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【発明の名称】 培土資材
【発明者】 【氏名】鈴木 善久

【氏名】長谷川 謙司

【要約】 【課題】浚渫土砂を原料とした培土資材であって、雑草が生長するという問題を解決し、優れた物理性を有する培土資材を提供する。また、黒ボク土の代替資材として使用することが可能な浚渫土砂を原料とした培土資材を提供する。

【解決手段】培土資材は、天然又は人工の湖沼の底から浚渫した粘土質の浚渫土砂を熱処理及び造粒処理して得た熱処理造粒物を含み、この熱処理は、50℃〜600℃の範囲内で処理を行う低温熱処理である。物理性を向上させるために、熱処理造粒物は、目開き5mmの篩を通過する粒子寸法を有することが好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然又は人工の湖沼の底から浚渫した粘土質の浚渫土砂を熱処理及び造粒処理して得た熱処理造粒物を含み、前記熱処理が50〜600℃の範囲内で行う低温熱処理である培土資材。
【請求項2】
前記熱処理造粒物は、目開き30mmの篩を通過する粒子寸法を有する請求項1記載の培土資材。
【請求項3】
前記熱処理造粒物は、目開き15mmの篩を通過する粒子寸法を有する請求項1記載の培土資材。
【請求項4】
前記熱処理造粒物は、目開き10mmの篩を通過する粒子寸法を有する請求項1記載の培土資材。
【請求項5】
前記熱処理造粒物は、目開き5mmの篩を通過する粒子寸法を有する請求項1記載の培土資材。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、浚渫土砂を含んだ培土資材に関する。
【背景技術】
【0002】
湖沼等の公共用水域における富栄養化は、深刻な問題である。この富栄養化は、湖沼の底に堆積された堆積土砂から、窒素やリン等のミネラルが水中へ流出し、プラクトンが異常増殖することによって起こると考えられている。
【0003】
さらに、ダムのような人工湖沼の底に堆積された堆積土砂によって引き起こされる、人工湖沼の貯水量の減少、及び人工湖沼の放流管や排砂管等の機能低下も問題となっている。
【0004】
これらの問題を解決するために、従来から、湖沼の堆積土砂の浚渫が行われている。しかし、1つの人工湖沼の底から浚渫された堆積土砂は、年間2万mにもなるが、有効活用されることなく廃棄されることが多かった。
【0005】
一方、近年の環境保護やコスト削減への要望が高まるにつれて、天然又は人工の湖沼の底を浚渫した(浚渫して得られた)粘土質の浚渫土砂(以下、単に「浚渫土砂」ともいう。)を廃棄せずに、有効活用することを目的とした種々の試みが行われている。
【0006】
例えば、特許文献1には、人工湖沼の浚渫土砂を田畑の耕土に混ぜるとともに、堆肥等を施肥することを特徴とする、農業土壌の改良方法が開示されている。この改良方法によれば、まず、多種類のミネラルをバランスよく含む人工湖沼の堆積土砂を田畑の耕土に混ぜることにより、田畑の耕土に多種類のミネラルをバランスよく与えることができる。次いで、この混ぜた田畑の耕土に堆肥等を施肥することにより、有機性肥料成分を与えることができる。したがって、この改良方法によれば、田畑の耕土を、多種類のミネラルをバランスよく含み、且つ、有機性肥料成分も含む農業土壌に改良することができる。
【特許文献1】特開平10−276524号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、天然又は人工の湖沼には、水源である河川又は湖沼の周囲から雑草の種子が流入するので、人工湖沼及び自然湖沼の浚渫土砂には雑草の種子が混入する恐れがある。したがって、何の対策もせずそのまま浚渫土砂を農業土壌として使用した場合には、雑草が生長して農作物の成長を阻害することになる。
【0008】
また、堆積土砂は、一般にシルト・粘土質であるため、通気性、透水性が悪い(物理性に劣る)。したがって、特許文献1記載の農業土壌を農業用、園芸用等に好適に用いるためには、大量の土壌改良剤を添加して物理性の改善を行う必要があるので、コスト面での負担が大きかった。
【0009】
一方、従来、農業用、園芸用培土には主原料の培土資材として黒ボク土が含有されている。しかし、黒ボク土は火山灰土壌であるため採取できる量に限りがある。さらに、従来からの採取によって採取可能な地域が少なくなってきており、年間の採取量が年々減少してきている。したがって、黒ボク土の代替材として、新たな培土資材が求められてきた。
【0010】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の第1の目的は、浚渫土砂を原料とした培土資材であって、雑草が生長するという問題を解決し、優れた物理性を有する培土資材を提供することである。本発明の第2の目的は、黒ボク土の代替資材として使用することが可能な浚渫土砂を原料とした培土資材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、以上のような目的を達成するために鋭意研究を行った。その結果、粘土質の浚渫土砂を熱処理及び造粒処理することによって、雑草が成長するという問題を解消し、優れた物理性を有し、黒ボク土の代替資材として使用することが可能な培土資材を提供することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
(1) 天然又は人工の湖沼の底から浚渫した粘土質の浚渫土砂を熱処理及び造粒処理して得た熱処理造粒物を含み、前記熱処理が50〜600℃の範囲内で行う低温熱処理である培土資材。
【0013】
粘土質とは、加熱により容易に造粒することができるよう、粘土やシルトを多く含有する性質を指す。浚渫土砂とは、人工又は天然の湖沼等の底に堆積された土砂が浚渫されたものを指す。
【0014】
「浚渫土砂を造粒処理及び熱処理する」とは、「造粒処理」及び「熱処理」のいずれの処理が先行してもよいことを意味する。さらに、「浚渫土砂を造粒処理及び熱処理する」とは、「造粒処理」と「熱処理」とを同時に行う場合、換言すれば、「熱処理」が「造粒処理」を兼ねる場合、さらに換言すれば、「熱処理」によって浚渫土砂が造粒される場合を含む。
【0015】
(1)の発明によれば、浚渫土砂が雑草の種子を含んでいたとしても、この浚渫土砂を熱処理することによって雑草の種子が死滅するため、本発明に係る培土資材では、雑草が生長することがない。すなわち、本発明では、雑草が生長するという問題が解決されている。
【0016】
また、熱処理は、50℃〜600℃の範囲内で行う低温熱処理であるため、浚渫土砂中に含まれる有機物の分解やミネラルの不溶化を防止でき、本発明の培土資材は、農業土壌等に好適に用いることのできる良質なものとなる。
【0017】
また、浚渫土砂は粘土質であるので、気相、液相の割合が小さく、排水性(透水性)が低い。しかし、この浚渫土砂を熱処理及び造粒処理することにより、その構造が単粒構造から団粒構造へ変化され、気相、液相の割合が大きくなる熱処理造粒物が得られる。すなわち、熱処理造粒物を含む培土資材は、黒ボク土と同程度又はそれ以上の排水性を有する(物理性が向上する)。したがって、本発明によれば、粘土質の浚渫土砂を、黒ボク土の代替資材として使用することが可能である。
【0018】
(2)前記熱処理造粒物は、目開き30mmの篩を通過する粒子寸法を有する(1)記載の培土資材。
【0019】
(3)前記熱処理造粒物は、目開き15mmの篩を通過する粒子寸法を有する(1)記載の培土資材。
【0020】
(4)前記熱処理造粒物は、目開き10mmの篩を通過する粒子寸法を有する(1)記載の培土資材。
【0021】
(5)前記熱処理造粒物は、目開き5mmの篩を通過する粒子寸法を有する(1)記載の培土資材。
【0022】
(2)から(5)までの発明は、熱処理造粒物の好適な粒子寸法を規定したものである。すなわち、熱処理造粒物の粒子寸法を、好ましくは目開き30mmの篩を通過する粒子寸法、より好ましくは目開き15mmの篩を通過する粒子寸法、さらに好ましくは目開き10mmの篩を通過する粒子寸法、最も好ましくは目開き10mmの篩を通過する粒子寸法とすることによって、より優れた物理性(排水性)、を有する培土資材を提供することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、粘土質の浚渫土砂を、物理性に優れ、雑草が生長することがなく、黒ボク土の代替資材として使用することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態の一例について具体的に説明する。なお、図1は、この実施形態のフローを表す図である。
【0025】
<浚渫土砂の調整>
天然又は人工の湖沼の底土砂が浚渫された浚渫土砂は、その操作性の点から、減容することが好ましい。減容の方法としては特に限定されないが、例えば、脱水処理機械の利用、天日干し、固化処理等の方法を挙げることができる。
【0026】
なお、減容された浚渫土砂は、ゴミ(例えばビニール、缶等)、石等を選別するために、篩にかけることもできる。この選別に用いる装置としては、特に限定されないが、通常、「製品名:パワートラック600」(パワースクリーン社製)等を挙げることができる。
【0027】
[造粒処理(図1中のS1)]
浚渫土砂を造粒することにより、その構造が単粒構造から団粒構造へ変化される。浚渫土砂は粘土質だから、例えば、次工程の熱処理により加熱等することにより、容易に造粒することができる。
【0028】
また、造粒を容易に行うために、水分調整剤(微粉炭)を加えることが好ましい。水分調整剤の添加量としては、通常、被添加物100質量部に対し、5〜10質量部である。
【0029】
[熱処理(図1中のS2)]
雑草の種子を除去するために、造粒物の熱処理を行う必要がある。本発明の熱処理は、雑草の種子を死滅させることができ、殺菌効果も有する低温熱処理である。この低温熱処理の処理温度のうち、下限温度は50℃、好ましくは60℃、更に好ましくは200℃であり、上限温度は600℃、好ましくは300℃、更に好ましくは270℃とすることがよい。熱処理温度が600℃を超えた場合には、浚渫土砂中に含まれる有機物の分解やミネラルの不溶化が起こり、培土資材中の有機物量が減少し、また、培土資材中のミネラルが植物に吸収されにくくなる。熱処理温度が50℃未満の場合には、雑草の種子を死滅させることができず、また十分な殺菌効果を奏しなくなる。熱処理時間は、熱処理温度に応じて適宜調整できるが、例えば、熱処理温度が600℃の場合、好ましくは10秒〜15秒、熱処理温度が200℃〜270℃の場合、好ましくは30秒〜60秒、熱処理温度が60℃の場合、好ましくは1日〜2日間、熱処理温度が50℃の場合、好ましくは約3日間である。熱処理条件は、雑草の種子の除去を十分に行う点とコストとを考慮すれば、200℃〜270℃で、30秒〜60秒の間行うことが特に好ましい。
【0030】
なお、造粒処理、及び、熱処理による乾燥を施すことにより、取扱いが極めて容易になる。
【0031】
<造粒物の分級処理(図1中のS3)>
所定の物理性(特に、排水性)を有する培土資材を得るために、浚渫土砂を熱処理及び造粒処理して得た熱処理造粒物を分級することが好ましい。優れた物理性を有するためには、当該分級処理によって、熱処理造粒物は、目開き30mmの篩を通過する粒子寸法であることが好ましく、目開き15mmの篩を通過する粒子寸法であることがより好ましく、目開き10mmの篩を通過する粒子寸法であることがさらに好ましくは、目開き10mmの篩を通過する粒子寸法であることが最も好ましい。
【0032】
熱処理造粒物が目開き30mmを超えた篩を通過する粒子寸法である場合は、培土資材に小石が混入するため、保水性が悪化する。逆に、熱処理造粒物が、目開き2mm未満の篩を通過する粒子寸法である場合は、培土資材中の密度が高密度となり、通気性、排水性が悪化する。
【0033】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能であることは勿論である。
【実施例】
【0034】
次に、実施例、比較例、参考例を挙げて本発明を具体的に説明するが、浚渫土砂を熱処理及び造粒処理することにより、粘土質の浚渫土砂を、物理性に優れ、雑草が生長することがなく、黒ボク土の代替資材として使用することが可能な培土資材を製造する、という本質を損なわない限りにおいて、本発明は以下の実施例等により限定されるものではない。
【0035】
<実施例1>
約1年間天日乾燥した立岩ダムの浚渫土砂から、「製品名:パワートラック600」(パワースクリーン社製)を用いて、ゴミ(例えばビニール、缶等)、石等を選別した。
【0036】
選別後の浚渫土砂を、熱処理造粒機「製品名:ロータリーキルン ガンバーナーMGWA555」(コロナ社製)を用い、270℃で30秒間、熱処理及び造粒処理して熱処理造粒物を得た。
【0037】
熱処理造粒物を、目開き10mmの篩で分級して培土資材を回収した。具体的には、熱処理造粒物を、目開き10mmの篩により、振盪数1,100回/分、振盪幅11mmの条件で、10分間振盪した。これにより、篩パスであったものを、培土資材として回収した。
【0038】
<実施例2>
熱処理造粒物を、目開き5mmの篩で分級して培土資材を回収した点を除き、実施例1と同じ条件で培土資材を回収した。
【0039】
<比較例1>
市販の黒ボク土(島根県飯石郡飯南町近郊で採取)を、熱処理機「製品名:ロータリーキルン ガンバーナーMGWA555」(コロナ社製)を用い、270℃で30秒間、熱処理して培土資材を得た。
【0040】
<参考例1>
約1年間天日乾燥した立岩ダムの浚渫土砂から、「製品名:パワートラック600」(パワースクリーン社製)を用いて、ゴミ(例えばビニール、缶等)、石等を選別した。
【0041】
選別後の浚渫土砂を、混練造粒機「製品名:ペレック」(北川鉄工所社製)に投入し、アーム:10rpm〜15rpm、ロータ:200rpm〜400rpmで、1分〜1分30秒混練し、造粒することにより粒状物を得た。
【0042】
得られた粒状物を、目開き30mmの篩で分級して培土資材を回収した。
【0043】
<参考例2>
得られた粒状物を、目開き15mmの篩で分級して培土資材を回収した点を除き、参考例1と同じ条件で培土資材を回収した。
【0044】
<参考例3>
得られた粒状物を、目開き5mmの篩で分級して培土資材を回収した点を除き、参考例1と同じ条件で培土資材を回収した。
【0045】
<参考例4>
得られた粒状物を、目開き2mmの篩で分級して培土資材を回収した点を除き、参考例1と同じ条件で培土資材を回収した。
【0046】
<参考例5>
培土資材として、何の処理もしていない市販の黒ボク土を用意した。
【0047】
実施例1及び2、比較例1、参考例1〜5の培土資材それぞれ1リットルあたり、チッソ、リン酸、カリの成分が各8%含有される化成肥料8−8−8(商品名:化成肥料(株式会社花ごころ製))70mgを施肥して、肥料入り培土資材を得た。実施例1の培土資材に化成肥料8−8−8を施肥した肥料入り培土資材を実施例3、実施例2の培土資材に施肥した肥料入り培土資材を実施例4の培土資材、比較例1の培土資材に施肥した肥料入り培土資材を比較例2、参考例1の培土資材に施肥した肥料入り培土資材を参考例6、参考例2の培土資材に施肥した肥料入り培土資材を参考例7、参考例3の培土資材に施肥した肥料入り培土資材を参考例8、参考例4の培土資材に施肥した肥料入り培土資材を参考例9、参考例5の培土資材に施肥した肥料入り培土資材を参考例10とした。
【0048】
<化学性評価>
実施例1及び2、比較例1、並びに、参考例1〜5の培土資材の化学性を評価するために、以下に示す測定方法(1:5生土容積法)で、pH及び電気伝導率(EC)の測定を行った。
【0049】
[pH、電気伝導率]
有栓メスシリンダー(500ml)に150mlの純水を入れた後、180mlになるまで試料(未風乾の培土資材)を入れ、メスシリンダーに栓をして30秒間振とうした後、開栓して約30分間放置した。約30分間経過後、電気伝導率計(カスタニーACT導電率メーター、株式会社掘場製作所製)を用いて、試料の懸濁液の電気伝導率を測定した。さらに、pH計(カスタニーACT導電率メーター、株式会社掘場製作所製)を2点校正した後、上記pH計を用いて試料の懸濁液のpHを測定した。
【0050】
<物理性評価>
実施例1〜4、比較例1及び2、並びに、参考例1〜10の培土資材の物理性を評価するために、以下に示す測定方法で、培土資材の排水試験、保水試験、及び、水分率測定を行った。
【0051】
[排水試験1]
小鉢(商品名:ミニプランター28型、リッチェル製)に培土資材200mlを充填し、水差し(商品名:ガーデニングバケツCDB‐8、アイリスオオヤマ製)を用いて250mlの水を小鉢の上方から注水した。培土資材への注水を開始して小鉢から水が抜け切るまでの時間(単位:秒)を測定することにより、培土資材の排水性を検討した。
【0052】
[排水試験2(ジョロ)]
上記小鉢に培土資材200mlを充填し、ジョロタイプのカップ(かき氷のカップの下に1mmの孔を4〜5mmピッチで開けたもの)を用いて250mlの水を小鉢の上方から注水した。培土資材への注水を開始して小鉢から水が抜け切るまでの時間を5回連続し、測定時間の合計値(単位:秒)を求めることにより、培土資材の排水性を検討した。
【0053】
なお、排水試験2(ジョロ)は、排水試験1と比較してプランターの水やりの状態をより忠実に再現した試験であり、誤差も少なく、より正確に排水性を検討できる。
【0054】
[保水試験]
上記小鉢に培土資材200mlを充填して秤量する。培土資材が流出しないように注意して、小鉢を30分間水に浸す。その後、小鉢を水きり台に載置し、1時間放置して余分の水を切り、培土資材入りの小鉢を秤量する。培土資材入りの小鉢の浸水前後の質量差(単位:g)を求め、培土資材の保水性を検討した。
【0055】
[水分率測定]
耐熱容器に10mgの培土資材を入れて、この耐熱容器を電子レンジで加熱し水分を蒸発させた。加熱後の培土資材を秤量し、加熱による質量の減少分を培土資材が保持していた水分量として求めた。この水分量(加熱による質量の減少分)に対する培土資材の質量の割合(単位:質量%)を求めることにより、培土資材の水分率を検討した。
【0056】
<生物性評価>
また、NPO法人日本バーク堆肥協会の「コマツナによる幼植物検定法」(藤田桂治、“コマツナによる幼植物検定法”、[online]、特定非営利活動法人日本バーク堆肥協会、[平成18年9月6日検索]、インターネット<URL:http://www.nihonbark.jp/method.html>)を参照して、実施例1〜4、比較例1及び2、並びに、参考例1〜10の培土資材の生物性を評価するために、コマツナによる幼植物生育検定を以下に示す方法で行った。
【0057】
実施例1〜4、比較例1及び2、並びに、参考例1〜10の培土資材を、各プランター(幅11cm、長さ25cm、深さ8cm)に充填した。1プランター当たり24粒のコマツナの種子をできるだけ均一に播種した。そして、以下の方法により、コマツナの草丈、コマツナの葉色、及び、発芽した本数を測定し、発芽した本数から発芽率を求めた。さらに、以下の方法により、採取した1ポット(1プランター)当たりの収穫量(地上部乾物量)を測定し、収穫量から生産量指数を求めた。
【0058】
[発芽本数、発芽率]
播種後1週間目に発芽したコマツナの本数を測定し、この測定結果に基づいて、播種した全種子(24粒)に対する発芽した種子の割合を発芽率(単位:%)として求めた。
【0059】
[葉色測定]
本葉が展開した播種後2週間経過したところで、標準葉色帖により葉色を測定した。
【0060】
[収穫量測定]
約30日培養したコマツナの株毎切取り、草丈、1ポット(プランター)当たりの収穫量(単位:g)を測定した。
【0061】
[生産量指数]
標準培土資材として黒ボク土に培養したコマツナの収穫量に対する各培土資材に培養したコマツナの収穫量の割合を求めて、生産量指数(単位:%)とした。
【0062】
<評価>
化学性評価及び物理性評価の結果を表1に示す。生物性評価を表2〜表4に示す。なお、便宜上、表1は、熱処理され無施肥の培土資材の群である実施例1及び2と比較例1、熱処理され施肥された培土資材の群である実施例3及び4と比較例2、熱処理されておらず(非熱処理)且つ施肥されていない参考例1〜5、並びに、熱処理されておらず且つ施肥された培土資材の群である参考例6〜10に分けて記載している。
【0063】
また、生物性評価の生産量指数を評価する便宜上、表2は、熱処理されておらず(非熱処理)且つ施肥されていない参考例1〜5及び熱処理されておらず且つ施肥された培土資材の群である参考例6〜10が記載され、表3は、熱処理され無施肥の培土資材の群である実施例1及び2と比較例1が記載され、表4は、熱処理され施肥された培土資材の群である実施例3及び4と比較例2が記載されている。このように、表2〜表4は、熱処理の有無、施肥の有無で分けられている。
【0064】
【表1】


【0065】
【表2】


【0066】
【表3】


【0067】
【表4】


【0068】
表1に示すように、参考例1及び2は、篩の目が粗いため、小石が多く混入し、黒ボク土である参考例5と比較して、排水性は良好であるが、保水性が劣っていた。参考例3及び4は、参考例5と比較して、排水性がやや良好で、保水性もやや良好であった。
【0069】
また、参考例1〜4の電気伝導率は参考例5の電気伝導率よりも高い、すなわち、参考例1〜4の肥料濃度は参考例5の肥料濃度よりも高かった。また、同様に、参考例6〜9の肥料濃度は参考例10の肥料濃度よりも高かった。
【0070】
また、表2に示すように、草丈、生産量指数等において、参考例1〜4は参考例5よりも、参考例6〜9は参考例10よりも優れていることがわかった。換言すれば、参考例1〜4は参考例5よりも、参考例6〜9は参考例10よりもコマツナの生育が良かった。なお、全ての実施例、比較例、及び、参考例で葉色は健全葉を示す7.5GYであった。
【0071】
しかし、参考例1〜4及び参考例6〜9の全てに雑草が生えたため、商品販売する培土資材として使用するためには、雑草対策を行った土壌でないと使用できないことがわかった。換言すれば、参考例1〜4及び参考例6〜9の培土資材は、雑草対策を行えば、培土資材として十分に利用できると言える。
【0072】
次に、表1、表3、及び、表4に示すように、実施例1及び2は比較例1に比べて、実施例3及び4は比較例2に比べて、保水性が若干低いが、排水性は非常に良好であった。
【0073】
また、実施例1及び2は比較例1より、実施例3及び4は比較例2よりも電気伝導率が高い、すなわち、実施例1及び2は比較例1より、実施例3及び4は比較例2よりも肥料濃度が高かった。
【0074】
また、表3及び表4に示すように、草丈、生産量指数等において、実施例1及び2は比較例1より、実施例3及び4は比較例2よりも優れていることがわかった。換言すれば、実施例1及び2は比較例1より、実施例3及び4は比較例2よりもコマツナの生育が良かった。
【0075】
なお、実施例1〜4及び比較例1及び2には雑草が生えなかった。
【0076】
このため、雑草が生長せず、生物性に優れ、物理性(特に、排水性)が優れている実施例1〜4が黒ボク土の代替物とすることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施形態(製造工程)のフローを表す図である。
【出願人】 【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
【識別番号】594127330
【氏名又は名称】中国高圧コンクリート工業株式会社
【出願日】 平成19年2月16日(2007.2.16)
【代理人】 【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之

【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一

【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好

【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志


【公開番号】 特開2007−259848(P2007−259848A)
【公開日】 平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願番号】 特願2007−36594(P2007−36594)