| 【発明の名称】 |
草食家畜の食欲を促進させる匂い混合物及び草食家畜の食欲促進方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】嶝野 英子
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| 【要約】 |
【課題】食い止まりが起こった場合などに、草食家畜の食欲を促進させることのできる匂い混合物とこれを用いた草食家畜の食欲促進方法とを提供することを目的とするものである。
【解決手段】ベンズアルデヒド、リナロール、グアヤコール、フェネチルアルコール、4−エチルグアヤコール、4−アリルグアヤコール、クマリン、バニリン及びアセトバニロンのうちの少なくとも1種類を有効成分とする、草食家畜の食欲を促進させる匂い混合物;並びに前記匂い混合物を滲み込ませた資材を貼着させた飼槽を用いることを特徴とする、草食家畜の食欲促進方法;である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ベンズアルデヒド、リナロール、グアヤコール、フェネチルアルコール、4−エチルグアヤコール、4−アリルグアヤコール、クマリン、バニリン及びアセトバニロンのうちの少なくとも1種類を有効成分とする、草食家畜の食欲を促進させる匂い混合物。 【請求項2】 ベンズアルデヒド、リナロール、グアヤコール、フェネチルアルコール、4−エチルグアヤコール、4−アリルグアヤコール、クマリン、バニリン及びアセトバニロンのうちの少なくとも1種類を有効成分とする、草食家畜の食欲を促進させる匂い混合物をしみ込ませた資材を貼着させた飼槽を用いることを特徴とする、草食家畜の食欲促進方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、草食家畜の食欲を促進させる匂い混合物及び草食家畜の食欲促進方法に関するものである。 【背景技術】 【0002】 泌乳最盛期の乳牛や肥育後期の肥育牛において、しばしば食い止まりが認められ、泌乳成績や産肉成績に悪影響を及ぼしている。また、離乳期における子牛においても固形飼料への円滑な移行が行われず、その後の子牛の発達を遅らせる場合がある。 【0003】 これらの問題解決には、家畜の採食を促進させる物質等の飼料への添加、もしくはそれら物質を含む飼料の給与が有効であると考えられている。 【0004】 例えば、ペレニアルライグラスのメタノール抽出液が家畜の採食を促進させることが報告されている(非特許文献1参照)。 また、飼料の嗜好性を向上させる添加物質として、ヘキサノールまたはヘキサナールが有効であることが報告されている(特許文献1参照)。 【0005】 このように、ペレニアルライグラスのメタノール抽出液が家畜の採食を促進させることが報告されているが、採食を促進させる成分の同定までは至っていない。 また、ヘキサノールまたはヘキサナールのような単独の物質を飼料に直接添加することによる採食促進効果は示されているが、数種の匂い成分を混合して、家畜の嗜好性を向上させる匂い添加剤を作成したという報告はない。さらに、これまでの採食促進技術は飼料添加剤としての技術しか報告がない。 【0006】 【特許文献1】特開平7−313067号公報 【非特許文献1】J. Chemical Ecology, 22, 425-429, 1996 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 本発明は、実際に嗜好性が高いサイレージの匂い成分を分析し、その分析を基に数種類の匂い成分の混合物を得、この匂い混合物により家畜の採食を促進させる飼養技術を開発することを目的とするものである。 即ち、本発明は、食い止まりが起こった場合などに、草食家畜の食欲を促進させることのできる匂い混合物とこれを用いた草食家畜の食欲促進方法とを提供することを目的とするものである。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明者は、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた。その過程で、フェストロリウムから調製したサイレージが特有香気を持ち、家畜の嗜好性が高いことに着目し、家畜の嗜好性の良いフェストロリウムから、採食促進に関わる香気成分を抽出・同定し、それを基に家畜の採食を促進させる香気混合液を合成し、その匂い混合液を用いて家畜の採食を促進させる、サイレージに類似する匂い混合物(サイレージ様匂い混合液)を完成するに至った。また、その匂いの提示方法として、サイレージ様匂い混合液を直接飼料に添加するのではなく、サイレージ様匂い混合液を染み込ませた資材を飼槽に貼る方法で家畜の飼料の採食を促進させる技術を開発した。 【0009】 即ち、請求項1に係る本発明は、ベンズアルデヒド、リナロール、グアヤコール、フェネチルアルコール、4−エチルグアヤコール、4−アリルグアヤコール、クマリン、バニリン及びアセトバニロンのうちの少なくとも1種類を有効成分とする、草食家畜の食欲を促進させる匂い混合物を提供するものである。 請求項2に係る本発明は、ベンズアルデヒド、リナロール、グアヤコール、フェネチルアルコール、4−エチルグアヤコール、4−アリルグアヤコール、クマリン、バニリン及びアセトバニロンのうちの少なくとも1種類を有効成分とする、草食家畜の食欲を促進させる匂い混合物をしみ込ませた資材を貼着させた飼槽を用いることを特徴とする、草食家畜の食欲促進方法を提供するものである。 【発明の効果】 【0010】 本発明によれば、泌乳最盛期の乳牛や肥育後期の肥育牛における食い止まりが起こった場合や、離乳期の子牛において固形飼料への円滑な移行が行われない場合のそれら家畜の飼料採食を促進させることが可能となる。 さらに、本発明では、匂い混合液をしみ込ませた資材を飼槽に貼る方法を用いるため、簡便で、しかも給与飼料に無添加な状態で家畜の飼料採食を促進させることが可能となる。従って、安全性も高い。 【発明を実施するための最良の形態】 【0011】 以下、本発明を詳しく説明する。 請求項1に係る本発明は、ベンズアルデヒド、リナロール、グアヤコール、フェネチルアルコール、4−エチルグアヤコール、4−アリルグアヤコール、クマリン、バニリン及びアセトバニロンのうちの少なくとも1種類を有効成分とする、草食家畜の食欲を促進させる匂い混合物である。 ここで草食家畜としては、例えば牛、羊、馬等を挙げることができる。 【0012】 請求項1に係る本発明の草食家畜の食欲を促進させる匂い混合物は、ベンズアルデヒド(Benzaldehyde)、リナロール(Linalool)、グアヤコール(Guaiacol)、フェネチルアルコール(Phenetyl alcohol)、4−エチルグアヤコール(4-ethyl guaiacol)、4−アリルグアヤコール(4-allyl guaiacol)、クマリン(Coumarin)、バニリン(Vanillin)及びアセトバニロン(Acetovanillon)のうちの少なくとも1種類を有効成分とするものである。 請求項1に係る本発明の草食家畜の食欲を促進させる匂い混合物において、上記成分のうちの少なくとも1種類が0.4ppm以上の濃度で含まれていることが必要であり、特に0.4〜200ppmの濃度で含まれていることが好ましい。 なお、請求項1に係る本発明の草食家畜の食欲を促進させる匂い混合物には、上記した成分以外のものが、本発明の特色を妨げない範囲において含まれていてもよい。 【0013】 請求項1に係る本発明の草食家畜の食欲を促進させる匂い混合物は、通常、水等に溶解させた匂い混合液として用いられる。 このような匂い混合液は、嗜好性の高いサイレージに類似するものとなるので、以下、サイレージ様匂い混合液と称することがある。 サイレージ様匂い混合液の組成例(水100mlあたりの含有量mg)を表1に示す。 【0014】 【表1】
【0015】 請求項2に係る本発明は、草食家畜の食欲促進方法に関し、ベンズアルデヒド、リナロール、グアヤコール、フェネチルアルコール、4−エチルグアヤコール、4−アリルグアヤコール、クマリン、バニリン及びアセトバニロンのうちの少なくとも1種類を有効成分とする、草食家畜の食欲を促進させる匂い混合物をしみ込ませた資材を貼着させた飼槽を用いることを特徴とするものである。 ここでベンズアルデヒド、リナロール、グアヤコール、フェネチルアルコール、4−エチルグアヤコール、4−アリルグアヤコール、クマリン、バニリン及びアセトバニロンのうちの少なくとも1種類を有効成分とする、草食家畜の食欲を促進させる匂い混合物は、請求項1に係る本発明において説明したとおりである。 請求項2に係る本発明においては、ベンズアルデヒド、リナロール、グアヤコール、フェネチルアルコール、4−エチルグアヤコール、4−アリルグアヤコール、クマリン、バニリン及びアセトバニロンのうちの少なくとも1種類を有効成分とする、草食家畜の食欲を促進させる匂い混合物を、水に溶解させて匂い混合液とし、これを紙、スポンジなどの吸水性のある資材にしみ込ませて飼槽に貼るなどして使用する。 匂い混合液を紙、スポンジなどの吸水性のある資材に含浸させる割合については特に限定されない。 このような飼槽に例えば乾草を入れるだけで、家畜の飼料採食を促進させることができ、また、添加によるものではないため安全性にも優れる。 【実施例】 【0016】 以下、本発明を実施例等により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 【0017】 実施例1 前記表1に示すサイレージ様匂い混合液1、2を用い、次のようにして嗜好性試験を行った。 即ち、嗜好性試験は、去勢めん羊8頭を用いた2頭×4試行のカフェテリア法により行った。パドックに設置した3つのコンテナの内壁に、蒸留水とサイレージ様匂い混合液(1及び2)とをしみ込ませた紙をそれぞれ貼り、そこに同じ乾草を入れて10分間の採食量を測定した。試験は1日1回、3日間連続行った。結果を図1に示す。なお、図1では、各試験日に有意差(p<0.05)が見られるプロットを異符号(aに対してb)で表記した。 【0018】 その結果、図1に示すように、サイレージ様匂い混合液1及び2ともに、試験1日目では蒸留水と差が見られなかったが、試験2、3日目においては蒸留水と比較して有意に嗜好性が高くなった。 【産業上の利用可能性】 【0019】 本発明は、畜産分野において泌乳最盛期の乳牛や肥育後期の肥育牛における食い止まりが起こった場合や、離乳期の子牛において固形飼料への円滑な移行が行われない場合の、それら家畜の飼料採食を促進させる場面において、簡易に利用することができる。また、匂い混合液を給与飼料に無添加な状態で提示し、家畜の採食を促進させるため、「飼料の安全・安心」という消費者ニーズにも応えることができる。 【図面の簡単な説明】 【0020】 【図1】実施例1における嗜好性試験の結果を示すグラフである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】501203344 【氏名又は名称】独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
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| 【出願日】 |
平成18年6月9日(2006.6.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100086221 【弁理士】 【氏名又は名称】矢野 裕也
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| 【公開番号】 |
特開2007−325561(P2007−325561A) |
| 【公開日】 |
平成19年12月20日(2007.12.20) |
| 【出願番号】 |
特願2006−160959(P2006−160959) |
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