| 【発明の名称】 |
走行型茶園防除機における薬液散布装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】深山 大介
【氏名】角川 修
【氏名】荒木 琢也
【氏名】寺田 勝二
|
| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 茶畝を挟んだ2本の走行装置が門型枠にて連結されると共に、茶畝に沿って走行しながら防除作業を行う走行型茶園防除機において、送風ファンと低圧ポンプ付きの薬液タンクと、前記送風ファンから送風ダクトを介して前記茶畝間に左右対称的に設けられた送風用縦管と、該送風用縦管それぞれに設けられた吹出し用縦スリットと、該吹出し用縦スリット箇所において前記薬液タンクから薬液送りダクトを介して調整弁付きの数個以上の薬液吐出ノズルと、前記吹出し用縦スリットの左右側の送風用縦管に設けられたエアーカーテン用縦スリットとが備えられ、前記吹出し用縦スリットは、前記薬液タンクからの防除用薬液が前記送風ファンによる送風圧からの霧状の薬液と送風圧とともに茶樹に向かって吹き込まれるように構成されてなることを特徴とした走行型茶園防除機における薬液散布装置。 【請求項2】 請求項1において、前記吹出し用縦スリット両側には、ガイド板が設けられるとともに、前記薬液吐出ノズル先端は前記両ガイド板内に位置するように構成されてなることを特徴とした走行型茶園防除機における薬液散布装置。 【請求項3】 請求項2において、前記ガイド板は幅調節可能に構成されてなることを特徴とした走行型茶園防除機における薬液散布装置。 【請求項4】 請求項2又は3において、前記エアーカーテン縦スリット両側にも副ガイド板が設けられてなることを特徴とした走行型茶園防除機における薬液散布装置。 【請求項5】 請求項4において、前記副ガイド板は幅調節可能に構成されてなることを特徴とした走行型茶園防除機における薬液散布装置。 【請求項6】 請求項1,2,3,4又は5において、左右の前記吹出し用縦スリット箇所の上部位置であって、前記茶樹の上部形状に沿う飛散防止用の覆いカバーが設けられてなることを特徴とした走行型茶園防除機における薬液散布装置。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、茶畝を挟んだ2本の走行装置を門型枠にて連結し、茶畝に沿って移動しながら茶園の防除作業を行ないつつ、薬液の噴霧の飛散を確実に防止することができる走行型茶園防除機における薬液散布装置に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、茶樹に用いられる走行型茶園防除機は、茶畝を跨いだ機枠に大きな薬液タンクを載せ、機体後部に薬液散布用の噴霧ノズルのついた散布装置を取り付けてある。薬液散布装置としては、茶樹の表面形状に合わせて円弧状にしたパイプに多数の噴霧ノズルがスズラン状についたものを使用している。高圧のポンプによって噴霧ノズルから薬液を高圧に噴出させることによって霧状にして、茶樹の表面に薬液を散布し、防除を行なっている。 【特許文献1】特開2006−25650号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 上記方法では、霧状の薬液は空中を漂い茶樹の表面に付着するが、茶樹の表面の茶葉によって茶樹の内部までの薬液の浸透が遮られ、表面の茶葉の裏面や、内部の方にある幹、枝まで薬液が充分に達しない。また、空中を漂う霧化した薬液は、時には風に飛ばされて、不必要な箇所の汚染につながり、また、操作している人の体にも悪影響を及ぼす重大な欠点があった。また、特許文献1では、確かに、エアーカーテンは存在するが、これまた上側からの噴霧であり、茶樹の内部まで浸透できない重大な欠点があった。このため、本発明が解決しようとする課題(技術的課題又は目的等)は、茶畝に沿って移動しながら茶園の防除作業を行ないつつ、薬液の噴霧の飛散を確実に防止することを実現することである。 【0004】 そこで、発明者は上記課題を解決すべく鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、茶畝を挟んだ2本の走行装置が門型枠にて連結されると共に、茶畝に沿って走行しながら防除作業を行う走行型茶園防除機において、送風ファンと低圧ポンプ付きの薬液タンクと、前記送風ファンから送風ダクトを介して前記茶畝間に左右対称的に設けられた送風用縦管と、該送風用縦管それぞれに設けられた吹出し用縦スリットと、該吹出し用縦スリット箇所において前記薬液タンクから薬液送りダクトを介して調整弁付きの数個以上の薬液吐出ノズルと、前記吹出し用縦スリットの左右側の送風用縦管に設けられたエアーカーテン用縦スリットとが備えられ、前記吹出し用縦スリットは、前記薬液タンクからの防除用薬液が前記送風ファンによる送風圧からの霧状の薬液と送風圧とともに茶樹に向かって吹き込まれるように構成されてなることを特徴とした走行型茶園防除機における薬液散布装置としたことにより、前記課題を解決した。 【0005】 請求項2の発明を、前述の構成において、前記吹出し用縦スリット両側には、ガイド板が設けられるとともに、前記薬液吐出ノズル先端は前記両ガイド板内に位置するように構成されてなることを特徴とした走行型茶園防除機における薬液散布装置としたことにより、前記課題を解決した。請求項3の発明を、前述の構成において、前記ガイド板は幅調節可能に構成されてなることを特徴とした走行型茶園防除機における薬液散布装置としたことにより、前記課題を解決した。請求項4の発明を、前述の構成において、前記エアーカーテン縦スリット両側にも副ガイド板が設けられてなることを特徴とした走行型茶園防除機における薬液散布装置としたことにより、前記課題を解決した。 【0006】 請求項5の発明を、前述の構成において、前記副ガイド板は幅調節可能に構成されてなることを特徴とした走行型茶園防除機における薬液散布装置としたことにより、前記課題を解決した。また、請求項3の発明を、前述の構成において、左右の前記吹出し用縦スリット箇所の上部位置であって、前記茶樹の上部形状に沿う飛散防止用の覆いカバーが設けられてなることを特徴とした走行型茶園防除機における薬液散布装置としたことにより、前記課題を解決したものである。 【発明の効果】 【0007】 請求項1の発明では、送風ファンに接続した縦のスリット状の吹出し口から、縦方向に幅広く水平方向の高速の空気が吹出され、その吹出し口近傍の多数の薬液吐出ノズルで、薬液が霧状にかつ均一に高速空気に混入し、茶樹に向かって水平に吹き込まれるので、表面の茶葉に邪魔されることなく茶株の内側に薬液を散布することができる。特にクワシロカイガラムシのような幹や枝に寄生する害虫に対して非常に有効である。 【0008】 請求項2記載の発明では、特に、ガイド板の存在により、吹出し用縦スリットから高速空気となって吹出されて、より良好に茶株の内側に薬液を散布することができる利点がある。また、請求項3の発明では、吹出し用縦スリットの隙間調整をすることで、より良好なる高速空気にできる効果がある。 【0009】 請求項4記載の発明では、特に、副ガイド板の存在により、前記エアーカーテン縦スリットから高速空気となって吹出されて、良好なるエアーカーテン状態にできる利点がある。また、請求項5の発明では、前記エアーカーテン縦スリットの隙間調整をすることで、より良好なエアーカーテン状態にできる。また、さらに効果をあげるために、茶樹の下部より吹出される霧状の薬液を含む風が周辺に飛散しないように、上部に覆いカバーをつけることにより、再度茶樹に薬液が散布される効果を奏する。 【発明を実施するための最良の形態】 【0010】 以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明すると、図1は走行型茶葉摘採機の背面図、図2は平面図であって、適宜の間隔(茶畝T)をおいて設けられたクローラ型の走行装置1,1が、この前後で門型枠2,2を介して,作業者等が乗用して作業等する機台枠が設けられ、躯体及び走行部が構成されている。前記走行装置1,1の間隔は適宜調整可能にされ、茶畝Tの幅に対応可能に設けられている。 【0011】 3,3は送風ファンであって、前記門型枠2の上方に左右一対が設けられている。該送風ファン3,3からの送風が、可撓性の送風ダクト4,4を介して前記茶畝T間に左右対称的に設けられた送風用縦管5,5に送られるように構成されている。該送風用縦管5,5は、後方の前記門型枠2に支持片又は板状材100等を介して架設されている[図4(A)参照]。 【0012】 前記送風用縦管5は、図3に示すように、上部蓋部51に前記送風ダクト4の下部固定部4aが連通状態に接続され、且つこの下部蓋部52は盲板として構成されている。また、前記送風用縦管5は、断面としては2枚合わせで方形状をなし、三辺が囲まれ、一辺のみから送風が放出されるように形成されている。その一辺の略中央位置には縦方向に吹出し用縦スリット53が設けられている。その間隔は約5mm乃至約15mmとして形成されている。長手方向は、前記送風用縦管5の長さに対応して約1m前後である。 【0013】 前記吹出し用縦スリット53の両側には、ガイド板54,54が固定されている。該ガイド板54,54の存在にて送風の方向が確保される。前記吹出し用縦スリット53には、前記ガイド板54,54無しで構成されることもある。この場合には、図6(A)及び(B)に示すように、前記吹出し用縦スリット53がプレスにてバーリング加工(縁形成加工)されたり、或いは、深絞り加工されてガイド片的な要素が備えられている。このバーリング加工片53a又は深絞り加工片によって送風の方向が確保される。 【0014】 また、図3において、前記吹出し用縦スリット53箇所において、適宜の間隔に複数の薬液吐出ノズル11が設けられている。該薬液吐出ノズル11は、前記門型枠2の上部に設けられた薬液タンク6からの薬液送りチューブ10を介して連通している。該薬液送りチューブ10は、前記薬液タンク6から薬液送りダクト7を介して左右の前記送風用縦管5,5に対応して設けられた薬液送り縦管8,8に連通している。前記薬液送りチューブ10には、調整弁9がそれぞれ設けられている[図3(A)参照]。 【0015】 前記ガイド板54が設けられている場合は、該ガイド板54に穴あけされて前記薬液吐出ノズル11が取り付けられている。図6に示すように、バーリング加工片又は深絞り加工片の場合には、取付片101を介して前記薬液吐出ノズル11が取り付けられている。いずれにしても、前記吹出し用縦スリット53から前記送風ファン3による送風圧にて、前記薬液タンク6からの防除用薬液が前記薬液吐出ノズル11の先端からベンチュリー作用にて霧状の薬液となって、その送風圧とともに茶樹に向かって吹き込まれるように構成されている。 【0016】 また、前記送風用縦管5において、図3(B)及び図6(A)に示すように、前記吹出し用縦スリット53の左右側にエアーカーテン用縦スリット55,55が設けられている。その間隔は約3mm乃至約10mmとして形成されている。長手方向は、前記送風用縦管5の長さに対応して約1m前後である。前記エアーカーテン用縦スリット55の両側には、左右非対称の副ガイド板56,57(最外側)が固定されている。該副ガイド板56,57の存在にて送風の方向が確保される。 【0017】 前記エアーカーテン用縦スリット55は、前記副ガイド板56,57無しで構成されることもある。この場合には、図6に示すように、前記吹出し用縦スリット53箇所のバーリング加工片53a又は深絞り加工片と同様に形成され、これによって送風の方向が確保される。 【0018】 図7は、本発明の別の実施形態であって、前記吹出し用縦スリット53及び前記エアーカーテン用縦スリット55がそれぞれ幅調節可能に構成されているものであり、最適の幅が確保されるものである。具体的には、図7(B)に示すように、左右のガイド板54,54相互、副ガイド板56,57が長孔などを介して幅調節可能に構成されている。これによって、噴霧と同時に、その左右側のエアーカーテン用縦スリット55からの送風により、その前記吹出し用縦スリット53からの噴霧を、左右の前記エアーカーテン用縦スリット55,55からのエアーにて拡散にしないようにできる。 【0019】 また、図1において、下辺が、茶樹の上面に沿うような形を有している覆いカバー12がある。該覆いカバー12によって茶樹の下部より吹出される霧状の薬液を含む風が周辺に飛散しないように構成されている。図中13は、摘採装置である(図2参照)。 【図面の簡単な説明】 【0020】 【図1】本発明の背面図である。 【図2】本発明の平面図である。 【図3】(A)は本発明の要部斜視図、(B)は一部切除した要部拡大斜視図、(C)は送風用縦管の一部断面図である。 【図4】(A)は本発明の要部拡大断面図、(B)は噴霧状況の一部拡大側面図である。 【図5】(A)は本発明の左右側の作用状態を示す平面図、(B)は(A)の拡大状態図である。 【図6】(A)は本発明の別の実施形態の要部斜視図、(B)は要部拡大断面図である。 【図7】(A)は本発明のさらに別の実施形態の要部斜視図、(B)は要部拡大断面図である。 【符号の説明】 【0021】 T…茶畝,1…走行装置,2…門型枠,3…送風ファン,4…送風ダクト,5…送風用縦管, 6…薬液タンク,7…薬液送りダクト,8…薬液送り縦管,9…調整弁, 10…薬液送りチューブ,11…薬液吐出ノズル,53…吹出し用縦スリット, 54…ガイド板,55…エアーカーテン用縦スリット,56,57…副ガイド板。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】501203344 【氏名又は名称】独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 【識別番号】000145116 【氏名又は名称】株式会社寺田製作所
|
| 【出願日】 |
平成18年5月1日(2006.5.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080090 【弁理士】 【氏名又は名称】岩堀 邦男
|
| 【公開番号】 |
特開2007−295869(P2007−295869A) |
| 【公開日】 |
平成19年11月15日(2007.11.15) |
| 【出願番号】 |
特願2006−127839(P2006−127839) |
|