| 【発明の名称】 |
調理台の天板 |
| 【発明者】 |
【氏名】黒田 淳生
【氏名】高田 逸男
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| 【要約】 |
【課題】調理台の天板に設けられた開口の縁部に生じる亀裂を防止できるとともに、部品点数および加工手順を少なくできる調理台の天板を提供する。
【解決手段】調理台10の天板11には、ガスコンロや電磁調理器等の調理機器93が収容される調理機器用開口14と、シンク95が取り付けられるシンク開口16とが厚み方向に貫通するように設けられている。調理機器用開口14の縁部には、耐熱部15が本体13に対して一体成形されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 樹脂により略板状に形成された本体を備える調理台の天板であって、 前記本体を厚み方向に貫通するように開口が設けられているとともに、 前記開口の縁部における少なくとも一部に耐熱部が一体に形成されている調理台の天板。 【請求項2】 前記耐熱部が、前記縁部における全周にわたって形成されている請求項1の調理台の天板。 【請求項3】 前記耐熱部が、樹脂および無機充填材を混合することにより形成されている請求項1の調理台の天板。 【請求項4】 前記耐熱部が、樹脂に不織布を埋設させることにより形成されている請求項1の調理台の天板。 【請求項5】 前記縁部に調理機器の鍔部が載置されるように前記開口内に前記調理機器が収容可能であるとともに、前記耐熱部が前記鍔部と接触する位置に設けられている請求項1の調理台の天板。 【請求項6】 前記耐熱部が、前記本体の表面側に向けて形成されている請求項1の調理台の天板。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は調理台の天板に係り、例えば調理機器を収納可能な開口を有する調理台の天板に関する。 【背景技術】 【0002】 図9に示すように、一般家庭の台所等に設置される調理台90は、天板91と、天板91を支持する支持台92とを有している。 天板91は、ガスコンロや電磁調理器等の調理機器93が収容される調理機器用開口94と、シンク95が取り付けられるシンク開口96とが厚み方向に貫通するように設けられている。 【0003】 図10に示すように、調理機器93は、コンロ部97の上部に鍔部97Aが設けられているとともに、鍔部97Aを覆うようにトッププレート98が設けられている。 そして、調理機器93は、鍔部97Aが調理機器用開口94の縁部に係合することによりコンロ部97が調理機器用開口94内に収容された状態で設置される。 【0004】 ところで、近年、調理台90の天板91としては、良好な意匠性,容易な加工性等が高く評価された人造大理石と呼ばれる樹脂製の天板が多用されている。 このような天板91は、調理機器用開口94やシンク開口96に対応した入れ子を収容した金型内に溶融した樹脂を射出する射出成形により形成されるが、固化後に生じる樹脂の収縮やバリ等により調理機器用開口94やシンク開口96が正規寸法とはなっていないため、後加工により調理機器用開口94やシンク開口96が正規寸法に修正加工される。 【0005】 ところで、樹脂製の天板91は、調理中に調理機器93から発生した熱が鍔部97Aを介して伝播するため、調理機器用開口94の縁部が熱膨張し、調理後に冷却されると初期寸法に熱収縮する。 このように、樹脂製の天板91は、調理機器93の使用に伴って調理機器用開口94の縁部が反復して熱膨張および熱収縮するため、調理機器用開口94の縁部に亀裂99が生じる虞れがある(図9参照)。 【0006】 このような問題に対して、本願出願人は、開口部の周縁に別部材の耐熱性のスペーサ部材を配設した調理機器取付け穴用のカウンター開口構造を提案した(特許文献1)。 特許文献1によれば、スペーサ部材により調理機器の熱が開口の周縁に伝播せず、これにより亀裂の発生を防止できるという優れた効果が得られる。 【特許文献1】特開2002−291548号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 ところで、前述した特許文献1では、開口周縁における亀裂の発生を防止できるという優れた効果が得られるものの、別部材のスペーサ部材をねじにより固定する必要があるため、部品点数および加工手順が増えるという不都合がある。 特に、前述した特許文献1では、開口に修正加工を施した後にスペーサ部材をねじ固定するため、加工作業が煩雑になるという問題がある。 【0008】 以上のような問題は、調理機器を収容する調理機器開口にのみ生ずるものではなく、例えば熱湯および冷水の飛沫が反復して付着するシンク開口96や、天板あるいは天板に連続するバックガードに蛇口を取り付けるための蛇口開口等、加熱および冷却が反復して加えられる開口全般に生じる。 【0009】 本発明は、前述した問題を解決するためになされたものであり、その目的は、調理台の天板に設けられた開口の縁部に生じる亀裂を防止できるとともに、部品点数および加工手順を少なくできる調理台の天板を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0010】 前述した目的を達成するために、本発明の調理台の天板は、樹脂により略板状に形成された本体を備える調理台の天板であって、前記本体を厚み方向に貫通するように開口が設けられているとともに、前記開口の縁部における少なくとも一部に耐熱部が一体に形成されている。 【0011】 ここで、耐熱部としては、調理機器等の熱が伝播し難くいとともに本体に対して熱を伝播させ難い断熱機能と、縁部を補強することにより調理機器から伝播する熱による縁部の膨張あるいは収縮を抑制する補強機能とのうちの一方あるいは双方を備えていればよい。 そして、このような耐熱部は、本体に比較して高い断熱機能あるいは補強機能を備えていればよい。 従って、耐熱部としては、例えば本体を構成する樹脂に比較して良好な断熱機能や補強機能を有する別の樹脂を採用する構造や、無機充填材を含む樹脂を用いて縁部に相当する個所を二色成形により形成する構造、あるいは縁部に相当する個所に不織布を埋設する構造等を例示できる。 【0012】 このような耐熱部は、開口の縁部における全周にわたって一体に形成されていてもよく、あるいは縁部における任意個所において一体に形成されていてもよい。耐熱部を縁部の任意個所に形成する場合は、例えば調理機器の鍔部等を安定的に支持するために、開口の縁部における3以上の複数箇所に形成しておくことが望ましい。 なお、樹脂および無機充填材を混合することにより耐熱部を形成するにあたっては、開口の縁部における無機充填材の混合率を均一としてもよく、あるいは開口の縁部から本体に向かって無機充填材の混合率を段階的に減少させてもよい。 【0013】 このような本発明においては、開口の縁部の少なくとも一部に耐熱部が一体に形成されているため、例えば調理機器から生じた熱は耐熱部により断熱されて本体に伝播しないか、あるいは耐熱部に熱が伝播しても断熱機能により熱を本体に伝播させないか、または耐熱部に熱が伝播しても補強機能により膨張あるいは収縮を抑制し、これらにより亀裂を防止できることになる。 その上で本発明においては、開口の縁部の少なくとも一部に耐熱部が一体に形成されているため、従来のように別部材を開口に固定する必要がなく、これにより従来に比較して部品点数および加工手順を少なくできることになる。 【0014】 また、本発明の調理台の天板は、前記耐熱部が、前記縁部における全周にわたって形成されている。 このような本発明においては、耐熱部が縁部の全周にわたって形成されているため、成形後の収縮による開口の寸法狂いが生じず、従来のような修正加工が必要ないことになる。 また、この本発明においては、例えば調理機器から生じた熱が縁部における特定個所に集中しないため、開口の縁部に歪み等が生じ難く、天板の平坦性あるいは初期形状を損なう虞れが少ないことになる。 【0015】 さらに、本発明の調理台の天板は、前記耐熱部が、樹脂および無機充填材を混合することにより形成されている。 このような本発明においては、無機充填材の材質,粒度,含有率等を適宜選択することにより、所望の断熱機能あるいは補強機能を容易に得られることになる。 【0016】 そして、本発明の調理台の天板は、前記耐熱部が、樹脂に不織布を埋設させることにより形成されている。 このような本発明においては、天板を例えば射出成形法により製造するにあたって、あらかじめ射出成形用の金型内における所定位置に不織布を配置しておき、金型内に樹脂を射出するインサート成形により天板を製造すれば、耐熱部を有する天板が従来と略同様な工程により得られることになる。 【0017】 また、本発明の調理台の天板は、前記縁部に調理機器の鍔部が載置されるように前記開口内に前記調理機器が収容可能であるとともに、前記耐熱部が前記鍔部と接触する位置に設けられている。 このような本発明においては、調理台において最も発熱する調理機器から伝播する熱に対して断熱機能あるいは補強機能が得られることになる。 【0018】 さらに、本発明の調理台の天板は、前記本体の表面側に向けて形成されている。 【発明の効果】 【0019】 本発明によれば、開口の縁部における少なくとも一部に耐熱部が一体に形成されているため、断熱機能あるいは補強機能により亀裂を防止できるとともに、従来のように別部材を開口に固定する必要がなく、これにより従来に比較して部品点数および加工手順を少なくできるという効果が得られる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0020】 以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。 なお、以下に説明する各実施形態において、既に図9および図10において説明した部材等については、図中に同一符号を付すことにより説明を簡略化あるいは省略する。 【0021】 (第1実施形態) 図1は本発明の第1実施形態を示す全体斜視面、図2は第1実施形態の要部を示す断面図、図3は第1実施形態の天板を製造するための第1製造方法を示す模式図、図3は第1実施形態の天板を製造するための第2製造方法を示す模式図である。 【0022】 図1に示すように、本発明の第1実施形態である調理台10は、略板状に形成された天板11と、天板11を支持する支持台12とを有し、天板11には、ガスコンロや電磁調理器等の調理機器93が収容される調理機器用開口14と、シンク95が取り付けられるシンク開口16とが厚み方向に貫通するように設けられている。 【0023】 調理機器93は、コンロ部97が調理機器用開口14内に収容されるとともに、トッププレート98の裏側の鍔部97A(図2参照)が調理機器用開口14の縁部に係合することにより設置される。 天板11は、後述する適宜な樹脂により本体13が形成され、かつ、本発明に基づいて調理機器用開口14の縁部に耐熱部15が本体13に対して一体に形成されている(図1中、破線参照)。 【0024】 図2に示すように、耐熱部15は、所定の樹脂に対して後述する無機充填材が規定比率で混合されている。耐熱部15は、本体13と同一厚み寸法を有し、調理機器用開口14の内面からトッププレート98の縁部に対応する位置まで無機充填材の混合比率が一定となるように、調理機器用開口14の縁部全周にわたって設けられている。 このような耐熱部15は、本体13に比較して良好な耐熱機能および補強機能を有している。 従って、天板11は、調理機器93から生じた熱が鍔部97Aを介して耐熱部15に伝播し難くいとともに、耐熱部15から本体13に熱が伝播し難く、かつ、熱による膨張あるいは収縮を抑制できるようになっている。 【0025】 なお、耐熱部15は、必要に応じて本体13の表面(図2中、上面)に対して同一面となる上面15Aに例えばリブ加工,梨地加工,ディンプル加工等を施しておけば、調理機器93の鍔部97Aに対する良好な載置安定性が得られるとともに、鍔部97Aからの熱の伝播が更に抑制され、かつ、鍔部97Aから伝播した熱の放熱機能も向上できる。 【0026】 以上のような天板11の本体13は、例えばエポキシ樹脂と不飽和一塩基酸の付加反応物であるビニルエステル樹脂を(メタ)アクリル系単量体を含む重合性単量体に溶解して得られたビニルエステル樹脂組成物と連鎖移動剤を混合して得られた樹脂組成物により形成されている。 【0027】 エポキシ樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族型、脂環式、単環式エポキシ樹脂、アミン型エポキシ樹脂等が使用できる。 ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂等を挙げることができる。 ノボラック型エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化ノボラック型エポキシ樹脂を挙げることができる。 脂肪族型エポキシ樹脂としては、水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、プロピレングリコールポリグリシジルエーテル等を挙げることができる。 脂環式エポキシ樹脂としては、アリサイクリックジエポキシアセタール、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビニルヘキセンジオキシド、グリシジルメタクリレートが挙げられる。 これらのエポキシ樹脂は単独でも、混合しても使用できる。 【0028】 これらのエポキシ樹脂のなかで、機械的強度、耐食性、耐熱性に優れ、樹脂着色の少ないビスフェノール型エポキシ樹脂を使用するのが望ましい。これらのエポキシ樹脂はそのまま反応に使用することが出来るが、必要に応じてビスフェノールA等のフェノール化合物、アジピン酸、セバチン酸、ダイマー酸、液状ニトリルゴム等のニ塩基酸により変性したエポキシ樹脂を使用してもよい。 【0029】 不飽和一塩基酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸等のモノカルボン酸および二塩基酸無水物と分子中に少なくとも一個の不飽和基を有するアルコールとの反応物があげられる。上記反応で使用される二塩基酸無水物の例としては無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の脂肪族または芳香族のジカルボン酸を挙げることが出来る。不飽和基を有するアルコールの例としてはヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。 不飽和一塩基酸としては、耐熱性、耐薬品性の観点から炭素数が6以下のものを使用することが望ましい。さらに、アクリル酸、メタクリル酸の使用が望ましい。 【0030】 (メタ)アクリル系単量体を含む重合性単量体としては、特に制限されるものではなく、従来ビニルエステル樹脂組成物に使用にされているスチレンモノマー等の重合性単量体も使用できる。 しかしながら、スチレンモノマー揮発による居住環境への悪影響を防止する観点から、(メタ)アクリル酸エステル等の(メタ)アクリル系単量体を使用することによりスチレンの使用量を低減することが必要である。そして、(メタ)アクリル系単量体を全重合性単量体の50重量%以上使用することが好ましく、あるいは、(メタ)アクリル系単量体とスチレン以外の芳香族ビニル化合物を全重合性単量体の50重量%以上使用することが好ましい。 【0031】 (メタ)アクリル系単量体としては、(メタ)アクリル酸エステル、アミド類が好ましい。 (メタ)アクリル酸エステルとしては(メタ)アクリル酸と分子内に少なくとも一個の水酸基を有するアルコールとの縮合反応物である。分子内に1個のアクリロイル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、テトラフロロプロピル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフロオロデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。 【0032】 分子内に2個のアクリロイル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,4ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、等が挙げられる。 【0033】 分子内に3個以上のアクリロイル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。 アミド類としては(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノ(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。 【0034】 スチレン以外の芳香族ビニル化合物としてはビニルトルエン、p-メチルスチレン、α-メチルスチレン、t-ブチルスチレン、ハロゲン化スチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。 【0035】 エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸との反応はエポキシ樹脂のエポキシ基に対する不飽和一塩基酸のカルボキシル基の当量が0.8〜1.2で反応させることが望ましく、さらに望ましくは0.9〜1.1で反応させるとよい。エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸の反応を効率的に進め、副反応を防止する目的でビニルエステル化触媒を使用する。ビニルエステル化触媒の例としては、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩、ベンジルジメチルアミン等の第3級アミン、トリフェニルフォスフィン等の含リン系化合物、リチウム、錫等の各種金属塩等従来使用されている化合物を使用することが出来る。 【0036】 反応温度は通常80℃〜150℃が好ましいが、樹脂のゲル化、着色を防止するため100℃〜130℃の範囲が特に好ましい。(メタ)アクリル酸エステルへの溶解工程は樹脂ゲル化を防止するため80℃以下で行われる。単量体の添加量はビニルエステル樹脂組成物中の単量体比率は10%〜80%が望ましく、さらに望ましくは25%〜70%の範囲が好ましい。単量体の添加量により樹脂粘度を人造大理石成形に適した範囲に調整できる。 【0037】 エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸の付加反応工程および(メタ)アクリル酸エステルの溶解工程において樹脂のゲル化を防止するためにハイドロキノン、t-ブチルカテコール、モノt-ブチルハイドロキノン等のハイドロキノン類、パラベンゾキノン、パラトルキノン等のキノン類、フェノチアジン等の含硫黄化合物、ナフテン酸銅等の有機金属塩、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール(BHT)等のヒンダードフェノール類を重合禁止剤として使用することが望ましい。 【0038】 連鎖移動剤としては、n-ドデシルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸等のメルカプタン類、α-メチルスチレンダイマー(4-メチル2-4-ジフェニルペンテン)、α-メチルスチレンが挙げられる。中でも連鎖移動剤自体が低臭気であり、連鎖移動効果が高い点でα-メチルスチレンダイマーの使用がより好ましい。連鎖移動剤の添加により重合性単量体として(メタ)アクリル酸エステル単量体を使用した場合においても十分な成形品の機械的強度、寸法安定性が確保出来る。 連鎖移動剤の添加量としてはビニルエステル樹脂、及び(メタ)アクリル系単量体を含む重合性単量体の総量に対して0.01%〜10%の範囲、さらに望ましくは0.1%〜5%の範囲がよい。0.01%未満では十分な成形品強度、寸法安定性が得られず、10%を超えて添加すると成形時の硬化が不十分となり、未反応単量体の増加により機械的強度低下、耐熱性低下が発生する。 【0039】 無機充填材を使用しない場合、非常に透明度の高い成形品を得ることが出来るが、成形品の意匠性・質感の調整、弾性率向上等を目的として、必要に応じて無機充填材を使用することが出来る。無機充填材としては水酸化アルミ、ガラス粉末、シリカ、クレー、ガラスマイクロバルーン等が使用できる。これらの無機充填材は、ビニルエステル樹脂、(メタ)アクリル系単量体を含む重合性単量体、及び連鎖移動剤の総量100重量部に対して、0.1重量部〜400重量部配合される。 【0040】 本発明の人造大理石樹脂組成物と硬化剤、必要に応じて内部離型剤、繊維強化剤、顔料、石目柄材を配合し人造大理石成形に使用できる。 【0041】 硬化剤としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、キュメンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ビス-(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシカーボネート、t-ブチルイソプロピルパーオキシカーボネート1,1-ジ-t-ブチルパーオキシ3,3,5トリメチルシクロヘキサノン、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、アミルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ヘキシルパーオキシベンゾエート等の不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂用として公知のものが使用可能で、成形温度に応じて単独または2種以上の硬化剤を組みあわせて使用される。添加剤量は通常ビニルエステル樹脂組成物100重量部に対して0.5重量部〜5重量部である。 【0042】 硬化剤とともに樹脂硬化反応の促進を目的として必要に応じて促進剤、補助促進剤を使用することが出来る。促進剤としてはコバルト、マンガン、鉄等の有機金属化合物が挙げられる。さらに促進剤の効果を促進するために補助促進剤を添加することも可能である。補助促進剤としては、時メチルアニリン、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル等が挙げられる。 【0043】 内部離型剤としては公知のものを使用できる。例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸、フッ素系有機化合物、燐酸系化合物が挙げられる。 繊維強化剤としてはしては直径8μm〜15μmで長さが25mm以下のガラス繊維が使用できるが、ビニロン、ポリエステル等の有機繊維も使用することが出来る。 顔料としては酸化チタン、カーボンブラック、弁柄、フタロシアニンブルー等が挙げられる。 【0044】 石目柄材は成形品に石目調の意匠性を付与する場合に添加される。石目柄材としては着色寒水石、着色マイカ、着色セラミック、着色ポリエチレンテレフタレート、不飽和ポリエステルまたはビニルエステル硬化物粉砕品、不飽和ポリエステル樹脂またはビニルエステル樹脂と充填材の混合物硬化物の粉砕品等が挙げられる。 【0045】 ビニルエステル樹脂組成物を使用した人造大理石成形においては公知の注型法が利用できる。注型法としてはFRP型を使用し常温付近で成形する常温注型法、電鋳型、金型を使用し、60℃〜110℃程度の成形温度で成形する中温注型法が挙げられる。 【0046】 一方、天板11の耐熱部15は、基本的に前述した本体13と同様な樹脂および無機充填材が採用されている。 無機充填材の平均粒径は0.1μm〜20.0μmであり、配合比率は樹脂に対して40重量%〜80重量%とされている。 このような耐熱部15は、本体13に比較して樹脂に対する配合比率が大きいが、調理機器93のトッププレート98に覆われるため、天板11の意匠性が低下する虞れはない。 【0047】 次に、第1実施形態における天板11の第1製造方法(二色成形)を説明する。 図3(A)に示す射出成形機20の第1上型21および下型22を閉じた後、図3(B)に示すように枠状に形成された第1キャビティ24内に無機充填材が混合された所定の樹脂を射出することにより耐熱部15を形成する。 次いで、第1上型21および下型22を開き、下型22に耐熱部15を残したまま、図3(C)に示すように第1上型に代えて第2上型22を下型23に対面配置した後、図3(D)に示すように第2上型22および下型23を閉じることにより形成された第2キャビティ25内に所定の樹脂を射出することにより本体13を形成し、図3(E)に示すように第2上型22および下型23を開くことにより本体13における調理機器用開口14の周縁の全周にわたって二色成形法により耐熱部15が一体に形成された天板11を得る。 【0048】 続いて、第1実施形態における天板11の第2製造方法を説明する。 図4(A)に示すように、射出成形機26の上型27および下型28間に、あらかじめ別途製造された本体13を介装し、図4(B)に示すように上型27および下型28を閉じることにより形成された枠状のキャビティ29内に無機充填材が混合された所定の樹脂を射出し、図4(C)に示すように上型27および下型28を開くことにより本体13における調理機器用開口14の周縁の全周にわたって耐熱部15が一体に形成された天板11を得る。 【0049】 以上のような第1実施形態の天板11によれば、調理機器用開口14の縁部に耐熱部15が一体に形成されているため、調理機器93から生じた熱が断熱機能により耐熱部15に伝播しにくく、かつ、耐熱部15から本体13に伝播しにくい。 また、耐熱部15は、無機充填材により補強機能を有しているため、熱による膨張あるいは収縮が抑制される。 従って、この第1実施形態の天板11によれば、調理機器用開口14の縁部に発生する亀裂を防止できる。 【0050】 そして、第1実施形態の天板11によれば、調理機器用開口14の縁部に耐熱部15が一体成形されているため、従来のように別部材を調理機器用開口14に固定する必要がなく、これにより従来に比較して部品点数および加工手順を少なくできる。 【0051】 また、第1実施形態の天板11によれば、耐熱部15が調理機器用開口14の全周にわたって形成されているため、成形後の収縮による調理機器用開口14の寸法狂いが生じず、従来のような修正加工が必要ない。 その上、第1実施形態の天板11によれば、調理機器93から生じた熱が調理機器用開口14の縁部における特定個所に集中しないため、調理機器用開口14の縁部に歪み等が生じ難く、天板11の平坦性を損なう虞れが少ない。 【0052】 さらに、第1実施形態の天板11によれば、耐熱部15が樹脂および無機充填材を混合することにより形成されているため、無機充填材の材質,粒度,混合率等を適宜選択することにより、所望の断熱機能や補強機能を容易に得られる。 【0053】 (第2実施形態) 図5には、本発明の第2実施形態である調理台30の天板31が示されている。 天板31は、本体33を射出成形するにあたって、あらかじめ調理機器93の鍔部97Aに対して接触する個所に不織布32を埋設するインサート成形により耐熱部35が一体に形成されている。 【0054】 不織布32は、本体33の表面(図4中、上面)に対して同一面に沿うとともに、調理機器用開口34の縁部における全周にわたってインサート成形されている。 なお、不織布32は、調理機器用開口34の内面からトッププレート98の縁部に対応する位置まで緊密にインサート成形されていてもよい。 このような耐熱部35は、インサート成形された不織布32により、調理機器93から熱が伝播しにくくする断熱機能と、調理機器93から熱が伝播しても調理機器用開口34の縁部が膨張および収縮することを抑制する補強機能とを有している。 【0055】 不織布32としては、ヤング率、剛性率、強度、弾性回復率等の力学特性が優れた繊維で形成されたシート状の不織布又は織布(ネット)を用いることができる。 不織布32の繊維としては、炭素繊維、黒鉛繊維、ガラス繊維、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリウィスカー、石綿等の無機繊維、アラミド繊維等の有機繊維、天然繊維等を挙げることができる。 また、不織布32は、上記繊維の短繊維あるいはウィスカー、フィブリッド等を用いることができる。これらの中でも力学特性、経済性等を総合的に配慮すると、不織布32としてガラス繊維の織布(ネット)を用いるのが最も好ましい。 【0056】 また、不織布32の繊維としてガラス繊維を用いる場合は、例えば、接着性を向上させる改良する目的で、シラン系カップリング剤やチタン系カップリング剤やジルコニア系カップリング剤等のカップリング剤で表面処理するのが好ましい。 なお、不織布32の厚さや使用枚数及び組み合わせ等は任意であり、複合材の要求される機械的特性や変形性を考慮して適宜選択することができる。 【0057】 以上のような第2実施形態の天板31によれば、調理機器用開口34の縁部における全周にわたって断熱機能および補強機能を有する耐熱部35が本体33に対して一体に形成されているため、前述した第1実施形態と同様に、亀裂の発生を防止できるとともに、部品点数および加工手順を少なくでき、天板11の平坦性が損なわれる虞れを少なくできる。 【0058】 その上、第2実施形態の天板31によれば、本体33を射出成形するにあたって、射出成形用の金型における所定個所に不織布32を配置して射出成形すれば、自動的に耐熱部35が形成されるため、前述した第1実施形態に比較して製造工程を大幅に簡略化できる。 【0059】 (第3実施形態) 図6には、本発明の第3実施形態である調理台40の天板41が示されている。 天板41は、基本的に前述した第1実施形態と同様に構成されているが、本体43と耐熱部45との境界面が支持台12に向かって傾斜している点が第1実施形態との相違点となっている。 【0060】 このような第3実施形態の天板41によれば、本体43と耐熱部45との境界面が支持台12に向かって傾斜しているため、耐熱部45を構成する樹脂および無機充填材の総量を増加させることなく、調理機器98の鍔部97Aが接触する面積を広くすることによる充分な耐熱特性が得られる。 また、本体43と耐熱部45とは、互いに異なる部材であるため、熱に対する伸縮性が異なるが、第3実施形態の天板41によれば、本体43と耐熱部45との境界面が支持台12に向かって傾斜しているため、伸縮性の相違による応力が一ヶ所に集中せず、剥離等が生じる虞れが少ない。 さらに、第3実施形態の天板41によれば、本体43と耐熱部45との境界面が支持台12に向かって傾斜しているため、本体43と耐熱部45との境界面が垂直である場合に比較して、境界面の面積を大きくでき、これにより本体43と耐熱部45との密着性が良くなるという効果が得られる。 【0061】 (第4実施形態) 図7には、本発明の第4実施形態である調理台50の天板51が示されている。 天板51は、基本的に前述した第2実施形態と同様に構成されているが、耐熱部55として不織布52が本体53の表面から裏面に至るに埋設されている点が第2実施形態との相違点となっている。 不織布52としては、例えばガラスウール等の無機材料の不織布を採用できる。 【0062】 このような第4実施形態の天板51によれば、不織布52が本体53の表面から裏面に至る全域に埋設されているため、耐熱部55に熱が伝播しても不織布52により伸縮が抑えられるとともに、機械的強度が強くなり、クラック等が生じる虞れを一層少なくできるという効果が得られる。 【0063】 (第5実施形態) 図8(A)および図8(B)には、本発明の第5実施形態である調理台60の天板61が示されている。 天板61は、耐熱部65の上面65Aが本体63の上面に対して所定寸法高く形成されているとともに、調理機器用開口64の縁部における周方向に沿って所定間隔で3以上の複数箇所に設けられている。 【0064】 このような第5実施形態の天板61によれば、各耐熱部65を調理機器93の鍔部97Aが接触する部分に対して選択的に形成することにより、耐熱特性を十分に確保しながら、耐熱部65を構成する樹脂および無機充填材の総量を減らすことができ、コストダウンとなる。 また、第5実施形態の天板61によれば、調理機器93と本体63との間に隙間を設けることにより、調理機器93から生じた熱や、あるいは調理機器93からの輻射熱により本体63に伝播した熱を放熱でき、天板61に熱がかかりにくくなるという効果が得られる。 【0065】 なお、本発明の調理台の天板は、前述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。 例えば、前述した各実施形態において、天板に設けられた開口として調理機器用開口を例示したが、本発明はシンク開口,蛇口開口等にも適用可能である。 【0066】 その他、前述した各実施形態において例示した本体,開口,耐熱部,無機充填材,不織布,調理機器,鍔部等の材質,形状,寸法,形態,数,配置個所等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。 【産業上の利用可能性】 【0067】 以上のように、本発明の調理台の天板は、開口の縁部における少なくとも一部に耐熱部が一体に形成されているため、断熱機能あるいは補強機能により亀裂を防止できるとともに、従来のように別部材を開口に固定する必要がないため、従来に比較して部品点数および加工手順を少なくでき、これらにより調理機器用開口,シンク開口,蛇口開口等に発生する亀裂の対策として有用である。 【図面の簡単な説明】 【0068】 【図1】本発明の第1実施形態を示す模式斜視図 【図2】第1実施形態の要部を示す断面図 【図3】第1実施形態の天板を製造するための第1製造方法を示す模式図 【図4】第1実施形態の天板を製造するための第2製造方法を示す模式図 【図5】第2実施形態の要部を示す断面図 【図6】第3実施形態の要部を示す断面図 【図7】第4実施形態の要部を示す断面図 【図8】第5実施形態の要部を示す断面図および要部破断斜視図 【図9】従来の調理台の天板を示す模式斜視図 【図10】従来の天板の要部を示す断面図 【符号の説明】 【0069】 10,30,40,50,60 調理台 11,31,41,51,61 天板 13,33,43,53,63 本体 14,34,44,54,64 調理機器用開口(開口) 15,35,45,55,65 耐熱部 32,52 不織布 93 調理機器 97A 鍔部
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005832 【氏名又は名称】松下電工株式会社
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| 【出願日】 |
平成17年11月25日(2005.11.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100115107 【弁理士】 【氏名又は名称】高松 猛
【識別番号】100108589 【弁理士】 【氏名又は名称】市川 利光
【識別番号】100119552 【弁理士】 【氏名又は名称】橋本 公秀
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| 【公開番号】 |
特開2007−143774(P2007−143774A) |
| 【公開日】 |
平成19年6月14日(2007.6.14) |
| 【出願番号】 |
特願2005−341033(P2005−341033) |
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