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【発明の名称】 植物栽培用液の浄化装置及び植物栽培用液の浄化方法
【発明者】 【氏名】若村 正人

【要約】 【課題】植物栽培用液に含まれる、バクテリア、細菌等の植物病原菌などを、簡便かつ効率的に分解除去でき、該植物病原菌による植物の発病を抑制し、しかも環境保全を実現可能な植物栽培用液の浄化装置及び植物栽培用液の浄化方法の提供。

【解決手段】浄化装置は、植物栽培用液中に添加された光触媒を循環させる循環手段を有する。浄化方法は、植物栽培用液中に添加された光触媒を循環させる工程を含む。前記光触媒が、光触媒活性を有するアパタイトを少なくとも含んでなり、該光触媒活性を有するのに必要な金属原子が、チタンである態様等が好ましい。光触媒分解浄化槽15を、屋外の太陽光16がよく照射される位置に配置し、光触媒分解浄化槽15内にて、農業用水13を貯留し、光触媒粒子12に太陽光16を受光させることにより、より活性化させた後、農業用水13を再び循環経路に戻し、ビニールハウス11内の水耕栽培苗床17に流通させた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物栽培用液中に添加された光触媒を循環させる循環手段を少なくとも有することを特徴とする植物栽培用液の浄化装置。
【請求項2】
循環手段が、植物栽培用液自体を循環させる請求項1に記載の植物栽培用液の浄化装置。
【請求項3】
光触媒の触媒活性を増大させる活性化手段を有する請求項1から2のいずれかに記載の植物栽培用液の浄化装置。
【請求項4】
光触媒が、植物栽培用液と接触可能に保持部材に一体化されてなり、該保持部材が、樹脂、セラミックス、ガラス、紙及び金属から選択される少なくとも1種で形成された請求項1から3のいずれかに記載の植物栽培用液の浄化装置。
【請求項5】
光触媒が、光触媒活性を有するアパタイトを少なくとも含んでなり、該光触媒活性を有するのに必要な金属原子が、チタン(Ti)である請求項1から4のいずれかに記載の植物栽培用液の浄化装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、植物栽培用液、特に水耕栽培に用いられる培養液などに含まれる、バクテリア、細菌等の植物病原菌を、簡便かつ効率的に分解除去することができる植物栽培用液の浄化装置及び植物栽培用液の浄化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ビニールハウス等を用いて狭い領域にて高密度に農作物などを栽培すると、バクテリア、細菌等の植物病原菌の存在により、植物に病気が蔓延し易く、特に、土を使用しない水耕栽培では、植物の成長に必要な栄養素を多量に含む農業用水(培養液)を循環させるため、水中で様々な種類のバクテリアが増殖し易く、水質汚濁が進行し、植物の病気の発生率が高いものとなっていた。
ビニールハウスによる植物栽培では、温度及び水の管理により効率的に栽培を行い、シーズンを通して安定した製品供給を実現してきたものの、水の管理が難しく、一度病気が発生すると、その進行を阻止することが困難であり、最悪の場合、栽培している植物が全滅することもあり、栽培上、水質汚染が極めて大きな問題となっていた。また、植物病原菌に汚染された農業用水を一般河川に排出すると、周辺河川の環境汚染を招くという問題もあった。
【0003】
前記問題を解決する方法としては、例えば、汚染された農業用水をフィルターで浄化する方法が知られており、具体的には、殺菌タンク内にて、光触媒体を用いて水耕栽培培養液を浄化した後、該水耕栽培培養液をフィルターから通過させて植物を有する水耕栽培槽へ送り出す、培養液の殺菌方法が提案されている(特許文献1参照)。しかし、この方法では、光触媒による浄化が殺菌タンク内でしか行われないため、該殺菌タンクを通過した水耕栽培培養液は、水耕栽培槽を通過する際に、再びバクテリア等の植物病原菌により汚染され、殺菌タンク以外の部位における培養液の流通経路においては、必ずしも培養液が清浄であるとはいえず、植物病原菌の増殖を効果的に阻止乃至抑制することができない。また、一度増殖したバクテリア、菌類等を除去することは困難である。
また、抗菌剤等の農薬を使用する方法も知られている。しかし、環境保全や安全性の観点からは、有毒成分を含有する農薬の使用は好ましいとはいえない。
【0004】
したがって、植物栽培用液、特に水耕栽培に用いられる培養液などに含まれる、バクテリア、細菌等の植物病原菌などを、簡便かつ効率的に分解除去することができ、該植物病原菌による植物の発病を抑制し、しかも環境保全を実現可能な植物栽培用液の浄化装置及び植物栽培用液の浄化方法は未だ提供されていないのが現状である。
【0005】
【特許文献1】特開平10−249210号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、植物栽培用液、特に水耕栽培に用いられる培養液などに含まれる、バクテリア、細菌等の植物病原菌などを、簡便かつ効率的に分解除去することができ、該植物病原菌による植物の発病を抑制し、しかも環境保全を実現可能な植物栽培用液の浄化装置及び植物栽培用液の浄化方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための手段としては、後述の付記に記載の通りである。即ち、
本発明の植物栽培用液の浄化装置は、植物栽培用液中に添加された光触媒を循環させる循環手段を少なくとも有することを特徴とする。
該植物栽培用液の浄化装置においては、前記循環手段が、前記植物栽培用液中に添加された前記光触媒を循環させる。このとき、前記光触媒は、光の照射により活性化されているので、該光触媒が循環されると、前記植物栽培用液中に含まれるバクテリア、細菌等の植物病原菌が、分解除去される。その結果、前記光触媒を含む前記植物栽培用液は常に清浄状態にあり、ビニールハウス等による集中的な栽培においても、前記植物病原菌による植物の発病を阻止乃至抑制することができる。
特に、植物の栽培が水耕栽培である場合、植物の育成に必要な液体肥料が混入された培養液を用いるため、水質の管理が困難であり、有害なバクテリアや菌類が増殖し易く、植物が病気になり易いが、本発明の前記植物栽培用液の浄化装置を用いると、前記植物病原菌の増殖を効果的に阻止乃至抑制することができる。
また、前記光触媒の循環により清浄状態にある前記植物栽培用液は、例えば、一般河川に排出しても、周辺河川の環境汚染を招くことがないため、環境保全の実現をも図ることができる。
【0008】
本発明の植物栽培用液の浄化装置においては、循環手段が、植物栽培用液自体を循環させる態様が好ましい。該植物栽培用液の浄化装置においては、前記循環手段として、例えば循環ポンプ等を用い、前記植物栽培用液自体を循環させると、該植物栽培用液と共に、該植物栽培用液中の前記光触媒も循環される。このため、前記植物栽培用液中の植物病原菌を簡便かつ効率的に分解除去可能である。
【0009】
本発明の植物栽培用液の浄化装置においては、光触媒の触媒活性を増大させる活性化手段を有する態様が好ましい。該植物栽培用液の浄化装置においては、前記活性化手段が、前記光触媒の触媒活性を増大させる。その結果、前記光触媒が循環中に、バクテリア等の植物病原菌を分解除去しつつ、前記活性化手段により、触媒活性が更に増大され、前記植物栽培用液中の植物病原菌の分解除去が促進される。このため、前記活性化手段を通過する前記植物栽培用液を、より清浄な状態にして再び循環経路に戻すことができる。
【0010】
本発明の植物栽培用液の浄化装置においては、光触媒が、植物栽培用液と接触可能に保持部材に一体化されてなり、該保持部材が樹脂で形成された態様が好ましい。該植物栽培用液の浄化装置においては、前記光触媒が、前記植物栽培用液と接触可能に前記保持部材に一体化されているので、前記植物栽培用液中に増殖するバクテリア等の植物病原菌と接触可能であり、該植物病原菌を分解除去することができる。また、前記保持部材が樹脂で形成されており、該樹脂は、前記光触媒が吸収する波長域の光に対する透過率が高いので、光の照射による前記光触媒の活性が有効かつ効率的に行われる。
【0011】
本発明の植物栽培用液の浄化装置においては、光触媒が、光触媒活性を有するアパタイトを少なくとも含んでなり、該光触媒活性を有するのに必要な金属原子が、チタン(Ti)である態様が好ましい。該植物栽培用液の浄化装置においては、前記光触媒が、各種の有害物質に対する吸着特性に優れた、光触媒活性を有するチタンアパタイトであるので、バクテリア、細菌等の植物病原菌などを強力に吸着し、かつ分解除去することができ、これらの増殖を阻止乃至抑制可能である。
【0012】
本発明の植物栽培用液の浄化方法は、植物栽培用液中に添加された光触媒を循環させる循環工程を少なくとも含むことを特徴とする。
該植物栽培用液の浄化方法では、前記循環工程において、前記植物栽培用液中に添加された前記光触媒が循環される。このとき、前記光触媒は、光の照射により活性化されているので、該光触媒が循環されると、前記植物栽培用液中に含まれるバクテリア、細菌等の植物病原菌が、簡便かつ効率的に分解除去される。その結果、前記光触媒を含む前記植物栽培用液は常に清浄状態にあり、ビニールハウス等による集中的な栽培においても、前記植物病原菌により植物の発病が阻止乃至抑制される。
特に、植物の栽培が水耕栽培である場合、植物の育成に必要な液体肥料が混入された培養液を用いるため、水質の管理が困難であり、有害なバクテリアや菌類が増殖し易く、植物が病気になり易いが、本発明の前記植物栽培用液の浄化方法を用いると、前記植物病原菌の増殖が効果的に阻止乃至抑制される。
また、前記光触媒の循環により清浄状態にある前記植物栽培用液は、例えば、一般河川に排出しても、周辺河川の環境汚染を招くことがないため、環境保全が実現される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、従来における前記問題を解決することができ、植物栽培用液、特に水耕栽培に用いられる培養液などに含まれる、バクテリア、細菌等の植物病原菌などを、簡便かつ効率的に分解除去することができ、該植物病原菌による植物の発病を抑制し、しかも環境保全を実現可能な植物栽培用液の浄化装置及び植物栽培用液の浄化方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(植物栽培用液の浄化装置及び植物栽培用液の浄化方法)
本発明の植物栽培用液の浄化装置は、循環手段を少なくとも有し、好ましくは活性化手段を有し、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。
本発明の植物栽培用液の浄化方法は、循環工程を少なくとも含み、好ましくは活性化工程を含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程を含む。前記循環工程は、前記循環手段により好適に行うことができ、前記活性化工程は、前記活性化手段により好適に行うことができ、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。このため、本発明の植物栽培用液の浄化方法は、本発明の前記植物栽培用液の浄化装置により好適に実施することができ、本発明の前記植物栽培用液の浄化装置を実施すると本発明の植物栽培用液の浄化方法を実施することになる。
以下、本発明の植物栽培用液の浄化装置について詳細に説明すると共に、その説明を通じて本発明の前記植物栽培用液の浄化方法の内容をも明らかにする。
【0015】
<循環手段及び循環工程>
前記循環手段は、植物栽培用液中に添加された光触媒を循環させる機能を有する。
前記循環工程は、植物栽培用液中に添加された光触媒を循環させる工程である。
前記循環工程は、前記循環手段により好適に行うことができる。
【0016】
−植物栽培用液−
前記植物栽培用液としては、植物の栽培に用いる溶液であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、農業用水が挙げられる。
前記農業用水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、水耕栽培、特に、ビニールハウス内における植物栽培用の培養液、水田(棚田)用水などが好適に挙げられる。前記水耕栽培用の培養液の場合、該培養液には植物の育成に必要な液体肥料が混入されるため、水質の管理が困難であり、有害なバクテリアや菌類が増殖し易い点で、本発明の浄化効果がより顕著に現れる。
【0017】
−光触媒−
前記光触媒は、前記植物栽培用液中に添加されている。
前記光触媒の形態としては、特に制限はなく、その形状、大きさ、比重等については適宜選択することができるが、例えば、粒子状(粒状)、粉状、多孔質固形状、などが好適に挙げられる。これらの中でも、前記植物栽培用液中に存在するバクテリア等の植物病原菌との接触効率に優れる点で、粒子状(粒状)であるのが特に好ましい。
また、前記粒子状(粒状)の光触媒は、更に表面に凹凸を有する、例えば、イガグリ形状であるのが好ましい。この場合、前記光触媒の表面積が拡大し、前記植物病原菌との接触効率がより向上する。
前記光触媒の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記光触媒の比重としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、小さいほど好ましく、前記植物栽培用液中で沈降することなく、浮遊して循環可能であるのが好ましい。
前記光触媒が前記粉状乃至粒子状(粒状)である場合、該光触媒の粒度分布としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記粒度分布がシャープである(狭くなる)程、前記光触媒を前記植物栽培用液中に、均一に分散させて循環させることができる。
【0018】
前記光触媒の光触媒活性の発現に必要な光の波長としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記植物栽培用液の浄化装置が太陽光照射条件下で主に使用するものである点で、紫外光乃至可視光等の広帯域の光に対して吸収性を示し、光触媒活性を発現可能であるのが好ましい。
【0019】
前記光触媒の具体的な材質乃至組成としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、光触媒活性(光触媒能)を有するアパタイトなどが特に好適に挙げられる。該光触媒が、光触媒活性を有するアパタイトであると、該アパタイトの優れた吸着特性により、前記植物栽培用液中に含まれる前記バクテリア等の有害成分(植物病原菌)に対する吸着特性に優れる点で有利であり、また、その光触媒活性(光触媒能)により、吸着した前記有害成分を効率的に光触媒活性により分解除去可能である点で有利である。
これらの光触媒の中でも、光触媒活性を有するアパタイトと、可視光吸収性金属原子とを少なくとも含んでなるものが好ましく、更に紫外光吸収性金属原子を含んでなるものがより好ましい。前記光触媒が、前記可視光吸収性金属原子を含んでなる場合には、蛍光灯下の日常使用条件下での使用に好適な点で有利であり、前記紫外光吸収性金属原子を更に含んでいると、太陽光等の紫外光を含む光の照射条件下での使用に好適な点で有利である。
なお、本発明においては、前記光触媒は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0020】
前記光触媒活性(光触媒能)を有するアパタイトとしては、光触媒活性を有する限り特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アパタイトが、光触媒活性を有するのに必要な金属原子(以下、光触媒活性を発現可能な金属原子と称することがある。)を有してなるものなどが好適に挙げられる。前記アパタイトが該光触媒活性を有するのに必要な金属原子を有すると、該アパタイトに光が照射されると、該光触媒活性を有するのに必要な金属原子の作用により該アパタイトが活性化され、該アパタイトの表面に吸着している前記バクテリア等の有害成分(分解対象物)から電子を奪い取ることができ、該有害成分を酸化し、分解させることができる。
【0021】
前記アパタイトとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、下記一般式(1)で表されるもの、などが好適に挙げられる。
【0022】
【化1】


【0023】
前記一般式(1)において、Aは、金属原子を表し、該金属原子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルシウム(Ca)、アルミニウム(Al)、ランタン(La)、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、鉛(Pb)、カドミウム(Cd)、ユウロピウム(Eu)、イットリウム(Y)、セリウム(Ce)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、などが挙げられる。これらの中でも、吸着性に優れる点で、カルシウム(Ca)が特に好ましい。
Bは、リン原子(P)及び硫黄原子(S)のいずれかを表し、これらの中でも、生体親和性に優れる点で、リン原子(P)が好ましい。
Oは、酸素原子を表す。
Xは、水酸基(OH)、CO、及びハロゲン原子のいずれかを表し、これらの中でも、前記Aの金属原子と共に金属酸化物型の光触媒性部分構造を形成可能な点で、水酸基(OH)が特に好ましい。なお、前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、などが挙げられる。
m、n、z、及びsは、整数を表し、例えば、電荷バランスが良好な点で、mは8〜10が好ましく、nは3〜4が好ましく、zは5〜7が好ましく、sは1〜4が好ましい。
【0024】
前記一般式(1)で表されるアパタイトとしては、例えば、ハイドロキシアパタイト、フルオロアパタイト若しくはクロロアパタイト、又は、これらの金属塩、リン酸三カルシウム若しくはリン酸水素カルシウム、などが挙げられる。これらの中でも、上記一般式(1)における、Xが水酸基(OH)であるハイドロキシアパタイトが好ましく、上記一般式(1)における、Aがカルシウム(Ca)であり、Bがリン原子(P)であり、かつXが水酸基(OH)であるカルシウムハイドロキシアパタイト(CaHAP)、即ち、Ca10(PO)(OH)が特に好ましい。
【0025】
前記カルシウムハイドロキシアパタイト(CaHAP)は、カチオンに対してもアニオンに対してもイオン交換し易いため、各種の有害成分(分解対象物)に対する吸着特性に優れ、特にタンパク質等の有機物に対する吸着特性に優れており、加えて、ウイルス、カビ、細菌等の微生物等に対する吸着特性にも優れ、これらの増殖を阻止乃至抑制し得る点で好ましい。
【0026】
前記アパタイトの前記光触媒における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、85〜97mol%であるのが好ましく、85〜90mol%であるのがより好ましい。
前記アパタイトの含有量が、85mol%未満であると、前記光触媒の光触媒活性が十分でないことがあり、97mol%を超えても、それに見合う効果が得られず、また、該光触媒の前記有害成分(分解対象物)に対する吸着特性や光触媒活性等が低下することがある。
なお、前記アパタイトの前記光触媒における含有量は、例えば、ICP−AESによる定量分析を行うことにより測定することができる。
【0027】
前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子としては、光触媒中心として機能し得る限り特に制限はなく、光触媒活性を有するものとして公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、光触媒活性に優れる点で、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)、スズ(Sn)、インジウム(In)、鉄(Fe)、などから好適に選択される少なくとも1種が好適に挙げられる。これらの中でも、特に前記光触媒活性(光触媒能)に優れる点で、チタン(Ti)が好ましい。
【0028】
前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子の前記光触媒における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記光触媒における全金属原子に対し、5〜15mol%であるのが好ましく、8〜12mol%であるのがより好ましい。
前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子の含有量が、5mol%未満であると、前記光触媒の光触媒活性が十分でないことがあり、15mol%を超えても、それに見合う効果が得られず、また、該光触媒の分解対象物に対する吸着特性や光触媒活性等が劣化することがある。
なお、前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子の前記光触媒における含有量は、例えば、ICP−AESによる定量分析を行うことにより測定することができる。
【0029】
前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子が、前記アパタイトの結晶構造を構成する金属原子の一部として該アパタイトの結晶構造中に取り込まれる(置換等される)ことによって、該アパタイトの結晶構造内に、光触媒機能を発揮し得る「光触媒性部分構造」が形成される。
このような光触媒性部分構造を有する前記アパタイトは、光触媒活性を有し、また、アパタイト構造部分が吸着特性に優れ、光触媒活性を有する公知の金属酸化物よりも、前記有害成分(分解対象物)に対する吸着特性に優れるため、分解作用、抗菌作用、防汚作用、カビや細菌等の増殖阻止乃至抑制作用に優れる。
【0030】
前記光触媒活性を有するアパタイトとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記光触媒活性を有するアパタイトの市販品としては、例えば、前記カルシウム・チタンハイドロキシアパタイトでは、太平化学産業株式会社製の商品名「PCAP−100」などが好適に挙げられる。
【0031】
前記可視光吸収性金属原子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、波長400nm以上の光に対し、吸収特性を有するもの、などが好適に挙げられ、具体的には、クロム(Cr)及びニッケル(Ni)から選択される少なくとも1種などがより好ましく、前記光触媒の光触媒活性の状態を目視にて視認可能にする観点からは、その光触媒活性の状態により、淡黄色から淡青色へと、更に淡青色から濃青色へと変色可能なクロム(Cr)が好ましい。
【0032】
前記可視光吸収性金属原子の前記光触媒における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、全金属原子に対し、0.001〜1mol%であるのが好ましく、0.01〜1mol%がより好ましい。
前記可視光吸収性金属原子の含有量が、0.001mol%未満であると、前記光触媒の可視光の吸収能が十分でないことがあり、1mol%を超えてもそれに見合う効果が得られず、前記光触媒の前記有害成分(分解対象物)に対する吸着性能が低下等してしまうことがある。
なお、前記可視光吸収性金属原子の前記光触媒における含有量は、例えば、ICP−AESによる定量分析を行うことにより測定することができる。
【0033】
前記紫外光吸収性金属原子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記光触媒の可視光吸収性及び紫外光吸収性を飽和させない点で、タングステン(W)及びバナジウム(V)の少なくともいずれかであるのが好ましい。これらは、前記光触媒中に、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
【0034】
前記紫外光吸収性金属原子の含有量としては、全金属原子に対し、0.001〜0.1mol%であるのが好ましい。
前記紫外光吸収性金属原子の含有量が、0.001mol%未満であると、前記光触媒の紫外光の吸収能が十分でないことがあり、0.1mol%を超えてもそれに見合う効果が得られず、前記光触媒の前記有害成分(分解対象物)に対する吸着性能が低下したり、可視光の吸収能が低下等してしまうことがある。
なお、前記紫外光吸収性金属原子の前記光触媒における含有量は、例えば、ICP−AESによる定量分析を行うことにより測定することができる。
【0035】
前記光触媒においては、前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子と、前記紫外光吸収性金属原子と、前記可視光吸収性金属原子との含有量の合計としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、15mol%以下が好ましく、3〜15mol%がより好ましい。
前記含有量の合計が、15mol%を超えてもそれに見合う光触媒活性の向上効果が得られず、却って光触媒活性が低下することがある。
【0036】
前記光触媒の具体例としては、前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子がチタン(Ti)であり、前記アパタイトがカルシウムハイドロキシアパタイト(CaHAP):Ca10(PO)(OH)であり、前記可視光吸収性金属原子がクロム(Cr)であるものが好ましく、更に、前記紫外光吸収性金属原子を含み、該紫外光吸収性金属原子がタングステン(W)及びバナジウム(V)の少なくともいずれかであるものがより好ましい。
このような光触媒は、前記植物栽培用液中に含まれる前記有害成分(分解対象物)の吸着性能に優れ、また、前記光触媒が前記紫外光吸収性金属原子も含む場合には、可視光のみならず紫外光をも吸収可能であり広帯域な光吸収性を示し、光の利用効率に優れ、各種光の照射条件下、例えば、太陽光照射条件下における用途に好適に使用可能である。そして、該光触媒は、可視光及び紫外光のいずれを照射した場合においても光触媒活性が飽和することがなく、長期間にわたって優れた光触媒活性を示し、特に紫外光を長期間にわたって照射した場合においても光触媒活性が飽和することがなく優れた光触媒活性(光触媒能)を維持可能な点で有利である。
【0037】
前記光触媒の構造としては、例えば、単層構造、積層構造、多孔質構造、コア・シェル構造、などが挙げられる。
なお、前記光触媒の同定・形態等の観察は、例えば、TEM、XRD、XPS、FT−IR等に行うことができる。
【0038】
前記光触媒は、公知の方法に従って製造することができ、例えば、前記光触媒活性を有するアパタイト中に、上述した可視光吸収性金属原子と、更に必要に応じて上述した紫外光吸収性金属原子とをドープさせることにより製造することができる。
【0039】
前記ドープの態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、置換、化学結合、吸着などが挙げられるが、これらの中でも、反応の制御が容易であり、ドープされた後で前記可視光吸収性金属原子等が脱離等することがなく、これらを前記光触媒中で安定に保持させることができる点で、置換が好ましい。
前記置換の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記光触媒活性を有するアパタイトとして、前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子を有してなるアパタイトを用いた場合、該金属原子の少なくとも一部を、前記可視光吸収性金属原子等により置換させる態様、などが好適に挙げられる。この態様の場合には、前記可視光吸収性金属原子等が、前記アパタイトに脱落不能に保持される点で有利である。
【0040】
前記可視光吸収性金属原子等による置換の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオン交換、などが好適に挙げられる。該置換がイオン交換の場合には、置換効率に優れる点で有利である。
【0041】
前記ドープの具体的な方法、即ち前記光触媒活性を有するアパタイト中への前記可視光吸収性金属原子等のドープの具体的な方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記可視光吸収性金属原子を含む化合物等を溶解させた(共存させた)水溶液中に、前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子を有してなるアパタイトを浸漬させることにより行う浸漬法、前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子を有してなるアパタイトの原料と、前記可視光吸収性金属原子を含む化合物等を溶解させた(共存させた)水溶液中で、該原料と該可視光吸収性金属原子等を共沈させる共沈法、などが好適に挙げられる。
なお、前記水溶液は、静置しておいてもよいが、攪拌した方が前記置換が効率的に行われる点で好ましい。なお、該攪拌は、公知の装置、手段を用いて行うことができ、例えば、マグネティックスターラーを用いてもよいし、攪拌装置を用いてもよい。これらの方法の中でも、簡便に操作可能な点で、浸漬法がより好ましい。
【0042】
なお、前記浸漬法においては、上述のように、前記可視光吸収性金属原子を含む化合物等を溶解させた(共存させた)水溶液中に、前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子を有してなるアパタイトを浸漬させてもよいし、逆に、前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子を有してなるアパタイトを分散させた水溶液中に、前記可視光吸収性金属原子等を含む化合物とを前記水溶液中に溶解させてもよい。
【0043】
また、上述の製造例では、前記光触媒活性を有するアパタイトを出発物質として用いているが、これに代えて、上述したアパタイトと、上述した光触媒活性を有するのに必要な金属原子とを出発物質として用いて、前記可視光吸収性金属原子等のドープと同時に、あるいはそれに先立って、前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子を、前記アパタイトにドープさせてもよい。この場合には、前記可視光吸収性金属原子等のドープと、前記光触媒活性を有するアパタイトの形成とを同時に行うことになり、あるいは、前記光触媒活性を有するアパタイトを形成してから、次に、前記可視光吸収性金属原子等のドープを行うことになる。
なお、前記光触媒活性を有するアパタイトを出発物質として用いる態様の場合には、予めNiがドープされているカルシウム・チタンハイドロキシアパタイト(TiHAP)を、前記光触媒活性を有するアパタイトとして好適に使用することができる。
【0044】
前記ドープの際の前記水溶液中での前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子を有してなるアパタイトの濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.3〜1.0質量%が好ましく、0.4〜0.6質量%がより好ましい。
前記アパタイトの濃度が、0.3質量%未満であると、光触媒活性が低下することがあり、1.0質量%を超えても、それに見合う光触媒活性の向上効果が得られず、却って光触媒活性が低下することがある。
【0045】
前記ドープの際の前記水溶液中での前記可視光吸収性金属原子の濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1×10−4〜1×10−3Mが好ましく、1×10−4〜5×10−4Mがより好ましい。
前記可視光吸収性金属原子の濃度が、1×10−4M未満であると、可視光応答性が低下することがあり、1×10−3Mを超えても、それに見合う可視光応答性の向上効果が得られず、却って可視光応答性が低下することがある。
【0046】
前記ドープの際の前記水溶液中での前記紫外光吸収性金属原子の濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1×10−3〜1×10−2Mが好ましく、9×10−3〜1×10−2Mがより好ましい。
前記紫外光吸収性金属原子の濃度が、1×10−3M未満であると、紫外光に対する光触媒活性が低下することがあり、1×10−2Mを超えても、それに見合う光触媒活性の向上効果が得られず、却って紫外光に対する活性が低下することがある。
【0047】
前記ドープの際における、前記水溶液中に浸漬させる前記可視光吸収性金属原子の形態としては、該水溶液中への溶解容易性、該水溶液中での該紫外光吸収性金属原子の濃度調整の容易性等の点で、該可視光吸収性金属原子の塩又は水和物の形態であるのが好ましい。
該塩又は水和物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記可視光吸収性金属原子が、クロム(Cr)及びニッケル(Ni)である場合には、これらから選択される少なくとも1種を含む塩であるのが好ましく、塩化物や硫酸塩では光触媒活性を低下させることがあるため、硝酸塩やアンモニウム塩であるのが特に好ましい。
【0048】
前記ドープを行う反応系としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、液中、空気中、などで行うことができるが、液中で行うのが好ましい。
この場合、該液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、水乃至水を主体にした液が好ましい。
なお、該液を収容する容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ラージスケールであれば混合器、攪拌器などが挙げられ、スモールスケールであればビーカーなどが好適に挙げられる。
【0049】
前記ドープの際の条件としては、特に制限はなく、温度、時間、圧力等については目的に応じて適宜選択することができる。
前記温度としては、特に制限はなく、材料の種類や量比等に応じて異なり、一概に規定することはできないが、例えば、通常、0℃〜100℃程度であり、室温(20℃〜30℃)が好ましい。前記時間としては、特に制限はなく、材料の種類や量比に応じて異なり、一概に規定することはできないが、通常、10秒〜30分間程度であり、1〜10分間がより好ましい。前記圧力としては、特に制限はなく、材料の種類や量比等に応じて異なり、一概に規定することはできないが、通常、大気圧であるが好ましい。
なお、前記光触媒における、前記光触媒活性を有する金属、前記可視光吸収性金属原子等の量は、これらの添加量(M)、あるいは前記条件を適宜調整することにより、所望に制御することができる。
【0050】
前記焼成は、前記光触媒活性を有するアパタイト中に、前記可視光吸収性金属原子等をドープさせた後(前記ドープ工程の後)、ドープが完了した該アパタイトを600〜800℃で焼成する工程である。
前記焼成の温度が、600℃未満であると、光触媒活性が最大とならないことがあり、800℃を超えると、分解が生ずることがある。
【0051】
前記焼成の条件、例えば、時間、雰囲気、圧力、装置等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記時間としては、前記ドープが完了したアパタイトの量等に応じて異なり、一概に規定することはできないが、例えば、1時間以上が好ましく、1〜2時間がより好ましい。前記雰囲気としては、例えば、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気、大気雰囲気などが挙げられるが、大気雰囲気が好ましい。前記圧力としては、例えば、大気圧などが挙げられる。前記装置としては、公知の焼成装置を使用することができる。
前記焼成を行うことにより、前記可視光吸収性金属原子等をドープした、前記光吸収活性を有するアパタイトの結晶性を高めることができ、前記光触媒における光触媒能(吸着特性、光触媒活性などを含む)をより高めることができる。
【0052】
ここで、前記光触媒の製造方法の一例について説明する。前記ドープを前記置換で行う場合、具体的には前記置換をイオン交換により共沈法で行う場合には、まず、脱炭酸ガス処理をした純水に、例えば、前記アパタイトとしてカルシウムハイドロキシアパタイト(CaHAP)の硝酸カルシウムの水溶液と、該CaHAPに前記光触媒活性を有する金属としてチタンをドープさせるための、該チタンを含む硫酸チタンの水溶液と、前記可視光吸収性金属原子であるクロムを含む硝酸クロムの水溶液と、前記紫外光吸収性金属原子である短癖点を含む12タングストリン酸n水和物の水溶液とを所定量で混合する。次いで、得られた混合物に燐酸を添加し、更にアンモニア水を添加してpHを9に調整する。得られた懸濁液を、100℃にて6時間エージング(熟成、結晶成長)し、濾過する。濾別した沈殿を純水で洗浄し、乾燥する。その後、650℃まで1時間かけて昇温して焼成する。以上により、前記紫外光吸収性原子としてバナジウム(V)を、前記可視光吸収性金属原子としてクロム(Cr)を、それぞれドープしたTiHAP粉体(光触媒)が製造される。
【0053】
また、前記ドープを前記置換で行う場合、具体的には前記置換をイオン交換により浸漬法で行う場合には、まず、前記可視光吸収性金属原子としてクロムを含む硝酸クロム(III)九水和物を純水に溶解し、硝酸クロム水溶液を調製する。ビーカーに前記光触媒活性を有するのに必要な金属原子(チタン)を有してなるアパタイトとしてのカルシウム・チタンハイドロキシアパタイト(TiHAP)を秤量し、そこに前記硝酸クロム水溶液を添加する。この混合液をマグネティックスターラーで5分間攪拌した後、濾紙でアスピレータを使用して吸引濾過を行い、純水で洗浄し、100℃のオーブンで2時間乾燥することにより、前記可視光クロムをドープさせたTiHAP粉体を得た。次に、前記紫外光吸収性金属原子としてのバナジウムを含むバナジン酸アンモニウムを純水に溶解し、バナジウム酸アンモニウム水溶液を調製した。ビーカーに上記クロムドープTiHAPを秤量し、前記バナジウム酸アンモニウム水溶液を添加する。この混合溶液をマグネティックスターラーで攪拌した後、濾紙でアスピレータを使用して吸引濾過を行い、純水で洗浄し、100℃のオーブンで2時間乾燥した。その後、マッフル炉で650℃にて1時間の焼成(大気雰囲気)を行った。以上により、前記可視光吸収性金属原子であるクロム及び前記紫外光吸収性金属原子であるバナジウムをドープさせたTiHAP粉体(光触媒活性を有するのに必要な金属原子を有してなるアパタイト)からなる光触媒が製造される。
【0054】
前記光触媒は、前記植物栽培用液と接触可能に保持部材に保持されているのが好ましい。この場合、前記光触媒は、前記植物栽培用液中に増殖するバクテリア等の植物病原菌と接触可能であり、該植物病原菌を分解除去することができる。
また、前記保持部材及び前記光触媒は、前記光触媒が、前記保持部材に一体化されてなるのが好ましい。従来の光触媒の材料である酸化チタンでは、前記樹脂と直接一体化すると、該酸化チタンの光触媒効果により、前記樹脂自身を劣化させてしまうため、一体化して成形することができなかった。しかし、本発明における前記光触媒(光触媒チタンアパタイト等)では、前記樹脂と直接一体化しても、該樹脂自身を殆ど劣化させることがないため、一体化して形成し使用することができる。
【0055】
前記保持部材は、前記光触媒を保持(収容)することができる限り、その形状、構造、大きさ、比重、材質等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0056】
前記保持部材の形状としては、例えば、球状、筒状(円筒、角筒など)、管状(円管、角管など)、板状、シート状などが好適に挙げられる。
なお、前記形状が筒状、管状等である場合、これらは、直線状であってもよいし、曲線状であってもよく、あるいはこれらの結合形状であってもよい。
前記保持部材の構造としては、中空構造であってもよいし、中実構造であってもよく、例えば、前記中空構造である場合、単一空間構造、空間が複数に分割された複数空間構造、などが挙げられ、また、単一の部材で形成されていてもよいし、2以上の部材が組み合わされた構造であってもよい。
【0057】
前記保持部材の大きさとしては、例えば、前記光触媒を保持(収容)させて、前記植物栽培用液中を循環させる場合には、該植物栽培用液中を循環可能な程度の大きさであるのが好ましく、前記前記光触媒の大きさと略同等であるのが好ましい。
また、前記植物栽培用液の浄化装置が、後述する活性化手段を有する場合、該活性化手段内に設けられる前記保持部材は、該活性化手段としての浄化槽の内壁面(底面等)に相当する大きさであるのが好ましい。
更に、前記光触媒を保持した保持部材を、前記植物栽培用液の循環経路中にフィルター等として設ける場合には、該植物栽培用液の循環路(配管)の大きさと略同等であるのが好ましい。
【0058】
前記保持部材の比重としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記光触媒を保持した状態にて前記植物栽培用液中を循環させる場合、前記比重は小さいほど好ましく、前記光触媒を前記植物栽培用液中で沈降させることなく、循環可能な程度に小さいのが好ましい。前記比重は、例えば、前記保持部材を、気泡を含む発泡粒子状に形成することにより小さくすることができる。
【0059】
前記保持部材の材質(材料)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記光触媒が吸収する波長域の光に対する透過率が高い材料であるのが好ましく、更に透明であるのがより好ましく、更に無色透明であるのが特に好ましいが、具体的には、樹脂、セラミックス、ガラス、紙、金属などが挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、これらの中でも、成形性、低コスト性等の観点からは、樹脂が好ましく、前記光触媒が、前記保持部材と一体化されて形成される場合には、樹脂が特に好ましい。
なお、前記光触媒保持部の材質(材料)が前記樹脂である場合には、該樹脂が適宜選択した公知の添加剤等を含有していてもよい。
この場合、該添加剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、充填材、難燃剤、抗菌剤、可塑剤、などが挙げられる。
【0060】
前記保持部材の成形方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、該保持部材が前記樹脂で形成されている場合には、例えば、フィルム成形、押出成形、射出成形、ブロー成形、圧縮成形、トランスファー成形、カレンダー成形、熱成形、流動成形、積層成形、などが挙げられる。
【0061】
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、合成樹脂、生分解性樹脂、などが好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0062】
前記合成樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、などが好適に挙げられ、これらの具体例としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、フッ素系樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、メチルメタクリレート−ブタジエン樹脂、変性メチルメタクリレート−ブタジエン樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、などが挙げられる。これらの中でも、成形性、透明性等の点で、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、などが好ましい。
【0063】
前記生分解性樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、天然物由来生分解性樹脂、化学合成生分解性樹脂、その他のものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記天然物由来生分解性樹脂としては、例えば、キチン、キトサン、アルギン酸、グルテン、コラーゲン、ポリアミノ酸、バクテリアセルロース、プルラン、カードラン、多糖類系副産物、デンプン、変性デンプン、微生物産生ポリエステル(バイオポリエステル)、などが挙げられる。
前記化学合成生分解性樹脂としては、例えば、脂肪族ポリエステル、脂肪族・芳香族ポリエステル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリウレタン(PU)、などが挙げられる。前記脂肪族ポリエステルとしては、例えば、ポリ3−ヒドロキシブチレート(PHB)、ポリ3−ヒドロキシバレエート等のポリヒドロキアルカノエート系、ポリカプロラクトン(PCL)系、ポリブチレンサクシネート(PBS)系、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)系、ポリエチレンサクシネート(PES)系、ポリグリコール酸(PGA)系、ポリ乳酸(PLA)系、などが挙げられる。
前記その他のものとしては、例えば、脂肪族ポリエステルのカーボネート共重合体、脂肪族ポリエステルとポリアミドとの共重合体、などが挙げられる。
【0064】
前記生分解性樹脂の中でも、成形性・耐熱性・耐衝撃性等に優れる点で脂肪族系ポリエステル樹脂が好ましく、その中でもポリ乳酸(PLA)系脂肪族系ポリエステル樹脂がより好ましく、環境面の観点からはポリ乳酸が特に好ましい。
前記ポリ乳酸(PLA)系脂肪族系ポリエステル樹脂としては、例えば、乳酸、りんご酸、グルコース酸等のオキシ酸の重合体、これらの共重合体などが挙げられる。これらの中でも、ポリ乳酸に代表されるヒドロキシカルボン酸系脂肪族系ポリエステル樹脂が特に好適に挙げられる。
【0065】
前記ヒドロキシカルボン酸系脂肪族系ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、環状ジエステルであるラクチド及び対応するラクトン類の開環重合によるラクチド法、乳酸直接脱水縮合法、などが挙げられる。また、製造時に使用する触媒としては、錫、アンチモン、亜鉛、チタン、鉄、アルミニウム化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、錫、アルミニウム化合物などが好ましく、オクチル酸錫、アルミニウムアセチルアセトネートがより好ましい。
【0066】
前記光触媒が、前記保持部材に一体化されてなり、該保持部材が樹脂で形成される場合、該光触媒と該保持部材とを一体化して形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記保持部材の材料としての前記樹脂に前記光触媒を添加して練りこみ、例えば、プレートを成形した後、該プレートを所望の形状及び大きさに切断することにより形成することができる。
この場合、前記保持部材の材料としての前記樹脂に対する前記光触媒の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記光触媒の添加量が多くなるほど、前記植物栽培用液中に含まれる前記有害成分の分解除去能に優れるが、前記保持部材の成形性が低下するため、成形可能な程度に添加量を多くするのが好ましく、例えば、30〜80質量%が好ましく、50〜80質量%がより好ましい。
【0067】
−循環−
前記循環は、前記循環手段により好適に行うことができる。
前記循環手段により、前記光触媒が前記植物栽培用液中で循環されると、前記光触媒は、前記植物栽培用液中に含まれるバクテリア、細菌等の植物病原菌を吸着し、このとき、該光触媒は、光の照射により活性化されているので、前記植物病原菌が分解除去される。その結果、前記植物栽培用液は、常に清浄状態に保たれ、前記植物病原菌による植物の発病を阻止乃至抑制することができる。
【0068】
前記循環の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記循環手段が、植物栽培用液自体を循環させる態様、前記循環手段が、光触媒自体を循環させる態様などが好適に挙げられる。
【0069】
前記植物栽培用液自体を循環させる場合、前記循環手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、循環ポンプなどが好適に挙げられる。該循環ポンプを用いて、前記植物栽培用液自体を循環させると、該植物栽培用液と共に、該植物栽培用液中の前記光触媒も循環させることができ、前記植物栽培用液中の植物病原菌を簡便かつ効率的に分解除去可能である。
前記循環ポンプとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プランジャーポンプ、ダイヤフラムポンプなどが挙げられる。
前記植物栽培用液の循環速度、循環流量などについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0070】
前記光触媒自体を循環させる場合、前記循環手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、磁力を利用したものが好適に挙げられる。前記光触媒に磁性を付与し、更に前記光触媒の循環方向に磁場を形成すると、該磁場に沿って前記光触媒が移動し、前記植物栽培用液中を循環させることができ、前記植物栽培用液中の植物病原菌を簡便かつ効率的に分解除去可能である。
前記光触媒に付与する磁力、前記光触媒の循環方向に形成する磁場の大きさなどについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0071】
<活性化手段及び活性化工程>
前記活性化手段は、光触媒の触媒活性を増大させる機能を有する。
前記活性化工程は、光触媒の触媒活性を増大させる工程である。
前記活性化工程は、前記活性化手段により好適に行うことができる。
【0072】
前記活性化手段としては、前記光触媒の触媒活性を増大させることができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記光触媒に紫外線を受光させて活性化させるものが好ましく、例えば、前記光触媒を含む前記植物栽培用液を収容(貯留)し、該光触媒に紫外線を照射可能な水槽(浄化槽)などが好適に挙げられる。
前記活性化手段の形状、構造、大きさ、材質等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記材質としては、前記紫外線を透過可能であることが必要であり、透明が好ましく、無色透明が好ましく、具体的には、ガラス、樹脂などが好適に挙げられる。
前記活性化手段の配設位置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記光触媒の循環経路の途中であって、前記紫外線、例えば太陽光を受光可能な位置が好適に挙げられる。この場合、前記光触媒が循環中に、バクテリア等の植物病原菌を分解除去しつつ、前記活性化手段により、紫外線を受光して触媒活性が更に増大され、前記植物栽培用液中の植物病原菌の分解除去が促進される。このため、前記活性化手段を通過する前記植物栽培用液を、より清浄な状態にして再び循環経路に戻すことができる。
【0073】
また、前記活性化手段が前記浄化槽である場合、該浄化槽の内壁面(底面等)には、前記光触媒を保持した前記保持部材を配置するのが好ましい。例えば、前記光触媒を前記樹脂に練りこんで形成したプレート状又はシート状のものを、前記浄化槽の内壁面(底面等)に配置すると、該保持部材に保持された前記光触媒が前記バクテリア等の植物病原菌を吸着し、更に分解除去するので、前記植物栽培用液中を循環する光触媒による分解除去に加え、前記浄化槽内での分解除去により、前記植物栽培用液は、より清浄化される。
【0074】
本発明の植物栽培用液の浄化装置によると、前記循環手段が、前記植物栽培用液中に添加された前記光触媒を循環させる。このとき、光の照射により活性化された光触媒が循環されるので、前記植物栽培用液中に含まれるバクテリア、細菌等の植物病原菌が、分解除去される。その結果、前記光触媒を含む前記植物栽培用液は常に清浄状態にあり、前記植物病原菌による植物の発病を阻止乃至抑制することができる。このため、本発明の植物栽培用液の浄化装置は、水耕栽培、特にビニールハウスによる植物栽培などに用いる培養液の浄化に好適に使用することができ、本発明の植物栽培用液の浄化方法に特に好適に使用することができる。
【0075】
本発明の植物栽培用液の浄化方法によると、前記循環工程において、前記植物栽培用液中に添加された前記光触媒が循環される。このとき、光の照射により活性化された前記光触媒が循環されて、前記植物栽培用液中に含まれるバクテリア、細菌等の植物病原菌が、簡便かつ効率的に分解除去される。その結果、前記光触媒を含む前記植物栽培用液は常に清浄状態にあり、前記植物病原菌により植物の発病が阻止乃至抑制される。
【0076】
また、本発明の前記植物栽培用液の浄化装置及び本発明の前記植物栽培用液の浄化方法において、前記光触媒の循環により清浄状態にある前記植物栽培用液は、例えば、一般河川に排出しても、周辺河川の環境汚染を招くことがないため、環境保全が実現される。
【実施例】
【0077】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
【0078】
−光触媒のアルブミン吸着性能評価−
前記光触媒活性を有する金属としてチタンを有してなるアパタイト(光触媒チタンアパタイト)として、カルシウム・チタンハイドロキシアパタイト(TiHAP;太平化学産業株式会社製、PCAP−100)を用い、該光触媒チタンアパタイトに対する蛋白質としてのアルブミンの吸着量を下記方法に基づいて測定した。
【0079】
<アルブミンの吸着性能>
アルブミン水溶液100mg/l中に、前記光触媒チタンアパタイトを浸漬させ、該溶液に対して、遠心分離機により12,000rpmにて2時間にわたって遠心分離を行った後、上澄み液を採取し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いてアルブミン濃度を測定した。結果を図1に示す。
また、市販の酸化チタン(「ST−21」;石原産業(株)製)、酸化チタン(テイカ製)、及びアパタイト被覆酸化チタン(「ノナミック」;(株)ナノウェイブ製)について、比表面積が、前記光触媒チタンアパタイトの比表面積と同一となるように、それぞれ前記アルブミン溶液に浸漬させ、同様にしてアルブミン濃度を測定した。結果を図1に併せて示す。
【0080】
図1より、光触媒チタンアパタイトは、酸化チタンよりも吸着性能に優れ、アルブミン溶液の上澄み液中には殆どアルブミンが残っていないことが判った。また、市販品のアパタイト被覆酸化チタンでは、アパタイトによる吸着効果が充分に得られず、光触媒チタンアパタイトに比して、上澄み液中のアルブミン濃度が高いことが判った。したがって、光触媒チタンアパタイトを植物栽培用液中に添加して循環させると、植物栽培用液中に存在するバクテリア、細菌等の植物病原菌を多量に吸着し、かつ分解除去可能であると認められた。
【0081】
(実施例1)
図2に示す植物栽培用液の浄化装置10を用いて、トマトの水耕栽培を行った。
まず、前記光触媒チタンアパタイトとしてのカルシウム・チタンハイドロキシアパタイト(TiHAP;太平化学産業株式会社製、PCAP−100)を、前記樹脂(前記保持部材)としてのポリプロピレンに対して30質量%添加して練りこみ、プレートを成形し、これを粉砕機にて約3mm角程度の粒子を形成した。なお、得られた粒子(光触媒粒子)は、前記光触媒チタンアパタイトが前記保持部材に一体化されてなる。該光触媒粒子12を、図2に示す、ビニールハウス(温室)11を用いたトマトの水耕栽培における農業用水13中に分散させ、前記循環手段としての循環ポンプ14を用いて農業用水13を循環させた。
また、農業用水13の循環経路の途中に、前記活性化手段としての光触媒分解浄化槽(容積:200×200×100cm)15を、屋外の太陽光(紫外線)16がよく照射される位置に配置し、光触媒分解浄化槽15内にて、農業用水13を貯留し、光触媒粒子12に太陽光16を受光させることにより、より活性化させた後、農業用水13を再び循環経路に戻し、ビニールハウス11内の水耕栽培苗床17に流通させた。
【0082】
このようにして、水耕栽培を行ったところ、トマトの病気の発生率が、出荷量の約30〜5%に低減された。光触媒により、バクテリアや細菌等の植物病原菌が簡便かつ効率的に分解除去された結果、植物病原菌の増殖が抑制され、トマトの発病が低減されることによりトマトの収穫率が向上したことが判った。
【0083】
本発明の好ましい態様を付記すると、以下の通りである。
(付記1) 植物栽培用液中に添加された光触媒を循環させる循環手段を少なくとも有することを特徴とする植物栽培用液の浄化装置。
(付記2) 循環手段が、植物栽培用液自体を循環させる付記1に記載の植物栽培用液の浄化装置。
(付記3) 循環手段が、光触媒自体を循環させる付記1に記載の植物栽培用液の浄化装置。
(付記4) 光触媒の触媒活性を増大させる活性化手段を有する付記1から3のいずれかに記載の植物栽培用液の浄化装置。
(付記5) 光触媒が、植物栽培用液と接触可能に保持部材に保持された付記1から4のいずれかに記載の植物栽培用液の浄化装置。
(付記6) 光触媒が、保持部材に一体化されてなり、該保持部材が、樹脂、セラミックス、ガラス、紙及び金属から選択される少なくとも1種で形成された付記5に記載の植物栽培用液の浄化装置。
(付記7) 光触媒の樹脂に対する添加量が、30〜80質量%である付記6に記載の植物栽培用液の浄化装置。
(付記8) 光触媒が、粒子状である付記1から7のいずれかに記載の植物栽培用液の浄化装置。
(付記9) 光触媒が、光触媒活性を有するアパタイトを少なくとも含んでなる付記1から8のいずれかに記載の植物栽培用液の浄化装置。
(付記10) 光触媒活性を有するのに必要な金属原子が、チタン(Ti)である付記9に記載の植物栽培用液の浄化装置。
(付記11) 植物栽培用液中に添加された光触媒を循環させる循環工程を少なくとも含むことを特徴とする植物栽培用液の浄化方法。
(付記12) 循環工程が、植物栽培用液自体を循環させる付記11に記載の植物栽培用液の浄化方法。
(付記13) 循環工程が、光触媒自体を循環させる付記11に記載の植物栽培用液の浄化方法。
(付記14) 光触媒の触媒活性を増大させる活性化工程を含む付記11から13のいずれかに記載の植物栽培用液の循環方法。
(付記15) 光触媒が、植物栽培用液と接触可能に保持部材に保持された付記11から14のいずれかに記載の植物栽培用液の浄化方法。
(付記16) 光触媒が、保持部材に一体化されてなり、該保持部材が、樹脂、セラミックス、ガラス、紙及び金属から選択される少なくとも1種で形成された付記15に記載の植物栽培用液の浄化方法。
(付記17) 光触媒の樹脂に対する添加量が、30〜80質量%である付記16に記載の植物栽培用液の浄化方法。
(付記18) 光触媒が、粒子状である付記11から17のいずれかに記載の植物栽培用液の浄化方法。
(付記19) 光触媒が、光触媒活性を有するアパタイトを少なくとも含んでなる付記11から18のいずれかに記載の植物栽培用液の浄化方法。
(付記20) 光触媒活性を有するのに必要な金属原子が、チタン(Ti)である付記19に記載の植物栽培用液の浄化方法。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明の植物栽培用液の浄化装置は、バクテリア、細菌等の植物病原菌による植物の発病を阻止乃至抑制することができ、水耕栽培、特にビニールハウスによる植物栽培などに用いる培養液の浄化に好適に使用することができ、本発明の植物栽培用液の浄化方法に特に好適に使用することができる。
本発明の植物栽培用液の浄化方法は、バクテリア、細菌等の植物病原菌による植物の発病を簡便かつ効率的に阻止乃至抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】図1は、光触媒チタンアパタイトのアルブミン吸着性能の一例を示すグラフ図である。
【図2】図2は、本発明の植物栽培用液の浄化装置及び本発明の植物栽培用液の浄化方法の一例を示す概略説明図である。
【符号の説明】
【0086】
10 本発明の植物栽培用液の浄化装置
11 ビニールハウス(温室)
12 光触媒粒子
13 農業用水
14 循環ポンプ(循環手段)
15 光触媒分解浄化槽(活性化手段)
16 太陽光(紫外線)
17 水耕栽培苗床
【出願人】 【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
【出願日】 平成17年9月27日(2005.9.27)
【代理人】 【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一


【公開番号】 特開2007−89425(P2007−89425A)
【公開日】 平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願番号】 特願2005−280436(P2005−280436)