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【発明の名称】 抗菌、防カビおよび生物防除作用を有する成型されたプラスチック製品
【発明者】 【氏名】西田 登志夫

【要約】 【課題】滅菌、殺菌等の抗菌作用および防カビ作用、ダニ類、ナメクジ類、カタツムリ類等の生物に対する防除作用を有するプラスチック製品を提供する。

【解決手段】本発明の抗菌作用、防カビ作用、生物に対する防除作用を有するプラスチック製品は、樹脂に銅、銅合金、亜鉛のような抗菌性を有する金属粉を成分として含有している。また、本発明による抗菌作用、防カビ作用、生物に対する防除作用を有するプラスチック製品の製造方法は、樹脂と銅または銅合金、亜鉛のような抗菌性を有する金属粉と分散剤とを混合した後、この混合物を押出機で押出して糸状または紐状の抗菌性金属粉含有樹脂を生成し、この糸状または紐状の抗菌性金属粉含有樹脂を所定の大きさにカットしてペレット化することからなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗菌性を有する金属粉を成分として樹脂に含有させたことを特徴とする、抗菌、防カビおよび生物防除作用を有するプラスチック製品。
【請求項2】
抗菌性金属粉として銅粉、銅合金粉、または亜鉛粉のいずれかが使用されることを特徴とする、請求項1に記載のプラスチック製品。
【請求項3】
樹脂として、ABS、PE、PS、PA、PMMA、PP、POM、PVC、AS、PBTからなる群から選ばれたものが使用されることを特徴とする、請求項1のプラスチック製品。
【請求項4】
樹脂と、抗菌性金属粉と、分散剤とを充分に混合した後、この混合物を押出機で押出して糸状または紐状の抗菌性金属粉含有樹脂を生成する工程と、該糸状または紐状の抗菌性金属粉含有樹脂を所定の大きさにカットして抗菌性金属粉含有樹脂ペレットを生成するする工程と、を含む抗菌、防カビおよび生物防除作用を有するプラスチック製品を製造する方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、滅菌、殺菌等のいわゆる抗菌作用、防カビ作用、およびノミやダニ類、ナメクジ類、カタツムリ類等の生物防除作用を有するプラスチック製品およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プラスチック製品の色彩を金属色にする目的で樹脂にアルミニウムその他の金属を混入するという考え方はあった。しかし、プラスチック製品に、滅菌、殺菌等のいわゆる抗菌作用、防カビ作用をもたせる目的、あるいはノミやダニ類、ナメクジ類、カタツムリ類の生物防除作用をもたせる目的で、樹脂に銅または銅合金あるいは亜鉛のような抗菌性を有する金属粉を含有させて成型されたプラスチック製品はこれまでなかった。
【0003】
上記のように、銅や銅合金、亜鉛のような抗菌性を有する金属は、抗菌作用、防カビ作用の他に上記のような生物に対する防除作用のあることは知られている。そこで、抗菌作用、防カビ作用を発揮することが望まれる各種の容器類、抗菌盆、冷蔵庫、電子レンジ、食器乾燥機、給湯ポット、浄水器等の各種台所用品の部品をはじめ、エアコン、洗濯機、加湿器の部品、トイレや洗面所の各種器具、備品類、不特定多数の人が触れる各種公共施設の器具や備品類、文具類、各種建材、また、上記生物に対する防除作用を発揮することが望まれる植木鉢、雨樋、水耕栽培用水路、防貝ブイ製品等については、これらを銅や銅合金あるいは亜鉛のような金属で作ればよいが、銅や銅合金、亜鉛のような金属は高価であるためコスト的に問題があり、加工にも手間がかかり、さらに重い等の理由で、実際にはこれらの製品を銅や銅合金、亜鉛のような金属で作るわけには行かない。
【0004】
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【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、銅や銅合金あるいは亜鉛等の抗菌性を有する金属粉を樹脂に含有させることにより、上記の抗菌作用、防カビ作用、さらに生物防除作用を発揮するプラスチック製品を提供すると共にそのプラスチック製品の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のプラスチック製品は、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、PE(ポリエチレン)、PS(ポリスチレン)、PA(ポリアミド)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PP(ポリプロピレン)、POM(ポリオキシメチレン)、PVC(ポリビニルクロリド)、AS(アクリルスチロール)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)を含む群から選ばれた樹脂に、銅や銅合金あるいは亜鉛のような抗菌性を有する金属粉を含有させて形成されたペレット、またはこのペレットから成型されたものからなる。
【0007】
本発明のプラスチック製品の製造方法は、上記のABS、PE、PS、PA、PMMA、PP、POM、PVC、AS、PBTを含む群から選ばれた樹脂に、銅や銅合金あるいは亜鉛のような抗菌性を有する金属粉と分散剤とを混合して、混合装置で充分に混合した後、この混合物を押出機で押出して糸状または紐状の抗菌性金属粉含有樹脂を生成し、該糸状または紐状の抗菌性金属粉含有樹脂を所定の大きさにカットしてペレットを生成することを含んでいる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、殺菌、滅菌等の抗菌作用、防カビ作用、ならびにノミやダニ類、ナメクジ類、カタツムリ類等の有害生物に対して極めて有効な防除作用を発揮するプラスチック製品を、たとえその形状が複雑であっても、容易に且つ安価に加工して提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明によるプラスチック製品は、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、PE(ポリエチレン)、PS(ポリスチレン)、一般にナイロンと称されるPA(ポリアミド)、一般にアクリル樹脂と称されるPMMA(ポリメチルメタクリレート)、PP(ポリプロピレン)、POM(ポリオキシメチレン)、一般に塩ビと称されるPVC(ポリビニルクロリド)、AS(アクリルスチロール)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)を含む群から選ばれた樹脂に、銅粉を約0.1〜約80重量%、好ましくは約5〜約10重量%含有させて形成されたペレットからなる。本発明のプラスチック製品には、また、この銅粉含有ペレットから通常のプラスチック製品の成型法を用いて成型された、各種の形状、寸法の容器類、抗菌盆、冷蔵庫、電子レンジ、食器乾燥機、給湯ポット、浄水器等の各種台所用品の部品をはじめ、エアコン、洗濯機、加湿器の部品、トイレや洗面所の各種器具や備品類、不特定多数の人が触れる各種公共施設の器具や備品類、その他の滅菌、殺菌、防カビ等の抗菌作用を有することが望まれる文具類、建材等の各種の製品、水耕栽培用水路、雨樋、植木鉢、防貝作用を備えたブイ類、船舶用品等、有害な生物に対する生物防除作用を発揮することが望まれる各種の製品が含まれる。
【0010】
銅粉の含有量は、抗菌作用、防カビ作用、生物に対する防除作用と、成型の容易性、製品の許容脆性、加工性等を考慮して、通常は約1〜約80重量%の範囲に設定されるが、プラスチック製品の使用目的、使用状況によっては約0.1重量%の含有量でも充分の抗菌作用、防カビ作用、生物防除作用が得られることが確かめられている。なお、上記の範囲の銅分を混入したプラスチックについて、引っ張り強度、曲げ強度について試験したところ、銅粉を含まない通常のプラスチックのそれと比べて何ら遜色のないことが確かめられた。
【0011】
樹脂に混入される銅粉としては、いわゆる粉末状、粒状、針状、短繊維状、鱗片状、薄片状等の種々の形状のものが使用可能である。本明細書では、これらを“銅粉”の用語で総称する。銅粉の大きさは、約20〜約100μm、好ましくは約30〜45μmの範囲にある。混入された銅粉の一部は、成型されたプラスチック製品の表面にも安定した状態(容易に剥離または脱落しない状態で(例えば、銅粉の形状を体積に比べて表面積がより大きくなるような形状にすることなどによる))で露出していることが抗菌性、防カビ製、生物に対する防除作用を持続的に発揮する上で望ましい。
【0012】
図1には本発明の実施形態による銅粉を成分として含有するプラスチック・ペレットの製造方法が概略的に示されている。同図で、ホッパー1より前述のABS、PE、PS、PA、PMMA、PP、POM、PVC、AS、PBTを含む群から選ばれた樹脂と、銅粉と、適量の分散剤とを投入し、例えばタンブラーあるいはヘンシェルミキサーで充分に三種混合した後、例えば一軸混練押出機2で糸状または紐状の銅粉含有樹脂3を生成する。この糸状または紐状の銅粉含有樹脂3を冷却用水槽4で冷却し、次いで例えばエアーワイパー5で付着した水分を除去すると共に乾燥させ、ペレタイザー6に供給する。ペレタイザー6は糸状または紐状の銅粉含有樹脂3を所定の大きさにカットしてペレット状にする。生成されたペレットは給送パス7を経て例えば振動篩8に送られ、大きさが選別されて、所定寸法の銅粉含有ペレットが生成される。上記の樹脂の他に例えばPC(ポリカーボネート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)についても実施したが、PCおよびPETは分子量が著しく小さく、銅粉と馴染み難く、銅粉を均一に混入し難いことから、本発明のプラスチック製品を製造するための樹脂として使用不能ではないが、あまり適さない。
【0013】
上記の樹脂に混入される銅粉としては、いわゆる粉末状のものの他に前述の粒状、針状、短繊維状、鱗片状、薄片状等の種々の形状のものも含まれる。また、銅粉の大きさは、約20〜約100μmの範囲でよいが、約30〜約45μmの範囲にあることが好ましい。銅粉の含有量は、通常は約1〜80重量%、好ましくは約5〜約10重量%の範囲にあるが、約0.1重量%の銅粉含有量でも所望の抗菌作用、防カビ作用、さらに生物に対する防除作用のあることが確かめられており、銅粉の含有量は上記の範囲に限定されるべきではない。
【0014】
顕微鏡的に見れば、生成された各ペレット毎の銅粉含有量には若干のバラツキがあるが、生成された全てのペレットを充分にブレンドして、前述の各種のプラスチック製品を成型すると、所定量の銅粉を実質的に均等に含有するプラスチック製品が形成される。
【0015】
本発明による銅粉を成分として含有する樹脂ペレットから成型されたプラスチック容器と、銅粉を含まない通常の樹脂で成型されたプラスチック容器を水で濡らして高温多湿の状態で10日間放置したところ、銅粉を含まないプラスチック容器にはカビが生えたが、本発明の銅粉を含有するペレットから成型されたプラスチック容器には全くカビが生えず、所望の抗菌作用、防カビ作用の得られることが確認された。
【0016】
また、本発明の銅粉を含有する樹脂ペレットから成型された例えば植木鉢は、ナメクジ類、カタツムリ類に対して極めて有効な防除効果がある。また、本発明の銅粉を含有するペレットから成型されたプラスチック・シートは、ノミやダニ類に対する防除効果が得られ、このシートを畳の下に敷くと、畳をカビから保護し、またノミやダニ類の害虫を防除する効果が得られる。さらに、本発明の銅粉を含有する樹脂ペレットは、前述のような抗菌作用、防カビ作用、生物に対する防除作用を発揮することが望まれる文具類、各種の建材、パイプ類の成型にも使用することができる。本発明の銅粉を含有するペレットから成型された水道管は、上述の抗菌作用、防カビ作用の他に水道水に含まれる塩素を除去する作用のあることも判った。
【0017】
上記の実施形態では、樹脂に混入する金属として銅粉を使用する例を示したが、銅粉の他に銅合金粉、亜鉛粉の金属粉を混入しても同様の効果が得られる。
【0018】
以上、説明した実施形態は典型例として挙げたもので、当業者であれば本発明の原理および範囲から逸脱することなく種々の変更が可能であり、また等価製品の実施が可能なことは明らかである。よって、本発明は、これらの変更例、等価製品も含むことは云うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明のプラスチック製品を製造するために使用される装置の一例を概略的に示した図である。
【符号の説明】
【0020】
1 ホッパー
2 混練押出機
3 糸状または紐状の銅粉含有樹脂
4 冷却用水槽
5 エアーワイパー
6 ペレタイザー
7 給送パス
8 篩
【出願人】 【識別番号】596163080
【氏名又は名称】カウゼル株式会社
【識別番号】500440038
【氏名又は名称】大同硝子興業株式会社
【出願日】 平成18年11月2日(2006.11.2)
【代理人】 【識別番号】100105360
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 光治

【識別番号】100062993
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 浩


【公開番号】 特開2007−51158(P2007−51158A)
【公開日】 平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願番号】 特願2006−298823(P2006−298823)