよび切断装置に限定するものではない。それとは逆に、本発明により構成した外科装置は、腹腔鏡下処置および開腹処置に限定されず、これらを始めとする多くの外科処置に用いることができると考えられる。さらに、本発明の実施例のユニークで新規の態様は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく他の形態のステープル装置に用いると有効である。
【0030】
〔実施の態様〕
(1)着脱自在に接続可能な使い捨て切断/ステープルユニットを含む外科切断/ステープル装置と共に用いるように構成された電気エネルギー伝送システムにおいて、
電源と、
前記使い捨て切断/ステープルユニットのアンビル組立部またはカートリッジ組立部の少なくとも一方に配置された少なくとも1つの電極であって、前記使い捨て切断/ステープルユニットを前記外科切断/ステープル装置に着脱自在に接続したときに、前記電源から電力を受け取るように構成された、少なくとも1つの電極と、
を具備する、電気エネルギー伝送システム。
(2)実施態様1記載の電気エネルギー伝送システムにおいて、
前記電源が高周波電源を含む、電気エネルギー伝送システム。
(3)実施態様1記載の電気エネルギー伝送システムにおいて、
前記使い捨て切断/ステープルユニットであって、前記外科切断/ステープル装置のシャフトに前記使い捨て切断/ステープルユニットを着脱自在に接続したときに、前記シャフト上に配置された電気接点のセットと電気回路を形成するように、前記使い捨て切断/ステープルユニットに配置された電気接点のセットを有する、前記使い捨て切断/ステープルユニット、
をさらに具備する、電気エネルギー伝送システム。
(4)実施態様1記載の電気エネルギー伝送システムにおいて、
前記組立部の電極は、前記アンビル組立部に形成された複数のステープル受け用凹部にほぼ隣接して配置されたアンビル組立部電極を含む、電気エネルギー伝送システム。
(5)実施態様1記載の電気エネルギー伝送システムにおいて、
前記電極は、前記カートリッジ組立部内に収容されたステープルカートリッジ上に配置されたカートリッジ組立部電極を含む、電気エネルギー伝送システム。
(6)実施態様5記載の電気エネルギー伝送システムにおいて、
前記カートリッジ組立部電極であって、前記ステープルカートリッジに形成された複数のステープル穴にほぼ隣接して配置されている、カートリッジ組立部電極、
をさらに具備する、電気エネルギー伝送システム。
(7)実施態様1記載の電気エネルギー伝送システムにおいて、
前記電源と操作可能に連動するトリガーであって、前記電源を手動で始動できるように構成されたトリガー、
をさらに具備する、電気エネルギー伝送システム。
(8)実施態様1記載の電気エネルギー伝送システムにおいて、
前記電源であって、前記外科切断/ステープル装置の始動に関連して自動的に作動し電気エネルギーを発生するように構成された、前記電源、
をさらに具備する、電気エネルギー伝送システム。
(9)実施態様1記載の電気エネルギー伝送システムにおいて、
前記アンビル組立部またはカートリッジ組立部の一方の少なくとも一部が電気的に接地されている、電気エネルギー伝送システム。
(10)電気エネルギー伝送システムを有する外科切断/ステープル装置において、
電源を内部に含むハンドル部と、
前記ハンドル部に接続された実施部であって、使い捨て切断/ステープルユニットを着脱自在に接続するように構成されたシャフトを含む、実施部と、
アンビル組立部、およびカートリッジ組立部を含む前記使い捨て切断/ステープルユニットであって、前記アンビル組立部または前記カートリッジ組立部の少なくとも一方には、少なくとも1つの電極が配置されており、この組立部の電極は、前記使い捨て切断/ステープルユニットが前記シャフトに着脱自在に接続されたとき、前記電源から電力を受け取るように構成されている、使い捨て切断/ステープルユニットと、
を具備する、装置。
(11)実施態様10記載の装置において、
前記電源が高周波電源を含む、装置。
(12)実施態様10に記載の装置において、
前記使い捨て切断/ステープルユニットであって、前記シャフトに前記使い捨て切断/ステープルユニットを着脱自在に接続したとき、前記シャフト上に配置された電気接点のセットと電気回路を形成するように前記使い捨て切断/ステープルユニットに配置された電気接点のセットを有する、前記使い捨て切断/ステープルユニット、
をさらに具備する、装置。
(13)実施態様10記載の装置において、
前記組立部の電極は、前記アンビル組立部に形成された複数のステープル受け用凹部にほぼ隣接して配置されたアンビル組立部電極を含む、装置。
(14)実施態様10記載の装置において、
前記電極は、前記カートリッジ組立部内に収容されたステープルカートリッジ上に配置されたカートリッジ組立部電極を含む、装置。
(15)実施態様14記載の装置において、
前記カートリッジ組立部電極であって、前記ステープルカートリッジに形成された複数のステープル穴にほぼ隣接して配置されている、前記カートリッジ組立部電極、
をさらに具備する、装置。
(16)実施態様10記載の装置において、
前記電源と操作可能に連動するトリガーであって、前記電源を手動で始動できるように構成された、トリガー、
をさらに具備する、装置。
(17)実施態様10記載の装置において、
前記電源であって、前記外科切断/ステープル装置の始動に関連して自動的に作動し電気エネルギーを発生するように構成された、前記電源、
をさらに具備する、装置。
(18)実施態様10記載の装置において、
前記アンビル組立部またはカートリッジ組立部の一方の少なくとも一部が電気的に接地されている、装置。
(19)着脱自在に接続可能な使い捨て切断/ステープルユニットを含む外科切断/ステープル装置と共に用いるように構成された電気エネルギー伝送システムにおいて、
電源であって、高周波電源を含む、電源と、
前記使い捨て切断/ステープルユニットのアンビル組立部に配置された少なくとも1つの電極であって、前記アンビル組立部電極は、前記使い捨て切断/ステープルユニットが前記外科切断/ステープル装置に着脱自在に接続されたときに、前記電源から電力を受け取るように構成されている、電極と、
前記使い捨て切断/ステープルユニットのステープルカートリッジ組立部に配置された少なくとも1つの電極であって、前記カートリッジ組立部電極は、前記使い捨て切断/ステープルユニットが前記外科切断/ステープル装置に着脱自在に接続されたときに、前記電源から電力を受けるように構成されている、電極と、
を具備する、電気エネルギー伝送システム。
(20)電気エネルギー伝送システムを有する外科切断/ステープル装置において、
電源を内部に含むハンドル部であって、前記電源が、高周波電源を含む、ハンドル部と、
前記ハンドル部に接続された実施部であって、前記実施部に使い捨て切断/ステープルユニットを着脱自在に接続するように構成されたシャフトを有する、実施部と、
アンビル組立部、およびカートリッジ組立部を含む前記使い捨て切断/ステープルユニットであって、前記アンビル組立部または前記カートリッジ組立部の少なくとも一方に配置された少なくとも1つの電極を含み、前記電極は、前記使い捨て切断/ステープルユニットが前記シャフトに着脱自在に接続されたときに、前記電源から電力を受け取るように構成されていて、前記アンビル組立部またはカートリッジ組立部の一方の少なくとも一部は、電気的に接地されている、前記使い捨て切断/ステープルユニットと、
を具備し、
前記使い捨て切断/ステープルユニットは、前記使い捨て切断/ステープルユニットが前記シャフトに着脱自在に接続されたときに、前記シャフト上に配置された電気接点のセットと電気回路を形成するように、前記使い捨て切断/ステープルユニットに配置された電気接点のセットを有する、
外科切断/ステープル装置。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明のさまざまな実施例による外科装置の3次元図を含む。
【図2】本発明のさまざまな実施例による外科装置の各部分の分解図を含む。
【図3】本発明のさまざまな実施例による使い捨て切断/ステープルユニットの3次元上面図を含む。
【図4】本発明のさまざまな実施例による使い捨て切断/ステープルユニットの3次元下面図を含む。
【図5】本発明のさまざまな実施例による使い捨てステープルカートリッジ組立部の上面図を含む。
【図6】図5のカートリッジ組立部の側面図を含む。
【図7】本発明のさまざまな実施例によるアンビル組立部の下面図を含む。
【図8】図7のアンビル組立部の側面図を含む。
【出願人】 【識別番号】595057890
【氏名又は名称】エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ethicon Endo−Surgery,Inc.
【出願日】 平成18年11月2日(2006.11.2)
【代理人】 【識別番号】100066474
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 博昭

【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延

【識別番号】100123434
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 英昭

【識別番号】100101133
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 初音


【公開番号】 特開2007−125395(P2007−125395A)
【公開日】 平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願番号】 特願2006−299328(P2006−299328)