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【発明の名称】 締結金具の構造
【発明者】 【氏名】森本 壮

【要約】 【課題】簡単な構造で時計とバンドまたは一方のバンドと他方のバンドの締結及び解除を容易にすることができ、デザイン性に優れた締結金具の構造を提供することにある。

【解決手段】一端カン足6と他端カン足8は、時計2の端部から向かい合うように突出する一対の板状部6a,6b,8a,8bによってそれぞれ構成されている。一端カン足6にはバンド10の一端10aが取り付けられる。他端カン足8には貫通孔8cが形成されている。バンド10の他端10bにはピボット12が設けられている。ピボット12を押し込み、他端カン足8とバンドの他端10bとを組み付ける。ピボット12の先端が貫通孔8c内に突出係合すると、時計の他端カン足8とバンドの他端10bは締結される。この状態は、ピボット12の先端を押し込んで貫通孔8cから外すことにより解除される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時計とバンドを締結するための締結金具において、
時計は一端カン足にバンドの一端が取り付けられ、向かい合った2つの他端カン足に、バンドの他端の両側壁に設けられ出没自在なピボットが係合する貫通孔が形成され、前記バンドの他端に設けられたピボットは先端が球体をなし、該ピボットが前記他端カン足の貫通孔に着脱自在に係合固定できることを特徴とする締結金具の構造。
【請求項2】
一方のバンドと他方のバンドを締結するための締結金具において、
一方のバンドの先端部に取り付けられ、向かい合った2つの係合板に、他方のバンドの先端部両側壁に設けられ出没自在なピボットが係合する貫通孔が形成され、前記他方のバンドの先端部両側壁に設けられたピボットは先端が球体をなし、該ピボットが前記係合板の貫通孔に着脱自在に係合固定できることを特徴とする締結金具の構造。
【請求項3】
前記時計の他端カン足外壁または一方のバンドの係合板外壁には、貫通孔の外側周囲に、指で前記ピボットを押圧して係合を解除するためのへこみが設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の締結金具の構造。
【請求項4】
前記へこみが、球面状に形成されていることを特徴とする請求項3記載の締結金具の構造。
【請求項5】
前記へこみが、略表示面から裏蓋方向にU字状に形成されていることを特徴とする請求項3記載の締結金具の構造。
【請求項6】
前記へこみが、他端カン足の略先端から基部方向にU字状に形成されていることを特徴とする請求項3記載の締結金具の構造。
【請求項7】
前記へこみが、係合板の先端からバンド長手方向にU字状に形成されていることを特徴とする請求項3記載の締結金具の構造。
【請求項8】
前記バンドの他端または他方のバンドに設けられたピボットが、ボール形又は砲弾形であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の締結金具の構造。
【請求項9】
前記時計の他端カン足の向かい合った内壁または一方のバンドの係合板の向かい合った内壁には、前記貫通孔に向かって前記ピボットを案内する溝が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の締結金具の構造。
【請求項10】
前記溝が、略表示面から裏蓋方向にU字状に形成されていることを特徴とする請求項9記載の締結金具の構造。
【請求項11】
前記溝が、他端カン足の略先端から基部方向にU字状に形成されていることを特徴とする請求項9記載の締結金具の構造。
【請求項12】
前記溝が、係合板の先端からバンド長手方向にU字状に形成されていることを特徴とする請求項9記載の締結金具の構造。
【請求項13】
前記溝が、前記貫通孔から先端に向かって外側に広がる傾斜を持って設けられていることを特徴とする請求項9乃至請求項12のいずれか1つに記載の締結金具の構造。
【請求項14】
前記時計の一端カン足に取り付けられたバンドが、バングルバンドであることを特徴とする請求項1記載の締結金具の構造。
【請求項15】
前記バングルバンドが、2体からなり略中央部でヒンジで連結されていることを特徴とする請求項14記載の締結金具の構造。
【請求項16】
前記時計の両端カン足に取り付けられたバンドが、ハーフバングルバンドで中央に設けた締結金具で締結できることを特徴とする請求項2記載の締結金具の構造。
【請求項17】
一端が前記時計の一端カン足に固定されたバングルバンドが、前記ヒンジを軸として前記他端カン足方向に回転し、前記ピボットが前記他端カン足の貫通孔に係合固定できることを特徴とする請求項1、請求項14または請求項15記載の締結金具の構造。
【請求項18】
前記貫通孔内にプッシュボタンが設けられ、該プッシュボタンが前記貫通孔に係合したピボットに当接し、プッシュボタンを操作することにより前記ピボットを押圧して係合解除することを特徴とする請求項1又は2記載の締結金具の構造。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、時計とバンドの締結及び解除または一方のバンドと他方のバンドの締結及び解除を行うため、時計のカン足とバンドの端部に設けた締結金具の構造またはそれぞれのバンドの先端に設けた締結金具の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
時計とバンドの締結及び解除を行うものとして、図26に示すような従来技術があった。この構造では、基部52aとその一端に回動自在に取り付けられた表板52bとからなる折りたたみ式止金具52を時計50の12時側に設け、バンド54の端部を時計50の6時側に取り付けると共にバンド54の解放された先端部に貫通穴54aを設けている。この構造では、折りたたみ式止金具52の表板52bをバンド54の下面方向から貫通穴54aに挿通し、表板52bを基部52aに嵌合することで、バンド54と時計50を締結するものであった(特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、図26に示す構造では、時計50とバンド54との締結を解除する場合、指の先端又は爪を表板52bに引っ掛けて開かなければならないため、指先を傷めたり、爪を割ったりすることがあった。また、時計50とバンド54を締結する場合、折りたたみ式止金具52の表板52bをバンド54の下面方向から貫通穴54aに挿通し、且つ、表板52bを回転させ基部52aに嵌合させることが必要なため、時計50とバンド54の締結が非常に面倒であった。特に、腕時計においては、この操作を片手で行わなければならないため、誤って時計50を落として、時計50を壊してしまう恐れがあった。また、時計50やバンド54とのデザインの統一や整合を図ることが難しく、デザイン性に劣り、高級感が得られなかった。
【0004】
また、図27に示すように、内蔵するピンによりストラップの端部56を腕時計に取り付ける装置も提案されていた。この装置では、コイルバネ58で内側に付勢されたピン60を内蔵するスリーブ62を円筒形外皮64の両端に圧入固定し、ピン60を斜面66下端で押圧することで外側に押し出す制御部材68を設けている。この制御部材68は、コイルバネ70により常に上方に押し上げられており、コイルバネ70に抗して押し下げると、斜面66に沿ってピン60が内方に移動し、腕時計のカン足72のピン固定穴74からピン60が外れて着脱自在となるものであった(特許文献2参照)。
【0005】
しかしながら、図27に示す装置では、構造が複雑で小型化が難しく、使用できる時計に制約が生じると共に、大きなコストアップになることが予測される。また、時計とバンドの締結及び解除を行う場合、制御部材68を押圧しながら行わなければならず、操作性が非常に悪いものであった。
【特許文献1】実開昭49−124079号公報
【特許文献2】特表2000−505664号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、上記問題点を解決し、簡単な構造で時計とバンドの締結及び解除または一方のバンドと他方のバンドの締結及び解除を容易にすることができ、その上、高級感がありデザイン性に優れた締結金具の構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の締結金具の構造は、時計とバンドを締結するための締結金具において、時計は
一端カン足にバンドの一端が取り付けられ、向かい合った2つの他端カン足に、バンドの他端の両側壁に設けられ出没自在なピボットが係合する貫通孔が形成され、前記バンドの他端に設けられたピボットは先端が球体をなし、該ピボットが前記他端カン足の貫通孔に着脱自在に係合固定できるものである。また、本発明の締結金具の構造は、一方のバンドと他方のバンドを締結するための締結金具において、一方のバンドの先端部に取り付けられ、向かい合った2つの係合板に、他方のバンドの先端部両側壁に設けられ出没自在なピボットが係合する貫通孔が形成され、前記他方のバンドの先端部両側壁に設けられたピボットは先端が球体をなし、該ピボットが前記係合板の貫通孔に着脱自在に係合固定できるものでもある。この締結金具の構造において、前記時計の他端カン足外壁または一方のバンドの係合板外壁には、貫通孔の外側周囲に、指で前記ピボットを押圧して係合を解除するためのへこみが設けられている。また、前記へこみは、球面状に形成されている。また、前記へこみは、略表示面から裏蓋方向にU字状に形成されている。また、前記へこみは、他端カン足の略先端から基部方向にU字状に形成されている。また、前記へこみは、係合板の先端からバンド長手方向にU字状に形成されている。また、この締結金具の構造において、前記バンドの他端または他方のバンドに設けられたピボットは、ボール形又は砲弾形となっている。また、この締結金具の構造において、前記時計の他端カン足の向かい合った内壁または一方のバンドの係合板の向かい合った内壁には、前記貫通孔に向かって前記ピボットを案内する溝が設けられている。また、前記溝は、略表示面から裏蓋方向にU字状に形成されている。また、前記溝は、他端カン足の略先端から基部方向にU字状に形成されている。また、前記溝は、係合板の先端からバンド長手方向にU字状に形成されている。また、前記溝は、前記貫通孔から先端に向かって外側に広がる傾斜を持って設けられている。また、この締結金具の構造において、前記時計の一端カン足に取り付けられたバンドは、バングルバンドとなっている。また、前記バングルバンドは、2体からなり略中央部でヒンジで連結されている。また、この締結金具の構造において、前記時計の両端カン足に取り付けられたバンドは、ハーフバングルバンドで中央に設けた締結金具で締結できるものとなっている。また、この締結金具の構造において、一端が前記時計の一端カン足に固定されたバングルバンドは、前記ヒンジを軸として前記他端カン足方向に回転し、前記ピボットが前記他端カン足の貫通孔に係合固定できるものとなっている。また、前記貫通孔内にはプッシュボタンが設けられ、該プッシュボタンが前記貫通孔に係合したピボットに当接し、プッシュボタンを操作することにより前記ピボットを押圧して係合解除するものとなっている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、基本的に出没自在なピボットを貫通孔に嵌脱するものであり、簡単な構造であるため製造が容易にでき、廉価で作ることができる。また、その締結操作も簡単で、時計とバンドの締結及び解除が容易にでき、時計を落下させることを極めて少なくすることができる。また、簡単な構造であるため、締結金具が壊れることが極めて少なくなり、その結果、耐久性を高めることができる。また、簡単な構造で外観もシンプルに仕上げることができるため、高級感があり、デザイン性の高い締結金具とすることができる。また、簡単な構造で小型化が容易であるため、各種時計等の製品に幅広く使用することができる。また、ピボットと貫通孔との係合を解除するプッシュボタンを設けることにより、操作性を向上させることができ、これにより締結解除操作を更に容易且つ確実にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の締結金具は、時計とバンドを締結又は一対のバンドを締結するものである。時計とバンドを締結する場合、時計の端部から向かい合うように突出する一対の板状部によってそれぞれ構成される一端カン足と他端カン足のうち、一端カン足にバンドの一端を取り付け、他端カン足に貫通孔を形成している。また、バンドの他端の両側壁に出没自在なピボットを設け、球体からなるピボットの先端が他端カン足の貫通孔に着脱自在に係合固
定することで締結する。
【0010】
また、一方のバンドの先端部と他方のバンドの先端部を締結する場合、一方のバンドの先端部に向かい合う一対の係合板を設け、この係合板に貫通孔を形成している。また、他方のバンドの先端部両側壁に出没自在なピボットを設け、球体からなるピボットの先端が係合板の貫通孔に着脱自在に係合固定することで締結する。
【0011】
また、他端カン足側にプッシュボタンを設け、このプッシュボタンで貫通孔に係合しているピボットの先端を押圧するように構成している。
【0012】
上記締結金具では、ピボットの先端を押し込むことで時計の他端カン足とバンドの他端又は一方のバンドの先端部と他方のバンドの先端部とを組み付け、ピボットの先端が貫通孔内に突出して係合することで、時計の他端カン足とバンドの他端又は一方のバンドの先端部と他方のバンドの先端部とを締結している。この締結状態は、ピボットの先端を直接又はプッシュボタンによって押圧して押し込み、ピボットの先端を貫通孔から外すことにより解除する。このように、本発明の締結金具の構造は、簡素で且つ操作し易いものとなっている。
【実施例1】
【0013】
図1及び図2は本発明の実施例1に係る締結金具の構造を示す腕時計の斜視図、図3は図1に示す腕時計の正面図、図4は図1に示す締結金具の構成を示す断面図である。2は時計であって表面側に表示面2a、裏面側に裏蓋2bがあり、そのケース4の6時、12時方向の端部には一端カン足6と他端カン足8がそれぞれ設けられている。この一端カン足6と他端カン足8は、それぞれ後述するバンドの端部幅よりもわずかに広い間隔をもって対向するように突出する一対の板状部6a,6b,8a,8bにより構成されている。この他端カン足8には、その板状部8a,8bの略中央に貫通孔8cがそれぞれ設けられている。尚、一端カン足6の板状部6a,6bにも、バネ棒、ネジ等を取り付けるための孔6cがそれぞれ形成されている。
【0014】
10はリングを2つに分割し、中央部10cにてヒンジのように回動自在に軸着したハーフバングルからなるバンドである。このバンド10の一端10aは、略凸形状をなし、バンド幅方向に設けた貫通孔(図示せず)にバネ棒(図示せず)を通してその先端を一端カン足6の孔6cに嵌入する等の公知の構造により、回動自在に時計2の一端カン足6に取り付けられている。また、このバンド10の解放端となる他端10bには、出没自在なピボット12が設けられている。このピボット12は、他端10bの両側壁から球体をなす先端が出没するように設けられたものであり、本実施例においては図4に示すように、ボール形をなす2つのピボット12と、それらを外方に付勢するバネ14とから構成されている。このピボット12とバネ14は、バンド10の他端10b内に設けられた空洞部10d内に収められており、他端10bの側壁にある開口部10eからピボット12の先端が突出するように設定されている。この開口部10eは、図5に示すように、ボール形のピボット12の直径よりもわずかに小さい径に設定されており、ピボット12が空洞部10dから飛び出すことを防いでいる。この場合、図6に示すように、バンド10の裏面側に空洞部10dの裏面開口部10fを設け、この裏面開口部10fからピボット12とバネ14を空洞部10d内に収納し、板状の蓋10gを裏面開口部10fに嵌め込んで固定するように構成すれば容易に組み立てることができる。また、図7及び図8に示すように、空洞部10dの開口部10eをピボット12及びバネ14よりも径大に設定して、ここからピボット12及びバネ14を空洞部10d内に収め、開口部10eにピボット12よりも径小となる孔10iを有する押え板10hを取り付けてピボット12が飛び出すのを防ぐように構成することもできる。尚、蓋10g、押え板10hは、ネジによる固定、接着、溶着(溶接)、カシメ等により取り付けられている。
【0015】
また、前述した時計2の他端カン足8には、図1及び図9に示すように、その板状部8a,8bの外壁に略表示面から裏蓋方向に断面がU字状をなすへこみ8dが設けられている。このへこみ8dは、貫通孔8cに重なる位置に形成されており、貫通孔8cから突出するピボット12の先端を指先で押圧し易くするために設けられている。
【0016】
また、他端カン足8には、図1及び図9に示すように、その板状部8a,8bの向かい合う内壁に、他端カン足8の先端から略基部に向かって断面がU字状をなす溝8eが設けられている。この溝8eは、貫通孔8cに向かって形成されており、他端カン足8の先端付近から貫通孔8cの方向へピボット12を導いて嵌合し易くするために設けられている。
【0017】
上記構成からなる締結金具の構造においてこの締結金具を締結するには、バンド10の他端10bを時計2の他端カン足8の間に嵌め込む際に、ピボット12を押し込むようにして嵌め込む。このときに、他端10b内に押し込まれたピボット12は、その先端が溝8eにより導かれて他端カン足8の貫通孔8cに達すると貫通孔8c内に突出する。これにより、ピボット12が貫通孔8cに嵌り込んで締結金具が締結する。この状態において、他端カン足8のへこみ8dに指先を入れて2つのピボット12を同時に押圧することにより、ピボット12が貫通孔8cから外れ、他端カン足8からバンド10の他端10bを外して締結を解除することができる。
【実施例2】
【0018】
図10は本発明の実施例2に係る締結金具の構造を示す腕時計の斜視図、図11は図10に示す締結金具の断面図、図12は図10に示す時計2の他端カン足8を示す斜視図である。本実施例における締結金具の構造は、基本的に実施例1と同様の構造からなるものであり、ピボット22の形状とへこみ8fの形状のみが実施例1と異なるものとなっている。即ち、ピボット22は、図10及び図11に示すように、砲弾形に設定されている。このピボット22も実施例1と同様にバネ24によって外方に付勢されている。このピボット22の場合、図13に示すように、ピボット22の空洞部10d内の端部に、空洞部10dの開口部10eよりも径大となる径大部22aを設けることで飛び出すことを防いでいる。尚、このピボット22も、図6乃至図8に示す実施例1と同じ構造によりバンド10の空洞部10dに収めることができる。
【0019】
一方、へこみ8fは、貫通孔8cの周囲に球面状をなすように形成されている。図11に示すように、時計2の他端カン足8の貫通孔8cに嵌入したピボット22は、へこみ8f内に突出する。このため、貫通孔8cの周囲にへこみ8fを設けておけば、指先でピボット22を押圧して締結解除する際に、ピボット22を深く押し込むことができ、操作性を向上させることができる。尚、実施例1におけるへこみ8dも同様の作用、効果を有するものであるが、これに比べてへこみ8fの方がへこみ部分を目立たなくすることができ、デザインに応じてへこみ8d,8fを使い分けることができる。
【0020】
この実施例2においても、バンド10の他端10bを時計2の他端カン足8の間に嵌め込む際に、ピボット22を押し込むようにして嵌め込む。このときにピボット22の先端は、溝8eにより貫通孔8cに導かれ、貫通孔8cに達すると突出してピボット22が貫通孔8cに嵌入し、締結する。また、へこみ8fに指先を入れて2つのピボット22を同時に押圧することにより、ピボット22を貫通孔8cから外して締結を解除することができる。
【実施例3】
【0021】
図14は本発明の実施例3に係る締結金具の構造を示す時計の斜視図、図15は図14
に示す締結金具の断面図、図16は図14に示す締結金具の斜視図である。本実施例における締結金具の構造は、実施例1及び2のように時計2とバンド10を締結するのではなく、バンド20を構成する一方のバンド20Aと他方のバンド20Bを締結するものである。このバンド20A,20Bは、リングを2つに分割したハーフバングルからなるものであり、一方のバンド20Aと他方のバンド20Bのそれぞれの一端部20a,20bが時計32の一端カン足36と他端カン足38にそれぞれバネ棒等の公知の構造により回動自在に取り付けられている。このバンド20A,20Bの解放端となる先端部20c,20dに締結金具が設けられていて、締結並びにその解除を可能としている。
【0022】
一方のバンド20Aの解放端となる先端部20cは、バンド20Bの先端部20dの幅よりもわずかに広い間隔をもって対向するように突出する一対の係合板20g,20hより構成されている。この先端部20cには、その係合板20g,20hの略中央に貫通孔20iがそれぞれ設けられている。
【0023】
また、他方のバンド20Bの解放端となる先端部20dは略凸形状をなし、出没自在なピボット42が設けられている。このピボット42は、先端部20dの両側壁から球体をなす先端が出没するように設けられたものであり、本実施例においては、図15に示すように、砲弾形をなす2つのピボット42と、それらを外方に付勢するバネ44とから構成されている。このピボット42とバネ44は、先端部20d内に設けられた空洞部20e内に収められ、先端部20dの側壁に設けられた開口部20fからピボット42の先端が突出するように設定されている。尚、このピボット42も、図5乃至図8に示す実施例1の構造と同様の構造を用いることにより、ピボット42の飛び出しを防ぐと共に容易に組み立て可能とすることができる。
【0024】
また、前述した先端部20cには、その係合板20g,20hの外壁に先端からバンド長手方向に断面がU字状をなすへこみ20jが設けられている。このへこみ20jは、貫通孔20iに重なる位置に形成されている。
【0025】
また、この先端部20cの係合板20g,20hの向かい合う内壁には、略表示面から裏蓋方向に向かって断面がU字状をなす溝20kが設けられている。
【0026】
上記構成からなる締結金具の構造においてこの締結金具を締結するには、ピボット42を押し込みながら先端部20dを先端部20cの係合部20g,20hの間に表示方向又は裏蓋方向から嵌め込む。このときに先端部20d内に押し込まれたピボット42は、その先端が溝20kにより導かれて貫通孔20iに達し、この貫通孔20i内に突出する。これにより、ピボット42が貫通孔20iに嵌入し、締結する。この状態において、へこみ20jに指先を入れて2つのピボット42を同時に押圧すると、ピボット42が貫通孔20iから外れ、先端部20cから先端部20dを外して締結解除することができる。
【実施例4】
【0027】
図18及び図19は本発明の実施例4に係る締結金具の構造を示す時計の側面図、図20は図18に示す締結金具のA−A断面図、図21は図19に示す締結金具の要部斜視図である。82は時計であり、他の実施例と同様に、そのケース84の6時、12時方向の端部に一端カン足86と他端カン足88がそれぞれ設けられている。この一端カン足86は、前述した実施例と同様の形状又は後述するバンドの端部が適合する凹形状等を有するものであり、バンドの端部が組み込まれるとバネ棒やネジ等の公知の手段によりバンドの端部が回動自在に取り付けられる。一方、他端カン足88は、他の実施例と同様に、後述するバンドの端部幅よりもわずかに広い間隔をもって対向するように突出する一対の板状部88a,88bからなる。この他端カン足88には、その板状部88a,88bの略中央に貫通孔88cがそれぞれ設けられている。この貫通孔88cは、図20に示すように
、外方から内方に向かって3段階に内径が小さくなるように形成されている第1孔部88d、第2孔部88e、第3孔部88fにより構成されている。
【0028】
90は貫通孔88c内に収められるプッシュボタンである。このプッシュボタン90は、外方端の先端部90aが略砲弾形をなし、内方端に後述するバンドのピボットを押圧する押圧部90bを有している。また、プッシュボタン90は、押圧部90b付近の外周に環状に突出する環状突出部90cを備えている。押圧部90bは、貫通孔88cの第3孔部88fの内径よりもわずかに小さい外径を有し、後述するピボットに当接する端面がわずかに凸状をなすように形成されている。環状突出部90cは、貫通孔88cの第2孔部88e内に摺動自在に収められている。先端部90aは、貫通孔88cの第2孔部88eの内径よりも小さい外径を有し、第1孔部88dから外方に突出するように設定されている。
【0029】
92は貫通孔88cの第1孔部88dに嵌め込まれて固定された止め板である。この止め板92は、その中央に孔92aを有するリング状をなしている。この孔92aは、プッシュボタン90の先端部90aの外径よりもわずかに大きく且つ環状突出部90cの外径よりも小さい内径を有し、この孔92aからプッシュボタン90の先端部90aが外方に突出するように設定されている。この止め板92を第1孔部88dに取り付けることにより、プッシュボタン90は、その環状突出部90cが第2孔部88eと第3孔部88fとの間の段部と止め板92に当接することで、貫通孔88c内に摺動自在に閉じ込められることになる。尚、止め板92は、接着、溶着(溶接)、カシメ等により他端カン足88に取り付けられている。
【0030】
100はバンドであり、他の実施例と同様に、リングを2つに分割し、中央部100cにてヒンジのように回動自在に軸着したハーフバングルからなる。このバンド100の一端100aは、他の実施例と同様に、略凸形状をなし、バネ棒、ネジ等の公知の手段により一端カン足86に回動自在に取り付けられている。このバンド100の解放端となる他端100bには、他の実施例と同様に、出没自在なピボット102が設けられている。このピボット102は、他端100bの両側壁から先端が出没するように設けられたものであり、本実施例においては図20に示すように、先端面が曲面をなす略円柱状の先端部102aと、この先端部102aよりも外径が大きく且つ端面方向が開口する凹部102cが設けられた基部102bとからなる。また、この一対のピボット102の間には、凹部102cに端部が嵌め込まれ、ピボット102を外方に付勢するコイルバネ104が設けられている。このピボット102とコイルバネ104は、バンド100の他端100bにそのバンド幅方向を向くように設けられた貫通孔100d内に収められている。この貫通孔100dは、図20中左方にある一方の端部がピボット102の先端部102aに適合する内径に設定されており、中央部がピボット102の基部102bに適合する内径に設定されており、図20中右方にある他方の端部が中央部より径大となるように設定されている。このため、ピボット102とコイルバネ104は、図20中右方から貫通孔100d内に収められ、図20中右方の端部にピボット102の先端部102aに適合する孔を有するリング状の止め板106を取り付けることで、貫通孔100d内に留められている。このように貫通孔100d内に収められたピボット102は、貫通孔100dの図20中左方の端部及び止め板106の孔から先端部102aがそれぞれ突出し、貫通孔100dの中央部と左方の端部との間の段部及び止め板106に基部102bが当接して、ピボット102が貫通孔100dから飛び出すことを防いでいる。尚、止め板106は、接着、溶着(溶接)、カシメ等により他端100bに取り付けられている。
【0031】
また、本実施例における他端カン足88にも、他の実施例と同様に、その板状部88a,88bの向かい合う内壁に、他端カン足88の先端から貫通孔88cに向かって断面がU字形をなす溝88gが設けられている。
【0032】
上記構成からなる締結金具の構造においてこの締結金具を締結するには、バンド100の他端100bを時計82の他端カン足88の間に嵌め込む際に、ピボット102を押し込むようにして嵌め込む。このときに他端100b内に押し込まれたピボット102は、その先端が溝88gにより導かれて他端カン足88の貫通孔88cの第3孔部88fに達するとその第3孔部88f内に突出する。これにより、ピボット102の先端部102aが貫通孔88cの第3孔部88fに嵌り込んで締結金具が締結する。このときに、ピボット102の先端部102aとプッシュボタン90の押圧部90bは接触又は接触可能な状態になる。ここで、プッシュボタン90の先端部90aを押圧して板状部88a,88b内にプッシュボタン90を押し込むと、プッシュボタン90の押圧部90bによりピボット102がバンド100の他端100b内に押し込まれ、ピボット102と第3孔部88fとの係合状態が解除される。これにより締結金具の締結は解除される。
【0033】
上記のように、本実施例においては、他端カン足88側にプッシュボタン90を設け、このプッシュボタン90の操作によってピボット102と第3孔部88fとの係合を解除するように構成しているので、ピボット102のストロークに関係なくプッシュボタン90の突出長やストロークを設定することができ、操作性を向上させることができる。また、係合状態に影響を及ぼすことなくプッシュボタン90の形状等を様々に変更することができるので、時計やバンドに応じてボタン形状を変更することもできる。
【実施例5】
【0034】
図22及び図23は本発明の実施例5に係る締結金具の構造を示す時計の側面図、図24は図22に示す締結金具のB−B断面図、図25は図23に示す締結金具の要部斜視図である。本実施例における締結金具は、実施例4とプッシュボタンの構造が異なるだけで、他の構造に関しては実施例4と同一である。このため、実施例4における締結金具と同一部分には同一の符号が付してある。
【0035】
本実施例におけるプッシュボタン108は、球体を略半分に分断したような外形形状を有する操作部材110と、鋲形状をなす軸体112と、略筒状をなす保持部材114と、から構成されている。操作部材110は、その内側端面の中央に凹部110aを有し、その周囲にリング状の溝110bを有している。また、軸体112は、保持部材114の凹部110aに嵌合される軸部112bと、ピボット102を押圧する径大の押圧部112aを有している。また、保持部材114は、径大の固定部114aと、この固定部114aより径小となる筒部114bと、固定部114の中央に設けられた孔114cを有している。尚、このプッシュボタン108が収められる本実施例の貫通孔88cは、ピボット102に対面する内側孔部88hが径小で、外方にある外側孔部88iが径大となっている。
【0036】
このプッシュボタン108は、軸体112の軸部112bを保持部材114の孔114cに通して筒部114b内に突出させ、この軸部112bを操作部材110の凹部110aに嵌め込んで固定し、このときに筒部114bが操作部材110の溝110bに挿入されることで組み立てられる。保持部材114の孔114cの径は、軸体112の軸部112bよりわずかに大きく押圧部112aより小さく設定されているため、軸部112bの先端が操作部材110の凹部110aに嵌め込まれて固定されると、保持部材114に対して操作部材110と軸体112が摺動するように組み付けられる。
【0037】
このプッシュボタン108は、貫通孔88cの内側孔部88hと外側孔部88iの間にある段部に、保持部材114の固定部114aを接着、溶着(溶接)、カシメ等により固定することにより、板状部88a,88bに取り付けられる。この板状部88a,88bに取り付けられたプッシュボタン108は、その軸体112の押圧部112aが内側孔部
88h内に収まり、保持部材114と操作部材110が外側孔部88i内に収まることになる。
【0038】
上記構成からなる締結金具の構造においてこの締結金具を締結するには、他の実施例と同様に、バンド100の他端100bを時計82の他端カン足88に嵌め込む。このときにピボット102が一旦押し込まれ、その先端が溝88gにより導かれて他端カン足の貫通孔88cの内側孔部88hに達するとその中に突出し、締結金具が締結する。このときに、ピボット102の先端部102aとプッシュボタン108の軸体112の押圧部112aは接触又は接触可能な状態になる。ここで、操作部材110を押圧して、板状部材88a,88b内に押し込むと、この操作部材110と共に軸体112が押し込まれ、その押圧部112aによりピボット102が他端100b内に押し込まれる。これにより、ピボット102と内側孔部88hとの係合状態が解除され、締結金具の締結は解除される。
【0039】
上記本実施例においては、貫通孔88cの内部にある保持部材114を固定することでプッシュボタン108を板状部88a,88bに取り付けているので、プッシュボタン108の周囲に固定するための部品が見えず、外観をシンプルに整えることができる。
【0040】
尚、上記実施例1及び2において、そのへこみ8d,8fを実施例3におけるへこみ20jのように先端からバンド長手方向に向かって形成することは可能であり、また、実施例3におけるへこみ20jを実施例1及び2におけるへこみ8d,8fのように略表示面から裏蓋方向又は貫通孔周囲に形成することも可能である。
【0041】
また、実施例1及び2における溝8eを実施例3における溝20kのように略表示面から裏蓋方向に形成することは可能であり、また、実施例3における溝20kを実施例1及び2における溝8eのように略先端から基部の方向に形成することも可能である。更に、ピボットを導き易くするため、溝8e,20kを、貫通孔8c,20iから先端に向かって外側に広がる傾斜を持つように形成してもよい。
【0042】
また、上記実施例1乃至3において、ピボット12,22,42が嵌入する貫通孔8c,20iを、バンド長手方向に複数設けて、ピボット12,22,42を取り付ける位置を選ぶことにより、バンド10,20の長さを調節可能とすることができる。例えば、図17に示すように、バンド20Aの先端部20cにおける係合板20g,20hに、それぞれ貫通孔20m,20n,20pをバンド長手方向に並べて形成し、これにバンド20Bの先端部20dに設けられたピボット42を嵌入する。ここでピボット42を貫通孔20mに嵌入すればバンド20を最も長くすることができ、貫通孔20pに嵌入すれば最も短くすることができる。
【0043】
また、実施例1乃至5において、ハーフバングルからなるバンドを用いているが、本発明の締結金具を使用することができるバンドは、バングル又はハーフバングルに限らず、各種バンドに使用することができる。
【0044】
また、実施例4,5におけるプッシュボタン90,108に関する構造は、そのまま実施例3に示すようなバンドを連結する締結金具に用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の締結金具の構造は、実施例に示すように時計とバンドまたは一方のバンドと他方のバンドを締結するために使用するだけでなく、ブレスレット等の装身具にも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施例1に係る締結金具の構造を示す腕時計の斜視図である。
【図2】本発明の実施例1に係る締結金具の構造を示す腕時計の斜視図である。
【図3】図1に示す腕時計の正面図である。
【図4】図1に示す締結金具の断面図である。
【図5】図4等に示すピボット周囲の拡大断面図である。
【図6】図4等に示すバンドの先端部の一構造を示す斜視図である。
【図7】図4等に示すバンドの先端部の他の構造を示す断面図である。
【図8】図7に示すバンドの先端部の斜視図である。
【図9】図1に示す他端カン足を示す拡大斜視図である。
【図10】本発明の実施例2に係る締結金具の構造を示す腕時計の斜視図である。
【図11】図10に示す締結金具の断面図である。
【図12】図10に示す他端カン足を示す拡大斜視図である。
【図13】図11等に示すピボット周囲の拡大断面図である。
【図14】本発明の実施例3に係る締結金具の構造を示す腕時計の斜視図である。
【図15】図14に示す締結金具の断面図である。
【図16】図14に示すバンドの先端部を示す斜視図である。
【図17】図14等に示す締結金具の一部変更例を示す斜視図である。
【図18】本発明の実施例4に係る締結金具の構造を示す時計の側面図である。
【図19】本発明の実施例4に係る締結金具の構造を示す時計の側面図である。
【図20】図18に示す締結金具のA−A断面図である。
【図21】図19に示す締結金具の要部斜視図である。
【図22】本発明の実施例5に係る締結金具の構造を示す時計の側面図である。
【図23】本発明の実施例5に係る締結金具の構造を示す時計の側面図である。
【図24】図22に示す締結金具のB−B断面図である。
【図25】図23に示す締結金具の要部斜視図である。
【図26】従来の時計とバンドの締結構造を示す斜視図である。
【図27】従来の時計とバンドの締結構造を示す要部断面図である。
【符号の説明】
【0047】
2,32,82 時計
2a 表示面
2b 裏蓋
4,84 ケース
6,36,86 一端カン足
6a,6b 板状部
6c 孔
8,38,88 他端カン足
8a,8b,88a,88b 板状部
8c,88c 貫通孔
8d,8f へこみ
8e,88g 溝
10,20,100 バンド
10a,100a 一端
10b,100b 他端
10c,100c 中央部
10d 空洞部
10e 開口部
10f 裏面開口部
10g 蓋
10h 押え板
10i 孔
12,22,42,102 ピボット
14,24,44,104 バネ
20A,20B バンド
20a,20b 一端部
20c,20d 先端部
20e 空洞部
20f 開口部
20g,20h 係合板
20i,20m,20n,20p 貫通孔
20j へこみ
20k 溝
22a 径大部
50 時計
52 折りたたみ式止金具
52a 基部
52b 表板
54 バンド
54a 貫通穴
56 端部
58 コイルバネ
60 ピン
62 スリーブ
64 円筒形外皮
66 斜面
68 制御部材
70 コイルバネ
72 カン足
74 ピン固定穴
88d 第1孔部
88e 第2孔部
88f 第3孔部
88i 外側孔部
88h 内側孔部
90 プッシュボタン
90a 先端部
90b 押圧部
90c 環状突出部
92 止め板
92a 孔
102a 先端部
102b 基部
102c 凹部
106 止め板
108 プッシュボタン
110 操作部材
110a 凹部
110b 溝
112 軸体
112a 押圧部
112b 軸部
114 保持部材
114a 固定部
114b 筒部
114c 孔
【出願人】 【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
【出願日】 平成17年11月28日(2005.11.28)
【代理人】
【公開番号】 特開2007−90033(P2007−90033A)
【公開日】 平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願番号】 特願2005−341713(P2005−341713)