| 【発明の名称】 |
きのこの収穫用キャップ及びきのこの栽培方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】久保 忠一
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| 【要約】 |
【課題】きのこの生産効率を低下させることなく、株状に生長したきのこを確実に分割できる器具を提供する。
【解決手段】きのこ栽培用の培地が充填された栽培瓶の瓶口部に嵌着され、瓶口部の途中に位置する培地表面を構成する菌床面から株状に伸長したきのこを、その下部側から支持する筒状の収穫用キャップ10であって、収穫用キャップ10は、その開口部の一方に形成され、前記きのこを下部側から支持できるように、前記開口部の開口側に徐々に拡径するテーパ面22aに形成されている支持部22と、他方の開口部に形成され、前記栽培瓶の瓶口部に着脱自在に嵌着される嵌着部18とから構成され、嵌着部18を栽培瓶の瓶口部に嵌着したとき、前記瓶口部の上端縁近傍に位置し、前記瓶口部の開口面を二分割する棒状部材20が、支持部22と嵌着部18との境界近傍に設けられていることを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 きのこ栽培用の培地が充填された栽培瓶の瓶口部に嵌着され、前記瓶口部の途中に位置する培地表面を構成する菌床面から株状に伸長したきのこを、その下部側から支持する筒状の収穫用キャップであって、 前記収穫用キャップは、その開口部の一方に形成され、前記きのこを下部側から支持できるように、前記開口部の開口側に徐々に拡径するテーパ面に形成されている支持部と、他方の開口部に形成され、前記栽培瓶の瓶口部に着脱自在に嵌着される嵌着部とから構成され、 前記嵌着部を栽培瓶の瓶口部に嵌着したとき、前記瓶口部の上端縁近傍に位置して、前記瓶口部の開口面を少なくとも二分割する仕切部材が、前記支持部と嵌着部との境界近傍に設けられていることを特徴とするきのこの収穫用キャップ。 【請求項2】 仕切部材が、直径3mm以下の棒状部材である請求項1記載のきのこの収穫用キャップ。 【請求項3】 請求項1記載の収穫用キャップを用い、前記収穫用キャップの嵌着部を、菌掻きを施した培地表面が途中に位置する瓶口部に嵌着した後、前記培地表面から子実体を生長させることを特徴とするきのこの栽培方法。 【請求項4】 仕切部材として、直径3mm以下の棒状部材を用いる請求項3記載のきのこの栽培方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明はきのこの収穫用キャップ及びきのこの栽培方法に関し、更に詳細にはきのこ栽培用の培地が充填された栽培瓶の瓶口に嵌着され、前記瓶口の内方に位置する培地表面を構成する菌床面から伸長したきのこを、その下部側から支持する収穫用キャップ及びこの収穫用キャップを用いたきのこの栽培方法に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、栽培瓶を用いたきのこの人工栽培では、栽培瓶から収穫したきのこを、原基(石突き部分)に付着している培地を取り除いた後、ナイフ等によって分割して所定重量に調整して包装している。特に、近年、一人暮らしの人が増加し、収穫したきのこも一人用に分割して包装することが行われている。かかるきのこの分割作業は、通常、人手で行われており、その合理化が望まれている。 この分割作業の合理化のため、収穫するきのこの重量を少なくできるように、小容量の栽培瓶を用いる方法、栽培瓶から生長したきのこを小分して収穫できるように、栽培瓶の瓶口上に仕切板を起立して設ける方法(特許文献1)、或いはきのこを分割して収穫できるように、菌床面に溝状の切り込みを入れて子実体を生育する方法(特許文献2)が提案されている。 【特許文献1】特開2002−291335号公報 【特許文献2】特開平11−313542号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 前述した方法によれば、従来に比較して少量のきのこを収穫でき、収穫したきのこの株の分割作業を軽減可能にできる。 しかし、小容量の栽培瓶を用いる方法では、容量の大きな栽培瓶を用いて、大きな株状にきのこを生長させる方法に比較して、その生産量が制約されてきのこの生産効率が低下する。 また、特許文献1で提案された方法では、栽培瓶の瓶口が挿入される開口部が分割されるように仕切板が立設された板状体を用いる。かかる板状体では、栽培瓶の瓶口部から株状に伸長したきのこを、その下部側から支承することができず、板状体を引き上げてきのこを栽培瓶から抜き出す際に、きのこに損傷を与えるおそれがある。 しかも、収穫したきのこ中に保持されている仕切板を根元方向に押し出してきのこを分割する際に、仕切板に大きな力が加えられる。このため、仕切板と板状体とを高強度で接合しておく必要があるため、仕切板と板状体との重量が増加し、その取り扱い性が低下する。 更に、特許文献2で提案された方法では、菌床面に形成した溝状の切り込みが菌糸によって繋がり易いため、一体化した株状のきのこが得られ易く、収穫したきのこの株をナイフ等で切断して分割することが必要となることがある。 そこで、本発明の課題は、きのこの生産効率を低下させることなく、株状に生長したきのこを確実に分割でき、且つ取り扱い性が容易な器具及びきのこの栽培方法を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0004】 本発明者は、前記課題を解決すべく検討したところ、大容量の栽培瓶を用いて得た株状のきのこを分割することが最も合理的であること、栽培瓶の瓶口に装着して、瓶口から株状に伸長したきのこを、その下部側から支持する収穫用キャップを用い、その瓶口に装着する部分の内部に設けた仕切部材によって、きのこを分割することが最も有効であることを見出し、本発明に到達した。 すなわち、本発明は、きのこ栽培用の培地が充填された栽培瓶の瓶口部に嵌着され、前記瓶口部の途中に位置する培地表面を構成する菌床面から株状に伸長したきのこを、その下部側から支持する筒状の収穫用キャップであって、前記収穫用キャップは、その開口部の一方に形成され、前記きのこを下部側から支持できるように、前記開口部の開口側に徐々に拡径するテーパ面に形成されている支持部と、他方の開口部に形成され、前記栽培瓶の瓶口部に着脱自在に嵌着される嵌着部とから構成され、前記嵌着部を栽培瓶の瓶口部に嵌着したとき、前記瓶口部の上端縁近傍に位置して、前記瓶口部の開口面を少なくとも二分割する仕切部材が、前記支持部と嵌着部との境界近傍に設けられていることを特徴とするきのこの収穫用キャップにある。 【0005】 また、本発明は、前述した収穫用キャップを用い、前記収穫用キャップの嵌着部を、菌掻きを施した培地表面が途中に位置する瓶口部に嵌着した後、前記培地表面から子実体を生長させることを特徴とするきのこの栽培方法でもある。 かかる仕切部材として、直径3mm以下の棒状部材を用いることによって、収穫用キャップからきのこ株を容易に抜き出すことができ、その際に、きのこ株も容易に分割できる。しかも、分割したきの株に棒状部材の痕跡を殆ど残さず、商品価値の高いきのこを得ることができる。 【発明の効果】 【0006】 本発明に係る収穫用キャップによれば、栽培瓶の瓶口部の途中に位置する菌床面から伸長したきのこを、その下部側を支持して、きのこの下部側が瓶口から垂れることを防止しつつ、内部に設けた仕切部材によってきのこを分割できる。 したがって、収穫用キャップごと栽培瓶から収穫されたきのこを、収穫用キャップから抜き出すことによってナイフを用いることなく容易に分割でき、きのこの分割作業の合理化をできる。このため、きのこの分割作業を含めたきのこの収穫作業の機械化を可能にできる。 更に、仕切部材は、収穫用キャップ内に設けられており、仕切部材の取扱性を向上できる。 また、収穫用キャップを栽培瓶の瓶口部に装着したとき、収穫用キャップ内に設けられた仕切部材は、瓶口部の上端縁近傍に位置しているため、原基の一部が瓶口部の上端縁上に出現することを抑制できる。このため、収穫したきのこの石突き部分を可及的に少なくできる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0007】 本発明に係る収穫用キャップの一例を図1に示す。図1(a)は収穫用キャップ10を栽培瓶12の瓶口部14に嵌着する状態を示し、図1(b)は栽培瓶12の瓶口部14に収穫用キャップ10を嵌着した状態を示す。 図1(a)に示す栽培瓶12には、きのこ栽培用の培地16が充填されており、瓶口部14の途中に培地表面の中央部にドーム状の菌床面16aが形成されている。このドーム状の菌床面16aからきのこの子実体が芽出して生長する。 この瓶口部14に嵌着される収穫用キャップ10の内部には、仕切部材としての棒状部材20が設けられている。 かかる収穫用キャップ10の嵌着部18を、栽培瓶12の瓶口部14に嵌着すると、図1(b)に示す様に、棒状部材20が瓶口部14の上端近傍に位置する。 【0008】 図1に示す収穫用キャップ10は、樹脂製であって、射出成形によって形成されている。かかる収穫用キャップの正面図を図2(a)に示し、図2(a)のX−X面における断面図を図2(b)に示す。 図2に示す収穫用キャップ10は、筒状体であって、この筒状体の一方の開口部には、菌床面16aから成長して瓶口部14から伸長したきのこの株の下部側を支持できるように、開口側に徐々に拡径するテーパ面22aに形成された支持部22が設けられている。かかる支持部22の開口縁近傍の外周側には、環状のリブ24が形成されており、支持部22の補強を図っている。 更に、筒状体の他方の開口部には、栽培瓶12の瓶口部14に着脱自在に嵌着される円筒状の嵌着部18が形成されている。この嵌着部18の内壁面に、外周面が摺接しつつ瓶口部14が挿入される。 【0009】 かかる嵌着部18の内径は、支持部22の嵌着部18側の内径よりも小径であるため、支持部22と嵌着部18との間には、両部を連続する連接部26が形成されている。この連接部26の先端部は、嵌着部18内に突出する突出部26aに形成されている。かかる突出部26aは、嵌着部18内に嵌着された瓶口部14の端面に当接するストッパとしての役割を果たす。 この収穫用キャップ10内には、図2(a)に示す様に、仕切部材としての棒状部材20が、突出部26の上面に接触するように設けられ、収穫用キャップ10の嵌着部18の開口部を二分割している。 かかる棒状部材20には、その一端部に傘状の頭部20aが設けられ、他端部にねじ部20bが設けられている。この棒状部20は、その他端部に設けられたねじ部20bによって、収穫用キャップ10の支持部22に螺着されている。 この棒状部材20としては、直径3mm以下、特に直径1mm以下の棒状部材20が好ましい。 尚、棒状部材20としては、直径3〜1mmのステンレスやばね材から成る針金を用い、その両端部の各々を収穫用キャップ10の支持部22や突出部26に形成した貫通孔に係止してもよい。 【0010】 図2に示す収穫用キャップ10を被着する栽培瓶12には、充填されたきのこ栽培用の培地16の中央部に形成した植菌孔内に、ブナシメジ等のきのこの種菌を充填して所定温度で且つ所定湿度の雰囲気中で培養した後、菌糸が生長した培地16の培地表面に菌掻を施し、培地表面の中央部にドーム状の菌床面16aを形成する。この菌床面16aは、栽培瓶12の瓶口部14の途中に位置している。 かかる栽培瓶12の瓶口部14に収穫用キャップ10の嵌着部18を嵌着することによって、図1(b)に示す様に、棒状部材20が瓶口部14の上端近傍に位置する。 次いで、収穫用キャップ10を被着した栽培瓶12を所定温度で且つ所定湿度に保持されている雰囲気中に載置して、きのこの生育を行うと、図3に示す様に、棒状部材20によって開口面が分割された瓶口部14の菌床面16aから多数本の子実体31a,31a・・が芽出す。 開口面が分割された瓶口部14の各菌床面16aからの子実体31a,31a・・の芽出が不均一の場合は、芽出した子実体31a,31a・・が分割した各菌床面16aで可及的に均一となるように、収穫用キャップ10の向きを修正してもよい。 ところで、瓶口部14の開口面を二分割する仕切部材が幅広部材の場合には、子実体31a,31a・・の芽出が不均一となったとき、収穫用キャップ10の向きを修正しないと、栽培瓶12の一本当りの収穫量が減少することがある。子実体は、芽出の密度が高い部分から低い部分に幅広の仕切部材を越えて生長できないためと考えられる。 この点、図1及び図2に示す棒状部材20によって瓶口部14の開口面を二分割した場合には、子実体31a,31a・・の芽出が不均一となったとき、収穫用キャップ10の向きを修正しなくても、栽培瓶12の一本当りの収穫量は変わらない。子実体は、芽出の密度が高い部分から低い部分に棒状部材20を越えて生長できるためと考えられる。 【0011】 菌床面16aに芽出した子実体31a,31a・・を成長させた状態を図4に示す。図4に示すきのこ30は、ブナシメジである。きのこ30は、菌床面16aから徐々に子実体が上方に伸長し、瓶口部14の開口部から大きく株状の広がるように生長する。収穫用キャップ10の支持部22は、そのテーパ面22aによって、子実体が瓶口部14の開口部から外方に延びる際に、子実体が瓶口部14から下方に垂れ下がることを防止し、まとまった株状に生長させることができる。 瓶口部14の開口部から上方に伸長したきのこ30の株は、瓶口部14の上端近傍に位置する棒状部材20によって分割されている。 また、きのこ30の原基は、棒状部材20よりも下部の瓶口部14内に存在し、棒状部材20が存在しない場合の如く、原基の一部が瓶口部14の上端縁上に出現することはない。このため、収穫したきのこの石突き部分を可及的に少なくできる。 【0012】 図4に示すきのこ30は、収穫キャップ10ごと栽培瓶12から引き抜いて収穫できる。この際に、きのこ30は、図5に示す様に、収穫用キャップ10と共に栽培瓶12から引き抜かれる。 菌床面16aから伸長する子実体は、棒状部材20を越えて伸長しても、互いに接触するものの、一体化しない。このため、図5に示すきのこ30から収穫用キャップ10を引き抜くと、きのこ30は、図6に示す様に、容易に2分割できる(30a,30b)。 瓶口部14内の部分(石突き部分)は、分割されておらず一体化しているが、収穫用キャップ10を引き抜く際に、石突き部分を棒状部材20によって引き裂くことができ、きのこ30を容易に二分割できる。 この様に、きのこ30を2分割することによって、一人が消費できる量のきのこ30a,30bを得ることができ、一人用きのことして袋詰めして出荷できる。 【0013】 図1〜図6に示す収穫用キャップ10では、一本の棒状部材20によって収穫用キャップ10の嵌着部18の開口部を二分割しているが、図7に示す収穫用キャップ10の様に、二本の棒状部材20a,20bを十字状に組み合わせ、収穫用キャップ10の嵌着部18の開口部を4分割してもよい。 図7に示す収穫キャップ10を用いると、収穫されたきのこ30を、図8に示す様に、4分割できる。 また、仕切部材としては、図9に示す様に、幅狭の仕切板32も用いることができる。この仕切板32も、その下端が突出部26の上面に接触するように、収穫キャップ10内に設けられる。かかる仕切板32の幅は、幅狭なほどよいが、仕切板32の強度との関係から5mm程度とすることが好ましい。 【図面の簡単な説明】 【0014】 【図1】本発明に係る収穫用キャップを栽培瓶の瓶口に被着する状態を説明する説明図である。 【図2】図1に示す収穫用キャップの正面図及び断面図である。 【図3】図2に示す収穫用キャップを栽培瓶の瓶口部に被着して子実体の芽出を行った状態を説明する説明図である。 【図4】図2に示す収穫用キャップを被着して栽培したきのこの状態を説明する部分断面図である。 【図5】きのこを栽培瓶の瓶口から収穫用キャップごと収穫した状態を説明する部分断面図である。 【図6】図5に示すきのこから収穫用キャップを引き抜いた状態を説明する説明図である。 【図7】本発明に係る収穫用キャップの他の例を説明するための正面図である。 【図8】図7に示す収穫キャップを用いて4分割されたきのこの状態を説明する説明図である。 【図9】本発明に係る収穫用キャップの他の例を説明するための断面図である。 【符号の説明】 【0015】 10 収穫用キャップ 12 栽培瓶 14 瓶口 16a 菌床面 16 培地 18 嵌着部 20,20a,20b 棒状部材 22a テーパ面 22 支持部 26 連接部 30 きのこ 31a 子実体
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| 【出願人】 |
【識別番号】501118727 【氏名又は名称】久保産業有限会社
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| 【出願日】 |
平成18年5月16日(2006.5.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077621 【弁理士】 【氏名又は名称】綿貫 隆夫
【識別番号】100092819 【弁理士】 【氏名又は名称】堀米 和春
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| 【公開番号】 |
特開2007−306807(P2007−306807A) |
| 【公開日】 |
平成19年11月29日(2007.11.29) |
| 【出願番号】 |
特願2006−136135(P2006−136135) |
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