| 【発明の名称】 |
医療用レーザ装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】林 健一
【氏名】山田 毅
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| 【要約】 |
【課題】基本波レーザ光の出力変化に伴って生じる中心波長のシフトに対しても安定した高効率の波長変換を可能にする。
【解決手段】ファイバレーザ1からの基本波レーザ光を可視の第2高調波レーザ光に変換する波長変換素子13、15を備え、波長変換された第2高調波レーザ光を患部に導光して治療を行う医療用レーザ装置において、基本波レーザ光の出力を変える出力可変手段と、波長変換素子への基本波レーザ光の入射角度を変化させる波長変換入射角可変手段14,16と、第2高調波レーザ光の光軸のずれを補正する光軸補正手段と、基本波レーザ光の出力変化に伴う中心波長のシフトに波長変換を対応させるために前記出力可変手段によるレーザ光の出力変化に基づいて前記波長変換入射角可変手段及び光軸補正手段の動作を制御する制御手段40と、を備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 赤外の基本波レーザ光を出射するファイバレーザと、該ファイバレーザからの基本波レーザ光を可視の第2高調波レーザ光に変換する波長変換素子とを備え、波長変換された第2高調波レーザ光を患部に導光して治療を行う医療用レーザ装置において、前記ファイバレーザから出射される基本波レーザ光の出力を変える出力可変手段と、前記波長変換素子の基本波レーザ光の入射角度を変化させる波長変換入射角可変手段と、該入射角度の変化によって前記波長変換素子の内部を通過して出射面から出射する際にレーザ光の屈折により生じる第2高調波レーザ光の光軸のずれを補正する光軸補正手段と、基本波レーザ光の出力変化に伴う中心波長のシフトに波長変換を対応させるために、前記出力可変手段によるレーザ光の出力変化に基づいて前記波長変換入射角可変手段及び光軸補正手段の動作を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする医療用レーザ装置。 【請求項2】 請求項1の医療用レーザ装置において、前記光軸補正手段は、前記波長変換素子の出射面から出射する第2高調波レーザの光路に配置された光学部材であって、前記波長変換素子と同じ屈折率及び長さを持つ光学部材と、該光学部材へのレーザ光の入射角度を変える光学部材入射角可変手段とを備え、前記制御手段は前記波長変換素子のレーザ光の入射角度に対して逆方向に同角度だけ前記光学素子の入射角度を変えるように前記光学部材入射角可変手段を制御することを特徴とする医療用レーザ装置。 【請求項3】 請求項1の医療用レーザ装置において、前記光軸補正手段は、前記波長変換素子の出射面から出射する第2高調波レーザ光の光路に配置された光学部材であって、波長変換された第2高調波レーザ光を透過する光学部材と、該光学部材へのレーザ光の入射角度を変える光学部材入射角可変手段とを備え、前記制御手段は前記光学素子の屈折率と長さとの関係に基づいて前記光学部材入射角可変手段を制御することを特徴とする医療用レーザ装置。 【請求項4】 請求項2又は3の医療用レーザ装置において、さらに前記波長変換素子の温度を変化させる温度可変手段と、患部に導光される第2高調波レーザ光の出力を検出する出力検出手段と、該出力検出手段の検出結果に基づいて前記温度可変手段の動作を制御する温度制御手段と、を備えることを特徴とする医療用レーザ装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、眼科医療分野等で使用される医療用レーザ装置に関する。 【背景技術】 【0002】 眼科医療分野においては、赤外光を発するレーザ光源からの基本波レーザ光を波長変換素子により可視の第2高調波レーザ光に変換し、可視レーザ光により光凝固治療を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照)。 【特許文献1】特開2004−321507号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 ところで、波長変換素子に入射させる基本波レーザ光のレーザ光源としてファイバレーザを用いる場合、基本波レーザ光の出力変化に伴ってその中心波長がシフトしやすく、波長変換素子による第2高調波への変換効率が低下する問題がある。ラマン誘導によるラマンファイバを使用したものは、特に基本波レーザ光の出力変化に伴う中心波長のシフトが大きい。波長変換後の第2高調波レーザ光の出力を所望のものにするために、波長変換素子の変換効率の低下を見込んで大きな出力のレーザ光源を用意することは、コスト高になる。 【0004】 本発明は、基本波レーザ光の出力変化に伴って生じる中心波長のシフトに対しても安定した高効率の波長変換が可能な医療用レーザ装置を提供すること技術課題とする。 【課題を解決するための手段】 【0005】 上記課題を解決するために、本発明は次のような構成を備えることを特徴とする。 【0006】 (1) 赤外の基本波レーザ光を出射するファイバレーザと、該ファイバレーザからの基本波レーザ光を可視の第2高調波レーザ光に変換する波長変換素子とを備え、波長変換された第2高調波レーザ光を患部に導光して治療を行う医療用レーザ装置において、前記ファイバレーザから出射される基本波レーザ光の出力を変える出力可変手段と、前記波長変換素子の基本波レーザ光の入射角度を変化させる波長変換入射角可変手段と、該入射角度の変化によって前記波長変換素子の内部を通過して出射面から出射する際にレーザ光の屈折により生じる第2高調波レーザ光の光軸のずれを補正する光軸補正手段と、基本波レーザ光の出力変化に伴う中心波長のシフトに波長変換を対応させるために、前記出力可変手段によるレーザ光の出力変化に基づいて前記波長変換入射角可変手段及び光軸補正手段の動作を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。 (2) (1)の医療用レーザ装置において、前記光軸補正手段は、前記波長変換素子の出射面から出射する第2高調波レーザの光路に配置された光学部材であって、前記波長変換素子と同じ屈折率及び長さを持つ光学部材と、該光学部材へのレーザ光の入射角度を変える光学部材入射角可変手段とを備え、前記制御手段は前記波長変換素子のレーザ光の入射角度に対して逆方向に同角度だけ前記光学素子の入射角度を変えるように前記光学部材入射角可変手段を制御することを特徴とする。 (3) (1)の医療用レーザ装置において、前記光軸補正手段は、前記波長変換素子の出射面から出射する第2高調波レーザ光の光路に配置された光学部材であって、波長変換された第2高調波レーザ光を透過する光学部材と、該光学部材へのレーザ光の入射角度を変える光学部材入射角可変手段とを備え、前記制御手段は前記光学素子の屈折率と長さとの関係に基づいて前記光学部材入射角可変手段を制御することを特徴とする医療用レーザ装置。 (4) (2)又は(3)の医療用レーザ装置において、さらに前記波長変換素子の温度を変化させる温度可変手段と、患部に導光される第2高調波レーザ光の出力を検出する出力検出手段と、該出力検出手段の検出結果に基づいて前記温度可変手段の動作を制御する温度制御手段と、を備えることを特徴とする医療用レーザ装置。 【発明の効果】 【0007】 本発明によれば、基本波レーザの出力変化に伴って生じる中心波長の変化に対しても安定した高効率の波長変換が行える。このため、装置の大型化やコスト高を抑えることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0008】 以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る光凝固レーザ装置の概略構成図である。 【0009】 図1において、1は赤外域の基本波レーザ光を出射するレーザ光源としてのファイバレーザである。ファイバレーザ1は、複数個の励起用のレーザダイオード(LD)2と、Ybドープの共振器用ファイバ3とからなり、ファイバ3には共振器を規定する2つのファイバ・ブラッグ・グレーティング(FBG)4a,4bが形成されている。このファイバ3は、例えば、LD2からの波長890nmの励起光により、中心波長λ1=1160nmのレーザ光を出力するように2つのFBG4a,4bが規定されている。ファイバレーザ1から出力される基本波レーザ光の出力は、制御部40によりLD2の励起光の出力が制御されることにより調整される。 【0010】 ファイバレーザ1から出射されたレーザ光の光軸L01には、コリメータレンズ11、基本波レーザ光(波長λ1=1160nm)をその第2高調波レーザ光(波長λ2=580nm)に変換する第1波長変換素子13及び第2波長変換素子15、基本波λ1のレーザ光を反射し、第2高調波λ2のレーザ光を透過するダイクロイックミラー17、レーザ光の一部を反射し、大部分を透過するビームスプリッタ18、集光レンズ19、患部へレーザ光を導光する導光体としてのファイバ50の入射面が順に配置されている。ダイクロイックミラー17の反射方向には、基本波λ1のレーザ光を拡散させるダンパー30が配置されている。ビームスプリッタ18の反射方向には、波長変換された波長λ2のレーザ光の出力を検出するためのセンサ31が配置されている。 【0011】 ファイバレーザ1から出力された基本波(中心波長λ1=1160nm)のレーザ光は、コリメータレンズ11により平行光又は収束光にされた後、第1波長変換素子13に入射し、この第1波長変換素子13により波長λ2=580nmの第2高調波レーザ光に変換される。第1波長変換素子13で波長変換された第2高調波及び波長変換されなかった残りの基本波は、第2波長変換素子15に入射する。残りの基本波はさらに第2波長変換素子15により第2高調波(波長λ2=580nm)に変換される。第2波長変換素子15を経た基本波は、ダイクロイックミラー17で反射されてダンパ30に向かう。ダイクロイックミラー17を透過した波長λ2のレーザ光はビームスプリッタ18でその一部が反射され、波長λ2のレーザ光の出力がセンサ31により検出される。ビームスプリッタ18を透過した波長λ2のレーザ光は、集光レンズ19により導光系のファイバ50に入射し、デリバリ光学系52に導光される。デリバリ光学系52は、リレーレンズ53、レーザ光のスポットサイズを変更するためのズームレンズ54、対物レンズ55、レーザ光を患者眼Eに向けて反射させるミラー56等を備える。デリバリ光学系52は、スリットランプ60が持つ双眼の顕微鏡61に取り付けられている。また、患者眼Eは照明部62により照明される。光凝固治療時には、デリバリ光学系52から出射したレーザ光は、コンタクトレンズ65を介して患者眼Eの眼底に照射される。 【0012】 第1波長変換素子13としては、周期的分極反転構造をもつ擬似位相整合素子(QPM素子)が好適に使用される。QPM素子の材料としては、LiNbO3,LiTaO3,KTiOPO4又は水晶が好適に使用される。QPM素子は、非線形光学材料の分極方向がコヒーレンス長毎に交互に反転して擬似位相整合を満たす波長変換素子であり、基本波λ1を効率良く第2高調波λ2に変換するように周期構造が決められている。また、入射面13a及び出射面13bは平行な位置関係で形成されている。第2波長変換素子15は第1波長変換素子13と同一のものを使用することができる。ただし、擬似位相整合素子を適用する場合は、波長変換素子13と波長変換素子15との間で位相補正を行うことが好ましい。波長変換素子15をバルクタイプとすれば、位相補正を行わず、装置構成を簡略化することができる。波長変換効率自体は主に第1波長変換素子13によって確保され、波長変換素子15は主に光軸ずれを補正するための光学部材として使用される。 【0013】 ここで、第1波長変換素子13は、回転中心O1が光軸L01上にある回転台14に搭載されている。この例では、回転中心O1は第1波長変換素子13の中央に位置している。回転台14は、モータやギヤ等で構成される回転機構20により回転される。回転台14の回転により、第1波長変換素子13も回転中心O1を中心にして回転され、光軸L01に対する第1波長変換素子13の入射面13a及び出射面13bの角度が変えられる。同じく、第2波長変換素子15は、回転中心O2が光軸L01上にある回転台16に搭載されている。回転中心O2は波長変換素子15の中央に位置している。回転台16は回転機構22により回転される。回転台16の回転により、光軸L01に対する第2波長変換素子15の入射面15a及び出射面15bの角度が変えられる。 【0014】 また、回転台14及び16には各波長変換素子13,15の温度を調整するための温度調整器21,23がそれぞれ搭載されている。温度調整器21,23は、ペルチェ素子で構成できる。各波長変換素子13,15は、温度変化によって周期的分極反転構造が変動しないように、それぞれ温度調整器21,23によって所定の一定温度で維持される。回転機構20,22、温度調整器21,23は、制御部40により制御される。制御部40には、治療レーザ光の出力や凝固時間などの治療条件等を入力する入力部41、レーザ照射をトリガスイッチ42、メモリ43が接続されている。 【0015】 次に、ファイバレーザ1からの基本波レーザ光(波長λ1)の出力を変化させたときに、これに伴って生じる基本波の中心波長のシフトに対する対応方法を以下に説明する。 【0016】 基本波の中心波長λ1(=1160nm)が長波長側及び短波長側の両者にシフトする場合に対応するために、図2に示すように、波長変換素子13の入射面13aに入射する光軸L01に対して波長変換素子13を所定の角度θo(例えばθo=5度)だけ傾けた状態を基準とする。この基準の角度θoのときに、波長変換素子13に入射する基本波の波長λ1=1160nmが第2高調波に変換されるように、波長変換素子13の内部の周期的分極反転構造を設計しておく(後述すように、屈折による光路長の変化も加味して決める)。同様に、波長変換素子15についても同角度θoだけ逆方向に傾けた状態を基準として設定しておく。 【0017】 基本波の中心波長が長波長側にシフトした場合を説明する。回転台14の回転角度θiを、θi>θoとなるように回転させると、波長変換素子13の入射面13aに対するレーザ光の入射角度(入射面13aの垂直方向に対する角度)も角度θiだけ傾く。基本波レーザ光は、入射面13aに傾いて入射することにより入射面13aの垂直方向から曲げられ、基準角度θoのときに対して波長変換素子13の内部をその分だけ長く伝搬されることになる。すると、等価的に長い波長に対応した波長変換のパスが形成されることになる。このとき、中心波長のシフト量に対応した光路長となるように、入射面13aの角度θiを制御することにより、変換効率の低下を抑えた波長変換が可能になる。なお、角度θiのときに波長変換素子13の内部を通過する角度θr(入射面13aの垂直方向に対する角度)は、波長変換素子13の屈折率が既知であるので、屈折の法則により計算できる。そして、この角度θrにより波長変換素子13の内部を伝搬される光路長も計算できる。 【0018】 ここで、波長変換素子13が傾けられたことにより、その出射面13bから出射するレーザ光(基本波及び第2高調波)の中心光軸の位置は、当初の光軸L01からずれることになる。このずれを補正するために、波長変換素子13と対になる波長変換素子15を逆方向に角度θiだけ回転させる。すなわち、回転台16を回転台14の回転角度θiに対して逆方向に角度θiだけ回転させることにより、波長変換素子15の入射面15aが出射面13bから出射したレーザ光の光軸に対して角度θiだけ、波長変換素子13の場合に対して逆方向に傾く。これにより、波長変換素子15の入射面15aから入射したレーザ光(基本波及び第2高調波)は、屈折の方法により角度θrだけ屈折される。そして、波長変換素子13と波長変換素子15の長さが同じであるので、波長変換素子15の出射面13bから出射するレーザ光の中心光軸は、当初の光軸L01に戻されることになる。 【0019】 波長変換素子15からのレーザ光の中心光軸が元の光軸01に戻されることにより、光路長変更前と同じ状態で、集光レンズ19によりレーザ光がファイバ30に入射するので、偏った入射による不利益を解消できる。ファイバ30にレーザ光の中心光軸が偏ったまま入射すると、その偏りにより、ファイバ30を通過するレーザ光の伝送効率が落ちる問題がある。また、レーザ光の偏った入射により、ファイバ30から出射されるレーザ光の強度分布の均一性が失われ、光凝固においては均一な凝固斑が形成されにくくなる問題がある。 【0020】 基本波の中心波長が短波長側にシフトした場合を説明する。この場合、上記とは逆に波長変換素子13を通過するレーザ光の光路長を短くなるように波長変換素子13を回転させる。すなわち、回転台14の回転角度θi<θo(θiをθoより小さくする)とすることにより、波長変換素子13を伝播するレーザ光の光路長が基準角度θoのときに対して短くなり、中心波長の短波長側へのシフトにも対応可能となる。そして、波長変換素子15を逆方向に角度θiだけ回転させることにより、波長変換素子13を傾けたことに伴って生じる光軸ずれを補正することができる。 【0021】 上記のように波長変換素子13,15を回転することにより、基本波の中心波長がシフトする問題に対応できる。この問題の別の対応方法として、波長変換素子13の温度を変化させて調整する方法が考えられる。しかし、温度調整では基本波の出力を大きく変化させたときに温度も大きく変化させたり、変化させた温度が一定温度で安定するまで時間を要し、レスポンスの点で難点がある。これに対して、上記のように波長変換素子13,15の回転で対応する方法においては、モータ等の電気的な駆動で高速に制御できる。 【0022】 なお、上記の実施形態では波長変換素子13,15はそれぞれ温度調整器21,23によって所定の温度に維持されるものとしたが、温度調整機能を加えて制御するとさらに都合がよい。例えば、ドリフトなどにより微小な長期にわたる波長のシフト変動に対応するために、センサ31により検出され第2高調波レーザ光の出力が最大となるように、温度調整器21,23で一定に維持する温度を精密に調整することも可能である。 【0023】 治療時の動作について説明する。治療に際しては、入力部51によりレーザ照射条件を設定する。治療レーザ光の出力として50mmW〜1.4Wの範囲を可能とし、波長変換素子13,15による変換効率が20%とすると、ファイバレーザ1からの基本波レーザ光の出力は、250mmW〜7Wの範囲で調整が必要となる。メモリ43には、中心波長がシフトするファイバレーザ1の出力変化(LD2の駆動電流の変化)と前述の各波長変換素子13,15を傾ける角度θiとの関係を記憶させておく。これは予め実験により定めておくことができる。制御部40は、入力部51にて治療用可視レーザ光の出力が設定されると、これに対応するLD2の駆動電圧を定めると共に、LD2の駆動で出射される基本波レーザ光の出力に対応する角度θiの値をメモリ43から呼び出し、各回転機構20,22の駆動を制御して各波長変換素子13,15を傾ける。こにより、基本波の中心波長の変化に対しても安定した波長変換効率が得られる状態で、レーザ照射が可能とされる。 【0024】 トリガスイッチ41によりレーザ照射の指令信号が入力されると、制御部40は、LD2を駆動してファイバレーザ1から基本波のレーザ光を出射させると共に、ビームスプリッタ18と集光レンズ19との間に配置されたシャッタ(図示を略す)を開放する。ファイバ50には波長変換された可視のレーザ光(第2高調波)が入射する。ファイバ50に入射するレーザ光の出力はセンサ31により検出され、制御部40は設定された出力で安定するように、LD2の駆動を微調整する。なお、このLD2の微調整に従ってさらに各回転機構20,22により各波長変換素子13,15の角度を調整すると良い。 【0025】 本発明は上記の実施形態に限らず、種々の変形が可能である。例えば、図1及び図2において、回転台14,16の回転中心O1,O2はそれぞれ波長変換素子13,15の中央に位置するものとしたが、回転角度が大きく必要な場合には、波長変換素子13の入射面13a及び波長変換素子15の出射面15bが光軸L01から外れる。この対応としては、波長変換素子13の入射面13aに回転中心O1を位置させ、波長変換素子15の出射面15bに回転中心O2を位置させれば良い。 【0026】 また、波長変換素子13の内部を通過して出射面13bから出射する際にレーザ光の屈折によって生じる第2高調波レーザ光の光軸のずれを補正する手段としては、波長変換素子13と同一の波長変換素子15を使用する変わりに、波長変換素子13と同一の屈折率及び長さを持ち、且つ入射面と出射面が平行な透明光学部材(少なくとも第2高調波レーザ光を透過する光学部材)を使用しても良い。この場合、透明光学部材の回転制御は、波長変換素子15と同様に行える。 【0027】 また、波長変換素子15に代えて、屈折率が波長変換素子13と異なる光学部材を使用する場合は、屈折率の違い分をその光学部材の長さ(平行な関係の入射面と出射面の距離)の設定と回転角度(入射面,出射面の傾斜角度)の制御の少なくとも一方で調整すれば良い。図3は、光軸ずれの補正手段として、波長変換素子15に代えて屈折率が波長変換素子13と異なる光学部材70を使用した場合の例である。この例では、波長変換素子13の入射面13aに回転時の中心O1を位置させ、光学部材70の出射面70bに回転時の中心O2を位置させている。なお、図3において、波長変換素子13及び光学部材70を回転するための回転台及びその回転機構の図示は略している。 【0028】 図3において、波長変換素子13をθi1傾けたとき、その内部を通過して出射面13bから出射する際に屈折によって生じる第2高調波レーザ光の光軸のずれを元の光軸01に補正するように、光学部材70を角度θi2だけ傾ける。この傾き角度θi2は、光学部材70の第2高調波の屈折率及び光学部材70の長さ(入射面70aと出射面70bとの間の距離)の関係に基づいて決定される。角度θi1に対する角度θi2は、予め計算によりメモリ43に記憶させておけば良い。 【0029】 上記の説明においては、何れもファイバ50にレーザ光を入射させる集光レンズ19の光軸は、ファイバレーザ1から出射した基本波レーザ光の光軸01と同じになるように配置した構成例としたが、両者は必ずしも一致して無くても良い。例えば、集光レンズ19の光軸が光軸01に対して初めからずれて設計されているときは、集光レンズ19の光軸に合うように波長変換素子15や光学部材70の角度を調整すれば良い。 【0030】 また、上記では波長変換素子13,15及び光学部材70のそれぞれの入射面と出射面とが平行な位置関係としたが、これに限られるものでは無い。各部材の入射面と出射面とが平行な関係とした場合には、それぞれの出射面からのレーザ光が入射面に入射するレーザ光と平行にずれ、光軸ずれを補正するための傾斜角度の計算をし易くなる。入射面と出射面とが平行でない場合においても、両者の関係が既知であれば、それに応じて各部材の出射面から出射するレーザ光の光軸方向を計算し、これを補正するように波長変換素子15や光学部材70等の補正部材の傾斜角度を決めれば良い。 【図面の簡単な説明】 【0031】 【図1】本発明に係る光凝固レーザ装置の概略構成図である。 【図2】2つの波長変換素子の回転により、基本波の中心波長のシフトに対する対応方法を説明する図である。 【図3】本発明の変容例を説明する図である。 【符号の説明】 【0032】 1 ファイバレーザ 2 LD 13 第1波長変換素子 15 第2波長変換素子 50 ファイバ 52 デリバリ光学系 14,16 回転台 20,22 回転機構 21,23 温度調整器 40 制御部 70 光学部材
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| 【出願人】 |
【識別番号】000135184 【氏名又は名称】株式会社ニデック
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| 【出願日】 |
平成17年7月29日(2005.7.29) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2007−29627(P2007−29627A) |
| 【公開日】 |
平成19年2月8日(2007.2.8) |
| 【出願番号】 |
特願2005−220697(P2005−220697) |
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