トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 加熱蒸散用製剤の揮散向上方法及び加熱蒸散用製剤
【発明者】 【氏名】新 幹彦

【氏名】長谷川 隆啓

【要約】 【課題】加熱蒸散用製剤において、有機発泡剤の使用量を増やさなくても薬剤の揮散を向上させることができる新たな方法、およびこの方法を用いた加熱蒸散用製剤を提供すること。

【解決手段】薬剤と有機発泡剤との混合物を間接的に加熱して、前記薬剤を揮散させるための加熱蒸散用製剤において、前記有機発泡剤の全量に対して、揮散向上剤として作用する無機多孔体を5〜20重量%となるように配合することを特徴とする加熱蒸散用製剤の揮散向上方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤と有機発泡剤との混合物を間接的に加熱して、前記薬剤を揮散させるための加熱蒸散用製剤において、前記有機発泡剤の全量に対して、揮散向上剤として作用する無機多孔体を5〜20重量%となるように配合することを特徴とする加熱蒸散用製剤の揮散向上方法。
【請求項2】
前記無機多孔体が無機焼成発泡体であることを特徴とする請求項1記載の加熱蒸散用製剤の揮散向上方法。
【請求項3】
有機発泡剤を65〜80重量%配合した加熱蒸散用製剤であることを特徴とする請求項1または2に記載の加熱蒸散用製剤の揮散向上方法。
【請求項4】
有機発泡剤としてアゾジカルボンアミドを配合した加熱蒸散用製剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の加熱蒸散用製剤の揮散向上方法。
【請求項5】
薬剤としてピレスロイド系殺虫剤、カーバメイト系殺虫剤、オキサジアゾール系殺虫剤及びスルホンアミド系殺虫剤の1種又は2種以上を配合した加熱蒸散用製剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の加熱蒸散用製剤の揮散向上方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の加熱蒸散用製剤の揮散向上方法により、薬剤の揮散が向上されたことを特徴とする加熱蒸散用製剤。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発泡剤による熱分解ガスの作用により薬剤を揮散させる加熱蒸散用製剤において、薬剤の揮散を優位に向上させることができる加熱蒸散用製剤の揮散向上方法、該揮散向上方法を用いた加熱蒸散用製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から室内、倉庫等のある程度の容積をもつ空間に存在する害虫を駆除するため、薬剤を隅々まで到達させることができる加熱蒸散用製剤が用いられている。この製剤は、アゾジカルボンアミド等の有機発泡剤を間接的に加熱することで熱分解させ、その熱分解ガスの作用により薬剤を効率的に揮散させるものである(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開昭53−130432号公報(第1−6頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記の加熱蒸散剤用製剤では、薬剤の揮散は有機発泡剤の使用量に影響されることから、薬剤の揮散を高めるにはその使用量を増やせばよいと考えられていた。しかし、有機発泡剤の増加にともない煙の発生も増えるので、刺激を感じたり、火災報知器の誤作動を引き起こすこと等もあり必ずしもよいとは言えない。ところが薬剤の揮散を高めるための、これにかわる有効な手段はほとんど検討されていないのが実情である。
そこで本発明は、前記の加熱蒸散用製剤において、有機発泡剤の使用量を増やさなくても薬剤の揮散を向上させることができる新たな方法、およびこの方法を用いた加熱蒸散用製剤を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、薬剤と有機発泡剤との混合物を間接的に加熱して、その混合物中にある薬剤を揮散させるための加熱蒸散用製剤において、特定の無機多孔体を所定量配合して用いることで薬剤の揮散を優位に向上させることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明は以下の(1)〜(5)の加熱蒸散用製剤の揮散向上方法及び(6)の加熱蒸散用製剤によって達成されるものである。(1)薬剤と有機発泡剤との混合物を間接的に加熱して、前記薬剤を揮散させるための加熱蒸散用製剤において、前記有機発泡剤の全量に対して、揮散向上剤として作用する無機多孔体を5〜20重量%となるように配合することを特徴とする加熱蒸散用製剤の揮散向上方法。(2)前記無機多孔体が無機焼成発泡体であることを特徴とする請求項1記載の加熱蒸散用製剤の揮散向上方法。(3)有機発泡剤を65〜80重量%配合した加熱蒸散用製剤であることを特徴とする(1)または(2)記載の加熱蒸散用製剤の揮散向上方法。(4)有機発泡剤としてアゾジカルボンアミドを配合した加熱蒸散用製剤であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の加熱蒸散用製剤の揮散向上方法。(5)薬剤としてピレスロイド系殺虫剤、カーバメイト系殺虫剤、オキサジアゾール系殺虫剤、及びスルホンアミド系殺虫剤の1種又は2種以上を配合した加熱蒸散用製剤であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1つに記載の加熱蒸散用製剤の揮散向上方法。(6)(1)〜(5)のいずれか1つに記載された加熱蒸散用製剤の揮散向上方法により、薬剤の揮散が向上されたことを特徴とする加熱蒸散用製剤。
【発明の効果】
【0006】
本発明の加熱蒸散用製剤の揮散向上方法により、より少ない有機発泡剤の使用量で、薬剤の揮散を優位に向上させることができる。また、煙の発生が抑えられるので、刺激が低減されて使用感が改善され、また火災報知器の誤作動等の問題も解消することができる加熱蒸散用製剤を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の加熱蒸散用製剤の揮散向上方法は、例えば、図1に示されるような、自己発熱装置1の形態で使用される加熱蒸散用製剤Bに用いるものである。
自己発熱装置1は、有底円筒状の外容器2を備えており、その底部から側部にかけて加水発熱物質Aが収容されている。外容器2は、底部に複数の通水孔を有し、通水孔は通水性を有する部材、例えば不織布シート3によって塞がれている。また、外容器2の内部は、仕切部材4により2つの空間に区画されている。仕切部材4は、円筒状で底部が略中空半球状を呈しており、その側壁が外容器2の周壁と同心状に配置されている。
加水発熱物質Aは、外容器2の周壁、仕切部材4及び不織布シート3とで形成される空間に充填され、仕切部材4の内部には加熱蒸散用薬剤Bが収容される。また、外容器2の上部開放面には、仕切部材4の上部開放面に相当する領域に複数の開口部が形成された蓋部材6が被冠されており、更に蓋部材6の開口部は通気孔を有する熱溶融樹脂フィルム7によって塞がれている。
加水発熱物質Aは水との反応により自己発熱する物質であり、例えば、酸化カルシウム(生石灰)が用いられる。従って、使用に際して、自己発熱装置1を水Wが入った容器20に入れることにより、水Wが通水孔を通じて外容器2に流入し、更に不織布シート3を浸透して加水発熱物質Aと接触し、そのとき発生した反応熱により加熱蒸散用製剤Bが加熱されて、有機発泡剤の熱分解ガスと一緒に薬剤が揮散して、熱溶融樹脂フィルム7の通気孔を通じて外部(室内等)に放出される。また、熱溶融樹脂フィルム7は加熱蒸散用製剤Bからの放熱並びに揮散した薬剤との接触により熱溶融するため、蒸散の比較的早い時期から、揮散した薬剤は煙となって蓋部材6の開口部を通じて効率良く外部に放出される。
【0008】
加熱蒸散用製剤は、薬剤と有機発泡剤とを混合し、結合剤等を用いて造粒したものからなるものであるが、本発明の揮散向上方法は、混合時に無機多孔体を有機発泡剤の全量に対して5〜20重量%、好ましくは5〜15重量%となるように配合するものである。これにより、薬剤の揮散を優位に向上させることができる。すなわち、無機多孔体は加熱蒸散用製剤における薬剤揮散向上剤として機能する。
さらに本発明の揮散向上方法により、加熱蒸散用製剤を間接加熱した際の煙の発生を抑えることができる。メカニズムの詳細は明らかではないが、有機発泡剤に対して無機多孔体を特定量配合することで、有機発泡剤の発泡温度が抑えられて煙の発生が抑えられるものではないかと推測される。
この他にも、使用時に焦げ臭や異臭が低減されるので、使用感に悪影響を及ぼさないものである。
【0009】
無機多孔体としては、パーライト、シラスバルーン等の無機焼成発泡体が好ましく、パーライトが特に好ましい。
【0010】
また、加熱蒸散用製剤において、有機発泡剤を65〜80重量%、好ましくは70〜80重量%配合した場合に、薬剤の揮散の向上がよく発揮される。
本発明における有機発泡剤としては、熱分解して窒素ガス等を発生して一緒に薬剤を揮散するものであればよく、300℃以下で発泡溶融してガスを発生するものが好ましい。例えば、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、P−トルエンスルホニルヒドラジド、P,P’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジニトロソペンタンメチレンテトラジン、N,N’−ジニトロソ−N,N’−ジメチルテレフタルアミド、トリヒドラジノトリアジン、アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−アゾビスシアノバレリックアシッド、t−ブチルアゾホルムアミド、2,4−ビス−(アゾスルホニル)トルエン、2,2’−アゾビスイソブチロアミド、メチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、1,1−アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等の1種又は2種以上が挙げられる。
なかでも、アゾジカルボンアミドを配合することで、薬剤の揮散をよりよくするとともに、拡散性をもよくするので好ましい。
【0011】
本発明の揮散向上方法に適した薬剤としては、前記有機発泡剤の熱分解ガスと一緒に揮散する殺虫剤、害虫忌避剤、除菌剤、消臭剤、香料等を用いることができる。
殺虫剤としては、例えば、天然ピレトリン、ピレトリン、アレスリン、フタルスリン、レスメトリン、フラメトリン、ペルメトリン、フェノトリン、シフェノトリン、プラレトリン、トランスフルトリン、メトフルトリン、プロフルトリン、イミプロトリン、エムペントリン、エトフェンプロックス、シラフルオフェン等のピレスロイド系殺虫剤;プロポクスル、カルバリル等のカーバメイト系殺虫剤;フェニトロチオン、DDVP等の有機リン系殺虫剤;メトキサジアゾン等のオキサジアゾール系殺虫剤;フィプロニル等のフェニルピラゾール系殺虫剤;イミダクロプリド、ジノテフラン等のネオニコチノイド系殺虫剤;アミドフルメト等のスルホンアミド系殺虫剤;クロルフェナピル等のピロール系化合物;メトプレン、ハイドロプレン等の昆虫幼若ホルモン様化合物;プレコセン等の抗幼若ホルモン様化合物;エクダイソン等の脱皮ホルモン様化合物;フィトンチッド、薄荷油、オレンジ油、桂皮油、丁子油等の精油類;IBTA、IBTE、四級アンモニウム塩、サリチル酸ベンジル等の1種又は2種以上が挙げられる。
中でもピレスロイド系殺虫剤、カーバメイト系殺虫剤、オキサジアゾール系殺虫剤およびスルホンアミド系殺虫剤が、揮散がよく向上されるので好ましく、特に、シフェノトリン、ペルメトリン、メトキサジアゾン、プロポクスル、アミドフルメト、エトフェンプロックスが好ましい。
【0012】
害虫忌避剤としては、例えば、ディート、ジ−n−ブチルサクシネート、ヒドロキシアニソール、ロテノン、エチル−ブチルアセチルアミノプロピオネート等の1種又は2種以上が挙げられる。
殺菌除菌剤としては、例えば、イソプロピルメチルフェノール、パラオキシ安息香酸エステル、PCMX、IPBC、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム等の1種又は2種以上が挙げられる。
消臭剤としては、例えば、メタクリル酸ラウリル、ゲラニルクロリネート、カテキン、ポリフェノール等の1種又は2種以上が挙げられる。
香料としては、例えば、ピネン、リモネン、リナロール、メントール、オイゲノール、ラベンダー等の1種又は2種以上が挙げられる。
これらの薬剤は、加熱蒸散用製剤に対して0.1〜30重量%となるように配合すればよい。
【0013】
本発明の加熱蒸散用製剤を製造するには、前記の薬剤、有機発泡剤、無機多孔体等が所定量となるように混合し、結合剤や溶剤等を用いて造粒、乾燥させて、顆粒剤、粉末剤、微細粒剤等とすればよい。
これらを造粒する際には、例えば、顆粒剤であれば粒径を約1〜5mmとするのがよい。
造粒の際に用いる結合剤として、例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース類;デンプン、スターチ等のデンプン系、アラビアゴム等の天然系高分子化合物;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の合成高分子化合物等の1種又は2種以上が挙げられる。
これらの結合剤は、加熱蒸散用製剤に対して0.5〜5重量%となるように配合すればよい。
【0014】
溶剤としては、例えば、水、エタノール、プロパノール、ベンジルアルコール等のアルコール類、流動パラフィン、n−パラフィン等のパラフィン類、ブチルジグリコール等のエーテル類、ミリスチン酸イソプロピル等のエステル類、グリセリン等の多価アルコール、N−メチルピロリドン、炭酸プロピレン等の1種又は2種以上が挙げられる。
なお薬剤は、造粒時に混合、練り込む以外にも、造粒後に噴霧、浸漬させて保持させることもできる。
【0015】
さらに必要に応じて、崩壊剤、防錆剤、安定化剤等を配合してもよく、例えば、パラオキシ安息香酸エステル、ステアリン酸エステル、乳酸エチル、サリチル酸クロロフェニル等の有機酸エステル;リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、アジピン酸、コハク酸等の有機酸等の崩壊剤を用いると、加熱による製剤の崩壊が促進され、薬剤の揮散をスムーズとすることができる。
防錆剤としては、例えば、1,2,3−ベンゾトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト等が挙げられる。
安定化剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
この他にも、Cd−ステアレート、Ca−ステアレート、Zn−ステアレート、Zn−オクテート、ZnO、Sn−マレート、ZnCO、尿素、クロムエロー、カーボンブラック、DyphosおよびTribase(ナショナルリード社製)、OF−14およびOF−15(アデカアーガス社製)、KV−68A−1(共同薬品社製)、Mark−553(アデカケミ社製)、Sicostab60およびSicostab61(シーグレ社製)等を併用することで有機発泡剤の発泡温度を下げることもできる。
さらに必要であれば、各種界面活性剤、効力増強剤、色素等を用いることもできる。
【0016】
自己発熱装置1で用いる加水発熱物質Aとしては、例えば、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、酸化カルシウム等が挙げられる。このような発熱システムにおいては、加熱蒸散用製剤に対して加水発熱物質を1〜10重量倍を用いるのがよく、具体的には加熱蒸散用製剤5〜100gに対して加水発熱物質50〜300gを目安として用いるのがよい。さらに加水発熱物質に対して水は0.2〜2重量倍となるように加えればよい。
【0017】
本発明の加熱蒸散用製剤の使用形態としては、自己発熱装置1に限るものではなく、加水発熱物質と水との反応による発熱システムにかえて、例えば、ニクロム線等の電熱線、平板状やリング状、さらに半導体を利用した加熱ヒーター等を用いた電気加熱システム;鉄粉と塩素酸アンモニウム等の酸化剤とを混合する、金属と該金属よりイオン化傾向の小さい金属酸化物又は酸化剤とを混合する、鉄と硫酸カリウム、硫酸鉄、金属塩化物、硫化鉄等の混合物を水や酸素と接触させる、鉄よりイオン化傾向が大きい金属と鉄よりイオン化傾向が小さい金属のハロゲン化物との混合物を水と接触させる、金属と重硫酸塩との混合物を水と接触させる、アルミニウムとアルカリ金属硝酸塩との混合物に水を加える、等の酸化反応により発熱するシステム;硫酸ソーダと炭化鉄との混合物を酸素と接触させる金属硫化物の酸化反応を利用して発熱するシステム等を用いてもよい。
その際、加熱温度としては図1のX(仕切部材4の底部)で測定した時に約200〜500℃、好ましくは約300〜400℃とするのが好ましい。
【0018】
また加熱蒸散用製剤を収納する容器(仕切部材4)としては、例えば、プラスチック容器、紙容器、金属容器、セラミック容器、ガラス容器等を用いることができる。
【実施例】
【0019】
以下に実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0020】
試験例1
図1に示されるような、自己発熱装置1を8畳居室(32m)内の床面中央に設置し、蒸散開始から2時間後の殺虫剤の揮散量を測定し、揮散率を求めた。この試験では表1に記載した加熱蒸散用製剤10gを用い、酸化カルシウム65gに水22gを加えて揮散させた。揮散した殺虫剤は、捕集装置によりシリカゲルを用いて15分間捕集を行い、このシリカゲルより殺虫剤をアセトン1リットルを用いて抽出した。その後、抽出液を吸引濾過して濾過液に、ペルメトリンではセバシン酸ジエチルヘキシルを、メトキサジアゾンではセバシン酸ジブチルを加えてガスクロマトグラフで定量分析を行い、薬剤の揮散率(%)を求めた。試験は2回繰り返して行い、平均値を求めた。
【0021】
【表1】


【0022】
試験結果は表2に示した。有機発泡剤(アゾジカルボンアミド)に対して約11重量%のパーライトを配合した実施例1は、同量の無水ケイ酸を配合した比較例1と比べて、揮散率としてペルメトリンで約33%、メトキサジアゾンで約20%高かった。また実施例1は、参考例1と比べて有機発泡剤が10%も少ないにもかかわらず、ペルメトリンとメトキサジアゾンの両者で同等の揮散率が得られており、パーライトを配合することで薬剤の揮散が優位に向上されることが実証された。
【0023】
【表2】


【0024】
試験例2
実施例1において、有機発泡剤に対するパーライトの配合量をかえて、約5.3重量%(実施例2)、約17.6重量%(実施例3)、約25重量%(比較例2)として、試験例1と同じ試験を行なった。パーライトの増減量に伴ないアゾジカルボンアミドの配合量を調整し、製剤全量としては10gとなるようにした。
試験の結果は表3に示した。実施例のペルメトリンとメトキサジアゾンの揮散率はいずれも比較例1よりも向上した。とくに実施例2では参考例1と比べても同等以上であった。
【0025】
【表3】


【0026】
試験例3
実施例1の加熱蒸散用製剤を用いて、殺虫効力を確認した。まず8畳居室(32m)の対角2箇所の床面に、クロゴキブリ雌成虫10匹/1箇所をスリットボックス内(10mm×100mmのスリットが2つある1辺が30cmの立方体)に設置し、実施例1の加熱蒸散用製剤を居室中央の床面に置いて揮散させた。2時間暴露させて経時的にノックダウン数を計数し、さらに24時間後の致死率(%)を算出した。試験は2回繰り返して行い、平均値を求めた。
試験結果は表4に示した。実施例1は、対照に用いた参考例1以上の殺虫効力を奏することが実証された。
【0027】
【表4】


【0028】
試験例4
8畳相当のチャンバー(32m)の中央の床面から高さ1mの場所に集塵計(SIBATA DIGITAL DUST INDICATOR MODEL P−5)を設置し、実施例1の加熱蒸散用製剤を用いて薬剤を揮散させて、120分後に煙量を1分間測定した。またブランクとして揮散前にチャンバー内の煙量を測定しておき、次式により煙量(c.p.m)を求めた。そして参考例1を対象として、減煙率(%)を算出した。試験は2回繰り返して行い、平均値を求めた。
煙量(c.p.m)=測定した煙量−ブランクの煙量
減煙率(%)=(対照の煙量−測定した煙量)÷対照の煙量
試験結果は表5に示した。実施例1は参考例1と比べてアゾジカルボンアミドが10%少ないのに対して、減煙率は30%を超えており、有機発泡剤の配合差を上回り煙が減少することがわかった。
【0029】
【表5】


【0030】
試験例5
実施例1と、実施例1のパーライトを同量のタルク、カオリンに代えた加熱蒸散用製剤を製造し、図1に示されるような自己発熱装置1を用いて、8畳相当のチャンバー内(32m)の中央の床面に置いて揮散させた。2時間後に換気を10分間行なってチャンバー内にモニターが入り、焦げ臭、異臭についての官能評価を行なった。
モニター10人で評価した結果、カオリン、タルクの順で焦げ臭、異臭があると感じる傾向が見られたが、パーライトを用いた場合には焦げ臭、異臭は感じられず、使用感に優れることがわかった。
【0031】
上記結果より、本願発明によれば加熱蒸散用製剤の揮散率が向上され、煙の発生も抑えられることが実証された。さらに、焦げ臭、異臭の低減効果や殺虫効力が向上することも確認された。
【0032】
試験例6
表6に示す配合とした他は試験例1と同様にして揮散率(%)を求めた。試験は2回繰り返して行い、平均値を求めた。結果を表7に示す。
【0033】
【表6】


【0034】
【表7】


【0035】
表7に示すような、薬剤の配合であっても、各薬剤の揮散率は十分に得られる結果となった。
【0036】
試験例7
表8に示す配合とした他は試験例1と同様にして揮散率(%)を求めた。試験は2回繰り返して行い、平均値を求めた。結果を表9に示す。
【0037】
【表8】


【0038】
【表9】


【0039】
表9に示すような、薬剤の配合であっても、各薬剤の揮散率は十分に得られる結果となった。
【0040】
<製剤例>
本発明の加熱蒸散用製剤の揮散向上方法を用いた加熱蒸散用製剤の製剤例を以下に示すが、本発明は発明の効果を奏する限りこれらに限られるものではない。
【0041】
【表10】


【0042】
【表11】


【0043】
【表12】


【0044】
【表13】


【0045】
【表14】


【0046】
【表15】


【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】加熱蒸散用製剤の一使用形態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 自己発熱装置
2 外容器
3 不織布シート
4 仕切部材
6 蓋部材
7 熱溶融フィルム
20 容器
A 加水発熱物質
B 加熱蒸散用製剤
W 水
【出願人】 【識別番号】000100539
【氏名又は名称】アース製薬株式会社
【出願日】 平成19年5月7日(2007.5.7)
【代理人】 【識別番号】100105647
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 昌平

【識別番号】100105474
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 弘徳

【識別番号】100108589
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 利光

【識別番号】100115107
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 猛

【識別番号】100093573
【弁理士】
【氏名又は名称】添田 全一


【公開番号】 特開2007−326851(P2007−326851A)
【公開日】 平成19年12月20日(2007.12.20)
【出願番号】 特願2007−122305(P2007−122305)