| 【発明の名称】 |
水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽 |
| 【発明者】 |
【氏名】中西 裕士
【氏名】大濱 隆司
【氏名】山田 末和
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| 【要約】 |
【課題】従来必要とされた浸漬槽部と同容積の貯留槽部を必要とせずに小型化を図り得ると共に、スチロールパネルの浸漬作業や取出作業に良好な作業性を確保しつつ任意枚数のスチロールパネルを温水で殺菌処理できて使い勝手の向上した水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽を提供する。
【解決手段】水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽1は、スチロールパネル2に着脱自在に取り付けた金属製の枠材3と、スチロールパネル2を浸漬する温水を貯留するための上方に開口せる浸漬槽部4とを有する。浸漬槽部4内に上記スチロールパネル2に取り付けた金属製の枠材3をスライド自在に挿通するレール材7を配置する。レール材7を鉛直方向に対して5〜10°の範囲で傾斜させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 スチロールパネルに着脱自在に取り付けた金属製の枠材と、スチロールパネルを浸漬する温水を貯留するための上方に開口せる浸漬槽部とを有し、浸漬槽部内に上記スチロールパネルに取り付けた金属製の枠材をスライド自在に挿通するレール材を配置すると共に、上記レール材を鉛直方向に対して5〜10°の範囲で傾斜させたことを特徴とする水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽。 【請求項2】 浸漬槽部の外周部に浸漬槽部内を加熱する熱媒を内在させる加熱槽部を一体に設けたことを特徴とする請求項1に記載の水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽。 【請求項3】 上記枠材に操作ハンドルの操作によって側方に突没する引掛部を備えると共に、突出状態にある上記引掛部が下方から引っ掛かってロックされる被引掛部を浸漬槽部に備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽。 【請求項4】 熱媒を循環させる循環ポンプを備えた熱媒循環流路を加熱槽部に接続すると共に、この熱媒循環流路に熱媒を加熱する外部の熱機器に接続するための熱媒入口と熱媒出口とを備えたことを特徴とする請求項1乃至3に記載の水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、水耕栽培に用いるスチロールパネルを温水に浸漬して殺菌するための水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽に関するものである。 【背景技術】 【0002】 水耕栽培で野菜等の植物を植設するための発泡スチロール製のスチロールパネルは使用に当たって雑菌が付着し易いために、雑菌による植物への被害を抑えて良好な水耕栽培を行っていくには、水耕栽培の開始毎に新規のパネルを用いるようにしたり、使用した後のパネルに殺菌を施したりする必要がある。ここで、パネルの殺菌方法には主にパネルを薬液に浸漬する薬液浸漬法や、パネルを温水に浸漬する温水浸漬法が知られている。水耕栽培の開始毎に新規のパネルを用いるのはもとより、薬液浸漬法では薬液購入などのコストがかかるものであり、また薬液浸漬法では薬液に浸漬した後のパネルから薬液を除去するための洗浄が必要であってその工程も煩雑であることから、水耕栽培の普及には、簡易作業で比較的経済的でもある温水浸漬法によるパネルの殺菌方法への期待が大きい。 【0003】 温水浸漬法によってパネルの殺菌を行う水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽1としては、従来、たとえば図6のように、スチロールパネル2を浸漬する温水を貯留するための浸漬槽部4と、浸漬槽部4内に入れるまで温水を貯留しておく貯留槽部50と、水を加熱して温水を得るボイラ51とを有して構成されている(たとえば特許文献1参照)。この水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽1にあっては、図7(a)のように温水が供給される前の浸漬槽部4内に複数枚のスチロールパネル2を充填するように縦姿勢にして略動かないように重ね並べて配置し、図7(b)のように比重の小さいスチロールパネル2が温水を入れた浸漬槽部4内で浮き上がることを防ぐために浸漬槽部4の上方を押さえ蓋52で閉じ、この状態で図7(c)のように貯留槽部50に貯留しておいた温水を浸漬槽部4内に入れ、浸漬槽部4でスチロールパネル2の温水による殺菌処理が行われている。 【0004】 しかしながら、上記水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽1にあっては、浸漬槽部4に温水を入れた際にスチロールパネル2に浮力がかかっても浸漬槽部4内でスチロールパネル2が略動かないように、浸漬槽部4内に充填状態にできる複数枚のスチロールパネル2を一組として、浸漬槽部4内にスチロールパネル2を配置しなければならず、たとえば一枚のスチロールパネル2のみを温水で殺菌することはできないのであり、使い勝手が悪いという問題があった。 【0005】 更に言うと、スチロールパネル2を浸漬槽部4内に配置する際に複数枚のスチロールパネル2が浸漬槽部4内を充填するに満たない状態ではスチロールパネル2が浸漬槽部4内で倒れてしまったり、また処理後にスチロールパネル2を浸漬槽部4から取り出す際に重合するスチロールパネル2の同士が水の表面張力で吸着してスチロールパネル2単体のみを取り出しにくい等、スチロールパネル2の浸漬作業や取出作業に良好な作業性も期待できず、この点でも使い勝手が悪いものであった。 【0006】 また、スチロールパネル2は比重が小さくて温水内では浮力で浮きあがってしまうから、浸漬槽部4内にあらかじめ温水を貯留させた状態で浸漬槽部4内にスチロールパネル2を入れることはできず、つまり上記のように浸漬槽部4内にスチロールパネル2をあらかじめ配置した状態で浸漬槽部4内に温水を入れる手順が必須となっており、したがって浸漬槽部4内に入れるまで温水を貯留しておくための浸漬槽部4と同容積の貯留槽部50が必要となり、その結果、水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽1が大型化し、大きな設置面積が必要とされるという問題があった。 【特許文献1】特開平7−298798号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 本発明は上記の従来の問題点に鑑みて為したものであって、従来必要とされた浸漬槽部と同容積の貯留槽部を必要とせずに小型化を図り得ると共に、スチロールパネルの浸漬作業や取出作業に良好な作業性を確保しつつ任意枚数のスチロールパネルを温水で殺菌処理できて使い勝手が向上した水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽を提供することを課題とするものである。 【課題を解決するための手段】 【0008】 上記課題を解決するために本発明の請求項1に係る水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽は、スチロールパネル2に着脱自在に取り付けた金属製の枠材3と、スチロールパネル2を浸漬する温水を貯留するための上方に開口せる浸漬槽部4とを有し、浸漬槽部4内に上記スチロールパネル2に取り付けた金属製の枠材3をスライド自在に挿通するレール材7を配置すると共に、上記レール材7を鉛直方向に対して5〜10°の範囲で傾斜させたことを特徴とする。 【0009】 これによると、スチロールパネル2は比重が小さくてそのままでは水に浮いてしまうのであるが、スチロールパネル2を金属製の枠材3に取り付けたことで金属製の枠材3も含めたスチロールパネル2全体の重さを増加できて水中に浸漬できるのであり、このときにはレール材7によって浸漬槽部4の所定位置にスチロールパネル2を位置規制させて配置させることができる。つまり、従来のようにスチロールパネル2がばらばらに浮かないように浸漬槽部4に押さえ蓋52をすると共に浸漬槽部4内に複数枚のスチロールパネル2を略動かないように充填した状態にしなくてもよく、一枚のスチロールパネル2であっても浸漬槽部4で温水による殺菌処理を行うことができるのであり、良好な使い勝手で温水による殺菌処理を行うことができる。更に言うと、金属製の枠材3に取り付けたスチロールパネル2は水に浸漬可能であるから、従来のような浸漬槽部4内にスチロールパネル2をあらかじめ配置した状態で浸漬槽部4内に温水を入れるプロセスのみならず、浸漬槽部4内にあらかじめ温水を貯留させた状態で浸漬槽部4内にスチロールパネル2を入れるプロセスも採用することができ、この点でも良好な使い勝手で温水による殺菌処理を行うことができると共に、特に後者のプロセスを採用する場合には浸漬槽部4内に入れるまで温水を貯留しておく従来の貯留槽部50が必要となくなり、水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽1の小型化、ひいてはその設置面積の低減化を図ることができる。また、レール材7は鉛直方向に対して5〜10°の範囲で傾斜されているので、平面視のスチロールパネル2の収納スペースをスチロールパネル2の厚み寸法と略同等にできて該スチロールパネル2の収納スペースを小さくできると共に、スチロールパネル2の浸漬作業や取出作業の際にはスチロールパネル2の荷重をレール材7に支えさせつつも水の抵抗を受けにくい水面に略垂直なスチロールパネル2の姿勢でスライド移動させることができ、良好な動作のもとスチロールパネル2の浸漬作業や取出作業を行うことができ、この点でも良好な使い勝手で温水による殺菌処理を行うことができる。 【0010】 また請求項2に係る水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽は、請求項1において、浸漬槽部4の外周部に浸漬槽部4内を加熱する熱媒を内在させる加熱槽部5を一体に設けたことを特徴とする。これによると、浸漬槽部4内に貯留するスチロールパネル2を浸漬するための温水を浸漬槽部4の外周部の加熱槽部5に内在させた熱媒によって加熱するようにしたので、つまり熱媒としては清潔な水を用いないでも済み、たとえば熱機器の廃熱温水等を用いることもできるのであって、水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽1の効率良い使用形態の促進を図ることができる。 【0011】 また請求項3に係る水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽は、請求項1又は2において、上記枠材3に操作ハンドル21の操作によって側方に突没する引掛部22を備えると共に、突出状態にある上記引掛部22が下方から引っ掛かってロックされる被引掛部8を浸漬槽部4に備えたことを特徴とする。これによると、浸漬槽部4内の温水に浸漬された状態のスチロールパネル2は浸漬槽部4の被引掛部8に枠材3の引掛部22を下方から引っ掛けた状態でロックできるのであって、たとえスチロールパネル2が浸漬槽部4内で不意に生じた水流等にあおられたとしても、スチロールパネル2を所定位置に維持させ続けることができるから、良好な使い勝手で温水による殺菌処理を行うことができるのであり、また、上記浸漬槽部4の被引掛部8への枠材3の引掛部22のロックまたは解除は操作ハンドル21の操作1つで行えるから、この点でも良好な使い勝手で温水による殺菌処理を行うことができるのである。更に言うと、上記浸漬槽部4の被引掛部8に枠材3の引掛部22をロックまたは解除可能にしたことで、枠材3を取り付けたスチロールパネル2の比重を浸漬させる温水よりも多少軽いものとした場合には、浸漬槽部4の被引掛部8に枠材3の引掛部22をロックさせて浸漬槽部4内にスチロールパネル2を不具合なく配置できると共に、浸漬槽部4の被引掛部8への枠材3の引掛部22のロックを解除させてスチロールパネル2にかかる浮力を利用したスチロールパネル2の浸漬槽部4からの力をほとんど必要としない取り出し作業を可能にし、この点でも良好な使い勝手で温水による殺菌処理を行うことができる。 【0012】 また請求項4に係る水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、熱媒を循環させる循環ポンプ29を備えた熱媒循環流路11aを加熱槽部5に接続すると共に、この熱媒循環流路11aに熱媒を加熱する外部の熱機器27に接続するための熱媒入口30と熱媒出口31とを備えたことを特徴とする。これによると、コージェネ式の発電機27aの廃熱温水やボイラの温水等を利用してスチロールパネル2の温水による殺菌処理を行うことができるのであり、発電機27a等の外部の熱機器27も含めて良好な熱効率の水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽1を実現できる。 【発明の効果】 【0013】 本発明は、従来必要とされた浸漬槽部と同容積の貯留槽部を必要とせずに小型化を図り得るという利点、スチロールパネルの浸漬作業や取出作業に良好な作業性を確保できる利点、任意枚数のスチロールパネルを温水で殺菌処理できる利点を有する。 【発明を実施するための最良の形態】 【0014】 以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。本発明の水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽1は、図2のように、金属製の枠材3を取り付けたスチロールパネル2を浸漬する温水を貯留する浸漬槽部4と該浸漬槽部4の外周部に浸漬槽部4内を加熱する熱媒を内在させる加熱槽部5とが一体化された2重殻構造の槽本体6を有している。浸漬槽部4は底壁4bと四周の側壁4aとで成る上方に開口せる水槽であり、また、加熱槽部5は内部が閉空間にされた箱体であって、本例では浸漬槽部4の外周部のうちの一の側壁4aと底壁4bとに亙る部分に沿って形成されている。なお便宜上、加熱槽部5が覆う浸漬槽部4の側壁4aの面から外方に面する方向を前方(矢印a)とし、上記前方の反対側の方向を後方(矢印b)とし、平面視内で上記前後方向と直交する方向を左方(矢印c)、右方(矢印d)として、以下説明していく。 【0015】 浸漬槽部4の左右の上縁部には、枠材3の引掛部22を引っ掛けて枠材3を浸漬槽部4内のスチロールパネル2の浸漬位置に収容させる被引掛部8が設けられると共に、枠材3の引掛部22を上方から引っ掛けて枠材3を吊持可能にする枠材吊持体44が設けられている。被引掛部8は中央が引掛穴8aとなる矩形枠部材で構成され、レール材7と同様の前後方向の所定間隔毎に配置されている。左右の浸漬槽部4は対向するように配置されており、左右の被引掛部8の引掛穴8aも同一軸上に位置するように対向している。浸漬槽部4の後面(後方に面する側壁4a)には、その上部部位に浸漬槽部4に貯留した過剰量の温水を溢れさせ得るオーバーフロー口9が形成されており、その下部部位に浸漬槽部4に貯留した温水を排水可能にする排水口10が形成されている。 【0016】 加熱槽部5は、浸漬槽部4の前側を覆う縦槽部5aと浸漬槽部4の底側を覆う横槽部5bとを連通して一体化したL字状の水槽であって、外部の熱機器27にて加熱された熱媒がその内部を流れるようになっており、この熱媒によって浸漬槽部4内(浸漬槽部4に貯留された温水)を浸漬槽部4の底側及び前側から加熱可能にしている。すなわち、加熱槽部5は外部の熱機器27から至る熱媒流路11に接続されるのであり、具体的に、横槽部5bの後方側部分に、接続した熱媒流路11からの熱媒を加熱槽部5内に供給する熱媒供給口12が設けられており、縦槽部5aの上下の中央部分に、加熱槽部5を通った熱媒を接続した熱媒流路11に排出する熱媒排出口13が設けられている。なお、縦槽部5aの上部には加熱槽部5に内在した過剰量の熱媒を溢れさせ得るオーバーフロー口14が形成されており、縦槽部5aの下部で横槽部5bと同高さ位置には加熱槽部5に内在した熱媒を排水可能にする排水口15が形成されている。なお43は加熱槽部5に流れる熱媒の内容量を検出する液面計である。 【0017】 浸漬槽部4には金属製の枠材3を取り付けたスチロールパネル2を浸漬するのであるが、このスチロールパネル2は図1のように厚みを持った平面視で矩形状の発泡スチロール製のパネルであり、厚み方向に野菜等の栽培植物を植設するための貫通穴2aが縦横に所定間隔毎に穿設されている。たとえばスチロールパネル2は上下長600×幅900×厚み45mmの板状体である。また、枠材3は図3のように長尺の断面L字状のアングル材を矩形状に組み上げてスチロールパネル2の外縁を嵌合可能にしたパネル収納部16を有すると共に、パネル収納部16の上方に把持部18を有している。アングル材の一片は枠材3の外端を構成し他片はパネル収納部16の中央部に向けて突出するパネル引掛片17となっており、パネル引掛片17は枠材3の厚み方向の一端側に統一して形成されている。なお、パネル収納部16の左右の中央部にも板材で構成したパネル引掛片17が上下に掛け渡されている。パネル引掛片17が形成された枠材3の厚み方向の一端側を枠材3の正面とすると、スチロールパネル2は枠材3のパネル収納部16に裏面側から取り付け可能にされている。 【0018】 把持部18は、枠材3の幅方向(左右方向)にわたるように架設された横桟19を有し、上記横桟19の左右の中央部分に使用者が枠材3を持つためのU字棒状の取っ手20が上方に向けて突設されると共に、上記取手を持った手により操作可能な取っ手20の真下位置に操作ハンドル21が設けられている。操作ハンドル21は使用者のひねり操作で枠材3の上端部の両側面から突没する棒状の引掛部22の突没操作を行う部位であり、詳しくは、把持部18の横桟19から上端部が突設されると共に下端部が把持部18の横桟19の下面に設けたリンク機構23の一端に連結され、このリンク機構23の他端に連結した引掛部22を枠材3の上端部の側面から突没できるようになっており、この枠材3の上端部の側面から突出した引掛部22は浸漬槽部4の被引掛部8の引掛穴8aに挿通されて引っ掛けることが可能になっている。ここで、リンク機構23としては、たとえば図4のように操作ハンドル21の下端部にアーム24を取付け、アーム24の両端にそれぞれ湾曲したロッド22aの基端をピン接合し、引掛部22となるロッド22aの先端を枠材3の側面に穿設した貫通孔25に挿通して構成されたものが挙げられるが、操作ハンドル21の回転動作を引掛部22の往復動作に変換する機構であれば任意の機構を用いることができる。 【0019】 浸漬槽部4の左右の側壁4aの内面にはスチロールパネル2に取付けた金属製の枠材3の左右端部をスライド自在に挿通する一対のレール材7が前後方向の所定間隔毎に配置されている。レール材7は枠材3の左端部または右端部がスライド自在に挿入される挿通溝7aを有した長尺のコ字チャンネル材で構成されていて、左右一対のレール材7は挿通溝7aが互いに対向するように配置されている。そして、このレール材7は浸漬槽部4の左右の側壁4aの内面に鉛直方向に対して5〜10°の範囲で傾斜させて取付けられている。つまりレール材7の長手方向の鉛直方向に対する傾斜角αが5〜10°になるようにされている。本例では上記傾斜角αは約5°にされている。具体的に本例ではレール材7は前後方向に10個配設していて、つまり最大10個のスチロールパネル2が同時に浸漬可能とされているが、この列設するレール材7の個数はこれに限られることはない。また詳しくはこのレール材7は浸漬槽部4の左右の側壁4aの内面のうち上部域の部分に配設されている。なお、浸漬槽部4の左右の側壁4aの内面のうち下部にはスチロールパネル2に取付けた金属製の枠材3の左右の下端を載置する載置材26が取付けられている。この載置材26は断面L字状のアングル材で構成されている。 【0020】 しかして、スチロールパネル2を浸漬槽部4に収容した状態は、図2(a)のようにスチロールパネル2に取付けた金属製の枠材3の左右端部が左右一対のレール材7の各挿通溝7aに挿入された状態で、且つ、該枠材3の下端が載置材26に載置された状態となる。つまり、レール材7によると金属製の枠材3に取付けたスチロールパネル2を所定位置に位置規制して配置されるのである。このときスチロールパネル2はレール材7の傾斜角αと同様に鉛直方向から傾斜した状態となるが、図1のようにスチロールパネル2を取り付けた枠材3はその正面が斜め上方を向くようにして配置し、パネル収納部16のパネル引掛片17によってスチロールパネル2を斜め上方から抑え得るようにする。またこの状態では枠材3の引掛部22が浸漬槽部4の被引掛部8に対向して隣接し、操作ハンドル21による引掛部22の被引掛部8への引っ掛け係止が可能にされている。浸漬槽部4に貯留した温水にスチロールパネル2を浸漬したときにはスチロールパネル2には浮力がかかるのであるが、上記浮力によって浮き上がろうとするスチロールパネル2はパネル収納部16のパネル引掛片17によって斜め上方から抑えられてパネル収納部16の外れが有効に防止されると共に、たとえ金属製の枠材3を取付けたスチロールパネル2の全体の比重が温水よりも小さい場合でも引掛部22の被引掛部8への係止によって金属製の枠材3を取付けたスチロールパネル2は所定位置に保持される。 【0021】 上記構成の本例の水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽1は以下の利点を有している。スチロールパネル2は比重が小さくてそのままでは水に浮いてしまうのであるが、スチロールパネル2を金属製の枠材3に取り付けたことで金属製の枠材3も含めたスチロールパネル2全体の重さを増加できて水中に浸漬でき、このときにはレール材7によって浸漬槽部4の所定位置にスチロールパネル2を位置させることができる。つまり、従来のようにスチロールパネル2がばらばらに浮かないように浸漬槽部4に押さえ蓋52をすると共に浸漬槽部4内に複数枚のスチロールパネル2を略動かないように充填した状態にしなくてもよく、一枚のスチロールパネル2であっても浸漬槽部4で温水による殺菌処理を行うことができるのであり、良好な使い勝手での温水による殺菌処理が可能にされているのである。 【0022】 また、金属製の枠材3に取り付けたスチロールパネル2は水に浸漬可能であるから、従来のような浸漬槽部4内にスチロールパネル2をあらかじめ配置した状態で浸漬槽部4内に温水を入れるプロセスのみならず、浸漬槽部4内にあらかじめ温水を貯留させた状態で浸漬槽部4内にスチロールパネル2を入れるプロセスも採用することができ、この点でも良好な使い勝手で温水による殺菌処理を行うことができる。特に後者のプロセスを採用する場合には、浸漬槽部4内に入れるまで温水を貯留しておく従来の貯留槽部50が必要ではなくなり、更に言うと貯留槽部50から浸漬槽部4に温水を移動させるためのポンプも必要ではなくなって、水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽1の小型化、ひいてはその設置面積の低減化が図られるのである。 【0023】 詳しくは、従来必要とされた該浸漬槽部4に入れる温水を貯留する浸漬槽部4と略同等の大きさの貯留槽部50の代わりに、浸漬槽部4内を加熱する熱媒を内在させる加熱槽部5を備えたものであるが、浸漬槽部4内に入れる温水よりも加熱槽部5に内在させる熱媒を少量にすれば、加熱槽部5は貯留槽部50よりも小さくできるのであるから、水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽1の小型化、ひいてはその設置面積の低減化を図ることができるのである。更に言うと、上記貯留槽部50よりも小さくできる加熱槽部5を浸漬槽部4の外周部に一体に形成した(つまり槽本体6が二重殻構造である)ので、この点でも水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽1の小型化、ひいてはその設置面積の低減化が図られているのである。 【0024】 また、レール材7は鉛直方向に対して5〜10°の範囲で傾斜されているので、平面視のスチロールパネル2の浸漬槽部4内での収納スペースをスチロールパネル2の厚み寸法と略同等にできて該スチロールパネル2の収納スペースを小さくできると共に、スチロールパネル2の浸漬作業や取出作業の際にはスチロールパネル2の荷重をレール材7に支えさせつつも水の抵抗を受けにくい水面に略垂直なスチロールパネル2の姿勢でスライド移動させることができ、良好な動作のもとスチロールパネル2の浸漬作業や取出作業を行うことができ、この点でも良好な使い勝手での温水による殺菌処理が可能にされているのである。 【0025】 なお詳しくは、本例の水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽1では、図2(a)のようにレール材7に側端部を挿入して引掛部22を枠材吊持体44に引っ掛けることで温水を張った状態の浸漬槽部4内に吊持状態にある枠材3に対してスチロールパネル2を両手を使って装着することもできるのであり、このときスチロールパネル2は枠材3の裏面側から、上記枠材3の鉛直方向に対する傾斜角度よりもやや大きな傾斜角度となる傾斜姿勢でパネル収納部16に向けて挿入するのであるが(矢印e)、上記枠材3の鉛直方向に対する傾斜角度が5〜10°の範囲といった略鉛直に近い傾斜角度であるので、スチロールパネル2も温水面に対して略鉛直に近い角度で挿入させることができ、作業性良くスチロールパネル2を浮力に抗ってパネル収納部16に装着させることが可能にされているのであり、この点でも良好な使い勝手での温水による殺菌処理が可能にされているのである。 【0026】 また、浸漬槽部4内に貯留するスチロールパネル2を浸漬するための温水を浸漬槽部4の外周部の加熱槽部5に内在させた熱媒によって加熱するようにしたので、つまり熱媒としては清潔な水を用いないでも済み、たとえば熱機器の廃熱温水等を用いることもできるのであって、水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽1の効率良い使用形態の促進を図ることができると共に、水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽1に対して加熱機器を別途設ける必要もなくなって水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽1の小型化、ひいてはその設置面積の低減化が図られているのである。更に言うと、本例では加熱槽部5内に熱媒を流し通すようにされているから、加熱槽部5に供給された新たな熱媒で浸漬槽部4内を加熱し続けることができ、浸漬槽部4内を効率良く且つ継続的に加熱可能にされているのである。 【0027】 ここで、図5には上記水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽1の使用形態の例として、水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽1を用いた水耕栽培用スチロールパネル殺菌システム32を例示する。この例では、水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽1の加熱槽部5に供給される熱媒を加熱する外部の熱機器27としては、ガス供給源28から供給されたガスを燃焼させて発電するガスエンジン式の発電機27aが構成している。この発電機27aはコージェネタイプであってガスの燃焼の際に発生した廃熱で発電機27a内の熱媒流路を流れる熱媒を加熱している。水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽1の加熱槽部5にはその熱媒供給口12及び熱媒排出口13に循環ポンプ29を備えた熱媒循環流路11aが接続されると共に、この熱媒循環流路11aに設けた熱媒入口30と熱媒出口31が発電機27a内の熱媒流路11に接続されており、上記廃熱で加熱された熱媒が加熱槽部5を通って熱媒循環流路11aを循環するようになっている。この水耕栽培用スチロールパネル殺菌システム32では熱媒循環流路11aを通る熱媒の温度が加熱槽部5の熱媒供給口12で約75℃であり、加熱槽部5の熱媒排出口13で約65℃である。この熱媒により加熱された浸漬槽部4内の温水の温度は60〜65℃となる。この温水にスチロールパネル2を20分〜1時間程度浸漬させることでスチロールパネル2の殺菌処理を行うことができる。詳しくは、上記水耕栽培用スチロールパネル殺菌システム32では、浸漬槽部4内に貯留した温水の温度を、水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽1の運転開始時における低い温度からスチロールパネル2の殺菌処理に適した温度(60〜70℃)に昇温させるには時間はかかるものであるが、一旦スチロールパネル2の殺菌処理に適した温度にまで昇温させてしまえば温度の保持がなされるのであるから、次回からは昇温を待たず即座にスチロールパネル2の殺菌処理を行うことができる。このように上記水耕栽培用スチロールパネル殺菌システム32では、発電機27aの廃熱温水を高温の熱媒として利用してスチロールパネル2の温水による殺菌処理を行うことができるのであり、外部の熱機器27も含めて良好な熱効率の水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽1(つまり水耕栽培用スチロールパネル殺菌システム32)が実現されているのである。 なお、上記水耕栽培用スチロールパネル殺菌システム32は水耕栽培のシステム内に組み込まれたものである。熱媒が流れる熱媒循環流路11aには分岐弁33により分岐されて冬季等に水耕栽培に用いる水を温める加温経路35が建屋34に向けて設けられている。また、発電機27aのガスの燃焼の際に生じる排ガスを処理する排ガス処理装置36が設けられ、CO2等の有用成分を含む処理後の気体を上記建屋34内に気体供給路37のブロア38によって供給可能にしている。なお図中39は野菜等の栽培物をスチロールパネル2を用いて栽培している水耕用パレットであり、40はガスメータ、41は排ガス処理装置36に付設した冷水塔、42は気体供給路37の開閉弁である。外部の熱機器27としては上記例では発電機27aを例示したが、たとえば70℃から80℃程度の比較的低温の温水をつくることのできる汎用のボイラ等、任意の熱機器を用いることができる。通常、水耕業者は冬季加温用にボイラを備えるものであり、このボイラを外部の熱機器27として用いると水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽1の設置コストを大幅に低減することができるのであり好ましい。 【0028】 また、本例の水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽1では、浸漬槽部4内の温水に浸漬された状態のスチロールパネル2は浸漬槽部4の被引掛部8に枠材3の引掛部22を下方から引っ掛けた状態でロックできるのであって、たとえスチロールパネル2が浸漬槽部4内で不意に生じた水流等にあおられたとしても、スチロールパネル2を所定位置に維持させ続けることができるから、良好な使い勝手での温水による殺菌処理が可能にされているのであり、また、上記浸漬槽部4の被引掛部8への枠材3の引掛部22のロックまたは解除は操作ハンドル21の操作1つで行えるから、この点でも良好な使い勝手で温水による殺菌処理が可能にされているのである。なお、操作ハンドル21は取っ手20で囲まれるようにしてその真下位置に設けられているから、操作ハンドル21に物が当たったりして誤って操作がされることを取っ手20によって保護されているという利点も有している。 【0029】 更に言うと、上記浸漬槽部4の被引掛部8に枠材3の引掛部22をロックまたは解除可能にしたことで、枠材3を取り付けたスチロールパネル2の比重を浸漬させる温水よりも多少軽いものとした場合には、浸漬槽部4の被引掛部8に枠材3の引掛部22をロックさせて浸漬槽部4内にスチロールパネル2を不具合なく配置できると共に、浸漬槽部4の被引掛部8への枠材3の引掛部22のロックを解除させてスチロールパネル2にかかる浮力を利用したスチロールパネル2の浸漬槽部4からの力をほとんど必要としない取り出し作業を可能にし、この点でも良好な使い勝手で温水による殺菌処理を行うことができるのである。なお、金属製の枠材3を取り付けたスチロールパネル2の重さが温水に浸漬させた際の浮力よりも充分に重い場合には、引掛部22や被引掛部8を無くして水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽1の構成の簡略化を図ることができるのは言うまでもない。 【図面の簡単な説明】 【0030】 【図1】本発明の実施の形態の例の水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽の斜視図である。 【図2】同上の槽本体であり、(a)は正面図であり、(b)は左側面図であり、(c)は右側面図であり、(d)は上面図である。 【図3】同上の枠材であり、(a)は裏面図であり、(b)は一部切欠側面図である。 【図4】同上のリンク機構の例を説明する枠材の上面図である。 【図5】同上の水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽を用いた水耕栽培用スチロールパネル殺菌システムの概略構成図である。 【図6】従来技術の例の水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽であり、(a)は斜視図であり、(b)は概略構成図である。 【図7】(a)〜(c)は同上のスチロールパネルの殺菌処理の手順を順に説明する説明図である。 【符号の説明】 【0031】 1 水耕栽培用スチロールパネル殺菌槽 2 スチロールパネル 3 枠材 4 浸漬槽部 5 加熱槽部 6 槽本体 7 レール材 8 被引掛部 11 熱媒流路 11a 熱媒循環流路 21 操作ハンドル 22 引掛部 29 循環ポンプ 30 熱媒入口 31 熱媒出口
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000284 【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年3月28日(2006.3.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087767 【弁理士】 【氏名又は名称】西川 惠清
【識別番号】100085604 【弁理士】 【氏名又は名称】森 厚夫
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| 【公開番号】 |
特開2007−259747(P2007−259747A) |
| 【公開日】 |
平成19年10月11日(2007.10.11) |
| 【出願番号】 |
特願2006−88369(P2006−88369) |
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