トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 殺菌または滅菌のための酸素による活性化可能な処方物
【発明者】 【氏名】ロバート シー. アレン

【要約】 【課題】消毒、殺菌または滅菌のための方法および組成物、より詳細には、本発明は、貯蔵のために包装されているときには不活性のままであるが、使用のために調合する場合、空気に曝すと、消毒剤、殺菌剤または滅菌剤として活性となる、方法および組成物を提供すること。

【解決手段】微生物を死滅させまたは増殖を阻害する方法であって:(a)ハロペルオキシダーゼ、ハライド、および酸素に曝露するとペルオキシドを発生し得るペルオキシド発生剤を含む殺微生物組成物を、実質的に嫌気性条件下に維持する工程;(b)該組成物を酸素に曝露して、該組成物の殺微生物活性を活性化する工程;および(c)該微生物を活性化された該組成物に接触させて、該微生物を死滅または増殖を阻害する工程を包含する、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
殺菌または滅菌のための酸素による活性化可能な処方物。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、消毒、殺菌または滅菌のための方法および組成物に関する。より詳細には、本発明は、貯蔵のために包装されているときには不活性のままであるが、使用のために調合する場合、空気に曝すと、消毒剤、殺菌剤または滅菌剤として活性となる、方法および組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
消毒は、微生物の量(content)の実質的な減少として定義され、他方、殺菌は、疾患を引き起こし得る全ての生命形態の除去である。実際的には、殺菌は、胞子以外の全ての生存可能な微生物の駆除を意味する。滅菌は、胞子を含む全ての生存可能な微生物の完全な除去を意味する(非特許文献1)。現在使用されている許容可能な滅菌方法は、オートクレーブ(加圧蒸気)、乾熱、およびガス滅菌(たとえばエチレンオキシド)である。消毒薬に浸漬することによる滅菌は、典型的には不完全であり、上記の滅菌法が適用できない状況においてのみ、望ましい。
【0003】
上記の滅菌法の全てには制限がある。多くの物質および装置が、乾熱または蒸気滅菌によって破壊される。ガス滅菌は、典型的には長い接触(例えば、1時間を超える)を必要とし、そして処理された物質からガスを消散させるための滅菌後期間を必要とする。レンズ状(lensed)装置または多孔性物品は、典型的には、使用の前に24時間から48時間、空気に曝すことを必要とする。他方、グルタルアルデヒド(2%)、ホルムアルデヒド(8%)−アルコール(70%)、または過酸化水素(6%)のような殺菌薬(germicidal agent)による滅菌は、6時間から18時間の範囲の曝露時間を必要とする。これらの殺菌薬はまた、毒性が高く、そしてその効果が無差別である。そのままでは、これらの滅菌剤を宿主組織に直接接触させることはできず、そしてコンタクトレンズ、医学的装置および外科的装置のような生物医学的デバイスのための滅菌剤、あるいは創傷洗浄のための滅菌剤としての有用性は限られる。例えば、コンタクトレンズの殺菌または滅菌のために使用される抗菌剤は、多くの独特の性質を有さなければならない。一方で、それは眼に対して危険であり得る微生物に対して有効でなければならない。同時に、それは、使用者のデリケートな眼の環境において許容されなければならず、またコンタクトレンズ自体にも損害を与えてはならない。多くのコンタクトレンズ用の殺菌および保存溶液が当該分野で公知である。そのような典型的な溶液は、ソルビン酸、チメロサール、クロルヘキシジン、ポリ四級(polyquaternary)殺菌薬、合成抗生物質または従来の四級殺菌剤(塩化ベンザルコニウム)のいずれかを使用する。しかし、これらの従来の抗菌剤は、その使用を制限する傾向にある欠点を有する。例えば、ソルビン酸は、特質上、ホルムアルデヒド残留物を含み、チメロサールはある患者においてはアレルギー増感剤として作用し、そしてクロルヘキシジンは比較的毒性である。また、ソフトコンタクトレンズ材料は、抗菌剤およびコンタクトレンズケア溶液中に通常見いだされる他の活性成分を、ある場合には危険なレベルまで、結合かつ濃縮する傾向を有するという問題点がある。例えば、塩化ベンザルコニウムは、レンズマトリックス中に取り込まれる傾向のため、典型的にはソフトコンタクトレンズと共には使用されない。さらに、現在までに知られている抗菌剤のうちの多くが、眼の環境において問題となる多くの真菌および酵母に対して、比較的有効ではない。
【0004】
特許文献1は、ペルオキシドおよびクロライドまたはブロマイドの存在下で微生物をハロペルオキシダーゼおよび抗菌活性増強α-アミノ酸と接触させることによる、細菌、酵母または胞子状の微生物を死滅させるためのハロペルオキシダーゼに基づく系を開示する。米国特許第5,389,369号の組成物および方法は非常に有効な抗菌剤であることが見いだされているが、ハロペルオキシダーゼ/ペルオキシド相互作用と、使用のための調合に先立つ消尽とを防ぐため、成分を別々に貯蔵および維持しなければならない。
【0005】
従って、細菌、真菌および酵母に対して有効で、使用者により許容され、デバイスに損害を与えず、そして貯蔵および使用が容易かつ利便であるように設計された、物質およびデバイス(例えば、コンタクトレンズ、外科用装置および他の生物医学的デバイス)の殺菌および/または滅菌のための方法および組成物に対する要求がある。理想的には、このような殺菌剤−滅菌剤組成物は、迅速に作用し、宿主に対する毒性が最小限であり、そして殺菌活性が最大限であるべきである。この組成物は、送達が容易であるべきであり、処理される物質またはデバイスに損害を与えるべきではなく、そして接触した宿主の組織に損傷を引き起こすべきではない。組成物の強度および曝露の時間間隔に応じて、組成物は、消毒、殺菌または滅菌を生じるべきである。
【特許文献1】米国特許第5,389,369号
【非特許文献1】Little, Brownら(Bennett,J.V.およびBrachman,P.S.編),Hospital Infections,第2版,Boston,MA,1986,238-241頁
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
排他的な所有権または特権を請求する本発明の実施態様を以下に定義する:
(1)微生物を死滅させまたは増殖を阻害する方法であって:
(a)ハロペルオキシダーゼ、ハライド、および酸素に曝露するとペルオキシドを発生し得るペルオキシド発生剤を含む殺微生物組成物を、実質的に嫌気性条件下に維持する工程;
(b)該組成物を酸素に曝露して、該組成物の殺微生物活性を活性化する工程;および
(c)該微生物を活性化された該組成物に接触させて、該微生物を死滅または増殖を阻害する工程
を包含する、方法。
(2)前記ハロペルオキシダーゼが、ミエロペルオキシダーゼ、好酸球ペルオキシダーゼおよびラクトペルオキシダーゼからなる群から選択される、項目1に記載の方法。
(3)前記ハライドが、クロライド、ブロマイド、ヨーダイドおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目1に記載の方法。
(4)前記ペルオキシド発生剤が、基質を酸化し得、かつ酸素を過酸化水素に還元し得る酵素である、項目1に記載の方法。
(5)前記酵素が、グルコースオキシダーゼであり、そして前記基質がグルコースである、項目4に記載の方法。
(6)前記ハロペルオキシダーゼがミエロペルオキシダーゼである、項目1に記載の方法。
(7)前記ハロペルオキシダーゼが好酸球ペルオキシダーゼであり、そして前記ハライドが、ブロマイド、ヨーダイドおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目1に記載の方法。
(8)前記ハロペルオキシダーゼがラクトペルオキシダーゼであり、そして前記ハライドが、ブロマイド、ヨーダイドおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目1に記載の方法。
(9)前記殺微生物組成物がさらに次式の抗菌活性増強剤
【0007】
【数1】


【0008】
を含み、ここでRが水素、非置換の、あるいはヒドロキシまたはアミノ置換の、直鎖または分枝鎖の、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり、そしてRが、水素、あるいは直鎖または分枝鎖の1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基である、項目1に記載の方法。
(10)前記抗菌活性増強剤が、グリシンおよびアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、リジン、フェニルアラニン、チロシンのl-またはd-エナンチオマーならびにそれらのアルキルエステルからなる群から選択されるα-アミノ酸である、項目9に記載の方法。
(11)前記殺微生物組成物が、該殺微生物組成物を加圧下で、液体、泡またはゲルとして調合するための気密容器中に包装することにより、嫌気性条件下に維持される、項目1に記載の方法。
(12)前記殺微生物組成物が、該殺微生物組成物を有形の基質に含浸させ、次に該含浸させた有形の基質を閉鎖容器中に密閉することにより、嫌気性条件下に維持される、項目1に記載の方法。
(13)気密容器であって、実質的に嫌気性条件下、ハロペルオキシダーゼ、ハライド、および酸素に曝露するとペルオキシドを発生し得るペルオキシド発生剤を含む抗菌処方物と、該処方物を該容器から放出する手段とを含む、容器。
(14)前記ハロペルオキシダーゼが、ミエロペルオキシダーゼ、好酸球ペルオキシダーゼおよびラクトペルオキシダーゼからなる群から選択される、項目13に記載の容器。
(15)前記ハライドが、クロライド、ブロマイド、ヨーダイドおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目13に記載の容器。
(16)前記ペルオキシド発生剤が、基質を酸化し得、かつ酸素を過酸化水素に還元し得る酵素である、項目13に記載の容器。
(17)前記酵素が、グルコースオキシダーゼであり、そして前記基質がグルコースである、項目16に記載の容器。
(18)前記ハロペルオキシダーゼがミエロペルオキシダーゼである、項目13に記載の容器。
(19)前記ハロペルオキシダーゼが好酸球ペルオキシダーゼであり、そして前記ハライドが、ブロマイド、ヨーダイドおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目13に記載の容器。
(20)前記ハロペルオキシダーゼがラクトペルオキシダーゼであり、そして前記ハライドが、ブロマイド、ヨーダイドおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目13に記載の容器。
(21)前記殺微生物組成物がさらに次式の抗菌活性増強剤
【0009】
【化2】


【0010】
を含み、ここでRが水素、非置換の、あるいはヒドロキシまたはアミノ置換の、直鎖または分枝鎖の、1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり、そしてRが、水素、あるいは直鎖または分枝鎖の1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基である、項目10に記載の組成物。
(22)液体担体中に少なくとも0.01 pmol/mlのミエロペルオキシダーゼを含む、項目18に記載の容器。
(23)0.1 pmol/mlから500 pmol/mlのミエロペルオキシダーゼを含む、項目18に記載の容器。
(24)液体担体中に少なくとも0.01 pmol/mlの好酸球ペルオキシダーゼを含む、項目19に記載の容器。
(25)0.1 pmol/mlから500 pmol/mlの好酸球ペルオキシダーゼを含む、項目19に記載の容器。
(26)100nmol/mlから300μmol/mlのクロライドを含む、項目13に記載の容器。
(27)10nmol/mlから50μmol/mlのブロマイドを含む、項目13に記載の容器。
(28)1nmol/mlから5μmol/mlのヨーダイドを含む、項目13に記載の容器。
(29)オキシダーゼからの基質の存在下、1 pmol〜50μmol毎ml毎分のペルオキシドを発生するに有効なペルオキシド発生オキシダーゼを含む、項目13に記載の容器。
(30)D-グルコースの存在下、1 pmol〜50μmol毎ml毎分のペルオキシドを発生するに有効なペルオキシド発生オキシダーゼを含む、項目13に記載の容器。
(31)気密容器であって、実質的に酸素非存在下、
(a)ミエロペルオキシダーゼ、好酸球ペルオキシダーゼ、ラクトペルオキシダーゼおよびその組み合わせからなる群から選択される、0.1 pmol/mlから500 pmol/mlのハロペルオキシダーゼ;
(b)100nmol/mlから300μmol/mlのクロライド、10nmol/mlから50μmol/mlのブロマイド、1nmol/mlから5μmol/mlのヨーダイドおよびそれらの組み合わせからなる群から選択されるハライド;
(c)グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、リジンおよびこれらの群の任意のメンバーのアルキルエステルからなる群から選択される、0.005μmol/mlから50μmol/mlのα-アミノ酸;
(d)基質を酸化し得、かつ酸素を過酸化水素に還元し得る、0.05単位/mlから10単位/mlの酵素;および
(e)0.1μmol/mlから10μmol/mlの、該酵素の基質
を液体担体中に含む、空気によって活性化可能な殺菌剤-滅菌剤溶液と;該殺菌剤-滅菌剤溶液を該容器から放出する手段とを含む、容器。
(32)気密容器であって、実質的に酸素非存在下、
(a) ミエロペルオキシダーゼ、好酸球ペルオキシダーゼ、ラクトペルオキシダーゼおよびその組み合わせからなる群から選択される、0.1 pmol/mlから500 pmol/mlのハロペルオキシダーゼ;
(b)100nmol/mlから300μmol/mlのクロライド、10nmol/mlから50μmol/mlのブロマイド、1nmol/mlから5μmol/mlのヨーダイドおよびそれらの組み合わせからなる群から選択されるハライド;
(c)グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、リジンおよびこれらの群の任意のメンバーのアルキルエステルからなる群から選択される、0.005μmol/mlから50μmol/mlのα-アミノ酸;
(d)基質を酸化し得、かつ酸素を過酸化水素に還元し得る、0.05単位/mlから10単位/mlの酵素;および
(e)0.1μmol/mlから10μmol/mlの、該酵素の基質
を液体担体中に含む、空気によって活性化可能な眼科用溶液と;該眼科用溶液を該容器から放出する手段とを含む、容器。
【0011】
発明の要旨
本発明は、空気によって活性化される(すなわち酸素(O)によって活性化される)殺菌−滅菌溶液を製造するための方法および組成物を記載する。ハロペルオキシダーゼ(すなわち、ミエロペルオキシダーゼ、好酸球ペルオキシダーゼまたはラクトペルオキシダーゼのような、ハライド:過酸化水素(H)オキシドレダクターゼ)とハライドまたはハライドの組み合わせ(すなわち、クロライド、ブロマイドおよび/またはヨーダイド)とを適切な濃度で含み、Hを発生し得るオキシダーゼ(すなわち、基質:Oオキシドレダクターゼ)、およびそのオキシダーゼに特異的な基質を含む溶液を好気性性条件下で別々に調製するが、最終的な組み合わせおよび混合の前に全ての成分を嫌気性とする。嫌気性処方物を、嫌気性条件を維持し得る容器(例えば加圧容器)中に調合する。使用時の溶液の調合により、処方物が、その殺菌−滅菌特性を活性化する空気(すなわちO)に曝露される。Oは、オキシダーゼによるHの発生の速度を制限する成分である。好気性条件下では、オキシダーゼはその基質の酸化とOの還元とによるHの発生を触媒する。次いで、Hは、ハライドから次亜ハロゲン酸への酸化を触媒するハロペルオキシダーゼの基質として働く。次亜ハロゲン酸は、さらなるHと反応して一重項分子酸素()を発生する。次亜ハロゲン酸(例えば、次亜塩素酸)および特には、強力な殺微生物剤である。ハロペルオキシダーゼによる次亜ハロゲン酸の発生、およびその反応性消費によるの生成は、Hの利用能(availability)に依存する。高速度のH発生の結果、次亜ハロゲン酸が蓄積するのではなく、そのかわり高速度にが生成する。の殺微生物能および毒性は、その準安定電子的励起反応物の半減期によって制限され、そしてそれゆえ、殺菌−滅菌活性は、酸化剤生成の動力学により時間的に制限されかつ拘束される。処方物の殺菌-滅菌活性は空気への曝露を必要とし、そして使用されるハライド−ハロペルオキシダーゼの組み合わせの存在、存在するオキシダーゼの活性、オキシダーゼ特異的基質の利用能およびOの利用能に依存する。
【0012】
これらの殺菌剤-滅菌剤処方物に関して、Oは、殺微生物作用のための必須かつ制限的な成分である。処方物は、所望の殺微生物効果を生じるに十分なハロペルオキシダーゼを含まなければならない。しかし、オキシダーゼおよびその基質の相対濃度を調節して、短い持続期間の迅速、強力な殺微生物作用から、緩慢かつ長期間の殺微生物プラス殺胞子作用までの広範囲な殺微生物活性スペクトルを生じることができる。オキシダーゼを増加させ、そしてオキシダーゼ基質濃度を制限することにより、処方物は迅速に基質をHに転化し、強力であるが時間に制限される殺微生物作用を生じる。一旦、基質が使い尽くされると、酸化活性が停止する。他方、オキシダーゼ濃度を制限すると、H発生速度が制限され、そして緩慢であるが持続性の殺微生物作用が生じる。オキシダーゼ濃度はHの生成速度を制限し、そして基質濃度はH生成の量および持続期間を制限する。
【0013】
ハロペルオキシダーゼは非常に高い殺微生物能および低い宿主毒性を有する。これらの性質は、殺菌−滅菌活性の時間的動力学を明確化(formulate)する能力(すなわち、最大の殺微生物作用の期間またはウィンドウを調節する能力)と組み合わされて、最小限の宿主毒性で優れた化学的滅菌活性を確実にする。基質非存在下では、ハロペルオキシダーゼは哺乳類細胞に対する直接的な毒性を示さない。ハロペルオキシダーゼによる酸化および酸素添加(oxygenation)活性は、Hの利用能に機能的に関連する。それゆえ、これらのハロペルオキシダーゼ処方物で滅菌された物質またはデバイス(例えば、内視鏡管)を、滅菌の直後に宿主組織と直接接触させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
好適な実施態様の詳細な説明
本発明によれば、微生物を死滅させまたは増殖を阻害する方法が提供される。この方法は:
(a)ハロペルオキシダーゼ、ハライド、および酸素に曝露するとペルオキシドを発生し得るペルオキシド発生剤を含む殺微生物組成物を、実質的に嫌気性条件下に維持する工程;
(b)この組成物を酸素に曝露して、組成物の殺微生物活性を活性化する工程;および
(c)微生物を活性化された組成物に接触させて、微生物を死滅させまたは増殖を阻害する工程を包含する。
【0015】
成分は好ましくは、嫌気的に(すなわち、酸素の比較的非存在下において)、調製され、組み合わされ、そして貯蔵される。嫌気性処方物は、適用時に空気に曝露されるまで不活性のままである。空気への曝露により、殺微生物作用の速度制限成分である酸素が提供され、処方物による微生物の死滅または増殖の阻害が活性化される。
【0016】
本発明の別の局面においては、気密容器または包装が提供される。これは、実質的に嫌気性条件下、ハロペルオキシダーゼ、ハライド、および酸素に曝露するとペルオキシドを発生し得るペルオキシド発生剤を含む処方物を含む。処方物を容器または包装から放出する手段が提供され、それにより、処方物が空気に曝露されて活性化され、微生物の死滅または増殖の阻害が可能となる。
【0017】
本明細書において、用語「嫌気性」または「実質的に嫌気性」は、酸素の非存在あるいは酸素の実質的な非存在を意味する。好ましくは、本発明の組成物は、使用のための調合まで、酸素が約1000部/百万(ppm)未満、より好ましくは酸素約500ppm未満、そして最も好ましくは酸素約250ppm未満の実質的に嫌気性条件下で維持される。
【0018】
本発明において有用なハロペルオキシダーゼは、ハライド:過酸化水素オキシドレダクターゼ(例えば、国際生化学連合によるEC No. 1.11.1.7およびEC No. 1.11.1.10)として定義され、ここでハライドは電子供与体または還元剤であり、ペルオキシドは電子受容体または酸化剤である。ハライドに依存する過酸化水素からの一重項分子酸素の発生を触媒する任意のハロペルオキシダーゼが本発明において使用され得る。適切なハロペルオキシダーゼは、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)、好酸球ペルオキシダーゼ(EPO)、ラクトペルオキシダーゼ(LPO)、クロロペルオキシダーゼ(CPO)、およびそれらの誘導体であり、現在のところ好適なハロペルオキシダーゼは、ミエロペルオキシダーゼおよび好酸球ペルオキシダーゼである。「それらの誘導体」とは、本明細書において使用されるように、化学的あるいは機能的に修飾されたMPO、EPO、CPO、およびLPOを一般に意味し、これらは、標的微生物または特定の真核細胞型に特異的に結合し得、そしてこれらは、本明細書に記載のように、適切なハライドの存在下でのペルオキシドの不均化による一重項分子酸素の形成を増強するハロペルオキシダーゼの活性を保持する。
【0019】
本発明の方法および組成物での使用に適切なハライドは、ブロマイド、クロライドおよび/またはヨーダイドを包含する。個別の適用において用いられるハライドの使用、選択、および量は、消毒組成物に使用されるハロペルオキシダーゼ、所望の消毒、殺菌、または滅菌効果、および他の因子のような種々の因子に依存する。ハロペルオキシダーゼがMPOまたはCPOの場合、ハライドはブロマイドまたはクロライドであり得る。用いられるクロライドの量は、好ましくは、溶液1ml当たり約10μmolのクロライドから約150μmolのクロライドの範囲から、ほぼ生理学的条件までである。ハロペルオキシダーゼがEPOまたはLPOの場合、クロライドは補因子としては比較的有効ではなく、従って好適なハライドはブロマイドである。液体組成物中に含まれる場合、本発明の組成物は1mlの液体組成物当たり約1nmolのブロマイドから約50μmolまでのブロマイド、より好ましくは1mlの液体組成物当たり約10nmolのブロマイドから約10μmolまでのブロマイド、そして最も好ましくは1mlの液体組成物当たり約100nmolのブロマイドから約1μmolまでのブロマイドを含み得る。
【0020】
十分なハライドの存在下では、Hがハロペルオキシダーゼ殺微生物作用の速度を制限する基質である。殺微生物活性はハロペルオキシダーゼによる次亜ハロゲン酸の生成:
(ハロペルオキシダーゼ)
+H────────────→HOX+HO (1)

および一重項分子酸素()の二次的生成:

HOX+H─────────→+X+HO (2)
に関連する。HOXもも両方とも強力な抗菌反応物である。 HはHOXの生成に必要であり、そしてHがHOXと反応してを生じるので、ハロペルオキシダーゼ系は、生成したHOXが蓄積せずにさらに反応してを生じることを保証する。は、強力な反応性を有するが寿命が限られた準安定電子的励起分子である。
【0021】
本発明の重要な特徴は、ハロペルオキシダーゼ系の成分が使用の準備ができるまで嫌気性条件下で維持され、そして次に酸素に曝露されて活性化されることである。この酸素または空気により活性化されるという本発明の特徴は、空気中の酸素に曝露されるとペルオキシドを生成する酸素依存性ペルオキシド発生剤が処方物中に含まれることに起因する。適切な酸素依存性ペルオキシド発生剤は、Oに曝露されるとペルオキシドを発生し得る任意の化学系を包含するが、ただしその系はハロペルオキシダーゼ機能を阻害せず、殺菌または滅菌されるべき物質またはデバイスに損害を与えず、そして用いられる濃度で哺乳類組織に対して毒性ではない。現在のところ特に好適な実施態様において、ペルオキシド発生剤は、(a)オキシダーゼ(基質:Oオキシドレダクターゼ)、および(b)このオキシダーゼに特異的な基質を含む。オキシダーゼは基質特異的な酵素であり、Oに曝露されると反応(3)に従ってHを発生する:
(オキシダーゼ)
基質 +O───────────→基質脱水素+H (3)
の生成はオキシダーゼ特異的基質とOの両方に依存するので、オキシダーゼは本発明の実施において特に有用である。この目的のための代表的なオキシダーゼ(ならびにそれぞれの基質)としては、グリコレートオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、ガラクターゼオキシダーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、アリールアルコールオキシダーゼ、L-グロノラクトンオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、ピラノースオキシダーゼ、L-ソルボースオキシダーゼ、ピリドキシンオキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、L-2-ヒドロキシ酸オキシダーゼ、エクジソーム(ecdysome)オキシダーゼ、コリンオキシダーゼ、アルデヒドオキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼ、ピルベートオキシダーゼ、オキサレートオキシダーゼ、グリオキシレートオキシダーゼ、ピルベートオキシダーゼ、D-アスパルテートオキシダーゼ、L-アミノ酸オキシダーゼ、アミンオキシダーゼ、ピリドキサミンホスフェートオキシダーゼ、D-グルタメートオキシダーゼ、エタノールアミンオキシダーゼ、チラミンオキシダーゼ、プトラシン(putrascine)オキシダーゼ、サルコシンオキシダーゼ、N-メチルアミノ酸オキシダーゼ、N-メチル-リジンオキシダーゼ、ヒドロキシルニコチンオキシダーゼ、グリセロール-3-ホスフェートオキシダーゼ、ニトロエタンオキシダーゼ、アセチルインドキシルオキシダーゼ、尿酸オキシダーゼ、ヒドロキシルアミンアミンオキシダーゼ、およびスルファイトオキシダーゼが挙げられるが、これらに限定されない。フリーラジカルヒドロジオキシル酸(HO)およびその共役塩基であるスーパーオキシド(O)を発生するオキシダーゼを使用し得る。最終的にはこれらのラジカル中間体は不均化して、Hを与える。嫌気性条件下で維持されるとき、オキシダーゼおよびその基質は不活性である。なぜならオキシダーゼ/基質反応(1)に関与するOが利用不可能だからである。それゆえ、処方物がその速度制限成分であるOに曝露されるまで、Hは生成しない。
【0022】
酸素に曝露されると過酸化水素を生成し得る薬剤(例えば、ペルオキシド生成オキシダーゼ)はまた、抗菌活性部位に存在する過酸化水素の量の動力学的制御のためにも特に有用である。このような薬剤は、定常の低濃度レベルのHを提供および維持することによって、組成物の抗菌活性を最大限にする。従って、使用されるこのような薬剤の量は、薬剤の性質および所望の効果に大きく依存するが、好ましくは、抗菌活性部位で利用可能なハライドのタイプおよび濃度に依存して、1分間当たり、液体1ml当たり約1pmolから約1μmolまでの定常状態レベル過酸化水素を生成し得る。処方物が殺菌−滅菌溶液として使用される場合、オキシダーゼおよびその基質を調節して、要求される滅菌期中持続する比較的高い定常状態のHを提供することができる。殺菌-滅菌作用は、オキシダーゼ基質の消尽によって停止するか、あるいはオキシダーゼ分解の速度に相関する。
【0023】
任意に、本発明の処方物の酵母および胞子状微生物に対する抗菌活性は、処方物中に、米国特許第5,389,369号(この開示は本明細書中に参考として援用される)に開示されるような適切な抗菌活性増強剤を配合することによって向上させ得る。一般に、本発明の適切な抗菌活性増強剤は、酵母および胞子形態の微生物をハロペルオキシダーゼ殺微生物活性に対して不安定にすることによって、酵母および胞子状微生物に対するハロペルオキシダーゼ抗菌系の抗菌活性を増強する薬剤であり、そして系のハロペルオキシダーゼ活性に対する悪影響または使用環境への望ましくない影響を与えない薬剤である。現在のところ好適な本発明の活性増強剤は、次式のα-アミノ酸化合物である:
【0024】
【化1】


【0025】
ここで、Rは水素、直鎖または分枝鎖の1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基、あるいは非置換の、あるいはヒドロキシまたはアミノ置換の、直鎖または分枝鎖の7個〜12個の炭素原子を有するアリールアルキル基であり、そしてRは、水素、あるいは直鎖または分枝鎖の1個〜6個の炭素原子を有するアルキル基である。本明細書において用いるように、アミノ酸は上記のようなその酸形態であり得、あるいは次式で表されるような双性イオン形態である:
【0026】
【化2】


【0027】
ここでRおよびRは上記の意味を有し、そしてl-またはd-エナンチオマー立体配置のいずれでもあり得る。代表的なアルキルR基としては、例えば、メチル、ヒドロキシメチル、イソプロピル、2-イソブチル、1-イソブチル、ヒドロキシエチル、およびアミノブチル基が挙げられる。代表的なアリールアルキルR基としては、例えば、トリルおよびヒドロキシトリル基が挙げられる。現在のところ特に好適なアルキルR基としては、メチルおよびエチル基が挙げられる。本発明の代表的な抗菌活性増強剤としては、グリシンおよびアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、リジン、フェニルアラニン、チロシンのl-またはd-エナンチオマーならびにそれらのアルキルエステルからなる群から選択されるα-アミノ酸が挙げられる。現在のところ最も好適な抗菌活性増強剤はグリシンおよびl-アラニンである。
【0028】
本発明の他の局面によれば、オキシダーゼ、オキシダーゼ特異的基質、ハライドおよびハロペルオキシダーゼを含む嫌気性処方物は、室温での長期貯蔵のために処方および包装され得る。このような処方物は空気に曝露されると強力な殺微生物作用を生じる。さらに、異なる度合いの効力および異なる活性期間を達成すべくO活性化殺菌剤-滅菌剤が処方され得る。上記等式(1)から推論できるように、H生成速度はオキシダーゼ濃度に依存し、他方、H生成量は基質の量に比例する。基質に制限がなければ、H生成速度はオキシダーゼ活性に直接比例する。オキシダーゼ活性に制限がなければ、H生成量および持続期間はオキシダーゼ特異的基質の利用能に依存する。高効力の寿命の短い殺菌-滅菌作用が所望されるならば、処方物は適量のハロペルオキシダーゼおよびハライド、および比較的高いオキシダーゼ活性と、活性を所望の時間ウインドウに限定するに十分な基質とを有するべきである。効力はより低いが長寿命の滅菌作用は、適量のハロペルオキシダーゼおよびハライド、比較的低いオキシダーゼ活性、および所望の期間反応を持続させるに十分な基質によって処方され得る。以下の実施例に示されるように、このタイプの系は、空気に曝露してから2日間の殺微生物-殺胞子作用の持続を達成するために処方された。
【0029】
1つの特に好適な実施態様において、本発明の方法および組成物は、消毒剤として使用され、広範囲の病原性微生物(細菌および真菌を含む)に対して増強されたハロペルオキシダーゼ抗胞子および抗酵母活性を示す。宿主組織と接触して使用するために、この消毒系は、病原性微生物に対して選択的な親和性を示す二酸素添加(dioxygenating)酵素の使用に基づく。それゆえ、高効力の殺微生物作用は、宿主組織の破損または正常な微生物叢の破壊に関与することなく、標的微生物に対して向けられ得る。すなわち、消毒作用は選択的であり、そして標的微生物に限定される。
【0030】
適切に処方された場合、ハロペルオキシダーゼ-増強剤調製物は、物質およびデバイスの殺菌および滅菌にさえ使用され得る。高効力のハロペルオキシダーゼ-増強剤処方物は、インビトロ殺菌または滅菌調製物として作用し得る。過酸化水素利用可能な期間を制限することによって、ハロペルオキシダーゼ-増強剤処方物は、宿主組織との接触より前の物質またはデバイスの殺菌および滅菌さえも保証するに十分強力にされ得る。これらの高効力の処方物の使用に関連する、正常微生物叢および宿主組織に対する潜在的な毒性は、ペルオキシドが消尽すると終止し、それゆえ、処方物で処理された物質またはデバイスは、解毒のためのさらなる洗浄を行うことなく、宿主組織に接触させることができる。
【0031】
本発明の別の実施態様において、本発明の組成物はインビトロ用途、例えば、医療デバイス、コンタクトレンズなど(特にデバイスまたはレンズが患者または装着者に接して使用されることが意図される場合)の殺菌または滅菌のために特別に設計され得る。このタイプの用途のためには、組成物は、液体または泡の形態で便利に提供され得、そして乳化剤、界面活性剤、緩衝液、湿潤剤、保存剤、およびこのタイプの組成物において通常見いだされる他の成分と共に提供され得る。本発明の組成物は、吸収性の物質(例えば、縫合糸、包帯、およびガーゼ)に含浸され得、あるいは固体物質(例えば、ステープル、ジッパー、およびカテーテル)の表面上を被覆し得、これらは空気を通さないシールした箔および/またはポリマーのパウチまたは袋のような実質的に嫌気性条件下で包装および維持される。次に、このパウチまたは袋を開封して、微生物の感染を防止する部位に組成物を送達し得る。このタイプの、他の送達システムは、当業者に容易に理解される。
【0032】
本発明の組成物中のハロペルオキシダーゼ、ハライド、ペルオキシド発生剤および/または抗菌活性増強剤の実際の量は、増殖性(vegetative)微生物ならびに酵母および胞子状微生物を死滅させるに有効な量のハロペルオキシダーゼおよび抗菌活性増強剤を処理部位で得るべく、変更され得る。従って、選択される量は、処理の性質および部位、所望の応答、殺微生物作用の所望の持続時間、ならびに他の因子に依存する。通常、ハロペルオキシダーゼはミエロペルオキシダーゼ、好酸球ペルオキシダーゼ、ラクトペルオキシダーゼまたはそれらの組み合わせであり、本発明の液体組成物は、液体組成物1ml当たり少なくとも0.01ピコモル(pmol)のハロペルオキシダーゼ、より好ましくは液体組成物1ml当たり役0.1pmolから約500pmolのハロペルオキシダーゼ、および最も好ましくは液体組成物1ml当たり約0.5pmolから約50pmolのミエロペルオキシダーゼを含む。任意に、ある用途においては、好酸球ペルオキシダーゼおよびミエロペルオキシダーゼの両方を同じ組成物中に含むことが望ましくあり得る。本発明の液体組成物は、通常、100μmol/mlから300μmol/mlのクロライド、10μmolから50μmol/mlのブロマイド、1μmol/mlから5μmol/mlのヨーダイド、またはそれらの組み合わせをさらに含む。任意に、本発明の液体組成物は、少なくとも0.005μmol/mlの抗菌活性増強剤(すなわち、α-アミノ酸(グリシンおよびアラニンなど))、およびより好ましくは0.05μmol/mlから50μmol/mlのこのような抗菌活性増強剤を通常含み得る。最後に、本発明の液体組成物は、基質(例えば、グルコース)を酸化し得、かつ酸素を過酸化水素に還元し得る、0.05〜10単位/mlの酵素(例えば、グルコールオキシダーゼ)、およびさらにこの酵素の基質0.1〜10μmol/mlを通常含み得る。上記成分は、典型的には薬学的に受容可能な液体担体と組み合わされる。
【0033】
例示的な例として、コンタクトレンズ溶液としての使用に適した組成物は、1〜20pmol/mlの好酸球ペルオキシダーゼおよび/またはミエロペルオキシダーゼ、0.1〜10μmol/mlのグリシン、0.01〜10単位のグルコースオキシダーゼ、および50〜300mEq/Lのクロライドを0.1〜5mEq/Lのブロマイドと共に含み得る。上記の組成物は、0.1〜10μmol/mlのグルコースと、嫌気性条件下で組み合わされ、そして完成した調製物は、液体殺菌剤または滅菌剤溶液として使用するまで嫌気性に保持される。空気(すなわち分子酸素)への曝露は、処方物の殺菌-滅菌作用を活性化する。
【0034】
ミエロペルオキシダーゼおよび好酸球ペルオキシダーゼの選択的結合能のために、比較的効力の高い処方物でさえも、哺乳類組織への毒性は低い。さらに、最大効力の期間を時間的に制限する能力は、高効力の殺菌-滅菌期間を宿主に接触する前の時間に限定することにより、潜在的な宿主の毒性をさらに低減する。それゆえ、殺菌剤-滅菌剤で処理される物質またはデバイスは滅菌後の期間に宿主組織に直接接触させることができる。
【0035】
本発明の他の局面は、以下の実施例と関連してより良く理解され得る。以下の実施例は例示の目的のために提供され、限定のためではない。
【実施例】
【0036】
実施例1
空気への曝露で殺微生物活性を有する嫌気性処方物
ガスタイトグローブボックスを、まず窒素ガス(N、99.99%Oフリー)を供給することにより嫌気性チャンバーとして準備した。Oの割合が0.1%まで低下した後、チャンバー中で5つの嫌気性ガスパックを開封しそして活性化した。以下の溶液および細菌懸濁液を嫌気性チャンバー中で調製し、およびチャンバー中に置いた:
(a1) グルコースオキシダーゼ(GOX)。VII型Aspergillus niger GOX (Sigma Chemicals)から調製。
【0037】
(a2)GOXなしの酢酸緩衝液。
【0038】
(b)D-グルコース、クロライド、および微量のブロマイドを含む、ミエロペルオキシダーゼ(MPO、ロット#1899201、ExOxEmis, Inc)溶液。
【0039】
(c)Staphylococcus aureusの懸濁液。
【0040】
濃度が0.01%と0.02%との間(すなわち、100〜200部/百万(ppm)で安定化したら、溶液(a1)または溶液(a2)を(b)と混合し、そして各混合物の一部と細菌懸濁液(c)の一部をチャンバーから取り出した。約10分後、細菌懸濁液を、GOX有り(a1)およびGOXなし(a2)の好気性および嫌気性混合物に添加した。最終溶液は、0.6単位のGOXを含むか、あるいはGOXを含まないかのいずれかであり、56マイクロモル(μmol)のD-グルコース、5ピコモル(pmol)のMPO、および約3×107のStaphylococcus aureus細菌を、100mEq/lのClおよび1mEq/lのBrを含む50mMの酢酸緩衝液(pH6)1ml当たり、含む(空気(雰囲気O)の存在下および非存在下)。1.25、2.5、5、10および20分に、試料(混合懸濁液100μl)を試験溶液から取り出し、そして200単位のカタラーゼ(Sigma Chemicals)を含む0.1%チオグリコレートの0.9mlで即座に希釈して、酸化による死滅(killing)を停止する。試料をさらに希釈し、そしてトリプチカーゼ大豆寒天(soy agar)に播種した(ホッケースティック技法)。37℃で1〜2日間のインキュベートの後、細菌コロニーを計数し、生き残ったStaphylococcus aureusを表1に示すように元の懸濁液1ml当たりのコロニー形成単位(CFU)で表した。表1および以下の実施例で使用するように、0は最も低い希釈試験で増殖がない(すなわち100CFU未満)ことを示す。
【0041】
【表1】


【0042】
の存在下でGOX-MPO完全系についてStaphylococcus aureusの完全な死滅が観察された。Oの非存在下でのGOX-MPO完全系では、最初の5分間の間は死滅は観察されなかったが、10分および20分の曝露の後は不完全な死滅が観察された。この不完全な死滅は、嫌気性チャンバーがまだ0.01〜0.02%のOを含んでいるという事実によって説明され得る。嫌気性チャンバー中のO濃度は空気の場合の約千分の一であるが、このO量は、殺微生物作用を生じるに十分である。MPOのみの系(GOXなし)では、Oの存在下または非存在下で死滅は観察されなかった。
【0043】
実施例2
高効力のMPOおよびEPOに基づく処方物の嫌気性調製および
殺微生物-殺胞子活性のO活性化
実施例1における記載と同様に嫌気性チャンバーを準備したが、GOX-XPO処方物を構成する成分を変更し、そしてAllenの米国特許第5,389,369号に記載のように、殺胞子作用を促進するためにグリシンを添加した。2種の異なる処方物を嫌気的に調製した。第1の処方物は、0.5単位のGOX(VII型Aspergillus niger GOX、Sigma Chemicals)と56μmolのD-グルコース、30pmolのMPO(ブタ、ロット#1899201、ExOxEmis, Inc.)、および2μmolのグリシンを、100mEq/lのClおよび1mEq/lのBrを含む50mMの酢酸緩衝液(pH6)1ml当たり、含む。第2の処方物は、30pmolのEPO(ロット#1929201、ExOxEmis, Inc.)でMPOを置き換えた以外は同様とした。両処方物を試験前に1週間、嫌気的にエージングした。
【0044】
GOX-MPO-グリシン処方物の殺微生物能を12日間の嫌気的貯蔵の後に試験した。表2に示すように、処方物を広範囲のグラム陰性細菌およびグラム陽性細菌、酵母ならびに真菌の胞子に対して試験した。各々の試験条件は、400μlのGOX-MPO-グリシン処方物および200μlの微生物懸濁液を含み、そして空気(雰囲気O)への曝露によって活性化した。試料を0、5、10、および20分間のインキュベート(細菌の場合)ならびに20、30、60および90分間のインキュベート(酵母および真菌胞子の場合)の後に取り出し、そして200単位のカタラーゼを含む0.1%チオグリコレートの0.9mlで即座に希釈して、希釈し、そしてトリプチカーゼ大豆寒天(細菌)またはSabouraud'sデキストロース寒天(酵母および真菌)に播種した。37℃で1〜4日間のインキュベートの後、コロニーを計数した。
【0045】
この処方物のMPO濃度(18pmol/ml、最終)は、試験した全てのグラム陰性細菌およびグラム陽性細菌(A群streptococcusを含む)を効果的に死滅させた。死滅は5〜20分の曝露の後、完了した。この処方物はまた、試験した酵母および真菌胞子を効果的に死滅させたが、完全死滅のためにはより長い曝露(すなわち、30〜90分)が必要とされた。
【0046】
【表2】


【0047】
GOX-EPO-グリシン処方物の殺微生物能を13日間の嫌気性貯蔵の後、試験した。このEPOに基づく処方物を、同じ微生物に対して同じ試験条件で試験した。結果を表3に示す。
【0048】
このEPOに基づく処方物は、先に考察したMPOに基づく処方物と同様に有効であり、そしてより迅速に作用した。このEPO濃度(18pmol/ml、最終)では、全てのグラム陰性細菌およびグラム陽性細菌(A群streptococcusを含む)を5分間の曝露の後、完全に死滅させた。Candida albicansおよびFusarium moniliformeの胞子の死滅もまた90分で完了した。
【0049】
【表3】


【0050】
実施例3
加圧スプレー缶に包装されたO活性化殺微生物-殺胞子処方物の調製および試験
スプレー滅菌剤の調製:
ストック溶液の調製:10%(容量/容量)のTween 80溶液を、10mlのTween 80を90mlのHOに添加することによって調製した。1%(重量/容量)のEDTA溶液を、1gのNa2EDTAを100mlのHOに添加することによって調製した。0.1Mのグリシン溶液を、1.5gのグリシン(M.W.75)を200mlのHOに添加することによって調製した。0.5%(w/v)のヒドロキシプロピル-メチル-セルロース(HPMC、100センチポアズ)溶液を、1gのHPMCを200mlのHOに添加し、そして完全に溶解するまで穏やかに混合することによって調製した。250単位/mlのGOX(VII型Aspergillus niger、Sigma Chemicals)をHO中で調製した。0.1Mグルコース溶液を、1.8gのD-グルコース(M.W.180)を100mlのHOに添加することによって調製した。
単純滅菌剤作業ストックの調製:
【0051】
【表3A】


【0052】
上記成分を300mlのHOに記載した順序で添加した。添加した各ストックを次の添加の前に完全に溶解させた。作業ストックおよびD-グルコース溶液を、0.22ミクロンのフィルターを通すことによって滅菌し、そして両方の溶液を嫌気性チャンバー中に置いた。チャンバーが約20〜100ppmのOに安定化されたら、40mlの0.1MのD-グルコースを作業ストックに最終濃度が7mM(130mg/dL)となるように加えた。
【0053】
約100mlのこの完成した単純滅菌溶液を45×165mmのEPスプレーシステムキャニスター(全容量140ml)に、フラップバルブを通して、アダプター装着シリンジを用いて加えた。次にこの缶をチャンバーから取り外し、そしてキャニスターの外側コンパートメントを窒素ガス(N)で加圧した。
複合作業ストックの調製:
【0054】
【表3B】


【0055】
上記成分を300mlのHOに記載した順序で添加した。添加した各ストックを次の添加の前に完全に溶解させた。作業ストックおよびD-グルコース溶液を、0.22ミクロンのフィルターを通すことによって滅菌し、そして両方の溶液を嫌気性チャンバー中に置いた。チャンバーが約20〜30ppmのOに安定化されたら、40mlの0.1MのD-グルコースを作業ストックに最終濃度が7mM(130mg/dL)となるように加えた。約100mlのこの完成した複合滅菌溶液をEPスプレーシステムキャニスターに加え、そしてキャニスターを上述のようにNで加圧した。
【0056】
単純滅菌溶液および複合滅菌溶液のEscherichia coliおよびAspergillus fumigatus(胞子)に対する殺微生物能を試験するために、単純滅菌溶液(4キャニスターを試験した)および複合滅菌溶液(3キャニスターを試験した)の新たにスプレーした0.4mlのアリコートを空気の存在下0.1mlの微生物懸濁液に添加した。A.fumigatusのプレートを120時間のインキュベートの後、読みとった。キャニスターの調製物は試験の時点で16日経過していた。結果を表4に示す。両方の滅菌溶液が強力な殺細菌作用を生じた。殺真菌胞子作用は示されたが、90分の曝露では不完全であった。
【0057】
【表4】


【0058】
滅菌溶液の貯蔵寿命を、調合物を4℃、室温、および40℃で約1ヶ月エージングし、そして次に表4に関して上記の手順を繰り返すことにより、試験した。結果を表5に示す。
【0059】
【表5】


【0060】
表5に示すように、単純滅菌溶液および複合滅菌溶液は両方とも、1ヶ月の貯蔵の後にE.coliに対して完全な効力を維持した。貯蔵期間の後のA.fumigatusに対する殺真菌活性もまた観察された。
【0061】
実施例4
高効力O活性化殺微生物-殺胞子処方物の調製、ルミネセンスに基づく品質制御、および殺微生物能
高効力作業ストックの調製:
【0062】
【表5A】


【0063】
上記成分を実施例3に記載のように混合した。作業ストックおよび0.56MのD-グルコース溶液を、0.22ミクロンのフィルターを通すことによって滅菌し、そして両方の溶液を嫌気性チャンバー中に置いた。この大規模な調製はO濃度を低下させることおよび維持することを困難にした。達成された最小O濃度は35ppmであった。125mlの0.56MのD-グルコースを作業ストックに最終濃度が6.9mM(130mg/dL)となるように加えた。約100mlのこの完成した高効力滅菌溶液を各EPスプレーシステムキャニスターに加え、そしてキャニスターを実施例3のようにNで加圧した。
【0064】
初期、中期および後期に製造したキャニスターの殺微生物能を、表4のデータについて上述の方法論を用いて試験した。 Escherichia coli(119,800,000 CFU/試験)は、試験した全てのキャニスターの滅菌剤によって30分以内に完全に死滅した。 Aspergillus fumigatusの胞子(2,300,000 CFU/試験)の死滅は不完全であったが、滅菌剤のキャニスターは室温で90分の曝露の後、100倍の死滅を生じた。
【0065】
実施例5
異なる基質-オキシダーゼドライバを用いる O活性化殺菌-滅菌溶液の調製および試験
レンズ殺菌-滅菌溶液の調製:
ストック溶液の調製: Tween 80溶液およびNa2EDTA溶液を実施例3に記載のように調製した。1.0Mのグリシン溶液を、75gのグリシン(M.W.75)を1リットルのHOに添加することによって調製した。1.0%(w/v)のヒドロキシプロピル-メチル-セルロース(HPMC、100センチポアズ)溶液を、5gのHPMCを500mlのHOに添加し、そして完全に溶解するまで穏やかに混合することによって調製した。酢酸緩衝液(20mM、pH6.8)を、1.2mlの氷酢酸(C、M.W.60)および1.64gの酢酸ナトリウム(NaC、M.W.82)を1リットルのHOに添加することによって調製した。
【0066】
【表5B】


【0067】
上述のように成分を混合した。作業ストックを用いて4種の異なる基質-オキシダーゼ調製物を調製した。試験した4つのオキシダーゼは:(1)コリンオキシダーゼ、(2)グリセロール-3-ホスフェートオキシダーゼ、(3)ガラクトースオキシダーゼ、および(4)D-アミノ酸オキシダーゼであった。全ての調製物の最終オキシダーゼ活性は、最終調製物1ml当たり1単位とした。コリン、グリセロール-3-ホスフェート、D-ガラクトース、およびグリシンを、オキシダーゼの基質として最終濃度2.5mMで配合した。調製物のMPO濃度は約100pmol/mlであった。溶液を、0.22ミクロンのフィルターを通すことによって滅菌し、そして嫌気性チャンバー中に置いた。達成された最小O濃度は10ppmであった。Oを使い尽くした後、オキシダーゼおよびそれらの特異的基質を嫌気性チャンバー中の種々の調製物に添加した。完成した基質-オキシダーゼ滅菌溶液の各々の約100mlを、各EPスプレーシステムキャニスターに加え、そしてキャニスターを実施例3に記載のようにNで加圧した。
【0068】
これらの実験は、グルコース-グルコースオキシダーゼ以外の基質-オキシダーゼの組み合わせをO活性化殺菌-滅菌溶液の処方に用いることの可能性を試験するために設計された。実施例3の手順を用いて、各調製物の抗菌活性をE.coliおよびS.aureusに対して試験した。試験の結果を表6に示す。ここで「希釈」は滅菌剤の希釈、すなわち微生物懸濁液に対するMPO:オキシダーゼの最終比を意味する。0は試験した最も低い希釈で増殖がない(すなわち100CFU未満)ことを示す。
【0069】
【表6】


【0070】
表6の基質-オキシダーゼ処方物の各々は殺微生物作用を示したが、試験した調製物のいずれも、先に試験したグルコース-グルコースオキシダーゼ系より特に優れていることは示されなかった。
実施例7
眼科用途のためのO活性化殺菌-滅菌処方物の調製および試験
レンズ殺菌-滅菌溶液の調製:
ストック溶液の調製:ストック溶液を本質的に実施例6の記載と同様に調製した。
レンズ殺菌-滅菌作業ストックの調製:
【0071】
【表6A】




【0072】
上述のように成分を混合して作業ストックを作成した。グルコールオキシダーゼVII型(1,000単位GOX/ml)ストックに添加して4種の処方物を調製した:
処方物A: 0.5ml GOX/リットル溶液 ∴0.5単位/ml(最終)。
【0073】
処方物B: 1ml GOX/リットル溶液 ∴1単位/ml(最終)。
【0074】
処方物C: 2ml GOX/リットル溶液 ∴2単位/ml(最終)。
【0075】
処方物D: 4ml GOX/リットル溶液 ∴4単位/ml(最終)。
【0076】
調製物(未希釈)のMPO濃度は約100pmol/mlであった。溶液を、0.22ミクロンのフィルターを通すことによって滅菌し、そして嫌気性チャンバー中に置いた。達成された最小O濃度は10ppmであった。Oを使い尽くした後、オキシダーゼおよびそれらの特異的基質を嫌気性チャンバー中の種々の調製物に添加した。完成したレンズ殺菌-滅菌処方物の各々の約100mlを、各EPスプレーシステムキャニスターに加え、そしてキャニスターを上述のようにNで加圧した。
【0077】
これらの4種の処方物は、優れた殺微生物-殺胞子能と最小の宿主毒性の可能性とを有するコンタクトレンズケア殺菌-滅菌処方物を達成するために設計および試験された。これらの処方物を用いる実験はまた、Oに曝露した後の活性の持続およびキャニスター調製物の長期貯蔵安定性に関する疑問に答えるべく設計された。空気曝露の直後、2時間後、および4時間後のS.aureus、 E.coliおよびA.fumigatusに対する処方物の殺微生物-殺胞子活性を、実施例3の手順を用いて試験した。結果を表7に示す。処方物は試験の時点で、キャニスター中に包装されそして6ヶ月貯蔵されていた。
【0078】
【表7】


【0079】
Staphylococcus aureusおよびEscherichia coliの完全な死滅が、全ての処方物についてm試験した全てのO曝露後時間で観察された。処方物の空気への曝露の直後のAspergillus fumigatus胞子の死滅は、処方物のGOX濃度に比例する。処方物A(0.5単位GOX/ml)は最小の死滅しか生じなかった。処方物B、CおよびDは順にGOX活性が強く、これらは順により多い死滅を生じた。これらの処方物は、O曝露後2時間および4時間で、より良好な殺微生物-殺胞子活性を示した。実際、処方物はO曝露後4時間で最も有効であった。この傾向をさらに研究するため、キャニスター中で7ヶ月貯蔵した処方物を用いて、より長いO曝露後時間を伴うように実験を延長した。試験の結果を表8に示す。
【0080】
【表8】



【0081】
曝露後4時間の試験の結果は、最初の実験(表7)および続行実験(表8)の両方で本質的に一致した。 O曝露後8時間での処方物の殺微生物-殺胞子活性は、同じであるかあるいは僅かに上昇した。しかし、O曝露後12時間および特に24時間では、 Staphylococcus aureusおよびAspergillus fumigatus胞子の死滅の僅かな減少が認められた。
【0082】
米国特許第5,389,369号に開示されるように、真菌胞子の死滅には比較的長期間のMPO:GOX殺菌-滅菌溶液への曝露が必要とされる。それゆえ、表8のO曝露後12時間および24時間の実験を、キャニスター中に8ヶ月貯蔵した処方物を用いて繰り返し、殺菌-滅菌処方物への1時間および4時間の曝露の結果の殺微生物-殺真菌作用と比較できるようにした。結果を表9に示す。
【0083】
【表9】


【0084】
処方物の微生物能を、キャニスター中で11ヶ月の貯蔵の後、Pseudomonas aeruginosaおよびCandida albicansに対して、48時間までのO曝露後期間後に試験した。死滅能を、1時間および4時間の曝露期間の両方について測定した。結果を表10に示す。
【0085】
【表10】


【0086】
製造の11ヶ月後、全ての処方物がPseudomonas aeruginosaおよびCandida albicansをO曝露後時間24時間およびそれ以上で完全に死滅させた。
【0087】
最後に、1年間のキャニスター貯蔵の後、E.coli、P.aeruginosa、C.albicansおよびA.fumigatusに対する種々の希釈の処方物D(上記)の殺微生物活性を24時間までの空気曝露時間と関連して決定した。結果を表11に示す。
【0088】
【表11】


【0089】
表11に示すように、まる1年の貯蔵の後も、処方物Dは試験した全ての生物に対して高度に活性のままであった。
【0090】
本発明の好適な実施態様を例示および記載してきたが、本発明の思想および範囲から逸脱することなく種々の変更をなし得ることが理解される。
【出願人】 【識別番号】506357538
【氏名又は名称】エックス オックス イミス, インコーポレイテッド
【出願日】 平成18年10月24日(2006.10.24)
【代理人】 【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策


【公開番号】 特開2007−51153(P2007−51153A)
【公開日】 平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願番号】 特願2006−289291(P2006−289291)