| 【発明の名称】 |
コケ植設体への給水装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】末松 大吉
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| 【要約】 |
【課題】設備の費用負担を軽減させ、かつランニングコストを不要させ、しかも手作業による高所での給水作業であっても安全に作業することができるようにしたコケ植設体への給水装置の提供。
【解決手段】建築物の外壁面90に設けられたコケ植設体1への給水装置であって、建築物の屋内に設けた貯水槽2と、前記貯水槽に接続されると共に建築物の外壁を屋内側から屋外側に貫通して前記コケ植設体に至る配管系(壁貫通管部30、屋外通水管部31、複数個の流水口32)を備え、前記貯水槽から自然流下により配管系に水を通水して、この配管系に形成した流水口から前記コケ植設体に向けて吐水させるように形成した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 建築物の外壁面に設けられたコケ植設体への給水装置であって、 建築物の屋内に設けた貯水槽と、前記貯水槽に接続されると共に建築物の外壁を屋内側から屋外側に貫通して前記コケ植設体に至る配管系を備え、 前記貯水槽から自然流下により配管系に水を通水して、この配管系に形成した流水口から前記コケ植設体に向けて吐水させるように形成したことを特徴とするコケ植設体への給水装置。 【請求項2】 前記配管系が、貯水槽に接続されると共に建築物の外壁を屋内側から屋外側に貫通するように配管された壁貫通管部と、この壁貫通管部に接続されると共に建築物の外壁面に沿って配管された屋外通水管部と、この屋外通水管部に前記コケ植設体に臨むように形成された複数個の流水口とを備えている請求項1記載のコケ植設体への給水装置。 【請求項3】 前記配管系が、前記貯水槽に接続されると共に建築物の内壁面に沿って配管された屋内通水管部と、この屋内通水管部から建築物の外壁を屋内側から屋外側に貫通するように配管された複数個の壁貫通管部と、各壁貫通管部の貫通露出端にコケ植設体に臨むように形成された流水口とを備えている請求項1記載のコケ植設体への給水装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、建築物の外壁面に設けられたコケ植設体への給水装置に関し、特に、手作業でコケ植設体に給水(水やり)できるようにした給水技術に関する。 【背景技術】 【0002】 家屋の景観向上や照り返しを防止するため、外壁面にコケを植設させるようにした建築物の外壁緑化技術がある。 コケは多湿環境において生育されるもので、このことから外壁緑化技術においても、コケ植設体への給水が必要になる。 【0003】 従来、コケ植設体への給水装置を備えた外壁緑化技術として、コケ植設体を取付手段である固定アングルで外壁面に取り付け、この固定アングルと外壁面との間に給水手段を設けて、この給水手段によりコケ植設体に給水させるようにしたものが知られている(特許文献1参照)。 【0004】 この場合の給水手段としては、送水ホースを固定アングルと外壁面との間に配管させ、この送水ホースに水槽から高圧ポンプで送水させ、送水ホースに形成した噴霧口からコケ植設体の裏面に向けて水を噴霧する構造になっていた。 しかしながら、このような給水手段を用いた場合、高圧ポンプを用いているため、その設備に多大の費用負担が必要になるし、ランニングコストも嵩むという問題が生じる。 【0005】 そこで、特別な設備を設けず、手作業でコケ植設体に給水できるようにすれば、設備の費用負担を軽減できるし、ランニングコストを不要にすることができる。 又、コケ植設体への給水に際しては、水を上から下へ流下させていくのが、水をコケ植設体の全体に行き渡らせることができる点で好ましいが、そのためには水を高所から流す必要がある。 しかしながら、このような高所からの給水に際し、これを手作業で行なうと、作業に危険を伴い、安全面で問題がある。 【特許文献1】特許公開2004−194609号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 本発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、設備の費用負担を軽減させ、かつランニングコストを不要させ、しかも手作業による高所での給水作業であっても安全に作業することができるようにしたコケ植設体への給水装置を提供することを課題としている。 【課題を解決するための手段】 【0007】 上記の課題を解決するために、本発明(請求項1)のコケ植設体への給水装置は、 建築物の外壁面に設けられたコケ植設体への給水装置であって、 建築物の屋内に設けた貯水槽と、前記貯水槽に接続されると共に建築物の外壁を屋内側から屋外側に貫通して前記コケ植設体に至る配管系を備え、 前記貯水槽から自然流下により配管系に水を通水して、この配管系に形成した流水口から前記コケ植設体に向けて吐水させるように形成した。 【0008】 又、本発明(請求項2)のコケ植設体への給水装置は、 請求項1記載のコケ植設体への給水装置において、 前記配管系が、貯水槽に接続されると共に建築物の外壁を屋内側から屋外側に貫通するように配管された壁貫通管部と、この壁貫通管部に接続されると共に建築物の外壁面に沿って配管された屋外通水管部と、この屋外通水管部に前記コケ植設体に臨むように形成された複数個の流水口とを備えている構成とした。 【0009】 又、本発明(請求項3)のコケ植設体への給水装置は、 請求項1記載のコケ植設体への給水装置において、 前記配管系が、前記貯水槽に接続されると共に建築物の内壁面に沿って配管された屋内通水管部と、この屋内通水管部から建築物の外壁を屋内側から屋外側に貫通するように配管された複数個の壁貫通管部と、各壁貫通管部の貫通露出端にコケ植設体に臨むように形成された流水口とを備えている構成とした。 【発明の効果】 【0010】 本発明の給水装置(請求項1)は、屋内に設けた貯水槽から自然流下により給水系に水を通水し、この給水系に形成した流水口から前記コケ植設体に吐水させることで、コケ植設体に給水するようにしたものである。 従って、作業としては、屋内において貯水槽に水を補給するだけでよく、高所であっても安全かつ簡単な手作業でコケ植設体に給水することができるし、手作業による給水であるため、設備の費用負担が軽減されると共に、ランニングコストが不要になる。 又、貯水槽を屋内に設けたので、貯水槽が天候等によって経年劣化するのを抑制できる。 【0011】 又、配管系を、壁貫通管部と、屋外通水管部と、複数個の流水口で形成させると(請求項2)、通水管部を屋外に配管する必要が生じるが、壁貫通個所を少なくすることができる。 【0012】 又、配管系を、屋内通水管部と、複数の壁貫通管部と、流水口で形成させると(請求項3)、壁貫通個所を多くする必要が生じるが、通水管部を屋内に配管することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 図1は請求項2記載の発明に対応したコケ植設体への給水装置の実施例を示す断面斜視図である。 【0014】 図において、1はコケ植設体で、家屋(建築物)の外壁面90に取り付けられている。 このコケ植設体1は、コケが植栽されたコケ植生部材10の裏面に保水性部材11が設けられ、かつコケ植生部材10の表面にネット12が張設され、これらが積層状態で一体化した構造になっている。 【0015】 前記コケ植設体1への給水装置は、屋内に設けた貯水槽2と、前記貯水槽2に接続されると共に家屋の外壁9を屋内側INから屋外側OUTに貫通して前記コケ植設体1に至る配管系を備えている。 この実施例では、屋内の2階の床91部分に配設した下側貯水槽2aと、2階の天井92に近い部分に配設した上側貯水槽2bとを備え、その貯水槽2に壁貫通管部30と、屋外通水管部31と、複数個の流水口32とで構成される配管系が接続されている。 この配管系に用いる配管材料としては、管体、ホース、チューブ等を用いることができる。 【0016】 前記壁貫通管部30は、基端が貯水槽2の底部に接続されると共に、先端部が家屋の外壁9を屋内側INから屋外側OUTに向けて下向き斜め方向に貫通するように配管され、その屋内部分に水量調節弁33が設けられている。 【0017】 前記屋外通水管部31は、前記壁貫通管部30の貫通露出端に接続されると共に建家屋の外壁面90に沿うように略水平に配管されている。 なお、一本の屋外通水管部31に対して複数個所(例えば2ヶ所)に壁貫通管部30,30を接続させ、その各壁貫通管部30,30をそれぞれ独立した別々の貯水槽2,2に接続させることもできる。 【0018】 前記流水口32は、前記コケ植設体1に臨むように屋外通水管部31の途中に一定間隔で下向きに開口形成され、点滴注射のように水滴となって前記コケ植設体1の保水性部材11に向けて吐水させるようになっている。 【0019】 従って、貯水槽2の水は、自然流下により壁貫通管部30から屋外通水管部31に通水され、複数の流水口32からコケ植設体1の保水性部材11に吐水される。 これによりコケ植設体1への給水ができ、コケが好む多湿環境下でコケを育成させることができる。 この実施例では、家屋の1階部分の外壁面90に取り付けられたコケ植設体1aに対しては下側貯水槽2aから水を給水させ、家屋の2階部分の外壁面90に取り付けられたコケ植設体1bに対しては上側貯水槽2bから水を給水させるようになっている。 なお、各流水口32からの吐水量は、水量調節弁33によって行なうことができるし、貯水槽2の水が減少した場合には、バケツや水道ホース等の適宜手段を利用して補給する。 【0020】 給水作業としては、屋内において水量調節弁33を調節したり、貯水槽2に水を補給したりするだけでよく、高所であっても安全かつ簡単な手作業でコケ植設体1に給水することができるし、手作業による給水であるため、設備の費用負担が軽減されると共に、ランニングコストが不要になる。 【0021】 この実施例では、配管系を、壁貫通管部30と、屋外通水管部31と、複数個の流水口32で形成させたので、屋外通水管部31を屋外(外壁面90)に配管する必要が生じるが、壁貫通個所を少なくすることができる。 【0022】 図2は請求項3記載の発明に対応したコケ植設体への給水装置の実施例を示す断面斜視図である。 【0023】 この実施例のコケ植設体1への給水装置は、屋内に配設した貯水槽2を備え、この貯水槽2に屋内通水管部35と、複数個の壁貫通管部36と、流水口37とで構成される配管系が接続されている。 【0024】 前記屋内通水管部35は、基端が貯水槽2の底部に接続されると共に屋内の内壁面93に沿って略水平に配管されている。 この屋内通水管部35は、必ずしも管体である必要は無く、上面が開放した樋についても本発明の屋内通水管部に含めるものとする。 又、一本の屋内通水管部35に対して複数個所(例えば2ヶ所)に貯水槽2,2を接続させることもできる。 【0025】 前記複数個の壁貫通管部36は、屋内通水管部35の途中に一定間隔で接続され、各壁貫通管部36は外壁9を屋内側INから屋外側OUTに向けて下向き斜め方向に貫通するように配管され、その屋内部分に水量調節弁38が設けられている。 【0026】 前記流水口37は、各壁貫通管部36の貫通露出端にコケ植設体1に臨むように下向きに開口形成され、点滴注射のように水滴となって前記コケ植設体1の保水性部材11に向けて吐水させるようになっている。 この場合、壁貫通管部36の内部に吸水性に優れた紐を挿入させ、その紐の先端部をコケ植設体1の保水性部材11に埋設させて、この紐から保水性部材11に水を染み出させるようにしてもよい。 【0027】 従って、貯水槽2の水は、自然流下により屋内通水管部35から各壁貫通管部36に通水され、各壁貫通管部36の貫通露出端に形成した流水口37からコケ植設体1の保水性部材11に吐水される。 これによりコケ植設体1への給水ができ、コケが好む多湿環境下でコケを育成させることができる。 【0028】 この実施例では、配管系を、屋内通水管部35と、複数個の壁貫通管部36と、この壁貫通管部36の先端に形成した流水口37で形成させたので、壁貫通個所を多く形成する必要が生じるが、通水管部を屋内(内壁面93)に配管することができる。 【0029】 なお、本発明において、コケ植生体は、表面にコケを植栽することができ、かつ保水性を有するものであればよい。 保水性部材としては、水分を吸水して保水できるものであって、不織布、織布、編布、植物繊維シート等を用いることができる。 その他、綿、ヘチマ繊維、ヤシ繊維、パルプかす、ガラスウール、ロックウール、その他の植物繊維、熱可塑性樹脂製糸条(例えば、モスネット協会製作、商標:モスフラット)、布(織布、不織布繊維)、保水性骨材、保水性発泡体、合成繊維綿マット、繊維ボード、繊維球状体等を積層したり、組み合わせたりしてシート状やマット状に形成したものを含むものとする。 更に、モルタルパネルやコンクリートパネルや発泡セメントパネル等のセメント系パネル、透水性合成樹脂パネル、透水性合成樹脂と骨材を混ぜ合わせて形成したパネル、セメント系ポーラスパネル、樹脂系ポーラスパネル等を保水性部材として用いることができる。 前記コンクリートパネルやモルタルパネルは保水作用を有するもので、このコンクリートパネルやモルタルパネルについても保水性部材に含む。 また、保水性部材の保水とは、材料自体が水を吸水して保水する場合と、材料自体に吸水性がなくても材料同士の隙間に水を吸水して保水する場合を含む。 【0030】 コケ植生体の例として、立体編物の裏面に保水性部材を取り付けたものを用いることができる。例えば、保水性部材としてコンクリートパネルを用い、立体編物の裏面部分をコンクリートパネルに埋設させたものをコケ植生体とすることができる。 この場合の立体編物としては、多数の網目開口部を形成するように樹脂繊維を用いて編成した表裏二枚の網状編成部と、この表裏二枚の網状編成部を厚み方向に連結させる連結繊維列を備え、前記連結繊維列により囲まれた空隙が表裏の網目開口部間に開口して形成されたハニカム状立体編物を用いることができる。 【0031】 この場合、ハニカム状立体編物が、裏側網目開口部と表側網目開口部が符合する対向状態で表裏二枚の網状編成部を連結繊維列で連結させることで、連結繊維列により囲まれた空隙が厚み方向に対して平行に形成されている平行ハニカム状立体編物{例えば、商標:キュウビックアイ(三次元シート):品番SK1208のサイズを大きくしたもの:(株)ユニチカテクノス製}を用いることができる。 【0032】 又、ハニカム状立体編物が、裏側網目開口部を表側網目開口部よりも下方に位置ずれさせた対向状態で表裏二枚の網状編成部を連結繊維列で連結させることで、連結繊維列により囲まれた空隙が表側から裏側に向けて下向き斜め方向に形成されている下向ハニカム状立体編物{例えば、商標:キュウビックアイ(三次元シート):品番UTK7010B:(株)ユニチカテクノス製}を用いることができる。 【0033】 そして、前記ハニカム状立体編物を用いる場合、連結繊維列により囲まれた空隙の奥部に保水体を詰め込んでおくのが好ましい。 この保水体としては、綿、ヘチマ繊維、ヤシ繊維、パルプかす、その他の植物繊維、熱可塑性樹脂製糸条(例えば、モスネット協会製作、商標:モスフラット)、布(織布、不織布繊維)、ガラスウール、ロックウール、保水性骨材、保水性発泡体、合成繊維綿マット、繊維ボード、繊維球状体等が用いられ、これらを単独、あるいは組み合わせて使用できる。 又、コケが定着し易いように、綿や不織布等の繊維材で保水性骨材を包んで用いるようにすることができる。 この保水性骨材としては、パミス(大江化学社製商品)、ゼオライト、珪藻土、軽石、パーライト等の多孔性骨材を、粒状のまま、あるいはセメントや接着剤で固めて使用することができる。 【0034】 なお、本発明でいうコケとは、スナゴケ、ハイゴケ、スギゴケ、その他のコケ類を含む。 【図面の簡単な説明】 【0035】 【図1】請求項2記載の発明に対応したコケ植設体への給水装置の実施例を示す断面斜視図である。 【図2】請求項3記載の発明に対応したコケ植設体への給水装置の実施例を示す断面斜視図である。 【符号の説明】 【0036】 1 コケ植設体 1a コケ植設体 1b コケ植設体 10 コケ植生部材 11 保水性部材 12 ネット 2b 上側貯水槽 2a 下側貯水槽 2 貯水槽 30 壁貫通管部 31 屋外通水管部 32 流水口 33 水量調節弁 35 屋内通水管部 36 壁貫通管部 37 流水口 38 水量調節弁 9 壁 90 外壁面 91 床 92 天井 93 内壁面 IN 屋内側 OUT 屋外側
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| 【出願人】 |
【識別番号】391032864 【氏名又は名称】末松 大吉
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| 【出願日】 |
平成18年3月29日(2006.3.29) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2007−259791(P2007−259791A) |
| 【公開日】 |
平成19年10月11日(2007.10.11) |
| 【出願番号】 |
特願2006−90907(P2006−90907) |
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