| 【発明の名称】 |
緑地の植栽方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】野田 信也
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| 【要約】 |
【課題】植物の植え込みという専門技能が不要で、工期の短縮やコストダウンが図れ、実際の植栽領域に植え込む前にレイアウトの確認が出来、竣工直後から植栽デザインを鑑賞することが出来る緑地の植栽方法を提供する。
【解決手段】植物13の根13aの進入を許容する立体網状体を有する植栽用マット6を有する複数種の植生ユニットAを用意し、予め計画した緑地の植生レイアウトに基づいて植生ユニットAを配置して緑地を形成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植物の根の進入を許容する立体網状体を有する植栽用マットと該植栽用マットの立体網状体に根が進入して自立した植物とからなり且つ予め設定された形状に形成された複数種の植生ユニットを用意しておき、前記複数種の植生ユニットを組み合わせて緑地の植生レイアウトを計画し、前記計画された植生レイアウト計画に基づいて植生ユニットを配置することで緑地を形成することを特徴とする緑地の植栽方法。 【請求項2】 予め緑地の植生レイアウトを計画すると共に該緑地を複数のグリッドに分割しておき、植物の根の進入を許容する立体網状体を有する植栽用マットと該植栽用マットの立体網状体に根が進入して自立した植物とからなり且つ前記植生レイアウトを分割したグリッドに対応した形状を有する複数の植生ユニットを形成し、前記植生ユニットを前記植生レイアウトを分割したグリッドに配置することで緑地を形成することを特徴とする緑地の植栽方法。 【請求項3】 緑地を形成する場所が建物の屋上又はベランダであり、且つ植物の根の進入を許容する立体網状体を有する植栽用マットと該植栽用マットの立体網状体に根が進入して自立した植物とからなる植生ユニットが、建物の屋上又はベランダに適した植物としての樹木を有する樹木ユニットと、建物の屋上又はベランダに適した植物としての草花を有する草花ユニットと、建物の屋上又はベランダに適した植物としての低層草花を有する低層草花ユニットと、を含み、 複数種の樹木ユニットを樹木の名称及び写真並びに高さを含めて記載した樹木ユニットシートと、 複数種の草花ユニットを草花の名称及び写真を含めて記載した草花ユニットシートと、 複数種の低層草花ユニットを低層草花の名称及び写真を含めて記載した低層草花ユニットシートと、 前記樹木ユニット及び草花ユニット並びに低層草花ユニットに於ける複数種の植物の開花期間を記載した開花シートと、を有し、 建物の屋上又はベランダに緑地を形成する際に、前記樹木ユニットシート、前記草花ユニットシート、前記低層草花ユニットシート、前記開花シートを参照して植生ユニットを選択すると共に緑地に配置することを特徴とする緑地の植栽方法。 【請求項4】 前記植栽用マットを生分解性材料によって構成したことを特徴とする請求項1乃至3に記載した緑地の植栽方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、緑地の植栽方法に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来、地上或いは建物の屋上等において複数の植物を組み合わせてデザインされた緑地を設計・施工する場合、床面に基盤や土壌層を形成した後に、設計者によってデザインされた植物レイアウトが表現された図面やスケッチ等に従って植栽の専門業者が植物の種子、苗、成木を植え込む、或いはデザイン能力のある専門業者が顧客の希望するイメージを基にレイアウトを考えながら植え込むというのが一般的であった。 【0003】 一方、特開平11−318204号公報(特許文献1)には、ゴム状物質を繊維状に固めた植物育成マットの上面に芝等の植物を育成して構成した植物ブロック構造体を予め形成しておき、該植物ブロック構造体をビルの屋上や屋根に敷き並べて敷設し緑化する技術が提案されている。 【0004】 また、特開平10−014419号公報(特許文献2)には、繊条結合マットに樹木の根を絡ませて樹木を支持する技術が提案されている。 【0005】 【特許文献1】特開平11−318204号公報 【特許文献2】特開平10−014419号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 しかしながら、前述の従来例では、未だ成長していない種子や苗をもとに当初のイメージ通りの緑地を形成するためには、植物に関する高いレベルの知識を有する者が植栽計画を立て、造園等を専門とするものが施工しなければならないため、緑化基盤等の施工とは別の職種になり、コストアップにつながるという問題がある。 【0007】 また、一般的にコストを抑えるために植物が生長していない苗または種を植えるので、竣工時には緑地が完成していないことになる。従って、顧客は植物が成長するまでの間、長期にわたって未完成状態の緑地の鑑賞を強いられる。また適正な維持管理を継続して行わなければ結果的に美しい庭園にはならない。当初のイメージ通りに緑地が完成するかどうかも分からず、イメージ通りでなかった場合のデザインの変更は大変な手間がかかるという問題がある。 【0008】 また、根が十分に張るまでの間、転倒防止のための支線等による補強が必要となり、見栄えが悪く、手入れの邪魔にもなる。また、通常、生長した樹木を植える場合は、根鉢状態であるために重く、不安定で施工性、作業性が非常に悪いという問題がある。 【0009】 また、特許文献1の技術では、芝のような地被植物を屋上等に一面に敷き詰めるための技術であり、草花や低中木を含む複数種の植物によってデザインするための緑地における上記課題は残されたままである。 【0010】 また、特許文献2の技術であっても、上記課題を十分解決し得るものではなかった。 【0011】 本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、植物の植え込みという専門技能が不要で、工期の短縮やコストダウンが図れ、実際の植栽領域に植え込む前にレイアウトの確認が出来、竣工直後から植栽デザインを鑑賞することが出来る緑地の植栽方法を提供せんとするものである。 【課題を解決するための手段】 【0012】 前記目的を達成するための本発明に係る緑地の植栽方法の第1の構成は、植物の根の進入を許容する立体網状体を有する植栽用マットと該植栽用マットの立体網状体に根が進入して自立した植物とからなり且つ予め設定された形状に形成された複数種の植生ユニットを用意しておき、前記複数種の植生ユニットを組み合わせて緑地の植生レイアウトを計画し、前記計画された植生レイアウト計画に基づいて植生ユニットを配置することで緑地を形成することを特徴とする。 【0013】 また、本発明に係る緑地の植栽方法の第2の構成は、予め緑地の植生レイアウトを計画すると共に該緑地を複数のグリッドに分割しておき、植物の根の進入を許容する立体網状体を有する植栽用マットと該植栽用マットの立体網状体に根が進入して自立した植物とからなり且つ前記植生レイアウトを分割したグリッドに対応した形状を有する複数の植生ユニットを形成し、前記植生ユニットを前記植生レイアウトを分割したグリッドに配置することで緑地を形成することを特徴とする。 【0014】 また、本発明に係る緑地の植栽方法の第3の構成は、緑地を形成する場所が建物の屋上又はベランダであり、且つ植物の根の進入を許容する立体網状体を有する植栽用マットと該植栽用マットの立体網状体に根が進入して自立した植物とからなる植生ユニットが、建物の屋上又はベランダに適した植物としての樹木を有する樹木ユニットと、建物の屋上又はベランダに適した植物としての草花を有する草花ユニットと、建物の屋上又はベランダに適した植物としての低層草花を有する低層草花ユニットと、を含み、複数種の樹木ユニットを樹木の名称及び写真並びに高さを含めて記載した樹木ユニットシートと、複数種の草花ユニットを草花の名称及び写真を含めて記載した草花ユニットシートと、複数種の低層草花ユニットを低層草花の名称及び写真を含めて記載した低層草花ユニットシートと、前記樹木ユニット及び草花ユニット並びに低層草花ユニットに於ける複数種の植物の開花期間を記載した開花シートとを有し、建物の屋上又はベランダに緑地を形成する際に、前記樹木ユニットシート、前記草花ユニットシート、前記低層草花ユニットシート、前記開花シートを参照して植生ユニットを選択すると共に緑地に配置することを特徴とする。 【0015】 また、本発明に係る緑地の植栽方法の第4の構成は、前記第1〜第3の構成において、前記植栽用マットを生分解性材料によって構成したことを特徴とする。 【発明の効果】 【0016】 本発明に係る緑地の植栽方法の第1の構成によれば、植生用マットには予め計画された植生レイアウト計画に基づいた植物が植え付けられて、予め設定された形状に形成された複数種の植生ユニットが用意され、それ等の植生ユニットを組み合わせて緑地の植生レイアウトを計画し、その計画された植生レイアウト計画に基づいて植生ユニットを配置することで緑地を容易に形成することが出来る。 【0017】 これにより、植物の植え込みという専門技能が不要で、工期の短縮やコストダウンが可能である。また、実際に植栽領域に植え込む前に地面や床上に仮に並べてレイアウトの確認作業が出来るので、植栽デザインの効果的演出が自在に出来る。また、既に計画的に混植した植生ユニットを用いるので、竣工直後から美しい完成形に近い植栽デザインを確実に享受することが出来る。また、同じ種類の植物であっても樹形や株数等を好みに応じて選択することが出来る。 【0018】 また、植栽用マットに植え付けられた植物の根は立体網状体に進入して該植栽用マットと一体化して自立していることから、植物を自立した状態まで予め生長させるので、高さ1.5m程度までの低木であれば風圧力を受け易く且つ深く根が張れない場所であっても根が風によって引き抜かれる虞がなく、竣工直後から倒木防止のための補強をする必要がない。 【0019】 また、生長した樹木を植え込む場合であっても、植物の根の進入を許容する立体網状体からなり植栽用マットに沿って根が伸びることが出来るので、根が下方に伸びなくても自立することが出来、従来のように根鉢を覆うための土壌深さを必要としない。このため、設計上の総重量を低減させることが出来るので、プラン上の自由度が向上し、植栽デザイン上における差別性の高い設計が可能となる。 【0020】 また、立体網状体からなる植栽用マット同士を容易に連結し、大きな反力を得ることが出来、強風時の飛散防止効果を高めることが出来る。 【0021】 また、本発明に係る緑地の植栽方法の第2の構成によれば、緑地が複数のグリッドに分割され、各グリッドに対応した植生ユニットを形成し、これを配置することで植生レイアウト計画に基づいた緑地の植栽を容易に形成することが出来、前述した本発明に係る緑地の植栽方法の第1の構成と同様の効果が得られる。 【0022】 また、本発明に係る緑地の植栽方法の第3の構成によれば、建物の屋上又はベランダに緑地を形成する際に、予め用意された樹木ユニットシート、草花ユニットシート、低層草花ユニットシート、開花シートを参照して、植生レイアウト計画に基づいて所望の植生ユニットを選択し緑地に配置することで植物に関する専門知識がなくとも屋上やベランダに適した植物や建築主の嗜好にあった植物で構成された緑地を容易に形成することが出来る。 【0023】 また、本発明に係る緑地の植栽方法の第4の構成によれば、植栽用マットを生分解性材料によって構成したことにより、植物の生長に伴って植栽用マットの分解が進行し、土壌が生長した地被植物によって覆われると共に十分に根が張る頃、即ち、土壌の乾燥や飛散が生じなくなる頃には植栽用マットが分解されて土壌に還元されることとなり、廃棄物等の不要なものが土壌に残ることがなく、環境に優しく、植え込み後のレイアウトの変更や撤去も容易である。 【発明を実施するための最良の形態】 【0024】 図により本発明に係る緑地の植栽方法の一実施形態を具体的に説明する。図1は本発明に係る緑地の植栽方法に適用出来る植生ユニットの構成を示す断面説明図、図2は緑地を複数のグリッドに分割し、そのグリッドに植生ユニットを配置した様子を示す図、図3及び図4は樹木ユニットシートの一例を示す図、図5は草花ユニットシートの一例を示す図、図6及び図7は低層草花ユニットシートの一例を示す図、図8及び図9は開花シートの一例を示す図、図10及び図11は樹木デザインプランの一例を示す図である。 【0025】 図1において、本発明に係る緑地の植栽方法に適用出来る植生ユニットAは、立体網状体からなり、植物13の根13aの進入を許容する植栽用マット6と、該植栽用マット6に植え付けられた植物13とからなる。 【0026】 植栽用マット6には予め設定された植物13が植え付けられており、該植え付けられた植物13の根13aは立体網状体に進入して植栽用マット6と一体化して自立している。 【0027】 植栽用マット6は、例えば、ポリプロピレン等の合成樹脂を糸瓜束子(ヘチマタワシ)のように立体的に網状に絡めたもので、ある程度の強度と剛性を有し、運搬時に型崩れして植栽用マット6内の土壌6b等がこぼれ落ちる虞がないものが好ましい。 【0028】 また、住宅展示場におけるモデルハウスやイベント会場での使用のように短期間にデザインの変更や撤去が考えられる場合には、非生分解性の植栽用マット6を採用することが好ましい。また、ある程度長期間に亘って同一デザインを維持する場合には、生分解性の植栽用マット6が好ましい。 【0029】 植栽用マット6の寸法は植栽領域の規模や植物13の種類に応じて適宜設定することが出来るが、建物の屋根や屋上に運搬し易く、作業性を考慮した大きさに適宜設定することが好ましい。また、植栽用マット6の平面形状は正方形、長方形、正六角形等の隣接して組み合わせ易い形状が好ましい。植栽用マット6の平面形状が正方形の場合、使用する植栽用マット6のサイズは一種類に限定されるものではなく、一辺の長さの基準長さを設定し、例えば基準長さの1倍、2倍、4倍の植栽用マット6の組み合わせで構成することも出来る。そして、大きなサイズの植栽用マット6には高さのある樹木を植え付けることが出来る。 【0030】 植栽用マット6に植え込む植物13が樹木の場合には、植栽用マット6同士を互いに連結して安定させることも出来る。植栽用マット6の網目の内部は植物13の根13a以外に土壌6bや肥料が充填されていても良い。 【0031】 植栽用マット6の下面には植栽用マット支持部材4が配置され、該植栽用マット支持部材4と植栽用マット6との間には、植物13の根13aまたは土壌6bが植栽用マット支持部材4に進入することを防止するフィルタ5が配置されている。 【0032】 植生ユニットAは、建物のベランダや屋根を含む屋上のようにコンクリートスラブやコンクリートパネル或いはALC(軽量気泡コンクリート)パネルのようなパネル類からなる床構造1を支持面とし、この支持面の上面に軟質塩化ビニールシート等からなる防水シート等を敷設することにより形成された防水層2の上部に構成されている。 【0033】 また植生ユニットAは、支持面となる床構造1に載置された貯水基盤3と、該貯水基盤3に収容された植栽用マット支持部材4と、該植栽用マット支持部材4を覆うフィルタ5と、該フィルタ5の上部に載置された植栽用マット6とを有して構成されている。また植生ユニットAの周囲には縁石7が配置されており、該縁石7によって床構造1の上面に於ける植生ユニットAの周縁を規定している。 【0034】 貯水基盤3は水を貯える機能を有しており、可撓性と防水性を有する例えばゴムシートや軟質塩化ビニールシート等の防水シートからなる貯水シート3aを槽状に形成して構成されている。即ち、植生ユニットAに設定された平面形状に従って断面L字型の部材が配置されており、この部材の起立片によって貯水基盤3を区画する区画壁3bが構成されている。 【0035】 区画壁3bは貯水基盤3に設定された満水時の水位よりも大きい高さ(深さ)を有しており、該区画壁3bによって区画された平面内に貯水シート3aが敷き込まれ、該貯水シート3aの周縁部を区画壁3bに沿って立ち上げると共に接着或いは溶着等の手段で一体化させることで、槽状の貯水基盤3が構成されている。 【0036】 尚、区画壁3bを構成する部材として本実施形態では断面がL字型の材料を利用しているが、必ずしもL字型である必要はなく、T字型や他の形状であっても良い。また材質は特に限定するものではなく、経時的に腐食する虞が少なく、且つ軽量なものであれば好ましく利用することが可能である。このような部材としてはアルミニウムや合成樹脂製の型材がある。 【0037】 貯水基盤3に貯えられた水は、図1の一点鎖線で示す満水レベル9よりも高い水位になったとき排水し得るように構成されている。従って、貯水基盤3に於ける満水レベル9よりも下位で底面3cとの間の貯水空間が貯水部3dとしての機能を有している。 【0038】 貯水基盤3の内部であって周縁部には黒曜石パーライトを収容した排水ネット8が配置されており、貯水基盤3内の余剰水を速やかに外部に排出する機能と排水口のつまりを防止する機能を有している。 【0039】 貯水基盤3を構成する貯水シート3a、防水層2を軟質塩化ビニールシート等の可塑剤を含む材料によって構成した場合、貯水基盤3の底面3cの下部と防水層2との間には絶縁シート10が配置される。この絶縁シート10はPET(ポリエチレンテレフタレート;ポリエステル)シート等からなり、貯水シート3aと防水層2との間で可塑剤が移行するのを緩和する機能と防水層を保護する機能を有する。 【0040】 更に、植生ユニットAの周囲に配置された縁石7の下部には、該縁石7に沿って防水保護シート11が敷き込まれており、床構造1に構成された防水層2に対して接着或いは溶着等の手段で一体化している。この防水保護シート11は、例えば防水層2の保守或いは補修を行う場合に利用されるものであり、防水層2と同じ材質のシートを利用することが可能である。 【0041】 貯水基盤3に収容される植栽用マット支持部材4は上端面4aが貯水基盤3に於ける満水レベル9よりも高くなるような寸法を有しており、植栽用マット6を貯水基盤3に貯えられた水に浸漬することなく支持する機能を有している。植栽用マット支持部材4としては上述した機能を有するものであれば良く、水分や空気を流入及び流出し得る機能を備えていることが好ましい。 【0042】 上記の如く、植栽用マット支持部材4が水分や空気の流入、流出機能を有することによって、貯水基盤3に大きな貯水量を確保することが可能であり、且つ貯水量が増加した場合であっても、水面と植栽用マット6との間に通気層12を確保することが可能である。このように通気層12を確保することで、空気が植栽用マット6の下部から供給され、植栽用マット6の立体網状体に根13aが進入して該植栽用マット6と一体化して自立して植え付けられた植物13に必要な酸素等を取り入れることや植物13から発生するガスを排出することが可能となり、植物13の根13aが水に浸ることがなく根腐れを防止することが可能となる。 【0043】 植栽用マット支持部材4は、大きく撓んだり変形することのない部材であることが好ましい。例えば、種や苗を植える作業をするために人が土壌6bに入ったときに重みで変形することがなく、安定した地盤として作用することが好ましい。 【0044】 このため、植栽用マット支持部材4は、高い硬度を持った合成樹脂繊維で構成し、この合成樹脂繊維を立体網状(へちま繊維状)に絡ませて板状に形成することで高い圧縮強度、耐変形性、空隙率を有する部材(立体網状体)を用いている。このように、合成樹脂繊維によって形成した植栽用マット支持部材4を利用することにより、長期間使用しても水の影響を受けることがなく好ましい。 【0045】 植栽用マット支持部材4と植栽用マット6との間には、該植栽用マット支持部材4に対する植物13の根13aの進入及び土壌6bの進入を防止すると共に、吸水機能を持ったフィルタ5が配置されている。このようなフィルタ5としては、吸水性の高い不織布を用いることが可能であり、長期間の使用に伴って水や微生物等による悪影響を受けることのない材質、例えば合成樹脂繊維からなる不織布を用いることが好ましい。本実施形態では、フィルタ5として、旭化成せんい株式会社製の緑化シート AKS−550を用いている。 【0046】 フィルタ5は貯水基盤3に貯えられた水を吸い上げて植栽用マット6に供給するために、縁部5aが貯水部3dに達していることが必須である。このため、本実施形態では、フィルタ5は植栽用マット支持部材4の上面を覆うと共に、縁部5aが側面から下がって貯水部3dに到達している。即ち、立体網状体からなる植栽用マット支持部材4を包むようにしてフィルタ5を配置している。 【0047】 上記の如きフィルタ5では、貯水基盤3に貯えられた水を吸い上げて上部に載置した植栽用マット6に吸水することが可能であり、また植栽用マット6上の土壌6bの植栽用マット支持部材4への落下を阻止することが可能である。 【0048】 上記の植生ユニットAを利用した植栽の形成方法の第1の実施形態は下記の通りである。先ず、(1)予め設定された形状に形成された複数種の植生ユニットAが用意しておく。次に(2)該複数種の植生ユニットAの組み合わせにより、図2(b)に示すような緑地の植生レイアウト31を計画する。そして、(3)該植生レイアウト31計画に基づいて植生ユニットAを配置して所望の緑地を形成する。 【0049】 また、上記の植生ユニットAを利用した植栽の形成方法の第2の実施形態は下記の通りである。先ず、(1)図2に示すように、予め緑地の植生レイアウト31を計画する。次に(2)図2(a)に示すように、緑地を複数のグリッド32に分割する。そして、(3)各グリッド32に対応した形状及び植栽レイアウト31の植生ユニットAを別途形成する。最後に(4)植生レイアウト31を分割した各グリッド32のそれぞれに対応する植生ユニットAを配置する。 【0050】 このようにして緑地を形成することにより、作業者に植物13の植え込みという専門技能がなくとも容易に品質の高い緑地を形成することが出来る。また、生長した植物13を配置するので竣工直後から完成形に近い植栽デザインを確実に享受することが出来る。また、浅い基盤であっても飛散や転倒に強い安定した緑地を形成することが出来る。 【0051】 続いて、本発明に係る緑地の形成方法の第3の実施形態について説明する。本実施形態においては緑地を形成する場所が建物の屋上又はベランダであり、植生ユニットAは、図2(b)に示すように、建物の屋上又はベランダに適した植物13としての樹木を有する樹木ユニット33,34,35と、建物の屋上又はベランダに適した植物13としての草花を有する草花ユニット36,37と、建物の屋上又はベランダに適した植物13としての低層草花を有する低層草花ユニット38,39とを含んで構成される。 【0052】 図3及び図4は複数種の樹木ユニットを樹木の名称及び写真並びに高さを含めて記載した樹木ユニットシート40であり、図3に示す樹木ユニットシート40は複数種類の常緑針葉樹を適宜配列してユニット化したものであり、図4(a)は複数種類の洋風の樹木を適宜配列してユニット化したものであり、図4(b)は複数種類の和風の樹木を適宜配列してユニット化したものである。 【0053】 図5は複数種の草花ユニットを草花の名称及び写真を含めて記載した草花ユニットシート41であり、図5(a)は複数種類の洋風の草花を適宜配列してユニット化したものであり、図5(b)は複数種類の和風の草花を適宜配列してユニット化したものであり、図5(c)は複数種類のハーブの草花を適宜配列してユニット化したものである。 【0054】 図6及び図7は複数種の低層草花ユニットを低層草花の名称及び写真を含めて記載した低層草花ユニットシート42であり、図6は複数種類の地被類の低層草花を適宜配列してユニット化したものであり、図7(a)は図6の地被類よりも更に低層な複数種類の洋風の地被類の低層草花を適宜配列してユニット化したものであり、図7(b)は図6の地被類よりも更に低層な複数種類の和風の地被類の低層草花を適宜配列してユニット化したものである。 【0055】 図8及び図9は、図3及び図4に示した樹木ユニット、図5に示した草花ユニット、図6及び図7に示した低層草花ユニットにおける複数種の植物13の開花期間を記載した開花シート43である。本実施形態の開花シート43では、横軸に植物13の年間の開花時期が線で表示され、縦軸に植物13の成長期の最大高さ(cm)が示される。また、開花シート43中、植物13の花の色が○や□の中の色で表示される。開花シート43において、開花時期が緑色の実線で表された植物13は葉を鑑賞する植物13であり、□は花の色に複色があるものである。 【0056】 そして、建物の屋上又はベランダに緑地を形成する際に、図3及び図4に示した樹木ユニットシート40、図5に示した草花ユニットシート41、図6及び図7に示した低層草花ユニットシート42、図8及び図9に示した開花シート43を参照して、図2に示す予め計画した緑地の植生レイアウト31に応じて図1に示した各種の植物13を植え付けた植生ユニットAを選択し、該植生レイアウト31に従って、緑地に各植生ユニットAを配置することで所望の緑地を形成することが出来る。 【0057】 選定された植物(草花)13は全て、建物の屋上で健全に生育することが予め確認されたものである。このリストを利用することにより、地表面における緑地よりも厳しい条件の屋上の緑地において植物13が健全に育たず、緑化を楽しめない、ということを防止出来る。 【0058】 また、植物13の開花時期を確認して植物を選定すること、例えば年間を通じて開花が楽しむことが出来るようにすることが容易に出来る。また、花の色を確認して植物13を選択すること、例えば嗜好にあった色の組み合わせを設定することが容易に出来る。 【0059】 成木の高さを確認して植物13を選択すること、例えば背の低い植物13を後方に或いは背の高い植物13を前方に植えて緑地全体が見渡せなくなるということを防止出来る。例えば、黄色が好きな場合には、カモミール、リシマキア、キンセンカ、カレープラントを選択し、手前から、カレープラント、キンセンカ、リシマキア、カモミールの順に植えることで、年間を通じて黄色の花が少なくとも2種類常に咲いて、図2(b)に示すように、手前から順次高くなっているので後方に植えた植物13が他の植物13の陰になって見えなくなるということがない。 【0060】 また、図10及び図11に示したシートは植生レイアウト31のパッケージ化を更に進めたものであり、緑地形成の目的と、緑地に抱くイメージを選択することにより、植生レイアウト31を絞り込むことが出来るように構成されている。例えば、図10に示したシートは緑地を癒しの空間(ヒーリングガーデン)とすることを目的とした場合に好適な植生レイアウト31が提案されており、更に「さわやかさ」「やすらぎ」「元気さ」「モダン」というキーワードによって分類されている。同様に図11に示したシートは緑地を野鳥や昆虫等の生物の集まる空間(ビオガーデン)とすることを目的とした場合の提案がなされている。 【0061】 このようなシートを用いることで、選択に間違いのない緑地を更に容易に形成することが出来る。 【産業上の利用可能性】 【0062】 本発明の活用例として、緑地全般において利用可能であるが、特に施工上の制約の多い建物の屋上やベランダに緑地を形成する場合に好適である。 【図面の簡単な説明】 【0063】 【図1】本発明に係る緑地の植栽方法に適用出来る植生ユニットの構成を示す断面説明図である。 【図2】緑地を複数のグリッドに分割し、そのグリッドに植生ユニットを配置した様子を示す図である。 【図3】樹木ユニットシートの一例を示す図である。 【図4】樹木ユニットシートの一例を示す図である。 【図5】草花ユニットシートの一例を示す図である。 【図6】低層草花ユニットシートの一例を示す図である。 【図7】低層草花ユニットシートの一例を示す図である。 【図8】開花シートの一例を示す図である。 【図9】開花シートの一例を示す図である。 【図10】樹木デザインプランの一例を示す図である。 【図11】樹木デザインプランの一例を示す図である。 【符号の説明】 【0064】 A…植生ユニット 1…床構造 2…防水層 3…貯水基盤 3a…貯水シート 3b…区画壁 3c…底面 3d…貯水部 4…植栽用マット支持部材 4a…上端面 5…フィルタ 5a…縁部 6…植栽用マット 6b…土壌 7…縁石 8…排水ネット 9…満水レベル 10…絶縁シート 11…防水保護シート 12…通気層 13…植物 13a…根 31…植生レイアウト 32…グリッド 33〜35…樹木ユニット 36,37…草花ユニット 38,39…低層草花ユニット 40…樹木ユニットシート 41…草花ユニットシート 42…低層草花ユニットシート 43…開花シート
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| 【出願人】 |
【識別番号】303046244 【氏名又は名称】旭化成ホームズ株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年5月19日(2006.5.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095315 【弁理士】 【氏名又は名称】中川 裕幸
【識別番号】100134717 【弁理士】 【氏名又は名称】大石 裕司
【識別番号】100142158 【弁理士】 【氏名又は名称】岩田 啓
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| 【公開番号】 |
特開2007−306859(P2007−306859A) |
| 【公開日】 |
平成19年11月29日(2007.11.29) |
| 【出願番号】 |
特願2006−139892(P2006−139892) |
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