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【発明の名称】 農業用水管理装置
【発明者】 【氏名】大竹 秀敏

【要約】 【課題】配水面積を入力することにより、その配水面積に対応する設定流量を自動的に計算することができる農業用水管理装置を得る。

【解決手段】入力部2で、農業用水の配水の対象となる農業用水施設の配水面積が入力されると、演算部3により、この入力された配水面積に基づき、配水の設定流量を算出し、この算出された設定流量に基づき、農業用水施設に実際に配水されると、実際に配水した流量である配水流量実績値を実績収集部6により収集するとともに、演算部3により算出された設定流量と実績収集部6により収集された配水流量実績値を表示部1に表示して、水管理者が比較できるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
農業用水の配水の対象となる農業用水施設の配水面積が入力される入力部、この入力部で入力された配水面積に基づき、上記配水の設定流量を演算する演算部、上記農業用水施設に上記演算部により算出された設定流量により実際に配水した流量である配水流量実績値を収集する実績収集部、及び上記演算部により算出された設定流量及び上記実績収集部により収集された配水流量実績値を表示する表示部を備えたことを特徴とする農業用水管理装置。
【請求項2】
上記入力部で入力される配水面積は、この配水面積に対応して予め設定された特定のコードを用いて入力されると共に、上記演算部は、上記入力された特定のコードに対応して予め登録された演算式を用いて上記配水の設定流量を演算することを特徴とする請求項1記載の農業用水管理装置。
【請求項3】
上記演算部により演算された設定流量を子局装置へ送信する伝送部を備えたことを特徴とする請求項1記載の農業用水管理装置。
【請求項4】
上記入力部で入力された配水面積を保存する保持部を備えたことを特徴とする請求項1記載の農業用水管理装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、農業用水の水田への配水の管理を自動で行う農業用水管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の農業用水の遠方監視制御システムにおいては、配水管に設置した流量計から収集した実績流量と、遠方監視制御システムの端末装置にて入力された設定流量を比較し、その差分により配水管に設置された電動弁を自動開閉し、流量の設定値一定制御を実施していた。
そのため、端末装置で水管理者が設定するものとして、設定流量のみが入力可能にされていた。
特許文献1には、河川、ダム、道路等の各状態を計測器により計測し、この計測したデータをリアルタイム演算処理して、河川、ダム、道路等を遠隔から管理するものが記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2001−84473号公報(第3〜4頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の農業用水における配水計画は、年に一度、年度始めに行われる。各水田地区への配水計画は、水田面積の割合(単位:ha)に基づき計画される。配水計画は、年度ごとの米の生産計画等により左右されるため、計画値の固定化は困難である。
また、一旦配水完了した後の水稲の生育期では、多くの配水は必要とされず、各水田地区の広さに対応した補給水(最低流量)を供給するだけでよい。
これらのため、水管理者は、配水計画により決定された配水面積を元に、遠方監視制御システムの端末装置に設定流量(単位:m/s)を入力するため、手計算にて配水面積から設定流量を算出していたという問題があった。
また、配水面積を元にして設定流量を入力するため、配水面積を保管する必要があったが、従来の端末装置では、配水面積を記憶する機能が無かったため、紙で配水面積を記録し、水管理者が保存していたという問題もあった。その水管理者も交代することが多く、そのため過去の配水面積の紛失等により、配水計画を最初からやり直さねばならないことが多々あった。
特許文献1のものでは、農業用水の管理に特化したものではないので、上述の問題点を解決するものではなかった。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、農業用水の配水の対象となる配水面積を入力することにより、その配水面積に対応する配水の設定流量を自動的に計算することができる農業用水管理装置を得ることを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係わる農業用水管理装置においては、農業用水の配水の対象となる農業用水施設の配水面積が入力される入力部、この入力部で入力された配水面積に基づき、配水の設定流量を演算する演算部、農業用水施設に演算部により算出された設定流量により実際に配水した流量である配水流量実績値を収集する実績収集部、及び演算部により算出された設定流量及び実績収集部により収集された配水流量実績値を表示する表示部を備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明は、以上説明したように、農業用水の配水の対象となる農業用水施設の配水面積が入力される入力部、この入力部で入力された配水面積に基づき、配水の設定流量を演算する演算部、農業用水施設に演算部により算出された設定流量により実際に配水した流量である配水流量実績値を収集する実績収集部、及び演算部により算出された設定流量及び実績収集部により収集された配水流量実績値を表示する表示部を備えたので、水管理者は、配水面積のみを入力するだけで、設定流量の算出及びその設定流量と配水流量実績値との比較を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
実施の形態1は、管理者により入力される農業用水施設の配水面積から、農業用水施設への配水の設定流量を演算し、表示するようにしたものである。
図1は、この発明の実施の形態1による農業用水管理装置を示す構成図である。
図1において、管理者は、入力部2により、農業用水の配水の対象となる農業用水施設の配水面積(たとえば、単位:m/s)を入力する。演算部3は、入力された配水面積から農業用水施設への配水の設定流量を演算する。表示部1は、入力部2に入力された配水面積および演算部3により演算された設定流量を表示する。保持部4は、予め、演算部3で演算する計算式や、配水面積によって表わされる配水計画値及び後述する配水流量実績値を記憶する。伝送部5は、演算部3で演算された設定流量を子局装置へ伝送する。実績収集部6は、演算部3により算出された配水の設定流量に基づき、農業用水施設に実際に配水した流量である配水流量実績値を収集する。
【0009】
図2は、この発明の実施の形態1による農業用水管理装置の表示部の表示例を示す図である。
図2において、表示画面例7は、配水場所(農業用水施設)を1ブロック、2ブロックとし、それぞれの配水面積、設定流量、配水流量実績値を表示している。
図3は、この発明の実施の形態1による農業用水管理装置の動作を示すフローチャートである。
【0010】
次に、動作について説明する。
管理者が、入力部2に配水の対象となる農業用水施設の配水面積を入力すると、演算部3が入力された配水面積から、農業用水施設への配水の設定流量を演算する処理を実行し、入力された配水面積及び演算された設定流量を表示部1で表示する。このとき、実際に設定流量による農業用水施設への配水処理が行われた場合には、実績収集部6により収集する配水流量実績値を表示する。
次に、演算部3の演算手順について、図3のフローチャートを用いて説明する。
始めに、管理者が、入力部2で配水場所の該当ブロックの配水面積を手入力する(ステップ11)。次に、演算部3にて手入力された配水面積から配水の設定流量を自動演算処理する(ステップ12)。 続いて、自動演算処理実行後の設定流量が算出される(ステップ13)。実際に設定流量による配水処理が行われた場合には、実績収集部6により収集された配水流量の実績値も表示し、保存される(ステップ14)。これにより、入力された配水面積を元に、配水の設定流量を演算し、表示部1に表示し、合わせて配水流量実績値も表示することができる。
【0011】
実施の形態1によれば、農業用水管理装置内で配水面積から配水の設定流量を自動計算し、さらに配水流量実績値を表示・保存するようにしたことにより、水管理者は、配水面積のみの値を入力するだけで、設定流量の算出及びその設定流量と配水流量実績値との比較を容易に行うことができる。
また、配水の設定流量を算出することにより、例えば、各水田地区への総配水量を時間毎、日毎、月毎に演算することができ、水使用料等の予算決めに利用することができる。
また、過去の配水計画値を配水面積として農業用水管理装置内に保存することができるため、配水面積の紙での保存が不要となり、水管理者が交代したとしてもデータの紛失等は無くなり、実際に配水された流量の実績値も記憶しているため、当該年度における配水計画値と配水流量実績値との比較ができ、次年度への配水計画見直し等を容易に行うことができる。
【0012】
実施の形態2.
実施の形態1は、配水の対象となる農業用水施設の配水面積を入力後、配水の設定流量を自動演算処理して算出し、配水流量実績値との比較を行うものであったが、実施の形態2は、配水面積の入力時に特定のアルファベット入力があった場合には、そのアルファベットに対応して予め登録されている特定の演算式を実行し、設定流量を算出するようにした。
このため、配水面積入力時に使用されるアルファベットを、その配水面積に対応するように予め決めておくと共に、このアルファベットに対応する演算式を予め登録(実施の形態5で詳述する。)しておき、当該アルファベットの文字入力があった場合には、対応する配水面積により、登録されている演算式を実行するようにする。
なお、農業用水施設への最初の配水の設定流量の演算時と、補給水の設定時には、異なる演算式になるので、両方でアルファベット入力を行う場合には、2つのアルファベットを用いる必要があるが、最初の配水の設定流量の演算時と、補給水の設定時とのいずれかで、アルファベット入力を行うようにしてもよく、例えば、各水田地区での演算式がより簡単な補給水の設定時にアルファベット入力を行うようにしてもよい。
図4は、この発明の実施の形態2による農業用水管理装置の動作を示すフローチャートである。
【0013】
次に、実施の形態2の動作について、図4のフローチャートを用いて説明する。
始めに、管理者が、入力部2で、配水面積を示す特定アルファベット入力を行う(ステップ15)。次に、演算部3にてそのアルファベット入力を判断して、このアルファベットに対応した配水面積と、アルファベットに対応して予め登録された特定の演算式を実行し、配水の設定流量を自動演算処理する(ステップ16)。その後、演算結果の設定流量が算出される(ステップ17)。実際に設定流量による配水処理が行われた場合には、実績収集部6により収集された配水流量の実績値も表示し、保存される(ステップ18)。
なお、上述では特定のアルファベットを用いて配水面積の入力を行ったが、この特定のアルファベットは、これに限らず、かな、記号、数字などキーボードから容易に入力できるコードであれば、同様の効果が得られる。
【0014】
実施の形態1では、配水面積の入力を数字により行ったが、実施の形態2では特定のアルファベット入力により、配水面積及びこれに対応する演算式を呼び出し、設定流量を自動演算処理することができる。
また、特定のアルファベット入力によるため、高齢の水管理者に対して入力部の入力操作を簡素化することができる。
【0015】
実施の形態3.
実施の形態2は、配水面積入力を特定アルファベットで行う場合に、特定の演算式により配水の設定流量を自動演算処理するものであったが、実施の形態3は、その設定流量の演算結果を伝送部により子局装置に伝送するようにした。
図5は、この発明の実施の形態3による農業用水管理装置の動作を示すフローチャートである。
【0016】
次に、実施の形態3の動作について、図5のフローチャートを用いて説明する。
ステップ15〜ステップ17を図4と同様に実行する。ステップ17の設定流量の演算結果を伝送路で接続されている子局装置に伝送する(ステップ21)。次いで、ステップ18を図4と同様に実行する。
【0017】
実施の形態3によれば、実施の形態2の効果に加えて、算出された設定流量を伝送路にて他の子局装置に送ることができる。
【0018】
実施の形態4.
実施の形態3は、特定のアルファベット入力により演算処理された配水の設定流量を伝送路にて他の子局装置に送るものであったが、実施の形態4は、同じく演算処理された配水の設定流量を表示し、水管理者に現在の設定流量を知らせるようにした。
図6は、この発明の実施の形態4による農業用水管理装置の動作を示すフローチャートである。
【0019】
次に、実施の形態4の動作について、図6のフローチャートを用いて説明する。
ステップ15〜ステップ17を図4と同様に実行する。その後、算出された配水の設定流量を表示部1で水管理者に表示する(ステップ31)。次いで、ステップ18を図4と同様に実行する。
【0020】
実施の形態4によれば、実施の形態2の効果に加えて、自動演算処理が完了すると設定流量の表示処理が実行されるので、水管理者は確実に設定流量を認識できる。
【0021】
実施の形態5.
実施の形態4は、設定流量を表示して、水管理者がこれを認識するものであったが、実施の形態5は、配水面積を示す特定のアルファベットの入力から設定流量を導くための演算式を予め保持部4で保持し、アルファベット入力時にその演算式を呼び出し、設定流量の演算を実行するようにした。
図7は、この発明の実施の形態5による農業用水管理装置の動作を示すフローチャートである。
【0022】
次に、実施の形態5の動作について、図7のフローチャートを用いて説明する。
始めに、管理者が、入力部2で、配水面積を示す特定のアルファベット入力を行う(ステップ15)。次に、その入力された特定アルファベットを判断して、予め登録された演算式を保持部4より呼び出す(ステップ41)。その後、その演算式により設定流量の自動演算処理を実行する(ステップ42)。その結果、配水面積から設定流量が算出される(ステップ17)。実際に設定流量による配水処理が行われた場合には、実績収集部6により収集された配水流量の実績値も表示し、保存される(ステップ18)。
【0023】
実施の形態5によれば、特定のアルファベットと関連付けられた演算式を保存し、これを用いて設定流量算出の演算が実行できるので、演算式を読み出すことで、繰り返し自動演算処理を実行することができる。
また、複数の演算式を保存することができるので、複数の特定のアルファベットを決めることができ、したがって、管理者の入力操作を簡素化することができ、パソコンなどの操作に慣れていない管理者に対しても操作を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】この発明の実施の形態1による農業用水管理装置を示す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1による農業用水管理装置の表示部の表示例を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1による農業用水管理装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態2による農業用水管理装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態3による農業用水管理装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態4による農業用水管理装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態5による農業用水管理装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0025】
1 表示部
2 入力部
3 演算部
4 保持部
5 伝送部
6 実績収集部
7 表示画面例
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成17年12月26日(2005.12.26)
【代理人】 【識別番号】100073759
【弁理士】
【氏名又は名称】大岩 増雄

【識別番号】100093562
【弁理士】
【氏名又は名称】児玉 俊英

【識別番号】100088199
【弁理士】
【氏名又は名称】竹中 岑生

【識別番号】100094916
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 啓吾


【公開番号】 特開2007−167020(P2007−167020A)
【公開日】 平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願番号】 特願2005−371602(P2005−371602)