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【発明の名称】 複数処理槽制御システムおよび複数処理槽制御方法
【発明者】 【氏名】若狭 暁

【氏名】三浦 正敏

【氏名】東浦 秀樹

【氏名】松川 泰三

【氏名】松林 浩司

【氏名】狩野 泰範

【氏名】松本 宏典

【氏名】三堂 由健

【要約】 【課題】複数の処理槽で減圧手段または給蒸手段などを共用可能なシステムとその制御方法の提供。

【解決手段】開閉可能な複数の処理槽2(8,9)と、処理槽2内へ蒸気供給する給蒸手段3と、処理槽2内を減圧する減圧手段4と、減圧された処理槽2内を復圧する復圧手段5と、これら各手段3〜5を制御する制御手段7とを備える。給蒸手段3と減圧手段4との一方または双方は、その少なくとも一部が複数の処理槽2に共通して用いられる共用設備とされる。制御手段7は、各処理槽2ごとに異なる工程を実行可能に、前記各手段3〜5を制御すると共に、共用設備を用いる工程が複数の処理槽2で重なる場合には、各処理槽2の処理をずらして実行する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の処理槽と、この複数の処理槽に共通して用いられる共用設備とを備え、
前記共用設備の使用が重なることにより前記共用設備の能力を超えないように、前記各処理槽の処理をずらして実行する
ことを特徴とする複数処理槽制御システム。
【請求項2】
前記各処理槽内の気体を外部へ吸引排出して前記各処理槽内を減圧する減圧手段と、減圧された前記各処理槽内へ外気を導入して前記各処理槽内を復圧する復圧手段と、前記各処理槽内、および/または前記減圧手段を構成する蒸気エゼクタのノズルへ蒸気供給する給蒸手段と、一または複数の前記処理槽ごとに異なる工程を実行可能に前記各手段を制御する制御手段とを備え、
前記給蒸手段、前記減圧手段および前記復圧手段の内、いずれか一以上の手段は、その一部または全部が前記共用設備とされており、
前記制御手段は、前記共用設備を用いる工程が重なることにより前記共用設備の能力を超える場合には、その各処理槽の処理をずらして実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の複数処理槽制御システム。
【請求項3】
前記給蒸手段は、複数の前記処理槽に共通して設けられたボイラからの蒸気を、前記各処理槽への各給蒸ラインを介して前記各処理槽へ供給可能であり、
前記減圧手段は、複数の前記処理槽に共通または個別に設けられ、前記各処理槽からの各減圧ラインを介して、前記各処理槽内の空気および/または蒸気を排出する手段であり、
前記制御手段は、前記各処理槽に対応して前記各給蒸ラインの中途に設けられる各給蒸操作弁と、前記各処理槽に対応して前記各処理槽内への外気導入用の各復圧ラインの中途に設けられる各復圧操作弁の開閉、および前記各処理槽ごとに減圧可能に前記減圧手段の作動または前記各減圧ラインの中途に設けられる各減圧操作弁の開閉を制御すると共に、複数の前記処理槽で前記共用設備を用いる工程が重なることにより前記共用設備の能力を超える場合には、いずれかの処理槽の処理を継続または実行し、その間、他の処理槽の処理を待機させる
ことを特徴とする請求項2に記載の複数処理槽制御システム。
【請求項4】
複数の処理槽と、この複数の処理槽に共通して用いられる共用設備とを備え、
一または複数の前記処理槽ごとに異なる工程を実行可能であると共に、前記共用設備を用いる工程が重なる場合には、予め定められた工程種別の優先順位に基づき、その優先順位の高い工程を優先して実行する
ことを特徴とする複数処理槽制御システム。
【請求項5】
前記共用設備は、減圧手段である
ことを特徴とする請求項4に記載の複数処理槽制御システム。
【請求項6】
複数の処理槽と、
前記処理槽内へ蒸気供給する給蒸手段と、
複数の前記処理槽に共通して設けられ、前記処理槽内を減圧する減圧手段と、
減圧された前記処理槽内を復圧する復圧手段と、
前記処理槽ごとに異なる工程を実行可能に、前記給蒸手段、前記減圧手段および前記復圧手段を制御すると共に、前記減圧手段を用いる工程が重なる場合には、予め定められた工程種別の優先順位に基づき、その優先順位の高い工程を行う処理槽の処理を優先して実行する制御手段と
を備えることを特徴とする複数処理槽制御システム。
【請求項7】
前記給蒸手段は、複数の前記処理槽に共通して設けられたボイラからの蒸気を、前記各処理槽への各給蒸ラインを介して前記各処理槽へ供給する手段であり、
前記減圧手段は、複数の前記処理槽に共通して設けられ、前記各処理槽からの各減圧ラインを介して、前記各処理槽内の空気および/または蒸気を排出する手段であり、
前記制御手段は、前記各処理槽に対応して前記各給蒸ラインの中途に設けられる各給蒸操作弁と、前記各処理槽に対応して前記各減圧ラインの中途に設けられる各減圧操作弁と、前記各処理槽に対応して前記各処理槽内への外気導入用の各復圧ラインの中途に設けられる各復圧操作弁と、前記各処理槽に対応して前記各処理槽内からの蒸気やその凝縮水の各排出ラインの中途に設けられる各排出弁の開閉、および前記減圧手段の作動を制御する
ことを特徴とする請求項6に記載の複数処理槽制御システム。
【請求項8】
前記減圧手段による前記処理槽内の減圧下で、前記給蒸手段により前記処理槽内へ蒸気供給して、前記処理槽内の食材を加熱調理する減圧蒸煮工程の優先順位を最も高くした蒸煮機もしくは蒸煮冷却機、
運転開始直後の前記減圧手段の作動による前記処理槽内からの空気排除工程の優先順位を最も高くした真空解凍機、
前記給蒸手段により前記処理槽内へ蒸気供給して、前記処理槽内の物品を加熱する滅菌工程後に、前記減圧手段を作動させて前記処理槽内を減圧して前記物品を乾かす乾燥工程の優先順位を最も高くした蒸気滅菌機、
のいずれかであることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の複数処理槽制御システム。
【請求項9】
共用設備を用いた複数の処理槽の制御方法であって、
前記共用設備の使用が重なることにより前記共用設備の能力を超えないように、前記各処理槽の処理をずらして実行する
ことを特徴とする複数処理槽制御方法。
【請求項10】
複数の前記処理槽で同時に実行すると、前記共用設備の能力を超える一または複数種の工程を、優先工程として予め定めておき、
各処理槽における次工程への工程切替時に、次工程が優先工程に属し、且つ他の処理槽で優先工程に属する工程を実行中の場合には、この実行中工程の完了まで待機するステップ、
その後、前記次工程を実行すると共に、前記他の処理槽の後続工程が優先工程に属する場合には、前記次工程の完了まで前記他の処理槽の処理を待機させるステップ
を含むことを特徴とする請求項9に記載の複数処理槽制御方法。
【請求項11】
共通の減圧手段を用いた複数の処理槽の制御方法であって、
複数の処理槽で前記減圧手段の使用が重なる場合には、予め定められた工程種別の優先順位に基づき、その優先順位の高い工程を行う処理槽の処理を優先して実行する
ことを特徴とする複数処理槽制御方法。
【請求項12】
各処理槽における次工程への工程切替時に、次工程が減圧手段を必要とし、且つ他の処理槽で減圧手段を用いる工程を実行中の場合には、この実行中工程の完了まで待機するステップ、
前記他の処理槽の後続工程が減圧手段を必要とする場合には、前記次工程の工程種別と前記他の処理槽の後続工程の工程種別とを対比し、前記次工程の工程種別が前記他の処理槽の後続工程の工程種別よりも優先順位が低い場合には、前記他の処理槽の後続工程の完了まで待機し、前記次工程の工程種別が前記他の処理槽の後続工程の工程種別よりも優先順位が高い場合には、前記他の処理槽の処理を待機させつつ前記次工程を実行し、前記次工程の工程種別が前記他の処理槽の後続工程の工程種別と優先順位が同じ場合には、待機時間の長い方の処理槽の処理を実行するステップ
を含むことを特徴とする請求項11に記載の複数処理槽制御方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の処理槽の制御システムおよび制御方法に関するものである。特に、複数の処理槽に共通して用いられる共用設備を備える蒸煮機(蒸し庫を含む)、蒸煮冷却機、真空解凍機、蒸気滅菌機(オートクレーブを含む)などに関するものである。
【背景技術】
【0002】
食材を収容した処理槽内へ蒸気を供給することで、食材を蒸し煮(蒸煮)して調理すると共に、加熱調理後には処理槽内を減圧することで真空冷却を図る蒸煮冷却機が知られている。
【特許文献1】特許第2781373号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の蒸煮冷却機は、一つの処理槽のみを備えるだけであった。食材の処理量によっては複数の蒸煮冷却機を並列的に運転することになるが、各蒸煮冷却機間には構造上および制御上、何らの繋がりもなかった。そのため、たとえば処理槽内の空気を外部へ吸引排出するための真空ポンプなどの減圧手段は、処理槽の数だけ必要であった。
【0004】
ところが、密閉された処理槽内へ蒸気供給して処理槽内の食材を大気圧よりも高圧下で加熱調理する加圧蒸煮工程中は、減圧手段は停止している。従って、このような蒸煮冷却機では、減圧手段の稼働率は低いものである。そのため、複数の処理槽それぞれに減圧手段を設置する必要性は乏しく、そのような構成はコストアップを招くものである。その一方で、減圧手段の性能をこれまでと同様、一つの処理槽を前提とした能力のままとする場合、複数の処理槽で減圧手段を用いる工程が重なると、減圧能力が不足するおそれがある。
【0005】
また、このことは、蒸煮冷却機に限らず、真空解凍機などの他の装置においても同様である。さらに、減圧手段に代えてまたはそれに加えて、処理槽内へ蒸気を供給する給蒸手段などの他の構成も、複数の処理槽で共用したい場合がある。ところが、上述した減圧手段の場合と同様に、共用設備として、単純に処理槽の数を掛けた能力のものを用意するのでは無駄を生じ易い反面、それ未満の能力では能力不足を生じるおそれがある。
【0006】
この発明が解決しようとする課題は、減圧手段や給蒸手段などの所望設備を、複数の処理槽で低コストに共用可能なシステムとその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、複数の処理槽と、この複数の処理槽に共通して用いられる共用設備とを備え、前記共用設備の使用が重なることにより前記共用設備の能力を超えないように、前記各処理槽の処理をずらして実行することを特徴とする複数処理槽制御システムである。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、少なくとも一部構成が、複数の処理槽に共通して用いられる共用設備とされているが、複数の処理槽を並列して運転しても、共用設備の使用が重なることにより共用設備の能力を超えることはない。従って、各処理槽で必要とされる最大能力を合算した能力未満の共用設備であっても、各工程に必要な能力を確保することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記各処理槽内の気体を外部へ吸引排出して前記各処理槽内を減圧する減圧手段と、減圧された前記各処理槽内へ外気を導入して前記各処理槽内を復圧する復圧手段と、前記各処理槽内、および/または前記減圧手段を構成する蒸気エゼクタのノズルへ蒸気供給する給蒸手段と、一または複数の前記処理槽ごとに異なる工程を実行可能に前記各手段を制御する制御手段とを備え、前記給蒸手段、前記減圧手段および前記復圧手段の内、いずれか一以上の手段は、その一部または全部が前記共用設備とされており、前記制御手段は、前記共用設備を用いる工程が重なることにより前記共用設備の能力を超える場合には、その各処理槽の処理をずらして実行することを特徴とする請求項1に記載の複数処理槽制御システムである。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、給蒸手段、減圧手段、および復圧手段を備えることで、処理槽内の食材を蒸気で加熱調理する蒸煮機、さらにその加熱調理後に処理槽内の食材を冷却する蒸煮冷却機、処理槽内の食材を蒸気で加熱解凍する真空解凍機、または処理槽内の物品を蒸気で加熱滅菌する蒸気滅菌機などとすることができる。そして、複数の処理槽を備えるが、給蒸手段、減圧手段および復圧手段の内、いずれか一以上の手段は、その少なくとも一部が複数の処理槽で共用される構成である。また、複数の処理槽を並列して運転しても、共用設備を用いる工程が重なることにより共用設備の能力を超える場合には、各処理槽の処理をずらして実行することで、各工程に必要な能力を確保することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、前記給蒸手段は、複数の前記処理槽に共通して設けられたボイラからの蒸気を、前記各処理槽への各給蒸ラインを介して前記各処理槽へ供給可能であり、前記減圧手段は、複数の前記処理槽に共通または個別に設けられ、前記各処理槽からの各減圧ラインを介して、前記各処理槽内の空気および/または蒸気を排出する手段であり、前記制御手段は、前記各処理槽に対応して前記各給蒸ラインの中途に設けられる各給蒸操作弁と、前記各処理槽に対応して前記各処理槽内への外気導入用の各復圧ラインの中途に設けられる各復圧操作弁の開閉、および前記各処理槽ごとに減圧可能に前記減圧手段の作動または前記各減圧ラインの中途に設けられる各減圧操作弁の開閉を制御すると共に、複数の前記処理槽で前記共用設備を用いる工程が重なることにより前記共用設備の能力を超える場合には、いずれかの処理槽の処理を継続または実行し、その間、他の処理槽の処理を待機させることを特徴とする請求項2に記載の複数処理槽制御システムである。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、給蒸手段の主要部をなすボイラを、複数の処理槽で共用することができる。そして、制御手段は、各処理槽に対応してそれぞれ設けられた各給蒸操作弁と各復圧操作弁の開閉と、各処理槽ごとに減圧可能に減圧手段の作動または各減圧操作弁の開閉を制御すればよく、システム全体の構成および制御を簡易なものとすることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、複数の処理槽と、この複数の処理槽に共通して用いられる共用設備とを備え、一または複数の前記処理槽ごとに異なる工程を実行可能であると共に、前記共用設備を用いる工程が重なる場合には、予め定められた工程種別の優先順位に基づき、その優先順位の高い工程を優先して実行することを特徴とする複数処理槽制御システムである。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、複数の処理槽で共用設備を共用することで、コストの低減を図ることができる。また、複数の処理槽を並列して運転することができ、しかも処理槽ごとに異なる工程を実行可能である。さらに、共用設備を用いる工程が複数の処理槽で重なる場合には、優先順位の高い工程を優先することで、各工程に必要な能力を確保することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、前記共用設備は、減圧手段であることを特徴とする請求項4に記載の複数処理槽制御システムである。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、複数の処理槽で減圧手段を共用することで、コストの低減を図ることができる。さらに、減圧手段を用いる工程が複数の処理槽で重なる場合には、優先順位の高い工程を優先することで、各工程に必要な減圧能力を確保することができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、複数の処理槽と、前記処理槽内へ蒸気供給する給蒸手段と、複数の前記処理槽に共通して設けられ、前記処理槽内を減圧する減圧手段と、減圧された前記処理槽内を復圧する復圧手段と、前記処理槽ごとに異なる工程を実行可能に、前記給蒸手段、前記減圧手段および前記復圧手段を制御すると共に、前記減圧手段を用いる工程が重なる場合には、予め定められた工程種別の優先順位に基づき、その優先順位の高い工程を行う処理槽の処理を優先して実行する制御手段とを備えることを特徴とする複数処理槽制御システムである。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、給蒸手段、減圧手段、および復圧手段を備えることで、処理槽内の食材を蒸気で加熱調理する蒸煮機、さらにその加熱調理後に処理槽内の食材を冷却する蒸煮冷却機、処理槽内の食材を蒸気で加熱解凍する真空解凍機、または処理槽内の物品を蒸気で加熱滅菌する蒸気滅菌機などとすることができる。そして、複数の処理槽を備えるが、減圧手段は複数の処理槽で共用することができる。また、複数の処理槽を並列して運転することができ、しかも処理槽ごとに異なる工程を実行可能である。さらに、減圧手段を用いる工程が複数の処理槽で重なる場合には、工程種別の優先順位に基づき順次に実行することで、各工程に必要な減圧能力を確保することができる。
【0019】
請求項7に記載の発明は、前記給蒸手段は、複数の前記処理槽に共通して設けられたボイラからの蒸気を、前記各処理槽への各給蒸ラインを介して前記各処理槽へ供給する手段であり、前記減圧手段は、複数の前記処理槽に共通して設けられ、前記各処理槽からの各減圧ラインを介して、前記各処理槽内の空気および/または蒸気を排出する手段であり、前記制御手段は、前記各処理槽に対応して前記各給蒸ラインの中途に設けられる各給蒸操作弁と、前記各処理槽に対応して前記各減圧ラインの中途に設けられる各減圧操作弁と、前記各処理槽に対応して前記各処理槽内への外気導入用の各復圧ラインの中途に設けられる各復圧操作弁と、前記各処理槽に対応して前記各処理槽内からの蒸気やその凝縮水の各排出ラインの中途に設けられる各排出弁の開閉、および前記減圧手段の作動を制御することを特徴とする請求項6に記載の複数処理槽制御システムである。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、減圧手段に加えて、給蒸手段の主要部をなすボイラも、複数の処理槽で共用することができる。そして、制御手段は、各処理槽に対応してそれぞれ設けられた各給蒸操作弁、各減圧操作弁、各復圧操作弁、および各排出弁の開閉と、減圧手段の作動を制御すればよく、システム全体の構成および制御を簡易なものとすることができる。
【0021】
請求項8に記載の発明は、前記減圧手段による前記処理槽内の減圧下で、前記給蒸手段により前記処理槽内へ蒸気供給して、前記処理槽内の食材を加熱調理する減圧蒸煮工程の優先順位を最も高くした蒸煮機もしくは蒸煮冷却機、運転開始直後の前記減圧手段の作動による前記処理槽内からの空気排除工程の優先順位を最も高くした真空解凍機、前記給蒸手段により前記処理槽内へ蒸気供給して、前記処理槽内の物品を加熱する滅菌工程後に、前記減圧手段を作動させて前記処理槽内を減圧して前記物品を乾かす乾燥工程の優先順位を最も高くした蒸気滅菌機、のいずれかであることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の複数処理槽制御システムである。
【0022】
請求項8に記載の発明によれば、複数の処理槽に対し一つの減圧手段しか有しなくても、それによる不都合を必要最小限に抑えた蒸煮機、蒸煮冷却機、真空解凍機、または蒸気滅菌機を実現することができる。
【0023】
請求項9に記載の発明は、共用設備を用いた複数の処理槽の制御方法であって、前記共用設備の使用が重なることにより前記共用設備の能力を超えないように、前記各処理槽の処理をずらして実行することを特徴とする複数処理槽制御方法である。
【0024】
請求項9に記載の発明によれば、共用設備の使用が重なることにより共用設備の能力を超えないので、各処理槽において各工程に必要な能力を確保することができる。このようにして、各処理槽で必要とされる最大能力を合算した能力未満の共用設備であっても、各工程に必要な能力を確保することができる。
【0025】
請求項10に記載の発明は、複数の前記処理槽で同時に実行すると、前記共用設備の能力を超える一または複数種の工程を、優先工程として予め定めておき、各処理槽における次工程への工程切替時に、次工程が優先工程に属し、且つ他の処理槽で優先工程に属する工程を実行中の場合には、この実行中工程の完了まで待機するステップ、その後、前記次工程を実行すると共に、前記他の処理槽の後続工程が優先工程に属する場合には、前記次工程の完了まで前記他の処理槽の処理を待機させるステップを含むことを特徴とする請求項9に記載の複数処理槽制御方法である。
【0026】
請求項10に記載の発明によれば、優先工程に属する工程は、複数の処理槽で同時に実行されることなく、各処理槽で順次に実行されるので、各工程に必要な能力を確保することができる。
【0027】
請求項11に記載の発明は、共通の減圧手段を用いた複数の処理槽の制御方法であって、複数の処理槽で前記減圧手段の使用が重なる場合には、予め定められた工程種別の優先順位に基づき、その優先順位の高い工程を行う処理槽の処理を優先して実行することを特徴とする複数処理槽制御方法である。
【0028】
請求項11に記載の発明によれば、複数の処理槽を並列して運転することができ、その際、減圧手段を用いる工程が複数の処理槽で重なる場合には、優先順位の高い工程を優先することで、各工程に必要な減圧能力を確保することができる。このようにして、複数の処理槽で減圧手段を共用することが可能となる。
【0029】
さらに、請求項12に記載の発明は、各処理槽における次工程への工程切替時に、次工程が減圧手段を必要とし、且つ他の処理槽で減圧手段を用いる工程を実行中の場合には、この実行中工程の完了まで待機するステップ、前記他の処理槽の後続工程が減圧手段を必要とする場合には、前記次工程の工程種別と前記他の処理槽の後続工程の工程種別とを対比し、前記次工程の工程種別が前記他の処理槽の後続工程の工程種別よりも優先順位が低い場合には、前記他の処理槽の後続工程の完了まで待機し、前記次工程の工程種別が前記他の処理槽の後続工程の工程種別よりも優先順位が高い場合には、前記他の処理槽の処理を待機させつつ前記次工程を実行し、前記次工程の工程種別が前記他の処理槽の後続工程の工程種別と優先順位が同じ場合には、待機時間の長い方の処理槽の処理を実行するステップを含むことを特徴とする請求項11に記載の複数処理槽制御方法である。
【0030】
請求項12に記載の発明によれば、工程種別の優先順位に基づき、優先順位が低い処理を行う処理槽の処理を待機させた状態で、優先順位が高い処理を行う処理槽の処理を実行することで、順次に各工程を実行し、各工程に必要な減圧能力を確保することができる。
【発明の効果】
【0031】
この発明によれば、減圧手段や給蒸手段などの所望設備を、複数の処理槽で低コストに共用可能なシステムとその制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
つぎに、この発明の実施の形態について説明する。
【0033】
本実施形態の複数処理槽制御システムは、食材もしくは食品または各種物品からなる被処理物を収容する複数の処理槽と、この複数の処理槽に共通して用いられる共用設備と、この共用設備の使用が重なることにより共用設備の能力を超えないように、前記各処理槽の処理をずらして実行する制御手段とを備える。
【0034】
すなわち、本システムでは、まず、少なくとも一部構成が、複数の処理槽に共通して用いられる共用設備とされる。いずれの構成を共用設備とするかは、特に問わず適宜に設定される。典型的には、各処理槽には、後述するように、処理槽内へ蒸気を供給する給蒸手段、処理槽内の気体を外部へ吸引排出して処理槽内を減圧する減圧手段、減圧された処理槽内へ外気を導入して処理槽内を復圧する復圧手段などの各種手段が備えられるが、この内のいずれか一以上の手段の一部または全部が共用設備とされる。
【0035】
そして、前記制御手段は、前記各手段を制御して、各処理槽において所定の工程を順次に実行する。その際、通常は、各処理槽ごとに異なる工程を実行するが、所望により、二以上の処理槽ごとにグループ分けして、そのグループごとに異なる工程を実行してもよい。以下では、各処理槽ごとに制御する例について説明するが、各グループごとに制御する場合も同様である。
【0036】
本システムの運転中、各処理槽で共用設備に要求する能力は、工程により異なるが、制御手段は、全処理槽で同時に要求する合算能力が共用設備の能力を超えないように、所望により各処理槽の処理をずらして実行する。逆にいうと、共用設備の能力を超えない範囲では、複数の処理槽で並列して処理が実行される。たとえば、並列して実行しても共用設備の能力を超えない工程同士の組合せの場合、それぞれの工程が各処理槽で並列して実行される。一方、複数の処理槽で並列して共用設備を使用しつつ実行すると、共用設備の能力を超える場合には、各処理槽の処理をずらして順次に実行する。つまり、他の処理槽の処理を待機させつつ、いずれかの処理槽の処理を実行する。
【0037】
ところで、共用設備の種別に応じた給蒸、給水、または減圧などについて、共用設備に要求される能力は、各処理槽で実行される工程に応じて異なるのが通常である。そして、共用設備に要求される能力は、全工程を通じて各処理槽で必要とされる最大能力を、全ての処理槽分だけ合算した値となるのが原則である。しかしながら、本実施形態では、その合算能力未満の能力であっても、各処理槽で必要とされる最大能力以上の能力であれば足りる。なぜなら、制御手段は、各処理槽で所定の工程を順次に実行させるが、複数の処理槽で共用設備を用いる工程が重なることにより共用設備の能力を超える場合には、いずれかの処理槽の処理を継続または実行し、その間、他の処理槽の処理を待機させるからである。
【0038】
以下、より具体的に説明すると、本実施形態のシステムは、食材(食品を含む)などの被処理物を収容する処理槽と、処理槽内へ蒸気供給する給蒸手段と、処理槽内の空気や蒸気を外部へ吸引排出して処理槽内を減圧する減圧手段と、減圧下の処理槽内へ外気を導入して処理槽内を復圧する復圧手段とを備えて構成される。また、処理槽内の蒸気やその凝縮水を外部へ排出する排出手段を別途さらに備える場合がある。そして、前記各手段は、制御手段にて制御される。
【0039】
処理槽は、食材などの被処理物を収容する中空容器である。本実施形態では、二つ、もしくは三つ、またはそれ以上の数の処理槽を備える。各処理槽の容量は、同じとするが、互いに異なる容量とすることもできる。各処理槽は、被処理物を収容して密閉可能に構成される。たとえば、前面に開閉可能な扉を設けた略直方体状の缶体、あるいは、上面に開閉可能な蓋を設けた有底筒状の缶体とされる。
【0040】
各処理槽内には、食材などの被処理物が収容される。この際、被処理物は、調理鍋などの各種容器や袋などに入れられていてもよい。そして、被処理物は、処理槽内に設けられた棚板や、処理槽に出し入れされるワゴンの棚板に保持される。この棚板は、金網もしくはパンチングメタルなどのメッシュ状、または複数の棒材が水平に架け渡されたスノコ状などに構成しておくのが好ましい。このようにして被処理物は処理槽の底面から浮いた状態で保持され、給蒸手段による蒸気を処理槽内に供給した際には、その蒸気が被処理物の全周囲に行き渡ることになる。また、処理槽内の底部に凝縮水が溜まっても、その凝縮水が被処理物に接触するのが防止される。
【0041】
給蒸手段は、処理槽内へボイラからの蒸気を供給する手段である。この蒸気は、一次ボイラからの蒸気を熱源とする二次ボイラ(リボイラ)にて純水または軟水を加熱して得られる清浄蒸気とするのがよい。これにより、配管内の錆や、防錆剤などのボイラ水処理薬品が、処理槽への蒸気に混入されるおそれがなく衛生的である。但し、一次ボイラのみを用いて、その蒸気を処理槽内へ供給する構成としてもよいのは勿論である。
【0042】
このような給蒸手段は、複数の処理槽それぞれに設置してもよいし、複数または全部の処理槽にて少なくとも一部を共用するように設置してもよい。たとえば、前記二次ボイラを複数の処理槽に共通して一つだけ設置する。この場合、前記一次ボイラも共通化できる。すなわち、給蒸手段として一次ボイラと二次ボイラとを用いる構成において、複数の処理槽でボイラを共用する場合、一次ボイラと二次ボイラとを共用することができる。
【0043】
いずれの場合も、給蒸手段からの蒸気は、蒸気導入管路としての給蒸ラインを介して、各処理槽内へ供給される。各処理槽への各給蒸ラインの中途には、それぞれ給蒸操作弁が設けられる。複数の処理槽でボイラを共用する場合には、ボイラからの給蒸ラインは、分岐して各処理槽へ接続され、その各分岐ラインにそれぞれ給蒸操作弁が設けられる。各処理槽に対応した各給蒸操作弁を開閉することで、対応する処理槽内への蒸気供給の有無が切り替えられる。
【0044】
減圧手段は、処理槽内の空気や蒸気を真空引きすることで、処理槽内を減圧する手段である。減圧手段は、真空ポンプ、またはそれに代えてもしくはそれに加えて、蒸気エゼクタまたは水エゼクタなどを備える。このような減圧手段は、複数の処理槽それぞれに設置するのではなく、複数または全部の処理槽にて少なくとも一部を共用するよう設置することができる。たとえば、減圧手段として真空ポンプを用いる場合、複数の処理槽に共通して一つの真空ポンプのみを設置する。
【0045】
各処理槽は、空気導出管路としての減圧ラインを介して、減圧手段に接続される。複数の処理槽で減圧手段を共用する場合、各処理槽からの減圧ラインは、一本にまとめられて減圧手段に接続される。また、特にこの場合は、各処理槽に対応した各減圧ラインの中途には、それぞれ減圧操作弁が設けられる。この減圧操作弁を開閉することで、対応する処理槽内からの真空引きの可否が切り替えられる。但し、各処理槽ごとに個別に減圧手段を設ける場合は、減圧操作弁を設けずに、各処理槽に対応した減圧手段の作動の有無を制御してもよい。
【0046】
ところで、減圧手段として蒸気エゼクタを用いる場合、そのノズルへの蒸気供給は、前記給蒸手段を用いて行うことができる。この場合、給蒸手段は、各処理槽内への蒸気供給の他、減圧手段を構成する蒸気エゼクタのノズルへの蒸気供給を行う手段となる。ここで、給蒸手段として、一次ボイラと二次ボイラとを用いる場合、蒸気エゼクタのノズルへは処理槽内への蒸気と同様に、二次ボイラからの蒸気を用いてもよいが、通常は一次ボイラからの蒸気が供給される。つまり、この場合、一次ボイラの蒸気は、二次ボイラへ供給されて軟水または純水を蒸気化するのに使用されると共に、蒸気エゼクタのノズルへも供給可能とされる。
【0047】
また、減圧手段として蒸気エゼクタを用いる場合、減圧ラインには蒸気エゼクタより下流側に、凝縮器としての熱交換器が通常備えられる。また、減圧手段として真空ポンプを用いる場合、減圧ラインには真空ポンプより上流側に、凝縮器としての熱交換器を備えるのが望ましい。ここで、熱交換器は、減圧ライン内の蒸気を冷却し凝縮させる凝縮器であり、処理槽内を減圧することで被処理物から生じる蒸気や、蒸気エゼクタのノズルからの蒸気を、冷却し凝縮させる。この冷却および凝縮作用をなすために、熱交換器には冷却用水が供給され、減圧ラインの冷却が図られる。熱交換器の下流側に真空ポンプが配置される場合、減圧ライン内の蒸気を予め熱交換器で凝縮させておくことで、その後の真空ポンプの負荷を軽減して、減圧能力を高めることができる。
【0048】
復圧手段は、減圧手段により減圧された処理槽内を復圧する手段である。具体的には、減圧された処理槽内へ外気を導入して、処理槽内を大気圧まで復圧することができる。処理槽内への外気の導入は、衛生面を考慮して、フィルターを介して行うのが望ましい。このような復圧手段は、複数の処理槽それぞれに設置してもよいし、複数または全部の処理槽にて少なくとも一部を共用するように設置してもよい。たとえば、前記フィルターを複数の処理槽に共通して一箇所に設置する。
【0049】
いずれの場合も、フィルターを介した清浄空気は、外気導入管路としての復圧ラインを介して、各処理槽内へ供給される。各処理槽への各復圧ラインの中途には、それぞれ復圧操作弁が設けられる。複数の処理槽で前記フィルターを共用する場合には、フィルターからの復圧ラインは、分岐して各処理槽へ接続され、その各分岐ラインにそれぞれ復圧操作弁が設けられる。各処理槽に対応した各復圧操作弁を開閉することで、対応する処理槽内への外気導入の有無が切り替えられる。
【0050】
排出手段は、処理槽内の蒸気やその凝縮水を外部へ排出する手段である。この排出手段は、処理槽内から蒸気を排出する蒸気導出管路としての排蒸ラインと、スチームトラップを介して処理槽内の底部から凝縮水と残存空気を排出する排水管路としてのトラップラインとから構成される。ここで、前記排蒸ラインは、処理槽の底部に接続することで、蒸気に加えてその凝縮水も排出可能となる。
【0051】
各処理槽からの各排蒸ラインの中途には、それぞれ排蒸操作弁が設けられる。また、各処理槽からの各トラップラインの中途には、それぞれトラップ弁が設けられる。各処理槽に対応した排蒸操作弁および/またはトラップ弁を開閉することで、対応する処理槽内からの蒸気および/または凝縮水の排出の有無が切り替えられる。なお、排蒸ラインとトラップラインは、処理槽内から凝縮水などを外部へ排出する点で共通するので、排蒸ラインまたはトラップラインを排出ラインと呼び、排蒸操作弁またはトラップ弁を排出弁と呼ぶことができる。また、この排出手段についても、他の手段と同様に、複数(通常は全部)の処理槽にて少なくとも一部を共用するよう設置できる。
【0052】
制御手段は、給蒸手段、減圧手段、復圧手段、および排出手段などを制御する手段であり、通常は少なくとも一部が複数の処理槽に共通して設けられる。但し、各処理槽ごとに個別に制御手段を設けて、それらをネットワーク化するなどして、他の処理槽の状態を監視しながら各処理槽を制御もよい。いずれにしても、前記各手段は、制御手段により制御され、各処理槽において所定の運転工程が順次に実行される。その際、処理槽内の圧力を検出する圧力センサからの出力、および/または、処理槽内の被処理物の温度を検出する温度センサからの出力、さらには前記各手段を作動させる時間を調整して制御できる。また、制御手段は、一または複数の処理槽ごとに、異なる工程を実行可能に前記各手段を制御する。
【0053】
制御手段には、種々の設定値を入力するタッチパネルなどの入力手段を備えるが、その態様としてつぎのものが含まれる。第一の態様として、制御手段および入力手段をそれぞれ各処理槽に共通で一つ設ける態様、第二の態様として、制御手段を各処理槽に共通の一つのものとし、入力手段を各処理槽毎に設ける態様,第三の態様として、制御手段および入力手段を各処理槽毎に設ける態様である。
【0054】
本システムは、処理槽内の食材を蒸気で加熱調理する蒸煮機、さらにその加熱調理後に処理槽内の食材を冷却する蒸煮冷却機、処理槽内の食材を蒸気で加熱解凍する真空解凍機、または処理槽内の物品を蒸気で加熱滅菌する蒸気滅菌機などとすることができる。また、前記各手段の内のいずれか一以上の手段は、その一部または全部が複数の処理槽で共通化されている。ここでは、減圧手段が共通化されているとして説明するが、それに代えてまたはそれに加えて、給蒸手段などの他の構成も共通化することができる。
【0055】
たとえば、蒸煮冷却機の場合、典型的には、減圧手段による減圧後に給蒸手段により蒸気供給して処理槽を温める予熱工程、処理槽内の空気を外部へ排出するために減圧手段により減圧してから給蒸手段により蒸気供給する空気排除工程、処理槽内が所望圧力になるまで給蒸手段により蒸気供給する給蒸工程、処理槽内を設定圧力に保持するよう給蒸手段による蒸気供給の有無または量を調整して処理槽内の食材を加熱調理する蒸煮工程、加熱調理後の食材の冷却を図る冷却工程が順次に行われる。
【0056】
ここで、前記蒸煮工程は、二以上の段階に分けて行ってもよい。たとえば、第一設定圧力に維持するように、圧力センサの出力に基づき給蒸操作弁を開閉操作する第一蒸煮工程後に、第二設定圧力に維持するように、圧力センサの出力に基づき給蒸操作弁を開閉操作する第二蒸煮工程が行われる。
【0057】
ところで、処理槽内へ蒸気供給して食材を加熱調理する蒸煮には、大気圧下で行う無圧蒸煮(吹き抜け蒸煮)の他に、大気圧を超える圧力で蒸煮を行う加圧蒸煮や、所望時に減圧手段を作動させて大気圧未満の圧力で蒸煮を行う減圧蒸煮がある。いずれの場合も、蒸気供給による処理槽内の加圧要因と、供給された蒸気の凝縮による処理槽内の減圧要因とがバランスを保つように、給蒸操作弁を開閉制御して、処理槽内の圧力を設定範囲に維持して蒸煮がなされる。
【0058】
また、前記冷却工程は、典型的には食材の粗熱を取る工程である。この粗熱冷却工程には、復圧操作弁を開いた状態で減圧手段を作動させて処理槽内の食材を送風冷却する吹き抜け粗熱冷却工程と、復圧操作弁を閉じた状態で減圧手段を作動させて処理槽内の食材の真空冷却を図る真空粗熱冷却工程とがある。そして、通常、そのいずれか一方の冷却工程が実行される。
【0059】
上述したように、本実施形態では、複数の処理槽に減圧手段を共通して設置している。それによる減圧能力の不足を防止するために、複数の処理槽で減圧手段を用いる工程が重なる場合には、いずれかの処理槽ごとに順次に処理するよう制御される。その際、予め定められた工程種別の優先順位に基づき、その優先順位の高い工程を行う処理槽の処理を優先して実行するよう制御する。
【0060】
但し、他の処理槽で減圧手段を用いる工程が実行中の場合には、たとえ更に優先順位の高い工程であっても、前記実行中工程の完了まで待機した後に処理するよう制御する。これにより、減圧手段を用いる工程は、いずれかの処理槽でのみ実行されると共に、優先順位の高いものから順次に実行されることになる。また、複数の処理槽で優先順位の同じ工程が重なる場合には、先発のもの(待機時間の長いもの)から処理する。
【0061】
優先順位は、各工程の性質に応じて適宜に設定されるが、蒸煮冷却機の場合には、優先順位の高い工程順に、蒸煮工程、真空粗熱冷却工程、空気排除工程、予熱工程、吹き抜け粗熱冷却工程となる。なお、給蒸工程においては、減圧手段は用いられないので、優先順位の制御から外すか、最も優先順位を下げておけばよい。
【0062】
以上のとおり、本実施形態の複数処理槽制御システムおよび複数処理槽制御方法によれば、複数の処理槽を並列して運転することができ、しかも処理槽ごとに異なる工程を実行可能である。また、減圧手段を用いる工程が複数の処理槽で重なる場合には、工程種別の優先順位に基づき順次に制御することで、各工程に必要な減圧能力を確保することができる。このようにして、複数の処理槽を備えながらも、減圧手段は複数の処理槽で共用することができる。
【0063】
ところで、前記実施形態では、工程種別の優先順位に基づき制御する例について説明したが、共用設備(前記実施形態では減圧手段)の使用の有無や、使用する際の必要能力に応じて優先工程を予め定めておき、この優先工程に属するか否かにより制御してもよい。このような処理は、優先工程に属するか否かという観点で、各工程を二つに種類分けした上での優先順位に基づく制御に相当する。つまり、優先工程に属する工程は、優先順位が等しく、且つ優先工程に属さない工程よりも優先順位が高い制御に相当する。
【0064】
より具体的に説明すると、複数の処理槽で同時に実行すると共用設備の能力を超える一または複数種の工程を優先工程として予め定めておく。そして、各処理槽における次工程への工程切替時に、次工程が優先工程に属し、且つ他の処理槽で優先工程に属する工程を実行中の場合には、この実行中工程の完了まで待機した後、次工程を実行すればよい。この際、他の処理槽の後続工程が優先工程に属する場合には、次工程の完了まで他の処理槽の処理を待機させればよい。
【0065】
ところで、前記実施形態では、減圧手段を共通化した蒸煮冷却機について説明したが、共通化するのは減圧手段に限られないし、また蒸煮冷却機以外にも適用可能である。たとえば、複数の処理槽で給蒸手段を共通化した真空解凍機にも適用できる。このような真空解凍機では、減圧手段により処理槽内の空気排除を図る第一空気排除工程の後、給蒸手段により処理槽内へ蒸気供給する解凍工程と、給蒸手段により処理槽内へ蒸気供給しつつ減圧手段により処理槽内の空気排除を図る第二空気排除工程とが適宜繰り返し実行される。この場合、第一空気排除工程と第二空気排除工程とを優先工程として、これら空気排除工程が複数の処理槽で重なる場合には、いずれかから順次に実行するよう制御する。
【0066】
ところで、第一空気排除工程は、前段と後段とに分けることができ、前段では設定圧力まで真空ポンプだけで減圧し、後段では真空ポンプに加えて蒸気エゼクタや熱交換器を機能させて処理槽内をさらに減圧する。そして、蒸気エゼクタのノズルへは、給蒸手段からの蒸気が供給されることを考慮し、前記後段のみを優先工程とするのがよい。
【0067】
さらに、その第一空気排除工程後、減圧手段の作動を継続させつつ給蒸手段により処理槽内へ蒸気供給する初期給蒸工程も、優先工程とすることができる。また、解凍工程は、処理槽内を解凍圧力に保持する急速解凍工程と、それよりも低いシメ圧力に保持するシメ工程とに分けてもよく、そのいずれの工程中の空気排除工程も優先工程とすることができる。さらに、急速解凍工程後、減圧手段を作動させてシメ工程へ移行する際のシメ減圧工程も優先工程とすることができる。
【0068】
但し、このような真空解凍機においても、前記各工程に優先順位を付けて、前記蒸煮冷却機の場合と同様に、優先順位の高い工程の処理を優先して制御してもよい。逆に、前記蒸煮冷却機において、一または複数種の工程を優先工程として、前記真空解凍機と同様に制御してもよい。また、前記蒸煮冷却機で、減圧手段に代えてまたはそれに加えて給蒸手段などを共通化することができるし、前記真空解凍機において、給蒸手段に代えてまたはそれに加えて減圧手段などを共通化することもできる。
【実施例1】
【0069】
以下、この発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0070】
図1は、本発明の複数処理槽制御システムの実施例1を示す概略構成図であり、蒸煮冷却機に適用した例を示している。この図に示すように、本実施例のシステムは、食材1が収容されて密閉可能な複数の処理槽2と、各処理槽2内へ蒸気供給する給蒸手段3と、各処理槽2内の空気や蒸気を外部へ吸引排出して処理槽2内を減圧する減圧手段4と、減圧下の処理槽2内へ外気を導入して処理槽2内を復圧する復圧手段5と、各処理槽2内の蒸気やその凝縮水を外部へ排出する排出手段6と、これら各手段3〜6を制御する制御手段7とを備えている。
【0071】
本実施例では、第一処理槽8と第二処理槽9との二つの処理槽を備える。各処理槽2(8,9)は、耐圧性を備えたボックス状の缶体であり、正面に開閉可能な扉(不図示)を有している。各処理槽2には、メッシュ状の棚板10,10…が上下に複数段保持され、調理鍋などに入れられた食材1が各棚板10に載せられる。但し、処理槽2内にワゴン(不図示)を出し入れ可能とし、そのワゴンの棚板に食材1を載せるようにしてもよい。ところで、各処理槽2には、前記食材1の温度を検出するための温度センサ11と、処理槽2内の圧力を検出するための圧力センサ(不図示)とが備えられている。
【0072】
給蒸手段3は、各処理槽2内へ蒸気を供給する手段である。本実施例の給蒸手段3は、一次ボイラ(不図示)と二次ボイラ(リボイラ)12とを備え、一次ボイラからの蒸気を熱源として、二次ボイラ12にて軟水を加熱して蒸気化し、そのようにして生成された清浄蒸気を各処理槽2内へ供給する。一次ボイラは、通常の一般的なボイラから構成されるが、そのような一次ボイラによる蒸気には、配管内の錆や、防錆剤などのボイラ水処理薬品が混入するおそれが残る。ところが、各処理槽2内へ供給される蒸気は、直接に食材1に接触し得るものである。そこで、二次ボイラ12にて軟水を加熱して清浄蒸気を生成し、この清浄蒸気を各処理槽2内へ供給する。
【0073】
二次ボイラ12は、ステンレス製の熱交換器であり、軟水を加熱して蒸気へ変換する。軟水を加熱するために、二次ボイラ12には、一次ボイラからの蒸気が二次ボイラ給蒸弁13を介して供給される。このようにして一次ボイラから供給された蒸気は、二次ボイラ12にてステンレス配管内へ供給される軟水を加熱し、清浄蒸気を生成する。一次ボイラからの蒸気は、二次ボイラ12にて使用後、第一スチームトラップ14および第一逆止弁15を介して排出される。
【0074】
二次ボイラ12へ軟水を供給するために、給蒸手段3は軟水機16を備える。本実施例の軟水機(軟水器)16は、イオン交換樹脂を使用して、供給された水を軟水へ変換する。この軟水機16にて作られた軟水は給水タンク17に貯留され、この給水タンク17の軟水が給水ポンプ18により、二次ボイラ給水弁19および第二逆止弁20を介して二次ボイラ12へ供給される。
【0075】
二次ボイラ12に供給された軟水は、上述したように、一次ボイラからの蒸気にて加熱されて清浄蒸気へ変換され、給蒸ライン21を介して、ノズル22から各処理槽2内へ供給される。給蒸ライン21の中途には、給蒸操作弁23が設けられている。本実施例の給蒸操作弁23は、電磁弁から構成され、処理槽2内への蒸気供給の有無を切り替える。
【0076】
給蒸手段3は、各処理槽2それぞれに個別に設けてもよいが、本実施例では複数の処理槽8,9に共通的に設けている。すなわち、軟水機16、給水タンク17、および二次ボイラ12を、複数の処理槽8,9に対し共通化し、統一した一つのものとしている。具体的には、一つの軟水機16と、この軟水機16からの軟水を貯留する一つの給水タンク17と、この給水タンク17からの軟水が給水ポンプ18により供給される一つの二次ボイラ12とを、第一処理槽8と第二処理槽9とに共通的に設置している。そして、この共通の二次ボイラ12からの給蒸ライン21を分岐させて各処理槽8,9へそれぞれ接続し、この分岐した各給蒸ライン21にそれぞれ給蒸操作弁23を設けている。従って、各給蒸操作弁23を操作することで、対応する処理槽2(8,9)内への給蒸の有無を切り替えることができる。
【0077】
減圧手段4は、各処理槽2内の空気や蒸気を外部へ真空引きして、各処理槽2内を減圧する手段である。この減圧手段4は、各処理槽2にそれぞれ設置するのではなく、第一処理槽8と第二処理槽9とに共通して一つ設けられる。本実施例では、各処理槽2に接続された減圧ライン24が一本にまとめられた後、熱交換器25と第三逆止弁26とを介して、水封式真空ポンプ27に接続されている。各処理槽2に対応して、前記各減圧ライン24には減圧操作弁28が設けられている。本実施例の減圧操作弁28は、モータバルブから構成され、処理槽2内からの減圧の可否を切り替える。
【0078】
水封式真空ポンプ27には、電磁弁からなる封水給水弁29を介して水が供給され、真空ポンプ27からの排水は、排水口へ排出される。真空ポンプ27へ給水用の封水給水弁29は、真空ポンプ27に連動して開かれる。一方、熱交換器25には、電磁弁からなる熱交給水弁30および第四逆止弁31を介して冷却用の水が供給され、排水口へ排出される。これにより、処理槽2内から吸引した空気中の蒸気は、熱交換器25にて冷却され凝縮される。このようにして、減圧ライン24中の蒸気を熱交換器25で予め凝縮させることで、真空ポンプ27の負荷を軽減して減圧能力を高めることができる。ところで、熱交換器25や真空ポンプ27への各給水ラインには、それぞれ定流量弁(不図示)が設けられており、給水圧力が変動しても、それぞれに所望の一定流量が供給可能とされている。
【0079】
復圧手段5は、減圧手段4などにより減圧された処理槽2内を復圧する手段である。本実施例の復圧手段5は、各処理槽2に接続された復圧ライン32,32が一本にまとめられた後、除菌フィルター33を介して外気と連通可能に設けられている。各処理槽2に対応して、各復圧ライン32には、処理槽2側から順に、第五逆止弁34と復圧操作弁35とが設けられている。本実施例の復圧操作弁35は、電磁弁から構成され、これを開くことで処理槽2内は大気圧に開放される。
【0080】
排出手段6は、処理槽2内の蒸気やその凝縮水を外部へ排出する手段である。本実施例の排出手段6は、上部排蒸手段36と、下部排蒸手段37と、排水手段38とに分けられる。上部排蒸手段36は、処理槽2の中央部または上部に接続された上部排蒸ライン39から構成される。この上部排蒸ライン39には、処理槽2側から順に、上部排蒸弁40と第六逆止弁41とが設けられており、処理槽2内の蒸気を外部へ排出する。本実施例の上部排蒸弁40は、電磁弁から構成され、処理槽2内からの蒸気排出の有無を切り替える。
【0081】
また、下部排蒸手段37は、処理槽2の下部に接続された下部排蒸ライン42から構成される。この下部排蒸ライン42には、処理槽2側から順に、下部排蒸弁43と第七逆止弁44とが設けられており、処理槽2内の蒸気や残存空気、処理槽2内の底部に溜まる凝縮水を外部へ排出する。本実施例の下部排蒸弁43は、モータバルブから構成され、処理槽2内からの蒸気およびその凝縮水の排出の有無を切り替える。
【0082】
さらに、排水手段38は、処理槽2の下部に接続されたトラップライン45から構成される。このトラップライン45には、処理槽2側から順に、トラップ弁46、第二スチームトラップ47、および第八逆止弁48が設けられており、凝縮水を外部へ排出する。本実施例のトラップ弁46は、モータバルブから構成され、処理槽2内からの凝縮水の排出の有無を切り替える。
【0083】
制御手段7は、前記給蒸手段3、減圧手段4、復圧手段5、および排出手段6を制御する制御器49から構成される。この制御器49は、複数の処理槽2(8,9)に共通的に設けられる。すなわち、一つの制御器49にて、複数の処理槽8,9の前記各手段3〜6を制御可能とする。この際、一または複数の処理槽2ごとに、その運転の有無や運転内容を個別に制御可能とする。
【0084】
制御手段7は、それが把握する時間や前記温度センサ11や圧力センサ(不図示)からの検出信号などに基づいて前記各手段3〜6を制御する。具体的には、給蒸操作弁23、減圧操作弁28、熱交給水弁30、封水給水弁29、水封式真空ポンプ27、復圧操作弁35、上部排蒸弁40、下部排蒸弁43、トラップ弁46、温度センサ11、圧力センサ(不図示)などは、制御器49に接続されている。そして、この制御器49は、所定のプログラムに基づき、後述するように、処理槽2内の食材1の蒸煮とその後の冷却とを行う。
【0085】
また、制御器49は、二次ボイラ給蒸弁13と二次ボイラ給水弁19とに接続されており、二次ボイラ12の圧力制御と水位制御とを行う。二次ボイラ12の圧力制御は、前記ステンレス配管内に設けた二次ボイラ用圧力センサ(不図示)を用いて行う。すなわち、この二次ボイラ用圧力センサ(不図示)に基づき、二次ボイラ12にて生成される清浄蒸気の圧力を検出し、一次ボイラ(不図示)から二次ボイラ12へ蒸気供給するための二次ボイラ給蒸弁13の開閉を操作する。また、二次ボイラ12の水位制御は、二次ボイラ12の前記ステンレス配管内の軟水の水位を、水位センサ(不図示)に基づき前記二次ボイラ給水弁19を開閉制御して行う。
【0086】
次に、本実施例のシステムを用いた蒸煮冷却処理について説明する。図2は、本実施例のシステムの各処理槽2(8,9)にて実行される蒸煮冷却処理の一例を示すフローチャートである。この図に示すように、各処理槽2では、予熱工程(ST1)、空気排除工程(ST2)、給蒸工程(ST3)、第一蒸煮工程(ST4)、第二蒸煮工程(ST5)、粗熱冷却工程(ST6)が順次に行われる。
【0087】
予熱工程(ST1)は、減圧手段4による減圧後に、給蒸手段3により蒸気供給して処理槽2を温める工程である。具体的には、まず、給蒸操作弁23、復圧操作弁35、上部排蒸弁40、下部排蒸弁43、トラップ弁46を閉じた状態で、減圧手段4を作動させる。但し、ここでは熱交換器25は機能させずに、真空ポンプ27のみを作動させて処理槽2内を減圧する。すなわち、熱交給水弁30を閉じた状態で、減圧操作弁28および封水給水弁29を開いて真空ポンプ27を作動させる。
【0088】
このようにして、処理槽2内を所望時間または所望圧力まで減圧した後、減圧手段4の作動を停止して、給蒸手段3により処理槽2内へ蒸気を供給する。すなわち、減圧操作弁28、熱交給水弁30、封水給水弁29、復圧操作弁35、上部排蒸弁40、下部排蒸弁43を閉じると共に、真空ポンプ27の作動を停止した状態で、給蒸操作弁23を開いて、処理槽2内へ蒸気を供給する。この際、処理槽2内が大気圧を超える場合、トラップ弁46を開いておくことで、処理槽2内の底部から凝縮水を外部へ排出する。
【0089】
空気排除工程(ST2)は、減圧手段4により処理槽2内の空気を外部へ排出する工程である。具体的には、まず、給蒸操作弁23、復圧操作弁35、上部排蒸弁40、下部排蒸弁43、トラップ弁46を閉じた状態で、減圧手段4を作動させる。但し、ここでは熱交換器25は機能させずに、真空ポンプ27のみを作動させて処理槽2内を減圧する。すなわち、熱交給水弁30を閉じた状態で、減圧操作弁28および封水給水弁29を開いて真空ポンプ27を作動させる。このようにして、処理槽2内の空気を減圧手段4により外部へ真空引きして、処理槽2内の空気を排除することで、後の蒸煮工程(ST4,ST5)における食材1の加熱調理を効果的に行うことができる。
【0090】
このようにして処理槽2内から空気を排除した後、給蒸手段3により処理槽2内へ蒸気を供給する。すなわち、減圧操作弁28、熱交給水弁30、封水給水弁29、復圧操作弁35、上部排蒸弁40、下部排蒸弁43を閉じると共に、真空ポンプ27の作動を停止した状態で、給蒸操作弁23を開いて、処理槽2内へ蒸気を供給する。この際、処理槽2内が大気圧を超える場合、トラップ弁46を開いておくことで、処理槽2内の底部から凝縮水を外部へ排出する。
【0091】
給蒸工程(ST3)は、処理槽2内が所望の目標圧力になるまで、給蒸手段3により処理槽2内へ蒸気を供給する工程である。具体的には、減圧操作弁28、熱交給水弁30、封水給水弁29、復圧操作弁35、上部排蒸弁40、下部排蒸弁43を閉じると共に、真空ポンプ27の作動を停止した状態で、給蒸操作弁23を開いて、処理槽2内へ蒸気を供給する。この際、処理槽2内が大気圧を超える場合、トラップ弁46を開いておくことで、処理槽2内の底部から凝縮水を外部へ排出する。
【0092】
第一蒸煮工程(ST4)および第二蒸煮工程(ST5)は、いずれも処理槽2内を設定圧力に保持するように、給蒸手段3による処理槽2内への蒸気供給の有無を調整して、処理槽2内の食材1を加熱調理する工程である。第一蒸煮工程(ST4)と第二蒸煮工程(ST5)は、前記設定圧力が異なるだけであるから、両工程を合わせて蒸煮工程と呼ぶことができる。逆にいうと、本実施例では、蒸煮工程は、第一蒸煮工程(ST4)と第二蒸煮工程(ST5)とに分けられている。第一蒸煮工程(ST4)は、第一設定圧力に維持するように、圧力センサの出力に基づき給蒸操作弁23を開閉操作する工程である。また、第二蒸煮工程(ST5)は、第二設定圧力に維持するように、圧力センサの出力に基づき給蒸操作弁23を開閉操作する工程である。
【0093】
ところで、処理槽2内へ蒸気供給して食材を加熱調理する蒸煮には、大気圧下で行う無圧蒸煮(吹き抜け蒸煮)と、大気圧を超える圧力で蒸煮を行う加圧蒸煮と、所望時に減圧手段を作動させて大気圧未満の圧力で蒸煮を行う減圧蒸煮とに分けられる。
【0094】
無圧蒸煮の場合、減圧操作弁28、熱交給水弁30、封水給水弁29、復圧操作弁35を閉じると共に、真空ポンプ27の作動を停止した状態で、給蒸操作弁23、上部排蒸弁40、下部排蒸弁43、トラップ弁46を開いて、処理槽2内へ蒸気を供給する。
【0095】
加圧蒸煮の場合、減圧操作弁28、熱交給水弁30、封水給水弁29、復圧操作弁35、上部排蒸弁40、下部排蒸弁43を閉じると共に、真空ポンプ27の作動を停止した状態で、給蒸操作弁23、トラップ弁46を開いて、処理槽2内へ蒸気を供給する。従って、加圧蒸煮の場合には、トラップライン45から自動的に凝縮水が外部へ排出される。
【0096】
減圧蒸煮の場合は、復圧操作弁35、上部排蒸弁40、下部排蒸弁43、トラップ弁46を閉じた状態で、給蒸操作弁23を開いて、処理槽2内へ蒸気を供給する。この際、処理槽2内が設定上限圧力を超えると、減圧手段4を作動させて、設定下限圧力まで処理槽2内を減圧する。すなわち、減圧操作弁28、熱交給水弁30、封水給水弁29を開いた状態で、真空ポンプ27を作動させて、設定下限圧力まで処理槽2内を減圧し、設定下限圧力になると、これら各弁28〜30を閉じると共に真空ポンプ27の作動を停止する。
【0097】
いずれの蒸煮の場合も、基本的には、蒸気供給による処理槽2内の加圧要因と、供給された蒸気の凝縮による処理槽2内の減圧要因とがバランスを保つように、給蒸操作弁23を開閉制御して、処理槽2内の圧力を設定範囲に維持して蒸煮がなされる。但し、減圧蒸煮の場合には、設定上限圧力を超えると、上述のとおり減圧手段4を作動させる場合がある。
【0098】
そして、加圧蒸煮工程の終了時には、給蒸操作弁23を閉じると共に、下部排蒸弁43を開いて、処理槽2内が大気圧になるまで、排水および排蒸がなされる。一方、減圧蒸煮工程の終了時には、減圧手段4および排出手段6を作動させず、且つ、給蒸操作弁23を閉じると共に復圧操作弁35を開いて、処理槽2内を大気圧まで復圧する。
【0099】
但し、第一蒸煮工程(ST4)および第二蒸煮工程(ST5)が共に加圧蒸煮であり、且つ第一設定圧力よりも第二設定圧力の方が高い場合には、第一蒸煮工程(ST4)終了時の前記排水および排蒸処理は省略される。また、第一蒸煮工程(ST4)および第二蒸煮工程(ST5)が共に減圧蒸煮であり、且つ第一設定圧力よりも第二設定圧力の方が更に真空度が高い場合には、第一蒸煮工程(ST4)終了時の前記復圧処理は省略される。
【0100】
いずれにしても、蒸煮工程(ST4,ST5)では、処理槽2内へ蒸気が供給されることで、処理槽2内に収容された食材1を加熱調理することができる。この際、上述したように、処理槽2内へ供給される蒸気は、二次ボイラ12にて軟水から生成された清浄蒸気である。従って、安全で安心の加熱調理を実現することができる。また、食材1の全周囲に清浄蒸気を行き渡らせることで、短時間で均一の加熱料理がなされる。ところで、蒸煮工程では、給蒸により処理槽2内の圧力を調整することで、処理槽2内の温度を調整することができる。本実施例では、60℃から120℃の範囲にて、自由な温度に設定して加熱調理を可能としている。この際、上述したように、本実施例では、第一蒸煮工程(ST4)と第二蒸煮工程(ST5)とで、段階的に圧力(温度)を変更する操作がなされる。
【0101】
粗熱冷却工程(ST6)は、蒸煮工程(ST4,ST5)により加熱調理された食材1の粗熱を取る工程である。この粗熱冷却工程(ST6)には、吹き抜け粗熱冷却工程と真空粗熱冷却工程とがあり、通常、そのいずれか一方の冷却工程が実行される。
【0102】
吹き抜け粗熱冷却工程は、復圧操作弁35を開いた状態で減圧手段4を作動させて処理槽2内の食材1を送風冷却する工程である。具体的には、給蒸操作弁23、上部排蒸弁40、下部排蒸弁43、トラップ弁46を閉じた状態で、減圧操作弁28、熱交給水弁30、封水給水弁29、復圧操作弁35を開くと共に、真空ポンプ27を作動させる。
【0103】
真空粗熱冷却工程は、復圧操作弁35を閉じた状態で減圧手段4を作動させて処理槽2内の食材1の真空冷却を図る工程である。具体的には、給蒸操作弁23、上部排蒸弁40、下部排蒸弁43、トラップ弁46、復圧操作弁35を閉じた状態で、減圧操作弁28、熱交給水弁30、封水給水弁29を開くと共に、真空ポンプ27を作動させる。
【0104】
各処理槽2では、それぞれ独自に、上述した図2の各工程が順次に行われるが、本実施例のシステムでは、第一処理槽8と第二処理槽9の二つの処理槽に対し、真空ポンプ27などの減圧手段4が共通化されている。減圧手段4を複数の処理槽8,9で共用した場合の減圧能力の不足を防止するために、本実施例のシステムでは、次に説明するような複数処理槽制御方法がなされる。
【0105】
図3は、本実施例の複数処理槽制御方法の一例を示すフローチャートである。図3では、第一処理槽8における処理フローを示しているが、第二処理槽9における処理フローもこれと同様である。本実施例の複数処理槽制御方法は、複数の処理槽2(8,9)で減圧手段4を用いる工程が重なる場合には、いずれかの処理槽2ごとに順次に処理する制御方法である。その際、予め定められた工程種別の優先順位に基づき、その優先順位の高い工程を行う処理槽2の処理を優先して実行するよう制御する。但し、本実施例では制御を簡易になすために、ある処理槽2の次工程への切替時に、他の処理槽2で減圧手段4を用いる工程が実行中の場合には、仮に前記次工程が更に優先順位の高い工程であっても、前記実行中工程の完了まで待機した後に処理するよう制御する。
【0106】
優先順位は、各工程の性質に応じて適宜に設定されるが、本実施例では、図2に示すように、優先順位の高い工程順に、蒸煮工程、真空粗熱冷却工程、空気排除工程、予熱工程、吹き抜け粗熱冷却工程となる。
【0107】
本実施例の複数処理槽制御方法について、図3に基づき更に詳細に説明する。いま、たとえば第一処理槽8の運転が開始され(ST11)、図2における各工程が順次に実行される場合を考える。この場合、制御器49は、次工程(最初の工程を含む)が減圧手段4を必要とするか否かに基づき(ST12)、次工程で減圧手段4を用いない場合には、直ちにその次工程を実行する(ST13)。一方、次工程で減圧手段4が必要な場合には、まず他の処理槽(ここでは第二処理槽9)で減圧手段4が必要な工程を実行中か否かに基づき(ST14)、第二処理槽9で減圧手段4を使用中の場合には、その第二処理槽9における実行中工程の完了まで待機する(ST15)。
【0108】
第二処理槽9で減圧手段4を必要とする工程が実行中でない場合(ST14)、第一処理槽8の次工程の工程種別と、第二処理槽9の次工程の工程種別とを対比して(ST16)、各工程種別の優先順位に基づき、優先順位の高い工程が実行される(ST17〜ST19)。
【0109】
すなわち、第一処理槽8の次工程の工程種別の方が、第二処理槽9の次工程の工程種別よりも優先順位が高い場合には、第一処理槽8の次工程を実行し、第二処理槽9は待機させる(ST17)。一方、第一処理槽8の次工程の工程種別の方が、第二処理槽9の次工程の工程種別よりも優先順位が低い場合には、第二処理槽9の次工程を実行し、第一処理槽8は待機させる(ST18)。また、第一処理槽8と第二処理槽9の各次工程の工程種別が同じで優先順位が同じ場合には、先発の処理を優先する(ST19)。つまり、ここでは、待機時間の長い方の第一処理槽8の次工程が実行され、第二処理槽9は待機させる。
【0110】
ここで、第二処理槽9の次工程を実行して、第一処理槽8を待機させた場合には、ステップST14へ戻される(ST20)。逆に、第二処理槽9を待機させて、第一処理槽8の次工程を実行した場合、あるいは前述のステップST13にて、第一処理槽8の次工程を実行した場合には、その実行中工程の終了まで待機する(ST21)。そして、その実行中工程の処理が完了すると、次工程がある限り、前記各処理(ST12〜ST21)が繰り返し行われる(ST22)。このようにして、減圧手段4を用いる工程は、いずれかの処理槽2でのみ実行されると共に、優先順位の高いものから順次に実行されることになる。これにより、減圧手段4の性能を高めることなく、一つの減圧手段4を複数の処理槽2で共用しても、減圧能力が不足することが防止される。
【0111】
ところで、本実施例では、蒸煮後の冷却は、たとえば50℃程度まで粗熱を取る粗熱冷却工程(ST6)とし、その後に、真空冷却機やブラストチラーなどで最終的な目標温度まで冷却する構成としている。しかしながら、所望により、本実施例の蒸煮冷却機自体で、最終的な目標温度まで冷却可能に構成してもよい。また、本実施例のシステムは、蒸煮工程(ST4,ST5)後に冷却工程(ST6)を行う蒸煮冷却機としたが、冷却工程(ST6)を省略した蒸煮機とすることもできる。
【実施例2】
【0112】
図4は、図1の複数処理槽制御システムを真空解凍機に適用した場合の処理フローを示すフローチャートである。本実施例2も、基本的には前記実施例1の複数処理槽制御システムおよび制御方法と同様であるから、以下においては、両者の異なる点を中心に説明する。
【0113】
図1の複数処理槽制御システムを真空解凍機として使用する場合には、図4に示すように、各処理槽2(8,9)では、第一空気排除工程(ST25)がなされた後、解凍工程(ST26)と第二空気排除工程(ST27)が適宜繰り返し実行される。
【0114】
各空気排除工程(ST25,ST27)は、減圧手段4により処理槽2内の空気を外部へ排出する工程である。具体的には、給蒸操作弁23、復圧操作弁35を閉じた状態で、熱交給水弁30、封水給水弁29を開いて真空ポンプ27を作動させる。一方、解凍工程(ST26)は、減圧手段4の作動を停止した状態で、処理槽2内へ蒸気を供給して、処理槽2内の冷凍食材1の解凍を図る工程である。具体的には、熱交給水弁30、封水給水弁29、復圧操作弁35を閉じると共に、真空ポンプ27を停止した状態で、給蒸操作弁23を開いて処理槽2内へ蒸気を供給する。
【0115】
第一空気排除工程(ST25)では、所望の第一設定圧力まで処理槽2内を減圧する。その後の解凍工程(ST26)では、減圧手段4の作動を停止して、所望の第二設定圧力の上限圧力まで、給蒸手段3により処理槽2内へ蒸気供給される。この上限圧力まで蒸気供給後、給蒸操作弁23を閉めれば、処理槽2内の蒸気は被解凍物(冷凍食材)1によって凝縮するため、減圧手段4を用いなくても、処理槽2内の圧力は徐々に低下する。そのため第二設定圧力を保持するために給蒸操作弁23は比例制御弁とし、一定圧力となるように給蒸する。このようにして、解凍工程(ST26)では、所望時間だけ第二設定圧力に保持される。そして、再び第一設定圧力まで減圧する第二空気排除工程(ST27)と、その後の第二設定圧力における解凍工程(ST26)とが繰り返し行われて、処理槽2内の冷凍食材1の解凍が図られる。但し、このような処理フローは一例であり、適宜に変更される。
【0116】
図1における複数の処理槽2(8,9)で真空解凍処理を行う場合、複数処理槽制御方法における優先順位は、優先順位の高い順に、第一空気排除工程、第二空気排除工程となる。従って、この優先順位に基づき、図3における複数処理槽制御方法が実行される。
【実施例3】
【0117】
図5は、図1の複数処理槽制御システムを蒸気滅菌機に適用した場合の処理フローを示すフローチャートである。本実施例3も、基本的には前記実施例1および前記実施例2の複数処理槽制御システムおよび制御方法と同様であるから、以下においては、両者の異なる点を中心に説明する。
【0118】
図1の複数処理槽制御システムを蒸気滅菌機として使用する場合には、図5に示すように、各処理槽では、空気排除工程(ST31)、給蒸工程(ST32)、滅菌工程(ST33)、乾燥工程(ST34)が順次に実行される。空気排除工程(ST31)は、図4における第一空気排除工程に相当し、給蒸工程(ST32)は、図2における給蒸工程に相当し、滅菌工程(ST33)は、図2における加圧蒸煮工程に相当し、乾燥工程(ST34)は、図2における真空粗熱冷却工程に相当する。
【0119】
このようにして、空気排除工程(ST31)により処理槽2内から空気排除を行った後、所望の設定圧力まで処理槽2内に蒸気供給し(ST32)、処理槽2内を設定圧力に所望時間だけ保持して被処理物1の滅菌を図った後(ST33)、被処理物1の冷却と乾燥(ST34)が図られる。
【0120】
図1における複数の処理槽で蒸気滅菌処理を行う場合、複数処理槽制御方法における優先順位は、優先順位の高い順に、乾燥工程、空気排除工程となる。従って、この優先順位に基づき、図3における複数処理槽制御方法が実行される。
【実施例4】
【0121】
図6は、本発明の複数処理槽制御システムの実施例4を示す概略構成図であり、真空解凍機に適用した例を示している。本実施例4も、基本的には前記実施例1および前記実施例2と同様であるから、以下においては、両者の異なる点を中心に説明し、対応する箇所には同一の符号を付して説明する。
【0122】
本実施例4のシステムも、前記実施例1と同様に、複数の処理槽2(8,9)と、各処理槽2内へ蒸気供給する給蒸手段3と、各処理槽2内を減圧する減圧手段4と、減圧下の各処理槽内2を復圧する復圧手段5と、これら各手段3〜5を制御する制御手段7とを備える。但し、前記実施例1では、処理槽2内の蒸気やその凝縮水を外部へ排出する排出手段6(上部排蒸手段36,下部排蒸手段37,排水手段38)を設けたが、本実施例1では、そのような排出手段6は設けられない。
【0123】
本実施例4のシステムも、前記実施例1と同様に、複数の処理槽2を備える。典型的には、図示例のように第一処理槽8と第二処理槽9との二つの処理槽を備える。但し、処理槽2の数は、三つあるいはそれ以上としてもよく、その場合でも以下に述べる構成および制御が同様に適用可能である。
【0124】
各処理槽2は、前記実施例1と同様に、処理槽本体50に扉51が開閉可能に設けられて構成される。そして、処理槽2内に設けた棚板10に、食材(食品を含む)1が載せられて収容される。本実施例4では、冷凍状態の食材1が、その解凍を図るために収容される。また、処理槽2には、処理槽2内の圧力を検出するための圧力センサ52が備えられる。
【0125】
本実施例4の給蒸手段3も、前記実施例1と同様に、一次ボイラ(不図示)と二次ボイラ(リボイラ)12とを備え、一次ボイラからの蒸気を熱源として、二次ボイラ12にて軟水を加熱して蒸気化し、そのようにして生成された清浄蒸気を各処理槽2内へ供給する。前記実施例1と同様に、二次ボイラ12へは、一次ボイラからの蒸気が、一次蒸気ライン53を介して供給される。この一次蒸気ライン53の中途には、二次ボイラ給蒸弁13が開閉可能に設けられている。そして、一次蒸気ライン53を介して二次ボイラ12へ供給された蒸気は、二次ボイラ12で使用された後、第一スチームトラップ14および第一逆止弁15を介して排出される。
【0126】
一方、軟水機16による軟水が貯留された給水タンク17からの軟水は、給水ポンプ18、二次ボイラ給水弁19および第二逆止弁20を介して二次ボイラ12へ供給される。そして、二次ボイラ12に供給された軟水は、一次ボイラからの蒸気にて加熱されて蒸気化され、各処理槽2内へ供給可能とされる。その際、二次ボイラ12からの清浄蒸気は、途中で分岐する給蒸ライン21を介して各処理槽2内へ供給される。各処理槽2への各給蒸ライン21の中途には、それぞれ給蒸操作弁23が設けられており、この給蒸操作弁23を開閉操作することで、各処理槽2内への蒸気供給の有無が切り替えられる。このように、本実施例4においても、給蒸手段3は、各処理槽2に共通的に設けられる。
【0127】
前記実施例1では、第一処理槽8と第二処理槽9とで減圧手段4を共用したが、本実施例4では、減圧手段4は、各処理槽2にそれぞれ個別に設置している。各減圧手段4について説明すると、各処理槽2からの減圧ライン24には、処理槽2の側から順に、蒸気エゼクタ54、熱交換器25、第三逆止弁26、および水封式真空ポンプ27が設けられる。すなわち、本実施例4では、前記実施例1における減圧操作弁28に代えて、蒸気エゼクタ54を設けた構成となる。
【0128】
蒸気エゼクタ54は、基端側の吸入口が処理槽2に接続され、先端側の吐出口が熱交換器25への配管に接続される。そして、基端側から先端側へ向けて、ノズル(不図示)から蒸気を噴出することで、処理槽2内の気体を吸引排出する。蒸気エゼクタ54のノズルへは、本実施例4では、一次ボイラからの蒸気が供給される。具体的には、一次蒸気ライン53は、二次ボイラ給蒸弁13よりも上流側において分岐し、エゼクタ給蒸弁55を介して各蒸気エゼクタ54のノズルへ接続される。
【0129】
ところで、本実施例4では、二次ボイラ12および前記各ノズルへ蒸気供給する一次蒸気ライン53には、それら個々への分岐部の直前に、元蒸気圧力スイッチ56を設けている。この元蒸気圧力スイッチ56は、一次蒸気ライン53内の圧力が設定圧力を下回ると、警報などを作動させることで、給蒸設備を複数の処理槽2で共用した場合の万一の給蒸能力不足に対処するものである。
【0130】
前記実施例1と同様に、各熱交換器25には、熱交給水弁30を介して冷却用水が供給され、排水口へ排出される。熱交換器25に冷却用水が供給されることで、減圧ライン24内の蒸気を冷却し凝縮させることができる。また、各真空ポンプ27には、封水給水弁29を介して水が供給され、真空ポンプ27からの排水は、セパレータ57にて気液分離され、気相分は排気ライン58を介して排気口(不図示)へ排気され、液相分は排水ライン59を介して排水口(不図示)へ排水される。
【0131】
ところで、本実施例4では、各熱交換器25および各真空ポンプ27への給水ライン60には、それら個々への分岐部の直前に、給水圧力センサ61を設けている。この給水圧力センサ61は、給水ライン60内の圧力が設定圧力を下回ると、警報などを作動させることで、各減圧手段4への給水設備を共用した場合の万一の給水能力不足に対処するものである。
【0132】
本実施例4では、復圧手段5は、各処理槽2にそれぞれ個別に設けている。具体的には、各処理槽2には、それぞれ復圧ライン32が接続され、除菌フィルター33を介して外気と連通可能とされる。そして、各復圧ライン32の中途には、復圧操作弁35が開閉可能に設けられる。但し、本実施例4の復圧手段5においても、前記実施例1と同様に、第一処理槽8と第二処理槽9とで除菌フィルター33を共用してもよい。
【0133】
本実施例4の制御手段7は、前記給蒸手段3、減圧手段4および復圧手段5を制御する制御器49から構成される。この制御器49は、前記実施例1と同様に、複数の処理槽2に共通的に設けられる。すなわち、一つの制御器49にて、複数の処理槽2の前記各手段3〜5を制御可能とする。この際、前記実施例1と同様に、各処理槽2ごとに、その運転の有無や運転内容を個別に制御可能とする。
【0134】
制御手段7は、それが把握する時間や前記圧力センサ52からの検出信号などに基づいて前記各手段3〜5を制御する。具体的には、給蒸操作弁23、エゼクタ給蒸弁55、熱交給水弁30、封水給水弁29、水封式真空ポンプ27、復圧操作弁35、二次ボイラ給蒸弁13、二次ボイラ給水弁19の他、処理槽内圧力センサ52、元蒸気圧力スイッチ56、給水圧力センサ61などは、制御器49に接続されている。そして、この制御器49は、所定のプログラムに基づき、後述するように、処理槽2内の冷凍食材1の解凍を図る。
【0135】
次に、本実施例4のシステムを用いた真空解凍処理について説明する。図7は、本実施例4のシステムの各処理槽2(8,9)にて実行される真空解凍処理の一例を示すタイムチャートであり、処理槽2内の圧力変化の他、真空ポンプ27、エゼクタ給蒸弁55、熱交給水弁30、給蒸操作弁23の各作動状況を示している。この図に示すように、冷凍食材1が収容された各処理槽2では、待機工程の状態から、初期減圧工程、初期給蒸工程の後、設定された急速解凍時間だけ、急速解凍工程と空気排除工程との交互の組合せがなされる。その後、シメ減圧工程の後、設定されたシメ時間だけ、シメ工程と空気排除工程との交互の組合せがなされる。最後に、復圧工程にて大気圧へ戻され、待機工程へ戻される。以下、各工程について、具体的に説明する。
【0136】
待機工程では、給蒸手段3、減圧手段4は、いずれも作動を停止している。すなわち、給蒸操作弁23、エゼクタ給蒸弁55、熱交給水弁30、封水給水弁29は、いずれも閉鎖しており、真空ポンプ27は停止状態にある。一方、復圧操作弁35は開いた状態とされている。この待機工程において、処理槽2の扉51は開閉可能とされ、処理槽2に対する食材1の出し入れが可能である。
【0137】
初期減圧工程は、給蒸操作弁23および復圧操作弁35を閉じた状態で、減圧手段4により、処理槽2内を所定の初期給蒸圧力まで減圧して、処理槽2内からの空気排除を図る工程である。図示例の初期減圧工程は、前段と後段とに分けられる。初期減圧工程前段では、所定のエゼクタ給蒸圧力になるまで、減圧手段4の内、真空ポンプ27のみを作動させて、処理槽2内からの空気排除が図られる。すなわち、封水給水弁29を開くと共に、真空ポンプ27を作動させて、処理槽2内の空気が真空引きされる。
【0138】
引き続き行われる初期減圧工程後段では、真空ポンプ27に加えて、蒸気エゼクタ54および熱交換器25も作動させて、初期給蒸圧力までの更なる減圧が図られる。すなわち、エゼクタ給蒸弁55を開いて、蒸気エゼクタ54のノズルから蒸気を噴出させることで、蒸気エゼクタ54を作動させると共に、熱交給水弁30を開いて、熱交換器25に冷却用水を供給することで、減圧ライン24内の蒸気を凝縮液化が図られる。このようにして、初期減圧工程にて、処理槽2内が所定の初期給蒸圧力まで減圧されると、次工程の初期給蒸工程へ移行する。
【0139】
初期給蒸工程は、処理槽2内へ蒸気供給することで、処理槽2内を所定の解凍圧力まで昇圧する工程である。すなわち、給蒸操作弁23を開いて、処理槽2内が解凍圧力に達するまで、処理槽2内へ蒸気供給する。この際、本実施例4では、初期減圧工程後段のまま減圧手段4の作動を継続させた状態とすることで、処理槽2内からの空気排除が継続される。
【0140】
初期給蒸工程後には、設定された急速解凍時間だけ、急速解凍工程が行われる。その際、所定周期で所定時間だけ空気排除工程が実行される。急速解凍工程では、減圧手段4の作動を停止した状態で、給蒸手段3により処理槽2内へ蒸気供給する。また、空気排除工程では、給蒸手段3による処理槽2内への蒸気供給を継続した状態で、減圧手段4を作動する。本実施例4では、蒸気エゼクタ54、熱交換器25、および真空ポンプ27を作動させて、処理槽2内からの空気排除が図られる。
【0141】
このようにして設定された急速解凍時間が経過すると、シメ減圧工程へ移行する。このシメ減圧工程では、処理槽2内への給蒸を停止した状態で、減圧手段4を作動させて、処理槽2内を所定のシメ圧力まで減圧する。すなわち、給蒸操作弁23を閉じた状態で、エゼクタ給蒸弁55、熱交給水弁30、封水給水弁29を開いて、蒸気エゼクタ54、熱交換器25、および真空ポンプ27を作動させて、シメ圧力まで処理槽2内を減圧する。
【0142】
シメ減圧工程後には、設定されたシメ時間だけ、シメ工程が行われる。その際、所定周期で所定時間だけ空気排除工程が実行される。シメ工程およびその工程中に行われる空気排除工程は、処理槽2内の圧力が異なるだけで、上述した急速解凍工程とその工程中に行われる空気排除工程と同等の工程である。シメ工程により、食材1の表面温度を、前記急速解凍工程よりも下げることができ、また、解凍後の食材1の中心部温度と表面温度との温度差を小さくすることができる。これにより、解凍時間の短縮を図りつつ、温度ムラを抑えた解凍が可能となる。
【0143】
このようにして設定されたシメ時間が経過すると、復圧工程へ移行する。この復圧工程では、給蒸手段3および減圧手段4の作動を停止した状態で、復圧手段5により処理槽2内が大気圧まで戻される。具体的には、給蒸操作弁23を閉じて処理槽2内への蒸気供給を停止し、且つ、エゼクタ給蒸弁55、熱交給水弁30、封水給水弁29を閉じて、蒸気エゼクタ54、熱交換器25、真空ポンプ27の作動を停止した状態で、復圧操作弁35を開いて処理槽2内を大気圧まで復圧する。そして、その復圧完了後には、最初に述べた待機工程へ移行する。
【0144】
ところで、本実施例4の初期減圧工程は、前記実施例2における第一空気排除工程に相当する。また、本実施例4の急速解凍工程およびシメ工程は、前記実施例2における解凍工程に相当する。すなわち、本実施例4では、二段階に解凍工程を行っているものといえる。さらに、本実施例4の急速解凍工程およびシメ工程における各空気排除工程は、前記実施例2における第二空気排除工程に相当する。
【0145】
図8は、本実施例4の複数処理槽制御システムを用いた複数処理槽制御方法の一例を示すフローチャートである。図8では、第一処理槽8における処理フローを示しているが、第二処理槽9における処理フローもこれと同様である。本実施例4の複数処理槽制御方法は、複数の処理槽2(8,9)で給蒸および給水の各設備を共用することに伴い、その給蒸および給水の能力を超えてその使用が重なることがないように、所望により各処理槽2の処理をずらして実行する真空解凍方法である。
【0146】
具体的には、複数の処理槽2で同時に実行すると、給蒸または給水の能力を超える工程を予め優先工程として定めておき、その優先工程に属する工程はいずれか一の処理槽2でのみ実行可能とする。そして、その間、他の処理槽2では優先工程以外の工程を実行するか、前記一の処理槽2における実行中の優先工程の完了まで待機する待機工程とする。
【0147】
本実施例4では、給蒸および給水について、複数の処理槽2で設備を共用しているので、初期減圧工程後段、初期給蒸工程、空気排除工程(急速解凍工程中とシメ工程中の双方)、シメ減圧工程を、優先工程としている。従って、この優先工程に属する工程が、複数の処理槽2で重なろうとする場合には、いずれか一の処理槽2の処理を実行または継続し、他の処理槽2の処理はその間待機させる。
【0148】
ところで、万一の故障などで処理槽内圧力を制御しきれない場合に、運転を中止せずに解凍圧力(またはシメ圧力)を維持するために、前記各工程とは別に、強制空気排除工程を用意している。この強制空気排除工程は、急速解凍工程中とシメ工程中の各空気排除工程と同様の工程であり、優先工程に属している。この強制空気排除工程を行うタイミングは、所定時間、処理槽2内へ蒸気供給されなかった場合と、解凍工程中に処理槽2内が解凍圧力よりも所定以上高まった場合になされる。
【0149】
本実施例4の複数処理槽制御方法について、図8に基づき更に詳細に説明する。いま、たとえば第一処理槽8の運転が開始され(ST41)、図7における各工程が順次に実行される場合を考える。この場合、制御器49は、次工程(最初の工程を含む)が優先工程か否か基づき(ST42)、次工程が優先工程でない場合には、直ちにその次工程を実行する(ST45)。一方、次工程が優先工程である場合には、まず他の処理槽(ここでは第二処理槽9)で優先工程を実行中か否かに基づき(ST43)、第二処理槽9で優先工程を実行中でない場合には、次工程を実行する(ST45)。その一方、第二処理槽9で優先工程を実行中の場合には、その第二処理槽9における実行中工程の完了まで待機した後(ST44)、次工程を実行する(ST45)。そして、その実行中工程の処理が完了すると(ST46)、次工程がある限り、前記各処理(ST42〜ST46)が繰り返し行われる(ST47)。このようにして、優先工程に属する工程は、いずれかの処理槽2でのみ実行されることになる。これにより、給蒸設備や給水設備の能力を必要最小限に抑えつつ、これら設備を複数の処理槽2(7,8)で共用することができる。
【0150】
ところで、待機工程(ST44)においては、真空ポンプ27および蒸気エゼクタ54は、作動を停止させ、熱交換器25への給水も停止状態としている。そして、その待機状態が解除されるまで、処理槽2内の真空状態は維持される。従って、待機工程終了による次工程への移行時には、処理槽2内が多少復圧している可能性がある。そこで、各待機工程の終了時には、適宜再減圧がなされる。具体的には、初期減圧工程後段への移行時に待機した場合には、エゼクタ給蒸圧力まで再減圧した後、初期減圧工程後段へ進める。また、初期給蒸工程への移行時に待機した場合には、初期給蒸圧力まで再減圧した後、初期給蒸工程へ進める。一方、その他場合には、待機工程の終了後、そのまま次工程へ進めてもよい。
【0151】
この実施例4の解凍制御には、被処理物1を真空パックした食材とした場合のつぎの解凍制御を含んでいる。すなわち、先ず被処理物1の耐圧(パック内真空度)を予め実験などにより確認しておく。その上で、パック内真空度まで(以下とならないように)処理槽2内を減圧し、その後給蒸する。この給蒸は、被処理物1の処理量およびパック内真空度に応じて、給蒸操作弁23の開度を決めたプログラムにより実行する。こうした制御により、真空パックした被処理物1の解凍をパックの破損を生ずることなく行うことができる。
【0152】
以上の如く、本発明の複数処理槽制御システムおよび複数処理槽制御方法は、前記各実施例の構成に限らず適宜変更可能である。たとえば、図1では、第一処理槽8と第二処理槽9の二つの処理槽だけ設置しているが、三つ以上の処理槽2を備えていてもよく、その場合も減圧手段4の使用が重なる場合には、優先順位の高い処理槽2の処理から順次に実行するよう制御すればよい。また、前記実施例1では、減圧手段4として、熱交換器25と真空ポンプ27とを用いたが、これらに代えてまたはこれらに加えて、蒸気エゼクタや水エゼクタを用いてもよい。さらに、図2における蒸煮冷却工程のフローチャートや優先順位は一例である。たとえば、前記実施例1では、蒸煮工程は第一蒸煮工程(ST4)と第二蒸煮工程(ST5)との二段階としたが、一段階または三段階以上に圧力または温度を調整して実行してもよい。
【0153】
また、前記実施例1では処理槽一つずつに給蒸操作弁23や減圧操作弁28などを個別に設置したが、これら各弁を複数の処理槽2ごとに共通的に設けて、グループ分けした制御を可能としてもよい。さらに、前記実施例1〜3では、蒸煮冷却機または蒸煮機、真空解凍機、蒸気滅菌機に適用した例を示したが、複数の処理槽で減圧手段を共用する構成であれば、減圧手段が必要なその他の各種装置にも本発明を適用可能である。
【0154】
さらに、前記実施例4においては、複数の処理槽2で給蒸手段3を共用する例について説明したが、これに代えてまたはこれに加えて、減圧手段4などの他の構成を複数の処理槽2で共用してもよい。また、前記実施例4においては、複数の処理槽2で、一次ボイラと二次ボイラ12とを共用するように構成しているが、二次ボイラ12は各処理槽2毎に設け、一次ボイラのみを共用するように構成することができる。
【0155】
さらに、前記実施例4においては、二つの処理槽2を制御するように構成しているが、前記のように三つ以上の処理槽2を制御するように構成することができる。具体的には、偶数の(たとえば、四つ)の処理槽2を制御する場合は、二つずつ処理槽2にグループ化して、各グループを前記実施例4による制御を行うように構成することができる。また、奇数の(たとえば、五つ)の処理槽を制御する場合は、偶数(たとえば、二つ)の処理槽2のグループと、奇数(たとえば、三つ)の処理槽2のグループとに分けて、各グループ毎に前記実施例4の制御を行うように構成することができる。
【0156】
また、前記実施例1の図1の構成において、実施例4と同様に優先工程に基づく制御をしてもよいし、逆に、前記実施例4の図6の構成において、実施例1と同様に優先順位に基づく制御をしてもよい。さらに、実施例4の優先工程に基づく制御は、真空解凍機に限らず、蒸煮冷却機などにも同様に適用可能である。
【0157】
また、前記実施例4では、解凍運転の各工程を細分化し、それぞれの細分化した工程の各処理槽2における進行状況を、共通の制御器49に一括して取り込み、各手段3〜5に運転制御をかけていた。しかしながら、制御器49は、各処理槽2ごとに個別に設けてもよく、その場合でも各処理槽2の制御器49同士を互いに接続して、他の処理槽2の状況を監視することで、同様の制御が可能である。しかも、前記実施例4では、二つの処理槽2だけであったが、三つ以上の処理槽2でも同様に制御できる。その際も、蒸気や水を多く使用する優先工程に、何台の処理槽2が入っているかによって、適宜待機工程を作ることで制御できる。
【0158】
さらに、図7において、所定のシメ時間のシメ工程後には、適宜、処理槽2内をさらに減圧状態に保持して、解凍後の食材1を低温保持する終了工程を行ってもよい。この終了工程では、給蒸手段3による処理槽2内への給蒸を停止した状態で、減圧手段4を作動させればよい。具体的には、蒸気エゼクタ54、熱交換器25、および真空ポンプ27を適宜作動させて、処理槽2内を所望圧力に保持する。そして、食材1の取り出し時に、復圧工程にて処理槽2内を大気圧まで復圧すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0159】
【図1】本発明の複数処理槽制御システムの実施例1を示す概略構成図である。
【図2】図1の複数処理槽制御システムの各処理槽にて実行される蒸煮冷却処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】実施例1の複数処理槽制御方法を示すフローチャートである。
【図4】図1の複数処理槽制御システムを真空解凍機に適用した場合の処理フローの一例を示すフローチャートである。
【図5】図1の複数処理槽制御システムを蒸気滅菌機に適用した場合の処理フローの一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の複数処理槽制御システムの実施例4を示す概略構成図であり、真空解凍機に適用した例を示している。
【図7】実施例4の複数処理槽制御システムの各処理槽にて実行される真空解凍処理の一例を示すタイムチャートである。
【図8】実施例4の複数処理槽制御方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0160】
1 被処理物(食材など)
2 処理槽
3 給蒸手段
4 減圧手段
5 復圧手段
6 排出手段
7 制御手段
8 第一処理槽
9 第二処理槽
12 二次ボイラ(リボイラ)
21 給蒸ライン
23 給蒸操作弁
24 減圧ライン
27 真空ポンプ
28 減圧操作弁
32 復圧ライン
35 復圧操作弁
39 上部排蒸ライン(排出ライン)
40 上部排蒸弁(排出弁)
42 下部排蒸ライン(排出ライン)
43 下部排蒸弁(排出弁)
45 トラップライン(排出ライン)
46 トラップ弁(排出弁)
54 蒸気エゼクタ
【出願人】 【識別番号】000175272
【氏名又は名称】三浦工業株式会社
【識別番号】504143522
【氏名又は名称】株式会社三浦プロテック
【出願日】 平成18年5月24日(2006.5.24)
【代理人】 【識別番号】100085316
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 三雄

【識別番号】100110685
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 方宜

【識別番号】100124947
【弁理士】
【氏名又は名称】向江 正幸


【公開番号】 特開2007−105452(P2007−105452A)
【公開日】 平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願番号】 特願2006−143578(P2006−143578)