| 【発明の名称】 |
養殖貝類の耳吊り装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】山田 隆治
【氏名】大城 一億
【氏名】小沼 房宣
【氏名】高橋 和宏
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、稚貝の位置決め構造を簡単にするとともに、熟練した作業者でなくても適切な作業を可能にし、更に、ロープに緊張を与える必要をなくした、養殖貝類の耳吊り装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の養殖貝類の耳吊り装置は、養殖貝類の稚貝を位置決めする位置決め部と、前記稚貝を耳吊りするロープと、前記稚貝の耳部及びロープに貫通孔を形成するドリル部と、前記貫通孔に係止具を刺し通す係止具供給部とを備えた養殖貝類の耳吊り装置において、前記位置決め部を、稚貝の貝殻本体部を受けるガイドレール及び稚貝の耳部を受ける耳受け部材と、稚貝の耳部の周辺が当接する位置決めピンとにより形成し、前記ロープをガイドし保持するロープホルダーを設けることを特徴としている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 養殖貝類の稚貝を位置決めする位置決め部と、前記稚貝を耳吊りするロープと、前記稚貝の耳部及びロープに貫通孔を形成するドリル部と、前記貫通孔に係止具を刺し通す係止具供給部とを備えた養殖貝類の耳吊り装置において、前記位置決め部を、稚貝の貝殻本体部を受けるガイドレール及び稚貝の耳部を受ける耳受け部材と、稚貝の耳部の周辺が当接する位置決めピンとにより形成し、前記ロープをガイドし保持するロープホルダーを設けることを特徴とする養殖貝類の耳吊り装置。 【請求項2】 ガイドレールを、稚貝の貝殻本体部の両側縁の幅より狭い間隔で、かつ、ロープの方向に近づくに従い、より狭く、また、低くなるように配置された2本の丸棒部材により形成することを特徴とする請求項1記載の養殖貝類の耳吊り装置。 【請求項3】 位置決めピンを、稚貝の耳部後辺に当接する前方位置決めピンと稚貝の耳部側面の凹状角部に当接する後方位置決めピンとより形成し、前記前方位置決ピンを傾倒自在に設けることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の養殖貝類の耳吊り装置。 【請求項4】 ロープホルダーを、上下に配置した2つの半円状部材により形成し、下側の半円状部材でロープを受け、上側の半円状部材でロープを抑えるようにすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の養殖貝類の耳吊り装置。 【請求項5】 ロープホルダーには、ドリルと係止具を通す逃がし孔を設けることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の養殖貝類の耳吊り装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、養殖産業の一環として、帆立貝等の養殖貝類の稚貝をロープに耳吊り、すなわち、稚貝の耳部分をロープに結束するための養殖貝類の耳吊り装置に関する。稚貝を耳吊りしたロープは海中に垂らされ、この状態で稚貝を生育させ、回収するものである。 【背景技術】 【0002】 帆立貝等の養殖は、いわゆる耳吊り養殖によって行われている。すなわち、この耳吊り養殖は、図1に示すように、フロート120、120間に張った親ロープ121を介して海中に暖簾状に吊り下げられるロープ10の両側それぞれに、テグス等の係止部材によって稚貝100を多数、耳吊り状態に取り付け、この状態で稚貝100を成長させて回収するものである。 【0003】 この方法によると、ロープ10の一本当たりに取り付けられる稚貝100が約200にも及ぶ膨大な量であって、これを手作業で一つずつ取り付けようとすると大変な労力が必要とされるため、従来から、この労力を軽減する目的をもって作業を自動化又は半自動化した各種の耳吊り装置が提案されている。 【0004】 従来、養殖貝類の耳吊り装置としては、例えば、図2及び図3に示すようにロープ10を上下から挟み込むようにして2つの帆立貝の稚貝100、100を位置させ、その耳部100aとロープ10に貫通孔を形成し、結束具でロープ10の両側に帆立貝100、100を同時に結束するものが知られている(特許文献1参照。)。 この装置は、左右の貝座部101、101、水平押圧部材102、102、位置決め部材103、103、ロープ10、垂直押圧部材104、ドリル105及び係止具106の供給機構等からなっており、図示しない装置によってロープ10は停止位置(結束位置)で適度のテンションを掛けられ、結束作業が終了すると間欠的に送り出されるようになっている。 【0005】 結束作業に当たっては、まず、図2に示すように、手作業で左右の貝座部101、101の上にそれぞれ稚貝100、100を一つずつ載せ、稚貝100、100をスライドさせて水平押圧部材102、102を若干押し開く。次いで、稚貝100、100を概略位置決めしたところで手を離すと、水平押圧部材102、102がバネ107の弾性により復帰動して稚貝100、100を押圧し、位置決め部材103、103の第1及び第2位置決め部108、109に押し付け、稚貝100、100の耳部及び側辺部が当接することにより、稚貝100、100が平面上正確に位置決めされる。 【0006】 次いで、この状態から作業者がスイッチを操作して駆動系を駆動させると、図3に示した初動位置にある垂直押圧部材104がドリル105とともに下降して来て、稚貝100の耳部100aを押圧する。稚貝100は垂直押圧部材104と水平押圧部材102とによって2方向から立体的に保持されることになる。次いで、ドリル105が更に下降して上側の稚貝100の耳部100a、ロープ10及び下側の稚貝100の耳部100aに順次貫通孔110を形成する。次いで、ドリル105及び垂直押圧部材104が上方に後退すると、ドリル105と入れ替わりに、穿孔ポイントpの下方に配置された係止具供給部から係止具111が供給されて下側の稚貝100の耳部100a、ロープ10及び上側の稚貝100の耳部100aに形成された貫通孔110に刺し通され、これにより結束工程が完了する。次いで、ロープ送り出し部によりロープ10を1ピッチ分送り出す。 【特許文献1】特開2004−329007号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 上記した従来公知の養殖貝類の耳吊り装置においては、以下のような問題点を有していた。 (1)外面形状が凸面をした稚貝の位置決めを平板状の貝座部で行うため稚貝が立体的に動き易いことから、この動きを封じるために水平押圧部材102、102に溝状凹部106、106を形成し該溝状凹部に稚貝の周辺部を収容して稚貝の縦方向の回動を減じた上で位置決め部材103、103の位置決め部108、109に押し付けて位置決めし、更に垂直押圧部材104で押圧する必要があるため、稚貝の位置決め構造が複雑となるばかりか、作業者の作業内容も熟練が必要であった。 (2)上側の稚貝100の耳部100a、ロープ10及び下側の稚貝100の耳部100aに貫通孔110を形成するに当たり、ロープ10を安定させるためにロープ10に適度の緊張を与える必要があった。 (3)貫通孔110を形成するに当たりロープ10に緊張を与えていることから、貫通孔110の形成後、速やかに係止具111を貫通孔に刺し通す必要があった。 (4)上記のように、ドリル及び係止具がロープ内を通過するときに、ロープと稚貝を安定させて動かないようにするため、2枚の稚貝でロープをサンドイッチ状に挟みロープを押しつぶす位まで押圧していた。このことは必要以上に稚貝にストレスを与えることになっていた。 【0008】 本発明は、稚貝の位置決め構造を簡単にするとともに、熟練した作業者でなくても適切な作業を可能にし、更に、ロープに緊張を与える必要をなくした、養殖貝類の耳吊り装置を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0009】 上記目的を達成するため本発明の養殖貝類の耳吊り装置は、第1に、養殖貝類の稚貝を位置決めする位置決め部と、前記稚貝を耳吊りするロープと、前記稚貝の耳部及びロープに貫通孔を形成するドリル部と、前記貫通孔に係止具を刺し通す係止具供給部とを備えた養殖貝類の耳吊り装置において、前記位置決め部を、稚貝の貝殻本体部を受けるガイドレール及び稚貝の耳部を受ける耳受け部材と、稚貝の耳部の周辺が当接する位置決めピンとにより形成し、前記ロープをガイドし保持するロープホルダーを設けることを特徴としている。 上記第1の特徴において、稚貝の貝殻本体部をガイドレールで受けるようにすることにより、凸球面状をした稚貝の貝殻本体部外面を2個所で、かつ、稚貝の貝殻本体部外面の筋状凹部に沿って支持できることから、安定した支持が可能になり、ひいては稚貝の位置決めを容易に行うことができる。また、ロープをガイドし保持するロープホルダーを設けることにより、ロープにテンションをかけることなくロープを安定して保持できることから、ロープに的確に貫通孔を形成することができ、また、ロープにテンションをかけた場合に比較して貫通孔の維持が長く保てることから係止具の供給作業にゆとりを持たせることができる。 【0010】 また、本発明の養殖貝類の耳吊り装置は、第2に、ガイドレールを、稚貝の貝殻本体部両側縁の幅より狭い間隔で、かつ、ロープの方向に近づくに従い、より狭く、また、低くなるように配置された2本の丸棒部材により形成することを特徴としている。 上記第2の特徴において、ガイドレールを、ロープの方向に近づくに従い、より狭く、また、低くなるように2本の丸棒部材を配置したものとすることにより、稚貝を2本の丸棒部材に沿って滑らせ、一定の位置に収れんさせることが容易になる。 【0011】 また、本発明の養殖貝類の耳吊り装置は、第3に、位置決めピンを、稚貝の耳部後辺に当接する前方位置決めピンと稚貝の耳部側面の凹状角部に当接する後方位置決めピンとより形成し、前記前方位置決めピンを傾倒自在に設けることを特徴としている。 上記第3の特徴において、稚貝耳部の後辺及び耳部側面の凹状角部の2点に設けた位置決めピンで稚貝を拘束するため、稚貝の位置決めが正確になる。また、前方位置決めピンを傾倒自在に設けることにより、耳吊り作業終了後の稚貝の移動に位置決めピンが障害となることが防止でき、稚貝の移動作業を容易にすることができる。 【0012】 また、本発明の養殖貝類の耳吊り装置は、第4に、ロープホルダーを、上下に配置した2つの半円状部材により形成し、下側の半円状部材でロープを受け、上側の半円状部材でロープを抑えるようにすることを特徴としている。 上記第4の特徴において、ロープホルダーを、上下に配置した2つの半円状部材により形成し、下側の半円状部材でロープを受け、上側の半円状部材でロープを抑えるようにすることにより、簡単な構成で安定したロープのガイド及び保持が可能となる。 【0013】 また、本発明の養殖貝類の耳吊り装置は、第5に、ロープホルダーにドリルと係止具を通す逃がし孔を設けることを特徴としている。 上記第5の特徴において、ロープホルダーにドリルと係止具を通す逃がし孔を設けることにより、ロープの保持位置の直近においてロープに貫通孔を形成することが可能となり、貫通孔の形成を正確かつ容易にすることができるとともに、ドリルガイドを別途設ける必要もなくなる。 【発明の効果】 【0014】 本発明は、以下のような優れた効果を奏する。 (1)稚貝の貝殻本体部をガイドレールで受けるようにすることにより、凸球面状をした稚貝の貝殻本体部外面をレール状の2個所で安定した支持が可能になり、ひいては稚貝の位置決めを容易に行うことができる。 (2)また、ロープをガイドし保持するロープホルダーを設けることにより、ロープにテンションをかけることなくロープを安定して保持できることから、ロープに的確に貫通孔を形成することができ、また、ロープにテンションをかけた場合に比較して貫通孔の維持が長く保てることから係止具の供給作業にゆとりを持たせることができる。 (3)ガイドレールを、ロープの方向に近づくに従い、より狭く、また、低くなるように2本の丸棒部材を配置したものとすることにより、稚貝を2本の丸棒部材に沿って滑らせ、一定の位置に収れんさせることが容易になる。また、稚貝の貝殻本体部外面の筋状凹部に沿って支持できることから、位置決めがよりやり易くなう。 (4)稚貝耳部の後辺及び耳部側面の凹状角部の2点に設けた位置決めピンで稚貝を拘束するため、稚貝の位置決めが正確になる。また、前方位置決めピンを傾倒自在に設けることにより、耳吊り作業終了後の稚貝の移動に位置決めピンが障害となることが防止でき、稚貝の移動作業を容易にすることができる。 【0015】 (5)ロープホルダーを、上下に配置した2つの半円状部材により形成し、下側の半円状部材でロープを受け、上側の半円状部材でロープを抑えるようにすることにより、簡単な構成で安定したロープのガイド及び保持が可能となる。 (6)ロープホルダーにドリルと係止具を通す逃がし孔を設けることにより、ロープの保持位置の直近においてロープに貫通孔を形成することが可能となり、貫通孔の形成を正確かつ容易にすることができるとともに、ドリルガイドを別途設ける必要がない。 (7)ロープホルダーでロープを単独で抑えることができるため、従来のように2枚の稚貝を介してロープを押圧固定する必要がないので、押圧による稚貝へのストレスを大幅に軽減することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0016】 本発明に係る養殖貝類の耳吊り装置を実施するための最良の形態を実施例に基づいて図面を参照して以下に説明する。 【実施例】 【0017】 まず、養殖貝類として代表的な帆立貝に貫通孔を形成する場合の「1枚開け」について説明する。図4に示すように、帆立貝100の耳部100aはその大部分において二枚の貝殻が重なり合った状態になっているが、耳部100aの片側には、一枚の貝殻のみからなる部分が必ず存在しており、前者の、二枚の貝殻が重なり合った部分100bに貫通孔を形成することを「二枚開け」、後者の、一枚の貝殻のみからなる部分100cに貫通孔を形成することを「一枚開け」と言い、後者の一枚開けの方が、貝の身の成長に支障を来すことが少ないため、帆立貝の成育が良いことが知られている。 【0018】 貝殻本体部100fと耳部100aとの一方の凹状角部100gを中心に考えると、この凹状角部100gのすぐ横に一枚部分100cが位置しており、これは帆立貝の大小に拘わらず、皆同じである。したがって、この凹状角部100gを基準として帆立貝100の水平方向の位置決めを行えば、必ず一枚部分100cに貫通孔を形成することができる。このため、耳吊り装置においては、凹状角部100gに第1の位置決めピンを位置させ、貫通孔の位置がロープ10の真上に位置する状態で第2の位置決めピンを耳部後辺100dに当接させ、この第1の位置決めピンに稚貝の凹状角部100gを嵌合するように当接させることによって水平方向の位置決めをする。そして、第1の位置決めピンに近接した位置で貫通孔を形成することにより、常に一枚部分100cに貫通孔を形成することができ、ひいては稚貝の成育を促進させることが可能となる。 【0019】 図5は、本発明に係る養殖貝類の耳吊り装置の要部を示す斜視図である。 図5において、養殖貝類の稚貝を位置決めする位置決め部1、1が、上記した稚貝100を耳吊りするロープ10の両側に対称的に配置されている。左側の位置決め部1は、ロープ10の下側に稚貝の耳部100aが位置するように、右側の位置決め部1は、ロープ10の上側に稚貝の耳部100aが位置するように、段違いに配置されている。これら左右の位置決め部1、1には、それぞれ稚貝100が1個ずつ、その耳部100aがロープ10の方向に向くようにして手作業あるいは自動で供給される。 稚貝100を耳吊りするロープ10は、図の左側から右側に向かって作業の1サイクルごとに1ピッチづつ間欠的に送られるようになっている。このロープ10を送り出す送り出し手段には、ロープ10にテンションをかける機構は設けられていない。また、ロープの送り手段としては、公知の手段が用いられる。 【0020】 前記稚貝100の耳部100a及びロープ10に貫通孔110を形成するためのドリル部20がロープ位置の上方に設けられている。また、稚貝100の貝殻本体部100fの略中心位置の上方には、貝押さえ30が左右対称に設けられている。さらに、ロープ10をガイドし保持するため、ドリル部20の下方位置近傍にロープホルダーが設けられている。この、ロープホルダーは、後記するように上下に配置した2つの半円状部材により形成され、下側の半円状部材でロープ10を受け、上側の半円状部材でロープを抑えるようになっており、図5では上側の半円状部材12が開いた状態で示されている。 【0021】 図6は、養殖貝類の耳吊り装置を上方から見た平面図であり、また、図7は、図6のA−A矢視図、図8は、左側の位置決め部1における稚貝、穿孔ポイントp、位置決めピン及び耳受け部材の平面的位置関係を示す平面図である。 【0022】 まず、養殖貝類の稚貝を位置決めする位置決め部1、1を説明すると、位置決め部1、1は上記したようにロープ10の両側に対称的に、また、ロープ10の上下方向に段違いに配置されている。 位置決め部1は、稚貝100の貝殻本体部100fを受けるガイドレール2及び稚貝の耳部100aを受ける耳受け部材6と、稚貝100の耳部100aの周辺が当接する位置決めピン4及び5とにより形成される。 ガイドレール2は、稚貝100の貝殻本体部100f両側縁の幅より狭い間隔で、かつ、ロープ10の方向に近づくに従い、より狭く、また、低くなるようにハ字状に配置された2本の丸棒部材3、3により形成されている。この丸棒部材には、中実の丸棒部材及び中空の丸棒部材のいずれも含まれる。 2本の丸棒部材3、3により稚貝100を所定位置に滑らして位置決めするため、丸棒部材3としては、耐摩耗性、耐食性のある金属材料から作成されるのが望ましく、例えば、ステンレス製パイプが適している。 このように、稚貝100の貝殻本体部100fを2本の丸棒部材3、3からなるガイドレール2で受けるようにすることにより、凸球面状をした稚貝100の貝殻本体部100f外面をレール状の2個所で、また、稚貝100の貝殻本体部100f外面の筋状凹部100hに沿って支持できることから、安定した支持が可能になり、ひいては稚貝100の位置決めを容易に行うことができる。また2本の丸棒部材3、3を、ロープの方向に近づくに従い、より狭く、低くなるように配置することにより、稚貝100を2本の丸棒部材3、3に沿って滑らせ、一定の位置に収れんさせることが容易になる。 【0023】 耳受け部材6は、ドリル部材20により耳部100aに貫通孔110を形成する際、耳部100aに作用する下向きの荷重を支えるものであり、図8に示すように、貫通孔110を形成する穿孔ポイントp位置近傍の耳部100aのコーナーの下側に位置して設けられる。 位置決めピンは、稚貝100の耳部後辺100dに当接する前方位置決めピン4と稚貝100の耳部側面の凹状角部100gに当接する後方位置決めピン5とより形成される。図6及び8においては、前方位置決めピン4は柱状を、後方位置決めピン5は半円柱状をしたものが示されているが、その形状は稚貝を的確に位置決めできるものであればこれに限定されることはない。これらの位置決めピンは、両方とも垂直方向に起立した状態で設置されるものであり、前方位置決めピン4はその基部において稚貝100の送り方向に傾倒自在に支持されている。この前方位置決めピン4を傾倒自在に支持する手段としては、例えば、稚貝100の送り方向に倒れるように公知のヒンジ機構を取り付け、このヒンジ機構に復帰バネを設けて前方位置決めピン4に稚貝送り方向に一定以上の荷重が作用した場合に傾倒するとともに荷重がかからない状態では垂直に復帰するような構成ものであればよく、あるいは、稚貝100の移動タイミングに合わせて自動的に傾倒及び復帰するようにしてもよい。 このように、稚貝100の耳部後辺100dと耳部側面の凹状角部100gとで位置決めすることにより稚貝100の位置決めを正確に行うことができる。また、前方位置決めピン4を傾倒自在に設けることにより、耳吊り作業終了後の稚貝100の移動に障害となることがなく、稚貝の移動作業を容易に行うことができる。 【0024】 図6及び図7を参照すると、ロープ10をガイドし保持するためのロープホルダー11がドリル部20の下方位置近傍に設けられている。このロープホルダー11は、上下に配置した2つの半円状部材12、13により形成され、下側の半円状部材13でロープ10を受け、上側の半円状部材12でロープを抑えるようになっている。 ロープホルダー11のロープを保持するための保持力は、ロープ10に貫通孔110を形成する際にロープ10が動かない程度の大きさで十分であり、それ以上の力は必要ない。上側の半円状部材12は、ロープ10を挿入する時の便宜を考慮して開閉自在な構造となっている。また、上側の半円状部材12には、ロープ10を保持する保持力を付勢する図示しないバネあるいは錘等からなる付勢手段が設けられている。 このようなロープホルダー11を設けることにより、ロープ10にテンションをかけることなくロープ10を安定して保持できることから、ロープ10に的確に貫通孔110を形成することができ、また、ロープ10にテンションをかけた場合に比較して貫通孔110の維持が長く保てることから後記する係止具40の供給作業にゆとりを持たせることができる。 【0025】 図6に示されているように、ロープホルダー11の2つの半円状部材12、13の一端には、ドリル部20の真下に位置してドリル21を通すための逃がし孔14が設けられている。この逃がし孔14は、半円状部材12、13の端部から少し内側に入り込んだ位置に設けられているため、ロープ10の貫通孔110の位置する前後を的確に保持することができる。このため、ロープ10への貫通孔110の形成を正確かつ容易にすることができる。また、逃がし孔14をドリルガイドとして用いることも可能であり、その場合は別途ドリルガイドを設ける必要がない。 【0026】 図7に示すように、ドリル部20には、上側の稚貝100、ロープ10及び下側の稚貝100に貫通孔110を形成する穿孔具としてのドリル21が設けられている。ドリル21は、支持体25に設けられた図示しないレールに沿って昇降可能となっている。 また、必要に応じて、穿孔時にドリル21が振れるのを防止するドリルガイドを設けてもよい。このドリル部20では、図示したように位置決め部1、1上で左右の稚貝100、100が位置決めされると、ドリル21が図示した位置から穿孔ポイントpへ下降してきて、上側の稚貝100の耳部100a、ロープ10及び下側の稚貝100の耳部100aに貫通孔110を形成する。 【0027】 また、このドリル部20には、ドリル21とともに下降して来て穿孔及び係止具40の刺し通し時に稚貝100を押さえ込む貝押さえ30が、上側の稚貝100及び下側の稚貝100の貝殻本体部100fのほぼ中央部に位置してそれぞれ設けられている。 この貝押さえ30は、ドリル部20とともに支持体25に支持されており、ドリル21の作動時に支持体25の下降に伴い下降して稚貝100を押さえておき、その後、ドリル21の更なる下降による稚貝100への貫通孔110の形成後も係止具40の刺し通し作業が終了するまで稚貝100の押さえを継続するものである。係止具40の刺し通し作業の終了後は、支持体25とともに上昇して次の作業に備える。 【0028】 図7に示すように、貝押さえ30は、軸31、スプリング32及び当接具33により構成されており、軸31はスプリング32により常に下向きに付勢された状態で支持体25に軸方向に移動自在に支持されている。当接具33は、ゴム等の弾性材料から形成され、円錐台の形状をしており、稚貝100の貝殻本体部100fに対して一定程度の面積を有して当接する形状となっている。 【0029】 図9は、係止具を説明するためのものであり、(a)は正面図、(b)は側面図であって、係止具40は、略棒状を呈する係止具本体41の両端にそれぞれ稚貝係止部42、43を一体に有しており、図上右側の先端側稚貝係止部42は、貫通孔110に刺し通されるのを容易ににするため銛状に形成され、図上左側の他方の後端側稚貝係止部43は係止具本体41より大径の円柱形に形成されている。係止具40は、軽量で一定程度の強さを有し、海水にに対する耐食性が要求されることから、例えば、合成樹脂から形成される。この係止具40は、図10に示すように、シート状のカートリッジ45として多数纏めて後記する係止具供給部50に装填されるものであり、カートリッジ45は多数の係止具40を平面的にかつ互いに平行に並べ、更に多数の係止具40を各係止具40の両端部に一体に繋がったランナ46をもって一連に接続したものとして形成されている。 【0030】 図11は、係止具供給部を説明するための要部斜視図である。 図11に示すように、係止具供給部50は、カートリッジ45を多数ストックするボックス上のストック部51を備えており、このストック部51の一角と並ぶようにして、係止具切離し部52と係止具移送部53とが設けられ、この係止具移送部53の供給ロータ54が略180度回転した位置に、係止具突上げ部55が設けられている。この係止具突上げ部55は上記した貫通孔110の位置の真下に位置しており、ここで係止具40を突き上げて貫通孔110に係止具40を刺し通すことになる。 なお、供給ロータ54の回転角は180度に限定されず、90度、60度に設定される場合もある。 【0031】 上記構成を備えた養殖貝類の耳吊り装置による耳吊り作業について順次以下に説明する。 (1)ロープ10を繰り出し、ロープホルダー11内を挿通させ、ロープ10の先端を図示しないロープ送り出し部に係合させる。 (2)係止具40のカートリッジ45を係止具供給部50に装填する。 (3)稚貝100、100をその耳部100aがロープ10方向を向くようにして左右の位置決め部1、1の2本の丸棒部材3、3にそれぞれ載置し、更に稚貝を丸棒部材3、3に沿って滑らせて、図8に示すように、稚貝100の耳部100aの後辺100dを前方位置決めピン4に当接させるとともに稚貝100のの凹状角部100gを後方位置決めピン5に当接させて水平方向の位置決めをし、図7に示すように、上側の稚貝100の耳部100a、ロープ10及び下側の稚貝100の耳部100aとを上下に並べる。 【0032】 (4)ドリル部20のドリル21及び貝押さえ30を支持する支持体25を、図7に示すように、下降させて貝押さえ30を稚貝100に当接させ、稚貝100、100を上方から押さえる。次に、ドリル21をロープホルダー11の逃がし孔14を通して下降させ、上側の稚貝耳部の1枚部分100c、ロープ10及び下側の稚貝耳部の1枚部分100cに貫通孔110を形成する。貫通孔110の形成後は、ドリル21を上昇させる。 (5)係止具供給部50を作動させて、係止具突上げ部55により係止具40を突き上げ、貫通孔110に下方から係止具40を刺し通す。上側の稚貝100の耳部100a、ロープ10及び下側の稚貝100の耳部100aに係止具40を刺し通した状態が図12に示されている。 (6)支持体25を上昇させて貝押さえ30を稚貝100の上方に退避させる。 (7)ロープ送り出し部を作動させ、ロープ10を図6の上方に向けて1ピッチ分送る。 ロープ10に係止された上側の稚貝100及び下側の稚貝100も1ピッチ分送られる。これにより、作業が1サイクル完了する。 (8)上記(3)から(7)までの作業を所要回数繰り返す。 【0033】 上記実施例において示した養殖貝類の耳吊り装置は一例を示したものであって、これに限定されることはない。本発明の精神を逸脱しない範囲で変更可能であり、また、各構成部材の諸形状、材質及び寸法等も設計要求に基づき種々変更が可能である。 【図面の簡単な説明】 【0034】 【図1】耳吊り養殖を説明する概略図である。 【図2】従来の養殖貝類の耳吊り装置を説明する平面図である。 【図3】従来の養殖貝類の耳吊り装置を説明する正面図である。 【図4】帆立貝に貫通孔を形成する場合について説明する平面図である。 【図5】本発明に係る養殖貝類の耳吊り装置の要部を示す斜視図である。 【図6】本発明の実施の形態に係る養殖貝類の耳吊り装置を上方から見た平面図である。 【図7】図6のA−A矢視図である。 【図8】左側の位置決め部における稚貝、穿孔ポイントp、位置決めピン及び耳受け部材の平面的位置関係を示す平面図である。 【図9】係止具を説明するための図である。 【図10】多数の係止具を平面的にかつ互いに平行に並べ両端部に一体に繋がったランナをもって一連に接続形成したしたカートリッジを示す正面図である。 【図11】係止具供給部を説明するための要部斜視図である。 【図12】上側の稚貝の耳部及び下側の稚貝の耳部を係止具によりロープに係止した状態を示す説明図である。 【符号の説明】 【0035】 1 位置決め部 2 ガイドレール 3 丸棒部材 4 前方位置決めピン 5 後方位置決めピン 6 耳受け部材 10 ロープ 11 ロープホルダー 12 上側の半円状部材 13 下側の半円状部材 14 逃がし孔 20 ドリル部 21 ドリル 25 支持体 30 貝押さえ 31 軸 32 スプリング 33 当接具 40 係止具 41 係止具本体 42 先端側稚貝係止部 43 後端側稚貝係止部 45 カートリッジ 46 ランナ 50 係止具供給部 51 ストック部 52 係止具切離し部 53 係止具移送部 54 供給ロータ 55 係止具突上げ部 100 稚貝 p 穿孔ポイント 110 貫通孔
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| 【出願人】 |
【識別番号】000101879 【氏名又は名称】イーグル工業株式会社 【識別番号】592239604 【氏名又は名称】大隆精機株式会社
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| 【出願日】 |
平成17年11月2日(2005.11.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100116506 【弁理士】 【氏名又は名称】櫻井 義宏
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| 【公開番号】 |
特開2007−124940(P2007−124940A) |
| 【公開日】 |
平成19年5月24日(2007.5.24) |
| 【出願番号】 |
特願2005−320152(P2005−320152) |
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