| 【発明の名称】 |
茶飲料のフロック発生抑制剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】八木 健介
【氏名】北條 寛
【氏名】山口 智佳
【氏名】鈴木 壯幸
【氏名】南条 文雄
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| 【要約】 |
【課題】特別な装置を必要とせず、既存の製造設備を利用して長期間にわたりフロックの発生が抑制された茶飲料及びフロック発生抑制剤、並びにフロック抑制方法およびフロックの発生が抑制された茶飲料の製造方法を提供すること。
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アミノポリカルボン酸又はその塩を有効成分とする茶飲料のフロック発生抑制剤。 【請求項2】 一般式(I) 【化1】
で示されるイミノ二酢酸基を有することを特徴とする請求項1記載のアミノポリカルボン酸又はその塩を有効成分とする茶飲料のフロック発生抑制剤。 【請求項3】 請求項1又は2記載のアミノポリカルボン酸又はその塩が、一般式(I)で示されるイミノ二酢酸基を分子内に1〜3個を有することを特徴とする茶飲料のフロック発生抑制剤。 【請求項4】 請求項1乃至3記載のアミノポリカルボン酸又はその塩が、エチレンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、ヘキサメチレンジアミン四酢酸、ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、グルタミン酸二酢酸、アスパラギン酸二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジアミノプロパノール四酢酸、又はそれらの塩から選ばれる少なくとも1種を有効成分とする茶飲料のフロック発生抑制剤。 【請求項5】 請求項1乃至4記載のアミノポリカルボン酸又はその塩が、エチレンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、又はそれらの塩から選ばれる少なくとも1種を有効成分とする茶飲料のフロック発生抑制剤。 【請求項6】 請求項1乃至5の何れか一項に記載のフロック発生抑制剤を有効量添加することを特徴とする茶飲料のフロック発生抑制方法。 【請求項7】 請求項1乃至5の何れか一項に記載のフロック発生抑制剤を有効量添加することを特徴とする茶飲料の製造方法。 【請求項8】 請求項1乃至5の何れか一項に記載のフロック発生抑制剤を有効量添加した茶飲料。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、茶を主原料とする密封容器詰液体飲料(以下、「茶飲料」という。)の保存時の二次的な綿状浮遊物及び/又は沈殿物(以下、「フロック」という。)の発生を抑制するフロック発生抑制剤、及び当該抑制剤によるフロック発生抑制方法、並びに当該抑制剤が添加された茶飲料及びその製造方法に関する。 【背景技術】 【0002】 ペットボトルなどの容器詰茶飲料には、飲料製造直後から析出する一次的な沈殿とは別に、長期間保存中にフロック(二次的な綿状浮遊物及び/又は沈殿物)が発生することが知られている。フロックは、時間の経過と共にその大きさと量を増し、最終的には数mm程度の巨大分子に成長して目視観察が可能な状態となり、好ましくない濁りを有する外観を与える。 【0003】 茶飲料におけるフロックの発生は製造後の製品内で徐々に起こるため、従来主流であった缶詰飲料では大きな問題とはならなかったが、近年、容器形態の主流がペットボトルなどの透明容器に移行したことで、フロックの発生が問題となってきた。透明容器中でフロックが発生すると、視覚的な商品価値を著しく損なうだけでなく、その形状から微生物による汚染と誤認され易く、クレームの対象ともなり得る。 【0004】 フロックの発生原因や構成成分については未解明な部分が多く、例えば、フロックの本体は分子量が2万以上の水溶性多糖成分であるとの報告(非特許文献1参照)や、茶成分の一つであるストリクチニンが加熱によってエラグ酸に分解され、このエラグ酸がタンパク質等と結合することによってフロックが形成されるとの報告(特許文献1参照)もあり、その他にもポリフェノール、カフェイン、タンパク質、有機酸、金属イオン等の他成分の関与も推定されるなど様々な見解がある。 【0005】 これまでに、フロックの発生を抑制する茶飲料の製造方法としては、次の様な方法が開示されている。 緑茶の温水抽出液を通常の遠心分離又は濾過による清澄化処理を行った液にアスコルビン酸又はその塩を添加し、ヘミセルラーゼ活性を有する酵素でフロックの発生原因物質と考えられている成分を分解する緑茶飲料の製造方法(特許文献2参照)、緑茶又は生鮮乃至乾燥茶葉を抽出して得た水溶性茶成分を限外濾過法により分画し、分子量約1万以上の高分子成分をほぼ除去することによる清澄緑茶飲料の製造方法(特許文献3参照)、タンニン及びアミノ酸を含有する茶類抽出液を、ポリビニルポリピロリドン樹脂と接触させ、茶類抽出液中のタンニンを吸着させて除去することにより、アミノ酸/タンニン比を0.2〜3.0に設定する茶類飲料の製造方法(特許文献4参照)、緑茶を温水抽出した抽出液にアスコルビン酸を加えて酸性域に調整し、これを急冷して沈殿を積極的に析出させ、遠心分離により抽出液を濾過し、この抽出液を濾過助剤により濾滓濾過を行って清澄化させ、その後、この抽出液のpHを中性域に調整する緑茶飲料の製造方法(特許文献5参照)、容器詰緑茶飲料中のアルミニウムイオンと水不溶性固形分の量を調整する方法(特許文献6参照)、容器詰緑茶飲料中の非エピ体カテキン類とエピ体カテキン類の比率、並びにアルミニウムイオンとケイ素イオンの含量を調整する方法(特許文献7参照)、製造工程の何れかの段階で有効量のアルミニウムを添加して溶解せしめることを特徴とする容器詰茶飲料のフロック発生抑制方法(特許文献8参照)などがある。また、このような方法とは別に、原因物質の一つであるストリクチニンに着目し、茶葉中のストリクチニンを指標に茶葉を選定して茶飲料中のストリクチニン含量を制限することにより製造後に発生するフロックを未然に防止する方法(特許文献1参照)も提案されている。 【特許文献1】特開2003−235451号公報 【特許文献2】特開平8−228684号公報 【特許文献3】特開平4−45744号公報 【特許文献4】特開平9−220055号公報 【特許文献5】特開平4−311348号公報 【特許文献6】特開2004−180574号公報 【特許文献7】特開2004−159665号公報 【特許文献8】特開2005−143331号公報 【非特許文献1】竹尾忠一、ソフトドリンクス技術資料、1号、1993年、p85 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 茶飲料のフロックの発生を抑制する方法に関しては、上記のような様々な方法が開示されている。しかし、これらの方法は少なくとも次のような欠点を有する。例えば、限外濾過処理や沈殿発生誘発後の濾過処理など、特別な製造工程を設ける方法では、新規な製造設備が必要となるのに加え、工程が煩雑になる。 【0007】 また、酵素処理によって内容成分を変化させる方法、濾過処理等によって特定の内容成分を除去する方法は茶浸出液が本来有している成分のバランスを乱すことになるため、飲感や風味への影響が避けられない。特に、高分子多糖類はフロックの原因となる可能性がある一方で、茶飲料のボディー感を構成する重要な働きを持っており、これを分解または除去する方法では茶飲料独特ののど越しを著しく損ない、さらさらとした飲感とさせるため、保存安定性を付与する目的を達成しても本格的な茶とは異なるものになってしまうという問題がある。 【0008】 また、酵素処理による方法は、酵素反応に必要不可欠な反応時間が生産性に大きな障害を与えるだけでなく、香気成分の損失やカテキンなどの酸化による着色など、好ましくない内容成分の変化を引き起こす原因となる。 【0009】 また、アルミニウムを添加する方法では、多量にアルミニウムを添加するとアルミニウムがカテキン等のポリフェノール成分と結合体を形成して沈殿を引き起こす原因となる恐れがある。 【0010】 容器詰茶飲料中のアルミニウムイオン濃度と水不溶性固形分の濃度をコントロールする方法、容器詰緑茶飲料中の非エピ体カテキン類とエピ体カテキン類の比率、並びにアルミニウムイオンとケイ素イオンの含量をコントロールする方法、ストリクチニン含量を指標に茶葉を選定する方法では、これら成分のコントロールが困難である上に、フロックの原因となる他成分の関与を考えると確実な方法とは言い難く、長期の保存においてはフロックの発生を完全に防止することは出来ない。また、これらの方法では必然的に使用できる茶葉が限定されてしまうため、風味を主眼においた茶葉の選択ができず、風味豊かな茶飲料を提供することが困難となる。 【0011】 以上のように、従来開示されている製造方法は、フロック発生の抑制と茶本来の風味を保持するという二点を十分に満足させ得るものではない。従って、本発明は上記のような欠点を克服できる、茶飲料のフロック発生抑制剤及び簡便且つ効果的なフロックの発生抑制方法、並びにフロックの発生が抑制された茶飲料及びその製造方法を提供することを目的とするものである。 【課題を解決するための手段】 【0012】 本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、意外にもアミノポリカルボン酸又はその塩を茶飲料製造時に添加することにより、保存時のフロック発生を抑制する効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。しかも本発明に依れば、単にフロックの発生を抑制するだけでなく、特定の茶成分を除去したり成分のバランスを変化させたりすることがないため、茶本来の風味を有した茶飲料を提供することができる。 即ち、請求項1記載の本発明は、アミノポリカルボン酸又はその塩を有効成分とする茶飲料のフロック発生抑制剤を提供するものである。 【0013】 また、請求項2記載の本発明は一般式(I) 【化2】
で示されるイミノ二酢酸基を有することを特徴とする請求項1記載のアミノポリカルボン酸又はその塩を有効成分とする茶飲料のフロック発生抑制剤を提供するものである。 【0014】 また、請求項3記載の本発明は、請求項1又は2記載のアミノポリカルボン酸又はその塩が、一般式(I)で示されるイミノ二酢酸基を分子内に1〜3個を有することを特徴とする茶飲料のフロック発生抑制剤を提供するものである。 【0015】 また、請求項4記載の本発明は、請求項1乃至3記載のアミノポリカルボン酸又はその塩が、エチレンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、ヘキサメチレンジアミン四酢酸、ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、グルタミン酸二酢酸、アスパラギン酸二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジアミノプロパノール四酢酸、又はそれらの塩から選ばれる少なくとも1種を有効成分とする茶飲料のフロック発生抑制剤を提供するものである。 【0016】 また、請求項5記載の本発明は、請求項1乃至4記載のアミノポリカルボン酸又はその塩が、エチレンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、又はそれらの塩から選ばれる少なくとも1種を有効成分とする茶飲料のフロック発生抑制剤を提供するものである。 【0017】 また、請求項6記載の本発明は、請求項1乃至5の何れか一項に記載のフロック発生抑制剤を有効量添加することを特徴とする茶飲料のフロック発生抑制方法を提供するものである。 【0018】 また、請求項7記載の本発明は、請求項1乃至5の何れか一項に記載のフロック発生抑制剤を有効量添加することを特徴とする茶飲料の製造方法を提供するものである。 【0019】 また、請求項8記載の本発明は、請求項1乃至5の何れか一項に記載のフロック発生抑制剤を有効量添加した茶飲料を提供するものである。 【発明の効果】 【0020】 本発明におけるフロック発生抑制剤を添加した茶飲料は、フロックの発生が長期間抑制されたものとなる。また、本発明のフロック発生抑制方法によれば、特別な装置を必要とせず、既存の製造設備を利用してフロックの発生が抑制された茶飲料を製造することができるため、生産性、製造コストに対する効果が非常に大きい。 【0021】 また、フロックの原因として指摘されている高分子成分やストリクチニンを除去することなくフロックの発生を抑制できるため、各種茶成分を保持した茶飲料を提供することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0022】 以下において、本発明を詳細に説明する。本発明における茶飲料のフロック発生抑制剤は、アミノポリカルボン酸又はその塩を有効成分とする。アミノポリカルボン酸とは、分子内に窒素原子に結合するアルキレンカルボン酸が2個以上存在する化合物であり、アルキレンカルボン酸残基としては酢酸基又はプロピオン酸基が好ましく、酢酸基がより好ましい。 【0023】 さらに本発明においてはアルキレンカルボン酸残基は同一窒素原子に2個結合した部分構造(イミノ二アルキレンカルボン酸基)として存在する化合物が好ましく、 一般式(I) 【化3】
で示されるイミノ二酢酸基を有するアミノポリカルボン酸がより好ましい。 【0024】 また、本発明においては分子内にイミノ二酢酸基を1〜3個を有する低分子のアミノポリカルボン酸が特に好ましく、例えば、エチレンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、ヘキサメチレンジアミン四酢酸、ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、グルタミン酸二酢酸、アスパラギン酸二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジアミノプロパノール四酢酸などを挙げることができ、これらは(株)同仁化学研究所などから販売されている市販品を利用するのが好適である。 【0025】 さらに、これらアミノポリカルボン酸の内、フロック生成抑制効果が著しく高いという点から、好適に使用されるものはエチレンジアミン四酢酸であり、茶飲料に対する溶解度の点からその塩がより好適である。但し、フロック発生抑制剤として使用するアミノポリカルボン酸又はその塩は1種類に限らず、必要に応じて2種類以上を組み合わせて使用しても良い。 【0026】 上記のフロック発生抑制剤を用いて一般的な方法により茶飲料を製造すれば、保存中におけるフロックの発生を抑制することができる。本発明における茶飲料とは、茶樹(学名:Camellia sinensis)の主に葉や茎を用いて製造された緑茶、花茶、烏龍茶、紅茶、プアール茶等の茶葉、或いはこれら茶葉にさらに玄米、麦類、その他各種植物原料をブレンドしたものを、熱水、温水、冷水、エタノール、含水エタノール等で抽出し、得られた抽出液、或いはその希釈液を缶、ガラス瓶、紙パック、ペットボトルなどの密閉容器に充填したものを指す。 【0027】 茶飲料の一般的な製造方法としては、まず原料とする茶葉を20〜50倍重量の温水又は熱水にて抽出する。抽出時間、温度は使用する茶の種類や目的により適宜調整するが、通常は45℃以上85℃以下で3〜30分の抽出を行い、必要に応じて抽出中に撹拌を行う。次いで茶殻等の固形成分を濾過や遠心分離により固液分離することにより茶抽出液を得る。これに水を加えて茶飲料に適した濃度に希釈して調合液とする。この際、必要に応じてアスコルビン酸又はその塩等を添加し、炭酸水素ナトリウム等によりpH4.6〜7.0の間に調整する。最後にこの調合液を缶やペットボトルなどの密封容器に充填して製品化する。また、これら工程中には必要に応じた殺菌処理が含まれる。本発明のフロック発生抑制剤は上記工程中の何れの段階でも添加することができるが、茶抽出液を希釈して調合液とする段階で添加するのが作業効率上好適である。 【0028】 本発明のフロック発生抑制剤の茶飲料に対する添加量は、原料茶葉の種類や使用量、抽出方法、及び最終製品の形態、フロック発生抑制剤の種類によって適宜調節する必要があるが、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムを例に挙げると、飲用時の濃度換算で10mg%以上200mg%以下が好ましく、40mg%以上100mg%以下がより好ましい。10mg%より低い濃度で添加した場合、十分な効果が期待できず、200mg%を超える濃度の添加では茶飲料の水色に影響を与えるため好ましくない。 【0029】 本発明のフロック発生抑制剤を用いた茶飲料のフロック発生抑制方法は、単独で行っても十分な効果が得られるが、フロックや沈殿の発生を抑制する公知の従来技術、例えば酵素処理により高分子多糖類を分解する方法、限外濾過やケイ藻土濾過などの精密濾過を行う方法、沈殿物の発生を促した後にこれを除去する方法等と併用するとより効果が得られる。 【0030】 以下に実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、タンニン濃度の測定は、日本食品分析センター編、「五訂 日本食品標準成分分析マニュアルの解説」、中央法規、2001年7月、p.252に記載の公定法(酒石酸鉄試薬法)に従って求めた。 【実施例1】 【0031】 緑茶飲料用にブレンドした緑茶葉450gを85℃に加温した熱水4.5Lに加え、撹拌しながら5分間抽出を行い、100メッシュのステンレスフィルターで茶葉を分離した。続いて濾紙(No.26、アドバンテック(株)製)を用いて濾過し、緑茶抽出液を得た。緑茶抽出液をロータリーエバポレーターで約1Lまで濃縮した後、凍結乾燥機により乾燥させ、緑茶抽出物90.9gを得た。 【0032】 この緑茶抽出物を使用して緑茶飲料を調製した。緑茶抽出物のタンニン濃度を酒石酸鉄試薬法にて測定した結果、31.1%であった。タンニン濃度60mg%となるように緑茶抽出物をイオン交換水で溶解し、この溶液100mL当たりにL−アスコルビン酸30mg、炭酸水素ナトリウム15mgを加えた。この溶液に対して表1に示した通りに各アミノポリカルボン酸類を所定濃度となるように添加した。更に、炭酸水素ナトリウムを適宜加えてpH6.4に調整し、緑茶調合液を作製した。この調合液を耐熱性ガラス容器に50gずつ充填して密封後、レトルト殺菌処理(121℃、10分間)を行って緑茶飲料とした。 【0033】 一方、対照用としてアミノポリカルボン酸無添加の緑茶調合液を調製し、同様の処理を行った。これらを35℃のインキュベーター内に保存し、その間の経時的なフロックの発生を目視観察した。その結果を表1に示した。表中には緑茶飲料製造後、何日間フロックの発生を抑制したかを示した。なお、一ヶ月間の観察期間中にフロックの発生が認められない場合には「発生なし」として表記した。 【0034】 【表1】
【0035】 表1に示した通り、対照であるアミノポリカルボン酸無添加の緑茶飲料と比較して、本発明のフロック発生抑制剤であるアミノポリカルボン酸を添加した茶飲料は明らかにフロックの発生が抑制された。特にエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムは、他のアミノポリカルボン酸と比較して、顕著なフロック発生抑制効果を示した。 【実施例2】 【0036】 実施例1で得られた緑茶抽出物を使用して緑茶飲料を調製した。緑茶抽出物のタンニン濃度を酒石酸鉄試薬法にて測定した結果、31.1%であった。タンニン濃度60mg%となるように緑茶抽出物をイオン交換水で溶解し、この溶液100mL当たりにL−アスコルビン酸30mg、炭酸水素ナトリウム15mgを加えた。この溶液に対してエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムを表2に示した通りの濃度となるように添加した。更に、炭酸水素ナトリウムを適宜加えてpH6.4に調整し、緑茶調合液を作製した。この調合液を耐熱性ガラス容器に50gずつ充填して密封後、レトルト殺菌処理(121℃、10分間)を行って緑茶飲料とした。 【0037】 一方、対照用としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム無添加の調合液を調製し、同様の処理を行った。これらを35℃のインキュベーター内に保存し、その間の経時的なフロックの発生を目視観察した。その結果を表2に示した。表中には緑茶飲料製造後、何日間フロックの発生を抑制したかを示した。なお、一ヶ月間の観察期間中にフロックの発生が認められない場合には「発生なし」として表記した。 【0038】 【表2】
【0039】 表2に示すように、対照であるエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム無添加の緑茶飲料と比較して、本発明のフロック発生抑制剤であるエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムを添加した緑茶飲料はフロックの発生が抑制された。特に39.3mg%以上の添加で1ヶ月以上という顕著なフロック発生抑制効果を示した。また、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムを添加した緑茶飲料について官能検査を行なったところ、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム無添加と比較して2.0〜196.4mg%の濃度範囲では風味における差異は認められなかった。 【実施例3】 【0040】 中国福建省産ジャスミン茶葉30gを70℃に加温した熱水0.9Lに加え、撹拌しながら5分間抽出を行い、100メッシュのステンレスフィルターで茶葉を分離した。続いて濾紙(No.26、アドバンテック(株)製)を用いて濾過し、0.8Lのジャスミン茶抽出液を得た。このジャスミン茶抽出液をタンニン濃度50mg%となるようにイオン交換水で希釈し、この溶液100mL当たりにL−アスコルビン酸30mg、炭酸水素ナトリウム10mgを加えた。この溶液に対してエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムを表3に示した通りの濃度となるように添加した。更に、炭酸水素ナトリウムを適宜加えてpH6.1に調整し、ジャスミン茶調合液を作製した。この調合液を耐熱性ガラス容器に50gずつ充填して密封後、レトルト殺菌処理(121℃、10分間)を行なってジャスミン茶飲料とした。 【0041】 一方、対照用としてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム無添加の調合液を調製し、同様の処理を行なった。これらを35℃のインキュベーター内に保存し、その間の経時的なフロックの発生を目視観察した。その結果を表3に示した。表中にはジャスミン茶飲料製造後、何日間フロックの発生を抑制したかを示した。なお、一ヶ月間の観察期間中にフロックの発生が認められない場合には「発生なし」として表記した。 【0042】 【表3】
【0043】 表3に示すように、対照であるエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム無添加のジャスミン茶飲料と比較して、本発明のフロック発生抑制剤であるエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムを添加したジャスミン茶飲料はフロックの発生が抑制された。特に約39.3mg%以上の添加で1ヶ月以上という顕著なフロック発生抑制効果を示した。また、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムを添加したジャスミン茶飲料について官能検査を行なったところ、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム無添加と比較して2.0〜196.4mg%の濃度範囲では風味における差異は見られなかった。 【産業上の利用可能性】 【0044】 以上の通り、本発明のフロックの発生抑制剤を添加して調製された茶飲料は、特別な装置を必要とせず、既存の設備を利用して簡便に製造することができ、しかも、茶本来の成分を保持しながらもフロックの発生が長期間にわたって抑制された茶飲料として提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】303044712 【氏名又は名称】三井農林株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年6月9日(2006.6.9) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2007−325569(P2007−325569A) |
| 【公開日】 |
平成19年12月20日(2007.12.20) |
| 【出願番号】 |
特願2006−161396(P2006−161396) |
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