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【発明の名称】 緑化システム
【発明者】 【氏名】荻原国宏

【要約】 【課題】人工建造物の緑化によりヒートアイランド現象の軽減を図りつつ、人工建造物からの雨水の流出を効果的に抑制し、更に給水管理およびメインテナンスを簡単にする。

【解決手段】建築物の屋上2に底部貯水槽4が台座3を介して設置される。底部貯水槽4の上に植物が生育される緑化層6が、所定数の小孔5aを有する隔離板5を介して設けられる。緑化層6が設けられる槽に隣接して下部貯水槽10が設置されており、この下部貯水槽10に、緑化層6が設けられる槽に形成された越流部9から流出する雨水を直接貯えられる。下部貯水槽10の上に上部貯水槽11が設けられており、この上部貯水槽11には、下部貯水槽10の水が揚水ポンプ13および揚水ホース14によって供給される。上部貯水槽11内の水が開閉バルブ18を開くことで、散水パイプ19の小孔19aから植物7および土壌8に自然落下により点滴状に散水される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工建造物の平坦面を緑化する緑化システムにおいて、
前記人工建造物の平坦面に設置されて雨水が貯えられる底部貯水槽と、この底部貯水槽の上に設けられた所定数の小孔を有する隔離板と、この隔離板の上に設けられた植物が生育される緑化層と、前記緑化層が設けられる槽に形成された越流部から流出する雨水を直接貯える下部貯水槽と、前記下部貯水槽内に貯えられた水を前記植物に散水する散水装置とを備え、
前記緑化層に降った雨水が前記緑化層および前記隔離板を通して前記底部貯水槽内に貯えられるとともに、前記隔離板の前記小孔を通して前記植物の根が前記底部貯水槽内に進入可能となっていることを特徴とする緑化システム。
【請求項2】
前記下部貯水槽の上に設けられた上部貯水槽と、前記下部貯水槽内に貯えられた水を揚水して前記上部貯水槽に供給する揚水手段とを更に備え、
前記散水装置は前記上部貯水槽内に貯えられた水を自然落下により点滴状に散水する点滴型散水装置であることを特徴とする請求項1記載の緑化システム。
【請求項3】
1つの前記下部貯水槽、1つの前記上部貯水槽、1つの前記散水装置、前記緑化層が設けられる所定数の槽、および前記緑化層が設けられる槽の数以下の数の前記底部貯水槽が1つのブロックとして構成されており、
前記人工建造物の平坦面がコンクリートまたはアスファルト舗装面であり、
前記ブロックの所定数が前記コンクリートまたは前記アスファルト舗装面に並べて配置されていることを特徴とする請求項2記載の緑化システム。
【請求項4】
前記散水装置は、前記上部貯水槽に設けられた1つの開閉バルブと、この開閉バルブのそれより下流側に連結された管が所定数の分岐管に分岐されており、これらの分岐管にそれぞれ前記散水パイプが連結されており、これらの散水パイプが前記緑化層の領域全体に散水可能に配置されていることを特徴とする請求項3記載の緑化システム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば屋上、ベランダ、テラス、舗装グランドや舗装道路等の人工地盤などの人工建造物の、例えばコンクリートあるいはアスファルトの舗装面等の平坦面を緑化する緑化システムの技術分野に関し、特に、雨水を利用した緑化システムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球上においては温度が上昇するというヒートアイランド現象が問題となっている。このヒートアイランド現象の一因として、建築物の屋上、ベランダ、テラス、舗装グランドや舗装道路等の人工地盤などの人工建造物に照射する日光の照り返しや輻射熱による温度上昇、建築物の冷房の過剰使用による温度上昇、あるいは化石燃料の過剰使用で多量発生するCO2による温度上昇等が挙げられる。
【0003】
そこで、前述の人工建造物を緑化して温度上昇を抑制することで、このヒートアイランド現象を軽減することが種々提案されている(例えば、特許文献1ないし4参照)。
特許文献1には、雨水タンクに雨水を貯め、この雨水を自然落下により緑化用人工地盤中に供給して緑化用植物を栽培することで、地下水源等に頼ることなく、屋上を緑化することが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、パイプで形成した貯水槽に雨水を貯めて、この雨水をポンプで揚水して散水ノズルから屋上庭園に散水して植物栽培をはかることが開示されている。
更に、特許文献3には、貯水槽の水を送給することで屋上を緑化するための植物栽培装置を搬送可能にすることが開示されている。
【0005】
更に、特許文献4には、直接の緑化システムではないがヒートアイランド現象を軽減するものとして、建築物の屋上に降る雨水の全てを排水管を通じて地上に設置された貯水タンクに貯め、この雨水をポンプで揚水して給水管を通じて屋上に散水することで、建築物の屋上に降る雨水の全てを一気に下水へ排水することなく有効に利用してヒートアイランド現象を抑制し、その際、貯水タンクから揚水した雨水を屋上に設置したビオトープに一旦給水してビオトープ内の水草類や水苔類などで水中に含まれるタンパク質や窒素化合物、窒素、リン酸、カリウムなど不純物を吸収させ、雨水の腐敗を防止することが開示されている。
【特許文献1】特開2003−23883号公報。
【特許文献2】特開2003−213735号公報
【特許文献3】特開2003−23868号公報。
【特許文献4】特開2003−105883号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述の特許文献1に開示のものは、屋上に設置された雨水タンクに降った雨水を貯めるものであることから、屋上に降った雨水の建築物から外部への流出を一時的に制限するものの、屋上に設けた緑化用人工地盤の面積よりかなり小さい横断面積の雨水タンクに降った雨水のみを貯めるため、屋上に降った雨水を効率よく貯めることができず、建築物から外部への雨水の流出制限効果は小さい。このため、建築物の外部周囲における自然災害である洪水を防止することができない。特に、近年の降雨の傾向は、きわめて多くの雨量の雨が短時間に集中して降る、いわゆる熱帯のスコールのような大雨の傾向にあるが、このような大雨に対しては、建築物周囲の洪水を効果的にかつ十分に防止することができないという問題がある。
【0007】
また、雨水タンクに貯まった雨水を緑化用人工地盤に単に給水するだけのものであるため、雨水タンクの雨水は給水時のみ植物の生育に利用されるだけであって、有効に利用されていないばかりでなく、給水頻度が多くなってバルブ開閉等の給水管理が煩雑であるという問題がある。しかも、雨水タンクに雨水を貯めるため、雨水タンクを上方に常時開放しておく必要があるが、雨水タンクを長期間開放すると、雨水タンクに貯まっている雨水が腐敗してしまい、この雨水の腐敗により藻等の不純物が発生するばかりでなく、この不純物がバルブや配管を詰まらせてしまう。このため、バルブや配管のメインテナンスが煩雑となる問題がある。
【0008】
更に、前述の特許文献2に開示のものは、雨水を細長い雨水樋を通じて貯水槽に貯めるものであることから、屋上あるいは屋根に降った雨水の建築物から外部への流出を一時的に制限するものの、雨水樋の横断面積がかなり小さいため、特許文献1に開示のものと同様に屋上あるいは屋根に降った雨水を効率よく貯めることができず、建築物から外部への雨水の流出制限効果は小さい。このため、特許文献1に開示のものと同様に建築物の外部周囲における洪水を効果的にかつ十分に防止することができないという問題がある。
【0009】
また、貯水槽に貯まった雨水を植物の緑化層に単に給水するだけのものであるため、同様に貯水槽の雨水は給水時のみ植物の生育に利用されるだけであって、有効に利用されていないばかりでなく、給水頻度が多くなってバルブ開閉等の給水管理が煩雑であるという問題がある。
【0010】
更に、前述の特許文献3に開示のものは、雨水を貯水槽に貯めるものであることから、屋上に降った雨水の建築物から外部への流出を一時的に制限するものの、貯水槽の横断面積がかなり小さいため、特許文献1および2に開示のものと同様に屋上に降った雨水を効率よく貯めることができず、建築物から外部への雨水の流出制限効果は小さい。このため、特許文献1および2に開示のものと同様に建築物の外部周囲における洪水を効果的にかつ十分に防止することができないという問題がある。
【0011】
また、貯水槽に貯まった雨水を植物の緑化層に単に給水するだけのものであるため、同様に貯水槽の雨水は給水時のみ植物の生育に利用されるだけであって、有効に利用されていないばかりでなく、給水頻度が多くなってバルブ開閉等の給水管理が煩雑であるという問題がある。
【0012】
更に、前述の特許文献4に開示のものは、屋上の緑化システムではないが、屋上に降った雨水を細長い排水管を通じて貯水タンクに貯めるものであることから、屋上に降った雨水の建築物から外部への流出を一時的に制限するものの、貯水槽の横断面積がかなり小さいため、特許文献1ないし3に開示のものと同様に屋上に降った雨水を効率よく貯めることができず、建築物から外部への雨水の流出制限効果は小さい。このため、特許文献1ないし3に開示のものと同様に建築物の外部周囲における洪水を効果的にかつ十分に防止することができないという問題がある。
【0013】
また、屋上に植物の緑化槽が設置されておらず、貯水タンクに貯まった雨水を屋上に設置したビオトープで浄水して屋上全体に単に散水するだけであるので、貯水タンクの雨水が植物の生育に有効利用されるものではない。
【0014】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、人工建造物の緑化によりヒートアイランド現象の軽減を図りつつ、人工建造物からの雨水の流出を効果的に抑制し、更に給水管理およびメインテナンスを簡単にすることのできる緑化システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前述の課題を解決するために、請求項1に係る発明の緑化システムは、人工建造物の平坦面を緑化する緑化システムにおいて、前記人工建造物の平坦面に設置されて雨水が貯えられる底部貯水槽と、この底部貯水槽の上に設けられた所定数の小孔を有する隔離板と、この隔離板の上に設けられた植物が生育される緑化層と、前記緑化層が設けられる槽に形成された越流部から流出する雨水を直接貯える下部貯水槽と、前記下部貯水槽内に貯えられた水を前記植物に散水する散水装置とを備え、前記緑化層に降った雨水が前記緑化層および前記隔離板を通して前記底部貯水槽内に貯えられるとともに、前記隔離板の前記小孔を通して前記植物の根が前記底部貯水槽内に進入可能となっていることを特徴としている。
【0016】
更に、請求項2の発明は、前記下部貯水槽の上に設けられた上部貯水槽と、前記下部貯水槽内に貯えられた水を揚水して前記上部貯水槽に供給する揚水手段とを更に備え、前記散水装置が前記上部貯水槽内に貯えられた水を自然落下により点滴状に散水する点滴型散水装置であることを特徴としている。
【0017】
更に、請求項3の発明は、1つの前記下部貯水槽、1つの前記上部貯水槽、1つの前記散水装置、前記緑化層が設けられる所定数の槽、および前記緑化層が設けられる槽の数以下の数の前記底部貯水槽が1つのブロックとして構成されており、前記人工建造物の平坦面がコンクリートまたはアスファルト舗装面であり、前記ブロックの所定数が前記コンクリートまたは前記アスファルト舗装面に並べて配置されていることを特徴としている。
【0018】
更に、請求項4の発明は、前記散水装置が、前記上部貯水槽に設けられた1つの開閉バルブと、この開閉バルブのそれより下流側に連結された管が所定数の分岐管に分岐されており、これらの分岐管にそれぞれ前記散水パイプが連結されており、これらの散水パイプが前記緑化層の領域全体に散水可能に配置されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る緑化システムによれば、建築物の屋上、ベランダ、テラス、舗装グランドや舗装道路等の人工地盤などの人工建造物の平坦面に緑化システムを構築しているので、緑化層の表面から水分が蒸発することで、この蒸発熱の効果からヒートアイランド現象を緩和することができる。また、日光の照射による緑化層の熱および緑化層を取り巻く、CO2等による空気の熱が、いずれも緑化層および底部貯水槽を通して人工建造物の平坦面に伝達されるので、人工建造物への熱の供給を著しく軽減することができる。これにより、特に夏季において人工建造物内の温度上昇が抑制されるので、例えば建築物の冷房の使用を低減できる。したがって、この冷房の使用低減によっても、ヒートアイランド現象の緩和を更に緩和することができる。
【0020】
更に、緑化層の下に底部貯水槽を設けているので、降雨時、人工建造物に降った雨水をこの底部貯水槽で一旦貯えることができる。これにより、人工建造物に降った雨水が建築物からその周囲に直接流出することを阻止できるので、人工建造物からの雨水の流出を抑制および遅延することができる。特に、多くのビルが林立するビル群の有る都市域において、各ビルの屋上に本発明の緑化システムを設置することで建築物からの雨水の流出を効果的に抑制でき、都市域における洪水あるいは建築物内への浸水を防止できる。しかも、スコールのようなきわめて多くの雨量の大雨に対して底部貯水槽の深さ(容量)を適宜設定することで、多量の雨水を底部貯水槽に確実に貯水でき、建築物からの雨水の流出をより効果的に抑制することができる。
【0021】
また、緑化層と底部貯水槽との間に所定数の小孔を有する隔離板を介在させているので、直物の根がこれらの小孔を通って底部貯水槽の貯水中に進入することで、底部貯水槽内の水を植物の生育に有効に利用することができる。これにより、散水装置の作動頻度を少なくでき、散水装置の作動管理を簡略化することができる。その場合、植物に点滴状に散水しているので、給水時に緑化槽表面の洗掘を防止でき、緑化層の領域全体に均一に給水することができる。
このようにして、人工建造物の緑化によるヒートアイランド現象の軽減を図りつつ、人工建造物からの雨水の流出を効果的に抑制および遅延して自然災害を未然に防止しあるいは自然災害による被害をより少なく抑え、しかもは緑化層の植物を効果的に育成することができる。
【0022】
更に、底部貯水槽および下部貯水槽の2つの貯水槽、あるいは底部貯水槽、下部貯水槽および上部貯水槽の3つの貯水槽を設けるだけで、屋上の緑化と建築物からの雨水の流出抑制とを行っているので、簡単な構成でかつ低コストで緑化システムを構築することができる。特に、緑化システムをブロック単位で構成することにより、所定数のブロックを単に並べて配置するだけで、緑化システムの設置を短時間で簡便に行うことができる。しかも、このブロックを可搬型にすれば、任意の設置場所および屋上の任意の形状に柔軟に対応して設置することができる。
【0023】
更に、上部貯水槽を下部貯水槽のすぐ上に設けているので、下部貯水槽と上部貯水槽との高低差を小さくできる。これにより、下部貯水槽内の水と上部貯水槽内の水との位置エネルギ差を小さくできるので、揚水手段による揚水エネルギを小さくできる。したがって、揚水手段を小型にでき、揚水手段の揚水ポンプに小型ポンプを用いることができる。しかも、本発明の緑化システムでは雨水を用い水道水を使用しないので、小型ポンプの使用に相俟って散水装置の稼動費および管理費を安価にすることができる。
【0024】
更に、複数のブロックの各緑化層に、前述の陸地型、水中植物型、およびビオトープ型のいくつかの緑化槽を適宜組み合わせ使用することにより、ヒートアイランド現象をより効果的に低減できるとともに、屋上の景観を良好にしてオアシスの機能を発揮させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明に係る屋上緑化システムの実施の形態の一例を模式的に示す図である。
図1に示すように、この例の屋上緑化システム1は、建築物の屋上2に平面視矩形状の台座3が取り外し可能に設置されている。この台座3の上面に底部貯水槽4が設置されているとともに、この底部貯水槽4の真上に隔離板5を介して緑化層6が設置されている。これらの底部貯水槽4および緑化層6は1つの共通槽として一体に形成されており、この共通槽が取り外し可能に台座3に固定支持されている。なお説明の便宜上、図1には、底部貯水槽4、隔離板5および緑化層6は、図1において左右方向に沿う鉛直面による断面で示されている。
【0026】
底部貯水槽4および緑化層6はいずれも同じ所定の大きさの平面視矩形状に形成されている。そして、底部貯水槽4は緑化層6の下面のすべてを覆うように配置されている。底部貯水槽4の深さは、この底部貯水槽4の空の状態で例えば50mm/hr程度の降雨量の大雨までの雨水を貯水可能な深さに設定されている。また、隔離板5は共通槽の内周面にほとんど隙間なく嵌合される大きさの矩形状に形成されており、この隔離板5は底部貯水槽4と緑化層6とを隔離するものである。図2(a)に示すように、隔離板5には多数の小孔5aが二次元的に縦横に整列されて設けられている。そして、屋上の緑化層6に降った雨が緑化層6内の土壌(詳細は後述)を浸透しかつ多数の小孔5aを通過して底部貯水槽4内に浸入して貯水されるようになっている。なお、多数の小孔5aは必ずしも縦横に整列されて設けられる必要はなく、図2(b)に示すように二次元的にランダムに配置されて設けられてもよい。図1に示すように、各植物7が成長すると、それらの根7aが対応する小孔5aを通って底部貯水槽4内の水まで伸びてその水を吸い上げることができるようになっている。このように、各植物7は底部貯水槽4内の水を直接吸い上げることによっても生育するようになっている。なお、多数の小孔5aを有する隔離板5に代えて、メッシュ状の隔離板を用いることもできる。したがって、本発明の多数の小孔を有する隔離板には、メッシュ状の隔離板も含まれる。
【0027】
更に、緑化層6は多数の植物7を植える槽であり、この緑化層6には土壌8が収納されている。その場合、土壌8の土が隔離板5の小孔5aを通して底部貯水槽4内に落下しないようにするため、まず、径が小孔5aの径より大きな小石を隔離板5の上に敷き詰め、次いで敷き詰めた小石の上にそれらの小石より径の小さな小石や砂利あるいは砂を敷き詰め、最後にそれらの上に土を敷き詰めるようにする。
【0028】
土壌8に草花や雑木などの植物7が植えられていて、この例の緑化層6は陸地植物生育型に形成されている。なお、緑化層6は前述の陸地植物生育型に代えて、稲や芹などの水中植物生育型に形成することもできるし、あるいは、小水路のあるビオトープ型に形成することもできる。また、陸地植物生育型、水中植物生育型およびビオトープ型の少なくともいずれか2つ以上を組み合わせることもできる。
【0029】
緑化層6が形成される共通槽の一側の側壁6aには越流部9が設けられている。図3(a)に示すようにこの越流部9は、一側の側壁6aの高さh1が他の側壁の高さh2より低く設定されることで構成されている。また、一側の側壁6aの高さh1は、この側壁6aの上縁6bが緑化層6内の土壌8の表面(上面)より若干(数cm程度)高く設定されている。したがって、底部貯水槽4が満杯になり緑化層6の土壌8の表面から表面流出が生じ、土壌8の表面上の水位が側壁6aの上縁6bより高くなると、図1に二点鎖線で示すようにこの表面上を流出する水は越流部9を通じて緑化層6の外部に流出するようになっている。
【0030】
なお、一側の側壁6aの高さh1は土壌8の表面とほぼ同じに設定することもできる。また、図3(b)に示すように越流部9は、緑化層6の一側の側壁6aを他の側壁の高さh2と同じ高さに設定するとともに、この側壁6aに形成された上方に開口する多数の溝状の切欠き凹嵌部6cで構成することもできる。その場合、各切欠き凹嵌部6cの底部の高さは、前述の図3(a)に示す側壁6aの高さh1と同じ高さh1に設定される。更に、図3(c)に示すように越流部9は、側壁6aに形成された図3(b)に示す多数の切欠き凹嵌部6cに代えて、側壁6aに形成された多数の孔6dで構成することもできる。その場合、各孔6dの底部の高さは、前述の図3(a)に示す側壁6aの高さh1と同じ高さh1に設定される。更に図示しないが、図3(a)に示す高さh1の側壁6aの上方空間、図3(b)に示す各切欠き凹嵌部6c内の空間、および図3(c)に示す各孔6d内の空間に、例えばメッシュあるいは格子状部材等の異物流出阻止部材を貼設することで、緑化層6内の枯葉やゴミ等の異物が緑化層6外に流出するのを阻止するようにすることもできる。
【0031】
底部貯水槽4および緑化層6の共通槽の越流部9側に隣接して、平面視矩形状の下部貯水槽10が設けられている。なお説明の便宜上、図1には、下部貯水槽10はその手前側の側壁10aが部分的に切り欠かれて示されている。この下部貯水槽10は、少なくともその底部が越流部9の高さ位置(前述の高さh1に対応する位置)より低い位置に設定されている。したがって、緑化層6から越流部9を通じて流出する水がこの下部貯水槽10に貯水されるようになっている。その場合、越流部9に異物流出阻止部材を設けることで、緑化層6内の前述の異物が下部貯水槽10内に流出されるのが阻止され、下部貯水槽10内への異物の堆積が抑制される。また、下部貯水槽10の上方開口部は閉じられている。
下部貯水槽10の上方開口部は揚水ホース14を通して上部貯水槽11内に水を送給可能に閉塞されている。したがって、下部貯水槽10内の水は直接外気に触れないとともに日光に直射されないので、水の腐敗が抑制され、藻等の不純物が発生することが低減される。
【0032】
下部貯水槽10の上方には、上部貯水槽11が設けられている。なお説明の便宜上、図1には、上部貯水槽11はその手前側の側壁11aが部分的に切り欠かれて示されている。この上部貯水槽11には、少なくとも下部貯水槽10内の所定量の水12が貯水されるようになっている。
【0033】
下部貯水槽10内の水12を上部貯水槽11内に送給するために、下部貯水槽10内には揚水ポンプ13が設置されているとともに、この揚水ポンプ13に揚水ホース14が連結されている。この揚水ホース14は、その先端が上部貯水槽11内に向くようにして設けられている。これらの揚水ポンプ13および揚水ホース14により本発明の揚水手段が構成されている。また、下部貯水槽10内の所定の高さ位置に、水位検知センサ15が設置されている。この水位検知センサ15は下部貯水槽10内の貯水水12の水面12aが二点鎖線で示す位置になったことを検知して水位検知信号を出力するものである。
【0034】
そして、図示しない制御装置が水位検知センサ15からの水位検知信号に基づいて揚水ポンプ13を所定時間駆動する。これにより、揚水ポンプ13は下部貯水槽10内の貯水水12を所定量汲み上げて揚水ホース14を通して上部貯水槽11内に送給し、上部貯水槽11内に所定量の水が貯水されるようになっている。
【0035】
なお、制御装置が揚水ポンプ13を所定時間駆動して所定量の水を送給することに代えて、例えば、もう1つの下部水位検知センサを設けて、制御装置が上部の水位検知センサ15の水位検知信号で揚水ポンプ13を駆動した後、下部水位検知センサからの貯水水12の水面12aの水位検知信号で揚水ポンプ13を停止するようにすることもできる。
また、揚水ポンプ13として、水位感知型のポンプを用いることもできる。この水位感知型のポンプを用いた場合には、水位検知センサは省略される。
【0036】
この例の緑化システム1では、揚水ポンプ13を駆動する電力として、太陽電池であるソーラーパネルで発電された電力を用いている。しかし、通常の電力等の他の電力を用いることもできる。
【0037】
上部貯水槽11の上方開口部は、揚水ホース14を通して上部貯水槽11内に水を送給可能に、例えば蓋等で閉塞されている。したがって、上部貯水槽11内の水は直接外気に触れないとともに日光に直射されないので、水の腐敗が抑制され、藻等の不純物が発生することが低減される。これにより、この不純物で、後述する点滴型散水装置17の開閉バルブ18や散水パイプ19が詰まることが抑制され、メインテナンスが簡略化する。なお、上部貯水槽11の上方開口部は開放することもできる。その場合には、上部貯水槽11に降る雨水がこの上部貯水槽11に一旦貯えれるので、上方開口部を閉塞する場合に比べて水の流出制限効果が若干多く得られる。しかし、上方開口部を開放すると、上部貯水槽11内の水が直接外気に触れるとともに日光に直射されることで腐敗する可能性があるので、上部貯水槽11の上方開口部は閉塞することが望ましい。更に、上部貯水槽11の上部開口部を蓋で閉塞する場合に、上部貯水槽11の蓋を傾斜させるとともにこの傾斜した蓋の低い方側に孔を設け、傾斜した蓋の上に降った雨水を集水して蓋の孔から上部貯水槽11内に流すようにすることもできる。
【0038】
上部貯水槽11の一側の側壁11bには越流部16が設けられている。この越流部16は、前述の図3(a)ないし(c)に示す各越流部9の1つと同じに構成することができる。したがって、越流部16の理解を容易にするために、図3(a)ないし(c)にそれぞれ符号「16」を括弧を付して記載する。その場合、越流部9の高さと越流部16の高さとは同じ符号「h1」で示されるが、これらは図面の記載の便宜上単に示されているだけであり、越流部9の高さと越流部16の高さは同じ高さであってもよいし、互いに異なる高さであってもよい。
【0039】
上部貯水槽11の他の側壁11cには、散水装置として点滴型散水装置17が設けられている。この点滴型散水装置17は、側壁11cの取出し孔(不図示)に設けられた開閉バルブ18とこの開閉バルブ18に連結されかつ多数の小孔19aが下部に穿設された細長い散水パイプ19とから構成されている。開閉バルブ18は前述の制御装置によって、予め設定された散水時間に基づいて開閉制御されるようになっている。すなわち、制御装置は散水時間に基づいて、開閉バルブ18を通常時は閉じているが、予め設定された植物7に水が必要な時刻に、同じく予め設定された必要な時間だけ開くように開閉制御する。
【0040】
なお、特許文献3に記載されているような土壌水分センサを緑化層6の土壌8中に設置し、この土壌水分センサで土壌8中の水分量を検知して、開閉バルブ18を土壌8中の水分量に応じて開閉制御することもできる。
【0041】
図示しないが、開閉バルブ18のそれより下流側(開閉バルブ18に関し上部貯水槽11と反対側)に連結された管が所定数の分岐管に分岐されており、これらの分岐管にそれぞれ散水パイプ19が連結されている。これらの散水パイプ19は緑化層6の領域全体にわたって配置されていて、開閉バルブ18が開かれて上部貯水槽11の水が導入されたとき、各散水パイプ19内の水がそれぞれ多数の小孔19aから図1に示すように点滴状αに自然落下して緑化層6の領域全体内の植物7および土壌8にほぼ均一に散水するようにされている。その場合、複数の散水パイプ19を緑化層6の領域全体にわたって適宜配置しかつ点滴状αに給水することで、水を緑化層6の領域全体にわたって土壌を水の噴流で飛ばすことなく給水することができる。点滴型散水装置17としては、市販のもの(例えば、商品名水やり君:(株)松下電器製作所製)を利用することができる。もちろん、点滴型散水装置17はこれに限定されることはなく、必要時に点滴状に散水することができるものであれば、どのようなものも用いることができる。
【0042】
この例の緑化システム1では、開閉バルブ18を開閉駆動する電力として、前述のソーラーパネルで発電された電力を用いているが、前述と同様に、通常の電力等の他の電力を用いることもできる。
散水パイプ19内の水の自然落下で緑化層6の植物7に確実に散水するためには、散水パイプ19の下部が植物7のトップより上方でかつ上部貯水槽11の下部に対応する位置に設ける必要がある。そのためには、上部貯水槽11の底部ができるだけ上方に位置することが望ましい。しかし、上部貯水槽11の底部はこれに限定されるものではない。
【0043】
この例の緑化システム1では、底部貯水槽3、隔離板5、緑化層6、下部貯水槽10、および上部貯水槽11が1つのブロックとして構成される。この1ブロックはその大きさが縦横1m×2m程度の大きさに設定されるとともに、任意の場所に搬送できる可搬型ブロックとされている。
【0044】
そして、屋上2に設置するブロックの数は設置しようとする屋上2の面積に応じて設定され、設定された数のブロックが屋上2の床面に、全面的にあるいは部分的に並べられて設置される。その場合、各緑化層6は、すべて陸地植物生育型、水中植物生育型およびビオトープ型のいずれか1つであってもよいし、あるいは、それぞれこれらの陸地植物生育型、水中植物生育型およびビオトープ型の少なくともいずれか2つ以上を組み合わせてもよく、建築物の設置環境や建築物の種類等の建築物の状況に応じて設定すればよい。
【0045】
このように構成されたこの例の緑化システム1においては、設定数の前述のブロックが建築物の屋上に全面的にあるいは部分的に設置され、各ブロックの緑化層6にはそれぞれ、例えば図1に示すように土壌8が収納されかつそれらの土壌8には多数の植物7が植えられている。雨天時、各ブロックの緑化層6にも雨が降るが、各緑化層6に降った雨水(以下、単に水ともいう)は、それぞれ、緑化層6内の土壌8を浸透しかつ隔離板5の多数の小孔5aを通って底部貯水槽4内に貯水される。
【0046】
このように、屋上に降った雨水のうち、各緑化層6に降った雨水が底部貯水槽4内に貯水されるので、建築物から流出する雨水の量が抑制される。これにより、建築物周囲の雨水量が少なくなり、洪水のおそれが低減する。特に、降雨量が50mm/hr程度のかなり強い雨であっても、屋上に降った雨水の一部が底部貯水槽4内に確実に貯水されるので、建築物から流出する雨水の量が効率よく抑制され、建築物周囲における洪水のおそれは効果的に低減する。
【0047】
底部貯水槽4内の貯水量が満杯になり、緑化層6に降った雨水が土壌8を浸透しなくなると、土壌8の表面上に貯水するようになる。そして、土壌8の表面上に貯水した雨水の水位が越流部9の高さh1より高くなると、この雨水は越流部9から自動的に流出して下部貯水槽10内に貯水される。
【0048】
更に、下部貯水槽10内に貯水された水12の水位が図1に二点鎖線で示す位置になると、水位検知センサ15がこの水位を検知して水位検知信号を出力する。すると、制御装置はこの水位検知信号に基づいて揚水ポンプ13を所定時間駆動し、揚水ポンプ13は下部貯水槽10内の水12を汲み上げて揚水ホース14を通して上部貯水槽16に送給する。これにより、上部貯水槽16内に所定量の水が貯水される。
【0049】
上部貯水槽16内に貯水された水の水位が、取出し口(開閉バルブ18の設置箇所)の位置および散水パイプ19の小孔19aの高さ位置より高くなると、散水が可能となる。しかし、通常時は開閉バルブ18が閉じているので、上部貯水槽16内の水は散水パイプ19の方へ流出しない。そして、雨の降らない状態が所定時間以上続くと、前述のように制御装置は開閉バルブ18を予め設定された時刻に予め設定された時間だけ開く。すると、上部貯水槽16内の水が開閉バルブ18を通して散水パイプ19内に流出し、更に、散水パイプ19内の水は多数の小孔19aから点滴状αに自然落下して緑化層6内の植物7および土壌8に、土壌8が飛ばされることなく散水される。
【0050】
散水パイプ19からの水の散水あるいは降雨により、緑化層6内の植物が成長していくと、その根7aが図1に示すように隔離板5の小孔5aを通って底部貯水槽4内の水中に浸入する。これにより、各植物7はそれらの根7aから底部貯水槽4内の水を吸い上げることができるようになり、底部貯水槽4内の水で更に成長を続けるようになる。このように、植物7が根7aから底部貯水槽4内の水を吸い上げることで、散水パイプ19からの散水の回数を低減することができる。
上部貯水槽11内の水の水位が図1に二点鎖線で示す越流部16の高さh1より高くなると、この水は越流部16から上部貯水槽11の外部へ自動的に流出する。
【0051】
この例の緑化システム1によれば、建築物の屋上に緑化システム1を構築しているので、緑化層6の表面から水分が蒸発することで、この蒸発熱の効果からヒートアイランド現象を緩和することができる。また、日光の照射による緑化層6の熱および緑化層6を取り巻く、CO2等による空気の熱が、いずれも緑化層6、底部貯水槽4および台座3を通して屋上2の表面に伝達されるので、屋上2への熱の供給を著しく軽減することができる。これにより、夏季において建築物内の温度上昇が抑制されるので、建築物の冷房の使用を低減できる。したがって、この冷房の使用低減によっても、ヒートアイランド現象の緩和を更に緩和することができる。
【0052】
更に、緑化層6の下に底部貯水槽4を設けているので、降雨時、屋上に降った雨水をこの底部貯水槽4で一旦貯水することができる。これにより、屋上に降った雨水が建築物からその周囲に直接流出することを阻止できるので、建築物からの雨水の流出を抑制および遅延することができる。特に、多くのビルが林立するビル群の有る都市域において、各ビルの屋上に緑化システム1を設置することで建築物からの雨水の流出を効果的に抑制および遅延でき、都市域における洪水あるいは建築物内への浸水を防止できる。しかも、前述のスコールのようなきわめて多くの雨量の大雨に対して底部貯水槽4の深さ(容量)を適宜設定することで、多量の雨水を底部貯水槽4に確実に貯水でき、建築物からの雨水の流出をより効果的に抑制および遅延することができる。
【0053】
また、緑化層6の下に底部貯水槽4を設けるとともに、緑化層6と底部貯水槽4との間に多数の小孔5aを有する隔離板5を介在させているので、直物7の根7aがこれらの小孔5aを通って底部貯水槽4の貯水中に進入することで、底部貯水槽4内の水を植物7の生育に有効に利用することができる。これにより、開閉バルブ18の開閉頻度を少なくでき、開閉バルブ18の開閉管理を簡略化することができる。その場合、植物7および土壌8に点滴状に散水しているので、給水時に緑化槽表面の土砂の流出を防止できるとともに土壌8を飛ばして緑化槽6の表面の洗掘を防止でき、緑化層6の領域全体に均一に給水することができる。
このようにして、屋上の緑化によるヒートアイランド現象の軽減を図りつつ、建築物からの雨水の流出を効果的に抑制して自然災害を未然に防止しあるいは自然災害による被害をより少なく抑え、しかもは緑化層6の植物7を効果的に育成することができる。
【0054】
更に、底部貯水槽4、下部貯水槽10および上部貯水槽11の3つの貯水槽を設けるだけで、屋上の緑化と建築物からの雨水の流出抑制とを行っているので、簡単な構成でかつ低コストで緑化システム1を構築することができる。特に、緑化システム1をブロック単位で構成することにより、所定数のブロックを単に並べて配置するだけで、緑化システム1の設置を短時間で簡便に行うことができる。しかも、このブロックを可搬型にすることで、任意の設置場所および屋上の任意の形状に柔軟に対応することができる。
【0055】
更に、下部貯水槽10および上部貯水槽11をともに屋上に設置するとともに、上部貯水槽11を下部貯水槽10のすぐ上に設けているので、下部貯水槽10と上部貯水槽11との高低差を小さくできる。これにより、下部貯水槽10内の水12と上部貯水槽11内の水との位置エネルギ差を小さくできるので、揚水ポンプ13による揚水エネルギを小さくできる。したがって、揚水ポンプ13のポンプ容量を小さくでき、揚水ポンプ13に小型ポンプを用いることができる。しかも、この例の緑化システム1では雨水を用い水道水を使用しないので、小型ポンプの使用に相俟って稼動費および管理費を安価にすることができる。そのうえ、ポンプの駆動や開閉バルブ18の開閉駆動にソーラーパネルの電力を利用することで、更に管理を低減することができる。
【0056】
更に、複数のブロックの各緑化層6に、前述の陸地型、水中植物型、およびビオトープ型のいくつかの緑化槽を適宜組み合わせ使用することにより、ヒートアイランド現象をより効果的に低減できるとともに、屋上の景観を良好にしてオアシスの機能を発揮させることができる。
【0057】
なお、前述の例において、緑化層6が設けられる部分を底部貯水槽4と同じ水平断面積でかつ底部貯水槽4とは別体の緑化槽として形成してこの緑化槽を底部貯水槽4の上に取り外し可能に設置してもよい。その場合、緑化槽の底部に隔離板5を設けるとともに、この隔離板5の上に緑化層6を形成するようにする。更に、底部貯水槽4の水平断面積の大きさを緑化槽のそれよりも大きく形成することもできるが、このとき、底部貯水槽4の上部開口部が部分的に上方に開放する場合には、その開放部分は閉塞するようにする。これにより、底部貯水槽4内の水が前述と同様に腐敗するのが抑制される。
【0058】
また、台座3,底部貯水槽4、緑化層6、下部貯水槽10および上部貯水槽11をいずれも平面視矩形状に形成するものとしているが、これに限定されるものではなく、それぞれ個別に種々の形状に形成することもできる。更に、散水装置として点滴型散水装置17に限定されることはなく、従来公知の散水装置を用いることもできる。
【0059】
更に、1つの下部貯水槽10および1つの上部貯水槽11はともに1つの底部貯水槽4および1つの緑化層6に対応して必ずしも設ける必要はなく、複数の底部貯水槽4および複数の緑化層6に対応して設けることもできる。その場合、少なくとも緑化層6が設けられる槽の越流部9から流出する水が下部貯水槽10内に流入するようにする。更に、緑化層6が設けられる槽と底部貯水槽4とを別体の槽で互いに独立して構成する場合には、緑化層6が設けられる複数の槽を1つの底部貯水槽4で対応させることもできる。
【0060】
更に、前述の例では、本発明の緑化システムを屋上の緑化システム1として説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ベランダ、テラス、および舗装グランドや舗装道路等の人工地盤などの他の人工建造物の、例えばコンクリートまたはアスファルト舗装面等の平坦面を緑化する緑化システムにも適用することができる。
【0061】
なお、本発明における平坦面は、必ずしも表面が滑らかでなくてもよく、表面に凹凸があっても本発明の緑化システムが設置可能で全体的に平坦面である場合も含む。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明の緑化システムは、雨水を利用して、屋上、ベランダ、テラス、および舗装グランドや舗装道路等の人工地盤などの人工建造物の、例えばコンクリートまたはアスファルト舗装面等平坦面を緑化する緑化システムに好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明に係る屋上緑化システムの実施の形態の一例を模式的に示す図である。
【図2】図1に示す例の屋上緑化システムに用いられる隔離板を示し、(a)は縦横に整列された多数の小孔を示す図、(b)はランダムに配置された多数の小孔を示す図である。
【図3】(a)は図1に示す例の屋上緑化システムに用いられる緑化槽および上部貯水槽の越流部の一例を示す図、(b)は越流部の変形例を示す図、(c)は越流部の他の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
1…屋上緑化システム、2…屋上、4…底部貯水槽、5…隔離板、5a…小孔、6…緑化槽、7…植物、7a…根、8…土壌、9…越流部、10…下部貯水槽、11…上部貯水槽、13…揚水ポンプ、14…揚水ホース、15…水位検知センサ、16…越流部、17…点滴型散水装置、18…開閉バルブ、19…散水パイプ
【出願人】 【識別番号】505462518
【氏名又は名称】荻原 国宏
【出願日】 平成17年12月14日(2005.12.14)
【代理人】 【識別番号】100094787
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 健二

【識別番号】100095980
【弁理士】
【氏名又は名称】菅井 英雄

【識別番号】100091971
【弁理士】
【氏名又は名称】米澤 明

【識別番号】100139114
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 貞嗣

【識別番号】100139103
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 卓志


【公開番号】 特開2007−159482(P2007−159482A)
【公開日】 平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願番号】 特願2005−359964(P2005−359964)