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【発明の名称】 ヘッジトリマ
【発明者】 【氏名】大金 豊

【要約】 【課題】構築物際の枝葉を刈り取ることが可能なヘッジトリマを提供する。

【解決手段】可動刃5の先端部には幅広の先端切刃5cを設け、一般切刃5bより前方に突出する切っ先部5dと側面に切断刃部5eを設ける。下側固定板13の先端部には一般切刃4b,5b及び先端切刃5cよりも前方に突出する枝葉誘導板13bを形成する。枝葉誘導板13bも斜め切欠部13cを形成する。枝葉は斜め切欠部13cの斜面に沿って手元側に移動させられ切断刃部5eと切刃4bとの間に収容され切断される。可動刃4,5が限界まで移動した場合でも先端切刃5cは枝葉誘導板13bと重なっているため挟み込みによる作動停止を防止できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力駆動手段を備える本体部より突出する固定板と、この固定板に支持され前記動力駆動手段より伝達される動力によって相対的な摺動運動を行ない夫々の外側縁に形成した切刃で枝などを剪定する上下2枚の可動刃を有するヘッジトリマにおいて、前記可動刃の先端部上側又は先端部下側に切刃先端より前方に突出する枝葉誘導板を設けることを特徴とするヘッジトリマ。
【請求項2】
前記可動刃は、相対的な摺動運動時にあっても前記枝葉誘導板との重合部を有する先端切刃を備えることを特徴とする請求項1記載のヘッジトリマ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、上下二枚の可動刃で相対的な摺動運動を行ない夫々の外側縁に形成した切刃で枝などを挟み込みながら剪定するヘッジトリマに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッジトリマは、植栽された樹木等の枝葉を刈り込むために用いられるもので、例えば下記に示すような技術が開示されていた。
【特許文献1】特開2003−88245号公報
【0003】
図9に示すように、従来のヘッジトリマ101は、エンジン等の動力駆動手段を備える本体部102と、この本体部102に片持梁状態で端部を固定される固定板103と、動力駆動手段にその基端部を連結し、動力駆動手段より伝達される動力によって相対的な摺動運動を行なう上下2枚の可動刃104,105を有し、把持手段として本体部102の後方に突出する後方ハンドル106及び固定板103に装着される前方ハンドル107を備えており、可動刃104,105の前方側部には剪定面を案内するカバー108が取付けられていた。
【0004】
このような従来のヘッジトリマにおける可動刃の詳細を図10に示す。図10は、従来の可動刃及び固定板の組立状況を示す分解斜視図である。長手方向に摺動自在に往復動する一対の可動刃104,105は、図示しない本体部より突出する上下二枚の固定板103,113の間に配置されており、各可動刃104,105に形成する複数のガイド長孔104a,105aに夫々ボルト109aを貫通していた。
【0005】
このボルト109aは、固定板103,113に穿設するボルト孔103a,113aを貫通し、両固定板103,113の間隔を一定に保持するためのスペーサ110を介在させてナット109bを用い締結されていた。
【0006】
一対の可動刃104,105は、夫々の外側縁に切刃104b,105bを所定間隔で突出しており、これら切刃104b,105bは可動刃104,105の長手方向の全長にわたり、連続して一様なパターンを繰り返していた。
【0007】
可動刃104,105は、固定板103,113の間にあって、スペーサ110により遊動可能な状態を維持しつつ、ガイド長孔104a,105aに沿って長手方向に相対的な摺動運動を行ない、切刃104b,105bを相互に重合・離隔することによって挟み込む垣根等の樹木の枝葉を切断していた。
【0008】
このように固定板103,113及びボルトナット109a,109bは、可動刃104,105を遊動可能な状態で支持すると共に長手方向への往復動をガイドするための構成要素であった。
【0009】
図9および図10に示すヘッジトリマ101はハンディタイプのもので、図示しない作業者が後方ハンドル106及び前方ハンドル107を把持しながら、本体部102の動力によって一対の可動刃104,105を長手方向に摺動自在に往復動させ、これら可動刃104,105をその切刃104b,105b方向に前進させることによって樹木等の剪定作業を行っていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、塀や建物などの構築物に沿って樹木が植栽されている場合には、最先端の切刃104b,105bより構築物際に位置する枝は刈り取ることができなかった。これは、可動刃104,105が往復動によって構築物に衝突することを防止するためある程度先端部を構築物から離隔する必要があったこと、又先端部に衝突防止用のカバーがあって構築物に当接しながら剪定することは可能であっても最先端の切刃104b,105bより構築物際に位置する枝を挟み込むことはできないため、このような枝葉については別途手作業にて剪定しなければならなかった。
【0011】
この発明は、従来のヘッジトリマが有する上記の問題点を解消すべくなされたものであり、塀や建物などの構築物に沿って樹木が植栽されている場合にも構築物際の枝葉を刈り取ることが可能なヘッジトリマを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、この発明のヘッジトリマは、動力駆動手段を備える本体部より突出する固定板と、この固定板に支持され前記動力駆動手段より伝達される動力によって相対的な摺動運動を行ない夫々の外側縁に形成した切刃で枝などを剪定する上下2枚の可動刃を有するヘッジトリマにおいて、前記可動刃の先端部上側又は先端部下側に切刃先端より前方に突出する枝葉誘導板を設けることを特徴とするものである。
【0013】
枝葉誘導板は、可動刃が遊動可能なように離隔して設置し、枝葉を切刃間に誘導するための斜め切欠部を形成する。枝葉誘導板は、固定板の先端に一体的に形成するものでもよいし、独立した板体を取り付けるものでもよい。独立した板体の場合には、固定板若しくは固定板に取付けられるカバーなどから連結部材を用いて可動刃と接触しない位置に付設する。
【0014】
請求項2記載のヘッジトリマにおける可動刃は、相対的な摺動運動時にあっても前記枝葉誘導板との重合部を有する先端切刃を備えることを特徴とするものである。先端切刃は、一方の可動刃に形成するものであって少なくとも隣接する切刃方向の側面に刃部を設ける。
【0015】
この先端切刃が前方側に、他方の可動刃が手元側に夫々摺動した時、先端切刃の刃部と他方の可動刃における最先端の切刃間に空隙が生じ、誘導された枝葉を収容する。その後、先端切刃が手元側に、他方の可動刃が前方側に移動すると挟み込んだ枝葉を切断する。
【0016】
この時、枝葉誘導板の斜め切欠部と先端切刃の前面は、夫々次に切断すべき枝葉に当接する。先端切刃及び他方の可動刃が、夫々限界値まで移動した場合であっても、先端切刃は枝葉誘導板との間に空隙を発生させない幅を有する。
【発明の効果】
【0017】
この発明のヘッジトリマは、可動刃の先端部上側又は先端部下側に切刃先端より前方に突出する枝葉誘導板を設けるので、塀や建物などの構築物に沿って樹木が植栽されている場合にも構築物際の枝葉を切刃間に誘導することができ、これを刈り取ることができる。
【0018】
請求項2記載のヘッジトリマは、相対的な摺動運動時にあっても枝葉誘導板との重合部を有する先端切刃を備えるので、先端切刃と枝葉誘導板との間に枝葉を挟み込むことがなくなり、切断不能により作動停止状態が発生するのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次にこの発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明する。図1はこの発明のヘッジトリマにおける可動刃及び固定板の組立状況を示す分解斜視図である。長手方向に摺動自在に往復動する一対の可動刃4,5は、図示しない本体部より突出する上下二枚の固定板3,13の間に配置されており、各可動刃4,5に形成する複数のガイド長孔4a,5aに夫々ボルト9aを貫通する。
【0020】
このボルト9aは、固定板3,13に穿設するボルト孔3a,13aを貫通し、両固定板3,13の間隔を一定に保持するためのスペーサ10を介在させてナット9bを用い締結されている。上側の固定板3の下面には剪定面を案内するためのカバー8が挟み込まれる。
【0021】
一対の可動刃4,5は、夫々の外側縁に切刃4b,5bが突出し、摺動する際に夫々の刃先が接触するような向きで形成されている。一方の可動刃5の先端部には幅広の先端切刃5cを設ける。先端切刃5cは一般切刃5bより前方に突出する切っ先部5dを設け、隣接する一般切刃5b方向の側面に切断刃部5eを設ける。
【0022】
この可動刃5の下側に位置する下側固定板13の先端部には一般切刃4b,5b及び先端切刃5cよりも前方に突出する枝葉誘導板13bを形成する。枝葉誘導板13bも切っ先部5dと同様な斜め切欠部13cを形成する。
【0023】
次に作動時における可動刃及び枝葉誘導板の位置関係を図2乃至図5に基づき説明する。図2は上面固定板を省略した可動刃の先端部拡大平面図、図3は下面固定板及び可動刃の先端部拡大底面図、図4及び図5は可動刃の摺動状態を示す先端部拡大底面図である。
【0024】
図2及び図3は上側可動刃4が手元側(図2において左方)、下側可動刃5が前方側(図2において右方)の限界値まで移動した状態を示す。この時上側可動刃4の切刃4bと下側可動刃5の切刃5bとの間には空隙Δ0が形成されている。又、先端切刃5cの切断刃部5eと切刃4bとの間にも空隙Δが生じている。
【0025】
下側可動刃5は前方に最大移動した場合であっても枝葉誘導板13bの端部を越えないようにする。これにより枝葉誘導板13bを構造物に当接しながら剪定しても可動刃4,5が構造物に衝突する恐れがなくなる。
【0026】
上側可動刃4及び下側可動刃5が反対方向に移動し始めると、図4に示すように上側可動刃4の切刃4bと先端切刃5cの切断刃部5eの空隙Δは縮小し、この間に収容されていた枝葉は切断される。
【0027】
更に限界値まで移動すると図5に示すように、先端切刃5cの切断刃部5eは次の切刃4bの近傍まで摺動することになるが、この時であっても先端切刃5cの前方端部は枝葉誘導板13bとの重合部を保持している。
【0028】
次にヘッジトリマの使用状況を図6に基づき説明する。図6は構築物際の植栽を剪定する際の説明図である。塀や建物などの構築物6に沿って樹木が植栽されている場合には、枝葉誘導板13bを構築物6にあてがい、これをガイドとして白抜き矢印の方向にヘッジトリマを移動させる。
【0029】
この時構築物際の樹木の枝葉7は枝葉誘導板13bの斜め切欠部13cに当接し、その斜面に沿って手元側に移動させられる。下側可動刃5が前方側限界まで移動した時、先端切刃5cの切断刃部5eと切刃4bとの間には空隙が生じているため、この空隙に誘導された枝葉7が収容される(図6(a))。
【0030】
その後、先端切刃5cが手元側に、他方の可動刃4が前方側に移動すると挟み込んだ枝葉7は切断される(図6(b))。更に先端切刃5cの切断刃部5eが手元側の限界値まで移動した時、先端切刃5cの前方端部は枝葉誘導板13bと未だ重なっているため、枝葉7は枝葉誘導板13bの斜め切欠部13cと先端切刃5cの切っ先部5dで支持されている(図6(c)。
【0031】
枝葉誘導板13bは、可動刃4,5から離隔して設置されているため、元々切断機能がなく、先端切刃5cと枝葉誘導板13bとの間に枝葉が挟まってしまうとヘッジトリマが作動停止状態となってしまう。このように先端切刃5cと枝葉誘導板13bが重合部を常に保持している構成であると、切断不能による作動停止状態が発生するのを防止することができる。
【0032】
以上説明したヘッジトリマは可動刃の先端部下側において、下側固定板の先端に一体的に枝葉誘導板を形成する構成であるが、枝葉誘導板は可動刃の先端部上側、例えば上側固定板に一体的に設けるものでもよい。
【0033】
又、枝葉誘導板は、固定板から独立した板体を取り付ける構成でもよい。この実施の形態を図7に示す。図7は別の実施の形態のヘッジトリマにおける可動刃及び固定板の組立状況を示す分解斜視図である。この実施の形態では一対の可動刃4,5は、上側の固定板3に支持されるもので固定板3に取付けられるカバー8にボルト孔8aを穿設し、可動刃5の下側に配設する枝葉誘導板23をボルト19a及びナット9bを用いて締結する。
【0034】
枝葉誘導板23も、一般切刃4b,5bより前方に突出する斜め切欠部23cを形成し、その基部23bにはボルト孔23aを穿設する。枝葉誘導板23はボルト19aにスペーサ20を介在させることで、可動刃4,5から離隔して設置され、これら可動刃4,5が遊動可能となる。
【0035】
なお、この実施の形態においても可動刃5の先端部には幅広の先端切刃5cを設ける。
【0036】
独立した板体形式の枝葉誘導板の取付方法は、可動刃が遊動可能で、枝葉を切刃間に誘導することができれば上述した例には限定されず、上側固定板3若しくはカバー8に直接取り付ける構成でもよい。
【0037】
又、このヘッジトリマは可動刃片刃タイプのみならず、両刃タイプでも適用可能である。この実施の形態を図8に示す。図8は可動刃両刃タイプの先端部拡大平面図である。両刃の可動刃34,35は、上側固定板33と下側固定板43との間に配置されており、一方の可動刃35の先端部には両側部に幅広の先端切刃35cを設ける。この場合も先端切刃35cは一般切刃35bより前方に突出する切っ先部35dを形成する。
【0038】
又可動刃35の下側に位置する下側固定板43の先端部には一般切刃34b,35b及び先端切刃35cより前方に突出する枝葉誘導板43bを設ける。枝葉誘導板43bも切っ先部35dと同様な斜め切欠部43cを形成する。
【産業上の利用可能性】
【0039】
この発明のヘッジトリマは、エンジンタイプ、電動タイプの何れにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】ヘッジトリマの可動刃及び固定板の組立状況を示す分解斜視図である。
【図2】上面固定板を省略した可動刃の先端部拡大平面図である。
【図3】下面固定板及び可動刃の先端部拡大底面図である。
【図4】可動刃の摺動状態を示す先端部拡大底面図である。
【図5】可動刃の摺動状態を示す先端部拡大底面図である。
【図6】構築物際の植栽を剪定する場合のヘッジトリマの使用状況の説明図である。
【図7】別の実施の形態のヘッジトリマにおける可動刃及び固定板の組立状況を示す分解斜視図である。
【図8】可動刃両刃タイプの先端部拡大平面図である。
【図9】従来のヘッジトリマの斜視図である。
【図10】従来の可動刃及び固定板の組立状況を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
3 固定板
4 可動刃
4b 切刃
5 可動刃
5b 切刃
5c 先端切刃
5d 切っ先部
5e 切断刃部
13 固定板
13b 枝葉誘導板
13c 斜め切欠部
【出願人】 【識別番号】506103256
【氏名又は名称】大金 豊
【出願日】 平成18年3月27日(2006.3.27)
【代理人】 【識別番号】100098453
【弁理士】
【氏名又は名称】飯郷 豊


【公開番号】 特開2007−259702(P2007−259702A)
【公開日】 平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願番号】 特願2006−84833(P2006−84833)