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【発明の名称】 移動側部材の引き込み装置
【発明者】 【氏名】岡崎 正彦

【要約】 【課題】簡単な構造で安価に製作出来、スライドレールの構造に関係なく、移動側部材と固定側部材間に引き込み機能を設ける事が出来、しかも、好ましい収納感覚、引き出し感覚を簡単に得ることができ、又、使用場所に応じた引き込み感覚、引き込み力の選択も容易に行う事が可能な移動側部材の引き込み装置を提供する。

【解決手段】固定側部材あるいは移動側部材のいずれか一方側に取付けられた引き込み力付加部材5と、引き込み力付加部材5に対応して他方側に取付けられた引き込み力受動部材7からなり、引き込み力付加部材5は、移動側部材が固定側部材に対して最終所定位置に近づいたとき、引き込み力受動部材7に一部が弾性的に圧接する圧接機構54を有し、引き込み力受動部材7は、圧接機構54の圧接力を移動側部材を固定側部材に対し最終所定位置となす方向への引き込み力に変化させる案内傾斜面72を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定側部材あるいは移動側部材のいずれか一方側に取付けられた引き込み力付加部材と、引き込み力付加部材に対応して他方側に取付けられた引き込み力受動部材からなり、引き込み力付加部材は、移動側部材が固定側部材に対して最終所定位置に近づいたとき、引き込み力受動部材に一部が弾性的に圧接する圧接機構を有し、引き込み力受動部材は、圧接機構の圧接力を移動側部材を固定側部材に対し最終所定位置となす方向への引き込み力に変化させる案内傾斜面を有することを特徴とする移動側部材の引き込み装置。
【請求項2】
圧接機構は、引き込み力受動部材の案内傾斜面に先端が常に圧接するよう弾性力が負荷された弾性圧接腕を有し、案内傾斜面は弾性圧接腕の先端の圧接力が移動側部材を固定側部材に対し最終所定位置となす方向への引き込み力に変化させる方向に傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の移動側部材の引き込み装置。
【請求項3】
弾性圧接腕は、端部が回動自在に枢止されて、先端部が引き込み力受動部材の案内傾斜面に常に圧接する方向に回動力を付与されている事を特徴とする請求項2に記載の移動側部材の引き込み装置。
【請求項4】
弾性圧接腕は、案内傾斜面に圧接する回転ローラーを有していることを特徴とする請求項3に記載の移動側部材の引き込み装置。
【請求項5】
案内傾斜面は、移動側部材が固定側部材に対し最終所定位置に達した状態で、回転ローラーが嵌入する保持凹部を有していることを特徴とする請求項4に記載の移動側部材の引き込み装置。
【請求項6】
移動側部材の後端部側に取付けられた引き込み力付加部材に、回動力を付与された弾性圧接腕を有する圧接機構を設け、引き込み力付加部材に対応して固定側部材の後端部側に取付けられた引き込み力受動部材に、弾性圧接腕の先端が常に圧接する案内傾斜面を設けることにより、弾性圧接腕の圧接力を移動側部材を固定側部材に対し最終所定位置となす方向への引き込み力に変化させた事を特徴とする移動側部材の引き込み装置。
【請求項7】
弾性圧接腕は、案内傾斜面に圧接する回転ローラーを先端に有し、案内傾斜面は移動側部材が固定側部材に対し最終所定位置に達した状態で、回転ローラーが嵌入する保持凹部を有していることを特徴とする請求項6に記載の移動側部材の引き込み装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、家具等の引出し部、陳列棚等のスライド棚等の移動側部材を、引出し状態(スライド状態)から収納位置(最終所定位置)まで完全に移動させなくても、一定位置まで移動されるとあとは自動的に家具本体等の固定側部材に引き込まれると共に、移動側部材を固定側部材に勢いよく移動させた時に生じる移動側部材の跳ね返りの防止、あるいは、運搬時、地震時等に移動側部材が不用意に固定側部材から飛び出すのを防止する移動側部材の引き込み装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
家具本体等の固定側部材に引出し部等の移動側部材を収納する時、移動側部材を勢い良く収納すると、収納時の跳ね返りによって、移動側部材が完全に収納されなかったり、移動側部材を最初から完全に収納されていなかったりする場合があり、家具の運搬時、地震時に不都合が発生する原因となっていた。
この問題を解決するため、固定側部材に連結された固定側メンバーの後端近傍内側に移動側部材が連結された移動側メンバーの引き込み装置を設け、固定側メンバーと移動側メンバー等からなるスライドレールの収納方向に向けたスライドにより係合可能な係合部を移動側メンバーの後端部に設け、引き込み装置の内側には、スライド部材と共に係合ピンを引き込むバネを備え、移動側メンバーを収納終端位置近くまで収納すると係合部が係合ピンに係合して移動側メンバーを引き込み、一定以上の長さに移動側メンバーを引き出すと係合部が係合ピンの係合が外れて、スライド部材と係合ピン手前側に係止させる構成を有し、引出し部の不完全な収納、移動側メンバー(引出し部)を収納する時に生じる引出し部の跳ね返り、運搬時における家具の傾きによる引出し部の飛び出し、さらに地震時の振れによる引出し部の飛び出しを防止する引き込み機能付きスライドレールが提供されている。(例えば特許文献1参照。)
【0003】
この場合、コイルバネの弾発力が直接移動側メンバーの引き込み力となるので、移動側メンバーが収納終端位置の近くまでくると急激に移動側メンバーが引き込まれるため、引出し部の収納感覚が好ましくなく、又引出し部を引き出す場合、係合部と係合ピンの係合が外れる間際が最も引き出し力を必要とし、その状態が急に解除されるので、使用者が意図する以上に引出し部が急激に引き出されることがあり、使い勝手が悪いと云う問題があった。
又、固定側メンバー、移動側メンバーに特別な加工あるいは部材をとりつける必要があり、所定のスライドレールしか使用できず、構造も複雑で部材点数も多く、高価となる欠点があった。
【0004】
【特許文献1】特開2004−236973号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、簡単な構造で安価に製作出来、スライドレールの構造に関係なく、移動側部材と固定側部材間に引き込み機能を設ける事が出来、しかも、好ましい収納感覚、引き出し感覚を簡単に得ることができ、又、使用場所に応じた引き込み感覚、引き込み力の選択も容易に行う事が可能な移動側部材の引き込み装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、上記課題を解決する為、本発明が第1の手段として構成したところは、固定側部材あるいは移動側部材のいずれか一方側に取付けられた引き込み力付加部材と、引き込み力付加部材に対応して他方側に取付けられた引き込み力受動部材からなり、引き込み力付加部材は、移動側部材が固定側部材に対して最終所定位置に近づいたとき、引き込み力受動部材に一部が弾性的に圧接する圧接機構を有し、引き込み力受動部材は、圧接機構の圧接力を移動側部材を固定側部材に対し最終所定位置となす方向への引き込み力に変化させる案内傾斜面を有するものである。
【0007】
次に、本発明が第2の手段として構成したところは、第1の手段としての構成に加え、圧接機構は、引き込み力受動部材の案内傾斜面に先端が常に圧接するよう弾性力が負荷された弾性圧接腕を有し、案内傾斜面は弾性圧接腕の先端の圧接力が移動側部材を固定側部材に対し最終所定位置となす方向への引き込み力に変化させる方向に傾斜しているものである。
【0008】
次に、本発明が第3の手段として構成したところは、第2の手段としての構成に加え、弾性圧接腕は、端部が回動自在に枢止されて、先端部が引き込み力受動部材の案内傾斜面に常に圧接する方向に回動力を付与されているものである。
【0009】
次に、本発明が第4の手段として構成したところは、第3の手段としての構成に加え、弾性圧接腕は、案内傾斜面に常に圧接する回転ローラーを有しているものである。
【0010】
次に、本発明が第5の手段として構成したところは、第4の手段としての構成に加え、案内傾斜面は移動側メンバーと固定側メンバーの最短収縮状態で回転ローラーが嵌入する保持凹部を有しているものである。
【0011】
次に、本発明が第6の手段として構成したところは、移動部材の後端部側に取付けられた引き込み力付加部材に、回動力を付与された弾性圧接腕を有する圧接機構を設け、引き込み力付加部材に対応して固定側部材の後端部側に取付けられた引き込み力受動部材に、弾性圧接腕の先端が常に圧接する案内傾斜面を設けることにより、弾性圧接腕の圧接力を移動側部材を固定側部材に対し最終所定位置となす方向への引き込み力に変化させたものである。
【0012】
次に、本発明が第7の手段として構成したところは、第6の手段としての構成に加え、弾性圧接腕は、案内傾斜面に圧接する回転ローラーを先端に有し、案内傾斜面は移動側部材が固定側部材に対し最終所定位置に達した状態で、回転ローラーが嵌入する保持凹部を有しているものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によると、引き込み装置は、固定側部材あるいは移動側部材のいずれか一方側に取付けられる引き込み力付加部材と、引き込み力付加部材に対応して他方側に取付けられる引き込み力受動部材から構成されているので、スライドレールに直接取付けなくても(もちろん、取付けても良いことは云うまでもない。)、スライドレールの引き込み機能を得る事ができる。すなわち、スライドレールの移動側メンバーと家具本体、あるいは、引出し部と固定側メンバー、あるいは、引出し部と家具本体に取付けておけば、移動側部材の引き込み機能を得ることができるので、スライドレール種類に影響されずに使用できるので汎用性に優れ、引き込み機能を得る為にスライドレールに特殊な加工を施す必要がないので安価に製作出来る。
又、引き込み力付加部材に設けた圧接機構の圧接力を引き込み力受動部材に設けた案内傾斜面によって、引き込み力に変化させているので、使用場所によって、案内傾斜面の傾斜角度の異なった引き込み力受動部材を用意する事によって最適な引き出し感覚、引き込み感覚の引き込み装置を得る事ができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によると、前記効果に加え、案内傾斜面は弾性圧接腕の先端の圧接力が移動側メンバーを固定側メンバーに対し最短収縮状態となす方向の引き込み力に変化させる方向に傾斜しているので、引き込み力付加部材及び引き込み力受動部材は、移動側部材、固定側部材、あるいは、移動側部材及び固定側部材の引き込み方向の前端部、後端部にかかわらず取付ける事ができるので使い勝手に優れている。
【0015】
請求項3に記載の発明によると、前記効果に加え、弾性圧接腕は、端部が回動自在に枢止されて、先端部が引き込み力受動部材の案内傾斜面に圧接する方向に回動力を付与されているので、弾性圧接腕の長さを選択する事によって、引き込み開始位置を使用場所に応じて選択することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明によると、前記効果に加え、弾性圧接腕は、案内傾斜面に圧接する回転ローラーを有しているので、引き込み時、引き出し時のスライドレールの動きに影響を与えることがなくスムーズな動きを得ることができる。
【0017】
請求項5に記載の発明によると、前記効果に加え、案内傾斜面は、移動側部材が固
定側部材の最終所定位置に達した状態で回転ローラーが嵌入する保持凹部を有しているので、移動側部材と固定側部材の最終所定位置で引き込み力を超える保持力が得られると共に、移動側部材の最終所定位置における独特の納まり感と、移動時には独特の初動感を得ることが出来るので快適な使い心地となる。
【0018】
請求項6に記載の発明によると、引き込み装置は、移動側部材の後端部に取付けられる引き込み力付加部材と、固定側部材の後端部に取付けられる引き込み力受動部材から構成されているので、スライドレールに直接取付けなくても(もちろん、取付けても良いことは云うまでもない。)、スライドレールの引き込み機能を得る事ができる。
すなわち、スライドレールの移動側メンバーと家具本体、引出し部と固定側メンバー、あるいは、引出し部と家具本体に、引き込み力付加部材と引き込み力受動部材をそれぞれ取付けておけば、移動側部材の引き込み機能を得ることができるので、スライドレールの種類に影響されず、様々な物品に使用することが出来る。
又、引き込み機能を得る為にスライドレールに特殊な加工を施す必要がないので、安価に製作出来る。
さらに、引き込み力付加部材に設けた圧接機構の圧接力を引き込み力受動部材に設けた案内傾斜面によって、引き込み力に変化させているので、使用物品によって、案内傾斜面の傾斜角度が異なった引き込み力受動部材を用意する事によって最適な引き出し感覚、引き込み感覚の引き込み装置を得る事ができる。
さらに、引き込み力付加部材と、引き込み力受動部材は移動側部材と固定側部材の後端部に設けられているので、固定側部材に対し移動側部材が最も移動した状態であっても引き込み装置が目立つことがなく、使用される物品の美観を損なうことがない。
【0019】
請求項7に記載の発明によると、引き込み力付加部材に設けられた圧接機構の弾性圧接腕は、先端部が引き込み力受動部材の案内傾斜面に圧接する方向に回動力を付与されているので、弾性圧接腕の長さを選択する事によって、引き込み開始位置を使用物品に応じて選択することができる。
又、弾性圧接腕は、案内傾斜面に圧接する回転ローラーを有し、案内傾斜面は、移動側部材が固定側部材に対し最終所定位置に達した状態で回転ローラーが嵌入する保持凹部を有しているので、引き込み時、引き出し時のスライドレールの動きに影響を与えることがなくスムーズな動きを得ることができると共に、引き込み力を超える保持力が得られると共に、移動側部材の最終所定位置における独特の納まり感と、移動時には独特の初動感を得ることが出来るので、使い心地が快適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
移動側部材の後端部側に取付けられた引き込み力付加部材に、回動力を付与された弾性圧接腕を有する圧接機構を設け、引き込み力付加部材に対応して固定側部材の後端部側に取付けられた引き込み力受動部材に、弾性圧接腕の先端が圧接する案内傾斜面を設けることにより、弾性圧接腕の圧接力を移動側部材を固定側部材に対し最終圧接位置となす方向への引き込み力に変化させると共に、弾性圧接腕の先端に案内傾斜面に圧接する回転ローラーを設け、移動側部材が固定側部材に対し最終所定位置に達した状態で、回転ローラーが嵌入する保持凹部を案内傾斜面に設けたものである。
【実施例】
【0021】
以下、添付図面に基づいて実施例を説明する。
図1、図2において、符号1は固定側メンバーを示し、符号2は移動側メンバーを示し、符号3は中間メンバーを示し、符号4は固定側メンバー1のボール保持板を示し、符号6は、移動側メンバー2のボール保持板を示し、符号50は、スライドレール100の引き込み装置を示している。そして、図1において右側斜め下方向を収納側、左側斜め上方向を引き出し側として説明する。
【0022】
固定側メンバー1は、金属製の細長条板の短手両端部を内向き円弧状に折り曲げた内面長手方向にボール案内溝を有する上下の両折曲縁11、11と、家具等の本体側と連結される固定側メンバー基板12より断面略C字形に形成されている。
そして、固定側メンバー基板12の収納側端部を移動側メンバー2方向に折り曲げて固定側収納時ストッパー13が形成され、固定側メンバー基板12の引き出し側端部を移動側メンバー2方向に折り曲げて固定側移動時ストッパー14が形成され、固定側収納時ストッパー13の収納側に引き込み装置50の引き込み力受動部材7が取付けられている。
【0023】
中間メンバー3は、上記固定側メンバー1に挿入可能な大きさで固定側メンバー1よりやや短い長さの固定側基板31と、固定側基板31の上下端部を外向き円弧状に折り曲げた上下の両折曲縁32、32よりなる断面略C字形の固定側中間メンバー30と、上記移動側メンバー2に挿入可能な大きさで固定側メンバー1よりやや短い長さの移動側基板311と、移動側基板311の上下端部を内向き円弧状に折り曲げた上下の両折曲縁322、322よりなる断面略C字形の移動側中間メンバー300を、固定側基板31の後端部が移動側基板311の後端部より収納側に突出するようずらして背中合わせに固着した断面略I字形に構成されている。
【0024】
スライドレール100の最大伸長時、ボール保持板4の収納側端面に緩衝部材を介して当接し、スライドレール100の最短収縮時、固定側収納時ストッパー13の内面に緩衝部材を介して当接するボール保持板収納時ストッパー(図示せず。)が、中間メンバー3の固定側基板31の収納側端部に、固定側メンバー1側に突出して形成され、スライドレール100の最大伸長時、移動側メンバー2のボール保持板6の引出し側端面が緩衝部材を介して当接するボール保持板引き出し時ストッパー26が、中間メンバー3の移動側基板311の移動側端部に、移動側メンバー2側に突出して形成されている。
符号34は、固定側移動時ストッパー14及びボール保持板引き出し時ストッパー26等にもうけられたゴム製の緩衝部材を示している。
【0025】
ボール保持板4、6は対向した同形で、帯条金属板にて固定側メンバー1、移動側メンバー2及び、中間メンバー3との間に挿入可能な大きさで、かつ、両メンバー1、2の半分以下の長さで、基板41、61と上下の折曲片42、42、62、62からなり、基板41、61は中央部をコ字形に折り曲げ、そして、上下の両折曲片42、42、62、62の摺動方向の数箇所に複数個のボール40・・・を回転自在に保持している。
【0026】
移動側メンバー2は、固定側メンバー1と対向した同形同長に形成され、金属製の細長条板の短手両端部を内向き円弧状に折り曲げて形成された内面長手方向にボール案内溝を有する上下の両折曲縁21、21と、移動側メンバー基板22より、断面略C字形に形成されている。
【0027】
そして、移動側メンバー基板22の引き出し側端部を固定側メンバー1方向に折り曲げて形成された移動側収納時ストッパー23と、移動側メンバー基板22の収納側端部を固定側メンバー1方向に折り曲げて形成された移動側移動時ストッパー24を有している。
符号34は移動側移動時ストッパー24にもうけられたゴム製の緩衝部材を示し、符号27・・・は引出し部等との連結孔を示している。
【0028】
実施例のスライドレール100は上記の如く構成され、スライドレール100の最大伸長時には、移動側メンバー2の移動側移動時ストッパー24が緩衝部材34を介してボール保持板6の収納側端面に当接し、ボール保持板6の引出し側端面は緩衝部材34を介して中間メンバー3のボール保持板引き出し時ストッパー26に当接し、中間メンバー3のボール保持板収納時ストッパー(図示せず。)がボール保持板4の収納側端面に緩衝部材を介して当接し、ボール保持板4の引き出し側端面が緩衝部材34を介して固定側移動時ストッパー14に当接している。
【0029】
一方、スライドレール100の最短収縮状態では、移動側メンバー2の引出し側端部の移動側収納時ストッパー23が緩衝部材34を介して中間メンバー3の引出し側端部に形成されたボール保持板引き出し時ストッパー26に当接し、中間メンバー3の収納側端部に形成されたボール保持板収納時ストッパー(図示せず。)が緩衝部材34を介して固定側メンバー1の収納側端部に形成された固定側収納時ストッパー13に当接している。
【0030】
引き込み装置50は、図3〜図8に示す如く、移動側メンバー2が連結される移動側部材の後端部(移動側メンバー2の収納側端部側)に取付けられる引き込み力付加部材5と、固定側部材の後端部(固定メンバー1の収納側端部側)に取付けられる引き込み力受動部材7より構成されている。
引き込み力付加部材5は、スライドレール100の厚み方向で2つに分割可能な連結用ケース51と外側ケース52からなる保持用ケース510と、保持用ケース510内に保持される圧接機構54より構成されており、圧接機構54は巻きバネ53と、巻きバネ53によって所定方向に回動力を付与された弾性圧接腕8より構成されている。
【0031】
連結用ケース51は、連結用上壁511、引出し側側壁512、収納側側壁513、連結用正面壁514から、下面と外側ケース52側が開口する形状に合成樹脂材より形成され、連結用上壁511の中央部及び収納側端部と、収納側側壁513と、連結用正面壁514の略中央部下端に、外側ケース52を係止連結するための係止部515・・・が形成されている。
又、連結用正面壁514の引き出し側には、連結ケース51を引出し部あるいは移動側メンバー2に設けられた取付部材等の移動側にネジ止めするための連結孔516、516が形成され、連結用正面壁514の収納側には移動側に形成された嵌入孔(図示せず。)に嵌入するための嵌入突起517、517が形成され、連結用正面壁514の略中央部内面には、弾性圧接腕8を回動自在に保持するための連結側保持筒(図示せず。)が設けられている。
符号518は、保持用ケース510が移動側部材に連結されたとき、移動側メンバー2の上折曲縁21の後端面に当接し、移動側メンバー2、移動側部材、保持用ケール510を所定位置に維持する位置決め用突起を示している。
【0032】
外側ケース52は、外側上壁521、引き出し側外側壁522、収納側外側壁523、外側正面壁524から、下面と連結用ケース51側が開口する形状に合成樹脂材より形成され、外側上壁521の引き出し側端部及び収納側部と、収納側外側壁523と、外側正面壁524の引き出し側端部下端に、連結用ケース51の係止部515・・・に係止する係止用突起525・・・が形成され、外側正面壁524の引き出し側内面には、前記連結側保持筒(図示せず。)に対応して弾性圧接腕8を回動自在に保持するための外側保持筒526が設けられている。
【0033】
圧接機構54を構成する弾性圧接腕8は、引き出し方向で外側ケース52内に納まる大きさで、スライドレール100の厚み方向に扁平で引き出し方向に長い棒状に合成樹脂材より形成されている。
そして、前記連結側保持筒と外側保持筒526に嵌入して回動自在に保持される回動軸82が、スライドレール100の厚み方向に突出して引き出し側端部に弾性圧接腕8と一体に成形されると共に、弾性圧接腕8の厚み方向の補強の為、連結用ケース51の連結用正面壁514側に突出し、引き出し方向に渡って弾性圧接腕8と一体に補強用突条83が上端に形成され、補強用突条83の収納側端部の所定寸法下方に位置して、弾性圧接腕8が連結用ケース51に収納された状態で下端面が所定寸法下方に突出する回動範囲規制突片84が弾性圧接腕8と一体に形成されている。
【0034】
そして、弾性圧接腕8の引き出し側の端面は、スライドレール100が最短収縮状態となった時、外側ケース52の外側上壁521の内面に当接して、弾性圧接腕8が所定範囲を超えて下方に回動するのを防止するストッパー用傾斜面85が形成され、ストッパー用傾斜面85と下方に対称に、外側ケース52の引き出し側端部下面の逃し用傾斜面86が形成され、弾性圧接腕8の収納側端部には、引き出し時に固定側メンバー1の上折曲縁11の上面に接触しながら回転する金属製の回転ローラー87が回転自在に取付けられている。
なお、回転ローラー87の材質は、固定側メンバー1の上折曲縁11や後述する引き込み力受動部材7の案内傾斜面72の上面に接触しながら回転するものであればよく、その材質は金属製に限られず、例えば樹脂製であってもよいことは言うまでもない。
【0035】
巻きバネ53は、弾性圧接腕8が連結用ケース52に回動自在に保持された状態で、
連結側保持筒(図示せず。)に外嵌し、一端が連結用上壁511の下面に当接保持され、他端が弾性圧接腕8の回動範囲規制突片84の上面に当接保持されて、弾性圧接腕8に、回転ローラー87が引き込み力受動部材7に弾性的に圧接する方向に回動力を付与している。
尚、実施例では、回転ローラー87は引き出し時に固定側メンバー1の上折曲縁11の上面に接触しながら回転し、移動側部材が最も引き出された状態でも、固定側メンバー1の上折曲縁11の引き出し側端端部に位置する構成となっているが、移動側部材がさらにオーバートラベル状態にひきだされ、回転ローラー87が上折曲縁11の引き出し側端部よりさらに引き出し方向に位置する場合は、前記回動範囲規制突片84の下面が、中間メンバー3の移動側中間メンバー300の上折曲縁322の外面に当接移動して、弾性圧接腕8の必要以上の回動を阻止している。
【0036】
引き込み力受動部材7は、引き出し側端部に固定側メンバー1の上下折曲縁11、11内に嵌合する上下嵌合突起71、71を有し、引き出し側端部から収納側端部に向かって傾斜する案内傾斜面72を上端面に有し、移動側部材が固定側部材に対し最終所定位置に達した状態で、回転ローラー87が嵌入する保持凹部73を案内傾斜面72の収納側端部に有している。
符号74は固定側部材との連結孔を示している。
【0037】
尚、実施例では、引き込み力受動部材7はスライドレール100の固定側メンバー1の収納側端面に上下嵌合突起71、71が嵌合し、連結孔47を介して連結ネジ等で固定側部材に連結され、回転ローラー87は引き出し時に固定側メンバー1の上折曲縁11の上面に接触しながら回転し、移動する構成となっているが、スライドレール100と関係なく引き込み力付加部材5を移動側部材に取付ける場合は、案内傾斜面72の引き出し側端部に連続して、固定側メンバー1の上折曲縁11に相当する回転ロ−ラ支持部70を有する引き込み力受動部材7(図9に示す。)を、引き込み力付加部材5に対応して固定側部材に設けると良い。
【0038】
引き込み装置50は、上記の如く構成され、移動側部材が固定側部材に対し最終所定位置に達した状態(図1、図6、図8に示す状態)で、引き込み力付加部材5の弾性圧接腕8の回転ローラー87が保持凹部73に嵌入し、弾性圧接腕8は巻きバネ53によって図6で時計廻りの方向に回動力を付与されているので、移動側部材(引き込み力付加部材5)は固定側部材(引き込み力受動部材7)に所定の保持力で保持された状態を維持する。
次に、保持力以上の力を加えて、移動側部材を引き出し側方向に引き出すと、弾性圧接腕8は巻きバネ53の弾発力に抗して図6で反時計廻りの方向に回動しながら引き出し側に移動し、回転ローラー力87は案内傾斜面73から固定側メンバー1の上折曲縁11(回転ロ−ラー支持部70)の上面に達し(図4に示す状態)、さらに引き出し側に移動していく。
【0039】
一方、移動側部材が固定側部材に対して最終所定位置に近づいて、引き込み力受動部材7の案内傾斜面72の引き出し側端部に回転ローラー87が位置すると(図5に示す状態)、弾性圧接腕8の時計廻りの方向の回動力によって移動側部材は固定側部材に対して最終所定位置まで引き込まれ、回転ローラー87は保持凹部73に嵌入し、移動側部材は固定側部材に対して所定の保持力で保持される。
【0040】
なお、引込開始位置は、段落0019で述べたように、弾性圧接腕8の長さを選択以外に、引き込み力受動部材7の案内傾斜面72の長さを選択ことによっても選択可能である。すなわち、案内傾斜面の長さを長くすれば、引き込み開始位置はより引き出し側となり、案内傾斜面の長さを短くすれば、引き込み開始位置はより収納側となる。
【0041】
本発明は上記の如く構成されているので、弾発力の異なった巻きバネを選択することにより、引き込み力の強さを選択でき、また、案内傾斜面の傾斜角度をかえることにより引き込みスピードの選択が出来、また、弾性圧接腕の長さ選択することにより、引き込み開始位置を選択する事が出来る。
又、実施例では、引き込み力付加部材5を移動側部材の後端部に、引き込み力受動部材7を固定側部材の後端部に設けているが、図1において引き込み力付加部材5と引き込み力受動部材7の配置を上下逆にして使用する事も可能であり、又、引き込み力付加部材5を固定側部材の前端部に、引き込み力受動部材7を移動側部材の前端部に設ける事も可能であり、使用する物品に応じて種々の使い方が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明を具備したスライドレールの斜視図
【図2】図1のA−A線拡大断面図
【図3】本発明の要部分解斜視図
【図4】引き込み力付加部材が引き込み力受動部材に接近した状態の本発明の正面図
【図5】引き込み力付加部材が引き込み力受動部材に接触し、引き込みが開始した状態の本発明の正面図
【図6】引き込み力付加部材が引き込み力受動部材に引き込まれた状態の本発明の正面図
【図7】図4に対応する側面図
【図8】図6に対応する側面図
【図9】本発明の他の実施例を示す斜視図
【符号の説明】
【0043】
1 固定側メンバー
11、11 上下折曲縁
100 スライドレール
2 移動側メンバー
3 中間メンバー
5 引き込み力付加部材
50 引き込み装置
53 巻きバネ
54 圧接機構
7 引き込み力受動部材
72 案内傾斜面
73 保持凹部
8 弾性圧接腕
87 回転ローラー
【出願人】 【識別番号】390002255
【氏名又は名称】日本アキュライド株式会社
【出願日】 平成18年1月26日(2006.1.26)
【代理人】
【公開番号】 特開2007−195754(P2007−195754A)
【公開日】 平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願番号】 特願2006−18235(P2006−18235)