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【発明の名称】 スライドドア付収納家具
【発明者】 【氏名】千田 要宗

【要約】 【課題】部屋を複数に間仕切ると共にスライドドア付の出入口を確保することが可能であり、また、配置の自在性及び移動の容易性に優れ、所謂バリアフリー構造である間仕切り家具として利用できるスライドドア付収納家具の提供。

【解決手段】一直線状に整列して配置される複数の家具からなる家具群と、家具群上面に沿って載置固定される天板部材と、家具群下面に配されて家具群下面を支持する袴部材と、天板部材に配設され且つ家具群が整列する方向と平行に延びるレール部材と、レール部材に取り付けられると共にレール部材に沿って移動可能なスライドドアからなり、レール部材が少なくとも家具群の全幅より長く延設され、天板部材が家具群上面に対して着脱自在なスライドドア付収納家具である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一直線状に整列して配置される複数の家具からなる家具群と、
該家具群上面に沿って載置固定される天板部材と、
前記家具群下面に配されて該家具群下面を支持する袴部材と、
前記天板部材に配設され且つ前記家具群が整列する方向と平行に延びるレール部材と、
該レール部材に取り付けられると共に該レール部材に沿って移動可能なスライドドアからなり、
前記レール部材が少なくとも前記家具群の全幅より長く延設され、
前記天板部材が前記家具群上面に対して着脱自在であることを特徴とするスライドドア付収納家具。
【請求項2】
前記レール部材が入れ子式に伸縮可能なスライド式レールであることを特徴とする請求項1記載のスライドドア付収納家具。
【請求項3】
前記袴部材に前記スライド式レールが配設されていることを特徴とする請求項2記載のスライドドア付収納家具。
【請求項4】
前記袴部材の前記家具群が整列する方向の一端において、少なくとも前記スライドドア下面と、該スライドドアの家具群に対向する面と反対側の面とを受け止め支持する受止部材が配設されていることを特徴とする請求項1または2記載のスライドドア付収納家具。


【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、スライドドア付収納家具に関し、より詳しくは、部屋を複数に間仕切ると共にスライドドア付の出入口を確保することが可能であり、また、配置の自在性及び移動の容易性に優れ、所謂バリアフリー構造である間仕切り家具として利用できるスライドドア付収納家具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、我が国においては、少子高齢化に起因して増加する高齢者の支援或いは身障者支援の一環として、建築物や公共施設等のバリアフリー化が進められている。
また、その一方、我が国の過密化する都市(例えば、首都圏)の住宅事情において、一世帯が充分な部屋数或いは充分な収納スペースを確保することは難しく、この打開案が模索されている。
そこで、この実情を一挙打破せんとして、例えば、特許文献1に開示された間仕切り装置が存在する。
【0003】
この特許文献1に開示される間仕切り装置は、開口部を有する収納ユニットと、収納ユニットに固定される上枠部材と、上枠部材に配設される摺動構造に懸架されると共に収納ユニット開口部側に配置される扉と、壁面と隣接する収納ユニットの壁側側面両端部にその高さ方向に全長に渡って配される縦枠部材とから構成されている。
収納ユニットは、複数個、横並びに整列して設置されている。また、収納ユニットに隣接して間仕切られた両空間を往来可能な通路部を形成することが可能であり、その際、上枠部材は通路部上方にまで延設するように構成されている。
また、通路部が収容ユニットと壁面の間に形成されている場合、縦枠部材は、通路部上方に延設すると共に壁面へ当接する上枠部材を支持するように壁面に固定されている。
【0004】
しかしながら、このような装置では、収納ユニットの配置及び通路部の位置を変更する毎に、縦枠部材を壁面側に位置する収納ユニットに付け替える、或いは壁面に固定する必要性がある。従って、模様替え等を行うに当たって、上記装置を移動させることが容易であるとは言い難い。
また、通路部を設ける際、上枠部材を通路部上方に延設すると共に壁面へ当接させる必要がある。そのため、通路部上方には、常時上枠部材が掛け渡されていることとなり、例えば、背の高い人が、上枠部材に頭部をぶつけ、怪我をする恐れがある。
【0005】
更に、上記扉は、上枠部材に配設される摺動構造に懸架されているため、上枠部材の長手方向及び部屋の間仕切られた空間から空間に向かう方向にかかる曲げモーメントは大きく、通路部上方に延設された箇所でより顕著に現れる。つまり、通路部において、扉下部の面方向に対して力が加わると、これを支持する術が存在しないため、上枠部材は大きくねじれ、場合によっては破損の可能性もある。
【0006】
【特許文献1】特開2005−9258号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記実情を鑑みてなされたものであって、部屋を複数に間仕切ると共にスライドドア付の出入口を確保することが可能であり、また、配置の自在性及び移動の容易性に優れ、所謂バリアフリー構造である間仕切り家具として利用できるスライドドア付収納家具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、一直線状に整列して配置される複数の家具からなる家具群と、該家具群上面に沿って載置固定される天板部材と、前記家具群下面に配されて該家具群下面を支持する袴部材と、前記天板部材に配設され且つ前記家具群が整列する方向と平行に延びるレール部材と、該レール部材に取り付けられると共に該レール部材に沿って移動可能なスライドドアからなり、前記レール部材が少なくとも前記家具群の全幅より長く延設され、前記天板部材が前記家具群上面に対して着脱自在であることを特徴とするスライドドア付収納家具に関する。
【0009】
請求項2に係る発明は、前記レール部材が入れ子式に伸縮可能なスライド式レールであることを特徴とする請求項1記載のスライドドア付収納家具に関する。
【0010】
請求項3に係る発明は、前記袴部材に前記スライド式レールが配設されていることを特徴とする請求項2記載のスライドドア付収納家具に関する。
【0011】
請求項4に係る発明は、前記袴部材の前記家具群が整列する方向の一端において、少なくとも前記スライドドア下面と、該スライドドアの家具群に対向する面と反対側の面とを受け止め支持する受止部材が配設されていることを特徴とする請求項1または2記載のスライドドア付収納家具に関する。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、天板部材にレール部材が取り付けられていることにより、レール部材にかかる曲げモーメントは、家具群上面に載置固定される天板部材に集中するため、大きなねじれが発生することはない。
また、レール部材が少なくとも家具群の全幅より長く延設されていることにより、間仕切られた部屋の空間と空間とを行き来する出入口にまでスライドドアを移動させることが可能となる。
また、天板部材が家具群上面に対して着脱自在であることにより、従来の家具に比べ、構成を簡素化することが可能となり、模様替え等における移動及び配置が容易となる。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、レール部材が入れ子式に伸縮可能なスライド式レールであることにより、出入口の上面及び床面にレールを突出させることなく、出入口にスライドドアを移動することが可能となる。従って、使用者がレール部材に頭部をぶつけ、怪我をすることはない。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、袴部材にスライド式レールが配設されていることにより、出入口床面にレール部材を突出させることなく、スライドドアを上下で支持することが可能となり、部屋の間仕切られた空間から空間に向かう方向にかかる曲げモーメントを大きく抑制することが可能となる。また、使用者がレール部材につまづいて怪我をすることもない。
【0015】
請求項4に係る発明によれば、袴部材の家具群が整列する方向の一端において、少なくともスライドドア下面と、該スライドドアの家具群に対向する面と反対側の面とを受け止め支持する受止部材が配設されていることにより、袴部材にレール部材を配設する必要がなくなりスライドドア付収納家具全体の構成を簡素化することができる。しかも、受止部材がレール部材と同様にスライドドア下部を支持する機能を発揮するため、スライドドアが出入口にある状態において、部屋の間仕切られた空間から空間に向かう方向にかかる曲げモーメントを簡単な構成で抑制することが可能となる。また、使用者がつまづいて怪我をすることもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係るスライドドア付収納家具の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明に係るスライドドア付収納家具(A)の第一実施形態を示す正面図であり、スライドドア(5)の移動状態を示している。
スライドドア付収納家具(A)は、一直線状に整列して配置される複数(図示例では三つ)の家具(1a、1b、1c)からなる家具群(1)と、家具群(1)上面に載置固定される天板部材(2)と、家具群(1)下面に配されて家具群(1)下面を支持する袴部材(3)と、天板部材(2)及び袴部材(3)に配設され且つ家具群(1)が整列する方向と平行に延びるレール部材(4)と、レール部材(4)に取り付けられると共にレール部材(4)に沿って移動可能なスライドドア(5)とから構成されている。
【0017】
図1に示されるように、スライドドア付収納家具(A)は、その左側面が壁面(W1)に当接するようにして設置されており、一室を二つの空間に間仕切っている。また、一室を二つの空間に間仕切るにあたり、スライドドア付収納家具(A)は、間仕切りとしての機能を発揮できる程度の高さで形成されている。また、スライドドア付収納家具(A)右側面と壁面(W2)の間には互いの空間を行き来することを可能とする出入口が設けられている。
尚、図1において、家具(1a、1b、1c)が整列する方向、つまり、壁面(W1)から壁面(W2)への方向を幅方向とし、これに直角な方向を高さ方向とする。
【0018】
図1において示される家具(1a、1b、1c)は、直方体形状の収納ケースであり、各々複数(図示例では五つ)の引出しを備えている。また、家具(1a、1b、1c)は、その各々の高さ及び幅が同サイズで形成されている。更に、家具(1a、1b、1c)は、壁面(W1)から一直線状に且つ壁面と家具との間隔及び家具同士の間隔を有さずに配置されている。
家具(1a、1b、1c)の使用側は、図1において、全て正面を向いているが、全てを背面に向けることも可能であるし、部分的に、例えば、左端の家具(1a)のみ背面に向け、残りの家具(1b、1c)は正面を向くように配置することも可能である。
【0019】
また、本発明において使用される家具(1a、1b、1c)は、収納ケースに限られるものではなく、例えば、両面挿通型キャビネット、ハンガーラック、本棚、食器棚、下駄箱等の所謂箱物や、事務作業等に使用できる収納型の机等を備え付けることも可能である。
更に、配置される家具数も三つに限定されることはなく、用途に応じて適宜増減させればよい。
従って、使用者は、用途に応じて家具(1a、1b、1c)の組み合わせを自由に行うことができる。
【0020】
家具群(1)に沿って載置固定される天板部材(2)は、幅が家具群(1)の幅と略等しく、奥行きが家具群(1)の奥行きより僅かながら長く形成されている。天板部材(2)を家具群(1)に対して背面一致で載置固定すると、正面側に天板部材(2)が突出する。この突出した天板部材(2)下面には、レール部材(4)が抉り込むようにして配設される。
尚、天板部材(2)と家具群(1)との固定手段は、比較的容易に解除できるものが好ましく、例えば一方の部材にダボ、他方の部材にダボ穴を設けるようにしても良いし、ボルトナットで固定しても良い。
また、天板部材(2)の幅及び奥行きを家具群(1)と同サイズにすることも可能であり、この場合、レール部材(4)は、天板部材(2)正面側に配設すれば良い。
【0021】
袴部材(3)は、直方体形状の板状体であり、家具群(1)の下面に固定され、家具群(1)を支持する。また、袴部材(3)は、天板部材(2)と同様、幅が家具群(1)の幅と略等しく、奥行きが家具群(1)の奥行きより僅かながら長く形成されている。このことにより、袴部材(3)は、家具群(1)を背面一致の状態で支持することにより、正面側に突出し、この突出部上面にレール部材(4)が抉り込むようにして配設される。
尚、袴部材(3)と家具群(1)の固定手段は天板部材(2)と同様の手段を用いれば良い。
また、天板部材(2)と同様に、袴部材(3)の幅及び奥行きを家具群(1)と同サイズにし、レール部材(4)を袴部材(3)正面側に配設することも可能である。
以上より、家具群(1)上下面が、天板部材(2)と袴部材(3)によって挟み込まれていることにより、一体家具として認識でき、外観上の美観を損なわない家具を得る事が可能となる。
【0022】
図2(a)は、スライドドア付家具の天板部材(2)及び袴部材(3)に配されるレール部材(4)の概略正面図であり、図2(b)は、そのA−A線断面図である。また、図2(c)は、レール伸長時におけるレール部材の概略正面図である。尚、図2において、レール部材(4)が伸縮する方向を長さ方向とし、これに直交する方向を幅方向とする。
天板部材(2)及び袴部材(3)に配設されるレール部材(4)は、第一レール(41)、第二レール(42)及び第三レール(43)とから構成されている。
【0023】
レール(41、42、43)は、各々幅方向の長さが異なっており、第一レール(41)が最も幅細であり、第二レール(42)、第三レール(43)と順次幅太になるように形成されており、第一レール(41)が第二レール(42)に収容可能で、第二レール(42)は第三レール(43)に収容可能となるように構成されている。
また、図2(b)に示されるように、レール(41、42、43)は、断面略コの字状に形成されており、第一レール(41)のみが、幅方向を軸として180°反転した状態で収容されている。これにより、レール部材(4)の正面側及び背面側に対象物を固定することが可能となる。
以上の構成をもって、レール部材(4)は、入れ子式に伸縮することが可能となり、図1における家具群全幅よりも長く伸長することが可能となる。
尚、レール部材(4)を構成するレール本数は、三本に限られることはなく、用途に応じて増減する等、適宜変更するようにすれば良い。また、レール部材の材質は特に限定されないが、剛性の強い、鋼材を使用することが好ましい。
【0024】
図1に示されるように、スライドドア(5)は、取手部(51)と補助キャスター(52)を具備しており、レール部材(4)を介して、天板部材(2)及び袴部材(3)に取り付けられている。取手部(51)は、スライドドア(5)右端に設けられており、使用者がスライドドア(5)を開閉する補助となる。また、取手部(51)は、万人に使用可能であるような高さに位置づけることが好ましく、スライドドア(5)の上部から下部に渡って設けるようにしても良い。尚、取手部(51)の設置位置は、スライドドア(5)右端に限られるものではなく、例えば、スライドドア(5)の左端或いは両端に設けるようにしても良い。
補助キャスター(52)は、スライドドア(5)の下部右端近傍に取り付けられており、スライドドア(5)が出入口に位置するとき、これを支持すると共に通路上を円滑にスライドさせることを可能としている。尚、補助キャスター(52)は、スライドドア(5)が円滑にスライドするに支障がなければ、ゴム足等の支持部材に変更することも可能である。
【0025】
スライドドア(5)は、図1に示される如く、家具群(1)の全幅より長く伸長可能な入れ子式のレール部材(4)を介して取り付けられていることにより、壁面(W1)から壁面(W2)までの距離を移動可能としている。更に、上記構成により、レール部材(4)が出入口上面及び下面に突出しないため、使用者が頭をぶつける或いは、つまづいて怪我をすることがなくなる。
【0026】
図3は、本発明の第一実施形態における、スライドドア取り付け構造を示す部分概略断面図である。
レール部材(4)は、下面側が袴部材(3)に抉り込むように固定されており、上面側がスライドドア(5)下面に固定されている。スライドドア(5)は、レール部材(4)を覆うように下面両端が僅かながら下向きに突出しており、また、袴部材(3)は、スライドドア(5)右端を覆うように上面右端が僅かながら上向きに突出している。このことにより、例えば、図1において、スライドドア付家具(A)を正面視したとき、レール部材(4)がむき出し状態になることはなく、外観上、非常に見栄えの良いものとなる。
尚、図3においては、袴部材(3)への取り付け構造を示しているが、天板部材(2)も同様の構成で取り付けられている。
【0027】
従って、第一実施形態においては、天板部材(2)にレール部材(4)が抉り込むようにして取り付けられていることにより、スライドドア(5)を支持するレール部材(4)にかかる曲げモーメントが天板部材(2)に集中するため、ねじれの発生を抑制することが可能となる。また、袴部材(3)にもレール部材(4)が配設されていることにより、部屋の間仕切られた空間から空間に向かう方向にかかる曲げモーメントを大きく抑制することが可能となる。
更に、天板部材(2)が、家具群(1)に対して着脱自在に設けられているため、従来の家具に比べ、構成を簡素化することが可能となり、模様替え等における移動及び配置が容易なものとなる。
【0028】
尚、第一実施形態において、取り付けられているスライドドア(5)は一枚であるが、天板部材(2)及び袴部材(3)に配設されるレール部材(4)の数を増やす等することにより、複数枚取り付けることも可能である。
また、第一実施形態においては、家具群(1)と壁面(W2)との間に、出入口が形成されているが、レール部材(4)の伸長する方向を逆向きにすることにより、家具群(1)と壁面(W1)との間に、出入口を形成できることは言うまでもない。
更に、スライドドア(5)が壁面(W1、W2)に当接する際、互いに損傷しないように、スライドドア(5)の幅方向両端面全域に渡って緩衝材等を設けることが、より好ましい。
【0029】
図4は、本発明に係るスライドドア付収納家具(A)の第二実施形態を示す正面図であり、スライドドア(5)の移動状態を示している。尚、第一実施形態と同一の部材については、同一の符号を付し、説明は省略する。尚、図4においては、図1と同様に、家具(1a、1b、1c)が整列する方向、つまり、壁面(W1)から壁面(W2)への方向を幅方向とし、これに直角な方向を高さ方向とする。
図4に示されるように、スライドドア付収納家具(A)は、第一実施形態と略同様の状態で設置されている。以下に、第一実施形態との相違点を示す。
【0030】
第二実施形態における袴部材(3)は、直方体形状の板状体であり、幅が家具群(1)の幅より僅かながら長く、奥行きが家具群(1)の奥行きと略等しい。このことにより、袴部材(3)は、正面、背面及び左側面を家具群(1)のそれと一致させることにより、右方つまり出入口側に突出することとなる。また、第二実施形態において、袴部材(3)には、レール部材(4)が配設されておらず、代わりに袴部材(3)の出入口側の突出部正面側に受止部材(6)が配されている。つまり、スライドドア(5)は、天板部材(2)に配設されたレール部材(4)にのみ懸架するように構成されている。
【0031】
図5は、本発明の第二実施形態における、スライドドア(5)と受止部材(6)との位置関係を示す部分概略断面図である。図5に示されるように、受止部材(6)は、側面視略コの字状に形成されており、コの字の開口部分が上を向くようにして袴部材(3)右端に配設されている。天板部材(2)に配設されたレール部材(4)に懸架されるスライドドア(5)は、この開口部分を挿通可能であり、また、受止部材(6)は、挿通するスライドドア(5)下部を支持可能に構成されている。
従って、出入口において、部屋の間仕切られた空間から空間へと向かう方向に力(例えば、スライドドア(5)下部に誤って足が当たったとき等に加わる力)が発生したとしても、受止部材(6)においてこれを受け止めることが可能となる。つまり、レール部材(4)にかかる曲げモーメントを簡単な構成で抑制することが可能となる。
尚、第二実施形態において、出入口の位置、家具の数及びスライドドアの枚数は、第一実施形態と同様、適宜変更可能であり、スライドドア(5)の幅方向両端面全域に渡って緩衝材等を設けることがより好ましいことは言うまでもない。
【0032】
図6は、第二実施形態におけるスライドドア付家具(A)の変更形態を示す正面図である。スライドドア付家具(A)の変更形態の基本構成は、第二実施形態と同一であるため、各部材の説明は省略する。尚、第一及び第二実施形態と同様に、家具(1a、1b、1c)が整列する方向、つまり、壁面(W1)から壁面(W2)への方向を幅方向とし、これに直角な方向を高さ方向とする。
第二実施形態では、家具群(1)と壁面(W1、W2)との間に出入口が形成されているが、変更形態では、図6に示される如く、家具(1a、1b)と家具(1c)との間に出入口が形成されるように構成されている。
【0033】
家具(1a、1b)は、その左側面が壁面(W1)と当接するように配置され、家具(1c)は、その右側面が壁面(W2)と当接するように配置されている。天板部材(2)は、幅が家具群(1)全幅と出入口の幅を合わせた幅、つまり壁面(W1)から壁面(W2)の幅に等しく、奥行きが家具群(1)の奥行きより僅かながら長く形成されている。このことにより、天板部材(2)は、背面一致で家具群(1)に載置固定することによって、正面側に僅かながら突出する。この突出部下面にレール部材(4)が伸長時に天板部材(2)全幅と略等しくなるように且つ抉り込むようにして配することで、スライドドア(5)は、壁面(W1)から壁面(W2)まで移動することが可能となる。
尚、上記のように天板部材(2)の幅が、壁面(W1)から壁面(W2)の幅に等しく形成されている場合、レール部材(4)は、入れ子式の構造に限られることなく、例えば、一般的なレールを用いても良い。
また、出入口の位置も家具(1a、1b、1c)の並べ方次第で変更は可能である。
【0034】
また、袴部材(3)は、バリアフリー構造を確保するため、二種類の袴部材(31、32)を使用する。第一の袴部材(31)は、第二実施形態と同様、直方体形状の板状体であり、幅が支持する家具(1a、1b)の全幅より長く、奥行きが家具群(1)の奥行きと略等しく形成されている。従って、図6に示されるように、第一の袴部材(31)は、出入口側に突出し、この突出部正面に第二実施形態と同様の受止部材(6)が配される。このことにより、第二実施形態と同様、部屋の間仕切られた空間から空間へと加わる力を、受止部材(6)が受け止めることが可能となり、結果、レール部材(4)の曲げモーメントを抑制することが可能となる。
【0035】
第二の袴部材(32)は、直方体形状の板状体であり、面積が家具(1c)の下面の面積と略等しく形成されて家具(1c)に固定されている。尚、出入口の通路部の妨げにならなければ、第二の袴部材(32)にも受止部材(6)を配設するように構成しても良い。
尚、本変更形態においても、家具の数及びスライドドアの枚数は、適宜変更可能であり、スライドドア(5)の幅方向両端面全域に渡って緩衝材等を設けることがより好ましいことは言うまでもない。
【0036】
第一実施形態及び第二実施形態(変更形態を含む)においては、スライドドア付家具(A)を間仕切り家具として使用する例を示したが、これに限られることはなく、本発明のスライドドア付家具(A)は、その背面側を壁面(W1、W2)に当接させ、所謂置き家具としても使用可能である。
尚、第一実施形態及び第二実施形態のスライドドア付家具を置き家具として使用する場合は、家具群(1)の一端より突出するスライドドア(5)を使用して、家具群(1)に隣接する空間を新たな収納スペースとして使用することが可能である。例えば、この空間には掃除機等の毎日少しだけ使用するようなものを収納し、使用しないときには、スライドドア(5)によってこの空間を閉ざせばよい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、間仕切り家具としても利用可能な置き家具として好適に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係るスライドドア付収納家具の第一実施形態を示す正面図である。
【図2】(a)は本発明に係るスライドドア付家具に使用されるレール部材の概略正面図であり、(b)はそのA−A線断面図であり、(c)はレール伸長時におけるレール部材の概略正面図である。
【図3】本発明に係るスライドドア付収納家具の第一実施形態におけるスライドドアの取り付け構造を示す部分概略断面図である。
【図4】本発明に係るスライドドア付収納家具の第二実施形態を示す正面図である。
【図5】本発明に係るスライドドア付収納家具の第二実施形態における、スライドドアと受止部材との位置関係を示す部分概略断面図である。
【図6】本発明に係るスライドドア付収納家具の第二実施形態の変更形態を示す正面図である。
【符号の説明】
【0039】
A スライドドア付収納家具
1 家具群
1a、1b、1c 家具
2 天板部材
3 袴部材
4 レール部材
5 スライドドア
6 受止部材

【出願人】 【識別番号】502298642
【氏名又は名称】府中商工会議所
【識別番号】591178883
【氏名又は名称】府中家具工業協同組合
【出願日】 平成17年11月17日(2005.11.17)
【代理人】 【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博


【公開番号】 特開2007−135839(P2007−135839A)
【公開日】 平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願番号】 特願2005−333151(P2005−333151)