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【発明の名称】 活魚輸送用容器
【発明者】 【氏名】田中 祐敦

【氏名】八幡 芳明

【氏名】弓削 尚

【要約】 【課題】コスト面において有利にしながらも、容器内の水の浄化を良好に行うことができる活魚輸送用容器を提供する点にある。

【解決手段】活魚Fを上方から入れるための開口2Kが形成された容器本体2と、この容器本体2の上方開口2Kを閉じるための蓋体3とを備えた活魚輸送用容器において、前記蓋体3の下面に浄化用フィルター5を保持するための保持部6を備えさせ、前記保持部6が、前記浄化用フィルター5を収容可能な収容空間6Sを形成し、かつ、前記容器本体2内に収容された水の出入りを可能とする多数の通水口6A,6Bを備えたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活魚を上方から入れるための開口が形成された容器本体と、この容器本体の上方開口を閉じるための蓋体とを備えた活魚輸送用容器において、前記蓋体の下面に浄化用フィルターを保持するための保持部を備えさせ、前記保持部が、前記浄化用フィルターを収容可能な収容空間を形成し、かつ、前記容器本体内に収容された水の出入りを可能とする多数の通水口を備えたことを特徴とする活魚輸送用容器。
【請求項2】
前記容器本体及び蓋体が、発泡合成樹脂にて構成されてなる請求項1記載の活魚輸送用容器。
【請求項3】
前記保持部が、周壁部と、この周壁部の下端に連設された底壁部とからなり、前記周壁部が、縦長状の多数の棒状体を周方向に所定間隔を置いて配置してなり、前記底壁部が、前記浄化用フィルターを受け止めるとともに通水口を多数備えてなり、前記周方向で隣り合う棒状体間にて形成される通水口を保持部内部側ほど狭くなるように構成してなる請求項1又は2記載の活魚輸送用容器。
【請求項4】
前記底壁部に形成される通水口を下方側ほど狭くなるように構成してなる請求項3記載の活魚輸送用容器。
【請求項5】
前記保持部を前記蓋体に一体形成してなり、前記保持部の上方に相当する前記蓋体の特定箇所に浄化用フィルターを出し入れするためのフィルター用の開口を形成してなる請求項1〜4のいずれかに記載の活魚輸送用容器。
【請求項6】
前記保持部を前記蓋体とは別体に構成し、前記蓋体には該保持部をその下端から挿入可能な保持部用の開口を形成すると共に、その開口に上方から前記保持部をその下端から挿入したときに、該保持部の上端に備えた鍔部を受け止める受止部を該開口に備えさせてなる請求項1〜4のいずれかに記載の活魚輸送用容器。
【請求項7】
前記保持部を前記蓋体とは別体に構成し、前記蓋体の下面に備えさせた被係止部に係止可能な係止用鍔部を前記別体構成された保持部の上端に備えさせてなる請求項1〜4のいずれかに記載の活魚輸送用容器。
【請求項8】
前記容器本体内に収容する水の水位を前記保持部の底壁部と同一上下レベル又は該底壁部よりも下方レベルに設定し、容器の輸送中に発生する振動により容器内の水が移動することによって、その移動される水の一部が通水口を通して保持部内に入り込んで浄化用フィルターを通過し、その通過した後の浄化水が該通水口とは異なる通水口を通して該保持部外へ排出されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の活魚輸送用容器。
【請求項9】
請求項1〜8の活魚輸送用容器を用い、この容器の容器本体内に水を入れてから、前記蓋体を前記容器本体に装着し、輸送することにより発生する振動で容器内の水が移動することによって、その移動される水の一部が通水口を通して保持部内に入り込んで浄化用フィルターを通過し、その通過した後の浄化水が該通水口とは異なる通水口を通して該保持部外へ排出されることにより容器内の水を浄化しながら輸送することを特徴とする活魚輸送用容器の輸送方法。
【請求項10】
前記容器本体に入れる水の水位を、前記容器本体に前記蓋体を装着した状態において前記保持部の底壁部と同一上下レベル又は該底壁部よりも下方レベルに設定してなる請求項9に記載の活魚輸送用容器の輸送方法。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、特に活きている魚や貝などの魚貝類をそのままの状態を維持しながら移送したり、保管する場合に好適な活魚輸送用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
上記活魚輸送用容器には、例えば容器の外部に装着したエアポンプから延出されたエアホースの先端に接続されたエア吹き出し部を容器内に入れて、容器内の水中にエアを供給することによって、活魚を生きた状態を維持しながら輸送することが行われている。
しかしながら、容器内の水が、魚の排出する排出物などにより汚染されてしまうため、水の浄化が必要であった。そのため、活魚を入れる水槽(容器)内の水を底面側から抜いて濾過した水を上面から供給して水を循環させるための配管と、これら配管の間に水槽内から抜いた水を濾過するための濾過装置と、この濾過装置にて濾過した水を水槽側の配管に戻すためのポンプとからなる浄化装置を設けて、長時間魚を生きたまま輸送できるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特公平6−18500号公報(第1図参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1のような大掛かりな浄化装置では、浄化装置を設置するための場所を必要とするため、その分多くの活魚を輸送することができないだけでなく、コスト面においても不利になることから、改善の余地があった。また、そのような大掛かりな浄化装置であると、容器自体も大型なものにしなければならないことから、それらを常設するための専用の輸送用のトラックなどが必要となり、コスト面において一層不利になるものであった。
因みに、コスト面だけを考えると、活魚輸送用容器内に浄化用のフィルターを入れておくことが考えられるが、容器内にフィルターを静置するだけでは、フィルターに容器内の水を効率よく通過させ得ないため、十分な浄化作用を発揮させることができない結果、浄化用のフィルターを入れない場合と殆ど差異がないものであった。
【0004】
本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、コスト面において有利でありながら、容器内の水の浄化を良好に行うことができる活魚輸送用容器を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の活魚輸送用容器は、前述の課題解決のために、活魚を上方から入れるための開口が形成された容器本体と、この容器本体の上方開口を閉じるための蓋体とを備えた活魚輸送用容器において、前記蓋体の下面に浄化用フィルターを保持するための保持部を備えさせ、前記保持部が、前記浄化用フィルターを収容可能な収容空間を形成し、かつ、前記容器本体内に収容された水の出入りを可能とする多数の通水口を備えたことを特徴としている。
輸送中に発生する横揺れや縦揺れなどの振動が容器に伝達されることによって、容器内の揺動する水が保持部の通水口を通して内部に入り込み、保持部内に収容された浄化用フィルターを通過して浄化された水が他の通水口を通して保持部外へ排出されるのである。
【0006】
前記容器本体及び蓋体を、発泡合成樹脂にて構成してもよい。
【0007】
前記保持部が、周壁部と、この周壁部の下端に連設された底壁部とからなり、前記周壁部が、縦長状の多数の棒状体を周方向に所定間隔を置いて配置してなり、前記底壁部が、前記浄化用フィルターを受け止めるとともに通水口を多数備えてなり、前記周方向で隣り合う棒状体間にて形成される通水口を保持部内部側ほど狭くなるように構成するのが好ましい。更に、前記底壁部に形成される通水口を下方側ほど狭くなるように構成してもよい。
【0008】
前記保持部を前記蓋体に一体形成してなり、前記保持部の上方に相当する前記蓋体の特定箇所に浄化用フィルターを出し入れするためのフィルター用の開口を形成してもよい。
【0009】
前記保持部を前記蓋体とは別体にて構成し、前記蓋体に前記別体構成された保持部をそれの下端から挿入可能な保持部用の開口を形成し、その開口にそれの上方から前記保持部をそれの下端から挿入したときに、該保持部の上端に備えた鍔部を受け止める受止部を該開口に備えさせてもよい。
【0010】
前記保持部を前記蓋体とは別体にて構成し、前記蓋体の下面に備えさせた被係止部に係止可能な係止用鍔部を前記別体構成された保持部の上端に備えさせてもよい。
【0011】
前記容器本体内に収容する水の水位を前記保持部の底壁部と同一上下レベル又は該底壁部よりも下方レベルに設定し、容器の輸送中に発生する振動により容器内の水が移動することによって、その移動される水の一部が通水口を通して保持部内に入り込んで浄化用フィルターを通過し、その通過した後の浄化水が該通水口とは異なる通水口を通して該保持部外へ排出されて浄化されるように構成してもよい。
【0012】
請求項1〜7の活魚輸送用容器を用い、この容器の容器本体内に水を入れてから、前記蓋体を前記容器本体に装着し、輸送することにより発生する振動で容器内の水が移動することによって、その移動される水の一部が通水口を通して保持部内に入り込んで浄化用フィルターを通過し、その通過した後の浄化水が該通水口とは異なる通水口を通して該保持部外へ排出されることにより容器内の水を浄化しながら輸送することを特徴とする活魚輸送用容器の輸送方法を用いてもよい。
【0013】
前記容器本体に入れる水の水位を、前記容器本体に前記蓋体を装着した状態において前記保持部の底壁部と同一上下レベル又は該底壁部よりも下方レベルに設定することが好ましく、効率よく容器内の水の浄化を行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
活魚輸送用容器又は活魚輸送用容器の輸送方法によれば、輸送中に発生する横揺れや縦揺れなどの振動が容器に伝達されて容器内を移動する水を効率よく利用する、つまり該移動する水を通水口から取り入れて浄化用フィルターを通過した水を他の通水口から排出することによって、浄化作用を促進させることができるから、浄化用フィルターを容器の水面に浮遊させたり底に沈ませたりするのに比べて、容器内の水の浄化を飛躍的に行うことができる。又大型な浄化装置を設けるのに比べ、設備コスト及びランニングコストを極度に安価にできるにもかかわらず、水の浄化が良好である活魚輸送用容器を提供することができる。更に前記容器本体及び蓋体を、発泡合成樹脂にて構成することが可能であるので、軽い重量にすることができ、取扱性において有利になる。
【0015】
前記保持部が、周壁部と、この周壁部の下端に連設された底壁部とからなり、前記周壁部が、縦長状の多数の棒状体を周方向に所定間隔を置いて配置してなり、前記底壁部が、前記浄化用フィルターを受け止めるとともに通水口を多数備えてなり、前記周方向で隣り合う棒状体間にて形成される通水口を保持部内部側ほど狭くなるように構成し、前記底壁部に形成される通水口を下方側ほど狭くなるように構成することによって、容器内の揺動する水を周方向に形成された通水口からスムーズに保持部内部に移動させ、底壁に形成した通水口を通して迅速に下方へ排出することができ、浄化効率を高めることができる。
【0016】
前記保持部を前記蓋体に一体形成してなり、前記保持部の上方に相当する前記蓋体の該保持部の特定箇所に浄化用フィルターを出し入れするためのフィルター用の開口を形成している場合には、保持部を別体形成し、その別体形成された保持部を蓋体に組み付ける場合に比べて、製造面において有利になる。
又、前記保持部を前記蓋体とは別体に構成し、前記別体構成された保持部の上端に鍔部を設けておき、下端から挿入可能な保持部用の開口を形成し、その開口に該保持部の上端に備えた鍔部を受け止める受止部を該開口に備えさせるのが好ましい。その場合には、受止部に受け止めさせることができる鍔部を備えた保持部であれば、どのような保持部であっても、蓋体に設置することができるだけでなく、例えば保持部が損傷した場合に保持部のみを新たなものに交換することができる。
又、前記保持部を前記蓋体とは別体に構成し、前記蓋体の下面に前記別体構成された保持部の上端に備えさせた係止可能な係止用鍔部を設けている場合には、蓋体の特定箇所に開口を形成するものに比べて蓋体の強度低下を回避することができる。又、前記被係止部を蓋体に一体形成する構成である場合には、前記蓋体に形成された開口を閉じる蓋体が不要になり、その分部品点数を減らせることができる。
【0017】
前記容器本体内に収容する水の水位を前記保持部の底壁部と同一レベル又は該底壁部よりも下方レベルに設定し、容器の輸送中に発生する振動により容器内の水が移動することによって、その移動する水の一部が通水口を通して保持部内に入り込んで浄化用フィルターを通過し、その通過した後の浄化水が通水口を通して該保持部外へ排出されて浄化されるようにする。こうすれば、移動する水は通水口を通して保持部に確実に供給されて、浄化用フィルターに接触し該通水口とは異なる通水口を通して保持部外へ排出されることになり、容器内の水を効率よく浄化させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1に、本発明の魚介類を活きたままの状態を維持しながら移送したり(図1では水中に活魚Fを入れた状態を示している)、保管する場合に用いる魚介類用の容器1の縦断面図を示している。この容器1は、活魚Fを上方から入れるための開口2Kが形成された平面視ほぼ長方形の発泡合成樹脂製の容器本体2と、この容器本体2の上方開口2Kを閉じる平面視ほぼ長方形の発泡合成樹脂製の蓋体3とからなり、前記容器本体2にエア供給装置であるエアポンプ4を収納するためのエア供給装置用収納部としての凹部2Gを形成している。又、前記蓋体の下面にシート状(ボックスに入れられたものでもよい)の浄化用フィルター5を保持するための保持部6を備え、前記保持部6が、前記浄化用フィルター5を収容可能な収容空間6Sを形成し、かつ、前記容器本体2内に収容された水の出入りを可能とする多数の通水口6A,6Bを備えている。ここでは、平面視ほぼ長方形の容器を示しているが、正方形又は多角形あるいは円形等、どのような形状でもよいが、矩形状(長方形又は正方形)の容器とする場合には、車両等に多数積み込んで移送する場合に載置効率面で最適である。ここでは、軽量で断熱性を有し、コスト面において有利な発泡合成樹脂製の容器を示しているが、非発泡の合成樹脂等で構成したものであってもよい。図1に示す7は、前記エアポンプ4からのエアを送るエアホース8の先端に接続されているエア吹き出し部である。前記容器本体2及び蓋体3を発泡合成樹脂から構成して軽量化を図ることができる利点があるが、合成樹脂やその他の材料にて構成することもできる。前記浄化用フィルター5としては、特に魚の排泄物であるアンモニアなどを吸着除去できるものであれば、どのようなものであってもよい。
【0019】
前記容器本体2は、ほぼ長方形状の底板部9と、この底板部9の外周縁から立ち上げられて外周壁を構成する4枚の縦板部10とからなっているが、前述のように容器本体2の形状は、図に示されるもの以外であってもよい。又、前記縦板部10の上端面に、上方に突出し、かつ、周方向全域に渡る環状の嵌合凸部2Tを形成している。この嵌合凸部2Tを、これに対応する蓋体3の外周縁部に上方へ凹む嵌合凹部3Hに嵌合することによって、容器本体2に蓋体3を閉蓋状態で固定することができるようになっている。ここでは、嵌合凸部2Tを容器本体2に備えさせ、嵌合凹部3Hを蓋体3に備えさせているが、嵌合凸部を蓋体3に備えさせ、嵌合凹部を容器本体2に備えさせて実施することもできる。前記嵌合凸部及び嵌合凹部を全周に渡って備えさせる方が嵌合力や密閉性(シール性)において有利であるが、周方向の一部にのみ嵌合凸部及び嵌合凹部を備えさせることもできる。
【0020】
前記蓋体3について詳述すれば、図1〜図6に示すように、略中心部に前記浄化用フィルター5を出し入れするためのフィルター用の長方形状の開口3Kが形成されたほぼ長方形状の天板部3Aと、この天板部3Aの外周縁から下方に垂設してスカート部を構成する4枚の縦壁部3B,3C,3D,3Eとからなり、前記天板部3Aの開口周縁から下方へ垂設されて構成されている前記保持部6を備えてなっているが、前述のように蓋体3の形状は、図に示されるもの以外であってもよい。前記開口3Kを閉じるためのカバー体13を着脱自在に開口3Kに嵌合している。図2に示す3Gは、開口3Kに嵌合したカバー体13を取り外すときに指を入れるための凹部であるが、カバー体13側に指を入れるための凹部を設けたり、指で掴むことができる摘み部を備えさせてもよい。前記カバー体13は、発泡合成樹脂で構成しているが、合成樹脂やその他の材料で構成してもよい。
【0021】
前記保持部6を、前記蓋体3の開口3K縁から下方に垂設された周壁部11と、この周壁部11の下端に連設された底壁部12とからなり、前記周壁部11が、縦長状の多数の棒状体11Aを長方形状の開口3Kの周縁を構成する4辺のそれぞれに所定間隔を置いて配置してなり、前記底壁部12が、前記浄化用フィルターを受け止めるとともに通水口6Bを多数備えてなり、前記周方向(4辺それぞれの辺方向)で隣り合う棒状体11A,11A間にて形成される縦長状の通水口6Aを保持部内部側ほど狭くなるように、前記各棒状体11Aを頂部が保持部外部側を向く平面視ほぼ三角形状に構成し(図3及び図4参照)、前記底壁部12に形成される水平方向に長い横長状の通水口6Bを下方側ほど狭くなるように構成している。このように構成しているから、輸送中に発生する横揺れや縦揺れなどの振動が容器に伝達されることにより、容器内で揺動する水を周方向に形成された通水口6Aからスムーズに保持部6内部に移動させ、保持部内に収容された浄化用フィルターを通過して浄化された水を底壁部12に形成した通水口6Bを通して迅速に下方へ排出することができ、容器内の水を高価な水循環装置によらず良好に浄化することができるようにしている。前記棒状体11Aの形状を平面視ほぼ三角形状に構成したが、通水口6Aが保持部内部側ほど狭くなるような形状であれば、どのような形状に構成してもよい。このように前記周壁部11に形成する通水口6Aを保持部内部側ほど狭くなるように構成することによって、保持部6の内部に容器内の水が入りやすく周方向の通水口6Aからは出にくくすることによって、浄化用フィルター5による浄化時間をできるだけ長くすることができる利点がある。しかし、通水口6Aの水の出入り方向において同一の大きさに構成して実施することもできる。又、前記底壁部12に形成される水平方向に長い横長状の通水口6Bを下方側ほど狭くなるように構成することによって、下方からの水が保持部6の内部に通水口6Bから入り難くしながらも、保持部6の内部に入り込んだ水は通水口6Bを通して下方へ出やすくすることによって、浄化フィルターと水の接触を助け、水の浄化作用を効率よく行うことができる利点がある。しかし、通水口6Bの水の出入り方向において同一の大きさに構成して実施することもできる。
【0022】
前記保持部6を前記蓋体3に発泡合成樹脂にて一体形成することによって、製造コスト面において有利になるが、図7及び図8に示すように、保持部6を別体にて構成し、別体にて構成した保持部6を蓋体3に装着するようにしてもよい。
図7では、上方が開放された平面視長方形の箱型の網部(メッシュ部)6Cとこの網部6Cの上端に水平方向に幅のある鍔部6Dとからなり、前記蓋体3とは別体である保持部6を示す。蓋体3には、この保持部6の下端から挿入可能な保持部用の長方形状の開口3Iを形成し、その開口3Iに、上方から前記保持部6を、その下端から挿入したときに、該保持部6の上端に備えた鍔部6Dを受け止める受止部3Uを該開口3Iの4辺の下端に内方側にそれぞれ突出させて備えさせている。そして、開口3Iを閉じるためのカバー体13を開口3Iに嵌めることによって、カバー体13にて前記鍔部6Dを上方から押さえ付けるようにしている。そして、5は浄化用フィルターであって保持部6内に挿入する。ここでは、前記受止部3Uを開口3Iの周方向全域に渡って備えさせたが、開口3Iの一部にのみ受止部3Uを備えさせて実施してもよい。又、前記保持部6を金属又は合成樹脂あるいは発泡合成樹脂などから構成してもよい。前記保持部6の具体的構成は、図7に示されるもの以外であってもよい。
【0023】
図8では、保持部6を、上端の長方形状の開口6Kを形成する板状で環状に構成されたフランジ部6Fと、図3や図4で示したように、このフランジ部6Fの下端から下方に垂設された周壁部11と、この周壁部11の下端に連設された底壁部12とからなり、前記周壁部11が、縦長状の多数の棒状体11Aを長方形状の開口6Sの周縁を構成する4辺のそれぞれに所定間隔を置いて配置してなり、前記底壁部12が、前記浄化用フィルター5を受け止めるとともに通水口6Bを多数備えてなり、前記周方向(4辺それぞれの辺方向)で隣り合う棒状体11A,11A間にて形成される縦長状の通水口6Aを保持部内部側ほど狭くなるように、前記各棒状体11Aを頂部が保持部外部側を向く平面視ほぼ三角形状に構成している。そして、前記蓋体3の下面に備えさせた平面視においてコの字状で断面形状がL字状の係止部材14に係止可能な係止用鍔部を前記保持部6の上端に位置するフランジ部6Fにて構成している。従って、保持部6内に浄化用フィルター5を入れてから、フランジ部6Fを係止部材14に挿入して係止保持させることにより、保持部6を蓋体3に保持させることができるようにしている。前記係止部材14を平面視においてコの字状とすることによって、フランジ部6Fの係止部材14への挿入方向先端が係止部材14の終端側の縦壁に接当させて係止部材14に対するフランジ部6Fの挿入位置を直ちに把握することができるようにしているが、平行となる一対の係止部材を蓋体3に備えさせて実施しても良く、係止部材14及び係止用鍔部であるフランジ部6Fの具体的構成は、図8に示されるものに限定されるものではない。
【0024】
図1に示すように、容器1の容器本体2内に収容する水の水位Xを前記保持部6の底壁部12と同一上下レベル(該底壁部12よりも少し下方レベルであってもよい)となるように水を入れてから、前記蓋体3を前記容器本体2に装着し、輸送することにより発生する振動で容器内の水が移動することによって、その移動される水の一部が通水口6Aを通して保持部6内に入り込んで浄化用フィルター5を通過し、その通過した後の浄化水が該通水口6Aとは異なる通水口6A又は6B又は6A,6Bを通して該保持部6外へ排出されることにより容器内の水を浄化しながら輸送することができるようになっている。前記水の水位Xは、輸送することにより発生する振動で容器内の水が移動することによって、保持部6内の浄化用フィルター5を確実に通過できるのであれば、どのような水位に設定しても構わないが、保持部6の底壁部12と同一上下レベル又は底壁部12よりも少し下方レベルに設定することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】活魚輸送用容器の縦断側面図である。
【図2】蓋体の斜視図である。
【図3】蓋体を180度ひっくり返した状態の斜視図である。
【図4】第1の保持部の拡大斜視図である。
【図5】蓋体の縦断面図を示し、(a)は蓋体の長辺方向に沿って切断したものであり、(b)は蓋体の短辺方向に沿って切断したものである。
【図6】第1の保持部の横断底面図である。
【図7】別体にて構成した第2の保持部を蓋体に装着する直前の状態を示す分解斜視図である。
【図8】別体にて構成した第3の保持部を蓋体に装着する直前の状態を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0026】
1 容器
2 容器本体
2G 凹部
2K 開口
2T 嵌合凸部
3 蓋体
3A 天板部
3B,3C,3D,3E 縦壁部
3K 開口
3H 嵌合凹部
3I 開口
3U 受止部
4 エアポンプ
5 浄化用フィルター
6 保持部
6A,6B 通水口
6C 網部
6D 鍔部
6F フランジ部(係止用鍔部)
6K 開口
6S 収容空間
7 エア吹き出し部
8 エアホース
9 底板部
10 縦板部
11 周壁部
11A 棒状体
12 底壁部
13 カバー体
14 係止部材
F 活魚
X 水位

【出願人】 【識別番号】000140074
【氏名又は名称】株式会社羽根
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
【出願日】 平成17年12月28日(2005.12.28)
【代理人】 【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生

【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫


【公開番号】 特開2007−175015(P2007−175015A)
【公開日】 平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願番号】 特願2005−379219(P2005−379219)