| 【発明の名称】 |
非流通木資源活用システム |
| 【発明者】 |
【氏名】市瀬 慎太郎
|
| 【要約】 |
【課題】紙の購入を通じて地球環境の保全に貢献することができる非流通木資源活用システムを提供すること。
【解決手段】非流通木資源活用システムは、紙需要者が製紙者に紙を発注するに伴って、木資源を紙原料として供給する紙原料供給者に所定の資源活用協力金を給付し、前記紙原料供給者が、資源活用協力金を利用して非流通木資源を紙原料として前記製紙者に供給し、当該製紙者が、当該非流通木資源を紙原料として用いる非流通木資源活用システムであって、(1)前記資源活用協力金が、前記製紙者に対する非流通木資源の供給の費用に充当されたこと、および、(2)非流通木資源が前記製紙者によって紙原料として受け入れられたこと、を証明する証明書が交付されることを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 紙需要者が製紙者に紙を発注するに伴って、木資源を紙原料として供給する紙原料供給者に所定の資源活用協力金を給付し、 前記紙原料供給者が、資源活用協力金を利用して非流通木資源を紙原料として前記製紙者に供給し、 当該製紙者が、当該非流通木資源を紙原料として用いる非流通木資源活用システムであって、 (1)前記資源活用協力金が、前記製紙者に対する非流通木資源の供給の費用に充当されたこと、および、 (2)非流通木資源が前記製紙者によって紙原料として受け入れられたこと を証明する証明書が交付されることを特徴とする非流通木資源活用システム。 【請求項2】 資源活用協力金の額が、紙需要者による紙発注高に基づいて算出され、当該資源活用協力金の額に応じて製紙者に供給される非流通木資源の量が決定されることを特徴とする請求項1に記載の非流通木資源活用システム。 【請求項3】 資源活用協力金の額が、製紙者に供給される非流通木資源の量に基づいて算出されることを特徴とする請求項1に記載の非流通木資源活用システム。 【請求項4】 紙需要者としての紙販売者による紙販売代金に資源活用協力金が包含され、前記証明書が紙の購入者に交付されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の非流通木資源活用システム。 【請求項5】 複数の紙購入の申出に対応した一の資源活用協力金の給付が紙販売者によって行われ、前記複数の申出の各々について、当該申出に係る紙の購入者に前記証明書が交付されることを特徴とする請求項4に記載の非流通木資源活用システム。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、非流通木資源を利用した非流通木資源活用システムに関し、更に詳しくは、森林の活性化と、企業などによる森林活性化に対する貢献の実現、およびグリーン調達の促進に寄与する非流通木資源活用システムに関する。 【背景技術】 【0002】 近年、グリーン購入法の施行などに伴い、地球環境の保全に対する貢献の一環として、企業等を中心としていわゆるグリーン調達の取り組みが積極的に行われている。このような取り組みにより、企業は、自らが地球環境の保全に積極に貢献していることを、顕在的および潜在的な顧客である消費者等に明示的にアピールして企業イメージの向上に努めている。また、取引先との取引条件として、グリーン調達に対する取り組みが要求される場合も少なくなく、企業等においては地球環境に対して貢献すべきとの意識が極めて高く、また、高い意識を有することが社会的に求められている。 【0003】 一方、製紙原料としての木資源は、通常、細かいチップ片として供給されるために、当該木資源に係る寸法および木質等に大きく制限されず、従って、国内の森林で発生する間伐材、または倒木、流木なども、製紙原料としての木資源としては有用である。しかしながら、従来においては、これら木資源は、例えば山間部などの産出地からの搬出作業などに高いコストが必要とされるために実質上商品価値がないものとして放置されており、商品として一般的な流通過程に組み込まれておらず、有効的に利用されていない、という問題がある。 また、上述のような木資源には商品価値が無い若しくは著しく低いために、森林に対する間伐などの保守作業は、それ自体が積極的に実施されていない場合も多く、森林が荒廃する要因の一つとなっている、という問題がある。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、紙の購入を通じて地球環境の保全に貢献することができる非流通木資源活用システムを提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0005】 本発明の非流通木資源活用システムは、紙需要者が製紙者に紙を発注するに伴って、木資源を紙原料として供給する紙原料供給者に所定の資源活用協力金を給付し、 前記紙原料供給者が、資源活用協力金を利用して非流通木資源を紙原料として前記製紙者に供給し、 当該製紙者が、当該非流通木資源を紙原料として用いる非流通木資源活用システムであって、 (1)前記資源活用協力金が、前記製紙者に対する非流通木資源の供給の費用に充当されたこと、および、 (2)非流通木資源が前記製紙者によって紙原料として受け入れられたこと を証明する証明書が交付されることを特徴とする。 【0006】 本発明の非流通木資源活用システムにおいては、資源活用協力金の額が、紙需要者による紙発注高に基づいて算出され、当該資源活用協力金の額に応じて製紙者に供給される非流通木資源の量が決定されることが好ましい。 【0007】 また、本発明の非流通木資源活用システムにおいては、資源活用協力金の額が、製紙者に供給される非流通木資源の量に基づいて算出されることが好ましい。 【0008】 更に、本発明の非流通木資源活用システムにおいては、紙需要者としての紙販売者による紙販売代金に資源活用協力金が包含され、前記証明書が紙の購入者に交付されることが好ましい。 【0009】 ここで、複数の紙購入の申出に対応した一の資源活用協力金の給付が紙販売者によって行われ、前記複数の申出の各々について、当該申出に係る紙の購入者に証明書が交付されることが好ましい。 【発明の効果】 【0010】 本発明の非流通木資源活用システムによれば、紙を最終的に消費する購入者により負担された資源活用協力金が、非流通木資源を製紙者に供給するための費用に利用されることにより、当該非流通木資源を、商品価値を備えた流通木資源として一般流通過程に組み込むことができる。その結果、積極的な森林の保守等を促すことができ、結局、森林等の活性化が実現される。 また、本発明の非流通木資源活用システムは、従来においては焼却処分されていた廃材、端材などを、その量、寸法などに制限されることなくリサイクルすることができるため、例えば大気中への二酸化炭素の放出量を低減することができ、地球環境の保全というテーマに多面的に貢献することができる。 一方、紙の消費者である企業等においても、本発明の非流通木資源活用システムを介して紙を購入している、という事実を介して間伐材の利用および森林の活性化という地球環境保全に貢献することができ、しかも、地球環境の保全に貢献していることを、証明書の交付を受けこれを呈示することにより確実に社会に対してアピールすることが可能であり、企業ブランドイメージの向上を図ることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0011】 以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本明細書中の記載において、本発明の非流通木資源活用システムにより製品として供給される紙を、以下、「エコペーパー」ともいう。 【0012】 図1は、本発明の非流通木資源活用システムを概略的に示すブロック図である。 【0013】 本発明の非流通木資源活用システムは、紙需要者が、製紙者に対してエコペーパーの発注をするに伴って流通木資源を紙原料として前記製紙者に供給する紙原料供給者に所定の資源活用協力金を給付し、紙原料供給者がこの資源活用協力金を利用することにより非流通木資源を紙原料として前記製紙者に供給するものであって、(1)前記資源活用協力金が、前記製紙者に対する非流通木資源の供給の費用に充当されたこと、および(2)非流通木資源が前記製紙者によって紙原料として受け入れられたこと、を証明する証明書が、紙需要者等に交付されるシステムである。 【0014】 本明細書中の記載において、流通木資源とは、商品価値を有する紙原料用の木材として通常の流通ルートに流通している木資源であって、例えば外国から輸入された木資源などを意味する。一方、非流通木資源とは、流通木資源以外の木資源であって、紙原料として利用することはできるが、主に、例えば搬出、運搬、集荷などに係るコストが割高であるために商品価値が無い若しくは著しく低いことを理由として、上記通常の流通ルートに組み込まれていないものを意味する。 【0015】 非流通木資源としては、具体的には、特に制限されるものではなく、例えば間伐材、立木、倒木、流木、廃棄材、建築端材などが挙げられる。また、これら非流通木資源の産出地としては、特に制限されるものではなく、例えば国有林、私有林などの山林、国立公園、建築現場などを挙げることができる。 【0016】 本発明の非流通木資源活用システムを具体的に説明すると、紙需要者は、本システムを包括的に管理する管理者として機能する、例えば仲卸または小売店などの紙販売者(以下、単に「特定の紙販売者」ともいう。)であって、この特定の紙販売者に対し、例えば企業などのエコペーパーを製品として消費する購入者(以下、単に「特定の購入者」ともいう。)から、所定量のエコペーパーを購入することの申出がされる。 【0017】 ここで、特定の購入者によるエコペーパーの購入の申出は、所定金額の資源活用協力金を負担することを了承していることが前提とされている。そして、この資源活用協力金の金額は、例えば特定の紙販売者との間の事前の協議により決定されればよいが、その方法としては特に制限されるものではなく、特定の購入者の予算の範囲内で決定されればよい。具体的には、例えば後述する紙原料供給者がいわゆる在庫として保有する非流通木資源の量、販売者による発注額または発注量、購入者による購入の申出に係る販売額または販売量などに基づいて算出されればよい。 【0018】 そして、前記特定の紙販売者は、例えば非流通木資源の在庫量、地域などに基づいて紙原料供給者を選定し(以下、単に「特定の紙原料供給者」ともいう。)、この特定の紙原料供給者を基準にして、例えば地域などを考慮した上で製紙者(以下、単に「特定の製紙者」ともいう。)を選定する。そして、エコペーパーを当該特定の製紙者に対して発注し、これと共に、前記特定の紙原料供給者から非流通木資源が紙原料として供給されることを連絡する。ここで、特定の紙販売者は、製紙者を先に選択した後に、当該製紙者を基準として紙原料供給者を選定することも可能である。 【0019】 これに伴い、特定の紙販売者は、特定の紙原料供給者に対して、所定額の資源活用協力金が準備されている旨を連絡すると共に、当該資源活用協力金を利用することによって非流通木資源を特定の製紙者に紙原料として供給することを指示する。 【0020】 その後、特定の紙原料供給者は、例えば非流通木資源が、間伐材、流木、立木などである場合には、山間部などの産出地からの搬出および運搬に必要とされる費用、また、非流通木資源が廃材などの場合にはその回収費用などの、非流通木資源を通常の製紙用の紙原料として流通ルートに組み込むために必要とされる費用として前記資源活用協力金を利用することにより、非流通木資源を、木材を破砕加工したチップ材としてまたは木材のままで、紙原料として特定の製紙者に供給する。また、証明者が証明書を交付するために必要とされる証明用資料を特定の紙販売者に提出し、同時に資源活用協力金の請求を特定の紙販売者に対して行う。 【0021】 ここで、特定の紙原料供給者が証明者に提出する証明用資料とは、非流通木資源を紙原料として特定の製紙者に供給したことを示す資料であれば特に制限されるものではないが、例えば特定の紙原料供給者によって非流通木資源が扱われたことを示す写真、非流通木資源の産出地を示す森林地区証明、非流通木資源の搬出および運搬などに必要とされた費用明細、非流通木資源の量の証明、特定の製紙者に対して非流通木資源を運搬したことを示す書類などを挙げることができる。 【0022】 一方、特定の製紙者は、前記特定の紙原料供給者から供給された非流通木資源に由来する紙原料を製紙プロセスに組み入れ、エコペーパーを製品として特定の紙販売者に納品すると共に、証明者が証明書を交付するために必要とされる、非流通木資源に由来する紙原料が特定の紙原料供給者から供給されたことを示す資料であって、例えば納品明細書などの証明用の資料を特定の紙販売者に提出する。 【0023】 ここで、非流通木資源に由来する紙原料は、製紙プロセスに組み入れることにより特定の製紙者において製紙用の原料の一部として使用されればよく、紙販売者に納品されるエコペーパー中に、現実に当該非流通木資源に由来する紙原料が含有されている必要はない。 【0024】 特定の紙販売者は、特定の購入者に特定の製紙者より納品されたエコペーパーを納品すると共に資源活用協力金を包含する紙販売代金の請求を行い、また、前記特定の紙原料供給者からの請求に基づいて、資源活用協力金の支払いを行う。 【0025】 また、特定の紙販売者は、特定の購入者が前記所定金額の資源活用協力金を負担すると共にエコペーパーを購入したことを示す資料を証明用書類として、特定の紙原料供給者および特定の製紙者から提出された証明用の資料と共に証明者に送付する。 【0026】 以上において、特定の紙販売者から送付された各証明用資料に基づいて証明者が少なくとも (1)資源活用協力金が、特定の製紙者に対する非流通木資源の供給の費用に充当されたこと、および (2)非流通木資源が特定の製紙者によって紙原料として受け入れられたこと を証明する証明書を、特定の購入者に対して直接交付する。 これにより、資源活用協力金が非流通木資源を通常の流通ルートに組み入れるために利用されたことが特定の購入者に対しても明らかになり、本発明の非流通木資源活用システムの運用に係る信頼性が担保される。また、証明書は、直接特定の購入者に交付されるため、当該証明書の中立性が担保される。 【0027】 ここで、証明書には、例えば特定の購入者が負担した資源活用協力金の金額、非流通木資源の産出地、当該資源活用協力金によって有効利用された非流通木資源の種類並びに量など種々の情報が記載され、証明されていることが好ましく、これにより特定の購入者による地球環境の保全に対する貢献が具体的に呈示され、そのような貢献をしていることを社会に対するアピールをより明確にすることができる。 証明者としては、社会に対してある程度の証明力を有するとして認識されている者であれば特に制限されないが、例えば非営利団体(NPO)などの、社会的に若しくは経済的に中立性若しくは公正性を有する者であることが好ましい。 【0028】 以上、本発明の非流通木資源活用システムによれば、資源活用協力金が最終的な紙の消費者である購入者により負担され、この資源活用協力金を利用することにより例えば間伐材などの非流通木資源が有効的に活用されて、森林等の活性化が実現されるため、当該購入者は、紙の購入という、従来から社会的に通常行われている行為を介在して、地球環境の保全に貢献することができる。しかも、このような貢献をしている事実を、所定の証明書を受け、これを呈示することにより社会的に明示的にアピールすることが可能であり、地球環境の保全に貢献することと同時に企業ブランドイメージの向上を図ることができる。すなわち、本発明の非流通木資源活用システムは、地球環境の保全と、企業利益の拡充という概して相反することも多い効果を同時に実現することができるものである。 【0029】 以上、本発明の非流通木資源活用システムについて具体的に説明したが、本発明は上記の態様に限定されるものではなく、種々の変更を加えることが可能である。 例えば、同一のまたは異なる購入者からの複数のエコペーパーの購入の申出に対して、紙販売者は一の資源活用協力金を紙原料供給者に給付し、製紙者に対して一のエコペーパーの発注をすることも可能である。このような場合には、証明書は、前記複数の購入の申出に係る購入者に対してそれぞれ交付されればよい。これにより、購入者は、エコペーパーの購入量に関わらず資源活用協力金の負担をすることができると共に、紙販売者は、適正な金額を一単位として資源活用協力金の給付を行うことができ、本発明のシステムを効率的に運用することが可能となる。 【0030】 具体的には、紙販売者の給付した一の資源活用協力金をポイント化し、当該ポイントをエコペーパーの購入申出額に応じて分配し、この分配したポイントを証明書に記載することができ、これにより、前記資源活用協力金における各購入者の負担分が明確となる。 【図面の簡単な説明】 【0031】 【図1】本発明の非流通木資源活用システムを概略的に示すブロック図である。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】505397058 【氏名又は名称】株式会社市瀬
|
| 【出願日】 |
平成17年10月24日(2005.10.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078754 【弁理士】 【氏名又は名称】大井 正彦
|
| 【公開番号】 |
特開2007−111019(P2007−111019A) |
| 【公開日】 |
平成19年5月10日(2007.5.10) |
| 【出願番号】 |
特願2005−308602(P2005−308602) |
|