| 【発明の名称】 |
地温調整マルチングシート |
| 【発明者】 |
【氏名】伊藤 健
【氏名】堀上 英樹
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| 【要約】 |
【課題】地温を上昇して作物の生長を促進させると共に、昼間の太陽光による作物根元の過度の温度上昇を防止して高温障害を防止する地温調整機能を持った地温調整マルチングシートの提供。
【解決手段】光反射性が付与された熱可塑性樹脂製の光反射性線条体と、光吸収性が付与された熱可塑性樹脂製の光吸収性線条体を編織又は交差結合することによって形成された長尺状の布状体3からなり、布状体3の幅方向の両側部が、幅方向中央部よりも光吸収性線条体の占める割合が多くなるように構成されてなることを特徴とする地温調整マルチングシート1。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光反射性が付与された熱可塑性樹脂製の光反射性線条体と、光吸収性が付与された熱可塑性樹脂製の光吸収性線条体を編織又は交差結合することによって形成された長尺状の布状体からなり、布状体の幅方向の両側部が、幅方向中央部よりも光吸収性線条体の占める割合が多くなるように構成されてなることを特徴とする地温調整マルチングシート。 【請求項2】 布状体の幅方向の両側部各20%の範囲の光吸収性線条体の占める割合が、幅方向中央部の10%の範囲の光吸収性線条体の割合に対して、20%以上高い請求項1に記載の地温調整マルチングシート。 【請求項3】 布状体が、一軸延伸された熱可塑性樹脂製の光反射性線条体と光吸収性線条体を平織又は絡み織してなる請求項1または2に記載の地温調整マルチングシート。 【請求項4】 光反射性が付与された熱可塑性樹脂製の線条体が、表面に金属蒸着された線条体、又は、白色粉体が混練された線条体である請求項1〜3のいずれかに記載の地温調整マルチングシート。 【請求項5】 光吸収性が付与された熱可塑性樹脂製の線条体が、カーボンブラックが混練された線条体である請求項1〜4のいずれかに記載の地温調整マルチングシート。 【請求項6】 熱可塑性樹脂がポリオレフィンである請求項1〜5のいずれかに記載の地温調整マルチングシート。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、地温の上昇を図ると共に日中の過度の地温上昇を防止することの可能な農業用マルチングシートに関する。 【背景技術】 【0002】 作物の栽培において、近年、畦にポリエチレン等のフィルムを掛けて栽培するマルチング栽培法が広く採用されている。マルチング栽培法は、土壌の水分の蒸散を抑制し、乾燥 を防止すると共に、フィルムの着色方法によって、地温を調節することができる特質がある。 【0003】 たとえば、白色に着色した場合、太陽光を反射し吸収を抑えるため、地温を下げる効果をもち、夏場の日中における過度の昇温を抑制することができる。一方、黒色に着色した場合、日光を吸収するため、地温を上昇して作物の成長を促進することができ、特に、秋期から冬期における作物の栽培に適する。また、黒色フィルムは太陽光を遮断するため雑草の生長を防止する効果も持っている。 【0004】 作物の栽培においては、このような性質を巧みに利用して各種のマルチングシートが開発されており、マルチングシートの中央部を透明とし、その両側を光反射性とすることによって、全体の地温は抑制し、作物、特に苗期の作物周辺を局部的に昇温させる試みもなされている(特許文献1)。 【0005】 しかし、黒色フィルムあるいは透明フィルムで被覆した場合、日光によって土壌の表面が温められて高温となり、この熱が土壌に吸収されて地温が上昇することになる。 【0006】 このため、黒色フィルムあるいは透明フィルムで被覆した場合には、日中は土壌の表面が局部的に高温となり、局部的な高温が作物に作用することとなって、作物に高温障害が生じるおそれが生じる。 【0007】 かかる問題を回避するためには、全体の地温を上昇せしめ、一方、作物の根元近くの過度の温度上昇を防止し得るマルチングシートとすることが必要となる。 【特許文献1】特開2000−184830 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 本発明は、地温を上昇して作物の生長を促進させると共に、昼間の太陽光による作物根元の過度の温度上昇を防止して高温障害を防止する地温調整機能を持った地温調整マルチングシートを提供するものである。 【課題を解決するための手段】 【0009】 本発明は、かかる課題を解決するために鋭意検討した結果なされたものであって、具体的には、光反射性が付与された熱可塑性樹脂製の光反射性線条体と、光吸収性が付与された熱可塑性樹脂製の光吸収性線条体を編織又は交差結合することによって形成された長尺状の布状体からなり、布状体の幅方向の両側部が、幅方向中央部よりも光吸収性線条体の占める割合が多くなるように構成されてなることを特徴とする地温調整マルチングシートを提供するものである。 【0010】 また、本発明は、布状体の幅方向の両側部各20%の範囲の光吸収性線条体の占める割合が、幅方向中央部の10%の範囲の光吸収性線条体の割合に対して20%以上高い上記の地温調整マルチングシート、布状体が一軸延伸された熱可塑性樹脂製の光反射性線条体と光吸収性線条体を平織又は絡み織してなる上記の地温調整マルチングシート、光反射性が付与された熱可塑性樹脂製の線条体が表面に金属蒸着された線条体又は白色粉体が混練された線条体である上記の地温調整マルチングシート、光吸収性が付与された熱可塑性樹脂製の線条体がカーボンブラックが混練された線条体である上記の地温調整マルチングシート、及び、熱可塑性樹脂がポリオレフィンである上記の地温調整マルチングシートを提供するものである。 【発明の効果】 【0011】 本発明地温調整マルチングシートは、マルチングシートの幅方向中央部は光吸収性線条体の量を少なくし、両側部の光吸収性線条体の量を多くしたから、畦の両側部は、太陽光を吸収して地温を上げると共に、雑草の成長を防止することができ、作物の根元部は太陽光の吸収を抑制して過度の温度上昇を防止することができる。 【0012】 また、マルチングシートの中央部は光反射性線条体の混織量が多いから、日光の反射量が多くなり、葉の裏側、青果物の下面に光を当てることができ、品質のよい作物を得ることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 本発明の地温調整マルチングシート1は、図1、図2に示すように、光反射性が付与された熱可塑性樹脂製の光反射性線条体2aと、光吸収性が付与された熱可塑性樹脂製の光吸収性線条体2bを編織又は交差結合することによって形成された長尺状の布状体3からなり、布状体の幅方向の両側部が、幅方向中央部よりも光吸収性線条体2bの占める割合が多くなるように構成される。 【0014】 なお、本発明においては、光反射性が付与された熱可塑性樹脂製の光反射性線条体2aと光吸収性が付与された熱可塑性樹脂製の光吸収性線条体2bを併せて、あるいは、個々を指して線条体2と指称することがある。 【0015】 本発明において布状体とは、線条体が編織されて形成された可撓性のシート状体を総称するものとし、熱可塑性樹脂製の一軸延伸された線条体2を主体として織布、編布、あるいは、交差結合布として用いられる。 【0016】 線条体2としては、テープ、ヤーン、スプリットヤーン、モノフィラメント、長繊維、スパン糸等として用いることができ、これら線条体2は必要に応じて撚糸される。 【0017】 線条体2としては、光反射性線条体2a又は光吸収性線条体2bのいずれにおいても、図4(A)に示すように、結晶性樹脂の単層であってもよく、また、図4(B)に示すように、基層5の片面に接合層6が積層されたものとすることができ、また、図4(C)に示すように、接合層6が基層5の両面に積層されたものとすることもできる。さらに、図4(D)に示すように、シースコアー構造、図4(E)に示すように、サイドバイサイド構造とすることも可能である。 【0018】 線条体2の単層体、あるいは積層体の基層5を構成する熱可塑性樹脂としては、延伸効果の大きい樹脂、一般には結晶性樹脂が使用され、具体的には、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレンブロック共重合体等のオレフィン系重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド、ポリアクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂等を用いることができる。 【0019】 中でも加工性と経済性から高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系重合体が望ましく、特に、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンが望ましい。密度が0.930〜0.970、好ましくは0.940〜0.960のものが使用される。 【0020】 接合層6は、線条体2が布状とされた後、線条体2間を接合するもので、基層5を構成する熱可塑性樹脂より融点が低く熱融着性の優れた熱可塑性樹脂が用いられる。 【0021】 具体的には、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレンブロック共重合体等のオレフィン系重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66のポリアミド等を用いることができ、基層の熱可塑性樹脂との関係で基層より低融点の熱可塑性樹脂が選択される。特に、高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系重合体が望ましい。 【0022】 しかして、本発明においては、光反射性線条体2aには、光反射性機能が付与される。光反射性機能を付与する手段としては、アルミニウム等の金属粉末、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、硫酸バリウム等の光反射性粉体を熱可塑性樹脂に混練することによって行うことができる。光反射性粉体の添加量としては、0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜30重量%が望ましい。 【0023】 また、熱可塑性樹脂を延伸してフィルム又は線条体とした後、アルミニウム、銅等の金属を表面に蒸着することによって反射性機能を付与することができる。フィルムとしたときは、金属を蒸着した後スリットして線条体とされる。なお、金属蒸着面には熱可塑性樹脂等の保護層を形成することが望ましい。 【0024】 光吸収性線条体2bには、光吸収性機能が付与される。光吸収性機能を付与する手段としては、カーボンブラック等の光吸収性粉体を熱可塑性樹脂に混練することによって行うことができる。光吸収性粉体の添加量としては、0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜30重量%とされる。 【0025】 また、布状体3を形成する光反射性線条体2a及び光吸収性線条体2bの熱可塑性樹脂には、無機充填材を添加することができる。無機充填材の種類としては、熱可塑性樹脂添加材として自体公知の無機充填材を使用することができ、例えば、タルク、クレー、マイカ、ウオラストナイト、ゼオライト等を使用することができる。無機充填材の配合量は、0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜30重量%である。 【0026】 また、光反射性線条体2a及び光吸収性線条体2bに用いられる熱可塑性樹脂には、目的に応じて各種の添加剤を添加することができる。 【0027】 具体的には、フェノール系、有機ホスファイト系、ホスナイトなどの有機リン系、チオエーテル系等の酸化防止剤;ヒンダードアミン系等の光安定剤;ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系等の紫外線吸収剤;ノニオン系、カチオン系、アニオン系等の帯電防止剤;ビスアミド系、ワックス系、有機金属塩系等の分散剤;アミド系、ワックス系、有機金属塩系、エステル系等の滑剤;含臭素有機系、メラミン系、リン酸系、リン酸エステル系、三酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、赤リン等の難燃剤;金属イオン系などの無機、有機抗菌剤等が挙げられる。 【0028】 上記の樹脂成分は、適宜組み合わせて、基層5や接合層6の材料組成物を製造するいずれかの工程で配合される。添加剤の配合は、従来の公知の二軸スクリュー押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキシングロール等の混練装置を用いて所定割合に混合して、これを溶融混練して調製してもよいし、高濃度のいわゆるマスターバッチを作製し、これを希釈して使用するようにしてもよい。 【0029】 線条体2として積層体が使用される場合、その成形材料となる積層フィルムを成形する手段としては、予め基層5となるフィルムと接合層6となるフィルムを形成してドライラミネート法や熱ラミネート法を用いて複層化する手段や、基層5となるフィルムの表面に接合層6となる熱可塑性樹脂をコーティングする方法、予め形成した基層5となるフィルムに接合層6を押出ラミネートする方法、あるいは、多層共押出法によって積層フィルムとして押出成形するなどの公知の手段から適宜選択して用いればよいが、成形の容易さやコスト面、並びに、製品の各層間の接着性及び光透過性の点では、多層共押出法によって基層5と接合層6の積層体を一段で得る方法が望ましい。 【0030】 また、延伸して線条体2とする手段としては、基層5となるフィルムを一軸方向に延伸した後、接合層6となる熱可塑性樹脂を積層し、これをテープ状にスリットしてもよく、あるいは、基層5と接合層6とが積層された積層フィルムをスリットする前、又は、スリットした後、一軸方向に延伸することによって得ることもできる。 【0031】 延伸方法としては、熱ロールによる延伸、熱板による延伸、熱風炉内でロールによって延伸する方法等によって行なうことができる。延伸倍率は、3〜12倍、好ましくは5〜10倍程度が適当である。 【0032】 線条体2の形状は目的に応じて任意に選定することができるが、経糸の繊度が10〜10000デシテックス、好ましくは50〜5000デシテックス、糸幅が0.3〜200mm、好ましくは0.5〜100mmの範囲が適する。緯糸としては、繊度が50〜10000デシテックス、好ましくは100〜5000デシテックスが適当であり、糸幅が0.3〜200mm、好ましくは0.5〜100mmが望ましい。 【0033】 さらに詳しくは、モノフィラメントを用いるときは、10〜10000デシテックス、好ましくは100〜5000デシテックスとされ、マルチフィラメントを使用するときは、単繊維の太さは0.05〜50デシテックス、単繊維が収束されたマルチフィラメントの太さとしては、10〜10000デシテックス、好ましくは100〜5000デシテックスとされる。線条体2としてテープ状のフラットヤーンを用いるときは、一般に、50〜10000デシテックス、好ましくは100〜5000デシテックス、糸幅が0.3〜200mm、好ましくは0.5〜100mmの範囲とされる。こうして得られたテープ状体には、縦方向に多数の小さな切れ目を入れてスプリットヤーンとすることができる。スプリットヤーンとすることによって柔軟性、嵩高性を高めることができる。 【0034】 得られた光反射性線状体2a又は光吸収性線状体2bは、図2に示すように、平織とし、又は、綾織、斜文織、畦織、絡み織等に織製され、あるいは、メリヤス編み等に編製することによって布状体3とする。また、図3に示すように、多数の線条体2を並列し、その上に交差するように線条体2を並列して交点を結合して交差結合布とした布状体3を用いることができる。 【0035】 この際、地温調整マルチングシート1は、図1に示すように、幅方向両側部を、光吸収性線状体2bを多くして布状体3を構成することによって、太陽光の熱の吸収性の高い布状体Bとされる。 【0036】 また、地温調整マルチングシート1の幅方向中央部を、光反射性線状体2aを多くして布状体3を構成することによって、太陽光の反射性の高い布状体Aとされる。 【0037】 光吸収性線状体2bを多くして構成した布状体B部は、マルチングシート1の側縁部から各20%以上、好ましくは30%以上、さらに好ましくは35%以上の範囲とされ、光反射性線状体2aを多くして構成した布状体A部は、マルチングシート1の幅方向中央部に10%以上、好ましくは15〜40%の範囲とされる。布状体B部の光吸収性線状体2bの配合率は、100〜20%、好ましくは100〜50%とされ、布状体A部における光吸収性線状体2bの配合率は0〜80%、好ましくは0〜60%、さらに好ましくは0〜50%とされ、また、布状体B部の光吸収性線状体2bの配合率は、布状体A部に対して20%以上、好ましくは30%以上多くなるように構成することが望ましい。 【0038】 布状体3の糸密度は、経糸が3〜50本/25.4mm、好ましくは5〜48本/25.4mm、緯糸が3〜40本/25.4mm、好ましくは5〜30本/25.4mmが適当である。 【産業上の利用可能性】 【0039】 本発明地温調整マルチングシートは、作物の露地栽培における畦の被覆フィルムとして適している。 【図面の簡単な説明】 【0040】 【図1】本発明地温調整マルチングシートの例を示す斜視図 【図2】布状体の例を示す(A)は平面図、(B)は断面図 【図3】布状体の他の例を示す断面図 【図4】線条体の例を示す縦断面図 【符号の説明】 【0041】 A.布状体A部 B.布状体B部 1.地温調整マルチングシート 2.線条体 2a.光反射性が付与された熱可塑性樹脂製の光反射性線条体 2b.光吸収性が付与された熱可塑性樹脂製の光吸収性線条体 3.布状体 5.基層 6.接合
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| 【出願人】 |
【識別番号】390019264 【氏名又は名称】ダイヤテックス株式会社
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| 【出願日】 |
平成17年10月20日(2005.10.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100101340 【弁理士】 【氏名又は名称】丸山 英一
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| 【公開番号】 |
特開2007−110963(P2007−110963A) |
| 【公開日】 |
平成19年5月10日(2007.5.10) |
| 【出願番号】 |
特願2005−305554(P2005−305554) |
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