| 【発明の名称】 |
抗菌性マットおよびその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】早坂 邦之
【氏名】杉本 光洋
【氏名】西川 滋之
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| 【要約】 |
【課題】抗菌性を有した再生ポリエステルフィラメントを使用し、砂、泥、埃、水及び油等の掻き落とし性能、付着性に優れ、繰り返し洗濯しても抗菌性・風合いを保持し、長期間の使用に耐え得るマットを提供する。
【解決手段】銀系抗菌剤含有量が20質量%以上配合された銀系無機抗菌剤と亜鉛系無機抗菌剤の混合物を20質量%以下とポリエステル樹脂80質量%以上を混練りして得られるマスターバッチと再生ポリエステル樹脂を50質量%以上含有した紡糸用ポリエステル樹脂とを混練してなる樹脂組成物を紡糸して得られた2〜50dTのマルチフィラメントを撚り合わせたパイル糸が基布にタフトされたマット主体とバッキング層からなるものとする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 抗菌剤が混練されたポリエステル樹脂組成物を紡糸して得られる、2〜50dTの単糸のマルチフィラメントを撚り合わせたパイル糸が、基布にタフトされたマット主体からなるもので、 前記抗菌剤は、銀系無機抗菌剤と亜鉛系無機抗菌剤の混合物で、 前記ポリエステル樹脂組成物は、成形用ポリエステル樹脂と紡糸用ポリエステル樹脂とからなること を特徴とする抗菌性マット。 【請求項2】 前記抗菌剤の添加量は、 前記ポリエステル樹脂組成物に対し、0.5〜2.0質量%であること を特徴とする請求項1に記載の抗菌性マット。 【請求項3】 前記マット主体は、 裏面に銀系無機抗菌剤又は亜鉛系無機抗菌剤を0.5〜5.0質量%含有したNBRゴム、NR/SBR発泡体またはEVA樹脂のバッキング層を有していること を特徴とする請求項1又は2に記載の抗菌性マット。 【請求項4】 前記成形用ポリエステル樹脂は、 ポリエステル成形品からの再生ポリエステル樹脂であること を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の抗菌性マット。 【請求項5】 前記抗菌性マットは、 抗菌性ダストコントロールマットであること を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の抗菌性マット。 【請求項6】 銀系無機抗菌剤と亜鉛系無機抗菌剤の混合物と、 紡糸用ポリエステル樹脂を混練りして得られる樹脂組成物と、 成形用ポリエステル樹脂と紡糸用ポリエステル樹脂と を混練して熔融紡糸して、2〜50dTの単糸のマルチフィラメントを調製し、 得たマルチフィラメントを撚り合わせてパイル糸とし、基布にタフトすることを特徴とする抗菌性マットの製造方法。 【請求項7】 前記混合物は、 銀系無機抗菌剤の割合が、20質量%以上であること を特徴とする請求項6に記載の抗菌性マットの製造方法。 【請求項8】 前記混合物は、 前記樹脂組成物中に対する混合割合が20質量%以下であること を特徴とする請求項6又は7に記載の抗菌性マットの製造方法。 【請求項9】 前記樹脂組成物は、 成形用ポリエステル樹脂50質量%以上、紡糸用ポリエステル樹脂50質量%以下である割合で混練されていること を特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の抗菌性マットの製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 この発明は、抗菌性マットに関し、より詳細には、マットとして用いた際に優れた抗菌性を示し、それを長時間持続することができる抗菌性マット、特に抗菌性ダストコントロールマットに関するもので、マット製造技術に属するものである。 【背景技術】 【0002】 種々の用途を有するマットの一つに、靴底等に付着した屋外のダスト類を屋内に侵入することを防止するために用いられるものとして、ダストコントロールマットと呼称されるものがある。このダストコントロールマットは、レンタルなども含め広く使用されているもので、通常、基布にパイルがタフトされた原反の裏側に、ゴムシートを固着させた一体化型のものとしたものが多く使用され、前記パイルを構成する繊維には、ナイロンが多く使用されている。 【0003】 このようなダストコントロールマットを含め、従来、各種マットに抗菌性を持たせるために、種々の抗菌剤がマットを構成する素材に用いられている。例えば、特開2001−149299公報(特許文献1)には、紡糸用ナイロンを用いたマットに抗菌性を持たせるために、銀系無機抗菌剤を使用すること、また、抗菌剤は、マスターバッチ方式で利用することが開示されている。 【0004】 また、各種マットの原料としても用いられるポリエステル繊維に抗菌性を付与することも種々提案されている。例えば、特開2004−360091号公報(特許文献2)には、抗菌剤金属成分が、銀あるいは銀と亜鉛、銅、バリウム、マグネシュウム、ニッケルより選ばれる、少なくとも一種の金属成分である無機系抗菌剤を使用することが開示されている。 【0005】 一方、近年、エコロジカルの観点から、製品のリサイクルが強く求められている。例えば、特開2002−165749公報(特許文献3)には、ポリエステルボトルから再生された再生ポリエステルからなるパイルに、特定の温度をかけると発現する特有の縮みを利用した、低パイルと高パイルとでデザイン化したレンタルマットが示されている。 また、特開2003−10096公報(特許文献4)には、再生ポリエステルから調製されたループパイルとカットパイルを、オレフィン系熱可塑性エラストマーに熔着させてなるダストコントロールマットが示されているように、各種マットの製造に、ポリエステルボトルなどのポリエステル成形品を、リサイクルして製造された再生ポリエステルによるフィラメントを用いることが開示されている。 【0006】 これらの再生ポリエステル糸を使用したダストコントロールマットは、ナイロン糸使用ダストコントロールマットに比べ、繰り返し洗浄後のパイル糸の縮みや劣化、すなわち、マットの外観の変化がほとんどなく、長期間の使用に適しているという特性を有している。 【0007】 発明者は、これら再生ポリエステルを使用したマット、特に、ダストコントロールマットに抗菌性をもたせるために開発を行い、前記したような銀系無機抗菌剤を用いることを検討した。しかしながら、再生ポリエステル長繊維に抗菌剤を練り込んで紡糸した場合、樹脂表面に抗菌剤が均一に現れず、マット作成中にその抗菌力が低下したり、繰り返し洗浄を行うことにより、さらに抗菌力が低下し、銀系無機抗菌剤が本来持つ、優れた抗菌効果を十分に発揮する製品を得ることができなかった。 【特許文献1】特開2001−149299号公報(特許請求の範囲) 【特許文献2】特開2004−360091号公報(特許請求の範囲) 【特許文献3】特開2002−165749号公報(特許請求の範囲) 【特許文献4】特開2003− 10096号公報(特許請求の範囲) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 前記のような状況下において、発明者等は、マット作成中に抗菌力が低下せず、無機系抗菌剤が本来持つ、優れた抗菌性を十分に発揮でき、また、繰り返し洗浄を行っても、その抗菌力が低下しない抗菌性マット、特に抗菌性ダストコントロールマットを、再生ポリエステルを紡糸してなる繊維を用いて提供することを目的として開発を行った。 【0009】 発明者らは、前記マットの作成中に起こる抗菌力の低下は、前記繊維の表面に無機系抗菌剤が均一に現れていないことが主な原因と考え、前記繊維表面に多くの無機系抗菌剤が均一に現れることにつき、鋭意研究を行った。その結果、銀系無機抗菌剤と亜鉛系無機抗菌剤を混合した無機系抗菌剤混合物を使用することによって、さらには、再生ポリエステル、すなわち、成形用ポリエステルを用いることにより、優れた効果が奏されるマットが得られ、前記目的を達成することができることを見出し、この発明を完成させた。 【課題を解決するための手段】 【0010】 すなわち、この発明の請求項1に記載の発明は、 抗菌剤が混練りされたポリエステル樹脂組成物を溶融紡糸して得られる、2〜50dTの単糸のマルチフィラメントを撚り合わせたパイル糸が、基布にタフトされたマット主体からなるもので、 前記抗菌剤は、銀系無機抗菌剤と亜鉛系無機抗菌剤の混合物で、 前記ポリエステル樹脂組成物は、成形用ポリエステル樹脂と、紡糸用ポリエステル樹脂とからなること を特徴とする抗菌性マットである。 【0011】 また、この発明の請求項2に記載の発明は、 請求項1に記載の抗菌性マットにおいて、 前記抗菌剤の含有量は、 前記ポリエステル樹脂組成物に対し、0.5〜2.0質量%であること を特徴とするものである。 【0012】 また、この発明の請求項3に記載の発明は、 請求項1又は2に記載の抗菌性マットにおいて、 前記マット主体は、 裏面に銀系無機抗菌剤又は亜鉛系無機抗菌剤を0.5〜5.0質量%含有したNBRゴム、NR/SBR発泡体、又はEVA樹脂のバッキング層を有していること を特徴とするものである。 【0013】 また、この発明の請求項4に記載の発明は、 請求項1〜3のいずれかに記載の抗菌性マットにおいて、 前記成形用ポリエステル樹脂は、 ポリエステル成形品からの再生ポリエステル樹脂であること を特徴とするものである。 【0014】 また、この発明の請求項5に記載の発明は、 請求項1〜4のいずれかに記載の抗菌性マットにおいて、 前記抗菌性マットは、 抗菌性ダストコントロールマットであること を特徴とするものである。 【0015】 さらに、この発明の請求項6に記載の発明は、 銀系無機抗菌剤と亜鉛系無機抗菌剤の混合物と、 紡糸用ポリエステル樹脂を混練りして得られる樹脂組成物と、 成形用ポリエステル樹脂と紡糸用ポリエステル樹脂と を混練して溶融紡糸して、2〜50dTの単糸のマルチフィラメントを調製し、 得たマルチフィラメントを撚り合わせてパイル糸とし、基布にタフトすること を特徴とする抗菌性マットの製造方法である。 【0016】 また、この発明の請求項7に記載の発明は、 請求項6に記載の抗菌性マットの製造方法において、 前記混合物は、 銀系無機抗菌剤の割合が30質量%以上であること を特徴とするものである。 【0017】 また、この発明の請求項8に記載の発明は、 請求項6又は7に記載の抗菌性マットの製造方法において、 前記混合物は、 前記樹脂組成物中に対する混合割合が20質量%以下であること を特徴とするものである。 【0018】 また、この発明の請求項9に記載の発明は、 請求項6〜8のいずれかに記載の抗菌性マットの製造方法において、 前記樹脂組成物は、 成形用ポリエステル樹脂が50質量%以上、紡糸用ポリエステル樹脂が50質量%以下の割合で混練されていること を特徴とするものである。 【発明の効果】 【0019】 この発明の抗菌性マットおよび抗菌性マットの製造方法によれば、洗濯を重ねても抗菌効果を十分に発揮し、抗菌持続性が失われることがないという優れた効果を奏する抗菌性マットが提供でき、特にそれらの抗菌性マットは、ダストコントロールマットとして用いるのに好適で、さらに、ポリエステルボトル、いわゆるペットボトルなどのポリエステル成形品のリサイクルを有効に行うことを可能にするものである。 【発明を実施するための最良の形態】 【0020】 この発明の抗菌性マットは、抗菌剤として銀系無機抗菌剤と亜鉛系無機抗菌剤が添加され、樹脂の一部が成形用ポリエステル樹脂であるポリエステル樹脂組成物を紡糸して得られた2〜50dTの単糸のマルチフィラメントを撚り合わせたパイル糸を基布にタフトしてなるマット主体からなるもので、フィラメントを形成するために、紡糸用ポリエステルのみを使用するのでなく、成形用ポリエステルと紡糸用ポリエステルを混練して使用したものである。 【0021】 特に、成形用ポリエステルとしては、ペットボトルなどを調製するためのもの、例えば、特開2002−3708号公報に記載のような樹脂材が用いられるが、ペットボトルのリサイクルにより調製された再生ポリエステルが問題なく適用され、エコロジーの面から、その利用が好ましい。 【0022】 また、紡糸用ポリエステルとしては、ポリエステル繊維の原料として広く用いられているもの、あるいは、特開2001−98422号公報に記載のような改良品などが、幅広く用いられる。 【0023】 また、ポリエステル樹脂組成物に添加される、抗菌剤としての銀系無機抗菌剤と亜鉛系無機抗菌剤も市販されているものも含め、繊維用に使用することが可能なものであれば特に限定がなく、銀系無機抗菌剤としては、例えば、銀を担持したアルミナ、シリカゲル、ゼオライト、リン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、チタン酸カリウム、ハイドロタルサイト、ガラスなどが例示できる。 【0024】 前記亜鉛系抗菌剤としては、亜鉛を高濃度で含有するアルミナ、シリカゲル、ゼオライト、リン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、チタン酸カリウム、ハイドロタルサイト、ガラスおよび酸化亜鉛などが例示でき、亜鉛含有ガラスが、抗菌性能の耐久性が発現しやすいことから、この発明にとり好ましい抗菌剤である。 【0025】 この抗菌剤の添加された樹脂組成物は、溶融紡糸によりマルチフィラメントとされ、マルチフィラメントが撚り合わされて形成されたパイル糸を基布にタフトして、マット主体とするので、その際のフィラメントの太さは、マット用としては、2〜50dT、好ましくは2〜10dTの単糸のフィラメントである。 【0026】 溶融紡糸される樹脂組成物は、マスターバッチ方式により調製するのが、目的とする抗菌性付与のために好ましい。マスターバッチ方式としては、銀系無機抗菌剤と亜鉛系無機抗菌剤の混合物と、紡糸用ポリエステル樹脂を混練りして得られる樹脂組成物、すなわちマスターバッチに、成形用ポリエステル樹脂と紡糸用ポリエステル樹脂とを混練して溶融紡糸する方法が好ましい。 【0027】 マスターバッチにおける銀系無機抗菌剤と亜鉛系無機抗菌剤の混合物としては、銀系抗菌剤含有量が20質量%以上含有しているものが好ましく、より好ましくは30〜50質量%の銀系無機抗菌剤を含有している混合物である。 【0028】 マスターバッチにおける抗菌剤とポリエステル樹脂の割合は、抗菌剤が20質量%以下であるのが好ましく、より好ましくは5〜20質量%の抗菌剤とポリエステル樹脂80〜95質量%を混練することによりマスターバッチとするのが好ましい。 【0029】 マスターバッチ方式における、抗菌剤とポリエステル樹脂の混練は、両者が均一に混練することができれば、公知のいずれの混練機を使用しても良く、ポリエステル樹脂を溶融して行う溶融混練法も採用できる。また、両者の混練に先立って、銀系無機抗菌剤と亜鉛系無機抗菌剤の混合物の存在下、または不存在下でポリエステル樹脂を粉砕するのは、有効な手段である。ポリエステル樹脂と無機抗菌剤を混練する際に、顔料その他の通常添加される物質を共存させても良い。 【0030】 この発明の抗菌性マットは、前記のようにして調整されたマスターバッチと、成形用ポリエステル樹脂を50質量%以上、好ましくは50〜90質量%含有した紡糸用ポリエステル樹脂とを混練することにより製造することができる。 前記成形用ポリエステル樹脂としては、先に述べたように、使用済みポリエステルボトル等のポリエステル成形品からリサイクルされた、再生ポリエステルフレークを使用することができる。また、紡糸用ポリエステル樹脂は任意のものが使用できるが、マスターバッチを調整する際に使用されるポリエステルと同種のものを用いることが好ましい。 【0031】 この発明における樹脂組成物は、前記マスターバッチと前記成形用ポリエステル樹脂を50%質量以上、好ましくは50〜90質量%含有した紡糸用ポリエステル樹脂とを混練したものであるが、前記マスターバッチと前記紡糸用ポリエステル樹脂とは、樹脂組成物中の含有量が0.5〜2.0質量%、好ましくは0.5〜1.5質量%の範囲となるような割合に無機抗菌剤が添加されて使用される。 前記マスターバッチと、成形用ポリエステル樹脂および紡糸用ポリエステル樹脂との混練は、両者が均一に混練することができれば、公知のいずれの混練機を使用しても良い。前記マスターバッチと成形用ポリエステル樹脂および紡糸用ポリエステル樹脂とを混練する際に、酸化防止剤等の添加剤を同時に用いて混練することができる。さらに、紡糸用ポリエステルと顔料からなるマスターバッチを同時に用いて混練しても良い。 【0032】 前記樹脂組成物を紡糸して、抗菌性マット用繊維とするには、通常の紡糸方法で製造することができ、そのフィラメント(単糸)の太さは、前記したように2〜50dT、好ましくは2〜10dTである。 【0033】 溶融紡糸された抗菌性マット用繊維(単糸)の、複数本からなるマルチフィラメントを撚ってなるパイル糸が基布にタフトして抗菌性のマット主体とされるが、前記パイル糸の太さは、通常、1,000〜2,500dTである。この際、前記単糸の10〜100倍の太さのモノフィラメントを1本もしくは複数本、該マルチフィラメントと撚ってパイル糸とすることもできる。 【0034】 前記パイル糸をタフトする基布としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維等の合成繊維からなる織布もしくは不織布が使用されるが、マットがダストコントロール用の場合、耐熱性及び寸法安定性が求められることから、その構成繊維はポリエステル製であることが好ましい。また、織布の場合、その織り方については、平織り、綾織り等限定されるものではない。 【0035】 パイル糸を基布にタフトする方法としては、タフテッド、フック等の従来の手法が採用される。また、その形状は、レベルカット、カットアンドループ、オールループ、ハイカットローカット等限定されるものではない。また、タフト密度は、1インチ当たりのゲージ数及びステッチ数は5〜12、パイル長さは4〜15mmが好ましい。 【0036】 この発明の抗菌性マットは、前記のようにパイル糸が基布にタフトされたマット主体を有することを特徴とするが、さらに、その裏面に滑り止めや型崩れ防止のためにバッキング基材として、NBRゴム、NR/SBR発泡体またはEVA樹脂などの合成樹脂を用いることが好ましく、特に、耐久性の点からNBRゴムが好ましい。 このバッキング基材には、必要に応じて加硫剤、加硫促進剤、可塑剤、着色剤、老化防止剤、充填剤、分散剤等の公知の添加剤が配合される。 【0037】 さらに、この発明において、前記バッキング基材に銀系無機抗菌剤または亜鉛系無機抗菌剤が0.5〜5.0%添加され含有していることが好ましく、より好ましくは、銀系無機抗菌剤または亜鉛系無機抗菌剤を0.5〜3.0質量%含有しているものである。 【0038】 バッキング基材に添加される抗菌剤としては、前記した樹脂組成物に使用されるものとして例示されもが同じく使用可能である。 以下、この発明の抗菌性マットを、実施例により詳細に説明する。 【実施例1】 【0039】 <抗菌剤の調整> 硫酸ジルコニウムの水溶液及び燐酸二水素ナトリウムの水溶液をジルコニウムと燐の比が2:3になるように混合することにより沈殿物を生成させ、水酸化ナトリウムの水溶液を用いてpHを2に調整した後、水熱状態下、温度150℃で24時間加熱することにより結晶性燐酸ジルコニウムを得た。 この結晶性燐酸ジルコニウムを硝酸銀の水溶液に添加し、室温で4時間攪拌した後、十分に水洗し、乾燥して得た粉末を温度800℃で4時間焼成した後、軽く粉砕することにより銀系リン酸ジルコニウム抗菌剤を得た。 ZnO/55モル%、B2 O3 /28モル%、Al2 O3 /1モル%、Na2 O/7モル%およびSiO2 /9モル%を混合した原料調合物を温度1000〜1400℃で加熱溶融しガラスを作成後、得られたガラスをボールミルにて湿式粉砕後して亜鉛系ガラス抗菌剤を得た。 得られた銀系リン酸ジルコニウム抗菌剤30%と、亜鉛系ガラス抗菌剤70%をよく混合し、銀系無機抗菌剤と亜鉛系無機抗菌剤の抗菌剤混合物を調製した。 【0040】 <樹脂組成物の調整> ポリエステル樹脂を80kg、加熱して攪拌しながら温度280℃に保ち、これに前記で調整した無機系抗菌剤の混合物20kgを投入し、さらに所定時間攪拌を続けた後、冷却してペレットとした抗菌剤入りマスターバッチを調製した。 ポリエステル樹脂40kg、所定量の緑色顔料とポリエステル樹脂から調整したマスターバッチ5kg、再生ポリエステル樹脂50kg、前記で調整した抗菌剤入りマスターバッチを5kg、さらに酸化防止剤を200ppm混合し、樹脂組成物とした。 【0041】 <抗菌性マットの作成> 前記で調製した樹脂組成物を、通常の溶融紡糸法で5dTの単糸を紡糸し、このものを捲縮加工して1,440dTのマルチフィラメントとし、これを2本用い、下撚り160回、上撚り160回行い、ヒートセットしてパイル糸とした。 このパイル糸を、目付け質量120g/m2 のポリエステル製不織布に、ゲージ:1/8インチ(0.32cm)、ステッチ:8本/インチ(2.54cm)、パイル長:10mmのカットパイル条件でタフトしてマット主体(原反)を作製した。 このマット主体に、乾燥後の樹脂目付けが80g/m2 となるように、NBRラテックスを塗布し、乾燥してパイル抜け防止処理を行った。このマット主体のNBRラテックス塗布面に、加硫剤及び加硫促進剤を含有する厚さ1.5mmのNBRゴムシートを載せ、温度150℃で15分間、5kg/cm2 (490kPa)の圧力プレスすることにより接着、加硫を行って、一体型抗菌性ダストコントロールマットを作製した。 【実施例2】 【0042】 NBRゴムシートに、亜鉛系ガラス抗菌剤を1質量%配合した以外は、実施例1と同様にして抗菌性ダストコントロールマットを作製した。 【0043】 <比較例1> 銀系/亜鉛系混合抗菌剤の代わりに、銀系無機抗菌剤を用いた以外は、実施例1と同様にして抗菌剤入りのマスターバッチを調製し、このマスターバッチを用いた以外は、実施例1と同様にして抗菌性ダストコントロールマットを作製した。 【0044】 <比較例2> 再生ポリエステルの代わりに、紡糸用ポリエステルを用いた以外は、実施例1と同様にして抗菌性ダストコントロールマットを作製した。 【0045】 実施例1及び比較例1〜2で得られた抗菌性ダストコントロールマットについて、抗菌力試験を下記の要領で行い、それらの結果を表1に示した。 【0046】 抗菌力試験1 75cm×90cmの各マット、さらにこれらのマットを、アルカリ性洗剤の0.1%水溶液中で10分間洗濯した後、すすぎ(10分)、脱水(5分)、乾燥(30分)する工程を1回とし、これを100回行ったものそれぞれにつき、 JIS L 1902-20008.定量試験に準拠してパイル部分(繊維部分)のみを切り取り、黄色ブドウ球菌を菌種として使用し、抗菌力試験を行った。 【0047】 【表1】
【0048】 抗菌力試験2 抗菌力試験1において、試験に供する試験片をパイル部分のみを切り取るのではなく、バッキングごと約2cm×2cmに切り取り、上部(パイル部分)から菌液を滴下した以外は、抗菌力試験1と同様の操作で試験を行った。その結果を表2に示した。 【0049】 【表2】
【0050】 抗菌力試験1の評価方法において、繊維評価技術協議会の制菌加工の基準「殺菌活性値0以上に対する適合性」を用いて判断すると、実施例1のマットは洗濯前及び100回洗濯後も適合となり、抗菌性能を持続している。 一方、比較例1のマットは、洗濯前においてすでに適合しておらず、抗菌性能がないことが判る。 また、比較例2のマットは洗濯前では適合するものの100回洗濯後は適合しておらず、抗菌性能持続性を有しない。 さらに、抗菌力試験2の評価方法による、マットの形体で試験した場合においても、実施例1と2のマットのみが、殺菌活性値で0以上の効果が洗濯前及び選択後でも得られ、抗菌性能を持続するものである。 【産業上の利用可能性】 【0051】 この発明の抗菌性マットは、マット作成中に抗菌力が低下せず、無機系抗菌剤が本来持つ、優れた抗菌性を十分に発揮でき、また、繰り返し洗浄を行ってもその抗菌力が低下しないものであるため、ホテル、デパート、事務所などに限らず、各家庭などでも幅広く利用されるもので、マット製造業に限定されず利用されるものである。また、この発明の抗菌性マットの製造方法においては、原料としてペットボトルなどのリサイクルを可能とする再生ポリエステルの使用が可能なもので、リサイクル業界にも利用されるものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003034 【氏名又は名称】東亞合成株式会社 【識別番号】000104939 【氏名又は名称】クリーンテックス・ジャパン株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年2月14日(2006.2.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100069903 【弁理士】 【氏名又は名称】幸田 全弘
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| 【公開番号】 |
特開2007−217300(P2007−217300A) |
| 【公開日】 |
平成19年8月30日(2007.8.30) |
| 【出願番号】 |
特願2006−36696(P2006−36696) |
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