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【発明の名称】 地面の防草構造
【発明者】 【氏名】堂前 明広

【要約】 【課題】従来の防草袋を使用する防草方法では、防草袋が強風で煽られて位置ずれして隙間が生じ、地面が露出して太陽光が当たり、雑草が生えてくることがある。

【解決手段】間伐材、廃材等の木材チップを地面に敷きつめ、木材チップを通気性、通水性のあるシートで覆い、シートを地面に固定して木材チップをも固定し、地表を太陽光から遮断して防草する。シートの上に通気性、通水性のある袋内に、間伐材、廃材等の木材チップを充填した補助具をのせ、補助具の上からシートを貫通して地面まで止め具を打ち込んでシート及び木材チップを地面に固定して、地面を木材チップで確実に遮蔽した。木材チップを蓄光性又は発光性のある着色剤又はない着色剤で着色した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
間伐材、廃材等の木材チップを地面に敷き、その木材チップの表面を通気性、通水性のあるシートで覆い、止め具をシートの上から地面に打ち込んで固定して、シートに覆われた木材チップにより地表を太陽光から遮断して防草することを特徴とする防草構造。
【請求項2】
請求項1記載の防草構造において、シートの固定部の上に補助具を重ね、補助具は通気性、通水性のある袋内に間伐材、廃材等の木材チップが充填されたものであり、その補助具の上からシートを貫通して止め具を地面に打ち込んでシートを補助具で押さえて地面に固定したことを特徴とする防草構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の防草構造において、木材チップが蓄光性又は発光性のある又はない着色材で着色されたものであることを特徴とする防草構造。


【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、道路の中央分離帯、公園、公共施設の空き地等の地面に雑草が生えるのを抑制、防止(以下「防草」という。)する防草構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から道路の中央分離帯、歩道と車道の分離植樹帯、公園等では植樹した樹木の生育環境を整備すると共に景観を維持するために雑草の除草作業や除草剤散布等を行っている。しかし、広い場所を人手で除草するには多くの作業者が必要であり、環境的な事を考えると除草剤散布がしにくい。
【0003】
そこで、従来は、特許文献1に示すように、周縁にヒレ状の押さえ部を備えた透水性の袋に木材チップを充填した防草袋を、押さえ部を重ねて多数敷設することにより、地表を太陽光から遮断して防草するようにしている。
【0004】
【特許文献1】特開平9−56267号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来の除草方法では、押さえ部に木材チップが充填されていないため、強風や衝撃によって押さえ部がめくれ易く、その部分がめくれると防草袋が煽られて位置ずれし、隣接する防草袋間に隙間ができてしまい、その隙間から雑草が生えてくることがあった。また、木材チップを袋詰めしなければならず、その作業が面倒である。しかも、袋詰めすると地面への敷設時に、袋ごと搬送したり設置したりしなければならず、作業しにくく、重労働になりがちである。さらには、袋が四角形に限られているので、防草袋の敷設の配列が限定され、中央分離帯や公園の花壇等の形状に合った敷設が難しいという課題もある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、位置ずれしにくく、袋詰めの必要がなく、作業性がよく、作業者の労力負担も少なく、地面の形状にあわせて敷設することができ、雑草の生育を確実に防止できる防草構造を提供することにある。
【0007】
本件出願の防草構造は請求項1に記載したように、間伐材、廃材等の木材チップを地面に敷き、その木材チップの表面を通気性、通水性のあるシートで覆い、止め具をシートの上から地面に打ち込んで固定して、シートに覆われた木材チップにより地表を太陽光から遮断して防草するようにした。この防草構造において、請求項2に記載したように、シートの固定部の上に補助具を重ね、補助具は通気性、通水性のある袋内に間伐材、廃材等の木材チップが充填されたものとし、その補助具の上からシートを貫通して止め具を地面に打ち込んでシートを補助具で押さえて地面に固定することができる。また、請求項3に記載したように、前記木材チップは蓄光性又は発光性のある又はない着色材で着色されたものとすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本件出願の請求項1記載の防草構造は次のような効果がある。
(1)木材チップを地面に敷きつめて地表を太陽光から遮断するので、木材チップの下の地面からは雑草が生えず、手作業で除草したり、除草剤を散布したりする必要がなく、労力と費用の大幅な削減が可能となる。また、雑草が生えて樹木の生育が阻害されるということもない。
(2)木材チップをバラで敷設するので、袋詰して敷設する場合のように、袋で敷設形状が制約されることがなく、どのような場所にも夫々の場所の形状に合わせて敷設することができ、確実に防草することができる。
(3)通気性、通水性のあるシートで被覆するので、雨水が地面に浸透し、地面に生えている樹木等の生育に支障がない。
(4)地面に敷きつめた木材チップをシートで被覆して固定するので、木材チップが風で煽られて位置ずれすることがなく、敷き詰めた木材チップ中に隙間ができにくいので、隙間から雑草が生えるといったこともなく、雑草の生育を確実に防止できる。
(5)シートを生分解性とすれば、シートも木材チップも長期間には自動的に分解されるので、古くなっても撤去作業を行う必要がない。また、分解されれば肥料になるため植物の生育に役立ち、土壌が汚染されることがなく、環境破壊の問題もない。
(6)木材チップとして間伐材や家屋の廃材等を粉砕したものを使用すれば、間伐材や建設廃材等の有効利用ができ、現在、社会問題となっている産廃処理問題も緩和される。
【0009】
本件出願の請求項2記載の防草構造には上記効果の他に次のような効果がある。
(1)シート上に補助具を重ね、補助具の上からシートを貫通して止め具を地面に打ち込んでシートを補助具で押さえて地面に固定するので、止め具を打ちつけた部分の木材チップが止め具で外側に押し寄せられて、止め具の木材チップが薄くなるとか、止め具の周囲に隙間が発生したりすることがなく、固定部分の防草も確実にできる。
(2)補助具を配置することによって、止め具による固定部分が他の箇所に比べて窪まなくなるため、木材チップ敷設箇所を歩行しても脚を取られる可能性が減少し、安全である。
(3)補助具をシートの周縁部の上に重ねれば、シートが風で煽られることがなく、位置ずれもしない。
(4)補助具の袋も生分解性とすれば、その袋も、中身の木材チップも長期的には自動的に分解するため、古くなっても撤去作業を行う必要がない。また、分解された木材チップや袋が肥料にもなり、環境汚染の心配もない。
【0010】
本件出願の請求項3記載の防草構造には上記効果のほかに次のような効果がある。
(1)木材チップを着色したため、その色を選択することにより、敷設場所の周囲の色に調和させるとか、逆に、周囲の色とは異なる色にして目立つようにすることもできる。目立つ色にして中央分離帯に敷設すれば、中央分離帯が見易くなり、交通事故の減少にも役立つ。
(2)着色塗料を蓄光性又は発光性のあるものにして、それら塗料で着色した木材チップを敷設すれば、遠方からでも目に付き、目的場所の目印として使用することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(実施形態1)
本発明の防草構造の実施形態の一例を図1〜図5に基づいて説明する。この実施形態は図1(a)(b)に示すように、道路の中央分離帯10の土壌11に植栽された樹木12の周りに施工された除草装置の例である。中央分離帯10の土壌11の表面に多数の木材チップ1をバラで敷設し、その木材チップ1の上に通気性、通水性のあるシート2を中央分離帯10の長手方向に沿って並べて被せ、そのシート2の四方の周縁部の上に補助具3を重ね(のせ)、その補助具3の上の上からシート2を貫通して土壌11まで止め具4を打ち込んで、シート2を土壌11に固定することにより、シート2の下の木材チップ1を移動しないように土壌11に固定してある。
【0012】
土壌11に敷きつめる前記木材チップ1は、間伐材や木造建築物等の廃材といった産業廃棄物となる木材を、図3(a)(b)に示すようなチップ状に粉砕、破砕、切断等した後、加熱処理等によって害虫駆除したり、殺菌処理したりしてある。木材チップ1の大きさは任意に選択できるが、例えば1mm〜3cm程度とすると、土壌11の上に敷き易く、しいたときに隙間が出来にくく、土壌表面の遮光が確実になるので好ましい。木材チップ1は中央分離帯10の土壌11に所定厚さに重ねて隙間なく敷きつめて土壌表面を遮光してある。
【0013】
土壌11に敷きつめた木材チップ1を覆うシート2は、図4に示すように、網状のシートとか、網よりも目の細かいシート等を使用することができる。シート2は、通気性、通水性があれば、織物、不織布等で作ることもできる。シート2の材質にはポリ乳酸繊維、ポリ乳酸繊維等の生分解性繊維糸製の編み物、織物等を使用することができる。網目の大きさは収容する木材チップ1のサイズによっても異なるが、木材チップ1が抜けない大きさ、例えば木材チップ1のサイズが1mm〜3cm程度の場合は、0.5mm程度とすることができる。シート2の大きさ(サイズ)は任意に選択することができ、一例としては、図4中のL×Wが100cm×50cm、120cm×60cm程度が扱い易さ、木材チップの固定等の面から適する。シート2は複数枚で中央分離帯10の土壌11を被覆する場合に限らず、長い一枚のシート2で中央分離帯10の土壌11を被覆することもできる。
【0014】
シート2は周縁部がほどけないように縁取りしてあり、また、図4に示すように周縁部に所定間隔で止め孔5が形成されている。止め孔5はシートにあけた孔の周縁に補強材6を取り付けてその周縁が裂けたりほつれたりしないように補強してある。補強材6には鳩目金具、接着剤、糸や紐等を使用することができる。鳩目金具の場合は止め孔5の周縁にカシメ固定し、接着剤の場合は止め孔5の周縁に塗布して周縁を固め、糸や紐の場合はそれらで止め孔5の周縁をかがるなどする。目の粗いシートの場合は、シートに孔を開けずに、任意位置のシートの目に鳩目金具を取り付けるとか、目の周縁に接着剤を付着するとか、目の周縁を糸や紐でかがる等して形成することもできる。
【0015】
シート2は使用場所に合わせて任意形状とすることができるが、図1(b)のものは長方形であり、敷設された多数枚のシート2の隣接周縁部を重ね合わせてある。
【0016】
シート2の周縁部上にのせる(重ねる)補助具3は、図5に示すように、通気性、通水性のある袋7の内部に木材チップ1を収容してある。この袋7はシート2と同じ素材とか他の素材で作られ、シートの周縁部の上にのせて、その周縁部を押さえることができるように細長筒状にしてあり、その寸法はシート2の横長寸法(図4中のW)や縦長寸法(図4中のL)に合わせた長さにしてある。その袋7に収納される木材チップ1は、前記木材チップ1と同じものでもよく、サイズ、形状がそれとは異なるものでもよい、この袋7にも補強材で補強された止め孔5を設けることもできる。木材チップ1の充填量は任意に選択できるが、袋7内で多少動いて補助具3が変形する程度の量とするのがよい。
【0017】
補助具3はシートの周縁部の上にのせて使用する以外にも、樹木12の周囲にできる隙間13に配置するとか、他の適宜箇所に配置することもできる。その場合は、使用場所に合った形状にすることができる。また、補助具3を風で移動しない程度の重さにして、重しの機能を持たせることもできる。
【0018】
シート2の周縁部及び補助具3に打ち込む止め具4には土中で分解可能な木製の杭が適するが、他のものを使用することもできる。補助具3の上からシートを貫通して止め具4を打ち込むと、シート2で覆われている木材チップ1が止め具4で外側に寄せられて、その部分の木材チップ1が図2(a)(b)に示すように薄くなり、その上に重ねた補助具3の上面がその周囲の木材チップ1と同じ高さになる程度にして、敷設された木材チップ1全体に段差ができないようにするのが望ましい。
【0019】
(実施形態2)
本発明の防草構造の実施形態の他の例を、図6(a)(b)に基づいて説明する。この実施形態の防草構造は、基本的構成は実施形態1の防草構造と同じであり、異なるのは、シート2外周縁の一部に樹木、障害物等の外周に宛がうための凹陥部8が形成されていること、補助具3をシート2の凹陥部8の形状に合わせて変形させ、その補助具3を凹陥部8の周縁の上にのせたことである。図6(b)に示す凹陥部8は半円弧状であるが、凹陥部8の形状、大きさ等は宛がう樹木、障害物に合わせて決定できる。
【0020】
(実施形態3)
実施形態1、2ではシート2に止め孔5が形成されているが、本発明ではシートに止め孔5をあけずに、シート2の目に止め具4を打ち込むもこともできる。この場合は、止め孔5の打ち込み位置が特定されず、打ち込みたい箇所に打ち込むことができる。シート2は止め孔5の部分で止めるだけでなく、止め孔5に止め具4を打ち込んで固定すると同時に止め孔5以外の箇所にも止め具4を打ちこんで固定するもできる。
【0021】
(実施形態4)
本発明における木材チップ1は着色剤で着色したものとすることもできる。木材チップ1を着色する着色剤は蓄光性又は発光性のあるものであっても、ないものであってもよい。
【0022】
(実施形態5)
シート2、補助具3の袋7の繊維には生分解性ではないもの、例えばナイロン、ポリエチレン化学合成系脂肪族ポリエステル等の耐久性の高い繊維を使用することもできる。また、生分解性繊維100%製の繊維ではなく、生分解性繊維に他の繊維を混ぜた繊維を使用した袋とすることもできる。それら繊維の種類、太さ、配向等も任意に選択でき、紫外線吸収剤等の耐候(光)剤を適当量添加したりすることもできる。その添加により生分解期間をコントロールすることもできる。
【0023】
本発明では害虫や、野兎、野鼠、鹿等の動物を忌避するための忌避剤をシート2及び防草袋3の表面に塗布したり、中に入れたりすることもできる。これによって造林地内への害虫や動物の侵入を防止でき、それらによる被害を防止することができる。忌避剤としては、例えば、β−ナフトール剤、クレオソート剤、チウラムペースト剤、チウラム水和剤、グアザチン・チウラム水和剤、石油アスファルト水和剤等を使用することができる。これらは、単独で、若しくは二以上を混合して使用することができる。
【0024】
本発明では、シート2及び補助具3の表面に除草剤を塗布することもできる。これによって、除草剤による除草効果と、シート2及び防草袋3の太陽光遮断による防草効果とが相まって、より確実な防草効果が発揮される。除草剤としては、例えば、塩素酸ナトリウム、スルファミン酸アンモニウム、シアン酸ナトリウム等の無機除草剤、DPA(ダラポン)、テトラビオン、TCA等の脂肪酸系除草剤、MCP、トリクロピル等のフェノキシ系除草剤、ピクロラム等の芳香族カルボン酸系除草剤、アシュラム等のカーバメート系除草剤、グリホサート、ホサミンアンモニウム等の有機リン系除草剤、カルブチレート等の尿素系除草剤等を用いることができる。これらは、単独で、若しくは二以上を混合して使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明の防草構造は、中央分離帯以外にも、公園や花壇等、雑草が生育することが好ましくない、どのような土地にも施工することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】(a)は本発明の防草構造の実施形態の一例を示す断面説明図、(b)は(a)の平面説明図。
【図2】(a)は図1に示す防草構造の実施形態における、木材チップ、シート、防草袋、杭の配置を示す説明図、(b)は(a)の一部を拡大した拡大説明図。
【図3】(a)は本発明の防草構造に使用する木材チップの形状の一例を示す斜視図、(b)は木材チップの形状の他の一例を示す斜視図。
【図4】図1に示す防草構造に使用するシートの一例を示す平面図。
【図5】本発明の防草構造に使用する補助具の一例を示す斜視図。
【図6】(a)は本発明の防草構造の実施形態の他の一例を示す断面説明図、(b)は(a)の平面説明図。
【符号の説明】
【0027】
1 木材チップ
2 シート
3 補助具
4 止め具
5 止め孔
6 補強材
7 袋
8 凹陥部
10 中央分離帯
11 土壌
12 樹木
13 隙間

【出願人】 【識別番号】505364153
【氏名又は名称】株式会社クオリティライフ
【出願日】 平成17年11月4日(2005.11.4)
【代理人】 【識別番号】100076369
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正治


【公開番号】 特開2007−124950(P2007−124950A)
【公開日】 平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願番号】 特願2005−320552(P2005−320552)