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【発明の名称】 昇降収納装置
【発明者】 【氏名】水野 由夫

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アームの一端に取付けられた収納ケースが一定の範囲で昇降可能になるように構成された昇降収納装置であって、該昇降収納装置には、前記収納ケースの引き出し動作に対して制動力を与える直線運動式のダンパが備えられてなり、特に、該ダンパとして、ピストンロッドが引かれた際にダンパ効果が生じるものを用いたことを特徴とする回動装置。
【請求項2】
ダンパにおけるピストンロッドが、前記ダンパにおけるピストンを貫通して固定されてなる請求項1に記載の昇降収納装置。
【請求項3】
ダンパが、昇降収納装置の奥行き方向に沿って略横置きに設置されてなる請求項1又は2に記載の昇降収納装置。
【請求項4】
更に、アームに対し略垂直に突出すると共に当該アームの回動に応じて回動するクランク部材が設けられてなり、前記クランク部材の突出した一端にダンパの一端を枢着することにより、当該ダンパが、昇降収納装置の底部近辺に設置されてなる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の昇降収納装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、キッチン高所に備えられて、アームの一端に取付けられた収納ケースが一定の範囲で昇降可能になるように構成された昇降収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近市販のシステムキッチンなどにおいては、当該キッチンの高所に、アームの一端に取付けられた収納ケースが一定の範囲で昇降可能になるように構成された昇降収納装置が装備されているものが一般的となっており、各種メーカーが様々なタイプの昇降収納装置を研究・開発している(例えば、特許文献1及び2。)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−249128号公報
【特許文献2】特開2004−216198号公報
【0004】
このような昇降収納装置の一例としては、図1の斜視図(一部透過状態)に示すような構造のものを挙げることができ、この図に示す昇降収納装置1´は、外側ケーシング2内に収納ケース3が収まり込む構造になっており、使用者が、収納ケース3の前方下部に設けられた取手31を前方に引き出すことにより、当該収納ケース3が外側ケーシング2から前方に飛び出しつつ、使用者の作業位置まで降下してくるように構成されている。
【0005】
この昇降収納装置1における昇降動作は、外側ケーシング2に固定された基台4に枢着された2本のアーム5(5a、5b)が、それぞれの枢着点51(51a、51b)を中心に回動することにより、各アーム5(5a、5b)が一定の範囲で移動ないし作動する回動機構が採用されており、即ち、各アーム5(5a、5b)が回動することにより、当該アーム5(5a、5b)の端部52(52a、52b)に枢着された収納ケース3が昇降する構成となっている。
【0006】
そして、この昇降収納装置においては、収納ケース3の降下動作に制動力を与えるためのダンパ6がアーム5bに備えられ、又、昇降収納装置の昇降動作に付勢力を与えるためのバネ機構7がアーム5aに備えられている。
【0007】
ここで、この昇降収納装置においては、収納ケース3の降下と共にピストンロッド63が縮む(押し込まれる)ように構成されており、従って、ここで使用されるダンパ3は、ピストンロッド63が縮む際にダンパ効果が発生するように逆止弁機構が備えられてなるものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
即ち、このような昇降収納装置においては、収納ケースを引き出す動作に応じて、ダンパにおけるピストンロッドが縮み(押込まれ)、一方、引き出された収納ケースを外側ケーシング内に収める動作に応じて、ダンパにおけるピストンロッドが伸びる(引き出される)ことになるため、収納ケースが外側ケーシングに完全に納まった状態において、ダンパ全体の長さが最大になる。
【0009】
しかしながら、収納ケースが外側ケーシング内に納まりこんだ状態においてダンパ全体の長さが最も長くなるということは、昇降収納装置内において、最も長くなった状態のダンパを格納するためのスペースが必要になるということである。
【0010】
そのため、このような昇降収納装置においては、最も長くなった状態のダンパを格納すべく、当該ダンパを昇降収納装置の底面に対しほぼ垂直に立ち上がるように設置する必要があり、そのためダンパを格納するためのスペースが、昇降収納装置の縦方向に向かって嵩高くなることから、その嵩の分だけ収納ケースの容積が小さくなって収納スペースが少なくなったり、デザイン面で大きな制限が生じたりするといった問題が生じる。
【0011】
又、このような昇降収納装置においては、アームの回動経路を確保するためにその奥行き方向に大きなスペースを開けておく必要があり、そこに大きなデッドスペースが生じている。
【0012】
そこで、本発明者は、このような問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、アームの一端に取付けられた収納ケースが一定の範囲で昇降可能になるように構成されたこの種の昇降収納装置において、前記収納ケースの引き出し動作に対して制動力を与える直線運動式のダンパを備え、特に、該ダンパとして、ピストンロッドが引かれた際にダンパ効果が生じるものを用いたことを特徴とする本発明の昇降収納装置(以下、本発明装置と称する。)を完成するに至ったのである。
【0013】
即ち、本発明者は、この種昇降収納装置における収納ケースの引き出し動作に対して制動力を与える直線運動式のダンパとして、ピストンロッドが引かれた際にダンパ効果が生じるダンパを用いれば、引き出された収納ケースを外側ケーシング内に収める動作に応じて、ダンパにおけるピストンロッドが縮み、これより、収納ケースが外側ケーシングに完全に納まった状態においてダンパ全体の長さを最短にすることができ、その結果、当該ダンパを格納するためのスペースを至極省スペースに設定することが可能になるとの知見を得たのである。
【0014】
又、本発明装置においては、ダンパを格納するためのスペースを至極省スペースに設定することが可能になることから、ダンパを本発明装置に奥行き方向に沿って横置きに設置することができるのであり、前記デッドスペースを有効に活用できる結果、本発明装置の昇降動作を担う部分、即ち、回動機構をコンパクト化することができ、大幅な収納スペースの確保が可能になるとの知見も得たのである。
【0015】
本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、大幅な収納スペースの確保を可能にした新規な昇降収納装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
以上の課題を解決する手段である本発明装置は、アームの一端に取付けられた収納ケースが一定の範囲で昇降可能になるように構成された昇降収納装置であって、該昇降収納装置には、前記収納ケースの引き出し動作に対して制動力を与える直線運動式のダンパが備えられてなり、特に、該ダンパとして、ピストンロッドが引かれた際にダンパ効果が生じるものを用いたことを特徴とする。
以下、本発明装置について詳細に説明する。
【0017】
本発明装置は、アームの一端に取付けられた収納ケースが一定の範囲で昇降可能になるように構成された昇降収納装置であり、該装置における昇降動作には、外側ケーシング又は外側ケーシングに固定された基台に枢着されたアームが、枢着点を中心に回動することにより、アームが一定の範囲で移動ないし作動する回動機構が採用されており、即ち、アームが回動することにより、当該アームの端部に枢着された収納ケースが昇降する構成となる。
【0018】
本発明装置において用いられる前記「外側ケーシング」、「基台」及び「収納ケース」としては、本発明装置の使用に耐え得る程度の物理的強度を有するものであれば、その形状や素材については、特に限定されるものではなく、木製、金属製、プラスチック製或いは合成樹脂製等の任意の素材を用途に応じて様々な形状に加工したものが用いられる。
【0019】
一方、本発明装置において用いられる前記「アーム」についても、本発明装置の使用に耐え得る程度の物理的強度を有するものであれば、その形状や素材については、特に限定されるものではなく、木製、金属製、プラスチック製或いは合成樹脂製等の任意の素材を、本発明装置の用途に応じて様々な形状に加工したアームを適宜用いることができるのであり、単なる一直線の棒状体や板状体に限らず、例えば、途中を適宜屈曲させた湾曲形状のアームや二以上の複数に分岐したアーム、或いは二以上の複数の部材を枢着して関節を設けることにより関節ごとに折れ曲がるアーム等を用いることもできる。
【0020】
又、外側ケーシング又は基台へのアームの枢着は、該枢着点を中心にアームが所望の範囲で回動自在に移動するものであれば、特に限定されるものではなく、ボルトや軸或いはアームに設けた雄型(若しくは雌型)の接合部材を、外側ケーシング又は基台に設けた雌型(若しくは雄型)の接合部材に挿入することによって直接アームを枢着しても良く、又、ギヤやベルト或いはチェーンなどを介して、間接的にアームが枢着されているものであっても良い。
【0021】
更に、外側ケーシング又は基台へ枢着されるアームは一本のみに限定されるものではなく、二本以上の複数本のアームがそれぞれ外側ケーシング又は基台へ枢着され、各アームが単独ないし連動して作動するものであっても良いのである。
【0022】
そして、本発明装置においては、前記収納ケースの引き出し動作に対して制動力を与える直線運動式のダンパが備えられる。
【0023】
即ち、本発明装置は、収納ケースの引き出し動作に対して制動力を与える直線運動式のダンパが設けられているから、収納ケースの引き出し動作に対して抵抗が与えられ、収納ケースの急落を防止することができるのである。
【0024】
ここで、本発明装置において用いられる直線運動式のダンパとしては、流体を注入した略筒状のシリンダ及び前記シリンダ内壁に沿って摺動すると共に該シリンダ内を圧力室と非圧力室に仕切るピストン及びピストンロッドからなるものであれば特に限定されるものではない。
【0025】
又、このシリンダに注入する流体としては、ダンパをいわゆる「オイルダンパ」として構築する場合には、水や油等の各種液体から選ばれた少なくとも一種を適宜選択して用いることができ、ダンパをいわゆる「エアダンパ」として構築する場合には空気や窒素、酸素及び二酸化酸素等の各種気体から選ばれた少なくとも一種を適宜選択して用いることができる。
【0026】
なお、ダンパをエアダンパとして構成する場合には、必ずしも積極的に流体を注入する必要は無く、大気中にある空気を利用しても良いのであり、従って、本発明において「流体を注入する」とは、「シリンダ内に流体を存在させる」という意味である。
【0027】
そして、本発明装置においては、前記ダンパとして、ピストンロッドが引かれた際にダンパ効果が生じるものを用いた点に最も大きな特徴を有する。
【0028】
即ち、本発明装置においては、昇降収納装置における収納ケースの引き出し動作に対して制動力を与える直線運動式のダンパとして、ピストンロッドが引かれた際にダンパ効果が生じるダンパを用いているから、引き出された収納ケースを外側ケーシング内に収める動作に応じて、ダンパにおけるピストンロッドが縮み、これより、収納ケースが外側ケーシングに完全に納まった状態においてダンパ全体の長さを最短にすることができ、その結果、当該ダンパを格納するためのスペースを至極省スペースに設定することが可能になるのである。
【0029】
ここで、「ピストンロッドが引かれた際にダンパ効果が生じるダンパ」とは、ピストンロッドを引いた場合においては、シリンダ内の圧力室から非圧力室への流体の流通量が少なくなって大きな制動力が生じ、一方、ピストンロッドを押した場合においては、シリンダ内の圧力室から非圧力室への流体の流通量が多くなって殆んど制動力が生じなくなる特性を有するダンパのことをいい、そのメカニズムについては特に限定されるものではないが、具体的に例えば、ピストンにおいて、当該ピストンによって仕切られたシリンダ内の二つの部屋の一方(圧力室)からもう一方の部屋(非圧力室)へ流体が移動可能となる「流体流通路」、当該流体流通路の経路中に設けられた「逆止弁ホール」及び「逆止弁部材」で構成されたような逆止弁機構を備えたものなどを挙げることができる。
【0030】
即ち、このような逆止弁機構は、ピストンに対して、圧力室から非圧力室へ流体が移動可能となる流体流通路が設けられていることから、ピストンの移動に応じて前記二つの部屋内における流体の充填割合を変化させることができるのであり、しかも前記流体通路の経路中において、逆止弁ホール及び逆止弁部材を設けていることから、当該逆止弁機構が開放される方向へのピストンの動きにおいては、流体が流体流通路を介して移動することができるためにピストンの動きはスムーズとなり、一方、逆止弁機構が閉塞する方向へのピストンの動きにおいては、流体流通路が閉塞するため、ピストンの動きが制御されて制動力が強く発現するのである。
【0031】
そして、本発明においては、ピストンロッドを引いた場合に、逆止弁が閉塞状態となって大きな制動力が生じ、一方、ピストンロッドを押した場合に、逆止弁が開放状態となって殆んど制動力が生じなくなるように逆止弁機構を設けて、ピストンロッドが引かれた際にダンパ効果が生じるようにすれば良いのである。
【0032】
ところで、この種ピストンロッドが引かれた際にダンパ効果が生じるダンパにおいては、ピストンロッドを引っ張る力と制動力が、ピストンとピストンロッドの接続位置に集中して掛かり、ピストンロッドがピストンから抜けたり、ピストンが破損したりするおそれがあり、このため、本発明においては、ピストンロッドがピストンを貫通した状態で固定し、一定以上の接続強度を確保することが好ましい。
【0033】
前述のように、本発明装置においては、昇降収納装置における収納ケースの引き出し動作に対して制動力を与える直線運動式のダンパとして、ピストンロッドが引かれた際にダンパ効果が生じるダンパを用いているから、引き出された収納ケースを外側ケーシング内に収める動作に応じて、ダンパにおけるピストンロッドが縮み、これより、収納ケースが外側ケーシングに完全に納まった状態においてダンパ全体の長さを最短にすることができ、その結果、当該ダンパを格納するためのスペースを至極省スペースに設定することが可能になるのである。
【0034】
ところで、前述の如く、この種の昇降収納装置においては、アームの回動経路を確保するために奥行き方向に大きなスペースを開けておく必要があり、そこに大きなデッドスペースが生じている。
【0035】
この点につき、本発明装置においては、ダンパを格納するためのスペースを至極省スペースに設定することが可能になることから、ダンパを本発明装置に奥行き方向に沿って略横置きに設置することができるのであり、前記デッドスペースを有効に活用できる結果、本発明装置の昇降動作を担う部分、即ち、回動機構をコンパクト化することができ、大幅な収納スペースの確保が可能になるのである。
【0036】
なお、「略横置き」とは、必ずしも完全に真横(水平面に対して0度)になるようにダンパを設置することに限定されるものではなく、本発明装置の奥行きに存するスペースやダンパの大きさなどに応じて、水平面に対してある程度の傾きを持ってダンパを設置しても良いことを意味するのであり、従って、本発明においては、水平面に対して±45度程度、好ましくは±30度程度、更に好ましくは±20度程度の傾きを持ってダンパを設置することも「略横置き」の範疇に入るのである。
【0037】
そして、一般的に、前記デッドスペースは、昇降収納装置の底部に向かってより大きな領域があり、従って、本発明装置においては、昇降収納装置の底部近辺にダンパを設置することにより、より一層回動機構をコンパクト化すると共に大幅な収納スペースを確保することが可能になるのである。
【0038】
ところで、昇降収納装置の底部近辺にダンパを設置する場合、特に、外側ケーシング又は基台とアームとの枢着点近辺ないしそれ以下の位置にダンパを設置する場合においては、当該ダンパから伸びたピストンロッドが枢着軸と接触したりして、アームの回動動作を妨げる場合がある。
【0039】
この問題につき、本発明装置においては、アームに対し略垂直に突出すると共に当該アームの回動に応じて回動するクランク部材を設け、前記クランク部材の突出した一端にダンパの一端を枢着することにより、アームの回動動作に応じて前記クランク部材が立ち上がり、もってダンパにおけるピストンロッドがアームの回動動作を妨げないように構成することが好ましい。
【0040】
なお、「略垂直」とは、必ずしもアームに対して完全に垂直(90度)に突出するようにクランク部材を設けることに限定されるものではなく、ダンパの設置位置やアームの回動経路などに応じて、ある程度の傾きを持ってダンパを設置しても良いことを意味するのであり、従って、本発明においては、アームに対して45〜135度程度、好ましくは60〜120度程度、更に好ましくは70〜110度程度の傾きを持ってクランク部材を設けることも「略垂直」の範疇に入るのである。
【発明の効果】
【0041】
本発明は、前記構成を有し、大幅な収納スペースの確保を可能にした新規な昇降収納装置である。
【0042】
即ち、本発明装置においては、昇降収納装置における収納ケースの引き出し動作に対して制動力を与える直線運動式のダンパとして、ピストンロッドが引かれた際にダンパ効果が生じるダンパを用いているから、引き出された収納ケースを外側ケーシング内に収める動作に応じて、ダンパにおけるピストンロッドが縮み、これより、収納ケースが外側ケーシングに完全に納まった状態においてダンパ全体の長さを最短にすることができ、その結果、当該ダンパを格納するためのスペースを至極省スペースに設定することが可能になるのである。
【0043】
又、本発明装置においては、ダンパを格納するためのスペースを至極省スペースに設定することが可能になることから、ダンパを本発明装置に奥行き方向に沿って略横置きに設置することもできるのであり、昇降収納装置の奥行き方向に沿って生じるデッドスペースを有効に活用できる結果、本発明装置の昇降動作を担う部分、即ち、回動機構をコンパクト化することができ、より一層大幅な収納スペースの確保が可能になるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0045】
<ダンパ>
図2に示すダンパ6は、本発明装置1において好適に用いられるダンパの具体例であり、流体を注入したシリンダ61、ピストン62及びピストンロッド63からなる直線運動式のダンパ6であり、前記ピストン62には、該ピストン62の移動に伴って圧力室から非圧力室へ向かって流体が移動可能となる流体流通路64(メイン流通路641及びバイパス流通路642)が設けられ、当該流体流通路64の経路中には、逆止弁ホール651及び逆止弁部材652からなる逆止弁機構65が設けられている。
【0046】
又、図2に示すダンパ6においては、ピストン62に対して、前記流体流通路64とは別の位置に、ピストン62の移動に伴って圧力室から非圧力室へ向かって一定量の流体が移動可能となるように、流体流通路64より小さい径サイズのオリフィス通路66が設けられている。
【0047】
更に、図2に示すダンパ6においては、シリンダ61の内壁とピストン62の側面との気密性を確保するために、前記ピストン62の側面に凹溝621を設け、当該凹溝621にO−リング67を嵌入している。
【0048】
加えて、図2に示すダンパ6においては、ピストンロッド63がピストン62を貫通した状態でナット68を用いて固定されており、シリンダ61の端面に前記ナット68の出っ張りを収容するための凹部69が設けられている。
【0049】
そして、図2に示すダンパ6は、ピストン62に対して図中Aの方向(ピストンロッド63を押す方向)に力が加えられると、流体に押されるようにしてピストン62に設けた逆止弁ホール651中の逆止弁部材652が、流体流通路64におけるバイパス流通路642側に移動し、図2(a)に示すように流体流通路64を開放し、その結果、逆止弁機構65が開放状態となる。
【0050】
このため、流体が流体流通路64及びオリフィス通路66の双方を通過して、圧力室から非圧力室へ移動することが可能となり、その際に殆んど抵抗力が生じないことから、ピストン62の動きがスムーズになる。
【0051】
一方、ピストン62に対して図中Bの方向(ピストンロッド63を引く方向)に力が加えられると、流体に押されるようにしてピストン62に設けた逆止弁ホール651中の逆止弁部材652が、流体流通路におけるメイン流通路641側に移動し、図2(b)に示すように流体流通路64を塞ぎ、その結果、逆止弁機構65が閉塞状態となる。
【0052】
このため、圧力室から非圧力室への流体の移動が制限されて、流体の移動は主としてピストン62に設けられたオリフィス通路66のみとなるため、ピストン62は前記Bの方向とは逆方向への抵抗力を受けることから、運動エネルギーが減衰され、制動力が得られる仕組みとなっている。
【0053】
即ち、図2に示すダンパ6は、ピストンロッド63を引いた際にダンパ効果が生じるように逆止弁機構65を設けてなるものであり、特に、ピストンロッド63を引っ張る力と制動力がピストン62とピストンロッド63の接続位置に集中して掛かることから、一定以上の接続強度を確保すべく、ピストンロッド63がピストン62を貫通した状態でナット68を用いて固定されたものである。
【0054】
そして、図2に示すダンパ6は、図3(a)の斜視図に示すように、ピストン62の側面から逆止弁部材652が挿入可能となる逆止弁挿入口69を設けたものであり、当該逆止弁挿入口69から逆止弁部材652を挿入するだけで逆止弁ホール651への逆止弁部材652の設置が可能となるのであり、組立作業が非常に簡便となるものである。
【0055】
又、逆止弁部材652が逆止弁ホール651へ挿入された状態のピストン62をシリンダ61に嵌入すると、前記逆止弁挿入口69はシリンダ61の内壁によって塞がれ、これより、逆止弁部材652の抜け落ちを簡単に防止することができるものである。
【0056】
なお、図2に示すダンパ6においては、ピストンロッド63がピストン62を貫通するために充分なスペースを確保するために、図3(b)の正面図に示すように、逆止弁ホール651の底面形状及び逆止弁部材652の形状として、円の一部を切り取ったような形状のものを採用し、逆止弁ホール651をピストン62側面に極力寄せて設けている。
【実施例】
【0057】
図4は、実施例に係る本発明の昇降収納装置1を示す斜視図であり、内部に備えた回動機構が視認できるように一部透過状態で図示したものである。
【0058】
この図に示す昇降収納装置1は、外側ケーシング2内に収納ケース3が収まり込む構造になっており、使用者が、収納ケース3の前方下部に設けられた取手31を前方に引き出すことにより、当該収納ケース3が外側ケーシング2から前方に飛び出しつつ、使用者の作業位置まで降下してくるように構成したものである。
【0059】
この昇降収納装置1における昇降動作は、外側ケーシング2に固定された基台4に枢着された2本のアーム5(5a、5b)が、それぞれ枢着点51(51a、51b)を中心に回動することにより、アーム5(5a、5b)が一定の範囲で移動ないし作動する回動機構が採用されており、即ち、各アーム5(5a、5b)が回動することにより、当該アーム5(5a、5b)の端部52(52a、52b)に枢着された収納ケース3が昇降する構成となっている。
【0060】
そして、この昇降収納装置1には、その回動動作に付勢力を与えるためのバネ機構7がアーム5bに備えられている。
【0061】
なお、前記バネ機構7は、収納ケース3内の収納物の量(重量)が多い場合などに、収納ケース3が急落することを防ぐと共に収納ケース3を上昇させる際の補助力を与えるために備え付けられるものであるが、レバー72を操作することにより、バネ71による付勢力を有効状態又は無効状態に切り替えることができるように構成されており、前記レバー72を上方向に位置した場合に、収納ケース3の引き下ろし動作に対して付勢力が充分に働く状態(有効状態)にすることができ、一方、前記レバー72を下方向に位置した場合に付勢力が働かない状態(無効状態)にすることができるように構成している。
【0062】
又、本実施例においては、更に、収納ケース3の降下速度に抵抗を与えるためのダンパ6が備えられている。
【0063】
即ち、本実施例においては、収納ケース3の引き出し動作に対して制動力を与える直線運動式のダンパ6が設けられているから、収納ケース3の引き出し動作に対して抵抗が与えられ、収納ケース3の急落を防止することができるのである。
【0064】
なお、本実施例においては、このダンパ6として、図2に示してなるダンパ6を用いており、従って、このダンパ6は、ピストンロッド63が引かれた際にダンパ効果が生じるものである。
【0065】
図5は、実施例に係る本発明の昇降収納装置1の開閉動作を一部透過状態で示す側面図であり、図5(a)は、外側ケーシング2内に収納ケース3が納まりこんだ状態を示す図であり、図5(b)は収納ケース3が外側ケーシング2から引き出された状態を示す図である。
【0066】
図5(a)に示すように、本実施例においては、このダンパ6におけるシリンダ61の一端(ピストンロッド63側に対して反対側の一端)を基台4の底部近辺に枢着すると共にピストンロッド63を、クランク部材8の突出した一端81に枢着することにより、ダンパ6を昇降収納装置1における底部近辺の奥行き方向に沿って略横置きに設置している。
【0067】
なお、前記クランク部材8は、アーム5aに対し略垂直に突出すると共に当該アーム5aの回動に応じて回動するように設けられてなるものである。
【0068】
即ち、本実施例に係る本発明の昇降収納装置1においては、収納ケース3の引き出し動作に対して制動力を与える直線運動式のダンパ6として、ピストンロッド63が引かれた際にダンパ効果が生じるダンパ6を用いているから、引き出された収納ケース3を外側ケーシング2内に収める動作に応じて、ダンパ6におけるピストンロッド63が縮み、これより、収納ケース3が外側ケーシング2内に完全に納まった状態においてダンパ6全体の長さを最短にすることができ、その結果、当該ダンパ6を格納するためのスペースを至極省スペースに設定することが可能になるのである。
【0069】
又、ダンパ6を昇降収納装置1の奥行き方向に沿って略横置きに設置しているから、昇降収納装置1の奥行き方向に沿って生じるデッドスペースを有効に活用できる結果、回動機構をコンパクト化することができ、大幅な収納スペースの確保が可能になるのである。
【0070】
特に、前記デッドスペースは、昇降収納装置1の底部に向かってより大きな領域があり、従って、本実施例においては、昇降収納装置1の底部近辺にダンパ6を設置することにより、より一層回動機構をコンパクト化すると共に大幅な収納スペースを確保することが可能になるのである。
【0071】
そして、昇降収納装置1における収納ケース3を引き出し、図5(a)の状態から図5(b)に示す状態へ向かう引出し動作を行うと、その引出し動作に応じてダンパ6におけるピストンロッド63が引き出されるのであり、この際、ダンパ6としてピストンロッド63が引かれた際にダンパ効果が生じるものを用いているから、収納ケース3の急落が防止されるのである。
【0072】
この際、本実施例においては、アーム5aに対し略垂直に突出すると共に当該アーム5aの回動に応じて回動するクランク部材8を設け、前記クランク部材8の突出した一端81にピストンロッド63の一端を枢着しているから、図5(b)に示すように、アーム5aの回動動作に応じて前記クランク部材8が立ち上がり、ダンパ6におけるピストンロッド63がアーム5aの回動動作を妨げないのである。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】図1は、従来公知の昇降収納装置を示す斜視図である。
【図2】図2は、実施例1において用いられるダンパを示す断面図である。
【図3】図3は、実施例1において用いられるダンパにおける逆止弁部材の挿入を示す斜視図である
【図4】図4は、実施例1に係る本発明の昇降収納装置を示す斜視図である。
【図5】図5は、実施例1に係る本発明の昇降収納装置の作動状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0074】
1 昇降収納装置
2 外側ケーシング
3 収納ケース
4 基台
5 アーム
6 ダンパ
7 バネ機構
8 クランク部材
【出願人】 【識別番号】504343719
【氏名又は名称】有限会社TTK
【出願日】 平成17年10月7日(2005.10.7)
【代理人】 【識別番号】100127764
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 泰州


【公開番号】 特開2007−97969(P2007−97969A)
【公開日】 平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願番号】 特願2005−294246(P2005−294246)