| 【発明の名称】 |
農業用マルチ資材 |
| 【発明者】 |
【氏名】牛場 和美
【氏名】江上 正之
【氏名】角田 邦彦
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| 【要約】 |
【課題】低コストで排水が可能であり、雑草を防止し、病害の発生を防止できる農業用マルチ資材を提供すること。
【解決手段】圃場1に形成された1又は2以上の畝2の上面、両側面及び該畝2の両側の圃場面を被覆する長尺状の農業用マルチ資材の少なくとも前記圃場面を被覆する領域に、水抜き孔用スリット6を有することを特徴とする農業用マルチ資材であり、前記長尺状の農業用マルチ資材が、圃場1に形成された2つの畝2の上面、両側面及び該畝2の両側の圃場面を被覆可能な広幅であることが好ましい。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圃場に形成された1又は2以上の畝の上面、両側面及び該畝の両側の圃場面を被覆する長尺状の農業用マルチ資材の少なくとも前記圃場面を被覆する領域に、水抜き孔用スリットを有することを特徴とする農業用マルチ資材。 【請求項2】 前記長尺状の農業用マルチ資材が、圃場に形成された2つの畝の上面、両側面及び該畝の両側の圃場面を被覆可能な広幅であることを特徴とする請求項1記載の農業用マルチ資材。 【請求項3】 前記水抜き孔用スリットが、10〜100mmの直線状又は直径2〜30mmの半円状又は円弧状であることを特徴とする請求項1又は2記載の農業用マルチ資材。 【請求項4】 前記水抜き孔用スリットが、レーザー加工により形成されることを特徴とする請求項1、2又は3記載の農業用マルチ資材。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、農業用マルチ資材に関し、詳しくは圃場に形成された畝の両側から排水を効果的に行う農業用マルチ資材に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、マルチ栽培においては、圃場に複数の畝を形成し、その各々の畝にマルチ資材を被覆している。従って各畝の間の凹んだ位置の圃場には隣接するマルチ資材が重なり合った状態で被覆されている。このためその凹んだ圃場面には雨水が溜まり、なかなか排水できないのが実情である。 【0003】 かかる雨水の滞留は、湿害の問題を引き起こす問題がある。湿害は通常生育途中に病害が出やすい問題となって顕在化する。また雨水があると収穫時に作物を濡らして出荷の妨げになる問題もある。 【0004】 このために特許文献1には畝間に溝部材を設けて排水孔を設ける技術が開示されている。しかし、特許文献1では溝部材の設備コストがかかる問題がある。 【特許文献1】特開2005−160365号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 そこで、本発明は、低コストで排水が可能であり、雑草を防止し、病害の発生を防止できる農業用マルチ資材を提供することを課題とする。 【0006】 更に、本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。 【課題を解決するための手段】 【0007】 上記課題は、以下の各発明によって解決される。 【0008】 (請求項1) 圃場に形成された1又は2以上の畝の上面、両側面及び該畝の両側の圃場面を被覆する長尺状の農業用マルチ資材の少なくとも前記圃場面を被覆する領域に、水抜き孔用スリットを有することを特徴とする農業用マルチ資材。 【0009】 (請求項2) 前記長尺状の農業用マルチ資材が、圃場に形成された2つの畝の上面、両側面及び該畝の両側の圃場面を被覆可能な広幅であることを特徴とする請求項1記載の農業用マルチ資材。 【0010】 (請求項3) 前記水抜き孔用スリットが、10〜100mmの直線状又は直径2〜30mmの半円状又は円弧状であることを特徴とする請求項1又は2記載の農業用マルチ資材。 【0011】 (請求項4) 前記水抜き孔用スリットが、レーザー加工により形成されることを特徴とする請求項1、2又は3記載の農業用マルチ資材。 【発明の効果】 【0012】 本発明によれば、低コストで排水が可能であり、雑草を防止し、病害の発生を防止できる農業用マルチ資材を提供することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 以下、本発明の最良の実施形態について図面を用いて説明する。 【0014】 本発明の農業用マルチ資材は、フィルムや不織布などを用いることができるが、好ましいのはフィルムである。以下の説明ではフィルムについて言及する。 【0015】 図1は本発明の農業用マルチ資材の一形態の敷設状態を示す概略断面図であり、図2は同上の農業用マルチ資材の一形態を示す図であり、(A)は平面図、(B)は敷設状態の断面図である。 【0016】 図1において、1は圃場であり、2、2、2、2は圃場1上に形成された複数の畝(図示の例は4列)である。畝2、2、2、2は、高畝でも通常の畝高さでもよい。 【0017】 畝2、2、2、2は上面20、両側面21,22によって構成され、畝2、2、2、2間には相対的に凹んだ圃場面3が形成される。 【0018】 4、5は長尺状の農業用マルチ資材であり、一つの農業用マルチ資材4で二つの畝2、2(図面上左側から二つ目までの畝)を被覆しており、他の一つの農業用マルチ資材5で二つの畝2、2(図面上右側から二つ目までの畝)を被覆している。 【0019】 農業用マルチ資材4,5には、凹んだ圃場面3を被覆している領域に複数の水抜き孔用スリット6が形成されている。この構成について図2に基づき詳細に説明する。 【0020】 図2に示すように、複数の水抜き孔用スリット6は、長尺状の農業用マルチ資材4については、a、b、cの3つの領域に形成され、長尺状の農業用マルチ資材5については、d、e、fの3つの領域に形成されている。これらの領域はいずれも凹んだ圃場面3を被覆している領域である。 【0021】 図示の例では、2つの畝2,2を一つの農業用マルチ資材で被覆する態様について説明したが、2以上の畝を一つの農業用マルチ資材で被覆する態様であってもよいし、あるいは一つの畝を一つの農業用マルチ資材で被覆する態様であってもよい。 【0022】 本発明において、水抜き孔用スリット6は、直線状、半円状又は円弧状のいずれでもよい。直線状である場合、保水効果が高いという効果がある。また半円状や円弧状である場合、水抜けが早いという効果がある。 【0023】 なお、水抜き孔用スリットは、上記以外に、畝2の上面に位置するフィルム領域に付加的に形成することもできる。 【0024】 図1のように直線状である場合には、スリット長さは10〜100mmの範囲が好ましい。10mm未満であると水抜けが不良であり、100mmを越えるとフィルム強度が低下し好ましくない。直線状のスリットは1列でも2列以上でもよいが、10列以下が好ましい。 【0025】 図3(A)には半円状のスリットが示されているが、この場合、直径2〜30mmの半円状又は円弧状になるようなスリットが好ましい。直径2mm未満では水抜けが不良であり、30mmを越えると雑草が繁茂し好ましくない。半円状又は円弧状のスリットは1列でも2列以上でもよいが、10列以下が好ましい。 【0026】 なお、図3(B)は 図3(A)に示す1個の半円状のスリットが開口した状態が示されている。 【0027】 図4には半円状のスリットの他の好ましい態様を示している。図4に示す例は、半円状のスリットの向きを幅方向に隣接するスリット間で180度変えた態様である。このようにすると、畝の傾斜方向に依らず水抜けが良好になる効果がある。 【0028】 本発明において、水抜き孔用スリット6は、レーザー加工により形成されることが好ましい。 【0029】 農業用マルチ資材4、5に機械的なスリッターでスリットを形成した場合には、スリットの周囲は直線的に形成され、図5、6に示すようにスリット6の両端6Aと6Bからスリット方向に裂けるおそれがある。これに対してレーザー加工によると、図7に示すようにスリット6の両端に熱的に収縮された膨出部60が形成され、その膨出部60の存在によりスリット6の両側で裂けていくことを防止できる。 【0030】 本発明に用いられる農業用マルチ資材4,5の樹脂としては、特に限定されないが、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、中でも低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、メタロセン触媒型直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE:直鎖の炭素数が2〜8の範囲)などが挙げられる。 【0031】 農業用マルチ資材4、5には、各種着色剤(黒、緑、白などの着色顔料)や各種安定剤などを添加してもよい。更に単層は勿論、多層フィルム(白層と黒層からなる2層フィルムなど)やフィルム幅方向に色違いがある配色フィルム(例えば幅方向に緑、黒、緑)でも構わない。 【実施例】 【0032】 以下、実施例により本発明の効果を例証する。 【0033】 実施例1(水抜け試験) (フィルム試作) <試作フィルム1> (1)ベースフィルム みかど化工社製黒フィルム(商品名:KOブラック)を用い、フィルム幅は、135cmに形成した(畝2列を被覆)。 (2)スリット スリットは図2に示すように、フィルムの幅方向のa、b、cの3つの領域に形成した。 各領域のスリットは、CO2ガスレーザー装置を用い、出力30Wのエネルギーで形成した。 スリット形状は、図3に示す半円形スリットとした。半円形の直径は約15mmとした。 【0034】 <試作フィルム2> (1)ベースフィルム:試作フィルム1と同じ。 (2)スリット スリットは図2に示すように、フィルムの幅方向のa、b、cの3つの領域に形成した。 各領域のスリットは、CO2ガスレーザー装置を用い、出力30Wのエネルギーで形成した。 スリット形状は、図4に示す半円形スリット(180度反転)とした。半円形の直径は約15mmとした。 【0035】 <比較用の試作フィルム1> (1)ベースフィルム:試作フィルム1と同じ。 (2)丸孔 試作フィルム1のスリットを丸孔(直径6mm)に変えた以外は同様にした。 【0036】 (実験) <畝仕様及びフィルムの被覆> 幅30cm、長さ18mの畝を4畝つくり、2畝ずつ試作フィルムを被覆し、畝間の部分で2つのフィルムを重ねた。 【0037】 <水抜き試験> 畝間の谷部に水を畝の高さの半分程度満たし(長手方向側を閉鎖している)、どのくらいの時間で水が抜けたかを調べた。 試作フィルム1:20分で完全に抜けた。 試作フィルム2:15分で完全に抜けた。 比較の試作フィルム1:20分で完全に抜けた。 【0038】 以上の結果、試作フィルム2がやや早いことがわかった。 【0039】 実施例2(栽培試験方法) (試験場所) 3種類の試作フィルム(実施例1で作成したもの)及び水抜き孔のないフィルムを用いて、千葉県市原市みかど化工株式会社の試験農場において、レタス栽培を行った。 【0040】 (圃場) 試験農場に幅3m×長さ18mの2区の実験区列と2区の対照区列(全4区)を設け、各区に2山ずつ上記フィルム試料を並列に3本敷設した畝を6本形成した。 【0041】 (レタスの品種) 栽培に用いたレタスの品種:グレートレーク(大和農園種苗) 【0042】 (評価) <水抜けの測定> ・ 栽培期間中の雨天の日に水抜けの具合を目視観察した。 ・ 測定結果 試作フィルム1:水が溜まることなく雨が止むと暫くして乾いた。 試作フィルム2:水が溜まることなく雨が止むと暫くして乾いた。 比較の試作フィルム1:水が溜まることなく雨が止むと暫くして乾いた。 水抜き孔のないフィルム:水が溜り乾くまでに2、3日かかった。 【0043】 <病害の測定> 1)測定法 レタス収穫時に、外観を観察し、軟腐病の出ている株を数え、全株数との割合を算出した。 2)結果 試作フィルム1:軟腐病はほとんど無し。 試作フィルム2:軟腐病はほとんど無し。 比較の試作フィルム1:軟腐病はほとんど無し。 水抜き孔のないフィルム:軟腐病の出ている株3割あり。 【0044】 <雑草測定> 1)測定法 水抜き孔から出てくる雑草の数を数え比較した。 2)結果 試作フィルム1:雑草はほとんど無し。 試作フィルム2:雑草はほとんど無し。 比較の試作フィルム1:各孔から雑草がでた。 水抜き孔のないフィルム:雑草無し。 【図面の簡単な説明】 【0045】 【図1】本発明の農業用マルチ資材の一形態の敷設状態を示す概略断面図 【図2】同上の農業用マルチ資材の一形態を示す図であり、(A)は平面図、(B)は敷設状態の断面図 【図3】スリットの一形態を示す図 【図4】スリットの他の形態を示す図 【図5】機械的なスリッターでスリットを形成した場合のスリットの断面図 【図6】スリット方向の裂けを説明した図 【図7】レーザー加工で形成したスリットの断面図 【符号の説明】 【0046】 1:圃場 2:畝 20:上面 21、22:両側面 3:凹んだ圃場面 4、5:長尺状の農業用マルチ資材 6:スリット 6A、6B:スリットの両端 60:膨出部
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| 【出願人】 |
【識別番号】000100458 【氏名又は名称】みかど化工株式会社
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| 【出願日】 |
平成17年11月7日(2005.11.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100101340 【弁理士】 【氏名又は名称】丸山 英一
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| 【公開番号】 |
特開2007−124986(P2007−124986A) |
| 【公開日】 |
平成19年5月24日(2007.5.24) |
| 【出願番号】 |
特願2005−322735(P2005−322735) |
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