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【発明の名称】 魚類頭部の鼻軟骨分離装置
【発明者】 【氏名】江藤 忠士

【要約】 【課題】魚類の頭部の内、前頭骨を含む不要な残渣を分離できると共に鼻軟骨の回収率が高い分離装置を提供する。

【解決手段】本発明の鼻軟骨分離装置1は、外周が内外棒部材26,27で形成された回転ドラム2を用いて、その内部に鮭の頭部11を通過させて鼻軟骨部12と前頭骨13を含む他の部位とを分離する装置である。内外棒部材26,27は、円柱状の鉄製の棒部材を用いており、各棒部材の間隔は20mmとなっている。これは、鼻軟骨部12を通過させず、前頭骨13を通過させる間隔となっている。回転ドラム2の内部には、内方に起立して軸方向に螺旋状に設けられた案内板29が設けられている。このように、残渣の中で最大の大きさを有する前頭骨13が容易に通過できる回転ドラム2により分離作業を行うので、従来では分離が困難であった前頭骨13が容易に分離できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚類の頭部から鼻軟骨を分離する装置であって、
中空円筒状で回転自在の回転ドラムと、前記回転ドラムを水平方向に保持する支持体と、前記回転ドラムを駆動する駆動手段とを有し、
前記回転ドラムは前記頭部が投入される投入口と、前記頭部から分離された鼻軟骨が吐出される吐出口と、前記投入口と吐出口との間に設けられた円筒部とを有し、
前記円筒部は、外周面が相互に間隔を存して軸方向に内外2重に配設された棒部材で形成され、内部には内方の棒部材の表面から内方に起立して軸方向に螺旋状に延びる案内板が設けられ、
前記棒部材の間隔が前記鼻軟骨は通過させず、前記頭部から分離された前頭骨を含む残渣は通過させる間隔となっていることを特徴とする魚類頭部の鼻軟骨分離装置。
【請求項2】
前記回転ドラムは、前記円筒部と前記吐出口との間に前記吐出口に向けて縮径する円錐台状の円錐部が設けられ、前記円錐部の内部に延びる案内部材には表裏を貫通する貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の魚類頭部の鼻軟骨分離装置。
【請求項3】
前記円筒部の外周面に、前記円錐部の端部から前記投入口側に向けて所定の長さの板状の円筒カバーが取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の魚類頭部の鼻軟骨分離装置。
【請求項4】
前記回転ドラムの外周を囲むと共に前記回転ドラムの下方に開口を有するハウジングと、前記開口の下方に設置される残渣回収容器とが設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の魚類頭部の鼻軟骨分離装置。
【請求項5】
前記魚類が鮭であり、前記棒部材は前記円筒部を軸方向から見たときに隣り合う外方の棒部材と近接する内方の棒部材とが正三角形の頂点となるように配設され、それぞれの棒部材の間隔が18mmから22mmとなっていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の魚類頭部の鼻軟骨分離装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、魚類の頭部からその内部に含まれている鼻軟骨を分離する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、魚類の頭部、特に鼻軟骨部分から健康食品や医薬品等に利用可能なコンドロイチン硫酸等の有用物質が抽出できることが明らかになっており、この頭部から鼻軟骨を取り出すために種々の工夫がなされている。例えば、下記特許文献1に開示されている装置は、外周壁面が網目状の円筒状のドラムと、その内周面に起立して取り付けられた板羽根とを有し、このドラムの中に加熱した魚類の頭部を入れてドラムを回転させ、頭部をドラムの内周面や板羽根に衝突させて頭骨の周囲に付着している皮、筋肉、エラ、或いは硬骨等を分離させ、この分離した皮等を網目からドラムの外周に排出し、ドラムの出口から鼻軟骨を回収するものである。
【0003】
ところが、本件発明者等が実験したところによれば、頭部から鼻軟骨部分を含む頭骨が分離できるものの、分離されるものの中には鼻軟骨の他に不要な前頭骨(硬骨)も混入することが多く、鼻軟骨のみを分離することが困難であった。この前頭骨は、鼻軟骨よりは小さいが残渣の中では最大の大きさを有している。従って、前記特許文献1に開示されている装置において、前記ドラムの網目の大きさを前頭骨が通過できる大きさにすることも考えられる。前記ドラムの網目の大きさをそのような大きさにした場合、前記前頭骨が前記網目を通過するため前記前頭骨を分離することが可能となる。
【0004】
しかしながら、このように網目を大きくしたのでは、鼻軟骨の一部が前記網目に入り込むことが多く、その状態で他の残渣等の重量がかかる等の理由により、鼻軟骨の一部が折れて網目から外部に排出されてしまうことがあった。これでは、鼻軟骨以外の残渣はほぼ分離できるが、肝心の鼻軟骨の回収率が低下してしまうという不都合がある。
【特許文献1】特開平11−206311号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、魚類頭部の鼻軟骨分離装置の改良を目的とし、さらに詳しくは前記不都合を解消するために、魚類の頭部の内、前頭骨を含む不要な残渣を分離できると共に鼻軟骨の回収率が高い分離装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の魚類頭部の鼻軟骨分離装置は、魚類の頭部から鼻軟骨を分離する装置であって、中空円筒状で回転自在の回転ドラムと、前記回転ドラムを水平方向に保持する支持体と、前記回転ドラムを駆動する駆動手段とを有し、前記回転ドラムは前記頭部が投入される投入口と、前記頭部から分離された鼻軟骨が吐出される吐出口と、前記投入口と吐出口との間に設けられた円筒部とを有し、前記円筒部は、外周面が相互に間隔を存して軸方向に内外2重に配設された棒部材で形成され、内部には内方の棒部材の表面から内方に起立して軸方向に螺旋状に延びる案内板が設けられ、前記棒部材の間隔が前記鼻軟骨は通過させず、前記頭部から分離された前頭骨を含む残渣は通過させる間隔となっていることを特徴とする。
【0007】
本発明の魚類頭部の鼻軟骨分離装置によれば、前記投入口より投入された魚類の頭部は、前記回転ドラムの円筒部内で前記棒部材に衝突しながら前記案内部材によって前記吐出口側に運ばれる。前記円筒部は、その外周面が所定の間隔を有する棒部材によって形成されているため、当該棒部材の間隔を通過しない鼻軟骨は前記吐出口まで運ばれる。一方、前頭骨を含む残渣は前記棒部材の間隔を通過するので、円筒部の外部に排出される。
【0008】
ここで、残渣の中で最大の大きさを有する前頭骨は、その大きさが魚類の大きさによって左右されるが、その厚さはその魚類の大きさにさほど左右されない。本発明の装置によれば、前記円筒部の外周面が棒部材の組合せによりできているため、当該棒部材の軸方向の長さは前記前頭骨の大きさに比べて十分長いので、前記棒部材の間隔が前記前頭骨の厚さよりも広ければよい。従って、前記棒部材の間隔は従来の網のように大きくすることなく、前記鼻軟骨は通過させず前記前頭骨を含む残渣のみを通過させることが可能となる。
【0009】
また、前記円筒部の外周面が軸方向に内外2重に配設された棒部材となっているので、前記頭部はまず内周側の棒部材に衝突し、次に外周側の棒部材に衝突することになる。このように、当該構成により前記頭部が前記棒部材に衝突する回数が多くなるため、単に棒部材を1重の円周状に配設した場合に比べて前記鼻軟骨から他の部分を分離しやすい。
【0010】
また、本発明の魚類頭部の鼻軟骨分離装置においては、前記回転ドラムは、前記円筒部と前記吐出口との間に前記吐出口に向けて縮径する円錐台状の円錐部が設けられ、前記円錐部の内部に延びる案内部材には表裏を貫通する貫通孔が設けられていることが好ましい。前記回転ドラムは、前記円筒部から前記円錐部によって縮径されて前記吐出口につながるため、前記吐出口の径を小さくすることができる。このため、前記吐出口から吐出される鼻軟骨の回収が容易となる。また、前記円錐部に設けられた案内部材には貫通孔が設けられているため、前記鼻軟骨は前記貫通孔によって前記案内部材の表面を滑りにくくなるので、前記鼻軟骨が前記円錐部を上昇して前記吐出口まで円滑に案内される。
【0011】
また、本発明の魚類頭部の鼻軟骨分離装置においては、前記円筒部の外周面に、前記円錐部の端部から前記投入口側に向けて所定の長さの板状の円筒カバーが取り付けられていることが好ましい。前記円筒カバーが設けられていることにより、前記棒部材の隙間から前記鼻軟骨の一部が突出することが防止されるため、前記鼻軟骨を円滑に前記円錐部に案内することができる。
【0012】
また、本発明の魚類頭部の鼻軟骨分離装置においては、前記回転ドラムの外周を囲むと共に前記回転ドラムの下方に開口を有するハウジングと、前記開口の下方に設置される残渣回収容器とが設けられていることが好ましい。前記回転ドラムが回転すると、前記頭部から分離された残渣が前記棒部材の間隔から遠心力で外部に排出されるが、前記ハウジング及び前記残渣回収容器によってこれらが散乱することなく回収される。従って、当該構成により残渣の回収も容易となる。
【0013】
また、本発明の魚類頭部の鼻軟骨分離装置においては、前記魚類が鮭であるときは、前記棒部材は前記円筒部を軸方向から見たときに隣り合う外方の棒部材と近接する内方の棒部材とが正三角形の頂点となるように配設され、それぞれの棒部材の間隔が18mmから22mmとなっていることが好ましい。前記魚類が鮭の場合、その前頭骨の厚さはほぼ10mmから20mm程度である。一方、鮭の鼻軟骨の厚さは約30mm以上となっている。従って、前記円筒部の棒部材の間隔を18mmから22mmとすることにより、鮭の鼻軟骨を排出することなく前頭骨を棒部材の間から排出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明の鼻軟骨分離装置の実施形態の一例について、図1乃至図4を参照して説明する。鼻軟骨分離装置1は、鮭の頭部からその中に含まれている鼻軟骨部(図4参照)を分離する装置であり、図1及び図2に示すように、回転ドラム2と、この回転ドラム2を回転自在に支持するフレーム3(支持体)と、回転ドラム2を囲むハウジング4と、回転ドラム2内に原料である鮭の頭部を投入するホッパ5と、回転ドラム2から吐出される鼻軟骨部の確認を行う確認台6とを備えている。また、図2に示すように、回転ドラム2を回転させるモーター7及びチェーン8(駆動手段)とを備えている。
【0015】
回転ドラム2は、図1に示すように、円筒状の円筒部21を有しており、その後方部分は開放されて投入口22となっている。また、円筒部の前方には円錐部23が設けられており、この円錐部23の先端側に吐出口24が設けられている。また、円筒部21の前方部分はその外周面が円筒カバー25で覆われている。
【0016】
円筒部21は、図3に示すように、外周部が内外2重の棒部材により形成されており、内側の内棒部材26と外側の外棒部材27とからなる。この内棒部材26の外周と外棒部材27の内周との間には、リングスペーサ28が介在しており、内棒部材26及び外棒部材27は共にリングスペーサ28に溶接されて固定されている。本実施形態においては、内棒部材26及び外棒部材27共に直径6mmの鉄製の棒を用いている。また、図3に示すように、内棒部材26と隣接する2本の外棒部材27は、それぞれを結ぶと正三角形となるように配設されている。そして、それぞれの棒部材の間隔が20mmとなるように形成されている。
【0017】
また、円筒部21の内部には、図3に示すように120゜毎に螺旋状の案内板29が内棒部材26の表面に溶接されて設けられている。そして、この案内板29は、円錐部23の内部に延びている箇所では表裏を貫通する貫通孔29aが数カ所に設けられている。
【0018】
また、図2に示すように、回転ドラム2の後方には回転ドラム2の中心に取り付けられている回転軸30が後方に突出しており、この回転軸30にはチェーン8を介してモーター7が接続されている。このモーター7はインバーター式で回転数を変更可能であるが、回転ドラム2を回転させる際には約60rpmで回転させるようにしている。
【0019】
また、本実施形態においては、回転ドラム2は、ハウジング4により覆われている。このハウジング4は上ハウジング4aと下ハウジング4bとからなり、下ハウジング4bの下方には開口4cが設けられている。そして、装置の運転時には、当該開口4cの下方に残渣回収容器31が設置され、回転ドラム2によって分離され外部に飛び出して開口4cから落下する残渣を回収できるようにしている。
【0020】
本実施形態において鼻軟骨部が分離される鮭の頭部11は、図4(a)に示すように、エラの後方部分から切り取られた状態で鮭の加工工場等から搬送される。この頭部11には、点線で示す鼻軟骨部12部分が含まれている。この鼻軟骨部12は、頭部11から分離された状態では図4(b)に示すような形状となっている。その長さは鮭自体の大きさに左右されるため約70mmから150mmであるが、その幅は鮭自体の大きさにはあまり左右されず40mmから60mmとなっている。
【0021】
また、頭部11から分離される残渣の内、最大のものは図4(c)に示す前頭骨13である。この前頭骨13の長さは鮭自体の大きさに左右されるため約60mmから100mmであるが、その幅は鮭自体の大きさにはあまり左右されず10mmから20mmとなっている。
【0022】
次に、本実施形態の鼻軟骨分離装置1の作動について説明する。本実施形態の鼻軟骨分離装置1の運転を開始する場合は、図示しない運転スイッチをオンにすることによりモータ7が回転し、チェーン8によって回転力が回転軸30及び回転ドラム2に伝えられ、回転ドラム2が回転する。
【0023】
次に、原料となる鮭の頭部11をホッパ5から投入口22を介して回転ドラム2内に投入する。この頭部11は予めスチームで所定時間加熱され、身やエラ等がほぐれやすいようになっている。回転ドラム2内に投入された頭部11は、内外棒部材26,27や案内板29に衝突して鼻軟骨部12の周囲の皮や身、或いはエラ等が分離される。分離された残渣は、内棒部材26及び外棒部材27の間隔を通過してハウジング4内に飛び出し、下ハウジング4bの開口4cから下方に設けられている残渣回収容器31に収納される。
【0024】
そして、頭部11は案内板29によって回転ドラム2の前方に運ばれながら、鼻軟骨部12と他の部分の分離が進んでいく。ここで、頭部11から前頭骨13が分離されると、その厚さはほぼ一定で20mm未満であるため、内外棒部材26,27の間隔から容易に外部に分離可能となっている。一方、鼻軟骨部12は内外棒部材26,27に衝突するものの、内外棒部材26,27は円柱状であるため従来の網のように縁部が鋭利でないので、円筒部21内では鼻軟骨部12がほぼ欠けることがない。
【0025】
鼻軟骨部12が他の残渣から分離された状態で前記案内板29により円筒部21の前方に搬送されると、円筒部21の外周が円筒カバー25に覆われた箇所に搬送される。この円筒カバー25により覆われた箇所では、鼻軟骨部12の一部が外棒部材27から突出しようとしてもこの円筒カバー25によりその突出が防止される。これにより、鼻軟骨部12の搬送がより容易となる。
【0026】
そして、鼻軟骨部12がさらに前方に搬送されると、円筒部21から円錐部23に搬送される。この円錐部23では、案内板29に貫通孔29aが設けられているため、鼻軟骨部12はこの貫通孔29aによって案内板29の表面を滑ることなく吐出口24まで搬送される。鼻軟骨部12が吐出口24から吐出されると、確認台6の上に落下するので、作業者は落下した鼻軟骨部12を目視で確認しながら次の工程に移送する。
【0027】
本実施形態の鼻軟骨分離装置1では、上述のように鼻軟骨部12以外の部分が回転ドラム2の回転によって分離される。特に、分離される部分の内で最大の大きさとなる前頭骨13はその厚さよりもやや大きい間隔を有する内外棒部材26,27の間から遠心力で外部に排出されるので従来の装置のように鼻軟骨部12と共に吐出口24から吐出されることがない。さらに、鼻軟骨部12は内外棒部材26,27の間からは排出されず、衝突する内外棒部材26,27は円柱状であるため鼻軟骨部12の損傷が抑えられる。
【0028】
尚、上記実施形態においては、棒部材26,27として円柱状の鉄製の棒部材を使用しているが、これに限らず断面形状が楕円形のものや多角形のものを用いても良く、素材も他の素材を用いてもよい。また、上記実施形態においては、駆動手段としてモーター7とチェーン8とを用いているが、これに限らず、小型エンジンや動力伝達ベルト等を用いてもよい。また、前記回転ドラム2はフレーム3により支えられているが、ハウジング4等で指示しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態の一例である鼻軟骨分離装置を示す説明図。
【図2】本実施形態の鼻軟骨分離装置の説明的側面図。
【図3】図2のIII−III線断面図。
【図4】鮭の頭部と鼻軟骨部及び前頭骨を示す説明図。
【符号の説明】
【0030】
1…鼻軟骨分離装置、2…回転ドラム、3…フレーム(支持体)、7,8…モーター及びチェーン(駆動手段)、11…頭部、12…鼻軟骨部、13…前頭骨、21…円筒部、22…投入口、24…吐出口、26,27…内棒部材及び外棒部材(棒部材)、29…案内板。
【出願人】 【識別番号】501195223
【氏名又は名称】株式会社日本バリアフリー
【出願日】 平成17年8月19日(2005.8.19)
【代理人】 【識別番号】100077805
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 辰彦

【識別番号】100099690
【弁理士】
【氏名又は名称】鷺 健志

【識別番号】100109232
【弁理士】
【氏名又は名称】本間 賢一

【識別番号】100125210
【弁理士】
【氏名又は名称】加賀谷 剛


【公開番号】 特開2007−49964(P2007−49964A)
【公開日】 平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願番号】 特願2005−238889(P2005−238889)