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【発明の名称】 動物用パンツ
【発明者】 【氏名】京島 千恵

【要約】 【課題】装着が容易で、体型の異なる動物に対しても柔軟に対応でき、動物が動きやすく、ずれにくい動物用パンツを提供することを目的とする。

【解決手段】犬用パンツ11は、犬の胴体に巻き付けて固定するための帯状の胴体固定用帯状部12と、胴体固定用帯状部12の長辺に一端部が接続され、犬の排泄物を吸収する吸収体18を保持する吸収体保持部13と、一端部とは反対側の他端部に、短辺が接続される2本の帯状の臀部固定用帯状部14と、胴体固定用帯状部12と臀部固定用帯状部14とを着脱可能に連結する連結部を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物の胴体に巻き付けて固定するための帯状の胴体固定用帯状部と、
前記胴体固定用帯状部の長辺に一端部が接続され、前記動物の排泄物を吸収する吸収体を保持する吸収体保持部と、
前記一端部とは反対側の他端部に、短辺が接続される2本の帯状の臀部固定用帯状部と、
前記胴体固定用帯状部と前記臀部固定用帯状部とを着脱可能に連結する連結部を有することを特徴とする動物用パンツ。
【請求項2】
前記吸収体保持部は、前記他端部の前記臀部固定用帯状部が接続されている接続部の間に、円弧状の切り込みが形成されている切り込み部を有し、
前記切り込みの半径が1cm以上4cm以下であることを特徴とする請求項1記載の動物用パンツ。
【請求項3】
前記臀部固定用帯状部の長手方向の長さに対する前記吸収体保持部の前記胴体固定用帯状部と前記臀部固定用帯状部とを結ぶ方向の長さの比が、1以上2以下であることを特徴とする請求項1または2記載の動物用パンツ。
【請求項4】
前記胴体固定用帯状部および前記臀部固定用帯状部は、それぞれの長手方向に伸縮性を有する布で形成され、
前記吸収体保持部は、前記胴体固定用帯状部と前記臀部固定用帯状部とを結ぶ方向に伸縮性を有する布で形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の動物用パンツ。
【請求項5】
前記吸収体保持部は、前記胴体固定用帯状部と前記臀部固定帯状部とに渡る端部にギャザーが形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の動物用パンツ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、動物用パンツ、特に犬などのペットの生理用パンツに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ペットとして、犬などの動物を飼うことが多くなり、室内で生活をともにするようになっている。そこで、たとえば、雌犬の場合、生理時に室内の汚損および臭気などが問題になっている。それらの対策として、たとえば、犬用のパンツが使用されている。
【0003】
図8は、市販されている犬用のパンツ101を示す概略図である。このパンツ101は、いわゆるパンツ型と呼ばれるもので、後足を通す穴102が形成された布103を、犬の胴体に巻き付けて、犬の背中側で、布103を連結するためのホック、メカニカルテープおよびボタンなどの留め具104が形成されている。また、犬の腹部付近の胴体を締め付けるために、布103を連結することによって形成される開口部に、伸縮性のあるゴムバンドなどによって、伸縮部105が形成されている。
【0004】
この犬用パンツ101は、穴102に犬の後足を挿入させて、犬の胴体に巻き付けて留め具104で布103を連結させることで、犬の臀部を覆うことができる。また、被着部位である性器が接するパンツ101内の位置に、生理用ナプキンなどの吸収体106を貼着させておくことで、血液などの排泄物を吸収させることができる。
【0005】
しかしながら、この犬用パンツ101は、臀部などを広い範囲で覆っているので、通気性が悪く、さらに、股関節が出ないため、歩きにくく、犬が動き回るうちに、パンツ101がずれ、吸収体106と被着部位とが密着しなくなる。犬の生理は、人間の場合と異なり、排泄物としては、血液と尿とが混在しており、粘度が低い場合があるので、犬の生理用パンツは、吸収体と被着部位との密着性がより求められる。したがって、パンツ101がずれた場合、吸収体106と被着部位とが密着していないので、血液などが吸収体106に吸収されずにパンツ101外部に漏れてしまう。さらに、伸縮部105で締め付けることによって、密着させているので、窮屈なため犬が噛んで脱ごうとしてしまうことがある。さらに、犬の体型は様々であるので、犬種および大きさに合わせて、様々な形状のパンツを用意する必要がある。また、パンツ101を装着させる際、犬の後足を手でつかんで穴102に通す必要がある。このため、犬が装着を嫌がり、装着に長時間かかってしまう。
【0006】
また、サスペンダをつけたパンツも販売されている。図9は、市販されている犬用のパンツ201を示す概略図である。この犬用のパンツ201は、上記のようなパンツ101に、サスペンダ202を付けたものである。サスペンダ202を付けることによって、犬の背骨方向にパンツ201がずれることや、犬が噛んで脱いでしまうことを防ぐことができる。
【0007】
しかしながら、犬の背骨方向以外の方向にパンツ201がずれることを防ぐことはできないので、血液などの漏れを防ぐことができない。さらに、上記のパンツ101と同様、通気性が悪く、犬の体型に合わせた形状である必要があり、装着が困難である。また、サスペンダ202に金具203などを用いた場合、犬を傷つけてしまうおそれもある。
【0008】
動物用のパンツとしては、上記のようなパンツ型以外のものも知られていおり、たとえば、いわゆるおむつ型のものがある。おむつ型の典型的な従来の技術は、特許文献1に記載されている。特許文献1の生理用パンツは、全体として砂時計形状をしたシート状部材から形成されている。このシート状部材は、装着状態において、ペットの腹側に当てられる腹側部分、ペットの背中側に当てられる背中側部分、ペットの後脚の間の股下部分に当てられる股下部分、腹側部分の左右の側縁部分を対応する背中側部分の左右の側縁部分に対して着脱可能に連結する連結部分を有し、連結部分によって腹側部分および背中側部分を連結することにより、前記股下部分の左右の側縁によって、ペットの後ろ脚用の脚抜き穴が形成されるようになっており、背中側部分に隣接する股下部分の位置には、ペットの尾抜き穴が形成されている。
【0009】
このパンツは、犬に装着することによって、犬の臀部を覆うことができる。さらに、腹側部分と背中側部分とを連結させる位置を調節することによって、ある程度、犬の体型に応じた変化が可能である。しかしながら、上記のパンツ型と同様、犬の股関節が出ないため、犬が動くことによるパンツのずれを防止することは困難であり、さらに、通気性が悪いこと、適切なサイズのパンツを選択することが困難であることなどは、解決されていない。また、このパンツは、後足を穴に通す必要はないが、尻尾を尾抜き穴に通す必要があり、その尻尾を通す穴は、そこからの漏れを防止するために、尻尾の径に対して必要以上に大きく設計することはできないので、装着が困難である。
【0010】
また、パンツ型およびおむつ型以外としては、たとえば、いわゆる包み型のものがある。包み型の典型的な従来の技術は、特許文献2に記載されている。特許文献2のペットの生理用パンツは、首・背および尻の一部を覆う主部と、尻の一部および股間を覆う股間覆部を上下に縦長に接続し、主部の両側外縁に接続して環状の腹部となると共に、その外面に股間覆部の下端を接続してパンツ体を構成し、主部の上縁に左右端が掛合して環状になる首バンドを接続する。
【0011】
このパンツは、首から臀部まで覆っているので、パンツの外部に血液などが漏れることは少ない。しかしながら、首から臀部まで広く覆っているので、犬が動き回ることによって、パンツがずれやすい。さらに、通気性が非常に悪く、むれやすい。したがって、パンツがずれると、血液などが吸収体に吸収されずに、犬の腹部などに流れて、犬の腹部がかぶれたりする。また、尻尾を穴に通す必要があるので、装着が困難である。
【0012】
【特許文献1】登録実用新案第3019223号公報
【特許文献2】実用新案登録第3082852号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
以上のように、従来の動物用パンツによると、臀部を覆うことは可能であるが、パンツのずれを防止して、被着部位と吸収体との密着性を維持することは困難である。また、パンツを装着する際、後足または尻尾を穴に通す必要があるので、装着が困難である。
【0014】
本発明の目的は、装着が容易で、体型の異なる動物に対しても柔軟に対応でき、動物が動きやすく、ずれにくい動物用パンツを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、動物の胴体に巻き付けて固定するための帯状の胴体固定用帯状部と、
前記胴体固定用帯状部の長辺に一端部が接続され、前記動物の排泄物を吸収する吸収体を保持する吸収体保持部と、
前記一端部とは反対側の他端部に、短辺が接続される2本の帯状の臀部固定用帯状部と、
前記胴体固定用帯状部と前記臀部固定用帯状部とを着脱可能に連結する連結部を有することを特徴とする動物用パンツである。
【0016】
また本発明は、前記吸収体保持部は、前記他端部の前記臀部固定用帯状部が接続されている接続部の間に、円弧状の切り込みが形成されている切り込み部を有し、
前記切り込みの半径が1cm以上4cm以下であることを特徴とする。
【0017】
また本発明は、前記臀部固定用帯状部の長手方向の長さに対する前記吸収体保持部の前記胴体固定用帯状部と前記臀部固定用帯状部とを結ぶ方向の長さの比が、1以上2以下であることを特徴とする。
【0018】
また本発明は、前記胴体固定用帯状部および前記臀部固定用帯状部は、それぞれの長手方向に伸縮性を有する布で形成され、
前記吸収体保持部は、前記胴体固定用帯状部と前記臀部固定用帯状部とを結ぶ方向に伸縮性を有する布で形成されることを特徴とする。
【0019】
また本発明は、前記吸収体保持部は、前記胴体固定用帯状部と前記臀部固定帯状部とに渡る端部にギャザーが形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、動物の胴体に巻き付けて固定するための帯状の胴体固定用帯状部と、胴体固定用帯状部の長辺に一端部が接続され、動物の排泄物を吸収する吸収体を保持する吸収体保持部と、一端部とは反対側の他端部に、短辺が接続される2本の帯状の臀部固定用帯状部と、胴体固定用帯状部と臀部固定用帯状部とを着脱可能に連結する連結部を有する動物用パンツである。
【0021】
この動物用パンツは、帯状の胴体固定用帯状部を動物の胴体に巻き付けることによって、動物の胴体、たとえば、骨盤より頭部側の胴体の一番細くなっている場所に、しっかりと固定することができる。したがって、胴体固定用帯状部の長辺に接続されている吸収体保持部の一端部が、動物の胴体にしっかり固定される。
【0022】
吸収体保持部の胴体固定用帯状部を接続させる一端部とは反対側の他端部に、短辺が接続される2本の帯状の臀部固定用帯状部を、連結部によって、胴体固定用帯状部に連結することによって、動物の性器を覆うように、吸収体保持部が固定される。
【0023】
帯状の胴体固定用帯状部および臀部固定用帯状部で、吸収体保持部を動物に固定するので、動物の股関節を覆うことなく固定することができるので、動物は動きやすい。さらに、2本の帯状の臀部固定用帯状部を、互いに交差させて、胴体固定用帯状部に連結するので、吸収体保持部が動物の背骨方向に対して斜めの方向に引っ張られて固定される。したがって、吸収体保持部が動物の背骨方向に引っ張られているだけではなく、背骨方向に直交する方向にも引っ張られている状態で固定され、動物の股関節を覆うことなく固定されているので、動物が動き回ってもずれることがない。
【0024】
吸収体保持部に動物の排泄物を吸収する吸収体を保持すると、吸収体の被着部位である性器に吸収体が密着させることができるので、血液などの排泄物を吸収体に吸収させることができる。また、動物が動き回っても、吸収体保持部がずれることがなく、吸収体の被着部位である性器に吸収体が密着したままであるので、血液などの排泄物を吸収体に確実に吸収させることができ、パンツの外部に漏らすことない。たとえば、犬の生理は、人間の場合と異なり、排泄物としては、血液と尿とが混在しており、粘度が低い場合があるので、犬の生理用パンツは、吸収体と被着部位との密着性がより求められる。このような犬の生理用パンツとして用いた場合であっても、血液などの排泄物を吸収体に確実に吸収させることができる。
【0025】
また、2本の帯状の臀部固定用帯状部を、動物の尻尾を挟むように、互いに交差させて、胴体固定用帯状部に連結することによって、動物の後足および尻尾が通る穴が形成されるので、装着の際に、動物の後足および尻尾をパンツにあらかじめ形成されている穴に通す必要がないので、装着が容易である。
【0026】
さらに、2本の帯状の臀部固定用帯状部を胴体固定用帯状部に連結させる位置を調節することによって、体型の異なる動物に対して柔軟に対応することができる。
【0027】
以上より、この動物用パンツは、装着が容易で、体型の異なる動物に対しても柔軟に対応でき、動物が動きやすく、ずれにくい動物用パンツである。
【0028】
また本発明によれば、吸収体保持部は、他端部の臀部固定用帯状部が接続されている接続部の間に、円弧状の切り込みが形成されている切り込み部を有し、その切り込みの半径が1cm以上4cm以下である。そうすると、2本の帯状の臀部固定用帯状部を、動物の尻尾を挟むように、互いに交差させて、胴体固定用帯状部に連結することによって、尻尾の径に適した穴が形成される。したがって、この形成された穴から血液などの排泄物が漏れ出すことがなくなったり、より装着しやすかったりするので、好ましい。
【0029】
また本発明によれば、臀部固定用帯状部の長手方向の長さに対する吸収体保持部の胴体固定用帯状部と臀部固定用帯状部とを結ぶ方向の長さの比が、1以上2以下である。そうすると、2本の帯状の臀部固定用帯状部を、動物の尻尾を挟むように、互いに交差させて、胴体固定用帯状部に連結することによって形成される、動物の後足および尻尾が通る穴の位置、および胴体固定用帯状部で動物の胴体を固定する位置が、好ましい位置となる。
【0030】
また本発明によれば、胴体固定用帯状部は、胴体固定用帯状部の長手方向に伸縮性を有する布で形成されているので、胴体固定用帯状部を動物の胴体に巻き付けることによって、動物の胴体をよりしっかり固定することができる。したがって、胴体固定用帯状部の長辺が接続されている吸収体保持部の一端部が、動物の胴体によりしっかり固定される。
【0031】
また、吸収体保持部は、胴体固定用帯状部と臀部固定用帯状部とを結ぶ方向に伸縮性を有する布で形成され、臀部固定用帯状部は、臀部固定用帯状部の長手方向に伸縮性を有する布で形成されているので、吸収体保持部が、よりしっかり固定される。
【0032】
また本発明によれば、吸収体保持部は、胴体固定用帯状部と臀部固定帯状部とに渡る端部にギャザーが形成されているので、吸収体保持部の吸収体と接触する内側に凹部を形成させ、吸収体を保持しやすくなる。また、胴体固定用帯状部と臀部固定帯状部とを連結させたときに形成される後足が通る穴の周辺部に伸縮性をさらに有するようにすることができるので、この形成された穴から血液などの排泄物が漏れ出すことがなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明は、動物用パンツであり、特に室内で飼われる犬などのペットの生理用パンツとして用いられる。本実施形態では、動物用パンツの一例として、犬の生理用パンツについて説明する。
【0034】
図1は、本発明の実施の形態である犬用パンツ11を表側の構成を示す概略図である。図2は、本発明の実施の形態である犬用パンツ11を裏側の構成を示す概略図である。犬用パンツ11は、雌犬の股間に装着され、生理時に排泄される血液などを吸収するために用いられる生理用パンツである。犬用パンツ11は、装着したときに犬に接触する内側を裏側とし、外側を表側とする。
【0035】
犬用パンツ11は、胴体固定用帯状部12と吸収体保持部13と臀部固定用帯状部14とを有する。胴体固定用帯状部12は、帯状の布である。吸収体保持部13は、動物の排泄物を吸収する吸収体18を内側に保持する布であり、その一端部が胴体固定用帯状部12の長辺に接続される。臀部固定用帯状部14は、2本の帯状の布であり、それらの短辺が、吸収体保持部13の胴体固定用帯状部12が接続される一端部とは反対の他端部に接続される。胴体固定用帯状部12と吸収体保持部13と臀部固定用帯状部14とは、それぞれ、別の布から形成されていてもよいし、同一の布から形成されていてもよい。本実施形態では、吸収体保持部13と臀部固定用帯状部14とは、同一の布から形成されており、胴体固定用帯状部12は、吸収体保持部13と臀部固定用帯状部14とは別の布であり、吸収体保持部13に縫い合わせて接続している。
【0036】
胴体固定用帯状部12、吸収体保持部13および臀部固定用帯状部14は、それぞれの周辺部15,16,17に、伸縮性のある布が貼り付けられている。吸収体保持部13の胴体固定用帯状部12と臀部固定用帯状部14とに渡る端部を縮めた状態で、吸収体保持部13の周辺部16に伸縮性のある布を貼り付けることによって、吸収体保持部13の胴体固定用帯状部12と臀部固定用帯状部14とに渡る端部にギャザーが形成される。そうすることによって、吸収体保持部13の吸収体18と接触する内側に凹部を形成され、吸収体18が保持しやすい形状となっている。
【0037】
胴体固定用帯状部12は、表側の長辺方向の第1端部に、メカニカルテープの雌部材20が貼り付けられており、第1端部とは反対側の第2端部の裏側に、メカニカルテープの雄部材21が貼り付けられている。メカニカルテープは、雄部材と雌部材とを着脱可能に連結することができればよく、雄部材と雌部材とを重ね合わせることで連結することができる。また、雄部材同士および雌部材同士は連結することができない。図3は、犬用パンツ11の胴体固定用帯状部12を犬の模型に固定している写真を示す図である。ここでは、犬の代わりに犬の模型を用いている。胴体固定用帯状部12は、犬の胴体に巻き付けて、メカニカルテープの雌部材20と雄部材21とを連結することによって、図3に示すように、犬の胴体、たとえば、骨盤より頭部側の胴体の一番細い場所に、胴体固定用帯状部12をしっかりと固定することができる。したがって、胴体固定用帯状部12の長辺に接続されている吸収体保持部13の一端部が、犬の胴体にしっかり固定される。雄部材21の長辺方向の長さは、雌部材20の長辺方向の長さより長くするほうが好ましい。そうすることによって、雌部材20を雄部材21に連結する位置を調節することによって、犬の体型に合わせることができるので、胴体固定用帯状部12をよりしっかりと固定することができる。本実施形態では、雄部材21の長辺方向の長さを10cmとし、雌部材20の長辺方向の長さは、5cmとした。
【0038】
胴体固定用帯状部12は、第2端部の表側に、メカニカルテープの雌部材23が貼り付けられており、臀部固定用帯状部14は、吸収体保持部13と接続されている端部とは、長辺方向の反対側の端部の裏側に、メカニカルテープの雄部材24a,24bが貼り付けられている。図4は、犬用パンツ11を装着した犬の模型を横から見た写真を示す図である。図5は、犬用パンツ11を装着した犬の模型を尻尾側から見た写真を示す図である。図6は、犬用パンツ11を装着した犬の模型を上から見た写真を示す図である。ここでは、犬の代わりに犬の模型を用いている。胴体固定用帯状部12に貼り付けられている雌部材23は、胴体固定用帯状部12を犬の胴体に固定すると、犬の背中側に配置される。臀部固定用帯状部14aに貼り付けられているメカニカルテープの雄部材24aを雌部材23の第2端部側に連結させ、臀部固定用帯状部14bを臀部固定用帯状部14aと交差させて、臀部固定用帯状部14bに貼り付けられているメカニカルテープの雄部材24bを雌部材23の吸収体保持部13側に連結させる。そうすることによって、図4〜6に示すように、犬の性器を覆うように、吸収体保持部13が固定される。メカニカルテープの雄部材24および雌部材23は、胴体固定用帯状部12と臀部固定用帯状部14とを着脱可能に連結する連結部に相当する。
【0039】
また、帯状の胴体固定用帯状部12と臀部固定用帯状部14とを連結させることによって、吸収体保持部13を固定するので、図4〜6に示すように、犬の股関節を覆うことなく、吸収体保持部13を固定することができる。したがって、犬は、犬用パンツ11に動きが邪魔されることがないので、犬用パンツ11を装着しても動きやすい。
【0040】
さらに、2本の帯状の臀部固定用帯状部14a,14bを、互いに交差させて、胴体固定用帯状部12に連結するので、吸収体保持部13が犬の背骨方向に対して斜めの方向に引っ張られて固定される。したがって、吸収体保持部13が犬の背骨方向に引っ張られているだけではなく、背骨方向に直交する方向にも引っ張られている状態で固定され、さらに、犬の股関節を覆うことなく固定されているので、犬が動き回ってもずれることがない。
【0041】
吸収体保持部13には、犬の排泄物を吸収する吸収体18が保持されているので、吸収体18の被着部位である性器に吸収体18が密着させることができ、血液などの排泄物を吸収体18に吸収させることができる。また、犬が動き回っても、吸収体保持部13がずれることがなく、吸収体18の被着部位である性器に吸収体18が密着したままであるので、血液などの排泄物を吸収体18に確実に吸収させることができ、パンツ11の外部に漏らすことない。たとえば、犬の生理は、人間の場合と異なり、排泄物としては、血液と尿とが混在しており、粘度が低い場合があるので、犬の生理用パンツ11は、吸収体18と被着部位との密着性がより求められるが、血液などの排泄物を吸収体18に確実に吸収させることができるので、犬の生理用パンツとして用いることができる。
【0042】
また、2本の帯状の臀部固定用帯状部14a,14bを、犬の尻尾を挟むように、互いに交差させて、胴体固定用帯状部12に連結することによって、図4〜6に示すように、犬の後足および尻尾が通る穴が形成されるので、装着の際に、犬の後足および尻尾をパンツにあらかじめ形成されている穴に通す必要がないので、装着が容易である。また、キャザーが形成されている周辺部16で、後足が通る穴が形成されるので、周辺部16と犬の後足の密着性が高まり、この後足が通る穴から血液などの排泄物が漏れ出すことがなくなる。
【0043】
さらに、2本の帯状の臀部固定用帯状部14a,14bを胴体固定用帯状部12に連結させる位置を調節することによって、体型の異なる動物に対して柔軟に対応することができる。雌部材23の長辺方向の長さは、雄部材24の長辺方向の長さより長く、吸収体保持部13の幅と同程度の長さにするほうが好ましい。吸収体保持部13の幅は、胴体固定用帯状部12と臀部固定用帯状部14とを結ぶ方向に直交する方向の幅である。そうすることによって、吸収体保持部13の幅は、犬の胴体の幅と同程度であるので、雌部材23は、犬の背中の幅方向を覆うように設けられる。したがって、雄部材24を雌部材23に連結する位置を様々な位置に調節することができるので、犬の骨格構造に容易に合わせることができ、吸収体保持部13をしっかりと固定することができる。本実施形態では、吸収体保持部13の幅は、10cmまたは11cmとし、雌部材23の長辺方向の長さを10cmとし、雄部材24の長辺方向の長さは、4cmとした。
【0044】
以上より、この犬用パンツ11は、装着が容易で、体型の異なる動物に対しても柔軟に対応でき、動物が動きやすく、ずれにくい犬用パンツである。
【0045】
吸収体保持部13は、臀部固定用帯状部14aが接続されている接続部と臀部固定用帯状部14bが接続されている接続部との間の端部に、円弧状の切り込みが形成されている切込み部が形成されている。そうすることによって、2本の帯状の臀部固定用帯状部14a,14bを、互いに交差させて、胴体固定用帯状部12に連結することによって、尻尾の径に適した穴が形成される。また、体重が1kg以上5kg以下で胴回りが18cm以上35cm以下の犬の場合、その切り込みの半径Rが1cm以上4cm以下であることが好ましい。より好ましくは1cm以上3cm以下である。そうすることによって、尻尾の径に適した穴が形成され、この形成された穴から血液などの排泄物が漏れ出すことがない。さらに、尻尾の径に適した穴が形成されるので、装着させやすい。たとえば、体重が1kg以上3kg以下であって、胴回りが18cm以上30cm以下の犬用パンツでは、半径Rが2cmとする。また、体重が3kg以上5kg以下であって、胴回りが21cm以上35cm以下の犬用パンツでは、半径Rが2.5cmとする。
【0046】
また、臀部固定用帯状部14の長手方向の長さに対する吸収体保持部13の胴体固定用帯状部12と臀部固定用帯状部14とを結ぶ方向の長さの比が、1以上2以下であることが好ましい。より好ましくは、1.1以上1.7以下が好ましい。そうすると、2本の帯状の臀部固定用帯状部14を、犬の尻尾を挟むように、互いに交差させて、胴体固定用帯状部に連結することによって形成される、犬の後足および尻尾が通る穴の位置、および胴体固定用帯状部12で犬の胴体を固定する位置が、好ましい位置となる。たとえば、体重が1kg以上3kg以下であって、胴回りが18cm以上30cm以下の犬用パンツでは、臀部固定用帯状部14の長手方向の長さが10cm、吸収体保持部13の胴体固定用帯状部12と臀部固定用帯状部14とを結ぶ方向の長さが15cmとし、臀部固定用帯状部14の長手方向の長さに対する吸収体保持部13の胴体固定用帯状部12と臀部固定用帯状部14とを結ぶ方向の長さの比が1.5である。また、体重が3kg以上5kg以下であって、胴回りが21cm以上35cm以下の犬用パンツでは、臀部固定用帯状部14の長手方向の長さが10.5cm、吸収体保持部13の胴体固定用帯状部12と臀部固定用帯状部14とを結ぶ方向の長さが16.5cmとし、臀部固定用帯状部14の長手方向の長さに対する吸収体保持部13の胴体固定用帯状部12と臀部固定用帯状部14とを結ぶ方向の長さの比が約1.6である。
【0047】
吸収体保持部13の幅に対する胴体固定用帯状部12の長手方向の長さの比が、3.0以上5.0以下であることが好ましい。より好ましくは、3.0以上4.0以下である。そうすると、胴体固定用帯状部12を犬の胴体に巻きつけ固定したときに、犬の大きさに関わらず、雌部材23の位置が、犬の背中の幅方向を充分に覆うような位置になるので、雄部材24を雌部材23に連結する位置を様々な位置に調節することができる。したがって、犬の大きさに関わらず、犬の体型に容易に合わせることができ、吸収体保持部13をしっかりと固定することができる。たとえば、体重が1kg以上3kg以下であって、胴回りが18cm以上30cm以下の犬用パンツでは、吸収体保持部13の幅が10cm、胴体固定用帯状部12の長手方向の長さが35cmとし、吸収体保持部13の幅に対する胴体固定用帯状部12の長手方向の長さの比が3.5である。また、体重が3kg以上5kg以下であって、胴回りが21cm以上35cm以下の犬用パンツでは、吸収体保持部13の幅が11cm、胴体固定用帯状部12の長手方向の長さが40cmとし、吸収体保持部13の幅に対する胴体固定用帯状部12の長手方向の長さの比が約3.6である。
【0048】
胴体固定用帯状部12は、長辺方向に伸縮性を有する布で形成されている。したがって、胴体固定用帯状部12を引き伸ばして伸張状態で、犬の胴体に巻き付けることができるので、犬の胴体にしっかり固定することができる。さらに、胴体固定用帯状部12の長辺を縮めた状態で、胴体固定用帯状部12の周辺部15に伸縮性のある布を貼り付けることによって、胴体固定用帯状部12の長辺にギャザーが形成される。そうすることによって、胴体固定用帯状部12の長辺方向に伸縮性を有することができる。したがって、胴体固定用帯状部12を引き伸ばして伸張状態で、犬の胴体に巻き付けることができるので、犬の胴体にしっかり固定することができる。
【0049】
吸収体保持部13は、胴体固定用帯状部12と臀部固定用帯状部14とを結ぶ方向に伸縮性を有する布で形成され、臀部固定用帯状部14は、臀部固定用帯状部14の長手方向に伸縮性を有する布で形成されているので、吸収体保持部13が、よりしっかり固定される。
【0050】
胴体固定用帯状部12、吸収体保持部13および臀部固定用帯状部14は、たとえば、合成繊維および再生繊維からなるニットなどの布を用いることができる。本実施形態では、綿43%、ポリエステル57%の混紡された繊維からなるニット(T/C40パイルボーダー、オーミケンシ社製)を使用した。吸収体保持部13および臀部固定用帯状部14は、上記の布の吸収体18と接触する内側に、抗菌性および消臭性を有する布を重ねて構成される。吸収体18と接触する内側の布が、抗菌性および消臭性を有する布であるので、血液および尿などの排泄物によるにおいの発生などを防ぐことができる。本実施形態では、抗菌性および消臭性を有する布として、キチン・キトサンと綿の混紡された繊維であるクラビオンコットンからなるニット(クラビオン30天竺、オーミケンシ社製)を使用した。
【0051】
図7は、吸収体18を示す概略図である。図7(a)は、吸収体18の上面を示す外観図であり、図7(b)は、図7(a)の吸収体18の切断面線A−A’から見た断面図である。吸収体18は、図7(a)に示すように、中央部が細くなっている、いわゆる、砂時計形状をしている。吸収体18の大きさは、犬用パンツのサイズによって異なり、たとえば、体重が1kg以上3kg以下であって、胴回りが18cm以上30cm以下の犬用パンツでは、吸収体18として、長辺方向の長さLが14.5cm、短辺方向の長さWが6cm、飽和吸収量30ccの生理用パッドを用いる。また、体重が3kg以上5kg以下であって、胴回りが21cm以上35cm以下の犬用パンツでは、吸収体18として、長辺方向の長さLが18cm〜19cm、短辺方向の長さWが10cm、飽和吸収量50ccの生理用パッドを用いる。また、吸収体18は、血液および尿などの吸収性を高めるために、短辺方向に延びる溝30が形成されている。
【0052】
また、吸収体18は、図7(b)に示すように、パルプ31に、吸収性高分子化合物32が混合された材料をシート状に形成し、厚み方向上方および下方から吸収紙33で挟み、さらに、厚み方向上方から不織布34、厚み方向下方から高分子フィルム35で挟むことによって形成される。さらに、高分子フィルム35の厚み方向下方に、粘着層36を貼付されている。不織布34は、透液性があり、血液および尿などを透過させることができる不織布を用いることができる。吸収紙33は、血液および尿などの液体を吸収して、その液体を吸収体18全体に拡散できればよく、たとえば、ティッシュなどを用いることができる。吸収性高分子化合物32は、血液および尿などを吸収してゲル状に固化させる高分子化合物であり、たとえばデンプン‐アクリル酸(塩)グラフト共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物、アクリル酸(塩)重合体などを用いることできる。したがって、パルプ31に、吸収性高分子化合物32が混合された材料で、血液および尿などを保持することができる。高分子フィルム35は、不透液性を有し、パルプ31に、吸収性高分子化合物32が混合された材料に保持された血液および尿などを吸収体18外部に漏れ出さないようにすることができ、たとえば、ポリエチレンフィルムを用いることができる。粘着層36は、粘着性を有し、犬用パンツ11の吸収体保持部13に着脱可能に吸収体18を貼り付けることによって保持させることができる。このような粘着層36を有する吸収体18を吸収体保持部13に貼り付けた犬用パンツ11は、犬が動き回っても、吸収体18がずれることがないので、血液および尿などがパンツ11外部に漏れだすことがない。
【0053】
本実施形態は、犬に使用する犬用パンツについて説明したが、犬に限らず、動物用のパンツとして用いることができる。特に尻尾のある動物に好ましく用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施の形態である犬用パンツ11を表側の構成を示す概略図である。
【図2】本発明の実施の形態である犬用パンツ11を裏側の構成を示す概略図である。
【図3】犬用パンツ11の胴体固定用帯状部12を犬の模型に固定している写真を示す図である。
【図4】犬用パンツ11を装着した犬の模型を横から見た写真を示す図である。
【図5】犬用パンツ11を装着した犬の模型を尻尾側から見た写真を示す図である。
【図6】犬用パンツ11を装着した犬の模型を上から見た写真を示す図である。
【図7】吸収体18を示す概略図である。
【図8】市販されている犬用のパンツ101を示す概略図である。
【図9】市販されている犬用のパンツ201を示す概略図である。
【符号の説明】
【0055】
11,101,201 犬用パンツ
12 胴体固定用帯状部
13 吸収体保持部
14 臀部固定用帯状部
15,16,17 周辺部
18,106 吸収体18
20,23 雌部材
21,24 雄部材
30 溝
31 パルプ
32 吸収性高分子化合物
33 吸収紙
34 不織布
35 高分子フィルム
36 粘着層
102 穴
103 布
104 留め具
105 伸縮部
202 サスペンダ
203 金具
【出願人】 【識別番号】000208628
【氏名又は名称】第一衛材株式会社
【出願日】 平成17年12月28日(2005.12.28)
【代理人】 【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎


【公開番号】 特開2007−175032(P2007−175032A)
【公開日】 平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願番号】 特願2005−380444(P2005−380444)