| 【発明の名称】 |
手持ち式刈込機 |
| 【発明者】 |
【氏名】山口 浩
【氏名】三森 豊樹
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| 【要約】 |
【課題】ブレードを組み立てた後においても上刃の下刃に対する撓み量や押付力を調整可能とすることによって、ブレードの分解・再組立や交換が不要で、刈り残しや騒音の発生を防ぐことができる手持ち式刈込機を提供すること。
【解決手段】上刃3aと下刃3bを上下に重ね合わせて成るブレード3を本体に備え、該ブレード3の上刃3aと下刃3bの各中間部を、ベース板19に立設された支持ピン21と該支持ピン21に係合する止め輪(係合部材)22によって挟持するとともに、上刃3aと下刃3bの反刃先側端部に加圧ピン27を介設した手持ち式刈込機において、前記支持ピン21、前記加圧ピン27、前記止め輪22の少なくとも1つをブレード3面に対して進退可能に設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上刃と下刃を上下に重ね合わせて成るブレードを本体に備え、該ブレードの上刃と下刃の各中間部を、ベース板に立設された支持ピンと該支持ピンに係合する係合部材によって挟持するとともに、上刃と下刃の反刃先側端部に加圧ピンを介設した手持ち式刈込機において、 前記支持ピン、前記加圧ピン、前記係合部材の少なくとも1つをブレード面に対して進退可能に設けたことを特徴とする手持ち式刈込機。 【請求項2】 前記支持ピンを前記ベース板に螺着するとともに、該支持ピンに前記係合部材として止め輪を係止したことを特徴とする請求項1記載の手持ち式刈込機。 【請求項3】 前記支持ピンを前記ベース板に嵌め込むとともに、その端部に前記係合部材としてナットを螺着したことを特徴とする請求項1記載の手持ち式刈込機。 【請求項4】 前記加圧ピンを前記ブレードの上刃又は下刃に螺着したことを特徴とする請求項1記載の手持ち式刈込機。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、芝等の刈り込みに使用される手持ち式刈込機に関するものである。 【背景技術】 【0002】 手持ち式刈込機は、本体底部にブレードを備え、本体に内蔵されたモータの回転を偏心カムによって前記ブレードの水平揺動運動に変換して芝等の刈り込みを行うものであるが、図7〜図10に従来の手持ち式刈込機のブレードの構成を示す。 【0003】 図7は従来の手持ち式刈込機のブレードの側断面図、図8(a),(b),(c)はそれぞれ図7のD部、E部、F部の拡大詳細図、図9(a),(b),(c)はそれぞれブレード上刃の平面図、側面図、正面図、図10(a),(b),(c)はそれぞれブレード下刃の平面図、側面図、正面図である。 【0004】 従来の手持ち式刈込機のブレード3は、図7及び図8に示すように、上下に重ねられた上刃3aと下刃3bで構成されており、これらの上刃3aと下刃3bは、その各中間部が支持ピン21と止め輪22によって挟持される形でベース板19に支持されており、これらは支持ピン21を中心として互いに逆方向に揺動して芝等の刈込作業を行う。 【0005】 ここで、上刃3aは、図9(a)〜(c)に示すように、全体が球面状に湾曲しており(図9(b)中のSRは曲率半径を示す)、その先端部には櫛状の刃部24aが形成されている。又、下刃3bは、図10(a)〜(c)に示すように、略平板状に成形されており、その先端部には櫛状の刃部24bが形成されている。 【0006】 而して、上述のように上刃3aが球面状に湾曲しているため、該上刃3aの刃部24aと下刃3bの刃部24b同士はハサミと同様に常に擦り合わさるように重なり合っている。このため、これらの刃部24a,24bは先端が撓んだ状態で略同一面に位置することとなり、全ての刃部24a,24bが同時に擦れ合うために芝等を刈り残し無く刈り込むことができる。ここで、刃部24a,24bは、図8(c)に示すように、互いの接触摺動面を越えるように配置されており、以下、この越える量bを「撓み量」と称することとする。 【0007】 又、上刃3aと下刃3bの各後端部25a,25b間に加圧ピン27を介在させることによって、上刃3aの刃部24aを下刃3bの刃部24bに所定の押付力f(図8(c)参照)で押し付け、両刃部24a,24bの擦れ合いを一層確実なものとしている(例えば、特許文献1参照)。 【特許文献1】特開2000−083475号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 しかしながら、上記従来の手持ち式刈込機においては、ブレード3の上刃3aと下刃3bは、支持ピン21と加圧ピン27によって所定の位置に固定されてしまうため、上刃3aの球面状寸法のバラツキや支持ピン21と加圧ピン27の精度等に起因して前記撓み量bや押付力fが変動してブレード3の動作荷重が大きくなる場合がある。そのため、ブレード3は組立後に全数について動作荷重を確認し、動作荷重が規定値以上のものについては分解して部品を組み立し直し、動作荷重を再確認する必要があり、その作業に多大な労力と時間を要するという問題があった。 【0009】 又、手持ち式刈込機を長時間使用していると、ブレード3の刃先部や支持ピン21、加圧ピン27等の摺動部に磨耗が生じ、上刃3aと下刃3bの撓み量bや押付力fが適切な値でなくなるために刃の切れ味が悪くなり、芝等の刈り残しが生じたり、騒音が大きくなる場合もあり、ブレード3自体を新しいものと交換しなければならないこともあった。 【0010】 本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、ブレードを組み立てた後においても上刃の下刃に対する撓み量や押付力を調整可能とすることによって、ブレードの分解・再組立や交換が不要で、刈り残しや騒音の発生を防ぐことができる手持ち式刈込機を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0011】 上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、上刃と下刃を上下に重ね合わせて成るブレードを本体に備え、該ブレードの上刃と下刃の各中間部を、ベース板に立設された支持ピンと該支持ピンに係合する係合部材によって挟持するとともに、上刃と下刃の反刃先側端部に加圧ピンを介設した手持ち式刈込機において、前記支持ピン、前記加圧ピン、前記係合部材の少なくとも1つをブレード面に対して進退可能に設けたことを特徴とする。 【0012】 請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記支持ピンを前記ベース板に螺着するとともに、該支持ピンに前記係合部材として止め輪を係止したことを特徴とする。 【0013】 請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記支持ピンを前記ベース板に嵌め込むとともに、その端部に前記係合部材としてナットを螺着したことを特徴とする。 【0014】 請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記加圧ピンを前記ブレードの上刃又は下刃に螺着したことを特徴とする。 【発明の効果】 【0015】 本発明によれば、支持ピンをネジ結合すれば、ブレードが組み立てられた後においても支持ピンをドライバ等によって回してこれの高さを変更すれば、該支持ピンとこれに係合された止め輪等の係合部材による上刃と下刃の挟持高さが変化し、球状に湾曲した上刃の平らな下刃に対する撓み量が調整される。 【0016】 又、加圧ピンをネジ結合すれば、ブレードが組み立てられた後においても加圧ピンをドライバ等によって回してこれの高さを変更すれば、球状に湾曲した上刃の平らな下刃に対する押付力が調整される。 【0017】 従って、本発明によれば、ブレードが組み立てられた後においても上刃の下刃に対する撓み量や押付力を適正な値に調整することができ、ブレードの動作荷重を調整するために該ブレードを分解した後、組み直して動作荷重を再確認する等の作業が不要となり、無駄な労力と時間を省略することができる。又、刃の切れ味が悪くなって芝等の刈り残しが生じたり、騒音が大きくなる等の問題も発生せず、ブレード自体を新しいものと交換する必要もなくなる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0018】 以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。 【0019】 図1は本発明に係る手持ち式刈込機の側面図、図2は同手持ち式刈込機の側断面図、図3は同手持ち式刈込機のブレードの上面図、図4は図3のX−X線断面図、図5(a),(b),(c)はそれぞれ図4のA部、B部、C部の拡大詳細図である。 【0020】 本発明に係る手持ち式刈込機1は、本体2の底面に略水平に延びる櫛状の上下2枚のブレード3(上刃3aと下刃3b)を備えている。ここで、本体2は、左右2分割タイプのハウジング4を有しており、このハウジング4の上部には作業者が把持するためのハンドル部5が形成され、該ハンドル部5にはスイッチ6が設けられている。又、本体2の後部からは電源コード7が導出しており、該電源コード7の先端には電源プラグ8が取り付けられている。 【0021】 ここで、手持ち式刈込機1の内部構造を図2に基づいて説明する。 【0022】 本体2の内部には、駆動源としてモータ9が縦置き状態で内蔵されており、このモータ9の下方へ延出する出力軸10の端部には小径のギヤ11が圧入されている。又、本体2の内部には、モータ9の出力軸10と平行な2本の軸12,13がそれぞれ垂直に並設されており、一方の軸12には、大小異径のギヤ14a,14bを上下に2段に備える段ギヤ14が回動可能に支承され、他方の軸13には大径のギヤ15が回動可能に支承されている。そして、大径ギヤ15の下部には、軸13に対して偏心した大小異径の偏心ボス16a,16bが一体に形成されており、両偏心ボス16a,16bは偏心の位相が互いに180°ずれている。そして、大径の偏心ボス16aの外周には大径のリング17が嵌挿され、小径の偏心ボス16bの外周には小径のリング18が嵌挿されている。 【0023】 又、前記段ギヤ14の大径ギヤ14aは前記ギヤ11に噛合しており、小径ギヤ14bは前記ギヤ15に噛合している。 【0024】 ところで、前記ブレード3の上刃3aは球状に湾曲成形され、下刃3bは略平板状に成形されており、下刃3bの上に上刃3aが重ね合わされ、これらの上刃3aと下刃3bは、図4に示すように、ベース板19上に立設された支持ピン21によってその略中間部が回動可能に軸支されるとともに、支持ピン21とこれの上部外周に係止された係合部材としての止め輪22によって挟持される形でベース板19に支持されている。ここで、図5(a)に詳細に示すように、ベース板19にはネジ孔20が形成されており、このネジ孔20には、支持ピン21に刻設されたネジ部21aが螺合している。 【0025】 又、上刃3aと下刃3bの各基端部には、図3に示すように、長孔状の大小のカム孔23a,23bがそれぞれ形成されており、上刃3aに形成されたカム孔23aには大径のリング17を介して偏心ボス16aが嵌合しており、下刃3bに形成されたカム孔23bには小径のリング18を介して偏心ボス16bが嵌合している。 【0026】 更に、図4に示すように、上刃3aと下刃3bの各後端部間には加圧ピン27が介設されており、この加圧ピン27によって上刃3aの先端部(刃部)が下刃3bの先端部(刃部)に押し付けられている。ここで、図5(b)に詳細に示すように、下刃3bの後端部にはネジ孔26が形成されており、このネジ孔26に加圧ピン27に形成されたネジ部27aが螺合している。そして、この加圧ピン27の上面に上刃3aが当接しており、上刃3aの後端部が加圧ピン27によって押し上げられることによって、該上刃3aの前端部(刃部)が下刃3bの先端部(刃部)に押し付けられている。 【0027】 次に、以上の構成を有する手持ち式刈込機1の動作について説明する。 【0028】 本体2のハンドル部5に設けられたスイッチ6を引いてこれをONすることによって前記モータ9を駆動すると、その出力軸10の回転はギヤ11、段ギヤ14の大径ギヤ14aと小径ギヤ14bを経て減速されてギヤ15に伝達され、該ギヤ15が回転駆動される。すると、ギヤ15に一体に形成された大小異径の偏心ボス16a,16bにリング17,18を介してカム孔23a,23bが嵌合するブレード3の上刃3aと下刃3bが支持ピン21を中心として互いに逆方向に揺動するため、これらの上刃3aと下刃3bによって芝等が刈り込まれる。 【0029】 而して、本実施の形態では、支持ピン21はそのネジ部21aがベース板19に形成されたネジ孔20に螺合しているため、この支持ピン21を不図示のドライバーにて回動させると、該支持ピン21がベース板19に対して上下動して上刃3aと下刃3bを止め輪22との間で挟持している高さa(図5(a)参照)が変動する。そして、この挟持高さaが大きくなれば、球状に湾曲した上刃3aの平らな下刃3bに対する撓み量b(図5(c)参照)を増やすことができ、逆に挟持高さaが小さくなれば撓み量bを減らすことができる。 【0030】 又、加圧ピン27はそのネジ部27aが下刃3bに形成されたネジ孔26に螺合しているため、この加圧ピン27を不図示のドライバーにて回動させると、該加圧ピン27が下刃3bに対して上下動して上刃3aと下刃3bの距離c(図5(b)参照)が変動する。そして、この距離cが大きくなれば上刃3aの下刃3bへの押付力fも大きくなり、逆に距離cが小さくなれば上刃3aの下刃3bへの押付力fも小さくなる。 【0031】 従って、本実施の形態によれば、ブレード3が組み立てられた後においても上刃3aの下刃3bに対する撓み量bや押付力fを適正な値に調整することができ、ブレード3の動作荷重を調整するために該ブレード3を分解した後、組み直して動作荷重を再確認する等の作業が不要となり、無駄な労力と時間を省略することができる。 【0032】 又、上刃3aの下刃3bに対する撓み量bや押付力fを適正な値に調整することができる結果、刃の切れ味が悪くなって芝等の刈り残しが生じたり、騒音が大きくなる等の問題も発生せず、ブレード3自体を新しいものと交換する必要もなくなる。 【0033】 尚、本実施の形態では、支持ピン21をベース板19に直接螺合したが、図6(a) に示すように、ベース板19と下刃3bにナット28を下から嵌め込み、このナット28に支持ピン21を螺合しても良い。又、図6(b) に示すように、ボルト状の支持ピン21をベース板19と下刃3b及び上刃3aに下方から通し、その上端部に係合部材としてのナット29を螺着する構成を採用しても良く、この構成によれば止め輪22を省略することができる。その他、支持ピン21の上下をナット28,29等で螺合する方法も考えられるが、調整の手間を考慮すると支持ピン21の上下の何れか一方を螺合する構造が望ましい。 【0034】 又、本実施の形態では、加圧ピン27を下刃3bに直接螺合する構成を採用したが、図6(c) に示すように、下刃3bに螺合するピン30を介して加圧ピン27を下刃3bに取り付けても良い。更に、加圧ピン27を上刃3aに螺合する構成を採用しても同様の効果が得られる。 【図面の簡単な説明】 【0035】 【図1】本発明に係る手持ち式刈込機の側面図である。 【図2】本発明に係る手持ち式刈込機の側断面図である。 【図3】本発明に係る手持ち式刈込機のブレードの上面図である。 【図4】図3のX−X線断面図である。 【図5】(a),(b),(c)は図4のA部、B部、C部の拡大詳細図である。 【図6】(a),(b)は支持ピンの螺着構造の別形態を示す部分側断面図、(c)は加圧ピンの螺着構造の別形態を示す部分側断面図である。 【図7】従来の手持ち式刈込機のブレードの側断面図である。 【図8】(a),(b),(c)は図7のD部、E部、F部の拡大詳細図である。 【図9】(a),(b),(c)は従来の手持ち式刈込機のブレード上刃の平面図、側面図、正面図である。 【図10】(a),(b),(c)は従来の手持ち式刈込機のブレード下刃の平面図、側面図、正面図である。 【符号の説明】 【0036】 1 手持ち式刈込機 2 本体 3 ブレード 3a 上刃 3b 下刃 4 ハウジング 5 ハンドル部 6 スイッチ 7 電源コード 8 電源プラグ 9 モータ 10 出力軸 11 ギヤ 12,13 軸 14,15 ギヤ 16a,16b 偏心ボス 17,18 リング 19 ベース板 20 ネジ孔 21 支持ピン 21a 支持ピンのネジ部 22 止め輪(係合部材) 23a,23b カム孔 24a,24b 刃部 25a,25b 後端部 26 ネジ孔 27 加圧ピン 27a 加圧ピンのネジ部 29 ナット(係合部材) 30 ピン a 上刃と下刃の挟持高さ b 上刃の下刃に対する撓み量 c 上刃と下刃の距離 f 上刃の下刃への押付力
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005094 【氏名又は名称】日立工機株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年4月17日(2006.4.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100092853 【弁理士】 【氏名又は名称】山下 亮一
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| 【公開番号】 |
特開2007−282557(P2007−282557A) |
| 【公開日】 |
平成19年11月1日(2007.11.1) |
| 【出願番号】 |
特願2006−112845(P2006−112845) |
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