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【発明の名称】 ペット洗浄用バスタブ
【発明者】 【氏名】平野 義孝

【要約】 【課題】バスタブの洗浄時に、バスタブの周囲に洗浄水が飛び散るのを防止することができ、更にバスタブの内側面を容易に洗浄可能なペット洗浄用バスタブを提供すること。

【解決手段】バスタブ1の内側面2sに、該内側面2sを洗浄する洗浄水34を噴出する複数個の噴出ノズル33がその噴出口33aをバスタブ1内方に向けて水平方向に間隔をおいて配置されている。さらに、バスタブ1の内側面2sに、所定長さのカバー体31が複数個の噴出ノズル33の噴出口33aを一括して覆う状態に水平に取り付けられている。バスタブ1の内側面2sとカバー体31との間に、複数個の噴出ノズル33の噴出口33aから噴出された洗浄水34を一時的に溜める貯水室37が形成されている。バスタブ1の内側面2sとカバー体31の下先端部31yとの間に、貯水室37内の洗浄水34がバスタブ1の内側面2s上を膜状に流下するように流出する隙間32が、カバー体31の長さ方向に連続して形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バスタブの内側面に、該内側面を洗浄する洗浄水を噴出する複数個の噴出ノズルがその噴出口をバスタブ内方に向けて水平方向に間隔をおいて配置されるとともに、
前記バスタブの内側面に、所定長さのカバー体が前記複数個の噴出ノズルの噴出口を一括して覆う状態に水平に取り付けられ、
前記バスタブの内側面と前記カバー体との間に、前記複数個の噴出ノズルの噴出口から噴出された洗浄水を一時的に溜める貯水室が前記カバー体の長さ方向に連続して形成されるとともに、
前記バスタブの内側面と前記カバー体の下先端部との間に、前記貯水室内の洗浄水が前記バスタブの内側面上を膜状に流下するように流出する隙間が、前記カバー体の長さ方向に連続して形成されていることを特徴とするペット洗浄用バスタブ。
【請求項2】
前記バスタブの内部に底板が水平状に配置されており、
前記底板の上面に向けて、該底板の上面を洗浄する洗浄水を噴出する第2噴出ノズルを備えている請求項1記載のペット洗浄用バスタブ。
【請求項3】
前記底板は、該底板を水平状に吊下げ支持した吊下げアームを介して、前記バスタブの外側に配置された昇降装置により昇降されるものとなされており、
前記第2噴出ノズルは前記吊下げアームに設けられている請求項2記載のペット洗浄用バスタブ。
【請求項4】
前記複数個の噴出ノズルは、前記バスタブの外側面側に該外側面に沿って水平に配置され且つ前記噴出ノズルに洗浄水を供給する洗浄水供給管の周面部に、洗浄水供給管の長さ方向に間隔をおいて接続されるとともに、
前記複数個の噴出ノズルが、前記バスタブの側壁部に貫通状に設けられた複数個のノズル挿通孔内にそれぞれバスタブの外側面側からバスタブの内側面側に水密状態に挿通されることにより、前記複数個の噴出ノズルが前記バスタブの内側面に配置されている請求項1〜3のいずれか1項記載のペット洗浄用バスタブ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項記載のペット洗浄用バスタブを備えていることを特徴とするペット洗浄システム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、犬、猫等のペットの洗浄時に使用されるペット洗浄用バスタブに関し、詳述すると、バスタブの内側面を洗浄するバスタブ洗浄装置を備えたペット洗浄用バスタブ及びペット洗浄システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般家庭やペット美容室等では、犬、猫等のペットを洗浄する場合、ペットに向けて噴射されるシャワー水等の洗浄水が周囲に飛び散らないようにするため、ペットを洗浄用バスタブ内に入れて洗浄が行われている(例えば特許文献1及び2参照)。
【0003】
このペット洗浄用バスタブを使用してペットを洗浄すると、ペットから多数の毛がバスタブの内部に抜け落ち、バスタブが不衛生になる。
【0004】
そこで、ペットを洗浄した後には、一般に、バスタブの内部を清潔にするためバスタブの内側面を洗浄してバスタブ内側面に付着したペットの毛等の付着物を除去することが行われている。
【0005】
而して、従来のペット洗浄用バスタブでは、バスタブの内側面を洗浄する場合には、ペットを洗浄するためのシャワー水を噴出するシャワーヘッドを片手で持ち、バスタブの内側面に向けてこのシャワーヘッドからシャワー水を噴出させることにより、バスタブの内側面に付着したペットの毛等の付着物を洗い流していた。
【特許文献1】特開平11−187782号公報
【特許文献2】特開2001−224269号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、この洗浄方法によれば、シャワーヘッドから噴出したシャワー水がバスタブの内側面にぶつかってバスタブの周囲に飛び散ることがあり、その結果、バスタブを設置した床面があたかも水を撒き散らしたような状態に濡れてしまうことがあった。そのため、せっかく綺麗に洗浄して更にはドライヤーで乾燥させたペットの脚が、床面上の水で再度汚れてしまうことがあった。
【0007】
また、シャワー水でバスタブの内側面を洗浄できる領域は、バスタブの内側面におけるシャワー水が降りかかる部分であることから、バスタブの内側面の略全体を洗浄するためには、バスタブの内側面の略全体にシャワー水が降りかかるように、シャワーヘッドを上下左右に振る必要があり、煩わしい洗浄作業が強いられていた。
【0008】
本発明は、上述した技術背景に鑑みてなされたもので、その目的は、バスタブの洗浄時に、バスタブの周囲に洗浄水が飛び散るのを防止することができ、しかもバスタブの内側面を容易に洗浄可能なペット洗浄用バスタブ及びこれを備えたペット洗浄システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は以下の手段を提供する。
【0010】
[1] バスタブの内側面に、該内側面を洗浄する洗浄水を噴出する複数個の噴出ノズルがその噴出口をバスタブ内方に向けて水平方向に間隔をおいて配置されるとともに、
前記バスタブの内側面に、所定長さのカバー体が前記複数個の噴出ノズルの噴出口を一括して覆う状態に水平に取り付けられ、
前記バスタブの内側面と前記カバー体との間に、前記複数個の噴出ノズルの噴出口から噴出された洗浄水を一時的に溜める貯水室が前記カバー体の長さ方向に連続して形成されるとともに、
前記バスタブの内側面と前記カバー体の下先端部との間に、前記貯水室内の洗浄水が前記バスタブの内側面上を膜状に流下するように流出する隙間が、前記カバー体の長さ方向に連続して形成されていることを特徴とするペット洗浄用バスタブ。
【0011】
[2] 前記バスタブの内部に底板が水平状に配置されており、
前記底板の上面に向けて、該底板の上面を洗浄する洗浄水を噴出する第2噴出ノズルを備えている前項1記載のペット洗浄用バスタブ。
【0012】
[3] 前記底板は、該底板を水平状に吊下げ支持した吊下げアームを介して、前記バスタブの外側に配置された昇降装置により昇降されるものとなされており、
前記第2噴出ノズルは前記吊下げアームに設けられている前項2記載のペット洗浄用バスタブ。
【0013】
[4] 前記複数個の噴出ノズルは、前記バスタブの外側面側に該外側面に沿って水平に配置され且つ前記噴出ノズルに洗浄水を供給する洗浄水供給管の周面部に、洗浄水供給管の長さ方向に間隔をおいて接続されるとともに、
前記複数個の噴出ノズルが、前記バスタブの側壁部に貫通状に設けられた複数個のノズル挿通孔内にそれぞれバスタブの外側面側からバスタブの内側面側に水密状態に挿通されることにより、前記複数個の噴出ノズルが前記バスタブの内側面に配置されている前項1〜3のいずれか1項記載のペット洗浄用バスタブ。
【0014】
[5] 前項1〜4のいずれか1項記載のペット洗浄用バスタブを備えていることを特徴とするペット洗浄システム。
【発明の効果】
【0015】
本発明は以下の効果を奏する。
【0016】
[1]の発明では、複数個の噴出ノズルの噴出口はカバー体により覆われているので、バスタブの内側面の洗浄時に噴出ノズルの噴出口から噴出された洗浄水がバスタブの周囲に飛び散るのを防止することができる。
【0017】
さらに、噴出ノズルの噴出口から洗浄水を噴出させると、この洗浄水は、バスタブの内側面とカバー体との間に形成された貯水室内に一時的に溜められたのち、バスタブの内側面とカバー体の下先端部との間の隙間から流出してバスタブの内側面上を膜状に流下する。このように洗浄水がバスタブの内側面上を膜状に流下することにより、バスタブの内側面に付着したペットの毛等の付着物が洗い流される。そのため、バスタブの内側面の略全体を容易に洗浄することができる。
【0018】
[2]の発明では、更に、バスタブの内部に配置された底板の上面についても洗浄することができる。そのため、バスタブの内部をより一層清潔にすることができる。
【0019】
[3]の発明では、底板は昇降可能であることから、ペットの体高に応じて、洗浄作業者が楽な姿勢で洗浄作業を行えるように底板の高さ位置を調節することができる。
【0020】
さらに、底板を昇降させる昇降装置はバスタブの外側に配置されているので、次の利点がある。すなわち、ペット洗浄時にバスタブ内部に抜け落ちるペットの毛が原因で生じる底板の昇降動作の不具合や昇降装置の故障を防止することができる。しかも、ペットを洗浄した後でバスタブを清潔にするためにバスタブの内部を清掃するときに昇降装置が邪魔になることはないので、バスタブ内部の清掃を更に容易に行うことができる。さらに、昇降装置のメンテナンス作業についても行い易いし、その上、もし仮に昇降装置が何らかの原因で故障した場合であっても、その修理を行い易いという利点がある。
【0021】
加えて、第2噴出ノズルは吊下げアームに設けられているので、底板を昇降させると、この底板と一緒に第2噴出ノズルも昇降される。そのため、底板の高さ位置に関係なく底板の上面に向けて洗浄水を噴出することができ、もって底板の上面を確実に洗浄することができる。
【0022】
[4]の発明では、バスタブの内側面を洗浄する洗浄水を噴出する複数個の噴出ノズルを有する洗浄装置について、その構成の簡素化を図ることができる。
【0023】
[5]の発明では、本発明のペット洗浄用バスタブの利点を有するペット洗浄システムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に、本発明の一実施形態について図面を参照して以下に説明する。
【0025】
図1において、(50)は、本発明の一実施形態に係るペット洗浄システムである。このペット洗浄システム(50)は、100円硬貨や500円硬貨等のコインの投入料金に応じて、ペットを洗浄する洗浄水(即ちペット洗浄用洗浄水)の供給時間が設定されるように構成されたものであり、すなわちコイン式ペット洗浄システムである。本実施形態では、ペット洗浄用洗浄水として、水道水等からなるシャワー水が用いられる。
【0026】
このペット洗浄システム(50)は、底板昇降式ペット洗浄用バスタブ(1)を具備しており、このバスタブ(1)内において、犬、猫等のペットが洗浄されるものである。
【0027】
さらに、このペット洗浄システム(50)は、バスタブ(1)の内側面を洗浄するバスタブ洗浄装置(30)を備えている。このバスタブ洗浄装置(30)の構成は後述する。
【0028】
バスタブ(1)は、平面視四角形状の例えばFRP製のもので、前側壁部(2a)と後側壁部(2b)と左側壁部(2c)と右側壁部(2d)と底壁部(2e、図5参照)とを有している。このバスタブ(1)では、ペット洗浄時にはペットの飼い主等の洗浄作業者は主に前側壁部(2a)の外側に立ち、バスタブ(1)の前側から洗浄作業が行われる。また、このバスタブ(1)は、ペット洗浄用ユニットハウス(図示せず)内のバスタブ設置床面(F)上に設置されている。そして、このバスタブ(1)は、下方突出状の複数個のバスタブ支持脚部(3)(3)によってバスタブ設置床面(F)に対して上方に離間して支持されている。
【0029】
バスタブ(1)の内部には、図3及び図5に示すように、軽量強化樹脂製等の底板(5)が水平状に配置されている。このバスタブ(1)では、ペットはこの底板(5)上に乗せられて洗浄される。この底板(5)は、図3に示すように、複数枚(本実施形態では4枚)の平板材からなるすのこ状のものであって、底板(5)には、該底板(5)上のシャワー水(即ちペット洗浄用洗浄水)が落下する開口部(5a)が複数個設けられている。
【0030】
また、このバスタブ(1)は、底板(5)を水平状に吊下げ支持する左右一対の吊下げアーム(21)(21)と、底板(5)を昇降させる昇降装置(20)とを具備している。
【0031】
昇降装置(20)は、バスタブ(1)の外側に配置されており、詳述するとバスタブ(1)の後側壁部(2b)の外側、即ちバスタブ(1)の後側に配置されている。
【0032】
この昇降装置(20)は、図4に示すように、左右一対のガイドレール(22)(22)と、上下一対の昇降フレーム(23a)(23b)と、ロッド駆動手段(24)とを備えている。
【0033】
左右一対のガイドレール(22)(22)は、図1及び図4に示すように、バスタブ(1)の後側壁部(2b)の外側すなわちバスタブ(1)の後側に互いに所定間隔をおいてバスタブ設置床面(F)上に鉛直に立設されたものであって、支柱からなる。各ガイドレール(22)は、例えばリップ付溝形ステンレス鋼材からなり、ガイドレール(22)の長さ方向に延びたガイド溝(22a)を有している。なお、(28)(28)は、両ガイドレール(22)(22)の上端同士及び下端同士をそれぞれ連結して補強した補強フレームである。
【0034】
上下一対の昇降フレーム(23a)(23b)は、両ガイドレール(22)(22)に沿って昇降可能なものであり、両ガイドレール(22)(22)間に上下に水平に並んで架け渡し状に配置されるとともに、両ガイドレール(22)(22)に沿って昇降可能に両ガイドレール(22)(22)と連結されている。両昇降フレーム(23a)(23b)の左端同士及び右端同士は、それぞれ、左右の連結フレーム(23c)(23c)を介して相互に連結されており、これにより、両昇降フレーム(23a)(23b)は両連結フレーム(23c)(23c)を介して互いに一体化されている。
【0035】
なお本発明では、昇降フレーム(23a)(23b)の個数は少なくとも1個であれば良く、つまり1個であっても良いし、2個や3個以上であっても良い。
【0036】
ロッド駆動手段(24)は、図4及び図6に示すように、軸方向に移動可能なロッド(25)と、該ロッド(25)を内部に収容するパイプ状の収容部(26)と、ロッド(25)に駆動力を付与する駆動源としての電気モータ(27)とを有している。本実施形態では、ロッド(25)は例えばボールねじからなる。ロッド(25)及び収容部(26)は鉛直に配置されている。ロッド(25)は収容部(26)内に収容されるとともに、電気モータ(27)の駆動力によってロッド(25)が収容部(26)内から突出したり、突出したロッド(26)が収容部(26)内に収容されたりするものとなされている。
【0037】
ロッド(25)の先端部(即ち上端部)は、上下両昇降フレーム(23a)(23b)のうち下昇降フレーム(23b)に連結されている。収容部(26)の下端は、下補強フレーム(28)に固定状態に連結されている。電気モータ(27)は、収容部(26)の下部に装着されている。そして、この電気モータ(27)を作動させることにより、ロッド(25)は上下方向(即ち該ロッド(25)の軸方向)に移動され、このロッド(25)の移動に伴い、両昇降フレーム(23a)(23b)が両ガイドレール(22)(22)に沿って昇降されるものとなされている。
【0038】
なお本実施形態では、ロッド駆動手段(24)は、ボールねじを利用したもであるが、本発明では、これ以外のものであっても良く、例えば、油圧シリンダやガスシリンダ等の流体圧シリンダであっても良い。
【0039】
左右一対の吊下げアーム(21)(21)は、図1に示すように、上下両昇降フレーム(23a)(23b)のうちの上昇降フレーム(23a)の左右両端部からバスタブ(1)の内部(詳述すると底板(5))に向かって下方向に延設されるとともに、図5に示すように、その先端部(21a)(21a)が水平状に屈曲されている。そして、この水平状の先端部(21a)上に底板(5)が載置されて固着されており、これにより、底板(5)は、上昇降フレーム(23a)から吊下げアーム(21)(21)によって水平状に吊下げ支持されている。この上昇降フレーム(23a)は底板(5)よりも高い位置に配置されている。
【0040】
なお本発明では、吊下げアーム(21)(21)の個数は少なくとも1個であれば良く、つまり1個であっても良いし、2個や3個以上であっても良い。
【0041】
以上のように昇降装置(20)が構成されており、これにより、底板(5)が確実に昇降動作するものとなされている。
【0042】
図1に示すように、バスタブ(1)の外側(詳述すると左側)には、バスタブ(1)に隣接して制御ボックス(40)が配置されている。この制御ボックス(40)内には、昇降装置(20)を制御する制御部、料金装置の制御部、ペット洗浄用洗浄水としてのシャワー水の供給時間を制御する制御部、バスタブ洗浄装置(30)の制御部など、様々な制御部が収容されている。
【0043】
制御ボックス(40)の上面パネルや前面パネルには、シャワー水供給スイッチ(42)、バスタブ洗浄装置(30)の動作スイッチ(45)等の様々なスイッチをはじめ、デジタル表示部(43)、コイン投入口(41)等が設けられている。デジタル表示部(43)にはシャワー水を供給できる残り時間等が表示される。(44)は、シャワー水供給管(図示せず)を開閉したりシャワー水の温度を調節するミキシングバルブである。(15)は、シャワー水を噴出するシャワーヘッドである。
【0044】
また、バスタブ(1)の外面(詳述すると前面)には、昇降装置(20)を作動させて底板(5)を昇降させる昇降操作レバー(14)が設けられている。この昇降操作レバー(14)はモノレバースイッチからなる。そして、この昇降操作レバー(14)を下方に押すと、昇降装置(20)が降作動して底板(5)が吊下げアーム(21)(21)を介して下降し、一方、この昇降操作レバー(14)を上方に押すと、昇降装置(20)が昇動作して底板(5)が吊下げアーム(21)(21)を介して上昇するものとなされている。そして、この昇降操作レバー(14)を中央位置に戻すと、底板(5)の昇降移動が停止して底板(5)がそのときの高さ位置に配置されるものとなされている。すなわち、この昇降操作レバー(14)を操作することにより、底板(5)の高さ調節が行われる。
【0045】
バスタブ(1)の前側壁部(2a)の一部(詳述すると中央部)には、その上縁から下方に向かって正面視略U字状に切欠き形成された、バスタブの出入口(6)が設けられている。この出入口(6)を通ってペットをバスタブ(1)内に入れたり出したりする。
【0046】
さらに、この出入口(6)には、該出入口(6)を閉塞する、正面視長方形又は正方形の板状のFRP製等の出入扉(7)がその下縁部を中心にバスタブ(1)の外側(詳述すると前方)へ倒伏回動可能に取り付けられている。すなわち、出入扉(7)の下縁部はヒンジ部材(7a)(7a)を介して出入口(6)の下縁部に連結されており、これにより、出入扉(7)はその下縁部(詳述するとヒンジ部材(7a)(7a))を中心にバスタブ(1)の前方へ倒伏回動可能となされている(図5参照)。したがって、出入扉(7)は、出入口(6)を閉塞した状態では起立姿勢となっており、図5に示すように、この姿勢から倒伏姿勢へと出入扉(7)の姿勢を変更することができる。本実施形態では、出入扉(7)の倒伏姿勢は、水平姿勢よりも更に下方に回動した姿勢である。したがって、出入扉(7)の倒伏姿勢では、該出入扉(7)の内面は、バスタブ設置床面(F)上からバスタブ(1)内の底板(5)上へと進む方向において所定の上り勾配をもっている。
【0047】
さらに、図5に示すように、このように出入扉(7)が倒伏されて出入口(6)が開いた状態では、この出入扉(7)は、ペットがバスタブ設置床面(F)上からバスタブ(1)内の底板(5)上に乗り降りするための乗降板として機能するように構成されている。本実施形態では、出入扉(7)は、各種の乗降板のうちスロープ板として機能するように構成されている。さらに、この出入扉(7)の内面は、出入扉(7)が倒伏姿勢になった場合には上側に向く面であるが、この面には、踏み板部等の複数個の滑り止め用突部(7b)が階段状に設けられている。
【0048】
さらに、図1に示すように、出入扉(7)の上縁部の左右両端部にはそれぞれ、出入口(6)を閉塞した状態に出入扉(7)をロック及びロック解除するための真直なロック操作棒(8)が取り付けられている。このロック操作棒(8)はステンレス鋼等の金属製である。図2に示すように、このロック操作棒(8)の基端部には、該ロック操作棒(8)に対して垂直にロックボルトン(9)が一体に設けられている。ロック操作棒(8)は、このロックボルト(9)を回転軸として出入扉(7)に対して前方へ回転自在にブラケット(12)を介して出入扉(7)に取り付けられている。一方、バスタブ(1)の前側壁部(2a)における、ロックボルト(9)と対応する位置、すなわち、バスタブ(1)の前面の上縁部における出入口(6)左右両側部には、ロック孔(11)を有する突片(10)が固着されている。そして、ロック操作棒(8)を手で掴んでロックボルト(9)をロック孔(11)内にスライド挿入することにより、出入扉(7)は出入口(6)を閉塞した状態にロックされ、一方、ロックボルト(9)をロック孔(11)内からスライド抜出することにより、このロックは解除されるものとなされている。
【0049】
さらに、このロック操作棒(8)は、図5に示すように、倒伏姿勢の出入扉(7)をその姿勢にバスタブ設置床面(F)に対して出入扉(7)の上縁部が上方に離間するように支持する支持脚としても機能するように構成されている。なお、ロック操作棒(8)が支持脚として機能する位置までロック操作棒(8)がロックボルト(9)(即ち回転軸)を中心に回転した場合には、ロック操作棒(8)がこれ以上回転しないようにストッパ片(13、図2参照)によってロック操作棒(8)の回転が規制されるように構成されている。このストッパ片(13)はロックボルト(9)に突設されている。
【0050】
また、このようにロック操作棒(8)によって出入扉(7)を倒伏姿勢に支持した状態のもとで、出入扉(7)の勾配がペットが乗り降りし易い勾配になるように、ロック操作棒(8)の長さが設定されている。
【0051】
なお、図1において、(16)はバスタブ(1)の排水口である。この排水口(16)は、図示しない排水タンクに毛除去フィルタ等を介して接続されている。
【0052】
次に、バスタブ洗浄装置(30)の構成について図8〜図10を参照して以下に説明する。
【0053】
バスタブ洗浄装置(30)は、バスタブ(1)の内側面を洗浄するものであり、本実施形態では、バスタブ(1)の前後左右の四側壁部(2a)(2b)(2c)(d)のうち、後側壁部(2b)と左側壁部(2c)と右側壁部(2d)とにおける内側面をそれぞれ洗浄するものである。各内側面を洗浄するバスタブ洗浄装置(30)の構成は互いに同じであり、代表として後側壁部(2b)の内側面すなわち後内側面(2s)を洗浄するバスタブ洗浄装置(30)の構成について以下に説明する。
【0054】
バスタブ(1)の後内側面(2s)の上端部には、図9及び図10に示すように、複数個の噴出ノズル(33)がその噴出口(33a)をバスタブ(1)の内方に向けて水平方向に等間隔に配置されている。各噴出ノズル(33)の噴出口(33a)からは、図9に示すように、バスタブ(1)の後内側面(2s)を洗浄する洗浄水(34)(即ちバスタブの内側面洗浄用洗浄水)が噴出される。この洗浄水(34)は、ペット洗浄用洗浄水とは異なる種類の水が用いられ、例えば銀イオン殺菌水からなる。この銀イオン殺菌水からなる洗浄水を使用することにより、洗浄力が向上し、もってバスタブ(1)の後内側面(2a)を効果的に洗浄することができる。
【0055】
なお本発明では、噴出ノズル(33)の間隔は等間隔であることが望ましいが、必ずしも等間隔であることに限定されるものではない。
【0056】
さらに、バスタブ(1)の後内側面(2s)の上端部には、所定長さのカバー体(31)が、複数個の噴出ノズル(33)の噴出口(33a)を一括して覆う状態に、バスタブ(1)の後内側面(2s)の幅方向に水平にネジ(36)により取外し可能に取り付けられている。
【0057】
さらに、この取付け状態において、バスタブ(1)の後内側面(2s)とカバー体(31)との間には、複数個の噴出ノズル(33)の噴出口(33a)から噴出された洗浄水(34)を一時的に溜める貯水室(38)が、カバー体(31)の長さ方向に連続して形成されている。この貯水室(38)は、バスタブ(1)の後内側面(2s)とカバー体(31)との間に形成された空洞部からなり、カバー体(31)の全長に亘って形成されている。
【0058】
図10において、(36b)は、カバー体(31)をバスタブ(1)の後内側面(2s)に取り付けるためのネジ(36)が挿通される、カバー体(31)に設けられたネジ挿通孔である。(36a)は、このネジ(36)と螺合するネジ孔である。このネジ孔(36a)は、バスタブ(1)の後側壁部(2b)に設けられている。そして、このネジ孔(36a)からネジ(36)を抜出することにより、カバー体(31)をバスタブ(1)の後内側面(2s)から取り外すことができる。このように、カバー体(31)はバスタブ(1)の後内側面(2s)に取外し可能に取り付けられており、したがって、バスタブ洗浄装置(30)をメンテナンスする際にカバー体(31)を取り外すことにより、カバー体(31)の内面や噴出ノズル(33)の噴出口(33a)に付着した水垢等の汚れを容易に除去することができる。
【0059】
カバー体(31)は、例えばステンレス鋼製であり、その長さは、バスタブ(1)の後内側面(2s)の幅と略同じ長さであり、詳述すると、バスタブ(1)の後内側面(2s)の幅寸法に対して60〜100%(特に好ましくは80〜100%)の範囲に設定されている。
【0060】
また、図9に示すように、このカバー体(31)は断面略コ字状である。詳述すると、このカバー体(31)は、噴出ノズル(33)の噴出口(33a)の前方にバスタブ(1)の後内側面(2s)と平行状に配置される前板部(31a)と、該前板部(31a)の上縁から前板部(31a)に対して前板部(31a)の内面側に所定の角度(本実施形態では鈍角)をなして連設された上板部(31b)と、前板部(31a)の下縁から前板部(31a)の内面側に所定の角度(本実施形態では直角)をなして連設された下板部(31c)とを有している。さらに、図1に示すように、このカバー体(31)の長さ方向両端部はそれぞれ端板部(31d)により閉塞されている。
【0061】
そして、カバー体(31)がバスタブ(1)の後内側面(2s)に取り付けられた状態において、カバー体(31)の上先端部(31x)、すなわちカバー体(31)の上板部(31b)の先端部(31x)は、バスタブ(1)の後内側面(2s)に貯水室(37)内の洗浄水(34)が漏出しないように当接されている。
【0062】
一方、カバー体(31)の下先端部(31y)、すなわちカバー体(31)の下板部(31c)の先端部(31y)と、バスタブ(1)の後内側面(2s)との間には、貯水室(37)内の洗浄水(34)がバスタブ(1)の後内側面(2s)上を膜状に流下するように流出する隙間(32)が、カバー体(31)の長さ方向に連続して形成されている。この隙間(32)は詳述するとカバー体(31)の全長に亘って形成されている。(W)は、バスタブ(1)の後内側面(2s)上を流下する洗浄水(34)からなる水膜である。
【0063】
この隙間(32)から洗浄室(37)内の洗浄水(34)が流出したときに洗浄水(34)が膜状にバスタブ(1)の後内側面(2s)上を流下するようにするため、この隙間(32)の幅は、1〜2mm(特に好ましくは1.2〜1.5mm)の範囲に設定されるのが望ましい。さらに、これと同じ理由により、複数個の噴出ノズル(33)の間隔は、100〜200mm(特に好ましくは130〜170mm)の範囲に設定されるのが望ましい。ただし本発明では、隙間(32)の幅及び噴出ノズル(33)の間隔はそれぞれ上記の範囲であることに限定されるものではない。
【0064】
また、図4、図9及び図10に示すように、バスタブ(1)の後外側面(2t)側(即ち後側壁部(2b)の外側面側)には、複数個の噴出ノズル(33)に洗浄水(34)を供給する洗浄水供給管(35)が、バスタブ(1)の後外側面(2t)に沿って水平に配置されるとともに、図示しない固定具によりバスタブ(1)の後外側面(2t)に固定されている。そして、図10に示すように、この洗浄水供給管(35)の周面部に、複数個の噴出ノズル(33)が洗浄水供給管(35)の長さ方向(即ち水平方向)に等間隔に洗浄水供給管(35)内の流路(35a)と連通状態に接続されている。さらに、この洗浄水供給管(35)の端部には洗浄水供給ポンプ(図示せず)が連結されている。そして、この洗浄水供給ポンプの動力によって洗浄水供給管(35)内の洗浄水(34)が噴出ノズル(33)に供給されてその噴出口(33a)から連続的に噴出されるように構成されている。
【0065】
また、バスタブ(1)の後側壁部(2b)には、噴出ノズル(33)の個数と同じ個数のノズル挿通孔(2n)が、該後側壁部(2b)の厚さ方向に貫通して設けられている。そして、複数個の噴出ノズル(33)がそれぞれノズル挿通孔(2n)内にバスタブ(1)の後外側面(2t)側からバスタブ(1)の後内側面(2s)側に水密状態に挿通されている。このようにして複数個の噴出ノズル(33)は、その噴出口(33a)をバスタブ(1)の内方に向けて水平方向に等間隔にバスタブ(1)の後内側面(2s)に配置されている。ここで、噴出ノズル(33)はノズル挿通孔(2n)内に水密状態に挿通されているので、噴出ノズル(33)とノズル挿通孔(2n)との間の隙間から貯水室(37)内の洗浄水(34)が漏出することが阻止されている。
【0066】
噴出ノズル(33)の先端部はバスタブ(1)の後内側面(2s)に対してバスタブ(1)の内方へ突出している。この突出量は例えば5〜8mmの範囲に設定されている。
【0067】
さらに、このバスタブ(1)は、図8に示すように、底板(5)の上面を洗浄する洗浄水(39)を噴出する第2噴出ノズル(38)を備えている。
【0068】
この第2噴出ノズル(38)は、底板(5)の上面に向けてその後方(あるいは前方又は側方)の斜め上側の位置から洗浄水(39)を底板(5)の上面に対して斜め方向に噴出するものである。この第2噴出ノズル(38)は、左右各吊下げアーム(21)の底板(5)近傍で底板(5)よりも上方の部位に固定状態に設けられている。
【0069】
この第2噴出ノズル(38)の噴出口から噴出される、底板(5)の上面洗浄用洗浄水(39)は、ペット洗浄用洗浄水とは異なる種類の水が用いられ、例えば、バスタブ(1)の内側面洗浄用洗浄水(34)と同じく銀イオン殺菌水からなる。この銀イオン殺菌水からなる洗浄水(39)を使用することにより、洗浄力が向上し、もって底板(5)の上面を効果的に洗浄することができる。
【0070】
なお、この第2噴出ノズル(38)に洗浄水(39)を供給する第2洗浄水供給管(図示せず)は、例えばフレキシブル管からなり、各吊下げアーム(21)の内部に吊下げアーム(21)に沿って挿通配置されている。
【0071】
次に、上記実施形態のペット洗浄用バスタブ(1)を備えたコイン式ペット洗浄システム(50)によるペットの洗浄方法について、以下に説明する。
【0072】
まず、コイン投入口(41)に100円硬貨や500円硬貨等のコインを投入し、ペット洗浄システム(50)の動作をオンにする。
【0073】
次いで、犬、猫等のペットをバスタブ(1)内に入れるため、バスタブ(1)の出入扉(7)のロックを解除し、図3及び図5に示すように、出入扉(7)をバスタブ(1)の前方へ倒伏させて出入口(6)を開ける。そして、倒伏姿勢の出入扉(7)をその姿勢に、支持脚としてのロック操作棒(8)によってバスタブ設置床面(F)に対して出入扉(7)の上縁部が上方に離間するように支持する。この状態では、出入扉(7)の上縁部はバスタブ設置床面(F)とは直接当接しておらず、また出入扉(7)の勾配はペットが乗り降りし易い勾配に設定されている。
【0074】
次いで、ペットをこの倒伏姿勢の出入扉(7)(詳述すると出入扉(7)の内面)上を歩かせてバスタブ(1)の出入口(6)からバスタブ(1)内の底板(5)上に乗せる。このとき、底板(5)は、例えば最も低い高さ位置に配置されている。また、出入扉(7)の内面には滑り止め用突部(7b)が階段状に設けられているので、出入扉(7)上を歩かせるときにペットはその脚を滑らすことはなく、のぼり易くなっている。
【0075】
ペットが底板(5)上に乗ったら、出入扉(7)の上縁部を持ち上げて、該出入扉(7)により出入口(6)を閉塞する。そして、ロック操作棒(8)を手で掴んでロックボルト(9)をロック孔(11)内にスライド挿入することにより、出入口(6)を閉塞した状態に出入扉(7)をロックする。
【0076】
次いで、昇降操作レバー(14)を操作することにより、ペットの体高に応じて、洗浄作業者が楽な姿勢で洗浄作業を行えるように底板(5)の高さ位置を調節する。この操作は以下のように行われる。まず、昇降操作レバー(14)を上方に押すことにより、昇降装置(20)のロッド駆動手段(24)の電気モータ(27)を作動させてロッド(25)を上方に移動させる。すると、両昇降フレーム(23a)(23b)が両ガイドレール(22)(22)に沿って上昇し、これに伴い、図6及び図7に示すように底板(5)が吊下げアーム(21)(21)を介して上昇する。そして、底板(5)が所定の高さ位置に配置されたら、昇降操作レバー(14)を中央位置に戻し、底板(5)の移動を停止する。なお、底板(5)の高さ位置が高くなり過ぎた場合には、昇降操作レバー(14)を下方に押すことにより、底板(5)を下降させてその高さ位置を微調整する。
【0077】
次いで、シャワー水供給スイッチ(42)をオンにすることにより、所定温度に調節されたシャワー水をシャワーヘッド(15)から噴出させる。このシャワー水でペットを洗浄する。なお、シャワー水の供給時間はコインの投入料金に応じて制御ボックス(40)内の制御部により設定される。例えば、コイン投入料金100円につき30秒の間、シャワー水が供給されるように、シャワー水の供給時間が設定される。
【0078】
ペットの洗浄が終了したら、ペットの毛をドライヤ(図示せず)により乾燥させる。
【0079】
次いで、ペットを底板(5)上からバスタブ設置床面(F)上に降ろすため、昇降操作レバー(14)を操作することにより、底板(5)を下降させる。この操作は以下のように行われる。まず、昇降操作レバー(14)を下方に押すことにより、昇降装置(20)の電気モータ(27)を逆回転方向に作動させてロッド(25)を下方に移動させる。すると、両昇降フレーム(23a)(23b)が両ガイドレール(22)(22)に沿って下降し、これに伴い、図4及び図5に示すように底板(5)が吊下げアーム(21)(21)を介して下降する。そして、底板(5)が所定の高さ位置に配置されたら、昇降操作レバー(14)を中央位置に戻し、底板(5)の移動を停止する。
【0080】
次いで、ロック操作棒(8)を手で掴んでロックボルト(9)をロック孔(11)内から抜出することにより、出入扉(7)のロックを解除する。
【0081】
次いで、出入扉(7)をバスタブ(1)の前方へ倒伏させてバスタブ(1)の出入口(6)を開ける。そして、倒伏姿勢の出入扉(7)をその姿勢に、支持脚としてのロック操作棒(8)によってバスタブ設置床面(F)に対して出入扉(7)の上縁部が上方に離間するように支持する。この状態にしてから、ペットを倒伏姿勢の出入扉(7)上を歩かせてバスタブ設置床面(F)上に降ろす。
【0082】
ペットがバスタブ設置床面(F)上に降りたら、出入扉(7)の上縁部を持ち上げて、該出入扉(7)により出入口(6)を閉塞する。次いで、ロック操作棒(8)を手で掴んでロックボルト(9)をロック孔(11)内にスライド挿入することにより、出入扉(7)をロックする。
【0083】
また、ペット洗浄後において、バスタブ(1)の内部を清掃すべくバスタブ(1)の各内側面(即ち後内側面(2s)と左内側面と右内側面)を洗浄する場合には、バスタブ洗浄装置(30)の動作スイッチ(45)をオンにする。すると、図9に示すように、バスタブの内側面洗浄用の洗浄水(34)が洗浄水供給管(35)から複数個の噴出ノズル(33)に同時に供給されてその各噴出口(33a)から一斉に噴出される。噴出された洗浄水(34)は、バスタブ(1)の各内側面(2s)とカバー体(31)との間の貯水室(37)内に一時的に溜められ、その後、この貯水室(37)内の洗浄水(34)が隙間(32)から流出して図8及び図9に示すようにバスタブ(1)の各内側面(2s)上を膜状に流下する。このように洗浄水(34)がバスタブ(1)の各内側面(2s)上を膜状に流下することにより、バスタブ(1)の各内側面(2s)に付着したペットの毛等の付着物を洗い流すことができる。更に、必要に応じてバスタブ(1)の各内側面(2s)をこすり洗いしても良い。
【0084】
また、バスタブ洗浄装置(30)の動作スイッチ(45)をオンにすると、更に、底板(5)の上面洗浄用の洗浄水(39)が第2噴出ノズル(38)の噴出口から底板(5)の上面に向けてその斜め上側の位置から底板(5)の上面に対して斜め方向に噴出される。これにより、底板(5)上に抜け落ちたペットの毛を効果的に洗い流すことができる。更に、必要に応じて底板(5)の上面をこすり洗いしても良い。
【0085】
バスタブの内側面洗浄用洗浄水(34)と底板の上面洗浄用洗浄水(39)の供給時間は、制御ボックス(40)内の制御部により設定される。例えば、30秒の間、これらの洗浄水(34)(39)が噴出ノズル(33)(38)に供給されるように供給時間が設定されている。
【0086】
なお、このペット洗浄システム(50)では、昇降操作レバー(14)を操作すると、その操作の間、その他の動作スイッチ(例えばシャワー水の供給)がオフになるように設定されており、システム(50)の安全性が高められている。
【0087】
而して、上記実施形態のペット洗浄用バスタブ(1)には次の利点がある。
【0088】
このバスタブ(1)では、バスタブ(1)の内側面(2s)を洗浄する洗浄水(34)を噴出する複数個の噴出ノズル(33)の噴出口(33a)は、カバー体(31)により覆われているので、噴出ノズル(33)の噴出口(33a)から噴出された洗浄水(34)がバスタブ(1)の周囲に飛び散るのを防止することができる。
【0089】
さらに、噴出ノズル(33)の噴出口(33a)から洗浄水(34)を噴出させると、この洗浄水(34)はバスタブ(1)の内側面(2s)上を膜状に流下し、これによりバスタブ(1)の内側面(2s)に付着したペットの毛等の付着物が洗い流されるので、バスタブ(1)の内側面(2s)の略全体を容易に洗浄することができる。
【0090】
また、このバスタブ(1)は、バスタブ(1)内に配置された底板(5)の上面に向けて、該底板(5)の上面を洗浄する洗浄水(39)を噴出する第2噴出ノズル(38)を備えているので、底板(5)の上面についても洗浄することができる。そのため、バスタブ(1)の内部をより一層清潔にすることができる。
【0091】
加えて、この第2噴出ノズル(38)は、吊下げアーム(21)に設けられているので、底板(5)と一緒に昇降される。そのため、底板(5)の高さ位置に関係なく底板(5)の上面に向けて洗浄水(39)を噴出することができ、もって底板(5)の上面を確実に洗浄することができる。
【0092】
また、底板(5)は昇降可能であることから、ペットの体高に応じて、洗浄作業者が楽な姿勢で洗浄作業を行えるように底板(5)の高さ位置を調節することができる。
【0093】
さらに、底板(5)を昇降させる昇降装置(20)はバスタブ(1)の外側(後側)に配置されているので、次の利点がある。すなわち、ペット洗浄時にバスタブ(1)内部に抜け落ちたペットの毛が昇降装置(20)の昇降機構の一部にからまる虞はないし、昇降装置(20)の内部に入り込む虞もない。そのため、バスタブ(1)内部に抜け落ちたペットの毛が原因で生じる底板(5)の昇降動作の不具合や昇降装置(20)の故障を防止することができる。しかも、ペットを洗浄した後でバスタブ(1)を清潔にするためその内部を清掃する際に昇降装置(20)が邪魔にならないから、バスタブ(1)内部の清掃を行い易いという利点がある。さらに、昇降装置(20)のメンテナンス作業についても行い易いし、その上、もし仮に昇降装置(20)が何らかの原因で故障した場合であっても、その修理を行い易いという利点がある。
【0094】
また、バスタブ(1)の内部に昇降装置(20)が配置されていないので、底板(5)を出来る限り低い高さ位置に配置することができ、もって、バスタブ(1)の底壁部(2e)と底板(5)との間にデッドスペースが生じるのを防止することができる。
【0095】
また、出入扉(7)は、バスタブ(1)の外側へ倒伏して出入口(6)が開いた状態のもとで、ペットがバスタブ設置床面(F)上から底板(5)上に乗り降りするための乗降板としても機能するものとなされているので、次の利点がある。すなわち、ペットを洗浄するためにペットをバスタブ設置床面(F)上から底板(5)上に乗せる際や、ペット洗浄後にペットを底板(5)上からバスタブ設置床面(F)上に降ろす際に、出入扉(7)を倒伏させておけば、ペットをこの倒伏姿勢の出入扉(7)上を歩かせることにより、ペットの乗降を容易に行うことができる。
【0096】
また、ロック操作棒(8)は、バスタブ(1)の出入扉(7)がバスタブ(1)外側へ倒伏して出入口(6)が開いた状態のもとで、出入扉(7)を倒伏状態にバスタブ設置床面(F)に対して支持する支持脚としても機能するものとなされているので、次の利点がある。すなわち、出入扉(7)を乗降板として機能させた場合において、出入扉(7)の勾配を緩やかにすることができ、もって、出入扉(7)の勾配をペットが乗り降りし易い勾配に設定することができる。さらに、出入扉(7)の上縁部がバスタブ設置床面(F)に直接当接しなくなるため、出入扉(7)の上縁部を清潔に保つことができるし、更には、出入扉(7)の上縁部のバスタブ設置床面(F)への当接による傷つきを防止することができる。
【0097】
また、本実施形態のペット洗浄システム(50)は、上記のペット洗浄用バスタブ(1)を備えているので、上記と同様の利点を有する。
【0098】
以上で本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に示したものに限定されるものではなく、様々に設定変更可能である。
【0099】
例えば、バスタブ洗浄装置(30)は、本実施形態では、バスタブ(1)の後内側面(2s)と左内側面と右内側面とにそれぞれ装着されているが、本発明では、バスタブ(1)の前後左右の内側面のうち少なくとも一つの内側面に装着されていれば良い。また、バスタブ洗浄装置(30)は、更にバスタブ(1)の前内側面にも装着されていても良い。
【0100】
また、バスタブ(1)の出入口(6)は、バスタブ(1)の前側壁部(2a)ではなく右側壁部(2d)(又は左側壁部(2c))に設けられていても良い。
【0101】
また、ガイドレール(22)は、バスタブ(1)の後側ではなく右側(又は左側)に立設されていても良い。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は、犬、猫等のペットの洗浄時に使用されるペット洗浄用バスタブ及びペット洗浄システムに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の一実施形態に係るペット洗浄用バスタブ及びペット洗浄システムを示す斜視図である。
【図2】同バスタブのロック操作棒及びロックボルトを示す拡大斜視図である。
【図3】同バスタブをその出入扉を倒伏させた状態で示す平面図である。
【図4】同バスタブをその出入扉を倒伏させた状態で示す背面図である。
【図5】同バスタブをその出入扉を倒伏させた状態で示す断面図である。
【図6】同バスタブをその底板を上昇させた状態で示す背面図である。
【図7】同バスタブをその底板を上昇させた状態で示す断面図である。
【図8】同バスタブをその内部を洗浄している状態で示す断面図である。
【図9】図8中のA部分の拡大図である。
【図10】同バスタブの内側面からカバー体を分離した状態の要部断面斜視図である。
【符号の説明】
【0104】
1…バスタブ
2s…後内側面(内側面)
2t…後外側面(外側面)
2n…ノズル挿通孔
5…底板
6…出入口
7…出入扉
8…ロック操作棒
9…ロックボルト
11…ロック孔
14…昇降操作レバー
15…シャワーヘッド
20…昇降装置
21…吊下げアーム
30…バスタブ洗浄装置
31…カバー体
31y…下先端部
32…隙間
33…噴出ノズル
33a…噴出口
34…(バスタブ内側面洗浄用)洗浄水
35…洗浄水供給管
37…貯水室
38…第2噴出ノズル
39…(底板上面洗浄用)洗浄水
40…制御ボックス
50…ペット洗浄システム
【出願人】 【識別番号】392015745
【氏名又は名称】株式会社タニモト
【出願日】 平成17年10月11日(2005.10.11)
【代理人】 【識別番号】100071168
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 久義

【識別番号】100099885
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 健市

【識別番号】100109911
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義仁


【公開番号】 特開2007−104912(P2007−104912A)
【公開日】 平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願番号】 特願2005−296230(P2005−296230)