| 【発明の名称】 |
釣り竿 |
| 【発明者】 |
【氏名】細谷 靖典
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| 【要約】 |
【課題】塗装にかかる重量の軽減を図り、持ち重り感を軽減して、竿操作を軽快に行えるようにする点にある。
【解決手段】竿素材8の表面に複数の塗装層9,10を形成した穂先竿1、竿素材8の表面に複数の塗装層9,10を形成した中竿2、及び、竿素材8の表面に複数の塗装層9,10を形成した元竿3、夫々を連結する。穂先竿1に施される塗装層9,10の積層数よりも、中竿2の塗装層の積層数を多くし、中竿2に施される塗装層9,10の積層数よりも、元竿3の塗装層の積層数を多くする。中竿2及び元竿3の複数の塗装層に、セラミック材料を物理的又は化学的方法によって膜状に形成したセラミック製塗膜層11を備え、穂先竿1の塗装層には、セラミック製塗膜層11を備えていない。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 竿素材の表面に複数の塗装層を形成した穂先竿、竿素材の表面に複数の塗装層を形成した中竿、及び、竿素材の表面に複数の塗装層を形成した元竿、夫々を連結するとともに、穂先竿に施される塗装層の積層数よりも、中竿の塗装層の積層数を多くし、中竿に施される塗装層の積層数よりも、元竿の塗装層の積層数を同一か又は多くし、かつ、前記中竿及び元竿の複数の塗装層に、セラミック材料を物理的又は化学的方法によって形成されるセラミック製塗膜層を備え、前記穂先竿の塗装層には、前記セラミック製塗膜層を備えていない釣り竿。 【請求項2】 前記竿素材の表面に螺旋状の凹凸面を有するとともに、その上に前記複数の塗装層を形成してある請求項1記載の釣り竿。 【請求項3】 前記竿素材の表面を平坦面に形成するとともに、その上に前記複数の塗装層を形成してある請求項1記載の釣り竿。 【請求項4】 前記セラミック製塗膜層は、下塗り塗装層と上塗り塗装層とに挟まれた状態で形成されている請求項3記載の釣り竿。 【請求項5】 穂先竿を、竿素材の螺旋状凹凸面に、塗料を施した下塗り塗装層とその上に塗料を施した上塗り塗装層を形成して構成し、 中竿を、竿素材の螺旋状凹凸面に、塗料を施した下塗り塗装層を二層に亘って形成するとともに、中間層としてセラミック材料を物理的又は化学的方法によって膜状に形成したセラミック製塗膜層を形成し、その中間層の上に、塗料を施した上塗り塗装層を二層に形成して構成し、 元竿を、竿素材の螺旋状凹凸面に、塗料を施した下塗り塗装層を二層に亘って形成するとともに、前記二層の下塗り塗装層を下側に位置する第2下塗り塗装層とその上側に位置する第2下塗り塗装層とで構成し、前記第2下塗り塗装層の表面を、凹凸の無いまたは少ない平坦面に形成し、中間層として前記セラミック製塗膜層を形成し、その中間層の上に、塗料を施した上塗り塗装層を三層に亘って形成して構成してある釣り竿。 【請求項6】 前記セラミック製塗膜層が光の干渉を利用して発色する干渉薄膜層である請求項1〜5のうちいずれか一つに記載の釣り竿。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、竿素材の表面に塗装層を形成した穂先竿、竿素材の表面に塗装層を形成した中竿、及び、竿素材の表面に塗装層を形成した元竿、夫々を連結する釣り竿に関する。 【背景技術】 【0002】 穂先竿、中竿、元竿を備えた釣り竿において、各竿に金属材料を物理蒸着した装飾層を備え、中竿のみに装飾層を保護する保護層を設けていた(特許文献1参照)。 【0003】 【特許文献1】特開平11−9147号公報(段落番号〔0006〕、及び、図1、2) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 上記構成によると、元竿においては装飾層が備えられていないので、竿先側に位置する中竿部分の方が重くなる可能性があり、持ち重りする点は十分に解消できていなかった。 【0005】 本発明の目的は、穂先竿、中竿、元竿の塗装層の積層数に改善を施すことによって持ち重り感を解消するとともに、セラミック製塗膜層を施す対象に工夫を凝らすことによって、装飾性の高い美観の保持と保管時の傷がつき難い釣り竿を提供する点にある。 【課題を解決するための手段】 【0006】 〔構成〕 請求項1に係る発明の特徴構成は、竿素材の表面に複数の塗装層を形成した穂先竿、竿素材の表面に複数の塗装層を形成した中竿、及び、竿素材の表面に複数の塗装層を形成した元竿、夫々を連結するとともに、穂先竿に施される塗装層の積層数よりも、中竿の塗装層の積層数を多くし、中竿に施される塗装層の積層数よりも、元竿の塗装層の積層数を同一か又は多くし、かつ、前記中竿及び元竿の複数の塗装層に、セラミック材料を物理的又は化学的方法によって形成されるセラミック製塗膜層を備え、前記穂先竿の塗装層には、前記セラミック製塗膜層を備えていない点にあり、その作用効果は次の通りである。 【0007】 〔作用効果〕 つまり、穂先竿に施される塗装層の積層数よりも、中竿の塗装層の積層数を多くし、中竿に施される塗装層の積層数よりも、元竿の塗装層の積層数を同一か又は多くしてあるので、釣り竿としては、穂先竿から中竿、元竿と手元側に近くなるにつれて積層数が多くなり、重くなると考えられる。 また、セラミック製塗膜層は、穂先竿以外の部分に設けてある。穂先竿では、竿体として径が小さくかつ釣り操作時においては釣り人から離れた位置に位置することとなっているので、物理的又は化学的方法によって形成されるセラミック製塗膜層を施してもその装飾性や光輝性を十分に視認できないこともあり、また、これらの塗装膜と同じように薄い扱き塗装等によって塗装膜を形成することも可能であるので、持ち重り感を劣化させることとはならない。 【0008】 〔効果〕 これによって、先端側の重さを軽減できるので、持ち重りが軽減されて、竿を振り出す操作も楽になる。また、セラミック製塗膜層も必要な部分のみ設けることができ、前記した持ち重り感を阻害することとはならない。 【0009】 請求項2に係る発明の特徴構成は、請求項1に係る発明において、前記竿素材の表面に螺旋状の凹凸面を有するとともに、その上に前記複数の塗装層を形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。 【0010】 〔作用効果〕 つまり、螺旋状の凹凸面については削り取らないでそのまま上から塗装層を形成してあるので、螺旋状の凹凸面に混入する強化繊維を切断することがなく、強度低下を招かない。 【0011】 請求項3に係る発明の特徴構成は、請求項1に係る発明において、前記竿素材の表面を平坦面に形成するとともに、その上に前記複数の塗装層を形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。 【0012】 〔作用効果〕 ここでは、螺旋状の凹凸面を研削して竿素材の表面を平坦面に形成してあるので、凹凸面を研削した分だけ竿自体の軽量化が図れ、持ち重り感の解消を図ることができる。 【0013】 請求項4に係る発明の特徴構成は、請求項3に係る発明において、前記セラミック製塗膜層は、下塗り塗装層と上塗り塗装層とに挟まれた状態で形成されている点にあり、その作用効果は次の通りである。 【0014】 〔作用効果〕 物理的又は化学的方法によって形成されるセラミック製塗膜層が、下塗り塗装層の上に形成されているので、強化繊維を含んだ竿素材に直接、セラミック製塗膜層が形成される場合に比べて、セラミック製塗膜層の下に位置する下塗り塗装層での反射光線が密になり、光輝性が向上する。 一方、セラミック製塗膜層の表面と前記下塗り塗装層の表面とから反射される光線は上塗り塗装層の部分で屈折等を受けるところから、複雑な干渉等を行い、深みのある光沢を呈することとなる。 【0015】 請求項5に係る発明の特徴構成は、穂先竿を、竿素材の螺旋状凹凸面に、塗料を施した下塗り塗装層とその上に塗料を施した上塗り塗装層を形成して構成し、 中竿を、竿素材の螺旋状凹凸面に、塗料を施した下塗り塗装層を二層に亘って形成するとともに、中間層としてセラミック材料を物理的又は化学的方法によって膜状に形成したセラミック製塗膜層を形成し、その中間層の上に、塗料を施した上塗り塗装層を二層に形成して構成し、 元竿を、竿素材の螺旋状凹凸面に、塗料を施した下塗り塗装層を二層に亘って形成するとともに、前記二層の下塗り塗装層を下側に位置する第2下塗り塗装層とその上側に位置する第2下塗り塗装層とで構成し、前記第2下塗り塗装層の表面を、凹凸の無いまたは少ない平坦面に形成し、中間層として前記セラミック製塗膜層を形成し、その中間層の上に、塗料を施した上塗り塗装層を三層に亘って形成して構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。 【0016】 〔作用効果〕 穂先側程、塗装層の積層数が少なくなっているので、持ち重り感が少ない。また、セラミック製塗膜層は、穂先竿以外の部分に設けてある。穂先竿では、竿体として径が小さくかつ釣り操作時おいては釣り人から離れた位置に位置することとなっているので、物理的又は化学的方法によって形成されるセラミック製塗膜層または干渉薄膜層を施してもその装飾性や光輝性を十分に視認できないこともあり、また、これらの塗装膜と同じように扱き塗装等によって薄い塗装膜を形成することも可能であるので、持ち重り感を劣化させることとはならない。 中竿、元竿には、セラミック製塗膜層を施しているので、これらは、釣り人の手元側にあり、視認性が良好である。 【0017】 請求項6に係る発明の特徴構成は、請求項1〜5のうちいずれか一つに記載の発明において、前記セラミック製塗膜層が光の干渉を利用して発色する干渉薄膜層である点にあり、その作用効果は次の通りである。 【0018】 〔作用効果〕 セラミック製塗膜層として干渉薄膜層を形成しているので、光の干渉による多色発色が期待でき、装飾性に優れた釣り竿を提供できるにいたった。 【発明を実施するための最良の形態】 【0019】 〔第1実施形態〕 次に、鮎竿Aについて説明する。 図1に示すように、一番竿としての穂先竿1、二番竿から八番竿までの中竿2、9番竿としての元竿3とで、釣り竿としての纏まった鮎竿Aを形成する。ここに、1番竿から9番竿までの各竿を竿体と称する。 【0020】 各竿体の製造方法について説明する。 まず、図5に示すように、マンドレル4に対して、周方向に引き揃えた炭素繊維等の強化繊維cにエポキシ等の熱硬化性樹脂を含浸させたシート状プリプレグを裁断して形成した第1メインパターン5Aを第1層として巻回する。以後、軸線方向に強化繊維cを引き揃えた第2メインパターン5B、次に、周方向に強化繊維cを引き揃えた第3メインパターン5Cを巻回する。強化繊維cとしては、ガラス繊維でもよく、含浸させる樹脂としては熱可塑性樹脂であってもよい。 【0021】 第3メインパターン5Cを巻回した状態のものに、図6及び図7に示すように、ポリエステル等の成形テープ6を螺旋状に巻回し、この成形品を焼成炉7において焼成し、焼成後ウオータジェット装置等を使用して成形テープ6を剥離し、所定長さに切断して、竿素材8を構成する。竿素材8は、成形テープ6を剥離した状態であるので、図2に示すように、表面に螺旋状の凹凸面8Aが形成されている。 【0022】 以上のような構成になる竿素材8に対して複数層の塗装層を施して、穂先竿1等の竿体を構成する。塗装方法としては、図示してはいないが、塗料を吹き付ける吹き付け塗装、塗料を扱き付与する扱き塗装、真空蒸着、スパッタリングやイオンプレーティング等の物理的方法、及び、CVD等の化学的方法を使用して行われる。 【0023】 まず、穂先竿1等について説明する。図2(イ)に示すように、竿素材8の螺旋状の凹凸面8Aに対してエポキシ樹脂系の塗料を塗布して塗装層としての下塗り塗装層9を形成する。この下塗り塗装層9の上からウレタン樹脂系の塗料を塗布して塗装層としての上塗り塗装層10を形成する。下塗り塗装層9と上塗り塗装層10とは、吹き付けか又は扱き塗装方法で塗装を行う。塗装厚みは、下塗り塗装層9が約1ミクロン位であり、上塗り塗装層10は約10ミクロン位である。ここで下塗り塗装層9は、上塗り塗装層10の接着性の向上を図る為のプライマ―処理剤としての機能も担っている。 上塗り塗装層10の上には、場合によっては、クリアー層を施しても良い。上塗り塗装層10の保護のためである。 【0024】 次ぎに、中竿2等について説明する。図2(ロ)に示すように、竿素材8の螺旋状の凹凸面8Aに対してエポキシ樹脂系の塗料を塗布して第1下塗り塗装層9Aを形成する。この第1下塗り塗装層9Aの上からエポキシ樹脂系の塗料か又はウレタン樹脂系の塗料を塗布して第2下塗り塗装層9Bを形成する。第1、第2両下塗り塗装層9A、9Bは、吹き付けか又は扱き方法で塗装を行う。塗装厚みは、第1下塗り塗装層9Aが約1ミクロン位であり、第2下塗り塗装層9Bは約1ミクロンより厚いものであってもよい。ここで第1下塗り塗装層9Aは、第2下塗り塗装層9Bの接着性の向上を図る為のプライマ―処理剤としての機能も担っている。 【0025】 尚、第2下塗り塗装層9Bの表面に対しては、図2(ハ)に示すように、その表面粗さを無くす仕上げ処理を施して、後記するスパッタリング膜での反射光を鮮やかにし、光輝性を増す処理を施してもよい。この仕上処理は、成形テープ6によって形成された螺旋状の凹凸面8Aを研削して平坦面にする処理を行うものではなく、螺旋状の凹凸面8Aを残した状態で、その凹凸面8Aを含んだ面における細かい凹凸(面粗さ)を取り除く平滑処理をいうものである。また、下塗り塗装層9としては、一層だけでもよい。 【0026】 第2下塗り塗装層9Bの上には、塗装層としてのセラミック製塗膜層11(または干渉薄膜層12)を形成する。まず、セラミック製塗膜層11を採用する場合について説明する。図2(ロ)に示すように、セラミック製塗装膜11としては、セラミック材料としての窒化クロム(CrN)を材料としてスパッタリング又はイオンプレーティング等の物理的膜形成方法によって、窒化クロム(CrN)膜を生成する。窒化クロム膜の厚さとしては、約1ミクロンより薄く形成する。物理的方法による生成膜としては、窒化クロム膜以外に、酸化チタン(TiO2)や窒化チタン(TiN)であってもよい。 このセラミック製塗膜層11においては、その表面で反射した光が光輝性を発揮し、釣り人に鮮やかな色彩として認識できる。 【0027】 第2下塗り塗装層9Bの上に施すものとしては、干渉薄膜層12であってもよい。干渉薄膜層12を形成するには、ここでは図示していないが、真空蒸着法を用いて行う。 つまり、真空チャンバー内に公転しながら自転する複数の竿体を縦向き姿勢で支持したホルダーを設置し、そのホルダーに向けて蒸発させたセラミック製の蒸着物を誘導して竿体に付着させるように構成する。 【0028】 蒸発方法としては、抵抗加熱方式、電子銃方式、プラヅマ方式等あるが、適宜選択できる。竿体に付着させる蒸着物としては、前記した窒化クロム(CrN)等を採用する。窒化クロム膜の厚さとしては、約1ミクロンより薄く形成する。他の生成膜としては、窒化クロム膜以外に、酸化チタン(TiO2)や窒化チタン(TiN)、さらには、アルミナ、モリブデン等であってもよい。 【0029】 ここでの干渉薄膜層12では、図4(イ)に示すように、干渉薄膜層12の表面で反射した光線R1と第2下塗り塗装層9Bの表面で反射した光線R2との干渉を利用して補色を発生させるものであるために、層厚は厳密に管理される必要があり、望ましくは、7000オングストローム以下に抑えることが必要である。 また、図4(ロ)に示すように、干渉薄膜層12を上側干渉薄膜層12Aと下側干渉薄膜層12Bに重ねて構成することも可能であり、この場合には、下側干渉薄膜層12Bに窒化クロム(CrN)膜、上側干渉薄膜層12Aに酸化チタン(TiO2)膜を重ねて設けてもよい。この場合には、第3の光線R3も干渉作用に加わってくるので、虹色の発色を見ることができるものと考えられる。 【0030】 図2(ロ)に示すように、セラミック製塗膜層11(または干渉薄膜層12)の上には、第1上塗り塗装層10Aを形成するとともに、更に、上方に第2上塗り塗装層10Bを形成している。第1上塗り塗装層10Aとしては、ウレタン樹脂系の塗料を塗布し、第2上塗り塗装層10Bとしては、ウレタンクリヤー塗装を施して、セラミック製塗膜層11(または干渉薄膜層12)の保護を行っている。第2上塗り塗装層10Bとしては、カラークリヤーを施してもよい。又は、上塗り塗装層10としては、第1上塗り塗装層10Aか第2上塗り塗装層10Bのいずれか一方であってもよい。 【0031】 このように、セラミック製塗膜層11(または干渉薄膜層12)の上に二重の保護層を設けることによって、セラミック製塗膜層11(または干渉薄膜層12)から反射する光線が複雑な屈折模様を見せて、趣きある装飾を呈するものとなる。 【0032】 次に、元竿3等について説明する。図2(ハ)に示すように、竿素材8の螺旋状の凹凸面8Aに対してエポキシ樹脂系の塗料を塗布して第1下塗り塗装層9Aを形成する。この第1下塗り塗装層9Aの上からエポキシ樹脂系の塗料か又はウレタン樹脂系の塗料を塗布して第2下塗り塗装層9Bを形成する。両下塗り塗装層9A、9Bは、吹き付けか又は扱き塗装方法で塗装を行う。塗装厚みは、第1下塗り塗装層9Aが約1ミクロン位であり、第2下塗り塗装層9Bは約1ミクロンより厚いものであってもよい。ここで第1下塗り塗装層9Aは、第2下塗り塗装層9Bの接着性の向上を図る為のプライマ―処理剤としての機能も担っている。 ここまでは、中竿2の場合と同様である。 【0033】 尚、第2下塗り塗装層9Bを施す前に、第1下塗り塗装層9Aの表面に対して研削処理を施す。つまり、竿素材8の表面に刻設された螺旋状の凹凸面8Aの影響を取り除くべく、研削処理を施して、その凹凸面8Aが存在しない平坦面にする。そして、更に、第2下塗り塗装層9Bの表面に対しては、その表面粗さを無くす仕上げ処理を施して、後記するスパッタリング膜での反射光を鮮やかにする処理を施す。この仕上処理は、前記した平坦面における細かい凹凸(面粗さ)を取り除く平滑処理をいうものである。また、下塗り塗装層9としては、一層だけでもよい。 【0034】 第2下塗り塗装層9Bの上には、中竿2と同様に、セラミック製塗膜層11(または干渉薄膜層12)を形成する。塗装方法等は中竿2の場合と同様であるので、ここでは、割愛する。 【0035】 図2(ハ)に示すように、セラミック製塗膜層11(または干渉薄膜層12)の上には、第1上塗り塗装層10Aを形成するとともに、その上方に第2上塗り塗装層10Bを形成し、更に、その上方に第3上塗り塗装層10Cを形成している。第1上塗り塗装層10Aとしては、ウレタン樹脂系のクリヤーを塗布しセラミック製塗膜層11(または干渉薄膜層12)の保護を図る。第2上塗り塗装層10Bとしては、ウレタン樹脂系の塗料か、カラークリヤー、又はウレタンクリヤー塗装を施して、セラミック製塗膜層11(または干渉薄膜層12)の保護を行っている。第3上塗り塗装層10Cとしては、ウレタン樹脂系の塗料か、又はウレタンクリヤー塗装を施して、セラミック製塗膜層11(または干渉薄膜層12)の保護を行っている。 【0036】 或いは、上塗り塗装層10としては、第1上塗り塗装層10Aと第2上塗り塗装層10Bの組み合わせか、または、第2上塗り塗装層10Bか第3上塗り塗装層10Cのいずれか一方の組み合わせを選択し、二層の上塗り塗装層としてもよい。以上のように、穂先竿1が塗装構造として二層構造であり、中竿2や元竿3等が5層以上の構造を採っており、大径竿体の方が塗装層を多くもっている。 【0037】 〔第2実施形態〕 穂先竿1の塗装構造について説明する。ここでは、図3(イ)に示すように、第1実施形態で残した竿素材8の螺旋状凹凸面8Aを研削処理によって除去する。螺旋状凹凸面8Aを除去した竿素材8の平坦表面に第1実施形態の場合と同様に、下塗り塗装層9と上塗り塗装層10とを施す。そして、この場合には、上塗り塗装層10の上に更にクリアー層13を設ける。ここでは、螺旋状凹凸面8Aを研削によって削っているので、最上層にクリアー層13を設けても、さほど、穂先竿1としての重量増は招来しないと考えられる。 【0038】 そして、図3(ロ)に示すように、中竿2、元竿3としては、第1実施形態で示した、中竿2の塗装層を採用するか、又は、元竿3の塗装層を採用するか、のいずれか一方を採用して、中竿2と元竿3の塗装層とする。ここでは、竿素材8の螺旋状凹凸面8Aを研削処理によって除去し平坦面にした状態で、下塗り塗装層9を二層9A、9B設け、第2下塗り塗装層9Bの上にセラミック製塗膜層11(または干渉薄膜層12)を設け、さらに、セラミック製塗膜層11(または干渉薄膜層12)の上に、第1上塗り塗装層10Aと第2上塗り塗装層10Bとを重ねる。したがって、中竿2と元竿3とは同じ塗装層を採用する。 【0039】 〔別実施形態〕 (1) 第1実施形態における中竿2、元竿3においては、セラミック製塗膜層11(または干渉薄膜層12)を設けることとしたが、これらの塗装膜11,干渉薄膜12を設けなくともよい。但し、中竿2、元竿3において、穂先竿1より塗装膜の積層数が多いものでなくてはならない。 (2) 第1実施形態において、セラミック製塗膜層11(または干渉薄膜層12)を設けるにあたって、光輝性を向上させるために、第2下塗り塗装層9Bの表面に平滑処理を施しているが、光輝性が特に要求されてなければ、平滑処理は必要ではない。 【図面の簡単な説明】 【0040】 【図1】鮎竿を示す側面図 【図2】(イ)は穂先竿の塗装層を示す縦断側面図、(ロ)は中竿の塗装層を示す縦断側面図、(ハ)は元竿の塗装層を示す縦断側面図 【図3】図2における竿素材の螺旋状凹凸面を研削して平坦面にしたものに塗装層を形成したものであり、(イ)は穂先竿の塗装層を示す縦断側面図、(ロ)は中竿及び元竿の塗装層を示す縦断側面図 【図4】干渉薄膜層での干渉状態を示すものであり、(イ)は干渉薄膜層を一層分形成した状態を示す縦断側面図、(ロ)は干渉薄膜層を二層分形成した状態を示す縦断側面図 【図5】マンドレルに第1層から第3層を巻き付ける前の状態を示す側面図 【図6】成形テープを巻回する状態を示す斜視図 【図7】焼成する状態を示す作用図 【符号の説明】 【0041】 1 穂先竿 2 中竿 3 元竿 8 竿素材 8A 螺旋状の凹凸面 9 下塗り塗装層 10 上塗り塗装層 11 セラミック製塗膜層 12 干渉薄膜層
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002439 【氏名又は名称】株式会社シマノ
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| 【出願日】 |
平成17年10月18日(2005.10.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2007−110925(P2007−110925A) |
| 【公開日】 |
平成19年5月10日(2007.5.10) |
| 【出願番号】 |
特願2005−303176(P2005−303176) |
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