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【発明の名称】 サイフォン式オーバーフロー装置
【発明者】 【氏名】水野 喜得

【要約】 【課題】水槽内において、熱帯魚等の魚類を飼育する場合、飼育過程においてアンモニアやアオコ等が発生する場合があり、この場合は水槽内の水を交換する必要がある。その際、魚類を掬い出して水を交換する必要のないオーバーフロー装置が用いられる。しかし、従来のオーバーフロー装置は、水を排出する際の音が大きいものがあった。また、水槽内の水位の細かな調整をすることができるオーバーフロー装置が少なかった。

【解決手段】第一管と第二管で構成されるU字型の二重管構造で、第一管に給水管を、第二管に垂下管を連設し、また、垂下管に分離通路を内設し、給水管に水位微調整管を設けることを特徴とするオーバーフロー装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一管とこれに内設した第二管とでなる水槽に架承するU字型二重管と、このU字型二重管の第一管に連設した給水管及び前記第二管に連設した垂下管とで構成したサイフォン式オーバーフロー装置であって、
この垂下管の両端部に蜂の巣状の分離通路を形成したことを特徴とするサイフォン式オーバーフロー装置。
【請求項2】
請求項1に記載のサイフォン式オーバーフロー装置の前記給水管が、回動自在としたことを特徴としたサイフォン式オーバーフロー装置。
【請求項3】
請求項1に記載のサイフォン式オーバーフロー装置の給水管の側端部から垂下管に亘り水位微調整管を内設することを特徴とするサイフォン式オーバーフロー装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3に記載のサイフォン式オーバーフロー装置において、
前記給水管の底辺部と垂下管の上端部を同位とし、
前記第二管と第二管の下端部を同位であることを特徴とするサイフォン式オーバーフロー装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、落差を利用して水槽の水を落下させるサイフォン式オーバーフロー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
主に観賞目的で熱帯魚等の魚類を飼育する場合、水槽内においては、魚類が食べ残した餌や糞尿等の排泄物によって、アンモニアやアオコ等が発生する場合がある。このように水槽内において発生したアンモニアやアオコ等をそのまま放置すると、魚類が病気にかかる虞があり、最悪の場合は死滅してしまう虞がある。また、水槽内の水が汚れてしまうことにより観賞が妨げられてしまう場合もある。
【0003】
したがって、水槽内の水を交換する必要があるが、この際一先ず、魚類を他の水槽やバケツ等に入れておき、水槽内の水を交換する。しかし、交換の際、魚類を掬って他の水槽やバケツに移す必要があるため、魚類の体に触れることは避けられず、魚類を傷付けて、弱らせてしまう虞がある。
【0004】
そこで、魚類を掬い出して水を交換する必要のないオーバーフロー装置なるものが重宝される。従来のオーバーフロー装置に関しては、以下のような文献(1)、(2)がある。文献(1)は、水槽内の汚水を水の落下システムを利用して水の落下を可能とするものである。また、文献(2)は、水槽内の水を汲み出すものとは趣が異なり、灯油等の液体を汲み上げるものである。以下、文献(1)、(2)について説明する。
【0005】
文献(1)は、実登3018619の「改良型水落下システム付水槽及び濾過装置」である。この考案は、下部に設けられた濾過槽対し、水槽に格別の工作を伴わずに、水槽中の水を落下させることができる水槽及び濾過装置で、水を貯留できる外部装着貯留装置と、水排出孔を有する曲がりサイフォンと、濾過槽に水を排出できる溢水管を有する改良型水落下システム付水槽及び該システムを有する濾過装置である。この考案は、熱帯魚や金魚等を飼育する為の水槽内に発生するアンモニアを、通常の水槽においても、下部の濾過槽に対し容易に水の落下を可能とする落下システム付水槽または、当該落下システムを有する濾過装置を提供することを目的とするものであり、水槽に格別の工作を伴わずに、水槽中の水を落下させることができるものである。
【0006】
また、従来のオーバーフロー装置一般にいえることであるが、水を排出する際の音が大きく、また、異音がする場合があるという問題点があった。
【0007】
文献(2)は、実開平2−85900号の「簡易汲み上げ揚水ポンプ」である。この考案は、灯油等の液体を簡易に汲み上げる簡易汲み上げ揚水ポンプで、逆U字状のサイホン管を形成するホースの頂部に空気供給口を開閉自在に配設し、一方の吸入管の上部を所要長さの大径管に包蔵し、該大径管の上部を吸入管に気密的に密着し、下部をテーパ状に縮径して密着部を形成すると共に吸入管との間に所定の空間を形成し、大径管の上部より気密状に吹き込み管を挿通し、他方の吐出管の下端部に絞り部を配設して成る簡易汲み上げ揚水ポンプである。この考案は、従来の汲み上げ手動揚水ポンプのような、弾性体の復元力により負圧を発生させて吸い上げるものではなく、繰返し押圧する弾性体と逆止弁のない構造簡単で長命な簡易汲み上げ揚水ポンプの提供を目的とするものである。
【0008】
【特許文献1】実登3018619
【特許文献2】実開平2−85900号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、文献(1)の考案は、水が、曲がりサイフォンの水槽側の水注入孔側に設けたフィルターから入り、下部の濾過槽へ落下するものであり、フィルターが水槽の下方にあるため、水位調整することが困難である。また、水が通過する曲がりサイフォンの内部には管が内設されていないため、本発明とは本質的に相違する。また、文献(1)の考案は、曲がりサイフォンの水槽側の水注入孔側が回動せず固定されているため、水槽内の水位によって水の注入量の微調整が困難である。さらに、文献(1)の考案は、曲がりサイフォンの内部には、水位微調整管を設けていないため、水位の微調整が困難な場合がある。
【0010】
また、文献(2)の考案は、受け入れ容器内の液体を吸入管より汲み上げて吐出管から吐き出すものであり、灯油等の液体を簡易に汲み上げる簡易汲み上げ揚水ポンプに関するものであり、本発明のような水槽の水を落下させるサイフォン式オーバーフロー装置とは範疇を異にする。また、吸入管、吐出管ともに内部に管が内設されていないため、本発明とは本質的に相違する。さらに、文献(2)の考案は、吸入管の上部を所要長さの大径管に包蔵し、大径管の上部を吸入管に気密的に密着させるものであり、吸入管が回動しないため、吸入管から入る水の吸入量の微調整が困難である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以上の問題点を考慮して、第一発明のサイフォン式オーバーフロー装置は、第一管とこれに内設した第二管とでなる水槽に架承するU字型二重管と、このU字型二重管の第一管に連設した給水管及び前記第二管に連設した垂下管とで構成したサイフォン式オーバーフロー装置であって、この垂下管の両端部に蜂の巣状の分離通路を形成したことを特徴とする。
【0012】
第二発明のサイフォン式オーバーフロー装置は、請求項1に記載のサイフォン式オーバーフロー装置の前記給水管が、回動自在としたことを特徴とする。
【0013】
第三発明のサイフォン式オーバーフロー装置は、請求項1に記載のサイフォン式オーバーフロー装置の給水管の側端部から垂下管に亘り水位微調整管を内設することを特徴とする。
【0014】
第四発明のサイフォン式オーバーフロー装置は、請求項1乃至請求項3に記載のサイフォン式オーバーフロー装置において、前記給水管の底辺部と垂下管の上端部を同位とし、前記第二管と第二管の下端部を同位であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
第一発明によれば、U字型二重管は、第一管と該第一管に内設した第二管とで構成され、また、垂下管の両端部に蜂の巣状の分離通路を形成しているため、第二管から垂下管へ流れる水は、第一管内の空気を取り込みながら水泡状となって垂下管の下端部へと排気排水され、この第一管、第二管の配管の全管を利用して速い段階でサイフォンとなり、水を循環させることができる。
【0016】
第二発明によれば、オーバーフロー装置の給水管は、回動自在であるため、水槽内の水位を容易に変更することができる。
【0017】
第三発明によれば、オーバーフロー装置に水位微調整管を内設しているため、状況に応じ水位微調整管を水位調整孔の上方向に伸ばすことにより、その分水槽内の水位を上昇させることができる。また、水位微調整管を水位調整孔の下方向に位置すれば、水位調整孔の下面で水位は安定させることができる。
【0018】
前者、すなわち、水位微調整管を水位調整孔の上方向とした場合は、水位調整孔より取り込み第一管に流入しようとする空気を水位微調整管より垂下管へとバイパスさせ、垂下管の水密度を低くし、水の落下速度を落とし水面が上昇する。したがって、この例を採用すれば、希望水位を維持することができる。また、水位調整孔近傍で発生する音(渦巻き音等)と、第一管に流入する際の音(水流音等)が抑えられ、さらに、水面上に浮遊する餌の排出が妨げられる。
【0019】
後者、すなわち、水位微調整管を水位調整孔の下方向とした場合は、水位微調整管からも水を取り込み、垂下管内の水密度を高くして落下速度を速め、水面を下降させ、水槽内の水位を水位調整孔の近傍に安定させる。したがって、水面表層よりの油膜等の浮遊物を合理的に排出できる。
【0020】
また、前者後者共に本発明は、前述の如く、垂下管内の水密度を敏速に調整し、排水能力を揚水ポンプの揚水能力に追従させ、強い水位安定性を有するものであり、結果、本発明を使用する場合は、種々の揚水ポンプを使用することが可能である。したがって、本発明を使用する場合、大半の場合、揚水ポンプを新たに購入する必要はなく、既存の揚水ポンプをそのまま使用することができるため、揚水ポンプに費やす費用を抑えることができ、コストの面で有用である。
【0021】
また、垂下管内は水泡状態にあり、空気を水に溶かし込むエアレーション効果が得られるため、エアーポンプの設置が不要となる場合がある。したがって、この場合、設備全体のスリム化を図ることができ、また、エアーポンプに費やす費用を抑えることができ、コストの面で有用である。
【0022】
第四発明によれば、前記給水管の底辺部と垂下管の上端部を同位とし、前記第二管と第二管の下端部を同位であるため、第二管内に張られたいわゆる呼び水は、水槽の水位がどのようになろうとも、その影響を受けることなく残存しうるものであり、継続して水位の調整が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
つぎに、本発明の実施形態に係るサイフォン式オーバーフロー装置を図面に基づいて説明する。図1は、第一実施例であるサイフォン式オーバーフロー装置の正面図、図2は、第一実施例であるサイフォン式オーバーフロー装置の断面図、図3は、本発明の第1実施例の垂下管側からの斜視図、図4は、本発明の第二実施例であるサイフォン式オーバーフロー装置の断面図、図5−1は、第一実施例、第二実施例のサイフォン式オーバーフロー装置のアダプターの拡大断面図、図5−2は、垂下管の下端部側の断面図、図6から図9は、実際の使用の段階を示す本発明の断面図、図10は、本発明の第三実施例の給水管の水位調整孔側を下方にした状態の斜視図、図11は、本発明の第三実施例の給水管を回動させた状態の斜視図、図12は、本発明の第三実施例の正面断面図、図13は、本発明の第三実施例の側面断面図、図14は、本発明の第三実施例の本管の上端部側の拡大断面図である。
【0024】
図1に基づいて第一実施例であるサイフォン式オーバーフロー装置の構成物品を大別すると、U字型二重管3と、給水管5と、垂下管8と、アダプター7とから成る。また、本発明の第1実施例を垂下管側から図示した状態が図3である。
【0025】
U字型二重管3の部位は、給水管5を設ける給水管側1aと、垂下管8を設ける垂下管側1bと、給水管側1aと垂下管側1bを繋ぐ水平部1cとに分類することができる。
【0026】
U字型二重管3は、第一管1と、これに内設した第二管2(本図では図示せず)とで構成され、第一管1と第二管2が組み合わさって1つのU字型二重管3を構成する。
【0027】
U字型二重管3を構成する第一管1の給水管側1aの途上に挿着部1dを設け、挿着部1dを介して給水管5を設ける。すなわち、U字型二重管3を構成する第一管1に設けた挿着部1dに給水管5を設けることによってU字型二重管3を構成する第一管1と給水管5が一体化される。
【0028】
また、第一管1の給水管側1aの下端部1a1には、着脱自在のキャップ4を設け、キャップ4を取り外して内部に詰まったゴミ等を取り出すことができる。
【0029】
給水管5の一部には、水位調整孔5aを設けている。この水位調整孔5aから入水し、U字型二重管3の内部に水が進入する。
【0030】
給水管5の側端部5bには、水位微調整管6を挿通するための挿通孔5dを設け、挿通孔5dに水位微調整管6を挿通する。この水位微調整管6からも水が進入し、最終的には垂下管8から排水される。水位調整孔5aと水位微調整管6によって水槽11の水位11aを調整することができる。
【0031】
また本図では図示していないが、給水管5の側端部5bに回動可能な蓋体を設け、該蓋体に水位微調整管6を挿通するための挿通孔5dを設け、挿通孔5dに水位微調整管6を挿通する構成とすることもできる。この構成であると、水位微調整管6は蓋体の挿通孔5dに挿入されており、水位微調整管6は蓋体と一体となっており、例えば、水位微調整管6が大気側12に向いている場合、蓋体を回動させて水位微調整管6を水槽11側に向けることができ、また、水位微調整管6が水槽11側に向いている場合、蓋体を回動させて水位微調整管6を大気側12に向けて、水位の微調整が可能となる。
【0032】
さらに、水位微調整管6は、給水管5から第一管1、垂下管8にかけて内設されているため、水位微調整管6を引っ張り出すことにより挿通孔5dから出る水位微調整管6の長さを調整することができ、水位の微調整が可能となる。また、水位微調整管6の素材を柔軟性のあるビニールパイプ等とした場合、容易に水位微調整管6の位置を変えることができ、水位11aの微調整が可能となる。
【0033】
第一管1の垂下管側1bとアダプター7の上端部7aを連結し、アダプター7の下端部7cと垂下管8を連結する。このアダプター7は、異径である第一管1と垂下管8を連結するために用いられ、このアダプター7を使用することによって、U字型二重管3を構成する第一管1とアダプター7、そして、垂下管8が一体となる。したがって、アダプター7は、異径に対応する構成であって、絞部7bを有する。
【0034】
なお本図では、垂下管8の下端部8b側は、緩やかなテーパー形状を構成するテーパー部7eを形成しているが、本発明の効果を奏することができる場合は、ストレート形状であっても可能であることは勿論である。
【0035】
図2に基づいてU字型二重管3の内部構造を説明すると以下のとおりである。
【0036】
U字型二重管3を構成する第一管1に第二管2を内設する。この第一管1と第二管2は相似形状であるため、第二管2は、略U字形状を構成する。
【0037】
すなわち、第二管2は、第一管1の給水管側1a内部の下端部1a1のキャップ4近傍から上方へ立ち上がり、水平部1c内部を水平方向に通過し、垂下管側1b内部へ至り、その後垂下する。そして、第二管2が第一管1の水平部1cの内側部分に載置されている。
また、この第一管1に内設された第二管2の給水管側2aの下端部2a1と垂下管側2bの下端部2b1は、同位である。すなわち、第二管2の給水管側2aの下端部2a1と垂下管側2bの下端部2b1は、同一ラインB上にある。
【0038】
また、U字型二重管3を構成する第一管1の垂下管側1bの中途から下方にかけて垂下管8を内設している。すなわち、第一管1内部の垂下管側1bの中途から下方にかけて、第二管2と垂下管8が併設されている。そして、第二管2がアダプター7の上端部7a近傍までしか設けられていないのに対し、垂下管8はアダプター7内を通過して、下方に垂下している。
【0039】
水位微調整管6は、給水管5の側端部5bに設けた挿通孔5dから挿通され、給水管5の内部を経由して、第一管1の給水管側1aの内部に亘る。その後、給水管側1a内部から上方へ立ち上がり、水平部1cに進入して水平方向に進み、その後、第一管1内部の垂下管側1bへ垂下する。そして、垂下管8の内部に挿入され、アダプター7を通過して、さらに下方に至る。
【0040】
垂下管8は、アダプター7の内部の絞部7b近傍と下端部8b側の二箇所にテーパー部7eを有している。アダプター7の内部の絞部7b近傍のテーパー部7eは、アダプター7の絞部7b付近で緩やかなテーパー形状からなる。また、垂下管8の下端部8b側のテーパー部7eも緩やかなテーパー形状からなる。以上のように、垂下管8に二箇所のテーパー部7eを構成しているが、本発明の効果を奏するものであれば、テーパー部7eを設けない構成とすることも可能であり、また、テーパー部7eを一箇所とすることも可能である。また、垂下管8には、アダプター7の内部の絞部7b近傍と下端部8b側の二箇所にテーパー部7eを設けているが、この二箇所のテーパー部7eの下方に蜂の巣状の分離通路9を内設している。
【0041】
そして、給水管5の底辺部5cと垂下管8の上端部8aが同位であることが必要である。すなわち、給水管5の底辺部5cと垂下管8の上端部8aは同一ラインA上にあることが必要である。
【0042】
そして、図4に示すように第二実施例は、第一管1の挿通孔5dと給水管5は回動可能に装着されているため、給水管5を回動でき、水位11aの微調整が可能となる。具体的には、水位11aを下げたい場合は、水位調整孔5aが設けられている側を水槽11側へ回動させ、水位11aを上げたい場合は、大気側12に回動させて調整する。その他の構成は、第一実施例に準ずる。
【0043】
第一実施例、第二実施例のサイフォン式オーバーフロー装置のアダプター7の内部構造は、図5−1に示すとおりである。
【0044】
第一管1の垂下管側1bの中途から垂下する垂下管8は、アダプター7を通過し、さらに下方へ至る。そして、垂下管8には、蜂の巣状の分離通路9を内設している。この分離通路9は、細管10を寄せ集めて構成しており、細管10の中に水位微調整管6が貫通する。
【0045】
アダプター7の下端部7cと垂下管8は、密着して結合されているため、アダプター7の下端部7cと垂下管8の間からは漏水せず、アダプター7内の貯留部7dに水11bが貯留される。そして、貯留部7dに水11bが貯留され、貯留部7dの水位が上昇すると垂下管8の上端部8aから水11bが進入し、垂下管8を通って排水される。
【0046】
垂下管8の下端部8b側は図5−2に示すように、テーパー形状のテーパー部7eを構成し、テーパー部7eの下方に分離通路9を内設している。この分離通路9を水11bが通過することにより、排水される水11bが泡状となる。
【0047】
図6から図9においては、本発明の使用段階を図示している。
【0048】
実際に本発明を使用する場合には、本発明や水槽11の他、主に、水槽11の下方に設ける下方水槽(図示せず)、下方水槽に貯留された水を汲み上げて水槽内へ還元する揚水ポンプ(図示せず)を使用する。なお、図10から図12に図示した本発明は、第一実施例を基に説明しているが、第一実施例に限らず第二実施例でも同様である。
【0049】
まず、図6の前段階として、水11bが入っていない空の状態の第一管1、第二管2、給水管5、アダプター7の内部にいわゆる呼び水を入れる。本発明の内部に呼び水11bを入れる方法としては、様々な方法があるが、例えば、水11bが張られた水槽11内に本発明を水没させて、本発明の内部に呼び水を進入させる方法や、垂下管8の下端部8bから水11bを入れ、本発明を揺動させ、本発明の内部に呼び水を進入させる方法がある。
【0050】
そして、本発明の内部に水11bを進入させた後、第一管1の水平部1cを大気側12にして本発明を立ち上げると、第一管1の内部の一部の水11bは流れ落ち、第二管2の内部は、いわゆる呼び水で満たされる。そのうえで、第一実施例を水槽11の縁に架承した状態が図6に図示したものである。
【0051】
まず、第一段階として水槽11内の水位11aは、第一管1の給水管5の底辺部5cの下方にある。一方、第一管1の給水管側1aの水位11aは、給水管5の底辺部5cの水平線上にあり、第一管1内の垂下管側1bの水位11aは、第一管1の垂下管側1bに内設された垂下管8の上端部8aの近傍にある。すなわち、第一管1の給水管側1a、垂下管側1bの水位11aは、ラインA上にある。
【0052】
次の第二段階では図7に示すように、水槽11内に下方水槽より揚水ポンプにより汲み上げた水11bを汲み入れると、第一管1の給水管5に設けた水位調整孔5aの上方まで水11bで満たされることになる。そうすると、少量の水11bが垂下管8の上端部8aから流れ込み、少量の水11bが水泡11c状となって垂下管8から排気排水される。
【0053】
図8−1における第三段階では、前段階において、第一管1内の空気は水泡11c状となって排気し終わっており、第一管1、第二管2、給水管5、アダプター7の内部が水11bで満たされており、いわば、本発明装置がサイフォンとしての条件が整い、機能し始める。よって、垂下管8の上端部8aから大量の水11bが入り、垂下管8の下端部8b側から水11bが大量排出されることとなる。
【0054】
図8−2における第四段階では、図8−1において水槽11内に水11bが大量に排出されたため、水槽11内の水位11aは水位微調整管6の下方に下がり、さらに、水槽11内の水位11aが水位微調整管6の下方にあるため水位微調整管6の内部には空気が入り込んでおり、垂下管8の内部においても空気が入り込み、垂下管8から排水される水11bは水泡11c状となる。
【0055】
本発明の第五段階である図9は、水槽11内に下方水槽から揚水ポンプを使用した水11bの汲み入れを止めると、図8−1のような垂下管8からの大量排水が停止され、水槽11内の水位11aが水位調整孔5aの下方まで下がりオーバーフローは停止する。そして、再び水槽11内に水11bを汲み入れると、図7の第二段階へと戻る。
【0056】
このように、本発明は主に、水槽11内のオーバーフローした水11bが垂下管8より排水され、排水された水11bが下方水槽に貯留され、下方水槽に貯留された水11bが揚水ポンプによって汲み上げられ水槽11内に返還される仕組である。
【0057】
図6から図9では、本発明と水槽11の他、下方水槽と揚水ポンプを使用した例を説明したが、本発明はこの例に限定されるものではない。本例は、例示であり、本発明と実質的に同一な構成で、同一の効果を奏する場合は、本発明の技術的範囲に属する。例えば、下方水槽や揚水ポンプを使用せず、垂下管8から排水された水11bを水槽11内に返還せず、排水溝に流したり、植物に与えたりし、減少した水槽11内には、別の新たな水11bを補填するという構成としてもよい。
【0058】
図10に基づいて第三実施例の構成物品を大別すると、略U字形状でなるU字型二重管3と、略T字形状でなる給水管5と、略L字形状でなる垂下管8とで構成されている。
【0059】
U字型二重管3は、第一管1と、第一管1に内設した第二管2(本図では図示せず)とで構成され、第一管1と第二管2が組み合わさって1つのU字型二重管3を構成する。また、U字型二重管3を構成する第一管1は、給水管側1aと水平部1cと垂下管側1bの部位に分類することができる。
【0060】
第三実施例の給水管5は、給水本管15と連結管16とで構成される。給水本管15に連結孔15aを設け、連結孔15aに連結管16の一端を挿入する。また、第一管1の給水管側1aに結合孔17を設け、結合孔17に連結管16の他端を挿入する。このように構成することによって、U字型二重管3を構成する第一管1と給水管5が一体となる。
【0061】
給水管5の上端部5eに着脱自在のキャップ4を設けている。水11bが流れている状態で、このキャップ4を取り外すと、内部に空気が進入するため、水11bの流れが止まる。そして、再びキャップ4を挿着し、連結孔15a底面近傍に水位が上昇すると再び水11bが流れ出す。このように、水槽11内の水位の干満を利用して間欠排水が可能である。
【0062】
給水本管15の下方に水位調整孔5aを設けている。この水位調整孔5aから水が進入する。水位調整孔5aから進入した水11bは、第二管2をとおって垂下管8に至り、垂下管8より排水される。
【0063】
略U字管を構成する第一管1の給水管側1aの下端部1a1と垂下管側1bの下端部1b1には、着脱自在のキャップ4を設けているため、キャップ4を取り外して内部に溜まったゴミ等を取出すことができる。
【0064】
略L字形状の垂下管8を大別すると、連結管16aとアダプター7とコック部18と垂下本管8cから構成されている。
【0065】
U字型二重管3を構成する第一管1の垂下管側1bに連結孔15bを設け、この連結孔15bに連結管16aの一端を挿入する。そして、連結管16aの他端とアダプター7の上端部7aを連結させ、アダプター7の下部とコック部18の上端部18aを結合する。そして、コック部18の下端部7cと垂下本管8cを結合させる。このように構成することによって、第一管1と略L字形状の垂下本管8cが一体となる。連結管16と垂下本管8cは、異径であるため、アダプター7によって連結管16と垂下本管8cを連結する。
【0066】
コック部18のコック18cを閉めると排水が停止するため、本装置の機能を任意の水位11aで停止し、揚水ポンプを止めて希望水位を維持することができる。
【0067】
図11のように給水管5を回動させることができるが、給水管5の傾斜度は、希望の水位11aによって様々な角度とすることが可能である。また、キャップ4を取外し、給水管5の傾斜角度を変更することにより給水管5の下方に設けた水位調整孔5aから、水槽11の表層域の水11bのみならず、中層域や、低層域の水11bを吸引することができるため、汚水され排水を希望する層に給水管5の傾斜角度を合わせることにより汚水を排出することができ便利である。その他の構成の説明は、図10の説明に準じる。
【0068】
図12のように、垂下本管8cは、アダプター7、コック部18に亘り内設されており、アダプター7より下方は、垂下本管8cのみで構成されている。
【0069】
また、連結管16の底辺部16bと垂下管8の上端部8c1は、同位である。すなわち、連結管16の底辺部16bと垂下管8の上端部8c1は、同一ラインC上にある。
【0070】
垂下本管8cの上端部8c1側及び下端部8c2側には、蜂の巣状の分離通路9を内設し、分離通路9は、細管10を寄せ集めた構成としている。
【0071】
図13に示すように、U字型二重管3を構成する第一管1の内部には第二管2を内設しているため、第一管1の形状のように第二管2も略U字形状を構成している。すなわち、第二管2は、第一管1の給水管側1a内部から立ち上がり、第一管1の水平部1c内部を水平方向に進行し、第一管1の垂下管側1b内部へ至る。そして、第二管2が第一管1の水平部1cの内側部分に載置されている。また、第一実施例、第二実施例と同様に、第二管2の給水管側1aの下端部1a1と垂下管側1bの下端部1b1は、同位である。
【0072】
第三実施例の使用方法を説明すると、まず、第一実施例の図6での説明と同様に、第二管2の内部をいわゆる呼び水で満たし、そのうえで、第三実施例を水槽11の縁に架承する。
【0073】
そして、水槽11内の水位11aが上昇し、水11bが第一管1の給水管側1aへ進入するとオーバーフローの原理により、水11bが第二管2から垂下管8をとおり、垂下本管8cから排水される。
【0074】
図14のように、第三実施例の垂下本管8cの上端部側にも分離通路9を内設しており、細管10を寄せ集めて構成している。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第一実施例であるサイフォン式オーバーフロー装置の正面図である。
【図2】本発明の第一実施例であるサイフォン式オーバーフロー装置の断面図である。
【図3】本発明の第1実施例の垂下管側からの斜視図、
【図4】本発明の第二実施例であるサイフォン式オーバーフロー装置の断面図である。
【図5−1】本発明の第一実施例、第二実施例のサイフォン式オーバーフロー装置のアダプターの拡大断面図である。
【図5−2】垂下管の下端部側の断面図である。
【図6】本発明の使用状態の第一段階を表した断面図である。
【図7】本発明の使用状態の第二段階を表した断面図である。
【図8−1】本発明の使用状態の第三段階を表した断面図である。
【図8−2】本発明の使用状態の第四段階を表した断面図である。
【図9】本発明の使用状態の第五段階を表した断面図である。
【図10】本発明の第三実施例の給水管の水位調整孔側を下方にした状態の斜視図である。
【図11】本発明の第三実施例の給水管を回動させた状態の斜視図である。
【図12】本発明の第三実施例の正面断面図である。
【図13】本発明の第三実施例の側面断面図である。
【図14】本発明の第三実施例の本管の上端部側の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0076】
1 第一管
1a 給水管側
1a1 下端部
1b 垂下管側
1b1 下端部
1c 水平部
1d 挿着部
2 第二管
2a 給水管側
2a1 下端部
2b 垂下管側
2b1 下端部
3 U字型二重管
4 キャップ
5 給水管
5a 水位調整孔
5b 側端部
5c 底辺部
5d 挿通孔
5e 上端部
6 水位微調整管
7 アダプター
7a 上端部
7b 絞部
7c 下端部
7d 貯留部
7e テーパー部
8 垂下管
8a 上端部
8b 下端部
8c 垂下本管
8c1 上端部
8c2 下端部
9 分離通路
10 細管
11 水槽
11a 水位
11b 水
11c 水泡
12 大気側
15 給水本管
15a 連結孔
15b 連結孔
16 連結管
16a 連結管
16b 底辺部
17 結合孔
18 コック部
18a 上端部
18c コック
A ライン
B ライン
C ライン
【出願人】 【識別番号】500125777
【氏名又は名称】水野 喜得
【出願日】 平成18年3月9日(2006.3.9)
【代理人】 【識別番号】100083068
【弁理士】
【氏名又は名称】竹中 一宣

【識別番号】100137899
【弁理士】
【氏名又は名称】大矢 広文


【公開番号】 特開2007−236315(P2007−236315A)
【公開日】 平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願番号】 特願2006−64913(P2006−64913)