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【発明の名称】 コンパニオン動物のグルコース代謝、飽満、及び栄養吸収を改善する方法
【発明者】 【氏名】サンヴォルド,グレゴリー・ディー

【氏名】ヘイェック,マイケル・ジー

【要約】 【課題】動物の胃腸管(GIT)、大リンパ系臓器の機能及び組織を変え、そしてグルコース代謝、飽満及び栄養分の吸収を改善する食餌を動物に与える方法。

【解決手段】この方法は例えば、犬や猫のようなコンパニオン動物に糞バクテリアによって24時間発酵させた場合、15〜60%の有機物消滅を持っている発酵性繊維であって、この発酵性繊維が補足の総食物繊維の約1〜11重量%の量で存在する発酵性繊維を含有するペットフード組成物の食餌を与えることを含む。この動物は上記発酵性繊維が動物のGIT内で発酵するのに十分な時間、上記食餌を与えられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
糞バクテリアによって24時間発酵させた場合、15〜60%の有機物消滅を有し、補足の総食物繊維の約1〜11重量%の量で存在し、そしてビートパルプ、フラクトオリゴ糖、及びタルハゴムまたはアラビアゴムのいずれかの混合物を含む発酵性繊維を含有する組成物から実質的になる食餌を、コンパニオン動物に与える工程、及び
上記発酵性繊維が上記コンパニオン動物の胃腸管(GIT)内で発酵するのに十分な時間、上記食餌を上記コンパニオン動物に与えることを持続する工程:
を含むグルコース代謝を改善するためにコンパニオン動物の胃腸管(GIT)の機能及び組織を変える方法。
【請求項2】
糞バクテリアによって24時間発酵させた場合、15〜60%の有機物消滅を有し、補足の総食物繊維の約1〜11重量%の量で存在し、そしてビートパルプ、フラクトオリゴ糖、及びタルハゴムまたはアラビアゴムのいずれかの混合物を含む発酵性繊維を含有する組成物から実質的になる食餌を、コンパニオン動物に与える工程、及び
動物の胃腸管(GIT)内のグルカゴンのようなペプチド−1(GLP−1)の分泌を増大させるために、上記発酵性繊維が上記コンパニオン動物の胃腸管(GIT)内で発酵するのに十分な時間、上記食餌を上記コンパニオン動物に与えることを持続する工程:
を含むコンパニオン動物のグルコース代謝を改善しそしてコンパニオン動物の飽満を増進するためにコンパニオン動物の胃腸管(GIT)内のグルカゴンのようなペプチド−1(GLP−1)の分泌を増大させる方法。
【請求項3】
糞バクテリアによって24時間発酵させた場合、15〜60%の有機物消滅を有し、補足の総食物繊維の約1〜11重量%の量で存在し、そしてビートパルプ、フラクトオリゴ糖、及びタルハゴムまたはアラビアゴムのいずれかの混合物を含む発酵性繊維を含有する組成物から実質的になる食餌を、コンパニオン動物に与える工程、及び
コンパニオン動物の胃腸管(GIT)内の栄養分の吸収を増大させ、そしてD−グルコース及びラウリン酸の輸送を増大させるために、上記発酵性繊維が上記コンパニオン動物の胃腸管(GIT)内で発酵するのに十分な時間、上記食餌を上記コンパニオン動物に与えることを持続する工程:
を含むコンパニオン動物の胃腸管(GIT)内の栄養分の吸収を改善する方法。
【請求項4】
糞バクテリアによって24時間発酵させた場合、15〜60%の有機物消滅を有し、補足の総食物繊維の約1〜11重量%の量で存在し、そしてビートパルプ、フラクトオリゴ糖、及びタルハゴムまたはアラビアゴムのいずれかの混合物を含む発酵性繊維を含有する組成物から実質的になる食餌を、コンパニオン動物に与える工程、及び
コンパニオン動物の胃腸管(GIT)内の栄養分の吸収を増大させ、そしてD−グルコース及びラウリン酸の輸送を増大させるために、上記発酵性繊維が上記コンパニオン動物の胃腸管(GIT)内で発酵するのに十分な時間、上記食餌を上記コンパニオン動物に与えることを持続する工程:
を含む外分泌性膵臓機能不全症に罹っている動物を治療する方法。
【請求項5】
糞バクテリアによって24時間発酵させた場合、15〜60%の有機物消滅を有し、補足の総食物繊維の約1〜11重量%の量で存在し、そしてビートパルプ、フラクトオリゴ糖、及びタルハゴムまたはアラビアゴムのいずれかの混合物を含む発酵性繊維を含有する組成物から実質的になる食餌をコンパニオン動物に与える工程、及び
コンパニオン動物におけるGLP−1のレベルを向上させそれによって飽満感を与えるのに十分な時間、上記食餌を上記コンパニオン動物に与えることを持続する工程:
を含むコンパニオン動物において飽満を増進する方法。
【請求項6】
糞バクテリアによって24時間発酵させた場合、15〜60%の有機物消滅を有し、補足の総食物繊維の約1〜11重量%の量で存在し、そしてビートパルプ、フラクトオリゴ糖、及びタルハゴムまたはアラビアゴムのいずれかの混合物を含む発酵性繊維を含有する組成物から実質的になる食餌を、コンパニオン動物に与える工程、及び
コンパニオン動物におけるGLP−1のレベルを向上させそれによってその動物の過食傾向を低減させるのに十分な時間、上記食餌を上記コンパニオン動物に与えることを持続する工程:
を含むコンパニオン動物において過食傾向を低減させる方法。
【請求項7】
上記組成物は上記発酵性繊維を補足の総食物繊維の2〜10重量%の量で含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
上記組成物は上記発酵性繊維を補足の総食物繊維の3〜9重量%の量で含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
上記組成物は上記発酵性繊維を補足の総食物繊維の4〜7重量%の量で含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
上記発酵性繊維は20〜50%の有機物消滅を持っている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
上記発酵性繊維は30〜40%の有機物消滅を持っている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
上記フラクトオリゴ糖に対する上記ビートパルプの比は約3:1〜6:1である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
上記フラクトオリゴ糖に対する上記ビートパルプの比は約4:1である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
上記タルハゴム、上記フラクトオリゴ糖に対する上記ビートパルプの比は約6:2:1.5である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
上記コンパニオン動物は犬である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
本発明は例えば、犬や猫のようなコンパニオン動物のグルコース代謝、飽満及び栄養分の吸収を改善する発酵性繊維を含有するペットフード組成物の使用を含む方法に関する。
【背景技術】
最近の調査は食物繊維は犬及び猫の大腸内の発酵特性に重要であることを示している。例えば、Reinhart、米国特許No.5,616,569(特許文献1)は動物の正常な胃腸機能を維持し、そして慢性の下痢を改善するために、ペットフード組成物に発酵性食物繊維を添加することを開示する。Howard等、FASEB J.(1996)10:A257(非特許文献1)、は発酵性繊維を犬に投与すると、排泄物窒素が尿から糞に分配され、この動物の糞を通じて窒素の排出が増大することを示す。Sunvold等、J.Anim.Sci.(1995)73:1099−1109(非特許文献2)、は発酵性繊維を適度に犬に与えると、この動物の腸内で短鎖脂肪酸(SCFA)の生成が最大限に利用されて、胃腸管の健康が増進されることを発見した。
犬のような動物ならびに人間はときどき糖尿病に罹るか、又は正常な血糖レベルの能力を損なう。糖尿病には多くの原因がある。糖尿病又は血液グルコース調節が損なわれたと診断された場合、動物への投薬又は食餌が密接に制御される。最近は、高濃度の非発酵性繊維を有する食餌が糖尿病を治療するために使用される。しかしながら、これらの非発酵性繊維を含有する食餌はしばしば動物による栄養物の吸収を損ない、その結果、動物の健康に害を与える。
ある動物はまた動物の糖尿病又は他の慢性病の危険を増大させる過剰のカロリー摂取の傾向を有する。動物が過剰のカロリーの摂取なしに食事の後で満腹になるように食物手段を介してカロリー摂取を管理できることが望まれている。
他の動物は食事からの栄養分の消化及び吸収が困難な場合がある。例えば、外分泌性膵臓機能不全症(EPI)、即ち、膵臓による酵素の分泌が不十分である状態、を示す動物は彼等の食餌中の栄養分、特に脂肪を正常に消化しようと努力する。このような動物の栄養分の吸収能力を改善できることが望ましい。
【特許文献1】 米国特許No.5,616,569
【非特許文献1】 Howard等、FASEB J.(1996)10:A257
【非特許文献2】 Sunvold等、J.Anim.Sci.(1995)73:1099−1109
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
従って非発酵性繊維を含む食餌に悪影響を与えることなく、コンパニオン動物のグルコース代謝、飽満及び栄養分の吸収を改善できるその他の食餌手段が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
本発明は動物の健康に有益になるように、胃腸管(GIT)、大リンパ系臓器の機能及び組織を変える食餌を動物に与える方法を提供することにより上記要望を満たす。この方法は例えば、犬や猫のようなコンパニオン動物に糞バクテリアによって24時間発酵させた場合、15〜60%の有機物消滅(OMD)を持っている発酵性繊維であって、この発酵性繊維が補足の総食物繊維の約1〜11重量%の量で存在する発酵性繊維を含有するペットフード組成物の食餌を与えることを含む。この動物は上記発酵性繊維が動物のGIT内で発酵するのに十分な時間、上記食餌を与えられる。グルコースのホメオスタシスを改善し、そして動物の飽満を増進するGLP−1の分泌が上記発酵により高められる。またこの食餌はそれぞれ炭水化物と脂肪の吸収の指標であるD−グルコース及びラウリン酸の輸送を増大させることにより動物による栄養分の吸収を高める。
好ましくは、上記ペットフード組成物は上記発酵性繊維の補足の総食物繊維を2〜10重量%の量で含有する。より好ましくは、上記ペットフード組成物は上記発酵性繊維の補足の総食物繊維を3〜9重量%の量で含有する。最も好ましくは、上記ペットフード組成物は上記発酵性繊維の補足の総食物繊維を4〜7重量%の量で含有する。
好ましくは、上記発酵性繊維は20〜50%の有機物消滅を持っている。より好ましくは、上記発酵性繊維は30〜40%の有機物消滅を持っている。
また、上記発酵性繊維は好ましくはビートパルプ、アラビアゴム、タルハゴム(アラビヤゴムの一種)、オオバコ、米糠、イナゴマメゴム、カンキツ属パルプ、ペクチン、フラクトオリゴ糖、又はイヌリン、マンナオリゴ糖、及びこれらの混合物からなる群から選ばれる。より好ましくは、上記発酵性繊維はビートパルプ、アラビアゴム、及びフラクトオリゴ糖からなる群から選ばれる。最も好ましくは、上記発酵性繊維はビートパルプ、タルハゴム、及びフラクトオリゴ糖の混合物である。上記発酵性繊維混合物中のフラクトオリゴ糖に対するビートパルプの好ましい重量比は約3:1〜6:1、そして最も好ましくは4:1である。タルハゴム、フラクトオリゴ糖に対するビートパルプの好ましい重量比は6:2:1.5である。
従って、本発明の特徴は動物の胃腸管の機能及び組織を変えてグルコース代謝を改善し、そしてグルコースのホメオスタシスを高め、飽満を増進させ、そして栄養分の吸収を高める。
この、そして他の本発明の特徴及び利点は以下の詳細な説明、添付の図面、及び請求の範囲から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
本発明は動物の胃腸管の機能及び組織を変えるために、発酵性繊維を含有するペットフード組成物を使用する。これは多くの利益を動物に与える。第一に、グルコース代謝が改善され、そしてグルコースホメオスタシスが動物内で高められる。特定の理論に縛られることは望まないが、動物内のグルコースの調節の改善は少なくとも一部が、胃腸管内で分泌されるGLP−1のようなインスリン向性の消化管ホルモンのレベルが向上することに起因すると考えられる。GLP−1は強いインスリン向性のホルモンであり、そして潜在的な抗糖尿病剤である。このGLP−1のレベルの向上は腸のグルコース輸送能力を増大させ、そして動物内のグルコースホメオスタシスを改善する。また動物のGIT内のGLP−1のレベルが向上すると動物の飽満を改善し、そして動物の過食の傾向を減少させる。これらの結果は動物の食餌に極めて高繊維濃度の動物の食餌を使用し、そしてセルロースのような低発酵性繊維を使用して上記結果を得ようと試みている従来の方法と比べて驚くべきことである。
更に、食餌内に発酵性繊維を存在させると、小腸の空腸(中央部)内のD−グルコース及びラウリン酸の輸送が増大する。D−グルコース及びラウリン酸はそれぞれ動物内において、炭水化物と脂肪の吸収の指標である。従って、栄養分の吸収を改善する本発明の方法から健康な動物は恩恵を受けられる。しかし外分泌性膵臓機能不全症(EPI)のような病気に罹っている動物はより多く恩恵を受けられる。EPIは膵臓による酵素の不十分な分泌により生じ、この酵素は正常な栄養分の消化に動物が必要としている。EPIに罹っている動物は食物栄養分、特に脂肪を消化しようと努める。本発明のペットフード組成物を与えられたEPIに罹っている動物は食物栄養分を吸収する能力が高められる恩恵を受けることができる。
本発明は有機物を特定のパーセンテージで消滅させる発酵性繊維を含有するペットフード組成物を使用する。本発明で使用される発酵性繊維は糞バクテリアによって生体外で24時間発酵させた場合、約15〜60%の有機物消滅(OMD)を持っている。即ち、初めに存在する有機物の合計量の約15〜60%が糞バクテリアにより発酵し、転換する。上記発酵性繊維の有機物消滅は好ましくは20〜50%、そして最も好ましくは30〜40%である。
従って、生体外のOMDパーセンテージは以下のように計算できる。
{1−[(OM残余−OMブランク)/OM初期]}×100
但し、OM残余は発酵の24時間後に回収された有機物であり、OMブランクは対応のブランク管(即ち、媒質と希釈された糞を含むが、基質を含まない管)内で回収された有機物であり、OM初期は発酵前に上記管内に入れられた有機物である。この計算方法の詳細はSunvold等、J.Anim.Sci.1995、巻.73:1099−1109に記載されている。
上記ペットフード組成物は動物に適切な栄養分を与えることのできる組成を有する。例えば、本発明で用いられる代表的な犬の食餌は約30%の粗蛋白質、約20%の脂肪、約10%の合計食物繊維を含んでもよい。しかしながら、これら又はその他の栄養分の特定の比又は百分率は必要ではない。
本発明に有用な発酵性繊維は代謝エネルギー(ME)の1000カロリー(キロカロリー)当たり約28〜85ミリモルSCFAの範囲の、そしてより好ましくは1000MEキロカロリー当たり約42〜71ミリモルSCFAの範囲の短鎖脂肪酸(SCFAs)を生じる。これは約100〜約350ミリモルSCFA/kgの食餌を生じる発酵性繊維総量を有する組成物に等しい。
代謝エネルギーの1000キロカロリー当たりのSCFAsのミリモルは上記組成物キログラム当たり与えられた食餌組成物中の代謝エネルギー(ME)の総カロリーを最初に計算することにより計算される。1000キロカロリーME当たりのグラム数は上記最初の計算から得られる。次いで上記組成物の発酵性繊維成分のグラム及びミリモルが計算される。
本発明の発酵性繊維は動物の腸内バクテリアが発酵してかなりの量のSCFAsを生成できる繊維源である。“かなりの量”のSCFAsは、本発明の目的のために、24時間内に基質の総SCFAs/グラムの0.5ミリモルを超える量である。好ましい発酵性繊維はビートパルプ、アラビアゴム(タルハゴムを含む)、オオバコ、米糠、イナゴマメゴム、カンキツ属パルプ、ペクチン、フラクトオリゴ糖、又はイヌリン、マンナオリゴ糖、及びこれらの繊維の混合物を含む。より好ましくは、上記発酵性繊維はビートパルプ、アラビアゴム、及びフラクトオリゴ糖からなる群から選ばれる。最も好ましくは、上記発酵性繊維はビートパルプ、タルハゴム、及びフラクトオリゴ糖の混合物である。発酵性繊維混合物中のフラクトオリゴ糖に対するビートパルプの好ましい重量比は約3:1〜6:1、であり、そして最も好ましくは4:1である。タルハゴム、フラクトオリゴ糖に対するビートパルプの好ましい重量比は6:2:1.5である。
上記発酵性繊維はペットフード組成物中において補足の総食物繊維の1〜11重量%、好ましくは2〜10重量%、最も好ましくは3〜7重量%の量で使用される。
“補足の総食物繊維”の定義には、先ず“総食物繊維”の説明が必要である。“総食物繊維”は動物の消化酵素による加水分解に抵抗する植物食品の残留物として定義される。総食物繊維の主成分はセルロース、ヘミセルロース、ペクチン、リグニン及びゴムである(ある形状のセルロース及びリグニンのみを含む“天然繊維”とは対照的である)。“補足の総食物繊維”は食物製品のその他の成分中に天然に存在する食物繊維に加えて、食物製品に添加される食物繊維である。また“繊維源”は主に繊維から構成されるものと考えられる。
以下に実施例を示すが、これらは本発明を説明するためであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
実施例1
食餌、表1を参照、をイソニトロを含有し、等エネルギーであり、そして炭水化物からのエネルギー35%と、脂肪からのエネルギー30%と、蛋白質からのエネルギー35%とを有する約19.5MJ/kgの食餌を提供できるように調製した。この低発酵性繊維(LFF)食餌は木材セルロースを繊維源として含有し、そして高発酵性繊維(HFF)食餌はより発酵性の植物繊維(ビートパルプ、Michigan Sugar,Saginaw,M1;アラビアゴム、TIC Gum,Belcamp,MD;フラクトオリゴ糖(FOS),Golden Technologies株式会社,Golden,CO)の混合物を含有した。アラビアゴム、FOSに対するビートパルプの比は約6:2:1.5であった。FOSに対するビートパルプの比は約4:1であった。
雑種の成犬(n=16)を利用した。到着後ただちに、動物を7日間順化し、そして栄養学的に完全な食餌(Can−Pro,Beaumont,AB)を与えた。毎日、全ての犬の目方を量り、そして式:エネルギー摂取量(MJ)=0.553×kg(体重).67を用いて、エネルギー必要量を満たすように別々に餌を与えた。食餌を毎日一回0900−1000時間の間に与え、そして水は無制限に与えた。交差の実験計画が使用され、これにより犬に無作為に14日間上記HFF又はLFF食餌を与え、引き続いて更に14日間交互に食餌を与えた。16匹の犬を一時に収容できないため、犬を実験を通じて一対にした。
経口グルコース耐性試験:
食餌を13及び27日間に1600時間で取り除いた。14及び28日間に0845−0900時間で、犬をテーブルの鎖で緩く束縛し、そして経口グルコース耐性試験(OGTT)を70%(w/w)右旋回糖を使用して行って、2gグルコース/kg体重を得た。末梢血液を伏在静脈に入れられた“Insyte−W20GA2”カテーテル(Becton−Dickinson Vascular Access,Sandy,UT)を通じて0、15、30、45、60、90及び120分で採取した。
末梢血液サンプル:
一般の化学スクリーン及び全血球計算値(2ml)のための血液サンプルを3mlのヘパリン化ヴァキュテーナー管(商標、Becton−Dickinson,Sunnyvale,CA)内に入れて分析まで氷上に貯蔵した。血液学分析をカウンターSTKS器具(Courterエレクトロニクス会社.,Hialeah,FL)を用いて実施し、そして手動の白血球分画を行った。インスリン及びGLP−1分析用の血液サンプルをアプロチニン(500KIU/ml血液、シグマ化学、St.Louis Mo)を有する10ml EDTAヘパリン化ヴァキュテーナー管中に採取し、そして−70℃(GLP−1)又は−35℃(インスリン)で貯蔵した。血清グルコース測定用の血液サンプルを250μLのマイクロ遠心機管に入れて、室温で10分間2900×gで遠心分離した。この血清をパイプで取り出して−35℃で貯蔵した。
腸のサンプル:
28日に、犬を上記OGTTに続いて、伏在カテーテルを介して1ml/2.27kg体重の量で睡眠薬(somnitol)(MTC製薬,Cambridge,ON)の静脈注射により麻酔した。腸のサンプルをノザンプロット分析のために取り出し、そして直ちに液体窒素中に置いた。栄養摂取分析評価のための空腸と回腸のサンプルを氷で冷やされた食塩水に入れて、サンプルの分析評価を30分間実施した。空腸と回腸の切片をウエスタンブロット分析用の粘膜サンプルを得るために削り取った。組織構造サンプルを直接にホルマリン中に入れてスライド(slides)を調製した。
グルコース:
血清グルコースをグルコース酵素測定用のシグマ診断グルコース(Trinder)試薬を用いて505nm(Cat # 315−100、シグマ化学、St.Louis MO)で決定した。
インスリン:
血清インスリン濃度をCoat−A−Count(商標)I125診断放射免疫定量法(Cat # TKINI,Diagnostics Products会社、ロサンゼルス CA)を用いて決定した。
血漿GLP−1(7−36)NH抽出:
GLP−1免疫反応性のペプチドを2.5mlの血漿からReimer及びMcBurney,Endocrinol.137:3948−3956(1996)に記載されているように抽出した。緩衝剤A(0.1%トリフルオロ酢酸)(Cat # RIK−BA−1)及び緩衝剤B(60%アセトニトリル)(Cat # RIK−BB−1)を有する200mlのC18(Cat # RIK−SEPCOL1,Peninsula−研究所,Belmont,CA)を含有するASEP−COLUMNを溶出溶媒として使用した。サンプルをSpeed−Vac(商標,Savant会社,Midland,MI)を使用して一昼夜凍結乾燥し、そして−70℃で保存した。
腸のGLP−1(7−36)NH抽出:
腸切片からGLP−1(7−36)NH2を抽出する方法がブリティッシュコロンビアの大学、バンクーバーのXioyanの博士号論文(1996)に記載されており、この方法を修正した方法を実施した。400−500mgの各切片(空腸、回腸、及び結腸)を0.5mlの2M酢酸を有する12×75mmのシンポート(Simport)ポリプロピレン管(Fischer Scientific,Edmonton,AB)に添加し、そして1時間沸騰させた。この管を4500×gで10分間遠心分離し、上澄み液を集め、新しい管に移し、そして1NのNaOHで中和した。RIAの目的のために、上澄み液のサンプルをRIA緩衝剤(100mM トリス、50mM NaCl、200mM Na−EDTA、0.2g/Lアジ化Na、pH8.5)で1:10に希釈して100μLの最終サンプル容量を得た。
GLP−1(7−36)NH放射免疫定量法:
GLP−1(7−36)NHの濃度をXiaoyan(1996)により記述された放射免疫定量法を修正した方法を用いて測定した。凍結乾燥された血漿サンプルを250μLのRIA分析物緩衝剤(100mM トリス、50mM NaCl、200mM Na−EDTA、0.2g/Lアジ化Na、pH8.5)中で再構成した。ポリプロピレン管(12mm×75mm)を対照物、標準物、及びサンプルのために使用し、そして全工程を氷上で実施した。系列希釈法で調製されたGLP−1(7−36NH)標準物(Peninsula研究所,Belmont,CA)は4000pg/ml〜15pg/mlの範囲であった。これらの管を混合して4℃で24時間培養した。培養に続いて、50Bqの125I−GLP−1(736)NHトレーサーを上記管に加え、この管を渦流で混合し、4℃で48時間培養した。デキストラン−炭の懸濁液(分析物緩衝剤中、4g/LデキストランT70、80g/L炭)をTC管を除く全ての管(100μL)に加えた。これらの管を渦流で混合し、そして15分間氷上に置き、2200×gで30分間遠心分離し、そして600μLの上澄み液を新しい管に移し、Cobra(商標)Auto−ガンマ計数管(Packard Instrument社、Downers Grove,IL)を用いて計算した。
GLP−1(7−36)NHヨウ素化法:
GLP−1(7−36NH)をXiaoyan(1996)により記述されたクロラミン−T法を用いてヨウ素化した。カートリッジに0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)を有する10mlのアセトニトリルを流し、続いて0.1%TFAを有する10mlのddHOを流すことにより抗原を接種した。カートリッジに注入器により空気を10ml圧入してカートリッジを乾燥した。最初に30−40μLのddHOに30−40μgのGLP−1を溶解することによりヨウ素化を実施し、次いで10μLを新しいエッペンドルフ(eppendorf)管に移した。これに10μLの0.5 M PO(pH7.0)を、続いて0.5m Ci125Iを加えた。クロラミン−T(10μL)を加え、そしてこの管を正確に30秒間軽くたたいた。メタ重亜硫酸ナトリウム(5mg/ml)を加え、続いて1mlの0.1%TFAを加えた後、上記抗原を接種したカラムに移した。このカラムに10cc注入器を用いて軽く圧力を加えた。五つの画分を得るために、0.1%TFAを有するアセトニトリルを溶離液として用いた。アセトニトリル(5ml、10%+0.1%TFA)とアセトニトリル(5ml、20%+0.1%TFA)がこの順序で用いられた最初の二つの溶離液であり、そしてこの溶離液は14mLの丸い有底管に集められた。次いで30%アセトニトリル(1ml+0.1%TFA、4回)、38%アセトニトリル(1ml+0.1%TFA、1回)、及び40%アセトニトリル(1ml+0.1%TFA、5回)がこの順で次の溶離液として使用され、そして画分が小さなポリプロピレン管に集められた。各溶離された画分を十分に混合し、そして各画分からの10μLをCobra(商標)Auto−ガンマ計数管を用いて計算した。標識物が上記40%アセトニトリルの画分1、2及び/又は3中で溶離された。標識を付けられたGLP−1(7−36)NHを含む画分が溜まり、そして−35℃で貯蔵された。上記25I−GLP−1(7−36)NHは約2週間の貯蔵寿命を有する。
総RNAの単離:
総RNAを製造者から提供されたプロトコルに従ってTrizol(商標)(Gibcol BRL,Burlington,ON)を用いて各腸切片から単離した。400−500mgの組織を前もって冷やされた減菌した乳鉢と乳棒を用いて粉砕した。粉砕した組織(200mg、2部)を秤量し、2部をそれぞれポリプロピレン管(12mm×75mm)に移し、2mlのTrizol(商標)溶液を加え、そしてサンプルをポリトロン(Polytron)均質化装置を用いて目盛り10で30秒間均質化した。均質化したサンプルを14mlの減菌したポリプロピレンFalcon(商標)管に移し、そして室温で5分間培養した。各サンプルに、400μLのクロロホルムを加え、上記管を15秒間激しく手で振動させ、そして室温で更に2−5分間培養した。次に、サンプルを4℃において12,000×gで15分間遠心分離した。水相を新しいエッペンドルフ管に移し、そして1mlのイソプロパノールをこの管に加えた。この管を撹拌し、次いで上記RNAを−20℃で一昼夜沈殿させた。サンプルを4℃で10分間、10,000−12,000×gで遠心分離し、上澄み液を除去し、そしてペレットを75%エタノール(少なくとも1ml)で2度洗浄した。このサンプルを混合し、4℃において7,500×gで10分間遠心分離した。このRNAペレットを短く空気乾燥した(10分以内)。上記ペレットをRNAseのない水(100mgの組織当たり50−100μL)中に軽くかき混ぜることにより溶解し、55−60℃で5−10分間培養し、そして70℃で貯蔵した。RNAの量及び純度を紫外線分光光度法により260、280及び230nmで決定した。
ノザンブロット法分析:
メッセンジャーRNAをZhao等、Intern.J.Bioch.25:1897−1903(1993)に述べられているようなノザンブロット法分析により測定した。等分した15μgの総RNAをそれぞれ10μLの負荷ゲル緩衝剤{50%脱イオン化ホルムアミド(vol/vol)、2Mホルムアルデヒド、1.3%グリセリン(vol/vol)、0.02Mモルホリンプロパンスルホン酸(MOPS)、5mM酢酸ナトリウム、1mM EDTA及び0.1%ブロモフェノールブルー(wt/vol)}に溶解した。この溶解し、等分されたRNAを2分間沸騰してRNAを変性し、次いで1%アガロース(wt/vol)ゲル含有(0.66M)ホルムアルデヒドRNAを上記変性したRNAに投与し、そして0.02M MOPS、5mM酢酸ナトリウム及び1mM EDTAを含有する再循環緩衝剤の存在下で電気泳動(100Vで5時間)によりサイズに従って分別した。電気泳動後、上記ゲルを2種類の10×標準食塩水クエン酸塩(SSC)(1.5M NaCl、0.15Mクエン酸トリナトリウム、pH7.0)に浸漬し、そしてzeta−プローブGTゲノミ(Genomi)試験されたブロット膜(BioRad,Mississauga,ON)上にブロットした。上記RNAを真空中80℃で2時間焼成することにより膜上に固定した。[32P]CPT−標識のリボプローブ(riboprobe)を用いた交雑(hybridization)の前に、各膜組織を20mlのプレ交雑(prehybridization)緩衝剤{脱イオン化ホルムアミド(60%vol/vol)、20×SSPE(5%vol/vol)、10%ブロット(5%vol/vol)、20%SDS(5%vol/vol)、及び10mg/mlのせん断された鮭のDNA(熱水浴中で10分間変性された、5%vol/vol)}中で2時間50℃でプレ交雑した。交雑を等容量の新しい交雑溶液{脱イオン化ホルムアミド(55%vol/vol)、20×SSPE(5%vol/vol)、10%ブロット(5%vol/vol)、20%SDS(5%vol/vol)、及び10mg/mlのせん断された鮭のDNA(脱イオン化ホルムアミドと混合された5%vol/vol)}中で12−16時間実施した。この溶液に上記予備加温された交雑溶液を添加する前に、16.7KBq(1×10cpm)の標識されたリボプローブ(riboprobe)を加え、そして5分間70℃の水浴中で予備加温した。上記膜組織を5分間室温で2×SSCで洗浄し、次いで10分間(GLUT2)又は15分間(プログルカゴン,proglucagon,SGLT−1)の間、2×SSC/0.1%SDS中で洗浄した。この膜組織を以下のような0.2×SSC/0.1%SDSの浴、即ち:プログルカゴン(70℃で10分)、SGLT−1(70℃で20分)、及びGLUT2(60℃で2−3分)に移した。最後に上記膜組織を室温で2−3分間、0.2×SSC中で洗浄した。この膜組織をプラスチックバッグ内に熱シールし、そしてコダックXRA5フィルム(イーストマン・コダック,Rochester,NY)に増感板(デュポンカナダ,Mississauga,ON)を用いて−70℃で露光した。統計分析のために、信号をレーザー濃度計(モデルGS−670映像濃度計,BioRad研究所(カナダ)株式会社、Mississauga,ON)を用いて定量した。28S及び18Sリボソームのバンドが上記膜組織の写真のネガから定量された。これらのバンドを上記RNAの完全無欠を確認し、そして少しの負荷投与量の相違を補償するために使用した。
リボプローブ:
3.8kbの放射性同位元素を使って標識されたGLUT2アンチセンスのリボプローブがXbaT−線状のプラスミドDNA[pGEM4Z−HTL−3]及びT7ポリメラーゼから生成した。350kbプログルカゴン感覚のリボプローブがRsaI−線状のプラスミドDNA[pGEM4Z−HTL−3]及びSp6ポリメラーゼから生成した。最後に2.1kb SGLT−1アンチセンスリボプローブがラムの腸のSGLT−1クローンの1.4Kbから生成した(aa207−664)(Wood等、Bioch.Soc.Trans.22:266s 1994)。
BBM及びBLMの単離、調製及び強化:
全ての方法を前述した方法(Maenz及びCheeseman,Biochem,Biophsy.Acta 860
(2):277−285(1986))を用いて氷上で実施した。約5gmの粘膜の検体を15mlの膜組織の懸濁液(MSS緩衝剤、125mM/l蔗糖、1mM/lトリス−HCl、0.05mM/L PMSF,pH7.4)に加え、そしてポリトロン(Polytron)均質化装置で30秒間目盛り8で均質化した。次いでこの均等質を強化分析評価のために二等分した。このサンプルを二つの30mlエッペンドルフ管に分割し、そして20mlのMSS緩衝剤を各管に加えた。各管を二回以上30秒間目盛り8で均質化した。次いでサンプルを15分間、2400×gで遠心分離し、上澄み液を集め、そして20分間、43,700×gで遠心分離した。残りのペレットを2画分から構成した。外側の白いふわふわした層は基底外側膜(BLM)を含み、そして内側の濃い褐色のペレットは刷子縁膜(BBM)を含む。BLMを少量のMSS緩衝剤中に穏やかに再懸濁化させ、そして14mlのエッペンドルフ管に移した。BBMをMSS緩衝剤中に再懸濁化させ、そして同じ動物からのサンプルを一つの管に入れて、20mlのMSS緩衝剤中で調製した。BBMを次いで20分間、43,700×gで遠心分離した。再度、上記ふわふわした白いペレットをMSS緩衝剤で穏やかに再懸濁化させ、そして14mlのエッペンドルフ管に加え、そしてこの濃いペレットを30mlのMSS緩衝剤中で再懸濁させた。単離したBLMを目盛り8で15秒間均質化した。各サンプルを25mlの20%Percoll(商標)に加えて46,000×gで30分間遠心分離した。Percoll中の得られたふわふわしたバンドを集めて、25mm×89mmポリカーボネート超遠心分離管(Beckman Instruments社、Palo Alto,CA)に移し、次いでMSS緩衝剤で容量(約38ml)に調製し、そして115,000×gで30分間遠心分離した。この膜層を除去し、20mlのMSS緩衝剤で希釈し、そしてPolytron(商標)で15秒間目盛り8で均質化した。CaCl(1M、100μL)を加え、そして10分間穏やかに氷上で撹拌した。サンプルを7700×gで10分間遠心分離し、このペレットを20mlのMSS緩衝剤中で再懸濁し、そして目盛り8で15秒間均質化した。サンプルを46,000×gで20分間遠心分離し、そしてこのペレットを1mlのMSS緩衝剤中で再懸濁した。標識強化分析評価のために二等分した。BBMサンプルをPolytronで15秒間目盛り8で均質化し、そして1900×gで10分間遠心分離した。上澄み液を新しい管に移し、そして15分間、14,600×gで遠心分離した。再び、この上澄み液を300μLの1M CaClを含有する新しい管に移し、そして20分間穏やかに氷上で撹拌した。サンプルを3,000×gで30分間遠心分離し、上澄み液を集め、そして30分間、46,000×gで遠心分離した。このペレットを1mlのddHO中で再懸濁し、そして強化分析評価のために二等分した。Esmann、酵素学の方法156:72−79(1988)に記載された強化分析評価がBLM酵素Na−ATPアーゼのために使用された。総ATPアーゼ活性がATP及びMg2+の存在下で粘膜の均等質及び膜組織標本を培養し、そして標準的なモリブデン反応を用いて遊離の無機燐酸塩を測定することにより評価された。ウアバイン−感受性のATPアーゼ活性がウアバインの存在下で上述のように評価された。Na−ATPアーゼ活性はウアバイン感受性であるため、全体とウアバイン−感受性ATPアーゼ活性との間の差はNa−ATPアーゼ活性である。結果は百分率−倍の強化として示される。BBM酵素アルカリホスファターゼのための強化分析評価はSigma(Cat #245−10,Sigma Diagnostics,St.Louis,MO)から提供されるアルカリホスファターゼキットを用いて測定された。この方法はアルカリホスファターゼによるp−ニトロフェノール及び無機燐酸塩への燐酸p−ニトロフェニルの加水分解に基づいている。生成したp−ニトロフェノールは黄色であり、そして405nmにおいて最大の吸光度を示す。
ウエスタンブロット法分析:
Albertaの大学、Edmonton、カナダ(1997)のTappendenの博士号論文に記載されているウエスタンブロット法分析のプロトコルをBBM及びBLMグルコースのトランスポータ(transporters)の定量化のために使用した。BLM(60μgの単離された蛋白質)サンプルを1×サンプル緩衝剤{0.5Mトリス−HCl pH6.8(13.2%vol/vol)、グリセロール(10.5%vol/vol)、0.05%(w/vol)ブロモフェノールブルー及び10%SDS(0.21%w/vol)}で1:4に希釈した。BBM(60μgの単離された蛋白質)サンプルを4×サンプル緩衝剤{0.24Mトリス−HCL、40%グリセロール、10%w/vol SDSの8%vol/vol、0.5mLのブロモフェノールブルー}で3:1に希釈した。BBMサンプルを10分間沸騰させたが、BLMサンプルは沸騰させなかった。堆積ゲル{4.1Mアクリルアミド/21mM N′N−ビスメチレン−アクリル(10.7%vol/vol)、0.5Mトリス−HCL、pH6.8(0.24%vol/vol)、10%(w/vol)SDS(0.97%vol/vol)、10%APSw/v(4.86%vol/vol)及び0.4%TEMED(vol/vol)}を分離ゲル{4.1Mアクリルアミド/21mM N′N−ビスメチレン−アクリル(32.1%vol/vol)、1.5Mトリス−HCL、pH8.8(32.1%vol/vol)、10%(w/vol)SDS(1.3%vol/vol)、10%(w/vol)APS(0.66%vol/vol)及び0.16%(vol/vol)TEMED}の頂部に置いた。電気泳動を上記色素の最前部(dyefront)が上記ゲルの末端に達するまで1−2時間100−200Vでランニング(running)緩衝剤{0.3%トリス(w/vol)、1.44%グリシン(w/vol)及び0.1%SDS)}中で実施した。蛋白質を転移緩衝剤{トリス−塩基(0.189%w/vol)、グリシン(0.9%w/vol)、メタノール(20%vol/vol)、SDS(0.02%w/vol)}を有する転移装置(BioRad,Mississauga,ON)を用いてニトロセルロース膜(MSI研究所、Houston,TX)上に1.5−2時間、200Vで転移した。転移に続いて、上記膜を直ちにTBST{1MトリスpH7.5(2%vol/vol)、NaCl(0.88%w/vol)、0.05%Tween−20(0.05%vol/vol)}中に置いた。膜をTBSTM(5%(w/vol)の粉末ミルクを添加したTBST)中で少なくとも1時間穏やかに撹拌してブロックし、次いでSGLT−1(Cat # AB1352,Chernicon International社.,Temecula,CA)に対しては1:1000の希釈率で、又はGLUT2(Cat # AB1342)に対しては1:500の希釈率で、一次抗体に一昼夜4℃で培養した。膜をTBST中で3×10分間穏やかに撹拌して洗浄し、次いで二次抗体(anti−rabbit IgG HRP−抱合体、Signal Transduction,PDI Bioscience社,Aurona,ON)に1:4000の希釈率で少なくとも2時間穏やかに撹拌して培養した。ブロットをSupersignal CL−HRP(商標)(Cat # 34080,Pierce,Rockford,IL)使用液で完全にカバーし、そしてコダックXRA5フィルムに露光する前に5分間培養した。負荷硬度(Loading consistency)及び蛋白質転移を上記ブロットをポンソーS(0.1%w/vol Ponceau S(BDH)、5%酢酸)で染色することにより確認した。統計分析を上記バンドの相対強度について実施した。統計分析のために、信号をレーザー濃度計を用いて定量した。
輸送速度の測定:
輸送速度をThomson及びRjotte、Am.J.Clin.Nutr.38:394−403(1983)に述べられているように測定した。腸の12cm部分を各動物から取り出し、腸間膜縁に沿って開き、そして注意して氷で冷やされた食塩水で洗って、目視の粘液と破片を除去した。腸片(1cm)を切り取って、この組織を酸素化されたクレブス重炭酸塩緩衝剤(pH7.4)を含有する培養室内に37℃で平らなシートとして設置した。円盤状の組織をこの緩衝剤中で15分間予備培養し、この温度で平衡にした。予備培養後、この室を酸素化されたクレブス重炭酸塩緩衝剤(pH7.4)中で[H]インスリン及び種々の[14C]−プローブ分子を含有するビーカーに37℃で移した。溶質の濃度はD−グルコース、D−フラクトースについて、4、8、16、32及び64mMであり、L−グルコースについて16mであり、そしてラウリン酸について0.1mMであった。予備培養及び培養の溶液をストロボ光を出すように構成された円形の磁気棒を用いて混合して、600rpmの撹拌速度と腸の未撹拌水層の抵抗を低くした。上記室を取り除くことにより実験を終了し、冷たい食塩水中の上記組織を約5秒間急速にリンスし、そして上記室からの露出した粘性の組織を円形のスチールパンチで切断した。この組織を一昼夜55℃の炉で乾燥して、この組織の乾燥重量を決定し、次いで0.75NのNaoHで鹸化した。シンチレーション液(Beckman Ready Solv HP、Toronto,ON)を上記サンプルに加え、そして上記二つの同位元素(Beckman Beta LS−5801,Beckman Instruments社、Mountain View,CA)の可変急冷のために、放射能を外部標準化技術を使用して決定した。栄養分の摂取をnモル/100mg乾燥組織/分として表した。
繊毛高さ及び腺か深さ測定
長断片を節片に切り出した。腸繊毛の高さ及び腺かの深さをNorthern Exposure Image Analysisソフトウエア(オンタリオ州ミッシサウガのEmoix Imaging Inc。)を用いて光学顕微鏡下で測定した。各動物及び各節片について合計10の記録を作り、その平均値を統計的分析のために用いた。
統計的分析
全ての統計的分析はStatical Analysis System(SAS)統計用パッケージ(バージョン6.10、ノースカロライナ州カリー、SAS Institute)を用いて実施した。プロクルカゴン及びSGLT−1mRNA発生量及び、SGLT−1及びGLUT2トランスポーター発生量データは、一般線型操作(proc GLM)を用いて分析した、顕著な差がワン−ウエイANOVAによって同定された。このモデルは、餌、ゲル、ピリオド対及び餌ピリオドを含んでいた。ピリオド及び餌ピリオドの両方は、顕著でなかったので、次に排除された。繊毛高さ、腺か深さ及び腸GLP−1濃度をproc GLM及び餌及び対を含むワン−ウエイANOVAで分析した。再びピリオド及び餌ピリオドの両方は、顕著でなくモデルから排除された。GLP−1、インスリン及びグルコースのためのプラズマAUCは、proc GLM内の対T−テストを用いて分析した。繰り返し測定ANOVAを動物重量の間での差を分析するために用いた。給餌期間の効果を試験したが、顕著ではなかった(p>0.05)。D−グルコース、L−グルコース、D−フルクトース及び脂肪酸12についての腸移送率は、proc GLM内の対T−テストを用いて分析した。示されたデータは、平均±SEMで示されている。p<0.05のときに顕著な差が同定された。
体重に対する餌の効果
必要エネルギー量を個別に計算し、それにより餌の割合を調節し、イヌの重さが実験餌によって変わらないようにした(予備試験、HFF及びLFFについてそれぞれ、23.4±1.8kg、22.9±1.8kg、23.5±1.8kg)またはピリオド(期間)によって変わらないようにした(予備実験「第7日」、ピリオド1「第21日」、及びピリオド3「第35日」についてそれぞれ、23.4±1.8kg、23.4±1.8kg、23.4±1.8kg、)。
プラズマGLP−1、インスリン及びグルコースに対するOGTTの効果
プラズマGLP−1の濃度は、HFF対LFF餌を与えられた時に、イヌに付いては30および90分で増加した(図1a参照)。インスリン濃度は、HFF対LFF餌を与えられた時に、イヌについては90分で増加した(図1B)。食物繊維の種類は、OGTTのあいだのどの時点においても、血中グルコース濃度に影響を与えなかった(図1C)。曲線下増加領域は、イヌにHFF対LFF餌が与えられた時に、GLP−1について(図2A、988±92対648±92pmol/L*h、p≦0.05)およびインスリンについて(図2B、15781±1371対11209±1371pmol/L*h、p<0.05)顕著に高かった。グルコースについての曲線下領域は、イヌにHFF対LFF餌が与えられた時に、顕著に低かった(219±22mmol/L*h対291±22mmol/L*h、p≦0.05、図2C)。このことから、試験された動物において、GLP−1の量が発酵性繊維の食餌によって増加すること、ならびにグルコースホメエスタシスが改善されることが示される。
腸プログルカゴン及びGLP−1濃度に対する餌の効果
HFF対LFF餌を摂取すると、結果として、回腸において(1.13±0.04対0.83±0.04濃度単位)、そして結腸において(1.45±0.05対0.78±0.05濃度単位)、プログルカゴンmRNAの量がより多くなった(図3)。プログルカゴンmRNA発現は、十二指腸においては検出されなかった。GLP−1濃度は、HFF対LFF餌を与えたイヌから得た粘膜かきとり物において顕著に多かった(41±4pmol GLP−1/mgタンパク質対25±4pmol GLP−1/mgタンパク質)。このことから、発酵性繊維の食餌は、試験された動物におけるGLP−1濃度を増大させた。
組織構造
腸管絨毛の高さおよび陰かの深さに対する食餌の影響は、図4に提示される。十二指腸の絨毛の高さは、LFF餌を与えたイヌの場合と比較して、HFF餌を与えたイヌにおいてより高い傾向があった(1505±83対1294±83μm、p=0.1)。しかしながら、十二指腸の陰かの深さには、相違が無かった(それぞれ、289±28対262±28μm)。空腸の絨毛の高さは、HFF対LFF餌を与えたイヌにおいて、顕著に高かった(それぞれ、1517±43対1343±43μm)。しかしながら、陰かの深さには相違がなかった(それぞれ、277±19対234±19μm)。回腸の絨毛の高さおよび陰かの深さは、HFF対LFF餌を与えたイヌにおいて、顕著な相違は無かった(それぞれ、1035±45対993±45μm、および251±46対357±46μm)。結腸の陰かの深さにおいては、HFF対LFF餌を与えたイヌにおいて、顕著な相違は無かった(724±33対727±33μm)。
栄養吸収
食物繊維の発酵性の栄養素吸収に対する作用は、表2に示される。HFF餌の消費の結果、空腸において、D−グルコースについての顕著に高い最大グルコース吸収能(Vmax)が得られた(図5)。非攪拌水層(unstirred water layer)耐性の測定値である、空腸における脂肪酸12の吸収において、顕著な食餌の作用が注目された。ミカエリス親和性定数(Km)は、食餌により影響を受けなかった。傍細胞D−グルコース吸収の推定、または原点を介して16mMでのL−グルコースの吸収から外挿し1mMに対して正規化することにより決定されるD−グルコースについてのKdは、食餌によって顕著な影響を受けなかった。D−フルクトースについてのKdは、食餌によって影響を受けなかった。
グルコーストランスポーター
食餌は、測定した腸管部分のいずれにおいても、SGLT−1mRNAに影響を与えなかった(図6)。HFF対LFF餌を消費することにより、空腸のSGLT−1トランスポータータンパク質の量が多くなることと関連していた(22.2±3.7対6.6±3.7濃度単位)。SGLT−1トランスポータータンパク質の量は、HFF餌を消費した場合の回腸においてより高いという傾向があった(13.4±0.7対10.4±0.7濃度単位、p=0.09、図7)。食餌による顕著な相違は、空腸および回腸の両方におけるGLUT2トランスポータータンパク質の量においても見られた(図8)。このことから、HFF対LFF餌を消費することによる増加が示された(それぞれ、1.9±0.2対0.9±0.1濃度単位、および4.2±0.2対1.5±0.2濃度単位)。
【表1】


【表2】


数値はmeans±SEM、食餌当たりn=8である。異なる上付き文字はp<0.05における腸部位内部の食餌間の重大な差異を示す。
KDはL−グルコースの受動摂取を説明する線の勾配であり、またD−グルコース摂取の受動成分を示す。Kdは1mMに標準化された16mMのL−グルコースの摂取に相当する。
脂肪酸12(ラウリン酸)摂取は未撹拌水層抵抗の基準である。
実施例2
ビーグル成犬雌雄5匹の2つの群に、繊維源のみが異なる2種の餌を与えた(表3参照)。イヌの胃腸管(GIT)を通過中に極微に分解されるセルロースを、3.6%の水準で対照餌(A)に添加した。第2の餌(B)は、イヌのGITバクテリアによって発酵されるビートパルプ(4.2%)及びフラクトオリゴ糖類(FOS)(1%)を含んでいた。化学分析は、両方の餌が、25.9%の蛋白質、11.8%の脂肪と、6.2%の水分、5.7%の灰分、1.23%のカルシウム、及び0.79%のリンを有することを明らかにした。餌Bは、イヌの腸バクテリアによる繊維発酵速度の差異のために、ビートパルプ及びFOSのブレンドを用いた。SCFAのようなFOSのバクテリア代謝生成物は、より遅く発酵されるビートパルプからのバクテリア発酵生成物と比較して、GIT内でより中央に近いところで利用されるであろう。さらにはその二つの繊維源は、異なる濃度及び割合のSCFAを産生するように設計された。セルロース(Solka Floc)は、ファイバー・アンド・セールス・デヴェロップ・コーポレイション(ミズリーイ州セント・ルイス)から、ビートパルプはミシガン・シュガー(ミシシッピイ州サジナウ)から、そしてFOSは、ゴールデン・テクノロジィズ・カンパニイ(コロラド州ゴールデン)から得た。
【表3】


a 餌Aは3.6%のセルロースを含み、そして餌Bは4.2%のビートパルプ及び1.0%のFOSを用いて作った。
イヌは、二つの群として別々の開放犬舎に収容された。餌は、手術が実施される前、少なくとも6週間にわたり与えられた。手術の直後に、小腸を取り出し、付随する腸間膜を剥ぎ取り、小腸を水平な表面上に真っ直ぐにして、長さを静止状態で測定できるようにした。長さ25−30cmの三つの断片を取り出し、直ちに、予めO2及びCO2(95%及び5%)の混合物で曝気してあった冷たい(2−4℃)リンゲルに入れた。第1の断片は、幽門へ30cm末端からのものであり、基部腸(proximal intestine)と考えられた。第2のものは、小腸の中間位置から採取され、中間腸(midinstine)と指示された。第3の断片は、回盲腸結合部から30cm始まり基部に繋がるものであり、末端腸(distal instine)を代表するものと考えられた。
小腸の三つの断片のそれぞれからの10cmのものを用いて、cm当たりの湿潤重量、周囲及び乾燥物質基準の粘膜の割合を測定した。局所湿潤重量及び名目表面積(繊毛及び微繊毛による面積拡大を算入しない)は、cm当たりの重量及び周囲に局所長さを乗じた積として推定した。局所粘膜重量は、粘膜の割合に局所湿潤重量を掛けることにより推定した。腸全体に付いての数値は、三つの局所のものを合計することにより計算した。
外翻スリーブ法の改変法(Karasov et al.,J.Comp.Physiol.B152:105−116(1983))を用いて、栄養吸収率を測定した。ビーグル成犬は、大きな径の小腸(>1cm)を有するので、栄養吸収を測定するのにスリーブ全体を使用するのは実用的でなかった。代わりに、約0.5cmの組織を、露出粘膜を付けた5mmのロッドの側面及び端部近くに絹結糸で固定した。予備確認研究は、吸収率が無傷の腸スリーブを用いて測定したものと比肩し得ることを明らかにした(数値は固定技法の間で<10%の差であった)。組織は、ロッドへの固定の前、間及び後に冷たい、通気リンゲル中に保持された。
吸収の測定は、37℃で実施され、腸の取り出し後45分に開始された。Puchal及びBuddingtonのプロトコール、Am.J.Physiol.,262:G895−902(1992)に従って、インキュベーシオン液は、リンゲルとグルコースまたはプロリンとからなっていた。組織による栄養の蓄積は、標識付きL−プロリン(H)またはD−グルコース(14C)を添加することにより定量した。プロリンは、「自己の」キャリアー(イミノ酸トランスポーター)を有するが、他のアミノ酸キャリヤーは多様な親和性で幾つかの異なる種類のアミノ酸を運搬し得るので、プロリンを一つの代表アミノ酸として選択した。ポリエチレングリコール(14C)をプロリン溶液に添加して、粘着性液体によって会合され実際には吸収されないプロリンを補正した。グリコース溶液については、受動的に吸収されるイソマーL−グルコース(H)を添加して、粘着性液体中に存在するD−グルコース及び受動的に吸収される独立のキャリヤーを同時に補正させた。組織が栄養液に露出された後に、それらをロッドから取り外し(グルコースに露出された組織は、まず冷たいリンゲル中で20秒間洗浄され、)重量を測ってあるガラスビンに入れた。湿潤重量を記録した後、組織を可溶化し、放射能物質を添加し、関連する放射能を液体放射能計数により測定した。グルコース及びプロリンの吸収率を組織の重量の関数として計算し、表した。
吸収の局所分布は各断片からの組織をグルコースまたはプロリンの50mmol/L溶液を含む溶液中でインキュベートすることにより測定した。予備研究で、この濃度がキャリヤーを飽和させまた吸収の最大率を生じさせるのに充分であることが示された。小腸の全長のグルコース及びプロリン吸収の最大容量は、局所吸収率に局所湿潤重量を掛け合わせた積を合計することにより推定した。
吸収の速度論は、グルコースについて基部腸において、またプロリンについて中間腸において画定された。これは、0.04、0.2、1、5、25、及び50mmol/Lの無標識のグルコース及びプロリンを含むリンゲルに組織を露出することにより行われた。結果の吸収値は、最大吸収率(Vmax)及び見掛新和力定数(Km)を計算するために非線型回帰分析により検討された。プロリンデータの分析のために、受動浸透係数を、キャリヤーと無関係に受動的に吸収されたプロリンの理由説明のために含ませた。
表及び図面に示された数値は、平均及び標準誤差である。ANOVAを餌の効果、寸法の領域及びグルコース及びプロリンの吸収率の領域を調べるために用いた。顕著な局所効果が検出された時に、Duncanの試験を用いて種差を同定した。データの分析は、有意臨界レベルとして認められるp<0.05で、統計分析システム(Statistical Analysis System(SAS,Version6.11、ノースカロナイナ州カリィ)を用いて実施した。
体重は、二つの餌を与えられたイヌの間で差異がなかった。いかし、発酵性繊維源としてビートパルプ及びFOSのブレンドを用いた餌(餌B)を与えられたイヌは、非発酵性繊維を含む餌(餌A)を与えられたイヌよりも20%長い腸を持っていた(p=0.09;表4参照)。周囲長は、基部から末端へと減少した(p<0.05)。いずれの局所においても、数値は、処置の間で変わりがなかったが、三つの局所を一緒にあわせた時には、発酵性繊維を含む餌Bを与えられたイヌは、吸収のために利用できる全腸表面積が28%も大きかった。
cmあたりの湿潤重量は、基部から末端にかけて減少し、全ての局所の間で顕著な差があった(p<0.05)。発酵性繊維を与えられたイヌの腸は、主として基部腸のより大きな重量のために、より高いcmあたり平均湿潤重量を有した(1.17体.04;p<0.05)。中間及び末端局所についての、cm当たり湿潤重量は、処置の間で著しくは変わらなかった。発酵性繊維を与えられたイヌのより高い全腸湿潤重量は、従ってより長い腸を有することと基部腸におけるcmあたりのより大きな重量とが合わさったためである。cm当たりの乾燥重量も、基部から末端へと減少したが(p<0.05)、いずれの局所でも処置の間で差がなく、発酵性繊維を与えられたイヌのcmあたりのより重い基部腸が、より高い水含量に部分的に起因することを示している。たとえそうであっても、発酵性繊維を与えられたイヌは、より多くの全腸乾燥重量を有した。
粘膜の割合は、局所の間(p>0.50)、またはいずれかの局所での処置の間(p’s>0.50)、で差がなかった。三つの局所全てについての平均は、発酵性繊維を含む餌及び含まない餌を与えられたイヌについて、それぞれ、39%±0.02及び39%±0.03であった。より大きな全腸重量のために、全腸粘膜重量は、発酵性繊維を与えられたイヌにおいてより大きかった。
【表4】


グルコース吸収に付いての数値は、キャリヤー仲介の移送を表す。50mmol/Lの飽和濃度での吸収率は、基部腸において最高であったが(図9、局所効果に付いてp<0.05)、発酵性繊維入り餌を与えられたイヌにおいては顕著には高くなかった(処置効果に付いてp>0.20)。中間及び末端腸についての数値は、相互に、また処置の間で、差がなかった。グルコース濃度の関数としての基部腸による吸収の動力学的分析は(図10)、両方の処置からのイヌについての飽和可能吸収を示した。50mmol/Lでの数値は、処置の間で著しくは差がないが、動力学的分析は、発酵性繊維入り餌を与えられたイヌがより高い最高吸収率を有したことを示した(1.21±0.11nmol/mg−分対0.60±0.13、p<0.05)見掛親和性定数は、処置の間での差がなく(6.2±2.1対3.9±3.3)、唯一つのタイプのトランスポーターが存在することを示唆している。
プロリン吸収率に付いての数値は、キャリヤー仲介吸収及び受動的キャリヤー無関係吸収の合計を表している。50mmol/Lでの数値は、処置または局所の間で差がなかった(図9)。
セルロース入り餌(餌A)を与えられたイヌによるプロリン吸収は、プロリン濃度と共に単調に増加し(図11)、キャリヤー仲介プロセスに典型的な飽和の動力学を全く示さず、そして線型関係に最良に適合した。追加の指示因子として、トレイサープロリンの蓄積についての比率を50mmol/Lに対比して0.04mmol/Lにおいて計算した。もしもキャリヤーが制限された数で存在すると、標識付き及び無標識プロリンは、キャリヤーサイトのために競合しなければならないであろう。これによって、トレイサーの蓄積及び栄養濃度の間の反比例関係のゆえに、1.0を超える比がもたらされるであろう。セルロース入り餌を与えられたイヌについての比は、平均0.96±0.11であり、競合の欠如を示している。これらの知見は、動力学的分析からの知見と組合わせられると、受動的流入が100%近くの全プロリン吸収を表すこと、存在ないしは機能するトランスポーターが殆どないこと、を明らかにする。
対照的に、イヌが発酵性繊維入りの餌(餌B)を与えられる場合、吸収と線型から偏るプロリン濃度の間の関係は、飽和可能プロセスと受動的流入を含む式と最良に適合した。これは、平均1.21±0.15のトレイサー蓄積比によって確証された。この値は、1.0から著しくは変わらず、グルコースに付いての比(発酵性繊維入り餌及び発酵性繊維無し餌を与えられたイヌについてそれぞれ9.13±1.36及び4.58±0.80、処置の間でかつ1.0と比較してp<0.05)よりも著しく低かった。しかし、イヌが発酵性繊維入り餌を与えられる時にプロリンのためのより多くのキャリヤーが中間腸内に存在することが示唆される。たとえそうであっても、50mmol/Lでの受動的流入は、なお全流入の90%以上の寄与をなす。
その他の脊椎動物からの無傷の組織によるプロリン吸収についての親和性定数は、約1から5mmol/Lの範囲である。もしイヌのイミノトランスポーターが、他の哺乳動物について知られているものと類似であれば、キャリヤーの全ては、25mmol/Lの濃度で飽和されるであろう。従って、25及び50mmol/Lの間でのプロリン吸収の何らかの増加は、受動的、キャリヤー無関係の流入を反映するであろう。25及び50mmol/Lの間の線の勾配が比較される時、餌A(0.074±0.022mmol/mg−min−mmol/L)と餌B(0.054±0.011、p>0.20)を与えられたイヌの間には差が検出され得ない。
吸収率を局所湿潤重量で積分すると、発酵性繊維入り餌を与えられたイヌは、グルコース吸収のための、より高い全腸容量を有する(271±42μmol/min対139±37;p<0.05)。これは、主に、基部腸におけるより高い値によって引き起こされる;中間及び末端腸についての値は、処置の間で差を示さなかった(図12)。処置の効果は、いずれの局所においてもプロリン吸収容量に付いて検出されなかった(図12)、あるいは小腸の全長に付いて検出されなかった(餌A=1246±155、餌B=1031±124;p>0.40)。
この実験は、イヌの腸構造及び機能が餌の中に存在する繊維のタイプによって変えられることを明らかにする。その結果は、イヌがGITバクテリアにより容易に発酵されうる繊維入りの餌を与えられた時に、より多くの表面積及び粘膜を有するより長い、より重い腸がもたらされることを示す。この応答は、二つの餌を与えられたイヌの間での基部重量及び粘膜量の差異から明らかなように、基部腸において更に強い。基部腸、または腸のいずれかの他の局所における粘膜の割合の差が無いことは(p>0.9)、全ての組織層における増加があることを示すものである。しかし、基部局所のより大きな量の故に、発酵性繊維入り餌を与えられたイヌは、基部局所ならびに小腸の全長においてより多くの粘膜を有した。推論されることは、発酵性繊維入り餌を与えられたイヌが、餌インプットを加水分解し、吸収するためにより大きな腸を持つことである。結果は、また、イヌの餌に発酵性繊維を含ませると、有利なGITバクテリアの増加に加えて、健康なイヌのためになることを示す。
ある種の代表的な具体例及び詳細が本発明説明する目的で示されたが、ここに開示された方法及び装置の種々の変更が、請求の範囲に定義の本発明の範囲を逸脱することなく行われうることは、当業者に明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1A−1Cは“*”で示されたかなり異なった時点(p<0.05)を有する経口グルコース耐性試験(OGTT)の実施後の血漿GLP−1(A)、インスリン(B)、及びグルコース濃度(C)に対する発酵性繊維の効果を示す。
【図2】 図2A−2Cは経口グルコース耐性試験(OGTT)の実施後の血漿GLP−1(A)、インスリン(B)、及びグルコース濃度(C)の曲線下の増分面積を示す。
【図3】 図3は腸プログルカゴンmRNAに対する発酵性繊維の効果を示すグラフである。
【図4】 図4A−4Bは犬の腸の切片内の絨毛の高さ(A)及び陰か(crypt)の深さ(B)に対する発酵性繊維の効果を示すグラフである。
【図5】 図5A−5Bは犬の空腸(A)及び回腸(B)中へのD−グルコースの生体外摂取に対する発酵性繊維の効果を示すグラフである。
【図6】 図6は腸のSGLT−1輸送物mRNAに対する発酵性繊維の効果を示すグラフである。
【図7】 図7A−7Bは犬の空腸(A)及び回腸(B)の多量のSGLT−1輸送物に対する発酵性繊維の効果を示す。
【図8】 図8A−8Bは犬の空腸(A)及び回腸(B)の多量の腸GLUT2輸送物に対する発酵性繊維の効果を示す。
【図9】 図9は隣接(P)、中央(M)、及び遠位(D)の腸内で摂取されたグルコース(GLC)及びプロリン(PRO)の割合のグラフである。
【図10】 図10はグルコース濃度の関数として上記隣接の腸による摂取を示す。
【図11】 図11はプロリン濃度の関数として上記隣接の腸による摂取を示す。
【図12】 図12は隣接(P)、中央(M)、及び遠位(D)の腸内においてグルコース(GLC)及びプロリン(PRO)を吸収する犬の腸の能力を示すグラフである。
【出願人】 【識別番号】595056859
【氏名又は名称】ザ・アイムス・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Iams Company
【出願日】 平成18年11月16日(2006.11.16)
【代理人】 【識別番号】100089705
【弁理士】
【氏名又は名称】社本 一夫

【識別番号】100076691
【弁理士】
【氏名又は名称】増井 忠弐

【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰

【識別番号】100080137
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 昭男

【識別番号】100096013
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 博行


【公開番号】 特開2007−105051(P2007−105051A)
【公開日】 平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願番号】 特願2006−337608(P2006−337608)