| 【発明の名称】 |
散水システム |
| 【発明者】 |
【氏名】原田 良一
【氏名】西川 桂一
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| 【要約】 |
【課題】コストを抑えつつ散水装置の増設を容易に行うことのできる散水システムを提供する。
【解決手段】親制御装置10には親通信モジュール16を、散水装置20nには子通信モジュール24nを設けて、両者の間で無線による通信を可能とする。また、初期状態において、親制御装置10から散水装置20nへ当該散水装置20nを識別するための子機モジュールIDが送信され、これが散水装置20nの子記憶装置23nに記憶されることによって設定される。一方、散水装置20nからは記憶確認信号が親制御装置10へ送信され、これを受けて親制御装置10の親記憶装置15に記憶されて、親制御装置10側での子機モジュールID登録処理が完了する。その後は、子機モジュールIDを含めた通信によって散水指令が実行される。これにより、散水システムに対する散水装置20nのソフト面での増設処理が完了する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 親通信モジュール及び親記憶装置を有する親制御装置と、 子通信モジュール及び子記憶装置を有する散水装置と を備え、 前記親通信モジュールと前記子通信モジュールとの間で無線通信を実行し、親記憶装置に記憶された散水情報に基づき前記親制御装置が散水指令を前記散水装置に送信し、その送信された散水指令に基づき前記散水装置によって散水が行われるように構成した散水システムにおいて、 前記親制御装置に設けられ、前記散水装置を識別する識別情報を親通信モジュールから子通信モジュールへ送信する識別情報送信手段と、 前記散水装置に設けられ、前記親制御装置との間での初期通信状態において前記識別情報を受信する待機状態とする待機状態設定手段と、 前記散水装置に設けられ、前記待機状態設定手段により待機状態とされている場合に、前記送信手段から送信された前記識別情報を受信すると、前記子記憶装置に記憶させる識別情報記憶処理手段と、 前記散水装置に設けられ、前記識別情報記憶処理手段による記憶処理が実行されると、記憶確認信号を子通信モジュールから親通信モジュールへ送信する確認信号送信手段と、 前記親制御装置に設けられ、前記親通信モジュールが前記記憶確認信号を受信した後、前記散水装置に対応した前記識別情報を前記親記憶装置に登録する登録処理手段と を備え、 前記散水装置は、前記確認信号送信手段によって記憶確認信号を送信すると、前記子通信モジュールが散水指令を受信する散水指令受信状態とされ、 前記親通信モジュールから前記子通信モジュールへ送信される前記散水指令は、前記子記憶装置に記憶した前記識別情報と同じ識別情報を含んで構成され、 前記散水装置は前記子記憶装置に記憶された識別情報を含む散水指令に基づいて散水を実行するように構成したことを特徴とする散水システム。 【請求項2】 前記親制御装置は前記散水装置を識別する識別情報を入力設定する識別情報入力手段を備え、前記識別情報送信手段はその識別情報入力手段によって入力された識別情報を送信することを特徴とする請求項1記載の散水システム。 【請求項3】 前記親制御装置は、前記散水装置の散水スケジュールを入力する入力装置と、前記散水スケジュールを表示するディスプレイとを備え、前記親記憶装置には前記入力装置にて入力された散水スケジュールを前記識別情報と関連付けて予め記憶させ、その記憶内容に基づき前記散水指令を送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の散水システム。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は散水システムに関するものであり、具体的にはゴルフ場、温室、ビニールハウス等の園芸施設、公園、屋上緑化などでの散水管理に好適な散水システムに関する。 【背景技術】 【0002】 ゴルフ場、園芸施設、公園、屋上緑化などでは、散水を管理する散水システムが使用されている。一般に、散水システムは、親制御装置と、散水場所ごとに設けられる複数の散水装置とを備え、親制御装置によって各散水装置を管理するように構成されている。 【0003】 親制御装置は、CPUなどを含む中央制御部を備え、予め設定された散水プログラムに従って散水装置に散水指令を行う。また、散水装置はスプリンクラー等の散水ノズルと、そのノズルに水を供給する配管途中に設けられた散水バルブと、前記親制御装置からの散水指令に基づいて散水バルブの開閉を制御する散水制御部とを有している。 【0004】 そして、散水制御部により散水バルブが開状態とされると散水ノズルに水が供給され、同ノズルから水が噴出して散水される。一方、散水バルブが閉状態とされると散水ノズルへの水供給が停止され、散水が停止される。 【0005】 近年では、親制御装置及び散水装置にそれぞれ親局通信部及び子局通信部が設けられ、無線通信によって親制御装置から散水指令を送信する散水システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この散水システムは、ゴルフ場など親制御装置と散水装置が離れた場所に設置されている場合や、散水装置が離間した位置に点在するような場合に適している。 【0006】 しかしながら、この無線を利用した従来の散水システムでは、それぞれの散水システム毎に固有のソフトウェアが設計されており、そのソフトウェアもシステム全体をシーケンスコントロールするプログラムやデータの作成や修正を行うためのプログラムなどから構成されているだけであり、散水装置の増設に対応できなかった。すなわち、従来において散水装置を増設しようとすると、プログラムを再度作成し直して散水システムを再構築する必要があった。一方、このような事態を避けるには予め必要数の散水装置を設置しておかなければならず、イニシャルコストが高くなってしまう。 【特許文献1】特開昭63−310658号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 本発明は、コストを抑えつつ散水装置の増設を容易に行うことのできる散水システムを提供することを親たる目的とするものである。 【課題を解決するための手段】 【0008】 以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、後述する実施の形態との対応関係を適宜括弧書きで示す。 【0009】 手段1.親通信モジュール(親通信モジュール16)及び親記憶装置(親記憶装置15)を有する親制御装置(親制御装置10)と、 子通信モジュール(子通信モジュール24)及び子記憶装置(子記憶装置23)を有する散水装置(20)と を備え、 前記親通信モジュールと前記子通信モジュールとの間で無線通信を実行し、親記憶装置に記憶された散水情報に基づき前記親制御装置が散水指令を前記散水装置に送信し、その送信された散水指令に基づき前記散水装置によって散水が行われるように構成した散水システムにおいて、 前記親制御装置に設けられ、前記散水装置を識別する識別情報を親通信モジュールから子通信モジュールへ送信する識別情報送信手段(ステップS12の処理機能)と、 前記散水装置に設けられ、前記親制御装置との間での初期通信状態において前記識別情報を受信する待機状態とする待機状態設定手段(ステップS21の処理機能)と、 前記散水装置に設けられ、前記待機状態設定手段により待機状態とされている場合に、前記送信手段から送信された前記識別情報を受信すると、前記子記憶装置に記憶させる識別情報記憶処理手段(ステップS22,23の処理機能)と、 前記散水装置に設けられ、前記識別情報記憶処理手段による記憶処理が実行されると、記憶確認信号を子通信モジュールから親通信モジュールへ送信する確認信号送信手段(ステップS24の処理機能)と、 前記親制御装置に設けられ、前記親通信モジュールが前記記憶確認信号を受信した後、前記散水装置に対応した前記識別情報を前記親記憶装置に登録する登録処理手段(ステップS14の処理機能)と を備え、 前記散水装置は、前記確認信号送信手段によって記憶確認信号を送信すると、前記子通信モジュールが散水指令を受信する散水指令受信状態とされ、 前記親通信モジュールから前記子通信モジュールへ送信される前記散水指令は、前記子記憶装置に記憶した前記識別情報と同じ識別情報を含んで構成され、 前記散水装置は前記子記憶装置に記憶された識別情報を含む散水指令に基づいて散水を実行するように構成したことを特徴とする散水システム。 【0010】 手段1によれば、親制御装置の識別情報送信手段は、親通信モジュールから子通信モジュールへ識別情報を送信する。識別情報は親制御装置が散水装置を識別する情報であり、待機状態設定手段の機能によって、子通信モジュールは設置時(増設時)の初期通信状態である識別情報受信状態(待機状態)であるときに識別情報を受信できる。子記憶装置の識別情報記憶処理手段は、子通信モジュールが受信した識別情報を子記憶装置に記憶させる。そして、散水装置の確認信号送信手段は、子記憶装置が識別情報を記憶したことを確認する記憶確認信号を子通信モジュールから親通信モジュールへ送信する。記憶確認信号が親通信モジュールで受信されたとき、親通信モジュールから送信した識別信号が子記憶装置に記憶されたことが確認されたことになり、親記憶装置の登録処理手段は、識別情報を親記憶装置に記憶する。以上により、散水装置の設置時や増設時における識別情報の設定及び登録処理が完了する。 【0011】 散水装置は上記処理が完了すると散水指令受信状態とされ、散水指令を受信できる。散水装置が散水指令受信状態であって、親通信モジュールから送信されてきた散水指令を子通信モジュールが受信したとき、その散水指令が子記憶装置に記憶されている識別情報を含んでいれば、散水装置はその散水指令に基づいて散水を行う。 【0012】 これにより、散水システムに散水装置を組込むために散水システムの再構築を行っていた従来のものに比べ、散水装置に設定された識別情報を親制御装置が登録することで散水システムに散水装置を組込むことができるため、散水システムへの散水装置の増設を容易に行うことができる。その結果、新規に散水システムを構築する場合に将来必要とされる散水装置までをも予め設置しておく必要がなくなり、イニシャルコストの低減化に寄与する。また、親通信モジュールと子通信モジュールとの間で無線によって識別情報の送受信を行うことができるため、識別情報を散水装置に記憶させる操作を行うために散水装置を設置した場所へ行く必要がない。 【0013】 手段2.前記親制御装置は前記散水装置を識別する識別情報を入力設定する識別情報入力手段(入力装置13及びステップS11の処理機能)を備え、前記識別情報送信手段はその識別情報入力手段によって入力された識別情報を送信することを特徴とする上記手段1記載の散水システム。 【0014】 手段2によれば、散水装置を識別するための識別情報は、親制御装置の識別情報入力手段によって入力されることとなり、親制御装置側での集中管理に好適なものとなる。 【0015】 手段3.前記親制御装置は、前記散水装置の散水スケジュールを入力する入力装置(入力装置13)と、前記散水スケジュールを表示するディスプレイ(ディスプレイ14、集中制御操作画面31)とを備え、前記親記憶装置には前記入力装置にて入力された散水スケジュールを前記識別情報と関連付けて予め記憶させ、その記憶内容に基づき前記散水指令を送信することを特徴とする上記手段1又は2に記載の散水システム。 【0016】 手段3によれば、親制御装置は散水装置が散水を行うスケジュールである散水スケジュールを入力する入力装置と、その散水スケジュールを表示するディスプレイとを備えている。そして、親通信モジュールから子通信モジュールへ送信される散水指令は散水スケジュールに基づいた指令であり、散水装置はその散水指令に従って散水を行う。これにより、ディスプレイに表示されている散水スケジュールを確認しながら変更設定すればよく、また散水装置との関連付けも含めて記憶されるため、容易に散水装置を集中管理することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0017】 以下、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本実施の形態では一例としてゴルフ場に設置された散水システムに具体化した場合を想定して説明する。 【0018】 図1は散水システムの全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、散水システムは親制御装置10と、散水装置20a、20b、・・・(以下、総称して散水装置20ともいう)とを備えている。親制御装置10はゴルフ場の管理棟11に設置され、汎用のパーソナルコンピュータ12(以下、汎用PC12と略す)を備えている。この汎用PC12には図示しない外部電源が接続され、この外部電源により、汎用PC12や汎用PC12に接続された各種機器の駆動に必要な電力が賄われている。 【0019】 汎用PC12は、入力装置13と、ディスプレイ14と、親記憶装置15とを備えている。この入力装置13によって散水装置20の制御に必要な各種の入力が行われ、ディスプレイ14には散水装置20を制御する散水スケジュール等の設定画面を表わす表示画面が表示されるようになっている。親記憶装置15には前記設定画面を表示するためのアプリケーションソフトと共に、散水装置20の制御に必要な各種情報が記憶されている。さらに、汎用PC12には無線通信用の親通信モジュール16が例えばUSB接続端子を介して接続されている。 【0020】 散水装置20は、例えばゴルフ場の各ホール毎に複数設置されるものである。散水装置20aについて説明する。散水装置20aは散水機21aを備えている。散水機21aには図示しない電源が接続されていて、この電源により散水装置20aを構成する各部の動作に必要な電力が賄われる。なお、電源として乾電池や太陽光発電装置などを利用すれば、外部からの電源供給を必要としないため、ゴルフ場全体に電源設備を設ける必要がなくなる。 【0021】 散水機21aは散水制御装置22aと子記憶装置23aとを備えている。また、散水機21aには無線通信用の子通信モジュール24aと、3台の散水電磁弁25a−1、25a−2及び25a−3(以下、総称して散水電磁弁25aともいう)とが接続されている。散水制御装置22aは親制御装置10からの散水指令に基づいて散水電磁弁25aの開閉を行い、子記憶装置23aは散水に必要な情報を記憶する。散水機21aに接続できる散水電磁弁25aの台数は選択でき、親通信モジュール16と子通信モジュール24aは無線によって双方向通信が可能である。 【0022】 1台の散水機21aに対して必要な台数の散水電磁弁25aが接続され、フェアウェイなどの広範囲の緑化部にも水が均等にまかれるように設置されている。散水電磁弁25aは、図示しないスプリンクラー等の散水ノズルに水を供給する配管によって散水ノズルと接続され、電磁弁の開閉によって水の噴射を調節する周知のものであり、ここでは詳細な説明を省略する。 【0023】 散水システムには任意数の散水装置20を設置できるようになっている。例えば、散水装置20bは散水装置20aと同じ構成であるが、散水電磁弁25b−1は1台だけ備えられる。散水装置20bは前記したのと同様に散水機21b、子通信モジュール24b、および散水電磁弁25b−1によって構成され、散水機21bには散水制御装置22b及び子記憶装置23bが備えられている。 【0024】 ところで、親制御装置10は各散水装置20を識別情報によって個別に識別し、指定された散水装置20が親制御装置10によって遠隔制御される。ここで、散水装置20を識別するための識別情報を子機モジュールIDとし、子機モジュールIDは対応する散水装置20の子記憶装置23に記憶されている。そして、親記憶装置15に設けられた散水装置20に対応する複数の記憶領域に子機モジュールIDが記憶(登録)されている。そして、親制御装置10は子機モジュールIDを含んだ散水指令を散水装置20に送信し、その子機モジュールIDと同じ子機モジュールIDを記憶した子記憶装置23を備えた散水装置20が、受信した散水指令に基づいて散水を行う。 【0025】 次に、以下において、例えば、ゴルフ場に散水装置20a及び20bが既に設置されているとし、散水システムに散水装置20nを増設する場合について、図2,3を参照しながら説明する。なお、散水装置20nは散水機21nと子通信モジュール24nと2台の散水電磁弁25n−1、25n−2とから構成されており、散水機21nは散水制御装置22n及び子記憶装置23nを備えている。また、図2は親制御装置10で行われる処理を示すフローチャートであり、図3は散水装置20nで行われる処理を示すフローチャートである。 【0026】 汎用PC12側で登録画面を立ち上げると、子機ID登録処理へ移行する。そして、図2において、ステップS11では、システム管理者が親制御装置10の入力装置13から子機モジュールIDを入力する。続くステップS12では、その入力を根拠として、子機モジュールIDを親通信モジュール16から子通信モジュール24nへ自動送信する。ステップS13では子通信モジュールから送信された記憶確認信号を親通信モジュール16で受信したか否かを自動判定する。YES判定の場合は、ステップS14に進み、子機モジュールIDを親記憶装置15に記憶(登録)し、その後本処理を終了する。ステップS13がNO判定の場合、ステップS12に戻り、所定の時間をおいて、子機モジュールIDを親通信モジュール16から子通信モジュールへ自動再送信する。そして、この子機モジュールIDの再送信は、記憶確認信号を受信するまで行われる。以上が、親制御装置10で行われる子機モジュールIDの登録処理動作である。 【0027】 一方、増設対象たる散水装置20nでは、図3に示すように、ステップS21では、ソフトウェアの機能により、初期状態では必ず識別情報受信状態とされている。続くステップS22では、親通信モジュール16から送信された子機モジュールIDを子通信モジュール24nで受信したか否かを判定する。NO判定の場合はステップS21に戻り、識別情報受信状態で待機する。ステップS22がYES判定の場合、ステップS23に進み、子機モジュールIDを子記憶装置23nに記憶(設定)する。最後に、ステップS24では、子通信モジュール24から親通信モジュール16へ記憶確認信号を親制御装置10へ送信し、その後本処理を終了する。以上が、散水装置20nで行われる子機モジュールIDの設定処理動作である。 【0028】 このようにして、親制御装置10での子機ID登録処理と散水装置20nでのID設定処理とが実施されることで、散水システムに散水装置20nが組込まれる。すなわち、親制御装置10側で入力設定した子機モジュールIDを初期状態たる識別情報受信状態にある増設対象の散水装置20nが受信するとともに子記憶装置23nに記憶し、記憶確認信号を親制御装置10が受信することで正式に散水装置20nが登録されるようになっている。したがって、散水装置20nの増設がきわめて簡単な処理で行われる。また、図2,3に示した処理ステップを行うソフトウェアを親制御装置10及び増設対象の散水装置20nにそれぞれ組み込んでおくだけでよいため、汎用性が高い簡易な増設処理が可能となる。 【0029】 このように子機モジュールIDが登録された後は、通常の散水装置20nは通常の作業モード(散水指令受信状態)とされる。作業モードでは、親制御装置10が子機モジュールIDを含んだ散水指令を散水装置20nに送信すると、散水指令に含まれた子機モジュールIDが子記憶装置23nに記憶されている子機モジュールIDと同じ場合、散水装置20nはその散水指令に基づいて散水を行う。これにより、親制御装置10が散水装置20nの遠隔制御を行うことができる。このとき、散水装置20nは散水指令を受信できる散水指令受信状態である。なお、散水装置20nが受信した散水指令に含まれている子機モジュールIDが、子記憶装置23nに記憶された子機モジュールIDと異なる場合、散水装置20nの散水制御装置22nは子機モジュールID不一致と判断し、その散水指令を無視する。 【0030】 このように子機モジュールIDを最初に設定登録しておき、その後は、当該子機モジュールIDを識別情報として散水指令に組み込んで送信することで、各散水装置20側で自身に対する散水指令か否かを判別できる。 【0031】 ところで、本散水システムでは、親制御装置10に組み込まれたソフトウェアの機能によって、ディスプレイ14に散水スケジュールを含む集中制御操作画面が表示される。そして、その画面上で散水スケジュールに入力装置13から散水内容を入力することにより、散水スケジュールが設定されるようになっている。そして、親制御装置10が散水スケジュールに基づいた散水指令を散水装置20へ適宜送信し、散水指令に含まれた子機モジュールIDと同じ子機モジュールIDを記憶している散水装置20を遠隔制御する。図4に、ディスプレイ14に表示される集中制御操作画面31の一例を示す。 【0032】 本実施の形態では、1台の散水装置20に対して1つの集中制御操作画面31を使用するように設定されている。集中制御操作画面31は、散水装置設定情報窓32、画面モード選択ボタン33、運転モード選択ボタン34、一般情報表示窓35、自動運転モード設定窓36及び手動運転モード設定窓37により構成されている。 【0033】 散水装置設定情報窓32は、散水装置20の設置場所と、先の子機ID登録処理によって登録されている子機モジュールIDを表示する。子機ID登録処理が行なわれていない場合にはこの画面31は設定されないように仕組まれており、この画面が表示されていることにより子機モジュールIDの登録が完了していることも示す。例えば、散水装置20nが「5番ホールティーグランド」周辺に設置される場合であれば、子機モジュールIDが例えば「5H−1」として登録され、これらが表示される。 【0034】 画面モード選択ボタン33は、集中制御操作画面31の表示内容を変更したり決定したりする場合に使用される。決定ボタンを選択すると、集中制御操作画面31の設定内容に基づいて親制御装置10が散水装置20の遠隔制御を開始する。通常は決定ボタンが選択されている。そして、画面モード選択ボタン33の変更ボタンを選択すると、汎用PC12に接続されている入力装置13からディスプレイ14に表示されている集中制御操作画面31の変更を行うことができる。 【0035】 運転モード選択ボタン34では、散水装置20の制御方法を選択できる。自動運転モードを選択すると、自動運転モード設定窓36に基づいて親制御装置10が散水装置20を遠隔制御する。手動運転モードを選択すると、手動運転モード設定窓37に基づいて親制御装置10が散水装置20を遠隔制御する。また、自動運転モード及び手動運転モードのいずれも選択しない場合には、散水装置20は散水を行わない。自動運転モード及び手動運転モードの両方を選択すると、自動運転モード設定窓36と手動運転モード設定窓37の両設定に基づいて親制御装置10が散水装置20を遠隔制御する。なお、通常は自動運転モードを選択し、例えば、晴天が続いて散水量が不足しているとき、一時的に手動運転モードを追加選択するのが普通である。 【0036】 自動運転モード設定窓36では、散水開始時刻及び散水時間幅を入力し、散水装置20の1日の散水予定を設定する。各散水電磁弁25はチャンネルで識別し、1台の散水機21に6台の散水電磁弁25を接続することができるようにしてある。散水電磁弁25は1日で最大6回の散水を行うことができるようになっている。散水開始時刻を設定したチャンネルを選択し、各チャンネル内の散水時間幅を入力することにより、散水装置20の散水予定を設定できる。また、チャンネルの実行ボタンを選択したチャンネルの散水電磁弁25は散水を行い、実行ボタンを選択しないチャンネルの散水電磁弁25は散水を行わない。 【0037】 図1に示されるように、散水装置20nには2台の散水電磁弁25n−1及び25n−2が備えられている。散水装置20nにおいて散水電磁弁25n−1及び25n−2の順位が予め決定されている。例えば、散水電磁弁25n−1が第1位に、散水電磁弁25n−2が第2位となっている。したがって、自動運転モード設定窓36では、散水電磁弁25n−1を1チャンネルとし、散水電磁弁25n−2を2チャンネルとし、例えば、1チャンネルの1日の散水回数を3回として設定する。まず、散水番号1の散水開始時刻を5:00、散水時間幅を10分間と入力する。同じように、散水番号2の散水開始時刻を8:00、散水時間幅を15分間とし、散水番号3の散水開始時刻を12:00、散水時間幅を5分間と入力する。そして、1チャンネルの実行ボタンを選択する。ここまでの設定で画面モード選択ボタン33の決定ボタンを選択すると、自動運転モード設定窓36に基づく散水指令が、親制御装置10から散水装置20nへ送信される。そして、散水電磁弁25n−1の開閉によって散水が行われる。 【0038】 なお、散水電磁弁25n−1の開閉による散水処理について説明すると、散水番号1の散水指令に基づいて、午前5時に散水装置20nを構成している散水制御装置22nは散水電磁弁25n−1をそれまでの閉状態から開状態にする。これにより、散水ノズルに水が供給され、その散水ノズルから水が噴出して水が撒かれる。10分間、散水電磁弁25n−1の開状態が維持され、水撒きが続く。そして、水撒きを続けたまま10分間経過すると、散水制御装置22nは散水電磁弁25n−1を閉状態にする。これにより、散水ノズルへの水供給が停止され、水撒きも停止される。同じように、散水電磁弁25n−1は散水番号2の散水指令に基づいて、午前8時に散水を開始し、15分後に散水を終了する。さらに、散水番号3の散水指令に基づいて、午後12時に散水を開始し、5分後に散水を終了する。 【0039】 次に、散水電磁弁25n−2の散水予定を2チャンネルに入力する。例えば、2チャンネルの1日の散水回数を2回とし、散水開始時刻を5:00及び19:00とする。散水番号1,2及び3の散水開始時刻は既に入力されているため、散水番号4の散水開始時刻を17:00、散水番号5の散水開始時刻を19:00、散水番号6の散水開始時刻を23:00と入力する。そしてチャンネル2の散水番号1の散水時間幅を3分、散水番号5の散水時間幅を6分と入力する。チャンネル1の散水番号4,5及び6とチャンネル2の散水番号2,3,4及び6のように入力しないと散水時間幅が0分となり、散水が行われない設定となる。 【0040】 手動運転モード設定窓37では、現時刻を基準とした散水開始時刻及び散水時間幅を入力し、一時的な散水予定を設定する。散水を行うチャンネルを選択し、現時刻を基準とした散水開始時刻及び散水時間幅を入力する。実行ボタンを選択したチャンネルの散水電磁弁25は散水を行い、実行ボタンを選択しないチャンネルの散水電磁弁25は散水を行わない。 【0041】 手動運転モード設定窓37で設定しておけば、一時的な散水を行うことができる。晴天が続いているなど、予定外の事由により散水スケジュールを変更する場合に、手動運転モード設定窓37を使用するとよい。例えば、一般情報表示窓35より現在時刻が午後12時30分であり、散水電磁弁25n−2に午後1時から5分間散水を行わせる場合は、手動運転モード設定窓37のチャンネル2の散水開始時刻を30分後、散水時間幅を7分間と入力する。そして、チャンネル1の実行ボタンを選択する。これにより、散水電磁弁25n−2は午後1時から散水を開始し、7分後に散水を終了する。手動運転モード設定窓37を使用することにより、自動運転モード設定窓36の設定を日々の状況によって変更する必要がない。 【0042】 一般情報表示窓35は、現在時刻、通信レベル及び散水装置天候情報を表示する。通信レベルは親通信モジュール16と子通信モジュール24との間の通信状況をレベル表示する。また、子機天候情報は散水装置20が設置されている周辺の現在の天候を表示する。ゴルフ場などの広大な敷地に設置された散水システムでは、散水装置20が設置された場所によって天候が異なることがある。そのとき、子機天候情報により一般の天気予報では得られない狭い範囲の天候情報を得ることができる。なお、子機天候情報などの散水装置20側からの各種情報にも子機モジュールIDが含められており、親制御装置10は当該子機モジュールIDによってどの散水装置20からの情報であるかを識別できるようになっている。 【0043】 以上詳述したように、本実施の形態によれば、以下の優れた効果を有する。 【0044】 親制御装置10で設定(仮登録)された子機モジュールIDが親通信モジュール16から子通信モジュール24へ送信される。そして、増設時の初期状態である識別情報受信状態で待機している散水装置20が子機モジュールIDを受信しこれを記憶する。その後、子通信モジュール24から送信された記憶確認信号を親通信モジュール16で受信したとき、親制御装置10は親記憶装置15に備えた散水装置20に対応した複数の記憶領域に子機モジュールIDを記憶(登録)する。これにより、散水システムに散水装置20を組込むために散水システムの再構築を行っていた従来のものに比べ、散水システムに散水装置20を容易に増設することができる。 【0045】 また、親制御装置10によって設定された散水指令に子機モジュールIDの情報を含むことにより、その子機モジュールIDと同じ子機モジュールIDを記憶している散水装置20が散水指令を受信し、その散水指令に基づいて散水動作を行う。これにより、散水システムにおける散水装置20の遠隔制御の信頼性を向上させることができる。 【0046】 親制御装置10から散水装置20へ送信される散水指令は散水スケジュールに基づいたものである。散水スケジュールはディスプレイに表示され、入力装置13から入力できる。これにより、散水指令の内容を変更するときに散水システムの構成を変更していた従来のものに比べ、散水スケジュールを変更することで容易に散水指令の内容を変更することができる。また、散水スケジュールで散水装置20の設定内容も確認することができるため散水システムの管理も容易になる。 【0047】 なお、実施の形態は上記した内容に限定されない。例えば、次のように実施することも考えられる。 【0048】 本実施の形態では、親通信モジュール16と子通信モジュール24との間で、無線による通信を直接行っていたが、これを変更し、親通信モジュール16と子通信モジュール24との間に中継器を設けてもよい。これにより、広大な土地に構築された散水システムで、親制御装置10と散水装置20との距離が長い場合でも親制御装置10から中継器を経由して散水装置20を遠隔制御できる。中継器を利用する場合、中継器を経て通信を行うか否かの設定処理を散水装置20の設置時や増設時に行えばよい。 【0049】 また、中継器に記憶装置を設けて識別情報を記憶させてもよい。これにより、親通信モジュール16から中継器を経由した子通信モジュール24までの通信経路を指定できるため散水システムの信頼性が高まる。さらに、中継器に気象検出手段を設ければ中継器が設置されている周辺の気候情報を得ることもできる。 【0050】 本実施の形態では、散水スケジュールを集中制御操作画面31に表示し、当該画面31を、散水装置設定情報窓32、画面モード選択ボタン33、運転モード選択ボタン34、一般情報表示窓35、自動運転モード設定窓36及び手動運転モード設定窓37から構成しているが、散水装置20の遠隔制御を行うための操作画面はそれに限定されない。例えば、散水予定を自動運転モード設定窓36のみから設定するようにしてもよい。また、自動運転モード設定窓36と手動運転モード設定窓37とをひとつの表にまとめてもよい。 【0051】 また、散水装置20の運転状況を親制御装置10にフィードバックさせて表示するようにしてもよい。これにより、散水装置20の散水状況を確認できる。例えば、散水電磁弁25の動作不良その他の状況を早期に発見できる。さらに、散水装置20の増設に伴う動作確認試験も遠隔制御で行うことができ、散水装置20の増設がより容易になる。 【0052】 本実施の形態では、一般情報表示窓35には散水装置天候情報だけ表示されているが、これを変更し、散水装置周辺の気温や湿度を表示してもよい。気象検出手段としての温度計や湿度計を散水装置20に接続し、その温度計や湿度計で検出された気温・湿度を散水装置20から親制御装置10へ送信する。これにより、きめ細かい遠隔操作が可能となる。 【0053】 本実施の形態では、自動運転モード設定窓36での散水予定を1日で6回としたが、散水予定はこれに限定されない。例えば、1日の散水の回数を変えてもよいし、1週間での散水予定としてもよい。また、散水開始時刻と散水時間幅との設定も変更してもよい。例えば、散水開始時刻と散水終了時刻とで散水予定を入力するようにしてもよい。 【0054】 本実施の形態では、散水装置20からの記憶確認信号の受信ができないと、記憶確認信号の受信ができるまで親制御装置10は子機モジュールIDを再送信するようになっている。そのような再送信が何度も繰り返されるようであれば、通信障害又は散水装置20の故障が考えられるため、再送信が所定回数を超えるとディスプレイ上に警告画面が表示されるように構成してもよい。これにより、通信障害や散水装置20の故障をシステム管理者が早期に発見できる。 【0055】 本実施の形態では、散水システムをゴルフ場に設置した場合を例として説明したが、ゴルフ場以外でも、温室、ビニールハウス等の園芸施設、公園、屋上緑化などに用いることもできる。 【図面の簡単な説明】 【0056】 【図1】散水システムの構成を示すブロック図である。 【図2】親制御装置で行われる子機ID登録処理を示すフローチャートである。 【図3】散水装置で行われるID設定処理を示すフローチャートである。 【図4】ディスプレイに表示される集中制御操作画面を示す図である。 【符号の説明】 【0057】 10…親制御装置、11…管理棟、12…パーソナルコンピュータ、13…入力装置、14…ディスプレイ、15…主記憶装置、16…親通信モジュール、20…散水装置、21…散水機、22…散水制御装置、23…子通信モジュール、25…散水電磁弁、31…集中制御操作画面、36…自動運転モード設定窓、37…手動運転モード設定窓。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000106760 【氏名又は名称】シーケーディ株式会社
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| 【出願日】 |
平成17年10月21日(2005.10.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100121821 【弁理士】 【氏名又は名称】山田 強
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| 【公開番号】 |
特開2007−110999(P2007−110999A) |
| 【公開日】 |
平成19年5月10日(2007.5.10) |
| 【出願番号】 |
特願2005−307583(P2005−307583) |
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