| 【発明の名称】 |
栽培具 |
| 【発明者】 |
【氏名】後藤 幸雄
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| 【要約】 |
【課題】温度管理や好適な養分補給を行うことが容易な栽培部を提供する。
【解決手段】外側パイプ20と、外側パイプ20の内壁部27との間に断熱用空間部Kを形成した状態で、外側パイプ内に遊入される中間パイプ40と、断熱用空間部Kに配置される断熱用部材88と、中間パイプ40内に遊入され、内部空間を栽培用材80で充填し、壁部55に貫通孔を具備する複数個の内側パイプ50とを備える。個々の内側パイプ50と隣接する他の内側パイプ50との間に隙間部が形成される。中間パイプ40の内壁部47の内側であって、内側パイプ50の外壁部の外側に位置する部位に形成される空き空間部Cを栽培用材85で充填する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 外側筒状部と、 該外側筒状部と軸心方向を揃えつつ、該外側筒状部の内壁部との間に断熱用空間部を形成した状態で、該外側筒状部内に遊入される中間筒状部と、 該断熱用空間部に配置される断熱用部材と、 該中間筒状部と軸心方向を揃えつつ、該中間筒状部内に遊入され、内部空間を栽培用材で充填すると共に、壁部に貫通孔を具備する内側筒状部と、 前記中間筒状部の内壁部の内側であって、前記内側筒状部の外壁部の外側に位置する部位に形成される空き空間部を充填する栽培用材と、 を備えることを特徴とする栽培具。 【請求項2】 外側筒状部と、 該外側筒状部と軸心方向を揃えつつ、該外側筒状部の内壁部との間に断熱用空間部を形成した状態で、該外側筒状部内に遊入される中間筒状部と、 該断熱用空間部に配置される断熱用部材と、 該中間筒状部と軸心方向を揃えつつ、該中間筒状部内に遊入され、内部空間を栽培用材で充填し、壁部に貫通孔を具備する複数個の内側筒状部と、 を備え、 個々の内側筒状部と、隣接する他の内側筒状部との間に隙間部が形成されると共に、 前記中間筒状部の内壁部の内側であって、前記内側筒状部の外壁部の外側に位置する部位に形成される空き空間部を栽培用材で充填することを特徴とする栽培具。 【請求項3】 前記複数個の内側筒状部が略等間隔に配設されることを特徴とする請求項2に記載の栽培具。 【請求項4】 隣接する内側筒状部の間の間隔を保持するための保持部材を備えることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の栽培具。 【請求項5】 前記保持部材は、前記中間筒状部の軸心方向に貫通する貫通部を備えることを特徴とする請求項4に記載の栽培具。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、栽培具に関する。 【背景技術】 【0002】 山芋は、古来より、地中で栽培(以下、「地中栽培」という。)されていた。ところが、地中栽培された山芋は、有害動物(猪等)によって食い荒されることがある。また、この地中栽培を、農業専門家以外の者(以下、「一般人」という。)が行うことは困難である。 【0003】 このため、地中以外の箇所、つまり、地上においても、山芋の栽培を行うことを可能とするための栽培具が提案されている。即ち、壁体によって囲閉空間を形成し、この囲閉空間の上部の壁体間に、山芋の成長芋部が通過可能な孔を有する孔空き板を張設すると共に、孔空き板の上面に成長芋部の伸長で突き抜け可能な無孔体を載せ、囲閉空間の無孔体の上方空間内に、ムカゴを植える土壌を盛った、栽培具が提案されている(特許文献1を参照、以下、「従来例」という。)。 【特許文献1】特開2004−57040公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 ところが、この従来例に係る栽培具においては以下のような問題を有している。つまり、この地上において用いられる栽培具よると、山芋を栽培する際の温度管理を簡易に行うことができない。換言すると、この栽培具によって、「温度を一定に保つことが容易な地中」と同じ環境を作ることは困難である。例えば、夏期において栽培具内の温度が必要以上に高くなり、当該栽培具内の環境が作物(山芋等)の栽培に不適切なものとなったり、冬季において栽培具内の温度が必要以上に低くなり、当該栽培具内の環境が作物(山芋等)の栽培に不適切なものとなることがあるためである。また、この栽培具によると、被栽培物である山芋に対して、養分の補給を好適に行うことが困難である。 【0005】 本発明は、上述の課題を解決するものであり、温度管理や好適な養分補給を行うことが容易な栽培部を提供すること目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0006】 請求項1の栽培具は、 外側筒状部と、 該外側筒状部と軸心方向を揃えつつ、該外側筒状部の内壁部との間に断熱用空間部を形成した状態で、該外側筒状部内に遊入される中間筒状部と、 該断熱用空間部に配置される断熱用部材と、 該中間筒状部と軸心方向を揃えつつ、該中間筒状部内に遊入され、内部空間を栽培用材で充填すると共に、壁部に貫通孔を具備する内側筒状部と、 前記中間筒状部の内壁部の内側であって、前記内側筒状部の外壁部の外側に位置する部位に形成される空き空間部を充填する栽培用材と、 を備えることを特徴とする。 【0007】 請求項1の発明の栽培具では、外側筒状部内に中間筒状部を遊びを持った状態で(外側筒状部の内壁部と中間筒状部の外壁部との間に隙間部を形成した状態で)、挿入し(即ち、遊入し)、外側筒状部と中間筒状部との間に断熱用空間部を形成する。そして、この断熱用空間部に断熱用部材を配置するため、中間筒状部の内部空間内の温度管理を好適に行うことができる。よって、この中間筒状部内に配置される内側筒状部内において、所定の作物(山芋等)を栽培する際に、好適な温度管理を行うこと(例えば、地中と同じような温度に管理すること)ができる。 【0008】 また、請求項1の発明の栽培具では、内側筒状部の内部空間を栽培用材(つまり、土壌及び養分)の充填部位とすると共に、中間筒状部内の空き空間部(つまり、中間筒状部内において、内側筒状部の外側に位置する部位)も栽培用材(つまり、土壌及び養分)の充填部位とする。しかも、内側筒状部の壁部に貫通孔を設け、空き空間部内の栽培用材の養分を、内側筒状部の内部に適宜、補給可能とする。つまり、請求項1の発明の栽培具では、実際に、作物(山芋等)が配設される内側筒状部の内部に止まらず、内側筒状部の外側にも養分を配置し、内側筒状部の外側の養分を適宜、内側筒状部の内部に補給可能とする。よって、請求項1の発明の栽培具によると、所定の作物(山芋等)を栽培する際に、好適な養分補給を行うことができる。 【0009】 ここで、各請求項の栽培具によって栽培される作物(被栽培物)としては、例えば、山芋(つまり、ヤマノイモ科植物である自然薯、長芋)を例示できる。尚、山芋は食用に供される「成長芋部(長尺状の根)」を有しているため、内側筒状部を長尺状に設けることが好ましい。例えば、内側筒状部の軸心を上下に向けつつ、内側筒状部に充填される栽培用材のうちで、内側筒状部の上端側に位置する部位に、ムカゴ(たね芋)を植えると、ムカゴ(たね芋)から延びた成長芋部(長尺状の根)が、長尺状の内側筒状部内を下方に伸長することができるからである。 【0010】 このように、各請求項の栽培具によって山芋を栽培する場合、内側筒状部を細くして、細長い山芋を得ることもできる。蓋し、本栽培具では、養分の補給を内側筒状部の外部から行うことができるため、内側筒状部を細くしても(つまり、内側筒状部の内部の栽培用材の量が少なくなり、内側筒状部の内部に充填される養分の量を少なくしても)、山芋に対して好適な養分補給を行うことができるからである。例えば、内側筒状部の内径(直径)を30mm〜70mmとし、内側筒状部の長さ(軸心方向に沿った長さ)を、内側筒状部の内径の10倍〜150倍とする態様を例示することもできる。 【0011】 通常、一般家庭において山芋を「地中栽培」する場合、成長芋部(長尺状の根)がまっすぐに伸長した良好な山芋を収穫することは難しい。蓋し、ムカゴ(たね芋)を、ただ単に、土壌に植えるだけでは塊根となってしまい、棒状の成長芋部(長尺状の根)を有する良好な山芋を収穫することは困難であるからである。一方、請求項1の発明によると、内側筒状部の内部で、成長芋部(長尺状の根)の栽培を行うことで、この成長芋部(長尺状の根)の伸長状態の管理を好適に行うことができる。よって、請求項1の発明によると、一般家庭においても、成長芋部(長尺状の根)がまっすぐに伸長した良好な山芋を収穫することができる。 【0012】 また、各請求項の栽培具で栽培される作物(被栽培物)としては、山芋の他に、ゴボウ、長尺な大根(所謂、守口大根等)、人参等を例示できる。尚、各請求項の栽培具においては、大和芋、ジャガイモ等の非長尺状(例えば、拳状若しくは塊状)の作物(被栽培物)を栽培することもできる。この場合、内側筒状部の内径(直径)を大きく(例えば、100mm〜200mmとする)ことが望ましい。一方、内側筒状部の長さ(軸心方向に沿った長さ)を、必ずしも長くする必要はなく、例えば、内側筒状部の内径の1倍〜150倍とする態様を例示できる。 【0013】 外側筒状部と、中間筒状部と、内側筒状部の具体的な形状は種々選択できるが、例えば、略円筒形状、断面が多角形枠形状の筒形状、等を例示できる。また、「貫通孔」の形成態様も種々例示できるが、例えば、内側筒状部の壁部に対して散点状に形成する態様を例示できる。尚、この貫通孔は、内側筒状部の壁部を肉厚方向に貫通する孔である。 【0014】 「断熱用部材」の具体的な態様も種々選択可能であるが、例えば、発泡スチロールを用いて構成される断熱用部材や、グラスウールを用いて構成される断熱用部材等を例示できる。また、土等を用いて断熱用部材を構成してもよい。更に、「栽培用材」としては、栽培用の土に、肥料(養分)を混合して構成される栽培用材を例示できる。より具体的には、「土」に、「水こけ」、「あし」、若しくは、「すすき」等の肥料成分を混合した栽培用材を例示できる。尚、内側筒状部の内部空間を充填する栽培用材と、空き空間部を充填する栽培用材と、が同一であってもよいし(肥料の成分が同一であってもよいし)、異なっていてもよい(肥料の成分が異なっていてもよい)。 【0015】 請求項2の栽培具は、 外側筒状部と、 該外側筒状部と軸心方向を揃えつつ、該外側筒状部の内壁部との間に断熱用空間部を形成した状態で、該外側筒状部内に遊入される中間筒状部と、 該断熱用空間部に配置される断熱用部材と、 該中間筒状部と軸心方向を揃えつつ、該中間筒状部内に遊入され、内部空間を栽培用材で充填し、壁部に貫通孔を具備する複数個の内側筒状部と、 を備え、 個々の内側筒状部と、隣接する他の内側筒状部との間に隙間部が形成されると共に、 前記中間筒状部の内壁部の内側であって、前記内側筒状部の外壁部の外側に位置する部位に形成される空き空間部を栽培用材で充填することを特徴とする。 【0016】 請求項2の発明によっても、請求項1の発明の効果を得ることができる。加えて、請求項2の栽培具によると、複数個の内側筒状部を用いて、複数の作物(被栽培物)を同時に栽培できる。しかも、隣接する内側筒状部の間にも、栽培用材が充填される。従って、請求項2の栽培具によると、確実な養分補給を行いつつ、複数の作物(被栽培物)を効率的に栽培することができる。 【0017】 請求項3の栽培具は、請求項2に記載の栽培具において、 前記複数個の内側筒状部が略等間隔に配設されることを特徴とする。 【0018】 請求項3の発明によると、複数個の内側筒状部を略等間隔に配設するため、各内側筒状部の外部から各内側筒状部の内部に対して、満遍なく、養分を補給できる。つまり、各内側筒状部の周囲に存在する「栽培用材」の量の偏りを少なくできるため、各内側筒状部内で栽培される、複数の作物(被栽培物)間の品質の偏りを少なくできる。 【0019】 請求項4の栽培具は、請求項2又は請求項3に記載の栽培具において、 隣接する内側筒状部の間の間隔を保持するための保持部材を備えることを特徴とする。 【0020】 請求項4の発明では、保持部材を備えるため、栽培具の取り扱い(組み立て、搬送等)が容易である。また、使用中に、隣接する内側筒状部の間の間隔が、不用意に変化することを確実に防止できる。 【0021】 請求項5の栽培具は、請求項4に記載の栽培具において、 前記保持部材は、前記中間筒状部の軸心方向に貫通する貫通部を備えることを特徴とする。 【0022】 請求項5の発明では、保持部材が貫通部を備えるため、中間筒状部に供給される水や、中間筒状部内に配設された養分を、中間筒状部の軸心方向に沿って通過させることが容易である。よって、複数の作物(被栽培物)の栽培をより効率的に行うことができる。 【発明の効果】 【0023】 以上のように、本各発明によると、温度管理や好適な養分補給を行うことが容易な栽培具が得られる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0024】 次に、本各発明に係わる「栽培具」の最良の形態(以下、「実施例」という。)を図面に従って詳細に説明する。 【0025】 本実施例の栽培具(以下、「本栽培具」という。)1は、図1〜図4に示すように、台座部材10と、外側パイプ20と、蓋体30と、中間パイプ40と、7本の内側パイプ50と、保持部材60と、支持部材70と、栽培用材80、85と、断熱用部材88と、を備えている。 【0026】 台座部材10は、樹脂製(例えば、塩化ビニル製)で、円筒形のパイプを用いて構成されている。この台座部材10は、軸心を上下方向に向けて用いられると共に、下端部11側で外径及び内径を大きくし、上端部12側で外径及び内径を小さくした「台形状」を備える。 【0027】 この台座部材10は、図5(a)に示すように、下端部11側に、外径及び内径が大きくされた大径部13を備え、上端部12側に、外径及び内径が大きくされた小径部15を備えている。そして、大径部13の上端部と、小径部15の下端部との間に、円錐台形状の外形を備える径変化部14を備えている。つまり、この径変化部14は、その外径及び内径を、台座部材10の上方側に向かうに従って、徐々に減少させている。 【0028】 台座部材10の内壁部において、小径部15の下端部(径変化部14の上端部)に相当する部位からは、第1のリブ16が突出している。この第1のリブ16は、リング形状とされつつ、小径部15の半径内側方向に突出している。この第1のリブ16において、台座部材10の内壁部からの突出長(小径部15の半径内側方向に沿った長)は、台座部材10の肉厚と略等しくされている。また、台座部材10の肉厚は、後述する「外側パイプ20の肉厚」と等しくされている。 【0029】 この第1のリブ16の内側(小径部15の半径内側方向に沿った内側)には、平面形状が円形の通過用空間部16aが形成されている。尚、この第1のリブ16は、外側パイプ20を支持するが、中間パイプ40及び内側パイプ50を、通過用空間部16aに通過させる。この点に関しては、後述する。 【0030】 台座部材10の内壁部において、大径部13の上下方向に沿った中間部に相当する部位からは、第2のリブ17が突出している。この第2のリブ17は、リング形状とされつつ、大径部13の半径内側方向に突出している。また、この第2のリブ17の内側の端部(大径部13の半径内側方向に沿った端部)は、段部(171A、18、171B)となっている。つまり、この第2のリブ17は、内径の大きなリング状の突起部17Aと、内径の小さなリング状の突起部17Bとを上下に、かつ、一体的に並べた構成を備える。そして、「上方に位置する突起部17A(突出長が短く、内径が大きな突起部17A)の突端面171A」と、「下方に位置する突起部17B(突出長が長く、内径が小さな突起部17A)の突端面171B」と、「下方に位置する突起部17Bの上面部のうちで、両突端面171A、171Bで挟まれた部分(以下、支持面という。)18」とによって、段部(171A、18、171B)を構成している。 【0031】 第2のリブ17の内側(大径部13の半径内側方向に沿った内側)には、大きさが異なる2種類の空間部17b、17cが形成されている。つまり、何れの空間部17b、17cも、「円形の平面形状を備える空間」とされているが、上方に位置する空間部17b(上方に位置する突起部17Aの内側に形成される空間部17b)のサイズが、下方に位置する空間部17c(下方に位置する突起部17Bの内側に形成される空間部17c)のサイズよりも大きくされている。尚、上下の空間部17b、17cは同軸状に配置されている。また、上方に位置する空間部17bを支持空間部17bと称し、下方に位置する空間部17cを挿通空間部17cと称する。 【0032】 外側パイプ20は、「外側筒状部」の具体例を構成するものであり、図2及び図3に示すように、樹脂製(例えば、塩化ビニル製)で、円筒形のパイプを用いて構成されている。この外側パイプ20は、軸心方向に沿って一定の外径と内径を備えている。この外側パイプ20の下端部22は、台座部材10の小径部15に嵌入可能なサイズとされている。 【0033】 蓋体30は、図5(b)に示すように、樹脂(例えば、塩化ビニル)を蓋形状に成形して構成されるものであり、略円板状の上板部31と、上板部31の下面における周縁側から略円柱に垂下する周壁部32と、を備えている。 【0034】 上板部31の裏面部には、大小2つの周回溝34、35が形成されている。これらの周回溝34、35の円形に形成される経路の中心部は、上板部31の中心部と一致している。このうち、外側に位置すると共に大型の周回溝34は、外側パイプ20の上端部21を嵌入可能なサイズとされている(図2等を参照)。また、この周回溝34の外周側の壁面34aは、周壁部32の内周面32aと面一となっている。更に、内側に位置すると共に小型の周回溝35は、後述する中間パイプ40の上端部41を、嵌入可能なサイズとされている。 【0035】 上板部31において、「内側の周回溝35」の更に内側の部位には、7つの通過孔33a〜33gが、当該上板部31を肉厚方向に貫通する状態に形成されている(図1を参照)。具体的には、上板部31の中心部に平面形状が円形の通過孔33aが形成されている。また、「上板部31の中心部を重心とした仮想的な正6角形」の頂点に相当する位置に、平面形状が円形の通過孔33b〜33gが形成されている。 【0036】 上板部31の裏面部であって、各通過孔33a〜33gの下端側の開口部の周囲の部位には、凹部36が設けられている。これらの凹部36は、対応する通過孔33a〜33gと同心状とされている。そして、これらの凹部36の外縁部は、対応する通過孔33a〜33gの外縁部よりも一回り大きな円形とされている。 【0037】 中間パイプ40は、「中間筒状部」の具体例を構成するものであり、図6に示すように、樹脂製(例えば、塩化ビニル製)で、円筒形のパイプを用いて構成されている。この中間パイプ40は、軸心方向に沿って一定の外径と内径を備えている。但し、この中間パイプ40の全長は、外側パイプ20の全長よりも長くされているが、中間パイプ40の外径は、外側パイプ20の内径よりも小さくされている。 【0038】 また、中間パイプ40の内壁部47において、中間パイプ40の上下方向に沿った中間に位置する部位からは、支持リブ44が突出している。この支持リブ44は、リング形状とされつつ、中間パイプ40の半径内側方向に突出している。この支持リブ44の内側(中間パイプ40の半径内側方向に沿った内側)には、平面形状が円形の挿通用空間部44aが形成されている。尚、この挿通用空間部44aは、所定の間隔をおきつつ配置される「7本の内側パイプ50」を通過可能とさている。この点に関しては、後述する。 【0039】 各内側パイプ50は、「内側筒状部」の具体例を構成するものであり、図7に示すように、樹脂製(例えば、塩化ビニル製)で、円筒形のパイプを用いて構成されている。この内側パイプ50は、軸心方向に沿って一定の外径と内径を備えている。この内側パイプ50の上端部51は、前述の凹部36に嵌入可能なサイズとされている。また、内側パイプ50の内径は、通過孔33a〜33gの内径と略等しくされている。更に、内側パイプ50の壁部55には、貫通孔55aが散点状に設けられている。これらの貫通孔55aは、壁部55を貫通する状態に設けられている。 【0040】 保持部材60は、樹脂(例えば、塩化ビニル製)を用いて作製される一体成形品であり、図8に示すように、外側リング部61と、7個の内側リング部62と、連結リブ63と、を備えている。このうち、外側リング部61は、中間パイプ40に嵌入可能な外径を備えると共に、前述の「7個の通過孔33a〜33g」を包囲可能な内径を備えている。 【0041】 また、7個の内側リング部62は、外側リング部61の内側に連結リブ63を用いて配置されている。これらの内側リング部62は、内側パイプ50を嵌入可能な内径を備えている。そして、7個の内側リング部62のうちの1個が、外側リング部61の中心部に配置されている。また、残りの6個の内側リング部62が、「外側リング部61の中心部を重心とした仮想的な正6角形」の頂点に相当する位置に配置されている。更に、外側リング部61の内縁部と、内側リング部62の外縁部との間に位置し、保持部材60を上下に貫通する部分によって貫通部65を構成している。 【0042】 支持部材70は、図9(a)及び(b)に示すように、本体部71と、7個の垂下部72とを備えている。このうち、本体部71は、第2のリブ17の内側であって、支持空間部17bに嵌合可能な略円板状に構成されている。また、本体部71には、7個の連通孔71aが設けられている。これらの連通孔71aは、円形の平面形状を備えると共に、本体部71を肉厚方向に貫通する状態に設けられている。 【0043】 7個の連通孔71aのうちの1個が、本体部71の中心部に形成されている。また、残りの6個の連通孔71aが、「本体部71の中心部を重心とする仮想的な正6角形」の頂点に相当する位置に配置されている。 【0044】 各垂下部72は、本体部71の裏面部であって、各連通孔71aの周縁部を包囲する部位から、略筒状に垂下している。これらの垂下部72は、下方側に向かって、内径及び外径が徐々に小さくされる筒形状に構成されている。そして、下端の開口部71bを下方に開放している。このため、垂下部72内に進入した水を、この開口部71bを通じて本栽培具1の下方に排出することができる。 【0045】 栽培用材80、85は、栽培用の土に、肥料(養分)を混合させたもの(土に、水こけ、あし、すすき等を混合させたもの)である。また、断熱用部材88としては、発泡スチロールを用いている。 【0046】 次に、本栽培具1の組み立ての手順の一具体例について説明する。先ず、台座部材10に対して支持部材70を組み付ける。この組み付けに際しては、台座部材10を、その下端部を設置面Sに当接させた状態で(小径部15を上方に、大径部13を下方に向け、軸心を上下に向けた状態で)、設置面S上に配置する(図3を参照)。そして、7個の垂下部72の垂下端(開口部71b)を先頭に、支持部材70を、台座部材10の上端部側の開口部(小径部15の開口部)から、台座部材10内に挿入する。 【0047】 これにより、7個の垂下部72が、支持空間部17b及び挿通空間部17cに挿通され、本体部71が支持空間部17bに嵌合される。そして、本体部71の下面部の周縁側の部位が、支持面18に当接すると共に、7個の垂下部72の垂下端(開口部72b)が、設置面Sに近接した状態となり、支持部材70の台座部材10への組み付けを完了する。 【0048】 この後、台座部材10に、外側パイプ20と、中間パイプ40と、保持部材60と、7本の内側パイプ50と、栽培用材80、85と、断熱用部材88と、を組み付ける。つまり、外側パイプ20は、その下端部22を小径部15に嵌入しつつ、台座部材10に組み付けられる。この外側パイプ20の組み付けは、外側パイプ20の下端部22(下端面)が、第1のリブ16の上面部に当接することによって完了する。これにより、外側パイプ20は、軸心を上下方向に向けた状態とされる。 【0049】 中間パイプ40の組み付けは、この中間パイプ40を外側パイプ20の内側に同軸状に挿入することによって行われる。つまり、この組み付けは、中間パイプ40の軸心の方向を上下方向に向けつつ(外側パイプ20と軸心方向を揃えつつ)、しかも、中間パイプ40の軸心の位置と、外側パイプ20の軸心の位置とを一致させつつ、行われる。 【0050】 この中間パイプ40の組み付けにより、中間パイプ40の下端部(下端面)43が、支持部材70の上面部の周縁側に当接すると共に、中間パイプ40の上端部(上端面)41と、外側パイプ20の上端部(上端面)21とが、同一の高さに配置される。また、外側パイプ20の内壁部26と、中間パイプ40の外壁部46との間に、略円筒状の断熱用空間部Kが構成される。そして、断熱用空間部Kには、断熱用部材88が組み付け組み付けられる(図3及び図4を参照)。尚、断熱用空間部Kの容積や断熱用部材88の総量は、本栽培具1の使用環境(周囲の温度等)を考慮して種々変更可能である。つまり、本実施例では、断熱用空間部Kを略円筒状の空間部とし、断熱用部材88を、この断熱用空間部Kを充填するものとした。この場合、断熱用空間部Kを充填する断熱用部材88の肉厚(本実施例では、外側パイプ20や断熱用空間部Kの径方向に沿った厚み)を、例えば、3cm以上(より好ましくは、5cm以上)とすることが、断熱用部材88によって、より確実な断熱効果を得る上で望ましい。尚、この場合、断熱用部材88の肉厚の上限値を、例えば、100cm(より好ましくは、50cm)とし、断熱用部材88の重量が必要以上に多くなることを防止してもよい。 【0051】 7本の内側パイプ50と、保持部材60は、中間パイプ40の内側に以下のように組み込まれる。つまり、7本の内側パイプ50の軸心方向を揃え、しかも、7本の内側パイプ50の上端部51及び下端部52の位置(内側パイプ50の軸心方向に沿った位置)を揃えた状態で、保持部材60の内側リング部62の各々に、内側パイプ50を挿通する。そして、保持部材60を、7本の内側パイプ50の軸心方向に沿った中間部に配置する。 【0052】 この後、保持部材60によって保持された「7本の内側パイプ50」を中間パイプ40の内側に挿入する。この際、7本の内側パイプ50の軸心の方向が上下方向に向けられる。つまり、7本の内側パイプ50の軸心の方向が中間パイプ40と軸心方向を揃えられる。同時に、各内側パイプ50の軸心を、何れか1つの垂下部72の軸心と鉛直上下方向に位置合わせする。 【0053】 そして、各内側パイプ50の下端部52を、何れ1つの連通孔71aに挿通し、更に、その連通孔71aの直下に位置する垂下部72の内壁部72aに当接させる。この際、外側リング部61は、中間パイプ40の内壁部47に摺動しつつ、中間パイプ40の上下方向に沿った中間部に挿入され、第1のリブ16の上面部上に当接状に設置される。 【0054】 この7本の内側パイプ50及び保持部材60の組み付けを完了すると、7本の内側パイプ50の上端部(上端面)51が、中間パイプ40の上端部(上端面)41及び外側パイプ20の上端部(上端面)21と、同一の高さに配置される(図3を参照)。また、7本の内側パイプ50の間には、隙間部Aが形成される。また、図4に示すように、正6角形状に並ぶ、5つの内側パイプ50(外縁部側に並ぶ内側パイプ50)の外壁部と、中間パイプ40の内壁部47との間には隙間部Bが形成される。つまり、中間パイプ40の内部には、隙間部A、Bを用いて構成される略練炭状の空き空間部Cが形成される。そして、この空き空間部Cには、栽培用材85が充填される。 【0055】 尚、本実施例では、各内側パイプ50の間隔が、保持部材60の作用で一定に保持される。しかも、各内側パイプ50はその中間部を保持部材60で支持されるばかりか、その下端部52も垂下部72によって支持されるため、各内側パイプ50の間隔を保持することがより一層、容易なものとなっている。加えて、保持部材60が貫通部65を具備し、中間パイプ40の内部空間のうちで、保持部材60の上方に位置する部位と、保持部材60の下方に位置する部位とを連通する。このため、中間パイプ40に供給される水や、中間パイプ40内に配設された養分を、中間パイプ40に沿って通過させることが容易である。 【0056】 この後、蓋体30の装着が行われる。この装着は、上板部31の裏面部を下方に向け、蓋体30の軸心を、外側パイプ20の軸心に同軸状に位置合わせしつつ行われ、周壁部32を外側パイプ20の上端部21に嵌合することで完了する。このとき、上板部31の裏面部の大型の周回溝34には、外側パイプ20の上端部21が嵌入され、上板部31の裏面部の小型の周回溝35は、中間パイプ40の上端部41が嵌入される。また、上板部31の裏面部の各凹部36には、対応する内側パイプ50の上端部51が嵌入される(図10を参照)。 【0057】 本栽培具1においては、図11に示すように、内側パイプ50内の栽培用材80のうちで、内側パイプ50の上端部51側に位置する部位に、山芋の種芋(ムカゴ)Mが配設される。そして、栽培時間の経過に伴って、この種芋(ムカゴ)Mから発芽した葉Nは、内側パイプ50の上方に伸び、対応する通過孔33a〜33gを通じて、本栽培具1の外部に進出する。一方、種芋(ムカゴ)Mから伸びる「成長芋部P」は、内側パイプ50を下方に伸長する。尚、図12に示すように、本栽培具1の上部にネットQの一端部を装着する。そして、ネットQの他端部を支柱Rで保持すれば、日々伸長する葉Nが、「収まりの良い」状態となる。 【0058】 本栽培具1では、外側パイプ20と中間パイプ40との間に断熱用空間部Kを形成し、この断熱用空間部Kに断熱用部材88を配置するため、中間パイプ40の内部空間内の温度管理を好適に行うことができる。よって、この中間パイプ40内に配置される内側パイプ50内において、所定の作物(山芋等)を栽培する際に、好適な温度管理を行うこと(例えば、地中と同じような温度に管理すること)ができる。 【0059】 また、本栽培具1では、内側パイプ50の内部空間を栽培用材80(つまり、土壌及び養分)の充填部位とすると共に、中間パイプ40内の空き空間部Cを栽培用材85の充填部位とする。しかも、内側パイプ50の壁部55に貫通孔55aを設け、空き空間部Cの養分を、内側パイプ50の内部に適宜、補給可能とする。つまり、本栽培具1では、実際に、作物(山芋等)が配設される内側パイプの内部に止まらず、内側パイプ50の外側にも養分を配置し、内側パイプ50の外側の養分を適宜、内側パイプ50の内部に補給可能とする。よって、本栽培具1によると、所定の作物(山芋等)を栽培する際に、好適な養分補給を行うことができる。 【0060】 また、本栽培具1では、内側パイプ50を長尺状に設けつつ、その軸心を上下に向けるため、山芋の栽培に好適である。加えて、本栽培具1によると、複数個の内側パイプ50を用いて、複数の作物(被栽培物)を同時に栽培できる。しかも、隣接する内側パイプ50の間にも、栽培用材85が充填される。従って、本栽培具1によると、確実な養分補給を行いつつ、複数の作物(被栽培物)を効率的に栽培することができる。 【0061】 また、本栽培具1によると、複数個の内側パイプ50を略等間隔に配設するため、各内側パイプ50の外部から各内側パイプ50に対して、満遍なく、養分を補給できる。つまり、各内側パイプ50の周囲に存在する「栽培用材85」の量の偏りを少なくできるため、各内側パイプ内で栽培される、複数の作物(被栽培物)間の品質の偏りを少なくできる。 【0062】 尚、本各発明の範囲は前記各実施例に示す具体的な態様に限定されず、本各発明の範囲内で種々の変形例を例示できる。例えば、本栽培具1で栽培される作物(被栽培物)としては、ゴボウ、長尺な大根(所謂、守口大根等)等を例示することもできる。また、本栽培具1で栽培される作物(被栽培物)としては、大和芋、ジャガイモ等の非長尺状(例えば、拳状若しくは塊状)の作物(被栽培物)を例示することもできる。 【産業上の利用可能性】 【0063】 本発明は、例えば、栽培具の生産、販売、加工等を行う分野で利用可能である。 【図面の簡単な説明】 【0064】 【図1】本栽培具の斜視図である。 【図2】図1の本栽培具の分解斜視図である。 【図3】図1の本栽培具の縦断面図(通過孔33c、33a、33fを通過する縦断面に沿った縦断面図)である。 【図4】図2の2−2断面図である。 【図5】(a)は台座部材の縦断面図であり、(b)は蓋体の縦断面図である。 【図6】中間パイプの縦断面図である。 【図7】内側パイプを示す斜視図である。 【図8】保持部材を示す斜視図である。 【図9】(a)は支持部材の斜視図であり、(b)は支持部材の縦断面図である。 【図10】図1の一部拡大縦断面図である。 【図11】本栽培具の使用例を示す説明図である。 【図12】本栽培具の使用例を示す説明図である。 【符号の説明】 【0065】 1;栽培具、 20;外側パイプ(外側筒状部)、 40;中間パイプ(中間筒状部)、 50;内側パイプ(内側筒状部)、 60;保持部材、 80、85;栽培用材、 88;断熱用部材、 A、B;隙間部、 C;空き空間部、 K;断熱用空間部。
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| 【出願人】 |
【識別番号】505050865 【氏名又は名称】後藤 幸雄
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| 【出願日】 |
平成17年8月12日(2005.8.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100101410 【弁理士】 【氏名又は名称】中村 武司
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| 【公開番号】 |
特開2007−44005(P2007−44005A) |
| 【公開日】 |
平成19年2月22日(2007.2.22) |
| 【出願番号】 |
特願2005−234097(P2005−234097) |
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