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【発明の名称】 釣竿
【発明者】 【氏名】清田 義春

【要約】 【課題】長期間にわたって初期の状態を維持し、好適な操作性を維持することができる釣竿を提供すること。

【解決手段】尻栓部材14により中竿8c脱落するのを防止する釣竿10であって、この尻栓部材14は、元竿12の後端部に固定される胴部22とこの胴部の後端部から内周側に突出して軸方向貫通孔24を形成する鍔状部26とを有する硬質材製の尻栓リング18と、この鍔状部26の先端側および後端側端面に係合する前壁部40および後壁部42と貫通孔24に挿通されて前壁部40および後壁部42を連結する連結部44とを有する軟質材製の尻栓キャップ20とを備え、尻栓リング18は、鍔状部26の後端側端面から尻栓キャップ20の後壁部42内に嵌入して変形を規制する規制壁部36,38を一体に形成され、尻栓キャップ20の後壁部42に形成された後方に開口する窪み部46内に、尻栓キャップ20よりも硬質の板状装飾部材52が配置される釣竿。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
元竿の後端部に尻栓部材を配置し、先端部から振出し可能に収納された中竿がこの元竿の後端部から脱落するのを防止する釣竿であって、
前記尻栓部材は、元竿の後端部に固定される胴部とこの胴部の後端部から内周側に突出して軸方向貫通孔を形成する鍔状部とを有する硬質材製の尻栓リングと、この尻栓リングの鍔状部の先端側および後端側端面に係合する前壁部および後壁部と前記貫通孔に挿通されてこれらの前壁部および後壁部を一体に連結する連結部とを有する軟質材製の尻栓キャップとを備え、前記尻栓リングは、鍔状部の後端側端面から尻栓キャップの後壁部内に嵌入してこの後壁部の変形を規制する規制壁部を一体に形成され、前記尻栓キャップの後壁部は、後方に開口する窪み部を形成され、この窪み部内に、この尻栓キャップよりも硬質の板状装飾部材が配置されることを特徴とする釣竿。
【請求項2】
前記尻栓キャップの前壁部は、前記元竿内に収納される中竿のうち、最大径の中竿の後端部の外径よりも大きな外径を有し、前記貫通孔は、この最大径の中竿の後端部の外径よりも小さな径を有することを特徴とする請求項1に記載の釣竿。
【請求項3】
前記尻栓キャップの後壁部は、窪み部の底壁側でこの窪み部を形成する周壁に、前記板状装飾部材の外周縁部が嵌合する環状溝が形成され、この環状溝は、軸方向に沿って前記規制壁部の後端部と同じかあるいはこれよりも前方に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の釣竿。
【請求項4】
前記板状装飾部材の後端部は、前記尻栓キャップの後端部よりも前方に配置されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の釣竿。
【請求項5】
前記尻栓キャップの前壁部は、前記鍔状部の貫通孔を閉塞することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の釣竿。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、釣竿に関し、特に、元竿の後端部に尻栓部材を配置し、先端部から振出し可能に収納された中竿がこの元竿の後端部から脱落するのを防止する釣竿に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、振出し式の釣竿は、大径の元竿の後端部に尻栓部材を配置し、順に小径に形成された穂先側の中竿および穂先竿が後端部から脱落するのを防止した状態で内部に収納したコンパクトな構造を備える。使用する際には、これらの穂先竿および中竿を元竿の先端部から引出し、隣接する大径竿管の先端部と小径竿管の後端部とを互いに嵌合させて継合部を形成し、長尺の釣竿とする。このような大径の元竿内に収納した小径の竿管を手入れする際には、尻栓部材を取外すことにより、元竿の後端部から内部に収納した小径竿管を抜出す。
【0003】
このような釣竿には、ゴム等の軟質材製の尻栓部材の後側に凹部を形成し、この凹部内に金属等の硬質材からなる補強部材を挿入することで、端面に適度の弾性を残し、操作性の向上および破損防止を図ったものが開発されている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−41542
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、補強部材は軟質材からなる尻栓部材で支えられているため、例えば接着剤を介して固着した場合であっても、力が加わった際の変形量の差が大きく、このため、長期間にわたる使用で、補強部材が脱落する可能性がある。補強部材が脱落した場合には、尻栓部材が変形し易くなり、操作性が低下する。
【0005】
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、長期間にわたって初期の状態を維持し、好適な操作性を維持することができる釣竿を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明の釣竿は、元竿の後端部に尻栓部材を配置し、先端部から振出し可能に収納された中竿がこの元竿の後端部から脱落するのを防止する釣竿であって、
前記尻栓部材は、元竿の後端部に固定される胴部とこの胴部の後端部から内周側に突出して軸方向貫通孔を形成する鍔状部とを有する硬質材製の尻栓リングと、この尻栓リングの鍔状部の先端側および後端側端面に係合する前壁部および後壁部と前記貫通孔に挿通されてこれらの前壁部および後壁部を一体に連結する連結部とを有する軟質材製の尻栓キャップとを備え、前記尻栓リングは、鍔状部の後端側端面から尻栓キャップの後壁部内に嵌入してこの後壁部の変形を規制する規制壁部を一体に形成され、前記尻栓キャップの後壁部は、後方に開口する窪み部を形成し、この窪み部内に、この尻栓キャップよりも硬質の板状装飾部材が配置されることを特徴とする。
【0007】
前記尻栓キャップの前壁部は、前記元竿内に収納される中竿のうち、最大径の中竿の後端部の外径よりも大きな外径を有し、前記貫通孔は、この最大径の中竿の後端部の外径よりも小さな径を有することが好ましい。
【0008】
また、前記尻栓キャップの後壁部は、窪み部の底壁側でこの窪み部を形成する周壁に、前記板状装飾部材の外周縁部が嵌合する環状溝が形成され、この環状溝は、軸方向に沿って前記規制壁部の後端部と同じかあるいはこれよりも前方に配置されることが好ましい。
【0009】
前記板状装飾部材の後端部は、前記尻栓キャップの後端部よりも前方に配置されることが好ましく、また、前記尻栓キャップの前壁部は、前記鍔状部の貫通孔を閉塞することが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の釣竿によると、軟質材製の尻栓キャップの後壁部が硬質材製の尻栓リングに一体に形成された規制壁部で変形が規制されるため、この尻栓キャップの後壁部の窪み部内に配置された板状装飾部材がこの尻栓キャップから脱落し難く、長期間にわたって好適な操作性を維持することができる。
【0011】
尻栓キャップの前壁部が最大径の中竿よりも大径に形成され、尻栓リングの貫通孔がこの最大径の中竿よりも小径に形成される場合には、元竿内に中竿を収納する際に、最も大きな衝撃が作用する最大径の中竿が軟質材製の尻栓キャップの前壁部に当接するため、柔軟な前壁部が衝撃を緩和すると共に、この力を尻栓リングに伝達する。このため、尻栓リングには大きな衝撃が作用せず、尻栓キャップの後壁部の変形も防止され、板状装飾部材の脱落が防止される。
【0012】
尻栓キャップの後壁部に形成される窪み部内に板状装飾部材を保持する環状溝が、規制壁部の後端部と同じかあるいはこれよりも前方に配置される場合には、尻栓リングに対して尻栓キャップが変形し難く、したがって、尻栓キャップに外力が作用しても、規制壁がこの力を支え、板状装飾部材にはほとんど作用せず、この板状装飾部材の脱落が抑制される。
【0013】
板状装飾部材の後端部が尻栓キャップの後端部よりも前方に配置される場合には、釣竿の後端部を地面等に突き当てた場合であっても、板状装飾部材に傷がつき難く、また、外力が後壁部まで力が伝達されることもないため、後壁部に保持された板状装飾部材は尻栓キャップから脱落し難い。
【0014】
また、この尻栓キャップの前壁部が鍔状部の貫通孔を閉塞する場合には、この貫通孔を介して水が窪み部内に流れ込むことがなく、仮に、前壁部が鍔状部から剥離した場合でも、板状装飾部材の周部に水が流れ込むのを防止される。このため、板状装飾部材が尻栓キャップから脱落するのが抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、本発明の好ましい実施形態による釣竿10の後端部を示す。
図1に示すように、本実施形態の釣竿10は、最も大径の元竿12の後端部に尻栓部材14を配置し、順に大径に形成された第1,第2,第3の中竿8a,8b,8cを図示しない穂先竿と共に収納した振出式に形成してある。穂先竿と共にこれらの中竿8a,8b,8cを元竿12の先端部から振出し、軸方向に沿って前後に隣接する中竿8a,8b,8cの対応した端部同士を嵌合させて継合部を形成することにより、長尺の釣竿10として使用することができる。これらの元竿12および中竿8a,8b,8cを形成する各竿管は、強化繊維に合成樹脂を含浸させた繊維強化プリプレグ(FRP)を芯金に巻回した後、硬化、脱芯等の通常の工程を経て形成される。
【0016】
これらの元竿12と図示しない穂先竿との間の中竿の継数については上述の3本に限定されることはない。また、例えば第2,第3の中竿8b,8cを省略して、穂先側の第1の中竿8aあるいは穂先竿自体を元竿12に継合させてもよい。更に、これらの元竿12と最も大径の第3の中竿8cとを並継ぎにする等、部分的に並継ぎ構造を採用してもよく、元竿12の適宜部位に図示しない握り部を形成することも可能である。
【0017】
この元竿12の後端部は、元竿12の全長にわたって延びる本体プリプレグに加え、幅狭の適宜の補強プリプレグにより、中間部位よりも厚肉構造に形成し、後端部の強化が図られている。なお、このような補強プリプレグは、本体プリプレグに貼り合せて巻回し、本体プリプレグと補強プリプレグとを交互に配置させることにより、本体プリプレグとの間の段差を小さくし、皺の発生を抑制することが可能である。また、特に後端部では、後述するねじを形成する際に、プリプレグ中の強化繊維を可能な限り破断しないように、強化繊維を周方向に引き揃えたプリプレグを配置することが好ましい。このように形成される元竿12は、例えば1mm程度の肉厚に形成し、雌ねじ16を形成したときにも、後端部に十分な強度を維持することが好ましい。
【0018】
本実施形態の釣竿10では、元竿12の後端部に形成した雌ねじ16に、尻栓部材14が螺合される。
図1から図4に示すように、この尻栓部材14は、硬質材料で形成された尻栓リング18と、軟質材料で形成された尻栓キャップ20とを備える。尻栓リング18を形成する材料は、例えばアルミニウム合金、ステンレス鋼、真鍮、チタン合金等の金属、あるいは、ABS、ポリアミド等の硬質樹脂を含み、指で把持した程度では変形しない硬質の材料であるのが好ましく、尻栓キャップ20を形成する軟質材料は、例えば天然ゴム、合成ゴム、エラストマー等を含み、握持する指に柔軟な感触を与える材料であるのが好ましい。いずれも耐食性に優れ、軽量の材料であることが好ましい。
【0019】
この尻栓リング18は、元竿12の後端部に固定される胴部22とこの胴部22の後端部から内周側に突出して軸方向貫通孔24を形成する鍔状部26とを有し、胴部22の外周部に、元竿12の雌ねじ16に螺合する雄ねじ28が形成されている。この胴部22の後端部には、全周にわたって突条30を延設し、この突条30の外周面にローレット状の滑り止め30aを形成してある。この突条30と雄ねじ28との間には、Oリング32(図1参照)を収容する溝34を外方に開口させて形成してあり、尻栓部材14を元竿12に螺合した際に、このOリング32が、好ましくは元竿12の後端面と突条30との間で圧接され、これらの元竿12と尻栓部材14との間を密封すると共に、使用中に尻栓部材14が緩むのを防止する。このOリング32は、このような密封作用と緩み止め作用とをなすことができるものであれば、上記以外の、例えば元竿12の内周面と胴部22の外周面との間に配置してもよい。
【0020】
更に、この尻栓リング18には、鍔状部26の後端面から後方に向けて円筒状の壁部36が突出し、この壁部36の後端部から環状のリブ38が半径方向外方に突出する。この円筒状の壁部36は、貫通孔24と突条30との略中間位置に配置し、環状のリブ38の外縁部は、突条30よりも内周側で、胴部22の内周面よりも半径方向内方に配置することが好ましい。これらの壁部36およびリブ38は、後述するように、尻栓キャップ20の変形あるいは材料移動を規制する規制壁部を形成する。
【0021】
図3および図4に示すように、この尻栓リング18に取付けられる尻栓キャップ20は、尻栓リング18の鍔状部26の先端側および後端側端面に係合する前壁部40および後壁部42と、尻栓リング18の貫通孔24に挿通されてこれらの前壁部40および後壁部42を一体に連結する連結部44とを有し、尻栓リング18と共に一体成形され、あるいは例えば接着剤等により一体化されている。したがって、尻栓キャップ20は尻栓リング18から容易に脱落しにくい。本実施形態の連結部44は、中央部に肉抜き孔43を有する環状構造に形成してあるが、このような肉抜き孔43を省略して厚肉円板状に形成することも可能である。
【0022】
この尻栓キャップ20の前壁部40は、最も大径の中竿8c(図1参照)の外径以上の寸法に形成した外径と、例えば1〜3mmの範囲で、2mm程度が好ましい厚さとを有し、中竿8a〜8cが当接したときの衝撃を緩和することができる。また、胴部22の内周面との間には、間隙を形成してもよい。この前壁部40の内周側は連結部44を超えて延び、貫通孔24を閉塞する閉塞部41に連続する。この閉塞部41は、図示のように前壁部40と同じ厚さではなく、これよりも厚くあるいは薄く形成してもよい。より薄くすることで、尻栓部材14を軽量化することができる。
【0023】
この尻栓キャップ20の後壁部42は、前壁部40と同様に鍔状部26の後端面に一体化されており、鍔状部26の後端面から突出する円筒状の壁部36およびリブ38がこの後壁部42内に嵌入する。この後壁部42は、壁部36およびリブ38を外面から突出させることなく、内部に埋設した状態に収容する肉厚と外径とを有する。この後壁部42の外周面は、突条30の外周面と同一かあるいはこの外周面より僅かに内方に配置されており、この突条30の外周面に形成した滑り止め30aを介して尻栓部材14を操作することができる。また、後壁部42の後端側縁部には、丸みを付けた湾曲面44aが形成されており、操作する際に手に当たる角部がなく、滑らかに握持し、操作することができる。
【0024】
このように形成された後壁部42には、後方に向けて開口する窪み部46が形成されている。この窪み部46は、上述の連結部44の後端面で形成される環状の底壁45と、通孔24よりも大径でかつ壁部36よりも小径であるのが好ましい周壁47とで区画されており、この周壁47の底壁45に隣接する部位に、半径方向内方に開口する環状溝50が形成されている。この環状溝50の軸方向位置は、リブ38とほぼ同じか、あるいはこのリブ38よりも前方すなわち円筒状の壁部38内に位置することが好ましい。
【0025】
図5および図6に示すように、後壁部42に形成した窪み部46内に板状装飾部材52が収容され、底壁45に載置されると共に、その外周部を環状溝50に嵌合される。板状装飾部材52は、尻栓キャップ20よりも硬質材料で形成してあり、尻栓キャップ20の後端面に適度の弾性を残した状態で剛性を高めて、好適な操作性を形成する。
【0026】
この板状装飾部材52は、例えばアルミニウム合金等の金属材料、あるいはABS、ポリアミド等の硬質樹脂材料で形成された円板状の本体部54の後端面に、図6の(A)に符号A,B,Cで示すような装飾(例えば、文字、記号、図柄等)を施し、例えばエポキシ、ウレタン等の透明樹脂56をポッティングしてある。このように透明樹脂56をポッティングする場合には、透明樹脂56のレンズ効果により、本体部54の装飾が鮮明に強調される。これに代え、板状装飾部材52を硬質部材で一体に形成してもよい。
【0027】
この板状装飾部材52は、外周部を環状溝50に嵌合させ、両面テープあるいは接着剤等により、底壁45に固着させた状態で、窪み部46内に装着される。この装飾部材52は、環状溝50に外周部が嵌合して構造的に結合され、底壁45に物理的に結合され、これにより、竿尻キャップ20から脱落し難く、長期間にわたって尻栓部材14の初期状態を維持することができる。
【0028】
更に、この板状装飾部材52は、その後端面を、窪み部46から後方に突出させることなく、尻栓キャップ20の後端部よりも軸方向前方、すなわち窪み部46内に保持する。これにより、例えば釣竿10の竿尻を地面に突いた場合でも、板状装飾部材52が窪み部46から脱落し、あるいはその後端面に傷をつけることなく、長期間にわたってその初期状態を維持することができる。
【0029】
このように形成された尻栓部材14は、中竿8a〜8cを元竿12から抜出し、洗浄する等のメンテナンスを行う際、元竿12の後端部から取外される。このとき、尻栓部材14の尻栓キャップ20に大きな外力が作用する。この尻栓キャップ20の後壁部42に作用する外力のうち、周方向あるいは半径方向の力は後方に延びる円筒状の壁部36が支え、軸方向の力は尻栓リング18の壁部36の後端部に形成されたリブ38が支え、これにより尻栓キャップ20の後壁部42は軸方向および周方向の変形あるいは移動が規制される。したがって、尻栓リング18の円筒状の壁部36および環状のリブ38は、尻栓キャップ20の後壁部42の変形あるいは移動を規制する規制部材として作用する。
【0030】
このため、尻栓キャップ20の窪み部46内に板状装飾部材52を保持する環状溝50が、規制壁部すなわち壁部36およびリブ38の後端部と同じかあるいはこれよりも前方に配置される場合には、尻栓リング18に対して尻栓キャップ20が変形し難く、したがって、尻栓キャップ20に外力が作用しても、壁部36およびリブ38がこの力を支え、板状装飾部材52にはほとんど作用せず、この板状装飾部材52の脱落が抑制される。
【0031】
特に、板状装飾部材52の外周部を支える環状溝50は、円筒状壁部36の内側すなわちリブ38と同じかあるいはこれよりも軸方向前方に配置され、しかも、この環状溝50を形成する周壁47が貫通孔24よりも大径に形成される場合には、尻栓キャップ20の後壁部42に外力が作用しても、環状溝50を形成した後壁部42および環状溝50は、尻栓リング18の円筒状の壁部36およびリブ38でその移動あるいは変形が規制され、板状装飾部材52が脱落するのが防止される。更に、板状装飾部材52と底壁45との間の相対移動も抑制されることにより、その間の接着力あるいは付着力が低下することもない。板状装飾部材52は尻栓キャップ20および尻栓部材14から脱落し難く、長期間にわたって好適な操作性を維持することができる。
【0032】
また、尻栓キャップ20の前壁部40が最大径の中竿8c以上の外径を有し、尻栓リング18の貫通孔24がこの最大径の中竿8cよりも小径に形成されることにより、元竿12内に中竿8a〜8cを順に収納する際に最も大きな衝撃が作用する最大径の中竿8cがこの前壁部40に当接するため、この柔軟な前壁部40が衝撃を緩和すると共に、この力を鍔状部26を介して尻栓リング18に伝達する。このため、尻栓リング18には大きな衝撃が作用せず、尻栓キャップ20の後壁部42の変形も防止され、板状装飾部材52の脱落が防止される。ここで貫通孔24は図1に示すように中竿8aおよび8cの外径よりも小径に形成する等、複数の中竿よりも小径に形成することが更に好ましい。
【0033】
また、この尻栓キャップ20の前壁部40が鍔状部26の貫通孔24を閉塞することにより、この貫通孔24を介して水が窪み部46内に流れ込むことがなく、仮に、前壁部40が鍔状部26から剥離した場合でも、板状装飾部材52の周部に水が流れ込むのを防止される。このため、板状装飾部材52が尻栓キャップ20から脱落するのが抑制される。
【0034】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で様々に変形可能なことは明らかである。例えば、尻栓キャップ20の連結部44は、中央部に肉抜き部43を形成してあるが、このような肉抜き部を省略してもよく、あるいは周方向に沿って複数設けることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の好ましい実施形態による釣竿の竿尻部の一部を断面で示す説明図。
【図2】図1に示す尻栓部材を形成する尻栓リングを示し(A)は断面図、(B)は(A)のB−B線に沿う図。
【図3】図1の釣竿から取外した状態の尻栓部材を示す部分断面図。
【図4】図3の拡大断面図。
【図5】板状装飾部材を取付けた状態の尻栓部材の断面図。
【図6】図5の板状装飾部材を示し、(A)は後端側から見た図、(B)は(A)のB−B線に沿う断面図。
【符号の説明】
【0036】
8a,8b,8c…中竿、10…釣竿、12…元竿、14…尻栓部材、18…尻栓リング、20…尻栓キャップ、22…胴部、24…貫通孔、26…鍔状部、40…前壁部、42…後壁部、44…連結部、46…窪み部、52…板状装飾部材。
【出願人】 【識別番号】000002495
【氏名又は名称】ダイワ精工株式会社
【出願日】 平成18年4月28日(2006.4.28)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦

【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲

【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠

【識別番号】100100952
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 鉄也


【公開番号】 特開2007−295856(P2007−295856A)
【公開日】 平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願番号】 特願2006−127085(P2006−127085)