| 【発明の名称】 |
スクアレン加工食品 |
| 【発明者】 |
【氏名】上原 市之介
|
| 【要約】 |
【課題】深海鮫の種類や生息地域によりその肝油中のスクアレンの有効成分の含有率のバラツキを調整し、コエンザイムQ10、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)のいずれにおいても、十分な含有率を有し、品質の高いスクアレンを提供することを課題とする。
【解決手段】コエンザイムQ10を高含有することを特徴とするスクアレン加工食品とするものであり、スクアレンの含有率が20〜50%の含有率が低い深海鮫の肝油と、スクアレンの含有率が50〜80%の含有率の高い深海鮫の肝油とを混合したスクアレン加工食品とするものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 コエンザイムQ10を高含有することを特徴とするスクアレン加工食品。 【請求項2】 前記のコエンザイムQ10が0.01%〜10%含有することを特徴とする請求項1に記載のスクアレン加工食品。 【請求項3】 水深が200m〜700mの比較的浅い海域に生息する深海鮫の肝油と、水深が700m〜1400mの深い海域に生息する深海鮫の肝油とが混合されていることを特徴とするスクアレン加工食品。 【請求項4】 スクアレンの含有率が20〜50%の含有率が低い深海鮫の肝油と、スクアレンの含有率が50〜80%の含有率の高い深海鮫の肝油とが混合されていることを特徴とするスクアレン加工食品。 【請求項5】 EPA(エイコサペンタエン酸)の含有率の高い深海鮫の肝油と、コエンザイムQ10の含有率の高い深海鮫の肝油とが混合されていることを特徴とするスクアレン加工食品。 【請求項6】 DHA(ドコサヘキサエン酸)の含有率の高い深海鮫の肝油と、コエンザイムQ10の含有率の高い深海鮫の肝油とが混合されていることを特徴とするスクアレン加工食品。 【請求項7】 前記の深海鮫がアイ鮫であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかの項に記載のスクアレン加工食品。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、コエンザイムQ10を高度に含有するスクアレン加工食品に関し、同時にEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)の含有率を高めることのできるスクアレン加工食品に関する。 【背景技術】 【0002】 コエンザイムQ−10(以下CoQ−10、別名:ユビキノン、2,3−dimethoxy−5−methy−6−ulti−preny1−1,4−benzoquinone.)は、1957年に米国Craneらによって牛心臓ミトコンドリアから単離され、1958年にFolkersらによって化学構造が決定された補酵素であり、分子量が863で6位に10個のイソプレノイド側鎖をもつ。 【0003】 また、脂溶性物質として生体内の心臓、腎臓、肝臓、すい臓等のミトコンドリア内に多く存在する。 【0004】 自然界では、動植物から微生物まで幅広く含まれる物質であるが、その量は極めて微量である。 【0005】 また、CoQ−10は、細ビタミン様の機能からビタミンQとも呼ばれている。 【0006】 国内では、医薬品として25年以上販売され、1980年代初期には600万人がCoQ−10の投与を受けており、これまで重篤ば副作用の報告はなく、安全性が高いことも大きな特徴の一つである。 【0007】 また、海外ではイタリアでも医薬品として認証されたが、欧米では広く栄養補助食品として使われている。 【0008】 米国では、医薬品だけでなく栄養補助食品として10年を越える実績があり、10%前後の市場の伸びを示し、スペシャリティーサプリメントのカテゴリーでトップ5に入る人気商品である。 【0009】 また、CoQ−10は、日本において医薬品として25年以上、欧米において栄養補助食品として10年以上販売されており、その間特に副作用は報告されておらず、高い安全性が認められている。 【0010】 例えば、鐘淵化学工業では、自社品に関し、1998年に世界屈指の安全評価施設コーバンス ラボラトリーズ〈旧へーゼルトン〉においてラット1年間慢性毒性試験を実施し、ラット・体重当たり1.2gという高い技量においても、毒性所見は認められず、高い安全性を確認している。 【0011】 化学的な性状は、黄色〜橙色の血色粉末で、臭いや味は無い。 【0012】 脂溶性で水にはほとんど溶けない。 【0013】 融点は48℃で条件にもよるが、光およびアルカリに不安定で、熱に対しても不安定となることがあり、使用および保管などの際に注意が必要な場合がある。 【0014】 食品として我国より先に流通している米国ではソフトカプセルの製品形態が多い。 【0015】 原料が比較的高価なことから、少ない摂取量でより有効性を高めるため、体内吸収率を高めた形態として可溶化タイプのソフトカプセル製品も市販され、乾燥製剤(錠剤・ハードカプセル)と比較して、体内吸収率、血中濃度、発生エネルギー量において、より高い優位性がある。 【0016】 カプセル受託メーカーである三生医薬(本社:静岡県清水市)は、CoQ−10の「可溶化カプセル」の技術を完成している。 【0017】 親油性のCoQ−10粉末を、独自の技術により食用油に安全に融解させた液体製剤(ソフトカプセル)である。 【0018】 また、人体への作用は、エネルギー産生賦活と、抗酸化作用の大きく2つが挙げられる。 【0019】 「エネルギー産生賦活作用」に関してCoQ−10は、細胞のエネルギーを産生するミトコンドリア中の電子伝達系に関与し、エネルギーを生成するのに必要な必須成分である。 【0020】 疲労や加齢により、減少したCoQ−10を外から与えることで、電子伝達系が効率よく作動しエネルギーが作られるようになる。 【0021】 「抗酸化作用」に関しては、酸化されたビタミンEラジカルを還元し、ビタミンEに戻す作用が明らかになってきている。 【0022】 CoQ−10が減少すると、ビタミンEラジカルが他の脂質から水素を抜き取り、脂質ラジカルを生成し、ビタミンEが脂質の酸化反応を抑制できず、むしろ加速することになる。 【0023】 ビタミンEが、その抗酸化能を最大限発揮するのは、還元型CoQ−10のような還元剤が不可欠である。 【0024】 現在、動脈硬化に深い関連があるリポ蛋白(LDL)において、CoQ−10の有効性がわかりつつある。 【0025】 CoQ−10は、体内で生合成されているが、年齢を重ねることによって、年々製造する量が減少していくことが確認されている。 【0026】 このため高齢になるに従って、適度に補給することが必要となる。 【0027】 また、一方、若い人の場合にも、マラソンや過度の運動時に指摘されるような酸化ストレス障害、例えば最大酵素摂取量に至る過激な有酸素蓮動を受けると、人の血清中の還元型CoQ−10値は低下するので、このような時にあらかじめ外来的にCoQ−10を補給して生体の抗酸化能をあげておくことは大切である。 【0028】 CoQ−10の臨床研究結果は数多く発表されている。 【0029】 主な研究に、心臓疾患の治療、筋ジストロフィーの治療、歯肉疾患、歯周病の改善、乳がん、パーキンソン病の予防などとの関連性が示唆され、心臓のバイパス手術後の作用に関しても報告がある。 【0030】 海外では、カプセル・錠剤以外に、スポーツ飲料やコーヒー飲料として使用され、また、化粧品として、加齢に伴う皮膚のシワ取り効果などでも二一ズが高い。 【0031】 歯肉炎や歯周病の予防のための歯磨き粉などに加えられている商品もある。 【0032】 一方、スクアレンは、日本からフィリッピン沖に連なる目本海溝の水深300m〜1,000mを越す深海に生息する、深海鮫の肝臓の油(スクアレン)を蒸留・精製したオイルのことである。 【0033】 深海で生息する深海鮫は高水圧・低酸素・光の届かない厳しい環境の中でも活動できるのは、環境に耐えうる強い生命力を持っており、その生命力を支えるのが全体重の25%を占める肝臓に含まれる肝油にあるといわれている。 【0034】 スクアレンが減少すると、細胞に充分に酸素を供給できなくなり、細胞の老化が進み、その老化を食い止め、みずみずしい素肌をいつまでも保つために、スクアレンが有効と言われている。 【0035】 また、EPA(エイコサペンタエン酸)は、陸上動物や植物油には存在しない物質である。 【0036】 魚の油には、動脈硬化を起こしやすい脂、飽和脂肪酸ではなく、「EPA・DHA」のような高度不飽和脂肪酸(血中コレステロールの分解を促す働き)があり、血栓や動脈硬化を防ぎ血中コレステロールを減らす役目がある。 【0037】 また、DHA(ドコサヘキサエン酸)は、ドコサヘキサエン酸と言う不飽和脂肪酸である。 【0038】 脳の働きが良くなると言われ、世界で注目されている物質であり、脳の脂肪の10%はDHAで脳細胞の要である。 【0039】 コエンザイムQ10は、タバコなどの植物由来のコエンザイムを単離してその側鎖長を合成法により調整する等によって工業的に生産されている。 【0040】 また、特開平12−228987号公報、特開平13−061478号公報、特開平14−191367号公報では、微生物を培養してその菌体より抽出する方法が開示されている。 【特許文献1】特開平12−228987号公報 【特許文献2】特開平13−061478号公報 【特許文献3】特開平14−191367号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0041】 しかしながら、このようなコエンザイムQ10がスクアレンに含有されていることは、ほとんど知られておらず、また、そのような報告例は見当たらない。 【0042】 本発明者は、スクアレンの分析において、高いエネルギーに着目し、コエンザイムQ10の含有率が高いことを予見し、各種の深海鮫の肝油について、コエンザイムQ10の含有量を調査した結果、沖縄近海産のアイ鮫の肝油からなるスクアレンには、他の地域の通常の深海鮫の肝油からなるスクアレンよりも高いコエンザイムQ10含有率が確認された。 【0043】 また、逆にコエンザイムQ10の含有率の高いスクアレンには、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)の含有率が低いことが確認された。 【0044】 さらに、肝油中のスクアレンの含有率が少ないものは、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)の含有率が高いことが確認された。 【0045】 本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、深海鮫の種類や生息地域によりその肝油中のスクアレンの有効成分の含有率のバラツキを調整し、コエンザイムQ10、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)のいずれにおいても、十分な含有率を有し、品質の高いスクアレンを提供することを課題とする。 【課題を解決するための手段】 【0046】 上記の問題点を解決するために、本発明の請求項1では、本発明の請求項1では、コエンザイムQ10を高含有することを特徴とするスクアレン加工食品とするものである。 【0047】 本発明の請求項2では、前記のコエンザイムQ10が0.01%〜10%含有することを特徴とするスクアレン加工食品とするものである。 【0048】 本発明の請求項3では、水深が500m〜700mの比較的浅い海域に生息する深海鮫の肝油と、水深が700m〜1400mの深い海域に生息する深海鮫の肝油とが混合されていることを特徴とするスクアレン加工食品とするものである。 【0049】 本発明の請求項4では、スクアレンの含有率が20〜50%の含有率が低い深海鮫の肝油と、スクアレンの含有率が50〜80%の含有率の高い深海鮫の肝油とが混合されていることを特徴とするスクアレン加工食品とするものである。 【0050】 本発明の請求項5では、EPA(エイコサペンタエン酸)の含有率の高い深海鮫の肝油と、コエンザイムQ10の含有率の高い深海鮫の肝油とが混合されていることを特徴とするスクアレン加工食品とするものである。 【0051】 本発明の請求項6では、DHA(ドコサヘキサエン酸)の含有率の高い深海鮫の肝油と、コエンザイムQ10の含有率の高い深海鮫の肝油とが混合されていることを特徴とするスクアレン加工食品とするものである。 【0052】 本発明の請求項7では、前記の深海鮫がアイ鮫であることを特徴とするスクアレン加工食品とするものである。 【発明の効果】 【0053】 本発明によれば以下の効果を奏する。 【0054】 1)コエンザイムQ10の効能を発揮できるスクアレン加工食品を提供できる。 【0055】 2)コエンザイムQ10の含有率を高めたスクアレン加工食品を提供できる。 【0056】 3)EPA(エイコサペンタエン酸)の含有率を高めたスクアレン加工食品を提供できる。 【0057】 4)DHA(ドコサヘキサエン酸)の含有率を高めたスクアレン加工食品を提供できる。 【0058】 5)コエンザイムQ10とEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)のいずれの成分も十分に含有するスクアレン加工食品を提供できる。 【0059】 6)コエンザイムQ10と、EPA(エイコサペンタエン酸)と、DHA(ドコサヘキサエン酸)との含有率を調整したスクアレン加工食品を提供できる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0060】 本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。 【0061】 図1は、本発明によるコエンザイムQ10、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)のいずれの成分も十分に含有するスクアレン加工食品の製造工程を示すフロー図である。 【0062】 以下にその手順を説明する。 【0063】 S−1)深海鮫の肝臓採取 沖縄県近海で捕れたアイ鮫(深海鮫)の肝臓を取り出す。 【0064】 S−2)破砕処理 取り出した肝臓を破砕装置で細かく破砕する。 【0065】 S−3)分離処理 破砕した肝臓を1〜4日間静置して、油分と固形分とを分離させ、肝分のみを取り出し、肝油を得る。 【0066】 S−4)精製処理 分離した肝油をろ過して細かな固形分を除去し、精製する。 【0067】 S−5)成分測定 精製した肝油の一部を用いて成分分析を行う。 【0068】 分析する成分としては、1)スクアレン2)コエンザイムQ103)EPA(エイコサペンタエン酸)4)DHA(ドコサヘキサエン酸)とした。 【0069】 S−6)高含有成分肝油 成分分析により、コエンザイムQ10の含有率が高い(0.01%以上)肝油を仕分けする。 【0070】 スクアレンの含有率が高い(50%以上)もの、EPA(エイコサペンタエン酸)の含有率が低い(0.1%未満)もの、あるいは、DHA(ドコサヘキサエン酸)の含有率が低い(1%未満)ものが該当する。 【0071】 S−7)低含有成分肝油 成分分析により、コエンザイムQ10の含有率が低い(0.01%未満)肝油を仕分けする。 【0072】 スクアレンの含有率が低い(50%未満)もの、EPA(エイコサペンタエン酸)の含有率が高い(0.1%以上)もの、あるいは、DHA(ドコサヘキサエン酸)の含有率が高い(1%以上)ものが該当する。 【0073】 S−8)混合処理 上記の高含有成分肝油、すなわち、コエンザイムQ10の含有率の高い肝油と、低含有成分肝油、すなわち、EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)の含有率が高い肝油とを混合することで、互いの有効量を補うことで品質の高い肝油となる。 【0074】 S−9)充填処理 混合した肝油をカプセルに充填する。 【0075】 カプセルはハードカプセル、ソフトカプセルでも良い。 【0076】 S−10)スクアレン加工食品 カプセル入りのコエンザイムQ10とEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)の有効量がバランスよく含有する高品質なスクアレン加工食品となる。 【0077】 尚、上記の混合処理において、別途コエンザイムQ10やEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)などを添加しても良く、その場合には混合助剤などを混合しても良い。 【0078】 本発明は、熱や光に弱いコエンザイムQ10を高含有させるため、その製造工程において熱処理はまったく行っていない。 【0079】 また、市販のコエンザイムQ10は、難溶解性、高凝固性であるため、添加は十分な配慮が必要であり、添加量は期待できない。 【0080】 乳化剤などの混合は好ましくない。 【0081】 また、上記の成分測定は、4成分のすべてを測定する必要は無く、いずれか1成分の測定でも良い。 【0082】 また、採取された深海鮫の生息水深が特定できる場合には、成分測定工程を省略でき、水深200m〜700mで比較的浅い海域に生息する深海鮫は、スクアレンの含有率は低いので、低含有成分肝油に仕分けし、水深が700m〜1400mで比較的深い海域に生息する深海鮫は、スクアレンの含有率が高いので高含有成分肝油に仕分けすることができる。 【図面の簡単な説明】 【0083】 【図1】本発明によるコエンザイムQ10、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)のいずれの成分も十分に含有するスクアレン加工食品の製造工程を示すフロー図である。 【符号の説明】 【0084】 S−1 深海鮫肝臓採取 S−2 破砕処理 S−3 分離処理 S−4 精製処理 S−5 成分測定 S−6 高含有成分肝油 S−7 低含有成分肝油 S−8 混合処理 S−9 充填処理 S−10 スクアレン加工食品
|
| 【出願人】 |
【識別番号】302012615 【氏名又は名称】日本サメの会物産株式会社
|
| 【出願日】 |
平成17年12月31日(2005.12.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100138726 【弁理士】 【氏名又は名称】島袋 勝也
|
| 【公開番号】 |
特開2007−181408(P2007−181408A) |
| 【公開日】 |
平成19年7月19日(2007.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2005−380707(P2005−380707) |
|