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【発明の名称】 引出し付きのキャビネット
【発明者】 【氏名】出嶋 聡

【氏名】水越 宏

【氏名】緒方 賢一

【要約】 【課題】人が踏み板に乗ったときに引出しにかかる荷重を軽減することができるキャビネットを提供する。

【解決手段】本発明によるキャビネット(1)は、引出し(4)と、それと隣接した側板(10)と、引出し(4)に取付けられた踏み台機構(6)を有する。踏み台機構(6)は、展開位置と収納位置との間を回動可能な踏み板(18)を含む踏み板組立体(19)を有し、踏み板組立体(19)は、引出し(4)に取付けられた基端部(22a)を有する。側板(10)は、踏み板(18)にかかる荷重を基端部(22a)を介して支持する支持部(36)を有し、基端部(22a)は、支持部(36)に支持される延長部(38)を有する。延長部(38)は、踏み板(18)が展開位置にあるときに支持部(36)に支持される支持位置と、踏み板(18)が収納位置にあるときに支持部(36)から退避する退避位置との間を移動可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
引出し付きのキャビネットであって、
引出し方向に引出し可能な引出しと、
前記引出しの幅方向に前記引出しと隣接して配置された側板と、
前記引出しに取付けられた踏み台機構と、を有し、
前記踏み台機構は、前記引出しから展開される展開位置と前記引出しに収納される収納位置との間を回動可能な踏み板を含む踏み板組立体を有し、この踏み板組立体は、前記引出しに取付けられた基端部を有し、
前記側板は、前記展開位置にある前記踏み板にかかる荷重の少なくとも一部分を前記踏み板組立体の基端部を介して支持する支持部を有し、
前記踏み板組立体の基端部は、前記側板の支持部に支持される被支持部分を有し、この被支持部分は、前記踏み板が展開位置にあるときに前記側板の支持部によって支持される支持位置と、前記踏み板が収納位置にあるときに前記引出しを引出し可能に前記側板の支持部から退避する退避位置との間を移動可能であることを特徴とするキャビネット。
【請求項2】
前記踏み板組立体は、前記引出しに取付けられた基端部を含む平行四辺形型リンクを有し、
前記踏み板は、前記平行四辺形型リンクに固定され、
前記平行四辺形型リンクは、前記基端部から延び且つ前記引出しの幅方向に互いにずらして配置された第1のリンク及び第2のリンクを有し、
前記踏み板組立体の被支持部分は、前記第1のリンク及び前記第2のリンクのうちの前記側板に近い方のリンクに設けられることを特徴とする請求項1に記載のキャビネット。
【請求項3】
前記側板の支持部は、前記踏み板組立体の被支持部分が前記支持位置にあるときに前記被支持部分が引出し方向に移動することを阻止する阻止部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のキャビネット。
【請求項4】
前記踏み板組立体の被支持部分は、前記幅方向に延びる軸の周りに回動可能であり、前記被支持部分が支持位置にあるときに前記側板の支持部に当接する平らな当接面と、この当接面と連続し且つ前記被支持部分が支持位置と退避位置との間を移動するときに前記側板の支持部に対して摺動する湾曲面と、を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のキャビネット。
【請求項5】
前記踏み板組立体の被支持部分は、それが前記支持位置にあるときに前記側板の支持部に当接する平らな当接面を有し、且つ、前記幅方向に延びる軸の周りに回動し、
前記当接面は、前記軸を通り且つ前記当接面に対して垂直に延びる軸線の引出し方向両側に延び、
前記引出しは、前記側板に対して上方に移動可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のキャビネット。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、キャビネットに関し、更に詳細には、引出し付きのキャビネットに関する。
【背景技術】
【0002】
キャビネットは、例えば、台所キャビネット、洗面所キャビネット、書棚キャビネットとして使用され、典型的には、物を収容するための引出しを有している。例えば、引出しを有する台所キャビネット又は洗面台キャビネットにおいて、その上方に設置された棚に収容されたものを取出したり、背の低い子供が台所キャビネット又は洗面台キャビネットを使用するのを補助したりするために、引出しに踏み台機構を備えたキャビネットが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図10は、踏み台機構を備えた従来の台所キャビネットの一例の概略図である。台所キャビネット100は、レール102に沿って引出し方向に引出し可能な引出し104と、引出しに取付けられた踏み台機構106とを有し、踏み台機構106は、引出し104から水平方向に展開された展開位置108aと引出し104の前面パネル110に収納される収納位置(図示せず)との間を回動可能な踏み板108と、展開位置108aにある踏み板108の先端部110を台所キャビネット100の設置面に対して支持する脚112とを有している。
【0004】
この台所キャビネット100では、踏み板108が展開位置108aにあるとき、踏み板108の上に人が乗ることによって、台所キャビネット100の上方に設置された棚に収容されたものを取出したり、背の低い子供が台所キャビネット100を使用するのを補助したりすることができる。
【0005】
【特許文献1】特開2004−97285号公報(図3及び図5等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した台所キャビネット100では、展開位置108aにある踏み板108の上に人が乗ったときの荷重が、踏み板108に取付けられた脚112と引出し104とにかかる。引出し104の方にかかる荷重は、モーメントとして働き、引出し104の引出し易さに悪影響を及ぼすことがある。特に、引出し104に取付けられているレール102は、一般的には、引出し104に収容されるものを支持するのに十分な耐荷重しか有しておらず、例えば、大人が踏み板108の上に乗ったときの重量を支持するのに十分な耐荷重を有していない。また、レール102は、子供が踏み板108の上に飛び乗ったときに受ける衝撃荷重に耐え得る耐荷重も有していない。その結果、レール102の変形等により、引出し104の引出し具合が悪くなったり、レール102が破損したりすることがある。
【0007】
そこで、本発明は、人が踏み板に乗ったときに引出しにかかる荷重を軽減することができるキャビネットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明によるキャビネットは、引出し付きのキャビネットであって、引出し方向に引出し可能な引出しと、引出しの幅方向に引出しと隣接して配置された側板と、引出しに取付けられた踏み台機構と、を有し、踏み台機構は、引出しから展開される展開位置と引出しに収納される収納位置との間を回動可能な踏み板を含む踏み板組立体を有し、この踏み板組立体は、引出しに取付けられた基端部を有し、側板は、展開位置にある踏み板にかかる荷重の少なくとも一部分を踏み板組立体の基端部を介して支持する支持部を有し、踏み板組立体の基端部は、側板の支持部に支持される被支持部分を有し、この被支持部分は、踏み板が展開位置にあるときに側板の支持部によって支持される支持位置と、踏み板が収納位置にあるときに引出しを引出し可能に側板の支持部から退避する退避位置との間を移動可能であることを特徴としている。
【0009】
このように構成されたキャビネットによれば、踏み板が展開位置にあるとき、踏み板組立体の基端部の被支持部分は、側板の支持部によって支持される支持位置にあるので、人が踏み板組立体の上に乗ったときの荷重の少なくとも一部分が、踏み板組立体の被支持部分を介して側板の支持部にかかる。それにより、引出しにかかる荷重の少なくとも一部分が軽減され、最も好ましくは、荷重が引出しにかからなくなる。また、踏み板が収納位置にあるとき、踏み板組立体の被支持部分は、側板の支持部から退避した退避位置にあり、キャビネットの引出しを引出すことができる。
【0010】
上記本発明のキャビネットにおいて、好ましくは、踏み板組立体は、引出しに取付けられた基端部を含む平行四辺形型リンクを有し、踏み板は、平行四辺形型リンクに固定され、平行四辺形型リンクは、基端部から延び且つ引出しの幅方向に互いにずらして配置された第1のリンク及び第2のリンクを有し、踏み板組立体の被支持部分は、第1のリンク及び第2のリンクのうちの側板に近い方のリンクに設けられる。
【0011】
このように構成されたキャビネットでは、踏み板は、平行四辺形型リンクによって展開位置と収納位置との間を回動する。第1のリンク及び第2のリンクを、引出しの幅方向にずらして配置することにより、収納位置における第1のリンク及び第2のリンクの引出し方向スペースを小さくすることができる。この場合、踏み板組立体の被支持部分を第1のリンク及び第2のリンクのうちの側板に近いほうのリンクに設けているので、被支持部分が側板から遠い方のリンクに設けられるときと比較して、側板にモーメント荷重が加わらない。その結果、踏み板組立体の被支持部分及び側板の支持部は、踏み板の上に乗った人の荷重を効果的に支持することができる。
【0012】
また、上記本発明のキャビネットにおいて、好ましくは、側板の支持部は、踏み板組立体の被支持部分が支持位置にあるときに被支持部分が引出し方向に移動することを阻止する阻止部を有する。
【0013】
このように構成されたキャビネットでは、踏み板が展開位置にあるときに引出しを引出そうとすると、踏み板組立体の被支持部分が引出しと共に引出し方向に移動するけれども、その移動は、側板の阻止部によって阻止されるので、引出しを引出すことができない。それにより、踏み板が展開位置にあるとき、踏み板組立体の被支持部分が側板の支持部分に支持される状態が維持され、人が踏み板に乗ったときに引出しにかかる荷重の少なくとも一部分を確実に軽減することができる。
【0014】
また、上記本発明のキャビネットにおいて、好ましくは、踏み板組立体の被支持部分は、幅方向に延びる軸の周りに回動可能であり、被支持部分が支持位置にあるときに側板の支持部に当接する平らな当接面と、当接面と連続し且つ被支持部分が支持位置と退避位置との間を移動するときに側板の支持部に対して摺動する湾曲面と、を有する。
【0015】
このように構成されたキャビネットでは、踏み板組立体の被支持部分が軸の周りに回動して支持位置と退避位置との間を移動するとき、当接面に連続した湾曲面と支持部とが摺動することにより、踏み板組立体の被支持部分から側板の支持部に加わる力が連続的に変化し、支持位置と退避位置との間の被支持部分の移動をスムーズにすることができる。
【0016】
また、上記本発明のキャビネットにおいて、好ましくは、踏み板組立体の被支持部分は、それが支持位置にあるときに側板の支持部に当接する平らな当接面を有し、且つ、幅方向に延びる軸の周りに回動可能であり、当接面は、軸を通り且つ当接面に対して垂直に延びる軸線の引出し方向両側に延び、引出しは、側板に対して上方に移動可能である。
【0017】
このように構成されたキャビネットでは、支持位置にある踏み板組立体の被支持部分の当接面は、側板の支持部に当接する。一般的には、当接面が、被支持部分の回動軸を通り且つ当接面と垂直である軸線の引出し方向両側に延びている場合、被支持部分が回動するときに当接面が部分的に支持部に押付けられる。しかしながら、引出しが側板に対して上方に移動することができるので、当接面が支持部に対して持上げられ、被支持部分は、退避位置まで回動することができる。被支持部分の当接面が軸線の引出し方向両側に延びているので、被支持部分が軸線の引出し方向片側にしか延びていない場合と比較して、踏み板組立体に乗った人の荷重を効果的に支持することができる。
【発明の効果】
【0018】
上述したように、本発明によるキャビネットは、人が踏み板に乗ったときに引出しにかかる荷重の少なくとも一部分を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明によるキャビネットの実施形態を詳細に説明する。
最初に、図1〜図5を参照して、本発明の第1の実施形態を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態であるキャビネットの斜視図である。図2は、踏み板組立体が展開位置にあるときのキャビネットの側面断面図である。図3は、図2の線3−3における部分的な平面図である。図4は、踏み板組立体が中間位置にあるときのキャビネットの側面断面図である。図5は、踏み板組立体が収納位置にあるときのキャビネットの側面断面図である。
【0020】
図1に示すように、キャビネット1は、引出し付きのキャビネットであり、設置面Gに置かれた枠構造体2と、枠構造体2に対して引出し方向Aに引出し可能に且つ上下3段に設けられた引出し3、4、5と、中段の引出し4に取付けられた踏み台機構6とを有している。後述するように、図1に示す踏み台機構6は、展開されている。なお、以下の説明において、キャビネット1に向かって引出し方向Aの手前側及び奥側をそれぞれ、前側及び後側と称する。また、引出し3、4、5及び踏み台機構6は、キャビネット1の幅方向Bの中心に位置する平面(図示せず)に対して左右対称に構成されており、上記平面に向かう方向を内方と称し、上記平面から離れる方向を外方と称する。
【0021】
枠構造体2は、底板8と、底板8に固定され且つ引出し3、4、5の幅方向両側に引出し3、4、5と隣接して配置された側板10と、側板10の上に取付けられたカウンタープレート12とを有している。キャビネット1が、キッチンキャビネット又は洗面キャビネットの場合、上段の引出し3を設けないで、カウンタープレート12にシンク(図示せず)が設けられてもよい。
【0022】
図2に示すように、上段の引出し3及び下段の引出し5はそれぞれ、収納部3a、5aと、前面パネル3b、5bとを有しており、側板10との間に設けられたレール14a、14cに沿って引出し方向Aに摺動可能である。上段の引出し3の前面パネル3bは、1枚の板材で形成されている。下段の引出し5の前面パネル5bは、引出し3、5を閉めたときに上段の引出し3の前面パネル3bと整列する上板5cと、上板5cよりも後方に配置され且つそれよりも下方に延びる下板5dと、上板5cと下板5dとを連結する連結部材5eとを有している。
【0023】
中段の引出し4は、収納部4aと、前面部材4bとを有しており、側板10との間に設けられたレール14bに沿って引出し方向Aに摺動可能である。前面部材4bは、踏み台機構6を収納するために前方に開口した凹部4cを有している。また、引出し4は、側板10に対して上方に移動可能であり、即ち、レール14bに対して僅かに持上げることが可能である。
【0024】
踏み台機構6は、引出し4から展開される展開位置18a(図1及び図2参照)と引出し4の前面部材4bの凹部4cに収納される収納位置18b(図5参照)との間を回動可能な踏み板18を含む踏み板組立体19と、踏み板18が展開位置18aにあるときに、踏み板組立体19を設置面Gに対して支持する脚部材20とを有している。脚部材20は、板材で構成され、踏み板18が収納位置18bにあるときに上段の引出し3の前面パネル3b及び下段の引出し5の前面パネル5bの上板5cと面一になるように構成され(図5参照)、且つ、踏み板18が展開位置18aにあるときに設置面Gに当接するように構成されている。
【0025】
詳細には、図2〜図5に示すように、踏み板組立体19は、引出し4の幅方向両側において前面部材4bに取付けられた一対の平行四辺形型リンク22を有し、この一対の平行四辺形型リンク22の上に踏み板18が固定されている。平行四辺形型リンク22は、引出し4の前面部材4bの下部に且つ凹部4c内に取付けられた基端部22aと、脚部材20に取付けられた先端部22bとを有している。踏み板18は、展開位置18aにおいて、水平方向に延び(図2参照)、収納位置18bにおいて、上下方向に延びている(図5参照)。一対の平行四辺形型リンク22の構造は、左右対称であるので、以下、引出しに向かって右側の平行四辺形型リンク22の説明だけを行い、左側の平行四辺形型リンク22の説明を省略する。
【0026】
平行四辺形型リンク22は、引出し4の前面部材4bに取付けられた基端ブラケット26と、脚部材20に取付けられた先端ブラケット28と、基端ブラケット26から先端ブラケット28まで互いに平行に延びる第1のリンク30及び第2のリンク32とを有している。第1のリンク30及び第2のリンク32はそれぞれ、軸30a及び軸32aを介して基端ブラケット26に回動可能に取付けられ、且つ、軸30b及び軸32bを介して先端ブラケット28に回動可能に取付けられている。また、図3に示すように、第1のリンク30及び第2のリンク32は、基端ブラケット26及び先端ブラケット28よりも幅方向内方において、幅方向Bに互いにずらして配置されている。4つの軸30a、30b、32a、32bは、好ましくは、踏み板18が収納位置18bにあるときに第1のリンク30と第2のリンク32とが幅方向Bに重なるように配置される。また、4つの軸30a、30b、32a、32bは、踏み板18が展開位置18aにあるときに、第1のリンク30が第2のリンク32よりも側板10から遠くに位置し且つ第2のリンク32よりも上方に取付けられるように配置されている。
【0027】
第2のリンク32は、断面が上下方向に細長い板の形態をなしている。第1のリンク30は、断面がアングル形であり、第2のリンクと平行な垂直部分30cと、その上端から水平方向内方に延びる水平部分30dとを有している。踏み板18は、引出し4の幅方向両側の第1のリンク30の水平部分30dにまたがって延び且つそれにねじ留めされている。
【0028】
また、側板10は、踏み板18が展開位置18aにあるときに踏み板組立体19の基端部22aを支持する支持部36を有しており、それに対応して、平行四辺形型リンク22の基端部22aは、側板10の支持部36に支持される被支持部分38を有している。
【0029】
詳細には、側板10の支持部36は、平行四辺形型リンク22の下方において、側板10から幅方向内方に突出し、被支持部分38を支持する平らな上面36aを有している。また、第1のリンク30よりも側板10に近い第2のリンク32は、踏み板18が展開位置18aにあるときに軸32aから下方に延びる被支持部分、即ち、延長部38を有している。このとき、延長部38は、支持部36の上面36aによって支持される支持位置38a(図2参照)にある。延長部38は、踏み板18の回動とともに軸32aを中心に回動可能である。かくして、踏み板18が収納位置18bにあるとき、延長部38は、軸32aから前方に延び且つ側板10の支持部36から上方に離れ、引出し4を引出し可能に支持部36から退避する退避位置38b(図5参照)にある。
【0030】
第2のリンク32の延長部38は、それが支持位置38aにあるときに側板10の支持部36に当接し且つ実質的に水平方向に延びる平らな当接面38cを有し、好ましくは、当接面38cから連続して後方に且つ上方に湾曲して延びる湾曲面38dを有している。この湾曲面38dは、延長部38が支持位置38aと退避位置38bとの間を移動するときに側板10の支持部36に対して摺動可能である(図4参照)。また、当接面38cは、軸32aを通り且つ当接面38cに対して垂直に延びる軸線40の引出し方向両側に延びることが好ましい。また、延長部38が支持位置38aにあるとき、引出し4はレール14bから持上げられることが好ましい。
【0031】
また、側板10の支持部36は、支持面36aの引出し方向4a手前側において支持面36aから上方に延びる突出部36bとを有している。この突出部36bは、第2のリンク32の延長部38が支持位置38aにあるときに延長部38、即ち、引出し4が引出し方向手前側に移動することを阻止する阻止部として機能する。
【0032】
次に、本発明の第1の実施形態であるキャビネットの動作を説明する。
図2に示すように、踏み板18の展開位置18aにおいて、踏み板組立体19は、基端部22aから水平方向に延びている。また、脚部材20は、踏み板組立体19の先端部22bから下方向に設置面Gまで延びている。第2のリンク32の延長部38は、支持位置38aにあり、その当接面38cは、側板10の支持部36の支持面36aよって支持されている。
【0033】
従って、人が踏み板18の上に乗ったとき、荷重は、踏み板組立体19の基端部22a及び先端部22bにかかる。先端部22bにかかる荷重は、脚部材20を介して設置面Gによって支持される。基端部22aにかかる荷重の少なくとも一部分は、第2リンク32の延長部38、側板10の支持部36及び底板8を介して設置面Gに支持される。従って、基端部22aから引出し4及びレール14bにかかる荷重は軽減され、好ましくは、引出し4及びレール14bに荷重はかからない。
【0034】
また、延長部38の当接面38cが軸線40に対して引出し方向両側に延びているので、延長部38の回動の際の延長部38と側板10の支持部36との接触を回避するために延長部38の当接面38cが軸線40に対して引出し方向片側にだけ延びている場合と比べて、支持面積を大きくすることができ、それにより、人が踏み板18の上に乗ったときの荷重を効果的に支持することができる。
【0035】
また、踏み板18が展開位置18aにある状態で、引出し4を引出し方向Aの手前側に引出すと、踏み板組立体19の延長部38が側板10の支持部36の突出部36bに当たり、それ以上、引出し4を引出すことを阻止することができる。
【0036】
次に、図4に示すように、踏み板18を展開位置18aと収納位置18bとの間の中間位置18cに回動させる。踏み板18の回動に連動して、脚部材20は、上下方向の姿勢を保ちながら上方に且つ引出し4に近づくように移動する。踏み板18が中間位置18cにあるとき、延長部38の当接面38cが軸線40の引出し方向4a両側に延びているので、踏み板組立体19が側板10の支持部36に対して上方に持上げられると共に、引出し4がレール14bに対して上方に持上げられる。その際、延長部38は、当接面38cの後方の湾曲面38dにより、スムーズな回動を続けることができる。
【0037】
次に、図5に示すように、踏み板18を収納位置18bまで回動させる。踏み板組立体19は、基端部22aから上方向に延び、先端部22bは、引出し4の前面部材4bの上部に隣接している。また、脚部材20は、上段の引出し3の前面パネル3b及び下段の引出し5の前面パネル5bの上板5eと面一になる。第2リンク32の延長部38は、退避位置38bにあり、基端部22aからほぼ水平方向に延び、側板10の支持部36の突出部36bよりも上の位置にある。従って、引出し4を引出すとき、延長部38と側板10の支持部36とは干渉しない。
【0038】
次に、図6及び図7を参照して、本発明によるキャビネットの第2の実施形態を説明する。図6は、本発明の第2の実施形態のキャビネットの部分的な側面図である。図7は、図6のキャビネットの部分的な平面図である。
【0039】
図6及び図7に示すように、第2の実施形態のキャビネット50は、平行四辺形型リンク22の構成が異なること以外、第1の実施形態のキャビネットと同様の構成を有しているので、相違する部分だけを説明し、共通する部分の説明を省略する。
【0040】
平行四辺形型リンク22は、第1の実施形態のキャビネットと同様、引出し4の前面部材4bに取付けられた基端ブラケット26と、脚部材20に取付けられた先端ブラケット28と、基端ブラケット26から先端ブラケット28まで互いに平行に延びる第1のリンク30及び第2のリンク32とを有している。しかしながら、図7に示すように、第1のリンク30及び第2のリンク32は、基端ブラケット26及び先端ブラケット28よりも幅方向B外方において、幅方向Bに互いにずらして配置されている。また、4つの軸30a、30b、32a、32bは、踏み板18が展開位置18aにあるときに、第1のリンク30が第2のリンク32よりも側板10から近くに位置し且つ第2のリンク32よりも上方に取付けられるように配置されている。
【0041】
第2のリンク32よりも側板10に近い第1のリンク30は、踏み板18が展開位置18aにあるときに軸30aから第2のリンク32を越えて下方に延びる被支持部分、即ち、延長部54を有しており、延長部54は、支持部36の上面36aによって支持される支持位置(図6参照)にある。延長部54は、踏み板18の回動とともに軸30aを中心に回動可能である。かくして、踏み板18が収納位置18bにあるとき、延長部54は、軸30aから前方に延び且つ側板10の支持部36から上方に離れ、引出し4を引出し可能に支持部36から退避する退避位置(図示せず)にある。
【0042】
第1のリンク30の延長部54は、それが支持位置(図6参照)にあるときに側板10の支持部36に当接し且つ実質的に水平方向に延びる平らな当接面54cを有し、好ましくは、当接面54cから後方に且つ上方に湾曲して延びる湾曲面54dを有している。この湾曲面54dは、延長部54が支持位置(図6参照)と退避位置(図示せず)との間を移動するときに側板10の支持部36に対して摺動可能である。また、当接面54cは、軸30aを通り且つ当接面54cに対して垂直に延びる軸線56に対して引出し方向両側に延びることが好ましい。また、延長部54が支持位置(図6参照)にあるとき、引出し4はレール14bから持上げられることが好ましい。
【0043】
本発明の第2の実施形態であるキャビネット50の動作は、第1の実施形態のキャビネット1の第2のリンク32の延長部38の動作を第2の実施形態のキャビネット50の第1のリンク30の延長部54の動作に置き換えること以外、第1の実施形態であるキャビネット1の動作と同様である。
【0044】
次に、図8及び図9を参照して、本発明によるキャビネットの第3の実施形態を説明する。図8は、本発明の第3の実施形態のキャビネットの部分的な側面図である。図9は、図8のキャビネットの部分的な平面図である。
【0045】
図8及び図9に示すように、第3の実施形態のキャビネット60は、平行四辺形型リンク22の構成及び支持部36が異なること以外、第1の実施形態のキャビネット1と同様の構成を有しているので、相違する部分だけを説明し、共通する部分の説明を省略する。
【0046】
平行四辺形型リンク22は、第1の実施形態のキャビネット1と同様、引出し4の前面部材4bに取付けられた基端ブラケット26と、脚部材20に取付けられた先端ブラケット28と、基端ブラケット26から先端ブラケット28まで互いに平行に延びる第1のリンク30及び第2のリンク32とを有している。しかしながら、図9に示すように、第1のリンク30及び第2のリンク32は、基端ブラケット26及び先端ブラケット28よりも幅方向B外方において、幅方向Bに互いにずらして配置されている。また、4つの軸30a、30b、32a、32bは、踏み板18が展開位置18aにあるときに、第1のリンク30が第2のリンク32よりも側板10から近くに位置し且つ第2のリンク32よりも上方に取付けられるように配置されている。
【0047】
側板10は、踏み板18が展開位置18aにあるときに踏み板組立体19を支持する支持部62を有しており、それに対応して、平行四辺形型リンク22の基端部22aは、側板10の支持部62に支持される被支持部分64を有している。
【0048】
詳細には、側板10の支持部62は、平行四辺形型リンク22の上方において、側板10から幅方向内方に突出し、被支持部分64を支持する平らな上面62aを有している。また、第2のリンク32よりも側板10に近い第1のリンク30は、踏み板18が展開位置18aにあるときに軸30aから延びる被支持部分、即ち、延長部64を有している。延長部64は、第1のリンク30の垂直部分30cから外方に延びる第1の部分64aと、支持部62の後方において第1の部分64aから上方に延びる第2の部分64bと、第2の部分64bから前方に延びる第3の部分64cとを有している。第3の部分64cは、延長部64が支持部62の上面62aによって支持される支持位置(図8参照)にあるときに支持部62の上面62aに上方から引っ掛かるように当接し且つ実質的に水平方向に延びる平らな当接面64dを有している。延長部64は、踏み板18の回動とともに軸30aを中心に回動可能である。かくして、踏み板18が収納位置18bにあるとき、延長部64は、軸30aから後方に延び且つ側板10の支持部62から下方に離れ、引出し4を引出し可能に支持部62から退避する退避位置(図示せず)にある。
【0049】
また、延長部64の第2の部分64bは、第1のリンク30の延長部64が支持位置(図8参照)にあるときに延長部64、即ち、引出し4が引出し方向手前側に移動することを阻止する阻止部として機能する。
【0050】
次に、本発明の第3の実施形態であるキャビネット60の動作を説明する。なお、第1の実施形態であるキャビネット1の動作と同じ動作の説明は省略する。
【0051】
図8に示すように、踏み板18が展開位置18aにあるとき、第1のリンク30の延長部64は、支持位置にあり、その当接面64dは、側板10の支持部62の支持面62aよって支持されている。このとき、延長部64の当接面64dは、軸30aよりも前方に位置している。また、踏み板18が展開位置18aにある状態で、引出し4を引出し方向Aの手前側に引出すと、踏み板組立体19の延長部64の第2の部分64bが側板10の支持部62に当たり、それ以上、引出し4を引出すことを阻止することができる。
【0052】
次に、踏み板18を収納位置18bまで回動させる。第1のリンク30の延長部64は、退避位置にあり、基端部22aからほぼ水平方向後方に延び、側板10の支持部62よりも下に位置する。従って、引出し4を引出すとき、延長部64と側板10の支持部62とは干渉しない。
【0053】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
上述したキャビネット1、50、60は、引出しがあれば、台所キャビネットであってもよいし、洗面台キャビネットであってもよいし、書棚キャビネットであってもよいし、その他のキャビネットであってもよい。
また、上述したキャビネット1、50、60において、側板10は幅方向外側に露出していてもよい。また、引出し3、4、5は、3段に限らず、その他の段数であってもよい。また、踏み台機構6が設けられる引出しは、中段でなくてもよい。
また、脚部材20は、踏み板18が展開位置18aにあるときの踏み板組立体19を支持することができれば、その形状は板状に限らず、棒状等であってもよい。また、上述した実施形態では、脚部材20の移動は、踏み板組立体19の回動と連動していたが、踏み板組立体19の回動と連動していなくてもよい。例えば、踏み板18を展開した後、手動で、脚部材20を、踏み板組立体19を支持する位置に移動させてもよい。この場合、平行四辺形型リンク22の代わりに、単一のリンクを設けてもよい。また、脚部材20は、先端部22bと基端部22aの間の任意の位置に設けられてもよい。
また、上記実施形態では、踏み板組立体19の基端部22aは、中段の引出し4の前面部材4bの下部に取付けられていたが、前面部材4bの上部に取付けられてもよい。その場合、踏み板18が収納位置18bにあるとき、踏み板組立体19は基端部22aから下方に延び、それに応じて、その他の構成要素を変更する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の第1の実施形態であるキャビネットの斜視図である。
【図2】踏み板組立体が展開位置にあるときのキャビネットの側面断面図である。
【図3】図2の線3−3における部分的な平面図である。
【図4】踏み板組立体が中間位置にあるときのキャビネットの側面断面図である。
【図5】踏み板組立体が収納位置にあるときのキャビネットの側面断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態のキャビネットの部分的な側面図である。
【図7】図6のキャビネットの部分的な平面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態のキャビネットの部分的な側面図である。
【図9】図8のキャビネットの部分的な平面図である。
【図10】従来技術のキャビネットの斜視図である。
【符号の説明】
【0055】
1、50、60 キャビネット
4 引出し
6 踏み台機構
10 側板
18 踏み板
18a 展開位置
18b 収納位置
19 踏み板組立体
22 平行四辺形型リンク
22a 基端部
30 第1のリンク
32 第2のリンク
30a 軸
32a 軸
36、62 支持部
36b 突出部(阻止部)
38、54、64 延長部(被支持部分)
38a 支持位置
38b 退避位置
38c、54c、64d 当接面
38d、54d 湾曲面
40、56 軸線
64b 第2の部分(阻止部)
A 引出し方向
B 幅方向
【出願人】 【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
【出願日】 平成18年1月25日(2006.1.25)
【代理人】 【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男

【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭

【識別番号】100065189
【弁理士】
【氏名又は名称】宍戸 嘉一

【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健

【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里

【識別番号】100123607
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 徹


【公開番号】 特開2007−195681(P2007−195681A)
【公開日】 平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願番号】 特願2006−16496(P2006−16496)