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【発明の名称】 植物レンタルシステム、方法及びコンピュータプログラム
【発明者】 【氏名】田中 秀奉

【要約】 【課題】植物が置かれている環境情報を収集して、その場所に最適な植物を、コストを掛けずに配送して管理できる仕組みを提供する。

【解決手段】植物の環境情報に対する耐用期間を記憶する耐用期間情報記憶手段と、センサ装置からプランタが設置された場所の環境情報に基づいて、耐用期間情報記憶手段に記憶されている耐用期間を徒過したプランタを判別する判別手段と、耐用期間を徒過したと判別されたプランタの設置場所のユーザの端末に対して、プランタ上の栽培マットを返送するように通知する通知手段と、ユーザの情報とユーザのところに配置されているプランタで栽培されている植物の情報を関連付けて記憶するユーザ情報記憶手段と、取得した環境情報に適合する代替用の植物を選択し、上記ユーザ情報記憶手段に記憶されている栽培されている植物の情報を更新する選択手段と、を有することとした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
栽培者のところに設置されたプランタ及びプランタ上に配置された植栽マットと、プランタが設置された場所に設置されたセンサ装置と、上記センサ装置からの情報に基づいてレンタル植物の環境情報を取得するサーバとを有するシステムであって、
上記センサ装置は、
上記プランタが設置された場所の気候、温度、湿度、日照のうちの少なくとも一つの情報を含む環境情報を生成する環境情報取得手段と、
上記環境情報上記サーバが読み取り可能に出力する出力手段と、
上記サーバは、
植物の環境情報に対する耐用期間を記憶する耐用期間情報記憶手段と、
上記センサ装置からの環境情報に基づいて、上記耐用期間情報記憶手段に記憶されている耐用期間を徒過したプランタの植物を判別する判別手段と、
上記耐用期間を徒過したと判別された植物のプランタが設置されている場所のユーザの端末に対して、上記プランタ上の植栽マットを返送する旨を通知する通知手段と、
上記ユーザの情報とユーザのところに配置されているプランタで栽培されている植物の情報を関連付けて記憶するユーザ情報記憶手段と、
上記取得した環境情報に適合する代替用の植物を選択し、上記ユーザ情報記憶手段に記憶されている栽培されている植物の情報を更新する選択手段と、
を有することを特徴とする植物レンタル情報処理システム。
【請求項2】
上記植栽マットは、回収ケージにより折りたたんで梱包されることで、配送可能となっている、
請求項1記載の植物レンタル情報処理システム。
【請求項3】
栽培者のところに設置されたプランタ及びプランタ上に配置された植栽マットと、プランタが設置された場所に設置されたセンサ装置と、上記センサ装置からの情報に基づいてレンタル植物を選択するサーバとを有するシステムにより行われる方法であって、
上記センサ装置が、上記プランタが設置された場所の気候、温度、湿度、日照のうちの少なくとも一つの環境情報を取得する処理と、
上記センサ装置が、上記環境情報及び撮影情報を上記サーバが読み取り可能に出力する処理と、
上記サーバが、上記センサ装置からの環境情報に基づいて、植物の環境情報に対する耐用期間を記憶する耐用期間情報記憶手段に記憶されている耐用期間を徒過したプランタを判別する処理と、
上記サーバが、上記耐用期間を徒過したと判別されたプランタの設置場所のユーザの端末に対して、上記プランタ上の栽培マットを返送するように通知する処理と、
上記サーバが、上記ユーザの情報とユーザのところに配置されているプランタで栽培されている植物の情報を関連付けてユーザ情報記憶手段に記憶する処理と、
上記サーバが、上記取得した環境情報に適合する代替用の植物を選択し、上記ユーザ情報記憶手段に記憶されている栽培されている植物の情報を更新する処理と、
を行うことを特徴とする植物レンタル情報処理方法。


【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、外構、屋上、屋根、屋根裏,壁面、バルコニー、室内家緑化等のための植物のレンタルシステムに関する仕組みであって、レンタル等された植物を管理するために好適な技術である。
【背景技術】
【0002】
現在、レンタルで観葉植物や花などをオフィスや家庭に置いておき、定期的に取り替える、いわゆる貸鉢が行われている。
このようなビジネスでは、まず配置する観葉植物などを鉢植えで置いておき、定期的に園芸の会社の人が水をあげながら見回り、1ヶ月ごとなど定期的に植物を交換するようになっている。
そして、オフィスなどにおかれている途中で、その貸し出された植物が枯れたりしおれたりしないかを確認し、もし枯れた植物などがあればこれを交換し、回収した植物は園芸店側で再度生育させるようになっている。
また、オフィス等に配置された植物の生育状態を確認するのは、ある程度目の利く熟練した者であることが必要であり、そのため移動に要する時間的、経済的な負担も必要としていた。
【0003】
また、植物の栽培を補助するための仕組みとしては、植物の栽培状況の調査結果を栽培区画ごとに管理し、利用者側からの要求により該契約がなされた栽培区画における調査結果を収集する仕組みが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2002−108971
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、植物は、季節、気候、地域、温度、湿度、土壌などの条件が整って初めて生育できるが、これらの条件が配置される場所によっては異なることが多く、その場所に適した植物を選定して適切な植物を配置することができなかった。例えば、オフィスの中でも日当たりが良く乾いた場所に配置される場合もあれば、暗く湿潤な場所に配置される場合もある。これらの場合、どの場所にどのような植物を置くのかは、メンテナンスをやる人の経験と勘によって決定しなければならず、その場所に適した植物を配置するということができていなかった。
また、植物は定期的に水や肥料などをやる必要があるが、このメンテナンスを行うため従来は、園芸店の人が巡回していたが、これでは大変な労力と費用がかかってしまい、コストが高くなってしまうという問題があった。
また、植物には、各種の類(木本類、花弁類、草木類など)があるが、類によっては一定の場所に定置された場合を除き、移動することで根・枝の伸展を停止してしまう。植物によっては、2〜3週間ほどして環境にあわせて体制を整えてから伸長を始める種類の一部には2年越しのものもある(例えば、モッコウの苗、イチョウの新梢、ドイツトーヒーなど)。従来の貸鉢では、このような植物の特性を考慮せず、植物が伸長する以前に、環境に適応する明るさや温度等が変化し、これらの条件に適応した展葉、展根などの準備ができる前、あるいはできたばかりの時期に、回収されたり、また他のところへ持っていかれることがあり、植物としては状況の変化が早すぎ、生育を阻害してしまうという問題があった。
【0006】
さらに、レンタルする植物を運搬する場合も、従来は土を入れた鉢ごと運んでいたため、大変な重量となり回収交換作業が大変であった。
また、オフィスによっては、大型の植物が望まれる場合も多くあるが、積込、運搬、移動、取り下げ、交換等に必要とする人件費及び車両等の費用がかかり、一定限度の大きさ(約1.5〜1.7m程度)しかできなかった。植物の大きさ、葉の多さが室内の湿度を調整し、蒸散する水分の量は気化熱となって周辺温度を下げることであるから、ヒートアイランド現象の緩和の一助となる。従って、大きく伸長し、多く葉を茂らせることは環境改質の絶対条件であるが、上記理由などによる実現はしていないのが実態であった。
また、根が湿潤であるため、水漏れなどがあり他の荷物との混載ができにくく、梱包に大きな手間がかかり、横積みもできにくく、植物運搬専用車を用いて、なおかつ園芸の専門家でなければ、植物をいためずに配送、回収、運搬することはできなかった。
【0007】
また、立木の場合、立てたまま配送することが困難であり、若齢の幼苗などは梱包が困難で配送できなかった。
立木の場合、根の土壌部と地上部とのバランスが取れていないため、倒れれば折損しやすく、倒れないように梱包することは比較的難しく、小口宅配便で配送することは梱包費等もかかってしまう。
【0008】
本発明は、これらの課題を解決するためになされたものであって、植物が置かれている環境情報を収集して、その場所に最適な植物を、コストを掛けずに配送して設置から交換までの管理ができる仕組みを提供することを目的とする。
ヒートアイランド現象を緩和する植物の働きをフルに引き出しながら、労働力削減し、流通経費を大幅に削減し、エネルギーの消費を極力減らし、大幅なコストダウンを図らなければならないとする課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一の観点にかかる植物レンタル情報処理システムは、栽培者のところに設置されたプランタ及びプランタ上に配置された植栽マットと、プランタが設置された場所と同じ場所に設置されたセンサ装置と、上記センサ装置からの情報に基づいてレンタル植物を選択するサーバとを有するシステムであって、上記センサ装置は、上記プランタが設置された場所の気候、温度、湿度、日照のうちの少なくとも一つの環境情報を取得する環境情報取得手段と、上記環境情報及び撮影情報を上記サーバが読み取り可能に出力する出力手段と、上記サーバは、植物の環境情報に対する耐用期間を記憶する耐用期間情報記憶手段と、上記センサ装置からの環境情報に基づいて、上記耐用期間情報記憶手段に記憶されている耐用期間を徒過したプランタの植物を判別する判別手段と、上記耐用期間を徒過したと判別された植物のプランタが設置されている場所のユーザの端末に対して、上記プランタ上の植栽マットを返送するように通知する通知手段と、上記ユーザの情報とユーザのところに配置されているプランタで栽培されている植物の情報を関連付けて記憶するユーザ情報記憶手段と、上記取得した環境情報に適合する代替用の植物を選択し、上記ユーザ情報記憶手段に記憶されている栽培されている植物の情報を更新する選択手段とを有することを特徴とする。
【0010】
これにより、オフィスなどでしかるべき場所にプランタを置き、その上に鉢を置いた場合、鉢の底の穴から布切れ、若しくはティッシュ等をたらしておけば、その鉢をプランタの上に置くと布切れなどから鉢の底の穴を通して毛細管現象で水が吸入される。これで従来の園芸店などの専門家による巡回水やりに要した労力と大きな費用は掛けなくて済み、大きな経済効果となる。
【0011】
上記植栽マットは、回収ケージにより折りたたんで梱包されることで、配送可能となっていてもよい。
【0012】
本発明の一の観点にかかる植物レンタル情報処理方法は、栽培者のところに設置されたプランタ及びプランタ上に配置された植栽マットと、プランタが設置された場所と同じ場所に設置されたセンサ装置と、上記センサ装置からの情報に基づいてレンタル植物を選択するサーバとを有するシステムにより行われる方法であって、上記センサ装置が、上記プランタが設置された場所の気候、温度、湿度、日照のうちの少なくとも一つの環境情報を取得する処理と、上記センサ装置が、上記環境情報及び撮影情報を上記サーバが読み取り可能に出力する処理と、上記サーバが、上記センサ装置からの環境情報に基づいて、植物の環境情報に対する耐用期間を記憶する耐用期間情報記憶手段に記憶されている耐用期間を徒過したプランタを判別する処理と、上記サーバが、上記耐用期間を徒過したと判別されたプランタの設置場所のユーザの端末に対して、上記プランタ上の栽培マットを返送するように通知する処理と、上記サーバが、上記ユーザの情報とユーザのところに配置されているプランタで栽培されている植物の情報を関連付けてユーザ情報記憶手段に記憶する処理と、上記サーバが、上記取得した環境情報に適合する代替用の植物を選択し、上記ユーザ情報記憶手段に記憶されている栽培されている植物の情報を更新する処理とを行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、植物が置かれている環境情報を収集して、その場所に最適な植物を選択することができる。
特に、植物は環境によって生育が大きく変動するため、その環境にあった植物を配置することができる。また、植物をレンタルの場合、園芸に熟練した人間(園芸店の従業員など)は、常時その場所に居て植物の世話をすることはできず、巡回したときに、一時的にしか植物を見られないので、その巡回した状態した時の状態しか見ることができなったが、本発明によりその場にいなくとも常時植物が置かれた環境の情報を、園芸の専門家が見て管理することができる。
そして、レンタルした植物を配置・回収する場合には、ケージを使って、植栽マットを折りたたんで運搬することで、コストをかけずにレンタルした植物を配置・回収することもできる。
これにより、例えば、従来1鉢あたり月額2500円でレンタルをしていたとすれば、年間レンタル料金が36,000円となるが、園芸店では同じ大きさの植物が1鉢当り10,000円以下で購入できる。それを本発明のプランタの上に置くだけで、移動しなくて済むために、約3ヶ月後に伸長が始まり、順調に伸びて環境に適応して、緑量の多い大きな植物に変化し、我々の望む気化熱を存分に引き出すことができる。コストは植物代10,000円で何十ヶ月も成長を続けることができ、大幅なコストダウンをすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明にかかる植物レンタルシステムの一実施形態について説明する。
図1に本実施形態にかかる植物のレンタルシステムの全体構成を示す。
図1では、レンタル先の家庭やオフィスに配置されたプランタ1及び植栽マット10と、ユーザ端末2、及びセンサ装置3が配置されている。
また、園芸店には園芸店端末4と園芸ハウス5内のプランタ1及び植栽マット10から構成されており、これらユーザ端末2、センサ装置3と園芸店端末4とインターネットや電話回線などの通信を介して接続可能に構成されたサーバ7が配置されている。
また、園芸店と家庭やオフィスとの間で、植栽マットなどを配送する配送者6が存在している。
【0015】
プランタ1は、植物を植栽するための容器であって、このプランタ1上に植栽マット10が載置されている。
このプランタ1及び植栽マットの構造は、本出願人が先に出願した特開2002−345342号に記載のプランタを用いることができる。
【0016】
このプランタの構成を図9及び図10に示す。図9及び図10において、プランタ1は、上面14に溝13が形成されている。植栽マット10は、プランタ1の上面14に配置され、プランタ1の内部に溝13から挿入される吸水部12aを有する。植栽マット10は、その上に薄い防根マット15を有している。水位調節装置18は、溝13と連通するプランタ1の内側底部に設けられている。
【0017】
水位調節可能なプランタ1は、水位調節装置18の注水口より高い位置にある貯水槽などに接続して使用する。植栽マット10の上には、直接植物の種を蒔いて植物を生育させておいてもよいし、また、植栽マット10上に直接種を蒔いた植木P3を生育させるだけでなく、植栽鉢から取り出した植物、植木鉢ごと植物を配置することもできる。水位調節装置18は、プランタ1の内部に水を供給し、内部の水位を調節する。植栽マット10は、その吸水部10aから溝13を通してプランタ1の内部の水を吸い上げる。植栽マット10には、毛細管現象により水が全体に行き渡る。植栽マット10が吸い上げた水は、植木鉢P3内の植物により利用される。
【0018】
すなわち、フレキシブルチューブ17を通して水門16から入った水は、溝13を通って溝全体に行き渡り、その上の植栽マット10を経てプランタ1の上面14まで全体に行き渡る。防根マット15の上に植木P3が置かれる。その植木P3は、薄い麻の生地のような不織布から成り、通気性が良好である。このため、植木P3は、周りが常時、空気と接触しており、周囲から空気を取り入れることができ、根は内側へ内側へと入るため、外には現れない。根は空中、特に明るいところが嫌いで暗い所に向かって伸長するのが一般的である。また内側はいつも湿潤であるため、通常の鉢の中のように鉢の内側にビッシリと根を張らせて空気を吸収しようとしている現状とは全くまるで逆である。
【0019】
植木P3は、防根マット15に接した底から防根マット15に含まれる水を吸い取る。植木P3の植物は、水を吸収し、吸収した水は植物の体内を通り、葉から蒸散される。プランタ1の水は、溝13の中の吸水部10aから植物の根に吸収され、溝13の底まで水位が下がる。その時、植栽マット10は水から離れ、植栽マット10の内部に空気が入り込む。その時、水が貯水槽からフレキシブルチューブ17を通って、水位調節装置18の注水口16に入り込む。水位調節装置18は、前述のとおり配水を行い、水位の調節を行う。これらの動作は、植物の状態に応じて繰り返される。このように、植物にとって有害な水ストレスがなく、また、植栽マット10に空気が入り込むため、水位調節可能なプランタ1は、理想的な配水システムである。
【0020】
植物を生産する場合、目的に応じた苗からの生産・生長段階を経て目的の地、または場所に定植され、観賞もしくは利用される。その場合、望まれることは「苗半作」といわれるようにどのような環境で苗が育ってきたのかによって、その後の管理にもよるが、大きな差異となることが多い。
【0021】
一般に、苗木の生産段階では、出荷の際、根がルーピングしていることが多い。これは、生育段階で、空気が入り込んでいるにもかかわらず、水が不足して一瞬たりとも休むことのない蒸散作用のための水を求めて根冠の先の毛細根によって、水を吸収しようとするため、根冠もろとも押し出されてくる。これが鉢などの周りにビッシリとなり、水が潤沢であるにもかかわらず空気が不足することから水ストレスが多いために起こる現象である。ルーピングした根は、必ずしもその後の生長に必要のない根であり、むしり取るか切り取ってから定植しなければならない。
【0022】
今後、生産段階にて望まれることは、以下の1〜4の事項である。
1.根がルーピングしていないこと。
2.水が潤沢に供給され、根を伸長しなくても良いこと。
3.空気が常時供給され、根を伸長しなくても良いこと。
4.植物は乾燥している場所へは根が伸びず、湿潤な場所に根を張りたがるから、鉢の外側を乾燥させ、内側の湿っているところに向かって根を張らせること。従って、内側へ内側へと根がもぐり込んでいくことになる。
【0023】
その結果、移植したとき、根をむしり取ったり切り取ったりすることがないため、移植の痛みがなく、その後、植物は順調に生育を開始する。
【0024】
この水位調節可能なプランタ1は、水位調節装置18と植栽マット10との相乗効果により、植物の生育にとって良い環境を創り出すため、ひいては大きな経済的効果を生むことになる。
【0025】
ユーザ端末2は、家庭やオフィスなど植物が配置されている側のユーザが使用するコンピュータである。ユーザ端末2は、インターネットブラウザや電子メールのメーラなどの所定のプログラムを搭載して実行することにより、インターネットなどを介してサーバ7と接続可能に構成されており、サーバ7から送信された指示などを電子メールなどにより受信することができる。
【0026】
また、プランタ1の近傍には、プランタ1が配置されている場所の温度、湿度、天候、日照などの環境情報を取得するためのセンサ装置3が配置さている。
このセンサ装置3は、図2に示すように、集信装置31と、これに接続されたセンサとしてのカメラ32、温度・湿度センサ33、日照センサ34から構成されている。
【0027】
集信装置31は、コンピュータにより構成されており、各センサが取得した温度、湿度などの環境情報を集計して、これをサーバ5へ送信する処理を行う。この集信は、例えば、決まった時間ごと(1時間後となど)にセンサからのデータを取得して記憶し、これを電話回線などの有線又は無線の通信を介してサーバ7へ送信する処理を行う。また、サーバ7からの指示に基づいて、指示があった時点でこれらセンサからの環境情報を取得するようにしてもよい。
カメラ32はレンタルされている植物の状態を画像を取得するためのカメラである。このカメラ32により、その場所の静止画や動画の画像を取得することができる。
温度・湿度センサ33は、配置されている場所の温度、湿度を計るためのセンサであり、日照センサ34は、その場所の明るさの強度及び日照時間などを計測するセンサである。
これらセンサは必要に応じて取り付けたり、また外したりすることができる。また、この他のセンサを取り付けて環境情報として収集してもよい。
【0028】
園芸店端末4は、園芸店の従業者等が利用するコンピュータであって、インターネットブラウザや電子メールのメーラなどのコンピュータプログラムを搭載して実行することにより、サーバ7からの情報を取得して出力したり、入力した情報をサーバ7へ送信する処理を行う装置である。
この園芸店端末4は、サーバ7から送信された情報をディスプレイ上にテキストや画像等として表示したり、また必要に応じて音声などを出力できるようになっている。
この園芸端末4により、園芸店の従業員は、会社やオフィスに配置されている植物の環境情報を認識できる。
【0029】
配送者6は、植栽マット10などを運搬する配送業者である。この配送者6は、いわゆる宅配便業者などであって、トラック等に植栽マット10を梱包した箱(段ボール箱等)を積載して配送する作業を行う。
【0030】
サーバ7は、家庭やオフィスに配置されたレンタル植物及び、園芸店の植物の出荷状況などを管理するためのコンピュータである。
このサーバ7は、CPU(Central Processing
Unit)と、このCPUが実行するコンピュータプログラム、コンピュータプログラム等を記憶可能なRAM(Random
Access Memory)、ハードディスクドライブなどの記憶部により図3に示す機能ブロックを構成する。
図3に示した機能ブロックは、耐用期間データベース(DB)71、ユーザ情報データベース(DB)72、レンタルデータベース(DB)73、園芸店データベース(DB)74、送受信処理部75、耐用期間判別部76、選択処理部77、配送処理部78から構成されている。
【0031】
耐用期間データベース71は、植物の種別ごとの特徴や気候条件に対する耐用期間を定義したデータベースである。
この耐用期間データベース71には、図4に示すように、植物ごとに識別するID、植物の名称、特徴、耐用条件が記憶であるようになっている。
この植物の名称個々の植物の名前であって、例えば、「バラ」や「チューリップ」などといった名称である。
特徴は、各植物が有している特性であり、色、高さ、大きさ、季節などの情報である。
耐用条件は、その植物が生育するために必要な条件が記憶されている。この条件としては、例えば、気温18度以上、湿度50%、日照時間1日6時間以上、取り替えるタイミングを表す耐用日数として通常時(気温等が条件を満たしている場合)14日間、非常時として、気温が18度以下の場合8日間などの条件が記憶されている。
従って、このうちの気温、湿度などがこの条件を下回った日が継続した場合には、取替え時期が早まることになる。
【0032】
ユーザ情報データベース72は、レンタル先のユーザに関する情報をデータベース化したものである。
このユーザ情報データベース72には、図5に示すようにユーザを識別するためのユーザID、ユーザ名、配送先の住所を表す配送先情報、メールアドレスやIPアドレスなどの通信情報、環境情報が記憶できるようになっている。
環境情報としては、センサ装置3から送られてきた情報、例えば、温度、湿度、日照時間、カメラの画像などのデータを受信した日時と共に時系列的に記憶した情報である。
なお、これらの環境情報のデータだけを別のデータベースとして記憶するようにしてもよい。
【0033】
レンタルデータベース73は、ユーザにレンタルしている植物の情報をデータベース化したものである。
このレンタルデータベース73には、植物をレンタルした先のユーザのユーザID、レンタルした植物の植物ID、レンタル開始日、レンタル終了日、植物を配送する配送者6を識別する配送者IDが記憶できるようになっている。
これにより、例えば、A会社にユリを2006年1月10日にレンタルを開始し、配送会社Y運輸に依頼した場合には、レンタルデータベース73にユーザIDとしてA会社のID「001」、レンタル植物ユリの植物ID「1001」、レンタル開始日「20060110」、配送者Y運輸の配送者ID「M0001」が記憶されるようになる。
【0034】
園芸店データベース74は、園芸店で育成している植物及びその出荷可否に関する情報をデータベース化したものである。
この園芸店データベース74には、図7に示すように園芸店を識別するための園芸店ID、当該園芸店が保有している植物の植物ID、育成情報、レンタル情報、出荷可否などが記憶できるようになっている。
育成情報とは、園芸店等での肥料や水などをどの程度与えているかなどに関する情報であり、例えば、ある肥料を5g与えた日時などの情報が含まれる。
レンタル情報は、現在レンタル中か否かを表す情報であって、レンタル中の場合にはフラグが記憶される。このレンタル情報は、出荷されたときに入力され、記憶される。
出荷可否情報は、園芸店にある植物の中で出荷可能な物を表す情報であって、出荷(レンタル)可能な場合にはフラグが記憶される。この出荷可否情報は、園芸店の園芸店端末4から園芸店の従業員等が入力したデータに基づいて記憶される。
【0035】
送受信処理部75は、インターネット、電話回線などを介して通信を行い、データの送受信処理を行う。
この送受信処理部75により、ユーザ端末2、園芸店端末4とメール等によるデータの送受信ができるとともに、センサ装置3から送信された環境情報を受信することができる。
また、必要に応じて、配送会社6に対しても配送依頼情報を送信することができる。
【0036】
耐用期間判別部76は、センサ装置3から取得した環境情報やレンタル開始からの経過時間に基づいて、レンタルされている植物の耐用期間、すなわち取替えの時期を判別する処理を行う。
レンタル開始からの経過時間で判別する場合には、レンタルデータベース73を参照して、当該ユーザのところにレンタルされている植物の植物IDとレンタル開始日の情報を取得し、図示しない計時部の現在日時に基づいて現時点までの経過日数を算出し、算出した経過日数が当該植物の耐用日数に達したか否かを判別することにより行う。
また、環境情報により判別する場合には、ユーザ情報データベース72に記憶されている環境情報のうち、当該植物の耐用条件をクリアーしていない期間が継続した時間を計算し、その時間(期間)が耐用条件を以上になった場合に取替え時期と判別する。例えば、レンタル開始から気温18度以下の日が53時間あった場合、植物が気温18度以下の耐用時間50時に設定されている場合は、取替え時期と判別する。
【0037】
選択処理部77は、各ユーザのオフィスや家庭などの場所の環境情報に応じて、そこの環境に適合した植物を選択する処理を行う。
この選択処理は、例えば、ユーザ情報データベース72に記憶されているユーザの環境情報から、気温、湿度、日照時間などを平均化し、その平均値に基づいて耐用期間データベース71に記憶されているその植物の中から耐用条件に該当する植物を選択すると共に、選択した植物のうち園芸店データベース74でレンタル可能な植物を選択して、その植物の情報を園芸店端末4に送信する処理を行う。
【0038】
配送処理部78は、選択された植物の配送を配送者6に通知して依頼する処理を行う。
この際依頼するデータとしては、配送先のユーザの配送先情報と当該植物の大きさなどの情報を通知する。
【0039】
次に、図8を参照して、全体の処理の流れについて説明する。
なお、図8の状態では、各ユーザに既にレンタル植物が配置されている状態とする。
この状態で、ユーザのところに配置されたセンサ装置3から環境情報が送信され、サーバ7の送受信処理部75が送信された情報を受信する(S1)。
この時環境情報としては、温度・湿度センサ33、日照センサ34により取得した、植物が配置されている場所の温度、湿度、日照の強さ及び時間、必要に応じてカメラ32の画像が含まれる。
この情報を受信するタイミングは、毎日1回、又は所定の日数に1回記憶するようにしてもよい。
そして、これら受信した情報は、サーバ7のユーザ情報データベース52に環境情報として記憶される。
【0040】
環境情報を受信すると、サーバ1の耐用期間判別処理部56が、レンタルされている植物を取り替える必要があるか否か判別する(S2)。
この判別処理は、耐用期間判別処理部56が、レンタルデータベース53を参照してレンタル開始日から現時点までの経過日数を計算し、この経過日数が耐用期間データベース51に記憶されている当該植物の耐用期間を経過したか否かを判別する。
これにより、例えば、当該植物の通常時の耐用期間が20日の植物の場合、レンタル開始から現在までの経過時間がこの耐用期間20日を超えているか否かを判別し、超えている場合には、取替え時期と判別される。
また上記の判別を行った後、耐用期間判別処理部56が、ユーザ情報データベース72に記憶されている環境情報のうち、当該植物の耐用条件をクリアーしていない期間が継続した時間を計算し、その時間(期間)が耐用条件を以上になった場合に取替え時期と判別する。これにより、例えば、取得した環境情報に基づいて、レンタル開始から現在までの気温(一日の平均気温)が18度以下の日が10日間あった場合、当該植物が気温18度以下の耐用期間が7日間に設定されている場合は、通常の耐用期間に達していない場合でも取替え時期と判別する。
【0041】
判別の結果、取り替え時期と判別された場合には、選択処理部57が、園芸店データベース54を参照して、園芸店で出荷可能とされている植物の中で、当該ユーザの環境情報に適合する植物を選択する(S3)。
配送する植物の選択は、選択処理部57が、まず園芸店データベース54に登録されている植物の中から出荷可能フラグが記憶されている植物を選択して、選択した植物の情報を一旦メモリに記憶する。
そして、選択処理部57が、選択した植物の中から、当該ユーザの環境情報に適合した植物を選択する。この処理は、具体的には、例えば、過去2週間などの所定期間の環境情報の温度、湿度、日照時間の平均値を算出し、算出したこれらのデータに基づいて、耐用期間データベース71に登録されている耐用期間に一致する植物を選択する。
これにより、オフィス等の平均気温が15℃であった場合には、出荷可能な植物のうち15℃が適温として登録されている植物が選択される。なお、複数の植物が該当する場合には、そのうちから出荷回数が少ないものを優先して選択するようにしてもよい。
なお、S3の処理で取り替える必要がないと判別された場合には処理を終了する。
【0042】
配送する植物が選択されると、配送処理部58が配送者6に対して園芸店の園芸ハウス5にある植物を集配するように通知して、配送の指示を行う(S4)。
この時、配送者に対してユーザ情報データベース52に記憶されている当該ユーザの配送先情報が含まれる。
また、送受信処理部処理部55は、ユーザに対して回収予定日時を電子メール等により通知する(S5)。
【0043】
そして、配送者6が生産者から交換用の植物が入った箱などを持ってユーザのところへ交換にいく(S6)。
これにより、ユーザは、配送者から交換された植物を受け取る。
一方、ユーザの担当者は、プランタ1上の植栽マット10を、配送専用ケージを使って畳み込み、配送専用ケージとともに畳み込んだ状態で箱などに入れて、耐用期間の終了した植栽マットを植物が生育した現在のままで配送者に渡す。
そして、配送者6により届けられた箱の中に入っている植栽マット10を開き、これをプランタ1上に配置する。この植栽マット10上には植物が生育していることから、
これで植物の取替えが完了する。
これによりプランタ1上には水と肥料が供給されていることから、植栽マット10上の植物は即吸収して、蒸散を開始することができる。これにより、気化熱で周囲の温度を下げたりすることができる。
【0044】
なお、園芸ハウス5から各オフィス等に搬送する場合、又はオフィス等から園芸店に戻す場合には、まず図11に示すように植栽マット10上に種を蒔いて植物が発芽して生育中の状態の植栽マットを発送する。また、耐用期間が経過して生育不良若しくは枯死に至る最盛期を越えた植物もろともを返送する。
この状態で図12に示すように、プランタ1の中央の溝13に沿ってケージ100を配置する。このケージ100は、4本の柱100aと、柱100aの上端部で長手方向左右に渡された4本のハリ100bと、この柱100aの短手方向の左右に渡された2本のハリ100cと、2本のハリ100cを長手方向につなぐハリ100dと、左右両端のハリ100bとハリ100dとの間に渡されたハリ100eから構成されている。
この状態では、植栽マット10の溝13に対応する部分(給水部12a)には植物が生育していないので、ケージ100を配置しても植物を痛めることはない。
【0045】
そして、図13に示すように、植栽マット10の両端部を捲り上げて、ハリ100bに掛けるようにする。そして、図14に示すように、両端部を捲り上げてハリ100bに掛けることで、植栽マット10がケージ100に巻き付いた状態とする。
この際、ケージ100の高さは植栽マット10の一区画(溝13から隣の溝13までの間の長さ)の長さと同じになっていることから、ケージ100を配置した隣の溝13の部分がケージ100の上端部のハリ100b(一番外側のハリ100b)に掛かるよういになっている。
これにより、植栽マット10上の植物は、全てケージ100の内側を向いた状態で収納される。植物は、植栽マット10に根付いているため、そのままの状態で搬送可能となる。
この状態で、ケージ100と植栽マット10を一緒にビニール袋、箱(ダンボール箱など)に入れる。これにより、箱に入れた状態で、植栽マット10を搬送することができる。これで、植栽マット10上の植物を痛めることなく、搬送することができる。
また、図15に示すように、ケージ100を上下に重ねて発送することもできる。図15の場合、上下にケージ100を重ねて、その状態で梱包するにしてもよい。そして、この例では、上下2段左右2列の合計4個を一緒に発送することができる。これにより効率よく積載することができるため、トラック1台でより多くの植栽マット10を運搬・回収・移動することができる。
【0046】
このように、本発明によれば、植栽マット10のみを配送すればよいことから土が付いたままのように重いものを運ぶ必要がなく、また土がないため汚れずに綺麗に運ぶことができる。
【0047】
また、従来は、気温、湿度、日照時間やその土が持っている成分などの違いのより栽培環境が異なってきたが、植物が配置されている場所の環境情報を取得することで、最適な植物を配置することができる。
【0048】
また、植物の配送は、配送ケージを使って、植栽マットを折りたたんで梱包して配送するようにしたことから、簡単に配送でき、コストを大幅に削減することができる。またプランタ上にマットを配置するだけでよいことから、だれでも簡単に植え替えをすることができる。
また、生産者がわのハウスでも同じプランタを使うことで、ユーザ側でも園芸店側でも同じ環境を提供することができる。これにより、植物に負荷を掛けることなく、植物の成長を阻害することがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係るシステムの全体構成を示した図。
【図2】本実施形態に係るセンサ装置の構成を示した図。
【図3】本実施形態に係るサーバの機能ブロック図。
【図4】本実施形態に係る耐用期間情報データベースに記憶されるデータ項目を示した図。
【図5】本実施形態に係るユーザ情報データベースに記憶されるデータ項目を示した図。
【図6】本実施形態に係るレンタルデータベースに記憶されるデータ項目を示した図。
【図7】本実施形態に係る園芸店データベースに記憶されるデータ項目を示した図。
【図8】本実施形態に係るシステムの処理の流れを示した図。
【図9】本実施形態に係るプランタの一例を示した斜視図。
【図10】本実施形態に係るプランタに植物を植えた植栽マットを載せた状態のA−A断面面。
【図11】本実施形態にかかるプランタ上に植栽マットを配置した斜視図。
【図12】植栽マット上にケージを配置した図。
【図13】ケージに植栽マットを巻きつける途中の様子を示した斜視図。
【図14】ケージに植栽マットを巻きつけた様子を示した斜視図。
【図15】ケージを並べて発送する場合を示した斜視図。
【符号の説明】
【0050】
1・・・プランタ、 2・・・ユーザ端末、3・・・センサ装置、 4・・・園芸店端末、 5・・・園芸ハウス、 6・・・配送者、 7・・・サーバ


【出願人】 【識別番号】500549261
【氏名又は名称】株式会社ガーデン二賀地
【出願日】 平成18年4月19日(2006.4.19)
【代理人】 【識別番号】100103872
【弁理士】
【氏名又は名称】粕川 敏夫


【公開番号】 特開2007−282599(P2007−282599A)
【公開日】 平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願番号】 特願2006−116091(P2006−116091)