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【発明の名称】 自動給餌装置
【発明者】 【氏名】安川 和義

【氏名】近藤 健一

【要約】 【課題】決まった時間に自動で餌を撒くタイマー予約運転の予約内容を変更する際には、それぞれのタイマー予約毎に給餌開始時刻と給餌時間を入力し直さなくてはならず、非常に手間がかかり煩わしい作業であった。

【解決手段】所定の時間内において、一日の給餌量を任意の回数に分けて給餌運転を行うタイマー予約運転態様を設けた。したがって、使用者は運転開始時刻と、一日の運転時間(または運転終了時間)と、一日の給餌量と、給餌回数を設定するだけで、装置が自動で給餌間隔や一回当たりの給餌量を演算するため、タイマー予約毎の入力作業は必要なく、タイマー予約運転の設定や変更が極めて簡単となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の時間内において、一日の給餌量を任意の回数に分けて給餌運転を行う給餌予約運転態様を備える自動給餌装置。
【請求項2】
所定の時間内において、一日の給餌量を任意の回数に等分割し、等間隔に給餌運転を行う給餌予約運転態様を備える自動給餌装置。
【請求項3】
運転開始時刻と、一日の運転時間と、一日の給餌量と、給餌回数より、一回当たりの給餌量と給餌間隔を演算しタイマー予約運転を制御する制御部を備えた自動給餌装置。
【請求項4】
運転開始時刻と、運転終了時刻と、一日の給餌量と、給餌回数より、一回当たりの給餌量と給餌間隔を演算しタイマー予約運転を制御する制御部を備えた自動給餌装置。
【請求項5】
餌を収納するホッパーと、前記ホッパーの底部に設けられた餌排出手段と、前記餌排出手段からの餌を飛散させる飛散手段とを備え、給餌量は前記餌排出手段の駆動時間によって決定されることを特徴とする請求項3または4記載の自動給餌装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、養殖魚等に自動で餌を与える自動給餌装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、魚類の養殖においては、人が手作業で餌を与えるのは非常に重労働であり、この手間を省くためタイマー装置を備え、決まった時間に自動で餌を撒く自動給餌装置が用いられている。
【0003】
そして、餌を一日に何度も撒くことができるよう、このような給餌装置では複数のタイマー予約をすることができるようになっており、使用者は給餌開始時刻と給餌時間(給餌量)を各予約毎に設定することで、そのタイマー予約時間になると自動的に給餌が行われるようになっている。
【0004】
なお、給餌量は魚の大きさと飼育水温によって異なり、一日に体重の何%の量を与えるかという給餌率を基礎にして決められるものである。そして給餌率は、魚が大きいほど小さく、水温が高いほど大きくなるため、使用者は養魚の成長具合や水温等によって予約内容を変更し、給餌回数および給餌量を日々調整しなくてはならない。
【特許文献1】特開2003−180195
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の給餌装置において予約内容を変更する際には、それぞれのタイマー予約毎に給餌開始時刻と給餌時間(給餌量)を入力し直さなくてはならなかった。そのため、予約回数が増えるとこの変更作業は非常に手間がかかり煩わしいものとなってしまっていた。
【0006】
そして、一つ一つ手入力しているために入力間違いをする可能性もある。設定内容の間違いは、養殖魚の成長に影響を与えるばかりでなく、最悪の場合には斃死に至ることもあるため、多額の損害を発生させてしまう恐れがあった。
【0007】
また、給餌率より求める給餌量は上述のように一日当たりの餌の量であるが、給餌予約の設定に必要なのは一回当たりの餌の量である。したがって給餌回数に応じて一回当たりの餌の量を計算してから入力しなければならないため、より面倒であった。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためのもので、タイマー予約の設定と変更を容易に行うことのできる自動給餌装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、所定の時間内において、一日の給餌量を任意の回数に分けて給餌運転を行う給餌予約運転態様を備える自動給餌装置である。
【0010】
また、所定の時間内において、一日の給餌量を任意の回数に等分割し、等間隔に給餌運転を行う給餌予約運転態様を備える自動給餌装置である。
【0011】
また、運転開始時刻と、一日の運転時間と、一日の給餌量と、給餌回数より、一回当たりの給餌量と給餌間隔を演算しタイマー予約運転を制御する制御部を備えた自動給餌装置である。
【0012】
また、運転開始時刻と、運転終了時刻と、一日の給餌量と、給餌回数より、一回当たりの給餌量と給餌間隔を演算しタイマー予約運転を制御する制御部を備えた自動給餌装置である。
【0013】
また、餌を収納するホッパーと、前記ホッパーの底部に設けられた餌排出手段と、前記餌排出手段からの餌を飛散させる飛散手段とを備え、給餌量は前記餌排出手段の駆動時間によって決定されることを特徴とする請求項3または4記載の自動給餌装置である。
【発明の効果】
【0014】
上述のように構成することにより、運転時間と給餌量と給餌回数だけでタイマー予約の変更が可能となり、面倒な入力作業を必要としないので、タイマー予約の変更を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
好適と考える本発明の最良の形態を、本発明の作用効果を示して簡単に説明する。
【0016】
本発明は、毎日決められた時間に自動で餌を撒くタイマー予約運転機能を備えた自動給餌装置であって、使用者が設定した一日の給餌量を任意の回数に自動で分割して給餌運転を行うタイマー予約運転態様を備えている。
【0017】
詳しくは、一日の運転時間と給餌回数からタイマー予約運転中の給餌間隔を演算し、運転開始時刻から決まった時間毎に給餌運転を行わせるものであるため、このタイマー予約運転態様を利用することで、毎日同じ時刻より、設定した運転時間の間に、設定した給餌回数で、設定した給餌量を均等に分割し、等間隔で給餌運転が行われることとなる。
【0018】
したがって、使用者は運転開始時刻と、一日の運転時間(または運転終了時間)と、一日の給餌量と、給餌回数を設定するだけで、装置が自動で給餌間隔や一回当たりの給餌量を演算するため、従来のように給餌開始時刻や給餌時間をタイマー予約回数分入力するという煩わしい入力作業は必要なく、タイマー予約運転の設定が極めて簡単となる。
【0019】
そして、タイマー予約内容を変更する場合には、運転時間と一日の給餌量と給餌回数を変更すればよいので、日々の調整も簡単に行うことができるとともに、変更する項目が少ないため入力間違いを起こす可能性も少なくなるのである。
【0020】
さらに、使用者は給餌率から求めた給餌量を一日の給餌量としてそのまま入力することができ、一回当たりの給餌量をわざわざ計算して入力する必要はないため、実使用に合致した極めて使い勝手のよい装置となる。
【実施例】
【0021】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0022】
図1、図2より、1は給餌装置の筐体、2は筐体1内に餌を入れるために開閉自在の蓋で、この蓋2の上部にはソーラーパネル3が取り付けられている。4は養殖魚等に与える粒状またはペレット状等の餌を収納するホッパー、5はホッパー4の底部に設けられ回転羽根6を有するロータリーバルブ7とロータリーバルブ7を駆動させるロータリーバルブ駆動モータ8から構成される餌排出手段である。そして、9は上面に複数の羽根10を有し回転することにより餌を飛散させる回転板11と回転板11の回転軸上端に設けられた回転板駆動モータ12からなる飛散手段、13はロータリーバルブ7からの餌を回転板11の上に落下させるための排出口である。
【0023】
さらに、14は運転の開始・停止及びタイマーの設定を行う操作部、15はソーラーパネル3からの電気を蓄えて給餌装置を駆動させるためのバッテリであり、バッテリ15への電力の供給源は、ソーラーパネル3の他に商用電源等適宜の方法を採ることもできる。なお、ソーラーパネル3は蓋2に設ける他、バッテリ15と接続していれば給餌装置から離れた位置に設けても構わない。
【0024】
また、図3に示すようにロータリーバルブ7の回転羽根6の端部は、ホッパー4の底部開口面16より上方に突出するように配置されており、このように回転羽根6の端部を底部開口面16より上方に突出させることで、回転羽根6の端部が常にホッパー4内の餌と触れるようにしている。したがって、ロータリーバルブ7の回転羽根6が回転することにより、回転羽根6に接している部分の餌が崩れて排出口13に落下するようになっている。
【0025】
さらに、ロータリーバルブ7の回転羽根6の一端にはマグネット17が付設されており、このマグネット17を検知してロータリーバルブ7の回転を検知するための回転検知手段18がロータリーバルブ7の側面に設けられている。この回転検知手段18は、ロータリーバルブ7が回転して排出口13を閉塞する位置となるときにマグネット17を検知し、マグネット17が回転検知手段18の脇を通過する毎に制御部19へ信号を送るようにしている。なお、本実施例では回転羽根6に付設するマグネット17を4個としているが、本実施例に限定されるものではなく、回転羽根6の枚数によって適宜選定すれば良い。
【0026】
ところで、ロータリーバルブ駆動モータ8の時間当たりの回転数は常に一定ではなく、様々な要因により変化することがある。餌の排出量はロータリーバルブ7が何回転するかによって変わるため、ロータリーバルブ7の駆動を時間で制御していると回転数が変化した場合には餌の排出量も変わってしまう。そこで、給餌運転時間は実際の時間ではなく、回転検知手段18がマグネット17を検知した回数に置き換えられて制御される。つまり、ロータリーバルブ駆動モータ8の定格回転数が30rpmであったとすると、これはロータリーバルブ7が2秒で1回転することを意味している。そしてロータリーバルブ7の回転羽根6には4ヶ所にマグネット17が設けられているので、回転検知手段18は0.5秒に1回マグネット17を検知することになる。よって給餌運転時間0.5秒は、回転検知手段18のマグネット検知1回と置き換えられて給餌運転が制御されるのである。
【0027】
そして図4は操作部14を表した図であり、20は手動運転を行う際に操作する運転ボタン、21はタイマー予約運転を行う際に操作するタイマー運転ボタン、22は現在時刻や給餌予約を表示する表示部、23は給餌開始時刻や給餌時間などを設定する時間設定ボタンである。使用者はタイマー予約運転をする際には、時間設定ボタン23により運転開始時間、一日の運転時間、一日の給餌時間、給餌回数を入力するようになっている。
【0028】
なお、本実施例では、給餌量はロータリーバルブ7の駆動時間によって決定されるものであるため、給餌時間として入力するようになっている。
【0029】
図5は給餌装置の動作を制御する制御部19のブロック図である。制御部19は使用者により予め設定される給餌開始時刻や給餌時間を記憶し計時を行うタイマ手段24と、使用者によって設定される運転開始時間、一日の運転時間、一日の給餌時間、給餌回数から給餌間隔と一回の給餌時間を演算する演算手段25を備えている。
【0030】
ここで、タイマー予約運転についてさらに説明する。
【0031】
まず、タイマー予約運転を行う際には、使用者は操作部14の時間設定ボタン23を操作し、給餌開始時刻および一日の運転時間、一日の給餌時間、給餌回数を設定する。
【0032】
養殖魚に与える餌の量は、一日に体重の何%の量を与えるかという給餌率を基に決定されるものであって、本実施例では、この給餌量を給餌時間として設定するようになっているため、給餌量を給餌時間に置き換えるための操作が必要となる。このときは、まず基準となる量の餌をホッパー4に投入する。そして運転ボタン20を操作すると給餌運転時間が表示部22に表示されるので、ホッパー4内の餌が全て排出されたときに表示部22に示されている時間が投入された餌量に対する給餌時間となる。したがって、ホッパー4に投入した1kgの餌を排出するのに必要な時間が1分であったなら、一日の給餌量を10kgとしたい場合には一日の給餌時間を10分と設定する。
【0033】
なおこの操作は、餌の種類を変更したときに都度行うものであって、同じ餌を用いる場合には毎回この操作を行う必要はない。よって、上で例に挙げた餌と同じものを用い、一日の給餌量を変更してタイマー予約運転を行いたいときは、1kg/分として給餌時間を求めるだけでよい。
【0034】
そして、制御部19の演算手段25は設定に基づき、一回当たりの給餌時間と給餌間隔を自動で演算する。例えば、運転開始時刻を午前7時30分、一日の運転時間を12時間、一日の給餌時間を10分、給餌回数を12回とした場合には、1回当たりの給餌時間は50秒、給餌間隔は1時間と演算され、図6のタイムチャートに示すように、毎日午前7時30分から1時間ごとに50秒間の給餌運転が12回行われるようになる。
【0035】
次に上記構成における動作を説明する。
【0036】
タイマー予約運転が設定されている場合、給餌開始時刻前およびタイマー予約運転中の次の給餌運転待ち状態にあるときは運転は停止している。そして給餌運転開始時刻になると運転開始となり、まず回転板駆動モータ12が駆動して回転板11が回転始動する。そして、回転板11が始動してから短時間後にロータリーバルブ駆動モータ8に給電がなされロータリーバルブ7が回転始動する。よってホッパー4内の餌は少量ずつ排出口13から回転板11の上に落下し、落下した餌は回転している回転板11の羽根10の打撃作用と遠心力とにより回転板11の外周方向に飛ばされ、筐体1外に勢いよく飛散される。
【0037】
また、運転中にロータリーバルブ7が正常に回転しているかは回転検知手段18により監視されている。ロータリーバルブ7が回転すると回転羽根6に付設されているマグネット17も回転するので、マグネット17は所定の間隔で回転検知手段18の脇を通過することになる。そこで、回転検知手段18はマグネット17の通過を検知すると制御部19に信号を送り、制御部19ではその間隔が正常値の範囲内であるかを判断する。もしも、ロータリーバルブ7の回転が遅くなったり停止したりすると、回転検知手段18が検知するマグネット17の通過時間は正常値の範囲外となるので、制御部19では回転異常と判断してロータリーバルブ駆動モータ8を停止させる。
【0038】
また、それと同時に制御部19では、回転検知手段18がマグネット17を検知した回数をカウントし、終了回数−1回目であるかを判定する。終了回数は演算手段26によって、設定された給餌運転時間を定格回転数において回転検知手段18がマグネット17を検知する回数に置き換えたもので、時間ではなく回数によりロータリーバルブ7の回転を制御することで、ロータリーバルブ駆動手段8の回転数が変化した場合にも常に一定量の給餌を行うことができる。そして、終了回数−1回目が検知されると、次に回転検知手段18がマグネット17を検知したときにロータリーバルブ7が停止するようにロータリーバルブ駆動モータ8を制御する。
【0039】
回転検知手段18はロータリーバルブ7の回転羽根6がホッパー4の底部開口面16を閉塞する位置にくるとロータリーバルブ7に付設したマグネット17を検知するような位置に設けられているので、これ以降、振動等を受けてもホッパー4内の餌が排出口13から回転板11の上に落下することを確実に防止できる。そのため、湿気を帯びた餌が回転板11や羽根10の表面にへばりつくことがなく、排出口13から害虫や小動物が侵入することがなくなる。
【0040】
そして、ロータリーバルブ7の回転が停止した後も排出口13付近や回転板11上の餌を完全に飛散させるために、回転板11はしばらく回転し続け、所定時間駆動した後、回転板駆動モータ12を停止して給餌運転が停止する。
【0041】
そして、制御部19のタイマ手段24は次の給餌運転までの時間をカウントし、給餌間隔が経過すると再び給餌運転が開始される。このようにタイマー予約運転中であって次の給餌運転待ち状態のときには、次の給餌運転までの時間をカウントダウンして表示部22に表示させるようにしてもよい。
【0042】
そして、一日の運転時間が経過すると、翌朝の運転開始時刻まで待機状態となる。
【0043】
また、給餌量は一日に体重の何%の量を与えるかという給餌率を基礎にして決められるものであるため、使用者は養魚の成長具合や水温等によって予約内容を変更し、給餌回数および給餌量を日々調整しなくてはならない。本発明において予約内容を変更する際には、一日の運転時間、一日の給餌時間、給餌回数のみを変更するだけでよく、これらの変更された内容から演算手段25が自動で給餌間隔や一回の給餌時間を演算し、新たに設定された内容に基づいて制御部19はタイマー予約運転を行う。したがって、予約内容の変更は極めて簡単であり、入力間違いが起こることもほとんどないため、使い勝手のよい自動給餌装置となる。
【0044】
なお、本実施例ではタイマー予約運転を行うための項目の一つとして、一日の運転時間を入力するようにしたが、一日の運転時間の代わりに運転終了時刻を入力するようにしても同様のタイマー予約運転を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の給餌装置の斜視図である。
【図2】本発明の給餌装置の断面図である。
【図3】本発明の給餌装置の要部拡大図である。
【図4】本発明の操作部の図である。
【図5】本発明の制御部のブロック図である。
【図6】本発明のタイマー予約運転を説明するタイムチャートである
【符号の説明】
【0046】
4 ホッパー
5 餌排出手段
9 飛散手段
19 制御部
【出願人】 【識別番号】000109026
【氏名又は名称】ダイニチ工業株式会社
【出願日】 平成18年2月9日(2006.2.9)
【代理人】
【公開番号】 特開2007−209241(P2007−209241A)
【公開日】 平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願番号】 特願2006−31778(P2006−31778)