| 【発明の名称】 |
炊飯器 |
| 【発明者】 |
【氏名】中山 知哉
【氏名】宇都宮 定
|
| 【要約】 |
【課題】機械的なスイッチを使用することなく、迅速に炊飯鍋11の有無を検出する。
【解決手段】炊飯鍋11を収容する炊飯器本体12と、炊飯鍋11を加熱する加熱手段(加熱板15または誘導加熱コイル30)と、炊飯鍋11の温度を検出する温度検出手段(鍋用温度センサ18)とを備え、温度検出手段の検出値に基づいて加熱手段を制御して炊飯制御を実行する炊飯器10において、炊飯制御の開始後に温度検出手段を介して、予め設定した時間帯の温度上昇勾配を検出し、その温度上昇勾配と予め設定した基準温度上昇勾配とを比較して、炊飯鍋11の装着の有無を判断する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 炊飯鍋を収容する炊飯器本体と、内部に加熱ヒータを有し前記炊飯鍋を加熱する加熱板と、前記炊飯鍋の温度を検出する温度検出手段とを備え、該温度検出手段の検出値に基づいて前記加熱板を制御して炊飯制御を実行する炊飯器において、 前記炊飯制御の開始後に前記温度検出手段を介して、予め設定した時間帯の温度上昇勾配を検出し、その温度上昇勾配と予め設定した基準温度上昇勾配とを比較して、前記炊飯鍋の装着の有無を判断するようにしたことを特徴とする炊飯器。 【請求項2】 炊飯鍋を収容する炊飯器本体と、前記炊飯鍋を誘導加熱するコイルと、前記炊飯鍋の温度を検出する温度検出手段とを備え、該温度検出手段の検出値に基づいて前記コイルを制御して炊飯制御を実行する炊飯器において、 前記温度検出手段に、前記コイルにより誘導加熱される加熱部材を配設し、 前記炊飯制御の開始後に前記温度検出手段を介して、予め設定した時間帯の温度上昇勾配を検出し、その温度上昇勾配と予め設定した基準温度上昇勾配とを比較して、前記炊飯鍋の装着の有無を判断するようにしたことを特徴とする炊飯器。 【請求項3】 前記温度検出手段を介して、予め設定した第2の時間帯の第2の温度上昇勾配を検出し、この第2の温度上昇勾配と第2の基準温度上昇勾配とを更に比較して、全てが鍋無し判定である場合に炊飯鍋が未装着であると判断するようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の炊飯器。 【請求項4】 前記第1の温度上昇勾配は、炊飯制御の開始後に所定時間経過した時点t1で検出した温度T1と、更に所定時間経過した時点t2で検出した温度T2とで決定し、 前記第2の温度上昇勾配は、前記T1と、時点t2より更に所定時間経過した時点t3で検出した温度T3とで決定するものであることを特徴とする請求項4に記載の炊飯器。 【請求項5】 前記温度検出手段を介して、予め設定した時間後の温度を検出し、この検出した温度と予め設定した基準温度とを更に比較して、全てが鍋無し判定である場合に炊飯鍋が未装着であると判断するようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の炊飯器。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、炊飯器に関するものである。 【背景技術】 【0002】 この種の炊飯器は、炊飯鍋を収容する炊飯器本体と、該炊飯器本体に開閉可能に取り付けられた蓋体とを備えている。前記炊飯器本体の内部には、炊飯鍋を加熱する加熱手段と、炊飯鍋の温度を検出する鍋用温度センサとが配設されている。また。蓋体の内部には、炊飯鍋の上部の空間温度を検出する蓋用温度センサが配設されている。そして、これら温度センサの検出値に基づいて、炊飯鍋内にセットした飯米を炊飯する。なお、前記鍋用温度センサは、上下方向に移動可能に配設され、炊飯鍋がセットされることにより鍋用温度センサが下降すると、スイッチが連動してオン、オフされることにより、炊飯鍋の有無を検出できるように構成されている。 【0003】 しかし、スイッチを使用して機械的に炊飯鍋の有無を検知する場合、振動による瞬間的な誤検知や、静電気などのノイズがスイッチを介して回路に入力され易く、そのノイズにより制御回路が誤動作するなどの問題が生じることがある。また、部品点数が増加するとともに、構造が複雑になるため、コスト高になるという問題がある。 【0004】 このような問題に鑑みて、機械的なスイッチを使用することなく、炊飯鍋の有無を判断できるようにした炊飯器に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。 【0005】 【特許文献1】特開平5−317155号公報 【0006】 この特許文献には、鍋用温度検知手段により、制御に使用している底温度より一定温度以上の高い温度を検出すると鍋無しと判断するようにした炊飯器が記載されている。この炊飯器では、機械的なスイッチを使用することなく炊飯鍋の有無を検出するため、誤検知の問題を防止できるとともに、ノイズに伴う誤動作を防止できる。しかも、部品点数の削減を図ることができるとともに、構造を簡素化でき、その結果、コストダウンを図ることができる。 【0007】 しかしながら、この炊飯器では、予め設定した基準温度まで昇温しなければ、炊飯鍋の有無を判断できない。具体的には、この炊飯器において、温度の上昇勾配は、加熱手段による加熱量、時間、および、炊飯鍋内の収容量(炊飯量)と相関関係を有し、特に炊飯量が少ない場合には昇温勾配の傾きは急である。そのため、低い温度で判断する場合にはその差異も小さいため、誤判断が非常に多くなる。よって、120℃以上の高温域まで昇温しなければ、炊飯鍋の有無を確実に判断できず、鍋無し状態を検出するまでに長い検出時間が必要であるうえ、鍋無し状態では高温での空焚き状態になるため、安全性に欠けるという問題がある。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 本発明では、機械的なスイッチを使用することなく、迅速かつ確実に炊飯鍋の有無を検出できる炊飯器を提供することを課題とするものである。 【課題を解決するための手段】 【0009】 前記課題を解決するため、本発明の第1の炊飯器は、炊飯鍋を収容する炊飯器本体と、内部に加熱ヒータを有し前記炊飯鍋を加熱する加熱板と、前記炊飯鍋の温度を検出する温度検出手段とを備え、該温度検出手段の検出値に基づいて前記加熱板を制御して炊飯制御を実行する炊飯器において、前記炊飯制御の開始後に前記温度検出手段を介して、予め設定した時間帯の温度上昇勾配を検出し、その温度上昇勾配と予め設定した基準温度上昇勾配とを比較して、前記炊飯鍋の装着の有無を判断する構成としている。 【0010】 また、本発明の第2の炊飯器は、炊飯鍋を収容する炊飯器本体と、前記炊飯鍋を誘導加熱するコイルと、前記炊飯鍋の温度を検出する温度検出手段とを備え、該温度検出手段の検出値に基づいて前記コイルを制御して炊飯制御を実行する炊飯器において、前記温度検出手段に、前記コイルにより誘導加熱される加熱部材を配設し、前記炊飯制御の開始後に前記温度検出手段を介して、予め設定した時間帯の温度上昇勾配を検出し、その温度上昇勾配と予め設定した基準温度上昇勾配とを比較して、前記炊飯鍋の装着の有無を判断する構成としている。 【0011】 これらの炊飯器によれば、炊飯鍋をセットしていない状態で炊飯制御を実行した場合、加熱力が炊飯鍋に伝わらないため、鍋用温度センサが高温状態を検出することになる。具体的には、加熱板を用いた直接加熱方式の炊飯器の場合、その加熱板による加熱力を直接温度検出手段が検出し、誘導加熱方式の炊飯器の場合、温度検出手段に配設した加熱部材を誘導加熱することにより直接温度検出手段が検出する。そのため、機械的なスイッチを使用することなく、炊飯鍋の有無を判断することができる。 【0012】 そして、その具体的な検出方法としては、予め設定した時間帯の温度上昇勾配を検出し、その温度上昇勾配と予め設定した基準温度上昇勾配とを比較して、前記炊飯鍋の有無を判断するため、実際の昇温温度は低くても、その差異を確実に判断できる。そのため、短時間で炊飯鍋の有無を検出でき、長い時間高温の空焚き状態を継続するという問題を防止できる。 【0013】 この炊飯器では、前記温度検出手段を介して、予め設定した第2の時間帯の第2の温度上昇勾配を検出し、この第2の温度上昇勾配と第2の基準温度上昇勾配とを更に比較して、全てが鍋無し判定である場合に炊飯鍋が未装着であると判断することが好ましい。具体的には、前記第1の温度上昇勾配は、炊飯制御の開始後に所定時間経過した時点t1で検出した温度T1と、更に所定時間経過した時点t2で検出した温度T2とで決定し、前記第2の温度上昇勾配は、前記T1と、時点t2より更に所定時間経過した時点t3で検出した温度T3とで決定するものである。 または、前記温度検出手段を介して、予め設定した時間後の温度を検出し、この検出した温度と予め設定した基準温度とを更に比較して、全てが鍋無し判定である場合に炊飯鍋が未装着であると判断してもよい。 これらのようにすれば、炊飯鍋の有無を検出する精度を高めることができる。 【発明の効果】 【0014】 本発明の炊飯器では、機械的なスイッチを使用することなく、既存の温度検出手段を利用して炊飯鍋の有無を判断するため、部品点数の削減を図ることができるとともに構造を簡素化でき、その結果、コストダウンを図ることができる。そして、その具体的な検出方法としては、予め設定した時間帯の温度上昇勾配を検出し、その温度上昇勾配と予め設定した基準温度上昇勾配とを比較するものであるため、実際の昇温温度は低くても、その差異を確実に判断できる。そのため、短時間で炊飯鍋の有無を検出でき、長い時間高温の空焚き状態を継続するという問題を防止できる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0015】 以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。 【0016】 図1および図2は、本発明の第1実施形態に係る炊飯器10を示す。この炊飯器10は、炊飯鍋11を着脱可能に収容する炊飯器本体12と、該炊飯器本体12の上端開口を閉塞する蓋体21とを備えたものである。 【0017】 前記炊飯器本体12には、炊飯鍋11を装着する開口から円筒状の内胴13が配設され、この内胴13の底が遮熱板14により閉塞されている。また、この内胴13の内部には、第1の加熱手段を構成する加熱板15が配設されている。この加熱板15は、内部に加熱ヒータ16を配設した略椀形状のもので、伝熱性がよいアルミ材料により形成されている。また、この加熱板15の中央部には貫通孔17が設けられ、この貫通孔17を通して上部に載置された炊飯鍋11の温度を検出できるように第1の温度検出手段である鍋用温度センサ18が配設されている。また、この炊飯器本体12には、内部にマイコン29を実装した図示しない制御基板が配設されるとともに、液晶パネルなどの表示手段19および複数のスイッチからなる入力手段20が配設されている。 【0018】 前記蓋体21は、前記炊飯器本体12に対して回転可能に取り付けられるもので、上板22と、該上板22の下部を閉塞する下板23と、該下板23の下面に設けられた内蓋24とを備えている。この内蓋24には、炊飯鍋11の上部内周面との間をシールするパッキン25が配設されている。また、上板22と内蓋24との間には、炊飯鍋11内で発生した蒸気を排気するための排気ユニット26が設けられている。さらに、内蓋24の上部には、第2の加熱手段を構成する蓋ヒータ27が配設されるとともに、炊飯鍋11の上部空間部分の温度を検出するための第2の温度検出手段である蓋用温度センサ28が配設されている。 【0019】 前記構成の炊飯器10は、制御手段である前記マイコン29により、内蔵した記憶手段であるRAMに記憶されたプログラムに従って制御される。具体的には、入力手段20の操作により炊飯制御が実行されると、図3に示すように、米に吸水させる予熱工程、炊飯鍋11内の水が沸騰するまで加熱する昇温工程、その沸騰状態を維持する沸騰維持工程、炊飯鍋11内の残水分を無くす炊き上げ工程、および、蓄熱により炊き上げた米を蒸らすむらし工程からなる炊飯処理を実行した後、続いて保温処理を実行する。 【0020】 そして、本実施形態では、予熱工程を経て昇温工程に移行すると、該昇温工程と並行して炊飯鍋11の装着の有無を検出する鍋無し検知工程を実行する構成としている。この鍋無し検知工程は、図4(A),(B)に示すように、前記炊飯処理に必要な既存の鍋用温度センサ18を介して、予め設定した2つの時間帯の温度上昇勾配A,Bを検出し、それら温度上昇勾配A,Bと予め設定した基準温度上昇勾配A0,B0とを比較して、炊飯鍋11の装着の有無を判断するものである。具体的には、第1の温度上昇勾配Aは、炊飯制御の開始後に所定時間経過した時点t1である昇温工程の開始時点で検出した温度T1と、更に所定時間(30秒)経過した時点t2で検出した温度T2とで決定(算出)する。また、第2の温度上昇勾配Bは、第1の温度上昇勾配Aと同様の時点t1で検出した温度T1と、前記時点t2より更に所定時間(30秒)経過した時点t3で検出した温度T3とで決定(算出)する構成としている。そして、算出した第1の温度上昇勾配Aと予め設定した第1の基準温度上昇勾配A0との比較判定、および、算出した第2の温度上昇勾配Bと予め設定した第2の基準温度上昇勾配B0との比較判定を行い、図4(B)に示す全てが鍋無し判定である場合に炊飯鍋11が未装着であると判断する構成としている。本実施形態では、この鍋無し検知工程の開始時点は、昇温工程の開始時点、即ち、温度センサ18による検出温度が40℃に安定した予熱工程の終了直後としているため、鍋無し判断の安定性および確実性を向上できる。 【0021】 ここで、炊飯鍋11の温度を検出する鍋用温度センサ18による検出温度勾配は、炊飯鍋11内の炊飯容量の多少により変わり、多い方が緩やかになり、少ない方が急になる。また、鍋用温度センサ18が加熱板15を貫通されている構造上、炊飯する容量が少ない場合、加熱板15と炊飯鍋11との間に異物が混入した状態(図3中太線)、炊飯鍋11の未装着状態の順で、後者の方が上昇率は急激になる。即ち、炊飯鍋11が装着されていない状態では、加熱ヒータ16による加熱力が加熱板15を介して炊飯鍋11に伝わらないため、前記加熱板15の周囲が異常高温になり、鍋用温度センサ18が異常高温を検出することになる。また、炊飯鍋11は装着されているが、加熱板15との間に異物が混在している状態では、加熱ヒータ16による加熱力が加熱板15と炊飯鍋11との接触部分や異物を介してのみ炊飯鍋11に伝わるため、その熱伝導効率は悪く、通常の炊飯制御時と比較すると加熱板15の周囲が高温になり、鍋用温度センサ18が高温を検出することになる。また、鍋用温度センサ18の検出温度は、炊飯器10の周囲の温度である室温にも影響し、室温が高い場合には昇温率が高くなる。そのため、本実施形態での第1および第2の基準温度上昇勾配A0,B0は、実際に炊飯鍋11を装着していない状態で、かつ、室温が約5℃の状態で、実際に検出した温度に基づいて設定され、その情報を前記RAMに記憶させている。なお、これら基準温度上昇勾配A0,B0は、勿論、炊飯鍋11と加熱板15との間に異物が混入した状態の温度上昇勾配より急になっている。 【0022】 次に、マイコン29による炊飯処理について具体的に説明する。 【0023】 ユーザが入力手段20の操作により炊飯処理を実行すると、マイコン29は、図5に示すように、ステップS1で、予め設定された実行時間、炊飯鍋11内を米の吸水が促進される40℃に維持する予熱工程を実行する。ここで、この予熱工程の温調制御は、蓋用温度センサ28の検出値に基づいてデューティー制御することにより行われる。 【0024】 この予熱工程が終了すると、ステップS2の鍋無し検知工程と、ステップS5の昇温工程とを並行して実行する。 【0025】 具体的には、ステップS2では、後述する鍋無し検知工程を実行した後、ステップS3で、この検知工程による判断結果を示すフラグfに1が入力されているか否かを検出する。そして、fが1(鍋無し判断)である場合にはステップS4に進み、炊飯処理の停止処理を実行して、全ての処理を停止した待機処理に移行する。また、fが0(鍋有り判断)である場合には、ステップS5の昇温工程が終了するまで待機してステップS6に進む。 【0026】 また、ステップS5では昇温工程を実行し、蓋用温度センサ28の検出値に基づいて炊飯鍋11内が沸騰したと判断するまで、加熱ヒータ16に対してフルパワーで通電する。この昇温工程が終了すると、ステップS6で、鍋用温度センサ18の検出値に基づいて沸騰維持工程を実行し、炊飯鍋11内が沸騰状態を維持するように、加熱ヒータ16に対する通電をデューティー制御する。この沸騰維持工程が終了すると、ステップS7で、鍋用温度センサ18の検出値に基づいて炊き上げ工程を実行し、炊飯鍋11内の残水分を無くす(ドライアップ)。この炊き上げ工程が終了すると、ステップS8で、予め設定された実行時間むらし工程を実行し、蓄熱により炊き上げた米を蒸らす。そして、このむらし工程が終了すると、続いて保温処理に移行する。 【0027】 次に、ステップS2の鍋無し検知工程について具体的に説明する。 【0028】 この鍋無し検知工程では、マイコン29は、図6に示すように、まず、ステップS2−1で、鍋用温度センサ18により初期の第1温度を検出した後、ステップS2−2で、その検出した第1温度(T1)を記憶する。 【0029】 ついで、ステップS2−3で、待機タイマをリセットしてスタートさせた後、ステップS2−4で、待機タイマ(30秒)がカウントアップするまで待機し、カウントアップするとステップS2−5に進む。 【0030】 ステップS2−5では、鍋用温度センサ18により第2温度を検出し、ステップS2−6で、その検出した第2温度(T2)を記憶した後、ステップS2−7で、待機タイマをリセットしてスタートさせる。 【0031】 ついで、ステップS2−8で、第1判定処理を実行する。この第1判定処理は、検出した第2温度T2から第1温度T1を減算し、その減算値を検出時間差である待機時間(30(秒))で除算することにより、第1の温度上昇勾配Aを算出する。その後、この第1温度上昇勾配Aと設定された第1の基準温度上昇勾配A0とを比較し、第1温度上昇勾配Aが高い(急勾配)場合には鍋無しであると一次判定し、第1温度上昇勾配Aが低い(緩勾配)場合には鍋有りであると一次判定する。 【0032】 第1判定処理が終了すると、ステップS2−9で、待機タイマ(30秒)がカウントアップするまで待機する。そして、カウントアップすると、ステップS2−10で、鍋用温度センサ18により第3温度を検出した後、ステップS2−11で、その検出した第3温度(T3)を記憶する。 【0033】 ついで、ステップS2−12で、第2判定処理を実行する。この第2判定処理は、検出した第3温度T3から第1温度T1を減算し、その減算値を検出時間差である待機時間(60(秒))で除算することにより、第2の温度上昇勾配Bを算出する。その後、この第2温度上昇勾配Bと設定された第2の基準温度上昇勾配B0とを比較し、第2温度上昇勾配Bが高い(急勾配)場合には鍋無しであると二次判定し、第2温度上昇勾配Bが低い(緩勾配)場合には鍋有りであると二次判定する。 【0034】 第2判定処理が終了すると、ステップS2−13で、第1および第2判定処理による両方の判定が鍋無し(NG)状態であるか否かを検出する。そして、両方が鍋無し判定である場合には、炊飯鍋11が装着されていないと判断してステップS2−14に進み、フラグfに1を入力してリターンする。一方、両方の判定が鍋無し状態でない場合、即ち、両方が鍋有り判定、または、いずれか一方が鍋有り判定である場合には、炊飯鍋11が装着されていると判断してステップS2−15に進み、フラグfに0を入力してリターンする。 【0035】 このように、本実施形態では、加熱板15による直接加熱方式の炊飯器10において、機械的なスイッチを使用することなく、既存の鍋用温度センサ18を利用して炊飯鍋11の有無を判断する構成としているため、部品点数の削減を図ることができるとともに構造を簡素化でき、その結果、コストダウンを図ることができる。 【0036】 そして、その具体的な検出方法としては、予め設定した時間帯の温度上昇勾配を検出し、その温度上昇勾配と予め設定した基準温度上昇勾配とを比較するものであるため、実際の昇温温度は低くても、その差異を確実に判断できる。そのため、短時間で炊飯鍋11の有無を検出でき、長い時間高温の空焚き状態を継続するという問題を防止できる。しかも、本実施形態では、実際の温度上昇勾配および基準温度上昇勾配を2組比較し、両方が鍋無し判定である場合にのみ、炊飯鍋11が未装着状態であると判断するため、その判断精度を高めることができる。 【0037】 図7(A),(B)は第2実施形態の炊飯器10の鍋無し検知工程を示す。この第2実施形態では、第1実施形態と同様に、炊飯処理に必要な既存の鍋用温度センサ18を使用して行うものである。そして、第2実施形態では、予め設定した1つの時間帯の温度上昇勾配Aを検出し、予め設定した基準温度上昇勾配A0と比較する第1判定処理と、予め設定した時間後の温度を検出し、予め設定した基準温度と比較する第2判定処理とを行って炊飯鍋11の装着の有無を判断するものである。具体的には、第1判定処理である温度上昇勾配Aは、第1実施形態と同様に、炊飯制御の開始後に所定時間経過した時点t1である昇温工程の開始時点で検出した温度T1と、更に所定時間(30秒)経過した時点t2で検出した温度T2とで決定(算出)する。また、第2判定処理である温度は、前記時点t2より更に所定時間(30秒)経過した時点t3で検出した温度T3としている。そして、算出した温度上昇勾配Aと予め設定した基準温度上昇勾配A0との比較判定、および、検出した温度T3と予め設定した基準温度T0(しきい値)との比較判定を行い、図7(B)に示す全てが鍋無し判定である場合に炊飯鍋11が未装着であると判断する構成としている。なお、基準温度T0と比較する検出温度は、時点t2で検出した温度T2を用いてもよい。 【0038】 この第2実施形態では、予め設定した時間帯の温度上昇勾配を検出し、その温度上昇勾配と予め設定した基準温度上昇勾配とを比較するものであるため、実際の昇温温度は低くても、その差異を確実に判断できる。そのため、短時間で炊飯鍋11の有無を検出でき、長い時間高温の空焚き状態を継続するという問題を防止できる。しかも、温度上昇勾配と具体的な温度との組み合わせで2種比較し、両方が鍋無し判定である場合にのみ、炊飯鍋11が未装着状態であると判断するため、その判断精度を高めることができる。 【0039】 なお、本発明の炊飯器10は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。 【0040】 例えば、前記実施形態では、鍋無し検知精度を高めるために、第1実施形態では2つの時間帯の温度上昇勾配A,Bと基準温度上昇勾配A0,B0とを比較し、第2実施形態では1つの時間帯の温度上昇勾配Aと基準温度上昇勾配A0および所定時間後の温度T3と基準温度T0とを比較したが、第1実施形態の構成に更に第2実施形態に示す実際の温度判定を加えてもよい。また、温度上昇勾配を3以上比較してもよいうえ、1つの温度上昇勾配と2以上の温度を比較してもよい。勿論、1つの温度上昇勾配と基準温度上昇勾配のみで判断してもよい。 【0041】 また、前記実施形態では、加熱ヒータ16を内蔵した加熱板15による直接加熱方式の炊飯器10を用いて説明したが、誘導加熱コイル30を用いた誘導加熱方式の炊飯器10'であっても、前記鍋無し検知方法は適用可能である。具体的には、図8に示すように、誘導加熱方式の炊飯器10'は、内胴13の底が樹脂製の保護枠31により閉塞されている。この保護枠31の底面外周部に所定間隔をもってフェライトコア32が放射状に配設されている。そして、これら保護枠31とフェライトコア32との間に、高周波電流が通電されることにより電磁波を発生し、前記保護枠31を介して炊飯鍋11を電磁誘導加熱する誘導加熱コイル30が配設されている。但し、この誘導加熱方式の炊飯器10'は、炊飯鍋11が未装着の状態で加熱を行っても異常加熱の問題は生じない。そこで、前記鍋用温度センサ18の先端に誘導加熱コイル30への通電時に生じる渦電流によって電磁誘導加熱される強磁性材料をコーティングや接合等を施した加熱部材33を配設している。この炊飯器10'では、誘導加熱コイルにより加熱を行うと、加熱部材33が加熱される。そして、炊飯鍋11が装着状態である場合には、加熱部材33の熱が炊飯鍋11に伝熱される一方、炊飯鍋11が未装着状態である場合には伝熱されない。その結果、未装着状態では鍋用温度センサ18が異常高温を検出することになり、前記と同様の作用および効果を得ることができる。 【図面の簡単な説明】 【0042】 【図1】本発明に係る実施形態の炊飯器を示す概略断面図である。 【図2】炊飯器の構成を示すブロック図である。 【図3】炊飯器の炊飯処理時の温度遷移を示すグラフである。 【図4】第1実施形態の鍋無し検知工程を示すグラフである。 【図5】マイコンによる炊飯処理を示すフローチャートである。 【図6】図4の鍋無し検知工程を示すフローチャートである。 【図7】第2実施形態の鍋無し検知工程を示すグラフである。 【図8】本発明の鍋無し検知工程を適用可能な炊飯器の変形例を示す概略断面図である。 【符号の説明】 【0043】 10,10’…炊飯器 11…炊飯鍋 12…炊飯器本体 15…加熱板 16…加熱ヒータ 18…鍋用温度センサ(温度検出手段) 21…蓋体 29…マイコン(制御手段) 30…誘導加熱コイル 33…加熱部材
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002473 【氏名又は名称】象印マホービン株式会社
|
| 【出願日】 |
平成17年8月19日(2005.8.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100084146 【弁理士】 【氏名又は名称】山崎 宏
【識別番号】100100170 【弁理士】 【氏名又は名称】前田 厚司
|
| 【公開番号】 |
特開2007−50164(P2007−50164A) |
| 【公開日】 |
平成19年3月1日(2007.3.1) |
| 【出願番号】 |
特願2005−238670(P2005−238670) |
|