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【発明の名称】 水耕栽培装置及び水耕栽培方法
【発明者】 【氏名】山本 晃己

【氏名】林 正秀

【要約】 【課題】装置の小型化が可能であると共に設備コストも低減できる水耕栽培装置を提供する。

【解決手段】この発明の水耕栽培装置は、養液貯留槽2と、該養液貯留槽2の内部空間内またはその上方位置或いはその側方位置に配置された植物栽培用支持体3と、植物に光を照射するための光半導体素子4とを備えた栽培ユニット5を少なくとも1つ有する栽培装置本体6を備え、前記養液貯留槽2に循環供給される養液と前記光半導体素子4との間で熱交換が行われるように構成されることによって前記光半導体素子4の冷却が行われるものとなされていることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
養液貯留槽と、該養液貯留槽の内部空間内またはその上方位置或いはその側方位置に配置された植物栽培用支持体と、植物に光を照射するための光半導体素子とを備えた栽培ユニットを少なくとも1つ有する栽培装置本体を備え、
前記養液貯留槽に循環供給される養液と前記光半導体素子との間で熱交換が行われるように構成されることによって前記光半導体素子の冷却が行われるものとなされていることを特徴とする水耕栽培装置。
【請求項2】
養液貯留槽と、該養液貯留槽の内部空間内またはその上方近傍位置に配置された植物栽培用支持体と、該植物栽培用支持体の上方位置に配置された光半導体素子とを備えた栽培ユニットを少なくとも1つ有する栽培装置本体を備え、
前記養液貯留槽に循環供給される養液と前記光半導体素子との間で熱交換が行われるように構成されることによって前記光半導体素子の冷却が行われるものとなされていることを特徴とする水耕栽培装置。
【請求項3】
底壁の下面に光半導体素子が設けられた養液貯留槽と、該養液貯留槽の内部空間内またはその上方近傍位置に配置された植物栽培用支持体とを備えた栽培ユニットを少なくとも1つ有する栽培装置本体と、
前記養液貯留槽を通過して排出された養液を加熱殺菌処理する加熱殺菌処理装置と、
前記加熱殺菌処理装置で殺菌処理された養液を冷却する冷却装置と、
前記養液を前記養液貯留槽に供給する供給装置とを備え、
前記養液貯留槽を通過する養液によって該養液貯留槽の底壁の光半導体素子が冷却されるものとなされていることを特徴とする水耕栽培装置。
【請求項4】
前記栽培装置本体は、前記栽培ユニットが複数個上下に間隔をあけて積み重ねられてなる請求項3に記載の水耕栽培装置。
【請求項5】
養液貯留槽と、該養液貯留槽の内部空間内またはその上方近傍位置に配置された植物栽培用支持体と、該植物栽培用支持体の上方位置に配置されると共に下面に光半導体素子が設けられた光源パネルとを備えた栽培ユニットを少なくとも1つ有する栽培装置本体と、
前記光源パネルを流過して排出された養液を加熱殺菌処理する加熱殺菌処理装置と、
前記加熱殺菌処理装置で殺菌処理された養液を冷却する冷却装置と、
前記養液を前記養液貯留槽に供給する供給装置とを備え、
前記養液貯留槽から排出された養液は前記光源パネルに供給されるものとなされ、この光源パネルに接して流過する養液によって光半導体素子が冷却されるものとなされていることを特徴とする水耕栽培装置。
【請求項6】
前記栽培装置本体は、前記栽培ユニットが複数個上下に積み重ねられてなる請求項5に記載の水耕栽培装置。
【請求項7】
底壁の下面に光半導体素子が設けられた養液貯留槽と、該養液貯留槽の上方位置に配置された植物栽培用支持体と、該植物栽培用支持体と前記養液貯留槽の間に挿入配置された養液噴射ノズル部とを備えた栽培ユニットを少なくとも1つ有する栽培装置本体と、
前記養液貯留槽を通過して排出された養液を加熱殺菌処理する加熱殺菌処理装置と、
前記加熱殺菌処理装置で殺菌処理された養液を冷却する冷却装置と、
前記養液を前記養液噴射ノズル部に供給する供給装置とを備え、
前記養液噴射ノズル部から前記植物栽培用支持体に向けて噴射された養液は、該植物栽培用支持体に植設された植物の根に接触したのち自然落下して前記養液貯留槽内で貯留され、この養液貯留槽内の養液によって該養液貯留槽の底壁の光半導体素子が冷却されるものとなされていることを特徴とする水耕栽培装置。
【請求項8】
前記栽培装置本体は、前記栽培ユニットが複数個上下に間隔をあけて積み重ねられてなる請求項7に記載の水耕栽培装置。
【請求項9】
前記光半導体素子が発光ダイオード(LED)である請求項1〜8のいずれか1項に記載の水耕栽培装置。
【請求項10】
前記光半導体素子が半導体レーザー(LD)である請求項1〜8のいずれか1項に記載の水耕栽培装置。
【請求項11】
植物栽培用支持体に植設した植物の根に養液を供給すると共に前記植物に光半導体素子の光を照射することによって植物を栽培する水耕栽培方法において、
前記光半導体素子と前記養液との間で熱交換を行わしめることによって前記光半導体素子を冷却することを特徴とする水耕栽培方法。
【請求項12】
前記光半導体素子として発光ダイオード(LED)を用いる請求項11に記載の水耕栽培方法。
【請求項13】
前記光半導体素子として半導体レーザー(LD)を用いる請求項11に記載の水耕栽培方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、植物に養液を供給しつつ植物に光半導体素子の光を照射して植物を栽培する水耕栽培装置及び水耕栽培方法に関する。
【背景技術】
【0002】
野菜等の植物を変動の大きい自然環境に左右されることなく安定して生産する手法として、近年、人工光を利用した水耕栽培が注目されている。例えば、光半導体素子が多数配列されたパネル状の光源装置と、植物栽培用支持体(水耕培地)とを交互に積み重ねてなる水耕栽培装置を用いて植物を生産することが提案されている(特許文献1、2参照)。発光ダイオード(LED)や半導体レーザー(LD)に代表される光半導体素子は、小型で寿命が長く、材料によって特定の波長で発光して不要な熱放射がないので、近接照射しても葉焼け等の障害が起こらない。従って、植物の生長に有効な波長の光を放射する発光素子を選択することによって、他の光源と比べて、より低電力コストで且つより省スペースで栽培を行うことができる。
【0003】
ところで、上記のような人工光を利用した水耕栽培は、栽培環境を維持管理するため、閉鎖系で稼働される場合が多いが、この場合、光半導体素子の発熱により栽培室内の温度が上昇すると植物が高温障害を起こすので、光半導体素子の発熱による温度上昇を抑制することが必要である。この点に関し、特許文献1、2に記載の栽培装置では、光半導体素子をアルミニウムやセラミックなど熱伝導率の良い基板に直接設置し、その基板を、強制冷却装置の冷却ラインにより循環供給される水等の冷媒を用いて冷却することにより、光半導体素子の温度上昇を防止するようにしている。
【特許文献1】特開平9−98665号公報
【特許文献2】特開2001−43号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1、2に記載の栽培装置では、光半導体素子の発熱による系内の温度上昇を抑制するために、冷却した冷媒をパネル状光源装置に循環供給する強制冷却装置の冷媒循環ラインを、養液を循環供給する水耕栽培装置の養液循環ラインとは独立して別途設けているので、装置全体として非常に大型化する上に設備コストも大幅に増大するという問題があった。
【0005】
また、養液を加熱殺菌処理する工程が設けられた場合においては、加熱のための熱源が必要となるが、上記従来の栽培装置では、光半導体素子の冷却をして熱を受け取った冷媒の熱は、何ら有効利用されることなくそのまま系外に排出されており、熱エネルギーの有効利用がなされていなかった。
【0006】
この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、装置の小型化が可能であると共に設備コストも低減できる水耕栽培装置及び水耕栽培方法を提供することを第1の目的とする。更に、この発明は、光半導体素子の発熱を有効利用できて省エネルギー化を実現できる水耕栽培装置を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
【0008】
[1]養液貯留槽と、該養液貯留槽の内部空間内またはその上方位置或いはその側方位置に配置された植物栽培用支持体と、植物に光を照射するための光半導体素子とを備えた栽培ユニットを少なくとも1つ有する栽培装置本体を備え、
前記養液貯留槽に循環供給される養液と前記光半導体素子との間で熱交換が行われるように構成されることによって前記光半導体素子の冷却が行われるものとなされていることを特徴とする水耕栽培装置。
【0009】
[2]養液貯留槽と、該養液貯留槽の内部空間内またはその上方近傍位置に配置された植物栽培用支持体と、該植物栽培用支持体の上方位置に配置された光半導体素子とを備えた栽培ユニットを少なくとも1つ有する栽培装置本体を備え、
前記養液貯留槽に循環供給される養液と前記光半導体素子との間で熱交換が行われるように構成されることによって前記光半導体素子の冷却が行われるものとなされていることを特徴とする水耕栽培装置。
【0010】
[3]底壁の下面に光半導体素子が設けられた養液貯留槽と、該養液貯留槽の内部空間内またはその上方近傍位置に配置された植物栽培用支持体とを備えた栽培ユニットを少なくとも1つ有する栽培装置本体と、
前記養液貯留槽を通過して排出された養液を加熱殺菌処理する加熱殺菌処理装置と、
前記加熱殺菌処理装置で殺菌処理された養液を冷却する冷却装置と、
前記養液を前記養液貯留槽に供給する供給装置とを備え、
前記養液貯留槽を通過する養液によって該養液貯留槽の底壁の光半導体素子が冷却されるものとなされていることを特徴とする水耕栽培装置。
【0011】
[4]前記栽培装置本体は、前記栽培ユニットが複数個上下に間隔をあけて積み重ねられてなる前項3に記載の水耕栽培装置。
【0012】
[5]養液貯留槽と、該養液貯留槽の内部空間内またはその上方近傍位置に配置された植物栽培用支持体と、該植物栽培用支持体の上方位置に配置されると共に下面に光半導体素子が設けられた光源パネルとを備えた栽培ユニットを少なくとも1つ有する栽培装置本体と、
前記光源パネルを流過して排出された養液を加熱殺菌処理する加熱殺菌処理装置と、
前記加熱殺菌処理装置で殺菌処理された養液を冷却する冷却装置と、
前記養液を前記養液貯留槽に供給する供給装置とを備え、
前記養液貯留槽から排出された養液は前記光源パネルに供給されるものとなされ、この光源パネルに接して流過する養液によって光半導体素子が冷却されるものとなされていることを特徴とする水耕栽培装置。
【0013】
[6]前記栽培装置本体は、前記栽培ユニットが複数個上下に積み重ねられてなる前項5に記載の水耕栽培装置。
【0014】
[7]底壁の下面に光半導体素子が設けられた養液貯留槽と、該養液貯留槽の上方位置に配置された植物栽培用支持体と、該植物栽培用支持体と前記養液貯留槽の間に挿入配置された養液噴射ノズル部とを備えた栽培ユニットを少なくとも1つ有する栽培装置本体と、
前記養液貯留槽を通過して排出された養液を加熱殺菌処理する加熱殺菌処理装置と、
前記加熱殺菌処理装置で殺菌処理された養液を冷却する冷却装置と、
前記養液を前記養液噴射ノズル部に供給する供給装置とを備え、
前記養液噴射ノズル部から前記植物栽培用支持体に向けて噴射された養液は、該植物栽培用支持体に植設された植物の根に接触したのち自然落下して前記養液貯留槽内で貯留され、この養液貯留槽内の養液によって該養液貯留槽の底壁の光半導体素子が冷却されるものとなされていることを特徴とする水耕栽培装置。
【0015】
[8]前記栽培装置本体は、前記栽培ユニットが複数個上下に間隔をあけて積み重ねられてなる前項7に記載の水耕栽培装置。
【0016】
[9]前記光半導体素子が発光ダイオード(LED)である前項1〜8のいずれか1項に記載の水耕栽培装置。
【0017】
[10]前記光半導体素子が半導体レーザー(LD)である前項1〜8のいずれか1項に記載の水耕栽培装置。
【0018】
[11]植物栽培用支持体に植設した植物の根に養液を供給すると共に前記植物に光半導体素子の光を照射することによって植物を栽培する水耕栽培方法において、
前記光半導体素子と前記養液との間で熱交換を行わしめることによって前記光半導体素子を冷却することを特徴とする水耕栽培方法。
【0019】
[12]前記光半導体素子として発光ダイオード(LED)を用いる前項11に記載の水耕栽培方法。
【0020】
[13]前記光半導体素子として半導体レーザー(LD)を用いる前項11に記載の水耕栽培方法。
【発明の効果】
【0021】
[1][2]の発明では、養液貯留槽に循環供給される養液と光半導体素子との間で熱交換が行われるように構成されることによって光半導体素子の冷却が行われるものとなされており、光半導体素子の冷却のための強制冷却装置(冷媒循環ライン)を別途設ける必要がないから、装置として十分に小型化することが可能となると共に設備コストも低減することができる。
【0022】
[3]の発明では、養液貯留槽を通過する養液によって養液貯留槽の底壁の光半導体素子が冷却されるものとなされており、光半導体素子の冷却のための強制冷却装置(冷媒循環ライン)を別途設ける必要がないから、装置として十分に小型化することが可能となると共に設備コストも低減することができる。また、光半導体素子は、養液貯留槽の底壁に設けられているから、装置としてより一層省スペース化を図ることができる。更に、光半導体素子の冷却に供された養液は、その後加熱殺菌処理装置に送られて加熱殺菌処理されるが、この時、養液は、光半導体素子からの発熱を受け取って予熱されているので、加熱殺菌処理の加熱に要するエネルギーを低減することができる。即ち、光半導体素子の発熱を加熱殺菌処理の予熱に有効利用することができるので、省エネルギー化を実現することができる。
【0023】
[4]の発明では、栽培装置本体は、栽培ユニットが複数個上下に間隔をあけて積み重ねられてなる構成であるから、単位敷地面積当たりの栽培量を顕著に増大させることができて水耕栽培装置の生産性を向上させることができる。
【0024】
[5]の発明では、養液貯留槽から排出された養液は光源パネルに供給されるものとなされ、この光源パネルに接して流過する養液によって光半導体素子が冷却されるものとなされており、光半導体素子の冷却のための強制冷却装置(冷媒循環ライン)を別途設ける必要がないから、装置として十分に小型化することが可能となると共に設備コストも低減することができる。また、養液貯留槽を流過する養液(植物の根に接触する養液)は、光半導体素子の冷却に供される前のものであるから、養液の温度上昇がなく、植物の生育により適した状態で養液を植物に供給することができる利点がある。更に、光半導体素子の冷却に供された養液は、その後加熱殺菌処理装置に送られて加熱殺菌処理されるが、この時、養液は、光半導体素子からの発熱を受け取って予熱されているので、加熱殺菌処理の加熱に要するエネルギーを低減することができる。即ち、光半導体素子の発熱を加熱殺菌処理の予熱に有効利用することができるので、省エネルギー化を実現することができる。
【0025】
[6]の発明では、栽培装置本体は、栽培ユニットが複数個上下に積み重ねられてなる構成であるから、単位敷地面積当たりの栽培量を顕著に増大させることができて水耕栽培装置の生産性を向上させることができる。
【0026】
[7]の発明では、養液貯留槽内の養液によって養液貯留槽の底壁の光半導体素子が冷却されるものとなされており、光半導体素子の冷却のための強制冷却装置(冷媒循環ライン)を別途設ける必要がないから、装置として十分に小型化することが可能となると共に設備コストも低減することができる。更に、光半導体素子の冷却に供された養液は、その後加熱殺菌処理装置に送られて加熱殺菌処理されるが、この時、養液は、光半導体素子からの発熱を受け取って予熱されているので、加熱殺菌処理の加熱に要するエネルギーを低減することができる。即ち、光半導体素子の発熱を加熱殺菌処理の予熱に有効利用することができるので、省エネルギー化を実現することができる。
【0027】
[8]の発明では、栽培装置本体は、前記栽培ユニットが複数個上下に間隔をあけて積み重ねられてなる構成であるから、単位敷地面積当たりの栽培量を顕著に増大させることができて水耕栽培装置の生産性を向上させることができる。
【0028】
[9]の発明では、光半導体素子として発光ダイオードが用いられており、この発光ダイオードは、小型で寿命が長く、材料によって特定の波長で発光して不要な熱放射がなく、近接照射しても葉焼け等の障害が起こらないので、植物の生長に有効な波長の光を放射する発光素子を選択することによって、他の光源と比べて、より低電力コストで且つより省スペースで栽培を行うことができる。
【0029】
[10]の発明では、光半導体素子として半導体レーザーが用いられており、この半導体レーザーは、小型で寿命が長く、材料によって特定の波長で発光して不要な熱放射がなく、近接照射しても葉焼け等の障害が起こらないので、植物の生長に有効な波長の光を放射する発光素子を選択することによって、他の光源と比べて、より低電力コストで且つより省スペースで栽培を行うことができる。
【0030】
[11]の発明では、植物栽培用支持体に植設した植物の根に養液を供給すると共に前記植物に光半導体素子の光を照射することによって植物を栽培する水耕栽培方法において、光半導体素子と養液との間で熱交換を行わしめることによって光半導体素子を冷却するので、光半導体素子の冷却のための強制冷却装置(冷媒循環ライン)を別途設ける必要がなくて装置全体として十分に小型化できると共に設備コストも低減でき、これにより低コストで効率良く水耕栽培を行うことができる。
【0031】
[12]の発明では、光半導体素子として発光ダイオードを用いており、この発光ダイオードは、小型で寿命が長く、材料によって特定の波長で発光して不要な熱放射がなく、近接照射しても葉焼け等の障害が起こらないので、植物の生長に有効な波長の光を放射する発光素子を選択することによって、他の光源と比べて、より低電力コストで且つより省スペースで栽培を行うことができる。
【0032】
[13]の発明では、光半導体素子として半導体レーザーを用いており、この半導体レーザーは、小型で寿命が長く、材料によって特定の波長で発光して不要な熱放射がなく、近接照射しても葉焼け等の障害が起こらないので、植物の生長に有効な波長の光を放射する発光素子を選択することによって、他の光源と比べて、より低電力コストで且つより省スペースで栽培を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
この発明に係る水耕栽培装置(1)は、養液貯留槽(2)と、該養液貯留槽(2)の内部空間内またはその上方位置或いはその側方位置に配置された植物栽培用支持体(3)と、該植物栽培用支持体(3)と離間して配置された光半導体素子(4)とを備えた栽培ユニット(5)を少なくとも1つ有する栽培装置本体(6)を備え、前記養液貯留槽(2)に循環供給される養液と前記光半導体素子(4)との間で熱交換が行われるように構成されることによって前記光半導体素子(4)の冷却が行われるものとなされている。この水耕栽培装置(1)では、養液を利用して光半導体素子(4)の冷却を行うので、従来技術のように光半導体素子の冷却のための強制冷却装置(冷媒循環ライン)を別途設ける必要がなく、従って装置全体として十分に小型化することが可能となると共に、設備コストも低減することができる。
【0034】
以下、具体的実施形態について順に説明する。
【0035】
(第1実施形態)
この発明の水耕栽培装置(1)の第1実施形態を図1に示す。1つの栽培ユニット(5)は、養液貯留槽(2)と、植物栽培用支持体(3)と、複数個の光半導体素子(4)とを備えている(図1参照)。前記養液貯留槽(2)は上面が開放されると共に、その底壁の下面(外面)に前記複数個の光半導体素子(4)が取付固定されている。また、前記養液貯留槽(2)の内部空間内に前記植物栽培用支持体(3)が配置されている。
【0036】
本実施形態では、図1に示すように、上記構成からなる栽培ユニット(5)が2個上下に間隔をあけて積み重ねられると共に、上側の栽培ユニット(5)の上に、底壁の下面に光半導体素子(4)が設けられた養液貯留槽(2)が間隔をあけて配置され、下側の栽培ユニット(5)の下に、内部に植物栽培用支持体(3)が配置された養液貯留槽(2)が間隔をあけて配置されることによって、栽培装置本体(6)が構成されている。また、上下に隣り合う養液貯留槽(2)(2)同士の間隔は、可変制御し得るように構成されている。
【0037】
また、前記養液貯留槽(2)(2)(2)(2)の一端側に供給管(41)が連通接続され、該供給管(41)の先端は供給装置(15)に接続される一方、前記養液貯留槽(2)(2)(2)(2)の他端側に排出管(42)が連通接続され、該排出管(42)は最終的に前記供給装置(15)に接続されているが、その過程で(即ち排出管の途中位置で)熱交換器(11)、加熱殺菌処理装置(10)、熱交換器(11)、成分調整槽(12)、冷却装置(チラー)(13)、酸素供給装置(14)を順に経由するように配置構成されている。
【0038】
また、前記植物栽培用支持体(3)は、図2に示すように、養液貯留槽(2)内の養液に対して浮くことのできる浮き板(30)と、吸水性シート(31)と、透水性を有するが根の通過を阻止できる透水防根シート(32)と、植物支持部材(33)とを備えている。前記浮き板(30)は養液貯留槽(2)内の養液中で浮いた状態に配置され、この浮き板(30)の上に吸水性シート(31)が配置され、該吸水性シート(31)の両端部は養液中に浸漬されている。また、前記吸水性シート(31)の上に透水防根シート(32)が配置され、該透水防根シート(32)の両端部は養液貯留槽(2)の側面壁の上縁に架け渡されている。更に、前記透水防根シート(32)における前記浮き板(30)の上方対応位置に略直方体形状の植物支持部材(33)が載置されている。本実施形態では、前記植物支持部材(33)としてロックウールが用いられている。前記植物支持部材(33)に植物(S)が植え付けられており、この植物支持部材(33)の周側面や底面等から植物の根が伸びている。
【0039】
前記吸水性シート(31)が前記養液貯留槽(2)内の養液を吸い込むことによって前記透水防根シート(32)を介して前記植物支持部材(33)から伸び出た植物の根に養液を供給することができる。
【0040】
しかして、前記加熱殺菌処理装置(10)、冷却装置(13)、酸素供給装置(14)、供給装置(15)等を運転状態にすると、この供給装置(15)によって前記供給管(41)を介して前記養液貯留槽(2)(2)(2)(2)内に養液が供給される。この養液貯留槽(2)内に供給された養液は、植物(S)の根に供給される一方、養液貯留槽(2)を通過する際に該養液貯留槽(2)の底壁に取り付けられた光半導体素子(4)との間で熱交換を行い、該熱交換によって光半導体素子(4)が冷却される。このように養液と光半導体素子(4)との間で熱交換を行わせることで光半導体素子(4)を冷却することができ、従来技術のように光半導体素子の冷却のための強制冷却装置(冷媒循環ライン)を別途設ける必要がないから、装置全体として十分に小型化することが可能となると共に、設備コストも低減することができる。また、光半導体素子(4)の冷却に供された養液は、後述するように加熱殺菌処理装置(10)に送られて加熱殺菌処理されるが、この時、養液は、光半導体素子(4)からの発熱を受け取って予熱されているので、加熱殺菌処理の加熱に要するエネルギーを低減することができる、即ち省エネルギー化を図ることができる。
【0041】
そして、前記養液貯留槽(2)を通過した養液は、前記排出管(42)を介して前記熱交換器(11)に送流され、該熱交換器(11)において加熱殺菌処理装置(10)で加熱殺菌処理された後の養液との間で熱交換が行われて予備的な加熱がなされた後、前記加熱殺菌処理装置(10)に送流され、ここで加熱による殺菌処理が行われる。こうして加熱殺菌処理装置(10)で殺菌処理された養液は、前記熱交換器(11)に送流され、前記養液貯留槽(2)から送流されてきた養液との間で熱交換が行われて予備的な冷却がなされた後、前記成分調整槽(12)に送流され、ここで成分分析を経て必要に応じて養液の成分調整が行われる。しかる後、養液は、前記冷却装置(13)に送流されて冷却され、さらに前記酸素供給装置(14)によって必要に応じて液中酸素が供給された後、前記供給装置(15)によって前記供給管(41)を介して前記養液貯留槽(2)(2)(2)(2)内に再供給される。
【0042】
このようにして植物(S)に養液を循環供給しつつ植物(S)に光半導体素子(4)の光を照射して植物(S)を水耕栽培することができる。
【0043】
また、上記水耕栽培装置(1)では、上下に隣り合う養液貯留槽(2)(2)同士の間隔は可変制御し得るように構成されているから、植物の生育状況に応じて光半導体素子(4)から植物(S)までの光照射距離を適宜調整することができる。
【0044】
(第2実施形態)
この発明の水耕栽培装置(1)の第2実施形態を図3に示す。1つの栽培ユニット(5)は、養液貯留槽(2)と、植物栽培用支持体(3)と、下面に複数個の光半導体素子(4)が設けられた光源パネル(20)とを備えている(図3参照)。前記養液貯留槽(2)は上面が開放されていて、該養液貯留槽(2)の内部空間内に植物栽培用支持体(3)が配置されている。
【0045】
本実施形態では、図3に示すように、上記構成からなる栽培ユニット(5)が2個上下に間隔をあけて積み重ねられると共に、上側の栽培ユニット(5)の上に、下面に複数個の光半導体素子(4)が設けられた光源パネル(20)が間隔をあけて配置され、さらにこの光源パネル(20)の上に養液貯留槽(2)が配置される一方、下側の栽培ユニット(5)の下に、内部に植物栽培用支持体(3)が配置された養液貯留槽(2)が間隔をあけて配置されることによって、栽培装置本体(6)が構成されている。また、養液貯留槽(2)と、該養液貯留槽(2)の上に配置された光源パネル(20)との離間間隔は、可変制御し得るように構成されている。
【0046】
また、前記養液貯留槽(2)(2)(2)(2)の一端側に供給管(41)が連通接続され、該供給管(41)の先端は供給装置(15)に接続される一方、前記4つの養液貯留槽のうち上側の3つの養液貯留槽(2)(2)(2)の他端側とそれぞれの下方位置にある光源パネル(20)(20)(20)とがそれぞれ連通管(43)を介して連通接続され、前記光源パネル(20)(20)(20)における連通管(43)が接続された側とは反対側に排出管(42)が連通接続され、また最下位置の養液貯留槽(2)の他端側に前記排出管(42)が連通接続され、該排出管(42)は最終的に前記供給装置(15)に接続されているが、その過程で(即ち排出管の途中位置で)熱交換器(11)、加熱殺菌処理装置(10)、熱交換器(11)、成分調整槽(12)、冷却装置(チラー)(13)、酸素供給装置(14)を順に経由するように配置構成されている。
【0047】
前記光源パネル(20)の内部には、図4に示すように、通液用流路(21)が形成されているから、前記養液貯留槽(2)から排出された養液は、前記連通管(43)を介して前記光源パネル(20)内の通液用流路(21)内に供給され、この通液用流路(21)を通過する養液によって光源パネル(20)の光半導体素子(4)が冷却されるものとなされている。
【0048】
また、前記植物栽培用支持体(3)は、図4に示すように、養液貯留槽(2)内の養液に対して浮くことのできる浮き板(30)と、吸水性シート(31)と、透水性を有するが根の通過を阻止できる透水防根シート(32)と、植物支持部材(33)とを備えている。前記浮き板(30)は養液貯留槽(2)内の養液中で浮いた状態に配置され、この浮き板(30)の上に吸水性シート(31)が配置され、該吸水性シート(31)の両端部は養液中に浸漬されている。また、前記吸水性シート(31)の上に透水防根シート(32)が配置され、該透水防根シート(32)の両端部は養液貯留槽(2)の側面壁の上縁に架け渡されている。更に、前記透水防根シート(32)における前記浮き板(30)の上方対応位置に略直方体形状の植物支持部材(33)が載置されている。本実施形態では、前記植物支持部材(33)としてロックウールが用いられている。前記植物支持部材(33)に植物(S)が植え付けられており、この植物支持部材(33)の周側面や底面等から植物の根が伸びている。
【0049】
前記吸水性シート(31)が前記養液貯留槽(2)内の養液を吸い込むことによって前記透水防根シート(32)を介して前記植物支持部材(33)から伸び出た植物の根に養液を供給することができる。
【0050】
しかして、前記加熱殺菌処理装置(10)、冷却装置(13)、酸素供給装置(14)、供給装置(15)等を運転状態にすると、この供給装置(15)によって前記供給管(41)を介して前記養液貯留槽(2)(2)(2)(2)内に養液が供給される。この養液貯留槽(2)内に供給された養液は、植物(S)の根に供給されつつ養液貯留槽(2)内を流過した後、前記連通管(43)を介して前記光源パネル(20)内の通液用流路(21)内に供給される。この通液用流路(21)を通過する養液によって光源パネル(20)の光半導体素子(4)が冷却される。即ち、光源パネル(20)に接して流過する養液と光半導体素子(4)との間で熱交換が行われることによって光半導体素子(4)が冷却される。このように養液と光半導体素子(4)との間で熱交換を行わせることで光半導体素子(4)を冷却することができ、従来技術のように光半導体素子の冷却のための強制冷却装置(冷媒循環ライン)を別途設ける必要がないから、装置全体として十分に小型化することが可能となると共に、設備コストも低減することができる。また、光半導体素子(4)の冷却に供された養液は、後述するように加熱殺菌処理装置(10)に送られて加熱殺菌処理されるが、この時、養液は、光半導体素子(4)からの発熱を受け取って予熱されているので、加熱殺菌処理の加熱に要するエネルギーを低減することができる、即ち省エネルギー化を図ることができる。
【0051】
そして、前記光源パネル(20)内の通液用流路(21)を通過した養液は、前記排出管(42)を介して前記熱交換器(11)に送流され、該熱交換器(11)において加熱殺菌処理装置(10)で加熱殺菌処理された後の養液との間で熱交換が行われて予備的な加熱がなされた後、前記加熱殺菌処理装置(10)に送流され、ここで加熱による殺菌処理が行われる。こうして加熱殺菌処理装置(10)で殺菌処理された養液は、前記熱交換器(11)に送流され、前記養液貯留槽(2)から送流されてきた養液との間で熱交換が行われて予備的な冷却がなされた後、前記成分調整槽(12)に送流され、ここで成分分析を経て必要に応じて養液の成分調整が行われる。しかる後、養液は、前記冷却装置(13)に送流されて冷却され、さらに前記酸素供給装置(14)によって必要に応じて液中酸素が供給された後、前記供給装置(15)によって前記供給管(41)を介して前記養液貯留槽(2)(2)(2)(2)内に再供給される。
【0052】
このようにして植物(S)に養液を循環供給しつつ植物(S)に光半導体素子(4)の光を照射して植物(S)を水耕栽培することができる。
【0053】
また、養液貯留槽(2)と、該養液貯留槽(2)の上に配置された光源パネル(20)との離間間隔は、可変制御し得るように構成されているから、植物の生育状況に応じて光半導体素子(4)から植物(S)までの光照射距離を適宜調整することができる。
【0054】
(第3実施形態)
この発明の水耕栽培装置(1)の第3実施形態を図5に示す。1つの栽培ユニット(5)は、養液貯留槽(2)と、植物栽培用支持体(3)と、養液噴射ノズル部(16)と、複数個の光半導体素子(4)とを備えている(図5参照)。前記養液貯留槽(2)は上面が開放されると共に、その底壁の下面(外面)に前記複数個の光半導体素子(4)が取付固定されている。また、前記養液貯留槽(2)の上方位置に離間して前記植物栽培用支持体(3)が配置されている。また、前記植物栽培用支持体(3)と前記養液貯留槽(2)の間に前記養液噴射ノズル部(16)が挿入配置されている。
【0055】
本実施形態では、図5に示すように、上記構成からなる栽培ユニット(5)が2個上下に間隔をあけて積み重ねられると共に、上側の栽培ユニット(5)の上に、底壁の下面に光半導体素子(4)が設けられた養液貯留槽(2)が間隔をあけて配置され、さらにこの養液貯留槽(2)の上に養液噴射ノズル部(16)が配置される一方、下側の栽培ユニット(5)の下に、植物栽培用支持体(3)、養液噴射ノズル部(16)、養液貯留槽(2)がこの順に間隔をあけて配置されることによって、栽培装置本体(6)が構成されている。また、底壁の下面に複数個の光半導体素子(4)が取付固定された養液貯留槽(2)と、該養液貯留槽(2)の下に配置された植物栽培用支持体(3)との離間間隔は、可変制御し得るように構成されている。
【0056】
また、最上段を除く2〜4段目の前記養液噴射ノズル部(16)は、上方に向けて養液を噴射できるようにノズル孔を上方に向けた態様で供給管(41)の一端側に取付固定され、該供給管(41)の他端は供給装置(15)に接続される一方、前記養液貯留槽(2)(2)(2)(2)の一端側(図面左端側)に排出管(42)が連通接続され、該排出管(42)は最終的に前記供給装置(15)に接続されているが、その過程で(即ち排出管の途中位置で)熱交換器(11)、加熱殺菌処理装置(10)、熱交換器(11)、成分調整槽(12)、冷却装置(チラー)(13)、酸素供給装置(14)を順に経由するように配置構成されている。
【0057】
なお、最上段の養液噴射ノズル部(16)は、下方に向けて養液を噴射できるようにノズル孔を下方に向けた態様で前記供給管(41)の一端側に取付固定されている。
【0058】
また、前記植物栽培用支持体(3)は、図6に示すように、支持板(51)に形成された複数の植設孔(52)に植物支持部材(53)が埋設されたものからなる。本実施形態では、前記植物支持部材(53)としてロックウールが用いられている。前記植物支持部材(53)に植物(S)が植え付けられており、この植物支持部材(53)の底面等から植物の根が伸びている。
【0059】
前記養液噴射ノズル部(16)からその上方位置にある植物栽培用支持体(3)に向けて養液が噴射されることによって、前記植物支持部材(53)から伸び出た植物の根に養液を供給することができる(図5参照)。
【0060】
しかして、前記加熱殺菌処理装置(10)、冷却装置(13)、酸素供給装置(14)、供給装置(15)等を運転状態にすると、前記供給管(41)の先端側に取付固定された養液噴射ノズル部(16)からその上方位置にある植物栽培用支持体(3)に向けて養液が噴射され、噴射された養液は、前記植物栽培用支持体(3)に植設された植物(S)の根に接触したのち自然落下して、その下方位置にある養液貯留槽(2)内に貯留される。こうして植物(S)の根に養液が供給される一方、前記養液貯留槽(2)を通過する際に該養液貯留槽(2)の底壁に取り付けられた光半導体素子(4)との間で熱交換が行われ、この熱交換によって光半導体素子(4)が冷却される。このように養液と光半導体素子(4)との間で熱交換を行わせることで光半導体素子(4)を冷却することができ、従来技術のように光半導体素子の冷却のための強制冷却装置(冷媒循環ライン)を別途設ける必要がないから、装置全体として十分に小型化することが可能となると共に、設備コストも低減することができる。また、光半導体素子(4)の冷却に供された養液は、後述するように加熱殺菌処理装置(10)に送られて加熱殺菌処理されるが、この時、養液は、光半導体素子(4)からの発熱を受け取って予熱されているので、加熱殺菌処理の加熱に要するエネルギーを低減することができる、即ち省エネルギー化を図ることができる。
【0061】
そして、前記養液貯留槽(2)を通過して排出された養液は、前記排出管(42)を介して前記熱交換器(11)に送流され、該熱交換器(11)において加熱殺菌処理装置(10)で加熱殺菌処理された後の養液との間で熱交換が行われて予備的な加熱がなされた後、前記加熱殺菌処理装置(10)に送流され、ここで加熱による殺菌処理が行われる。こうして加熱殺菌処理装置(10)で殺菌処理された養液は、前記熱交換器(11)に送流され、前記養液貯留槽(2)から送流されてきた養液との間で熱交換が行われて予備的な冷却がなされた後、前記成分調整槽(12)に送流され、ここで成分分析を経て必要に応じて養液の成分調整が行われる。しかる後、養液は、前記冷却装置(13)に送流されて冷却され、さらに前記酸素供給装置(14)によって必要に応じて液中酸素が供給された後、前記供給装置(15)によって前記供給管(41)、養液噴射ノズル部(16)を介して前記植物栽培用支持体(3)に植設された植物(S)に再供給される。
【0062】
このようにして植物(S)に養液を循環供給しつつ植物(S)に光半導体素子(4)の光を照射して植物(S)を水耕栽培することができる。
【0063】
また、底壁の下面に複数個の光半導体素子(4)が取付固定された養液貯留槽(2)と、該養液貯留槽(2)の下に配置された植物栽培用支持体(3)との離間間隔は、可変制御し得るように構成されているから、植物の生育状況に応じて光半導体素子(4)から植物(S)までの光照射距離を適宜調整することができる。
【0064】
上記第1〜3実施形態における養液の温度状況の一例を示すと、供給装置(15)から送流される養液の温度は15℃程度、光半導体素子(4)との間で熱交換が行われて予熱された養液の温度は20〜25℃、熱交換器(11)において熱交換がなされて更に予熱された養液の温度は35〜40℃、加熱殺菌処理装置(10)で加熱殺菌された養液の温度は約60℃程度、再び熱交換器(11)において熱交換が行われて予備的な冷却がなされた養液の温度は40〜45℃、冷却装置(13)で冷却された養液の温度は15℃程度である。なお、これは単なる一例を示したものに過ぎず、このような温度範囲に制御された状態で実施するものに特に限定されるものではない。
【0065】
この発明において、前記光半導体素子(4)としては、特に限定されるものではないが、例えば、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)等が挙げられる。
【0066】
また、前記光半導体素子(4)の構成としては、特に限定されるものではないが、例えば、銅、アルミニウム板を積層した熱伝導性の良い基板の上に裸の半導体素子を直接実装したものを伝熱グリスまたは伝熱シートを介して養液貯留槽(2)の底壁の下面又は光源パネル(20)の下面に取り付けた構成、或いは、養液貯留槽(2)の底壁の下面又は光源パネル(20)の下面にプリント配線を施して半導体素子を直接実装した構成等が挙げられる。
【0067】
この発明において、光半導体素子(4)が取付固定される対象の養液貯留槽(2)や光源パネル(20)等の構成材料としては、特に限定されないものの、銅、アルミニウム等の熱伝導性の良い金属材料を用いるのが好ましい。
【0068】
また、前記養液貯留槽(2)の材質としては、アルミニウム合金またはステンレス合金を用いるのが、腐食し難い点で、好適である。
【0069】
また、前記植物栽培用支持体(3)としては、上記第1〜3実施形態のものに特に限定されるものではなく、植物を支持できる部材であればどのようなものでも良い。また、前記浮き板(30)としては、十分な浮力を持つものであれば特に限定されず、例えば発泡スチロールに代表される発泡樹脂成形体等が挙げられる。また、前記植物支持部材(33)(53)としては、特に限定されるものではなく、前記ロックウール以外に、例えばピートモス、ココ椰子繊維を固めたもの等を例示できる。
【0070】
また、前記供給装置(15)としては、養液を送液できる装置であれば特に限定されず、例えばポンプ等が挙げられる。
【0071】
なお、上記第1〜3実施形態では、いずれも養液貯留槽(2)と植物栽培用支持体(3)を上下に積み重ねた横置き方式が採用されているが、特にこのような形態に限定されるものではなく、養液貯留槽(2)と植物栽培用支持体(3)を立てて横方向(水平方向)に重ねた縦置き方式を採用することもできる。
【0072】
また、植物(S)に養液を供給する手法としては、上記第1、2実施形態の手法や第3実施形態の噴霧方式に限定されるものではなく、例えば植物(S)の根を養液に直接に浸漬する方式を採用することもできる。
【0073】
この発明に係る水耕栽培装置(1)は、上記実施形態のものに特に限定されるものではなく、請求の範囲内であれば、その精神を逸脱するものでない限りいかなる設計的変更をも許容するものである。
【産業上の利用可能性】
【0074】
この発明の水耕栽培装置及び水耕栽培方法は、例えばレタス、ミツバ、ほうれん草等の野菜等の植物の水耕栽培に利用される。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】この発明の水耕栽培装置の第1実施形態をその一部を断面で示す概略側面図である。
【図2】図1におけるX−X線の断面図である。
【図3】この発明の水耕栽培装置の第2実施形態をその一部を断面で示す概略側面図である。
【図4】図3におけるY−Y線の断面図である。
【図5】この発明の水耕栽培装置の第3実施形態をその一部を断面で示す概略側面図である。
【図6】図5における植物栽培用支持体を拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
【0076】
1…水耕栽培装置
2…養液貯留槽
3…植物栽培用支持体
4…光半導体素子
5…栽培ユニット
6…栽培装置本体
10…加熱殺菌処理装置
13…冷却装置
15…供給装置
16…養液噴射ノズル部
20…光源パネル
S…植物
【出願人】 【識別番号】000002004
【氏名又は名称】昭和電工株式会社
【出願日】 平成17年12月9日(2005.12.9)
【代理人】 【識別番号】100071168
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 久義

【識別番号】100099885
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 健市

【識別番号】100109911
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義仁


【公開番号】 特開2007−159410(P2007−159410A)
【公開日】 平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願番号】 特願2005−355974(P2005−355974)