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【発明の名称】 樹木支持用の支柱固定部材および樹木支持構造
【発明者】 【氏名】長畑 嗣男

【要約】 【課題】交差する支柱を強固に固定することができる樹木支持用の支柱固定部材および樹木支持構造を提供する。

【解決手段】支柱固定部材は、交差する一方の支柱に外嵌可能な第1筒状リング1と、交差する他方の支柱に外嵌可能な第2筒状リング2と、前記第1筒状リングまたは第2筒状リングのいずれか一方の筒状リングに固定されて他方の筒状リングに貫通形成された第1ネジ受部11に螺進退可能に螺合する杆状のネジ部13と、前記第1筒状リングまたは第2筒状リングのいずれか一方の筒状リングに形成された第2ネジ受部21に螺進退可能に螺合する締付具とからなり、前記杆状のネジ部または締付具を螺合位置で固定する固定手段を設けてなることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹木を支持する支柱相互を交差する個所で固定する支柱固定部材において、
交差する一対の支柱間を固定する支柱固定部材が、
一方の支柱に外嵌可能な第1筒状リングと、他方の支柱に外嵌可能な第2筒状リングと、
前記第2筒状リングに固定されて、第1筒状リングに形成された第1ネジ受部に螺進退可能に螺合する杆状のネジ部と、
該ネジ部を固定した第2筒状リングに形成された第2ネジ受部と、
該第2ネジ受部に螺進退可能に螺合して前記第2筒状リング内の樹木を押圧するボルトなどの締付具とからなることを特徴とする樹木支持用の支柱固定部材。
【請求項2】
ネジ部と締付具とが、一方を正ネジとし、他方を逆ネジとしてなることを特徴とする請求項1に記載の樹木支持用の支柱固定部材。
【請求項3】
第1ネジ受部と杆状のネジ部を螺合位置で固定する固定手段と、第2ネジ受部と締付具を螺合位置で固定する固定手段の一方または両方を設けてなることを特徴とする請求項1に記載の樹木支持用の支柱固定部材。
【請求項4】
樹木を支持する支柱相互を交差する個所で固定する支柱固定部材において、
交差する一対の支柱間を固定する補助用支柱固定部材が、
一方の支柱に外嵌可能な第3筒状リングと、他方の支柱に外嵌可能な第4筒状リングとを所定の交差した姿勢で一体に固着しており、
前記第3筒状リングに形成された第3ネジ受部に螺進退可能に螺合するボルトなどの第3締付具を設け、
前記第4筒状リングに形成された第4ネジ受部に螺進退可能に螺合するボルトなどの第4締付具を設けてなることを特徴とする樹木支持用の支柱固定部材。
【請求項5】
樹木を支持する支柱相互を交差する個所で固定する支柱固定部材において、
支柱固定部材が、縦向きの支柱と横向きの支柱との交差する個所を固定する支柱固定部材と、前記横向きの支柱と上下に配置された横向きの別の支柱との交差する個所を固定する補助支柱固定部材とからなっており、
支柱固定部材が、縦向きの支柱に外嵌可能な第1筒状リングと、交差する横向きの支柱に外嵌可能な第2筒状リングと、
前記第2筒状リングに固定されて、第1筒状リングに形成された第1ネジ受部に螺進退可能に螺合する杆状のネジ部と、
該ネジ部を固定した第2筒状リングに形成された第2ネジ受部と、
該第2ネジ受部に螺進退可能に螺合して前記第2筒状リング内の樹木を押圧するボルトなどの締付具とからなり、
前記第1ネジ受部と杆状のネジ部または第2ネジ受部と締付具を螺合位置で固定する固定手段を設けてなり、
補助支柱固定部材が、前記横向きの支柱に外嵌可能な第3筒状リングと、前記横向きの2支柱の上方または下方で交差する横向きの別の支柱に外嵌可能な第4筒状リングとを所定の交差した姿勢で一体に固着しており、
前記第3筒状リングに形成された第3ネジ受部に螺進退可能に螺合するボルトなどの第3締付具を設け、
前記第4筒状リングに形成された第4ネジ受部に螺進退可能に螺合するボルトなどの第4締付具を設けてなることを特徴とする樹木支持用の支柱固定部材。
【請求項6】
固定手段が、第1ネジ受部の外周面から内周面に貫通する貫通孔部と、該貫通孔部から挿入されて第1ネジ受部に螺合した杆状のネジ部のねじ山を潰すネジ潰し具とからなることを特徴とする請求項2、3または5のいずれかに記載の樹木支持用の支柱固定部材。
【請求項7】
支柱を交差し支柱固定部材で支柱間を固定して樹木を支持する樹木支持構造において、
支柱固定部材が、縦向きの支柱に外嵌可能な第1筒状リングと、交差する横向きの支柱に外嵌可能な第2筒状リングと、
前記第2筒状リングに固定されて、第1筒状リングに形成された第1ネジ受部に螺進退可能に螺合する杆状のネジ部と、
該ネジ部を固定した第2筒状リングに形成された第2ネジ受部と、
該第2ネジ受部に螺進退可能に螺合して前記第2筒状リング内の樹木を押圧するボルトなどの締付具とからなり、
前記第1ネジ受部と杆状のネジ部または第2ネジ受部と締付具を螺合位置で固定する固定手段を設けており、前記横向きの支柱に前記支柱固定部材の第2筒状リングを嵌合し前記締付具で固定し、第1筒状リングに前記縦向きの支柱を嵌合し、該縦向きの支柱の先端を地面に打ち込んだ後に、前記固定手段で第1ネジ受部と杆状のネジ部または第2ネジ受部と締付具を螺合位置で固定してなることを特徴とする樹木支持構造。
【請求項8】
支柱を交差し支柱固定部材で支柱間を固定して樹木を支持する樹木支持構造において、
支柱固定部材が、縦向きの支柱と横向きの支柱との交差する個所を固定する支柱固定部材と、上下に配置された横向きの支柱が交差する個所を固定する補助支柱固定部材とからなっており、
支柱固定部材が、縦向きの支柱に外嵌可能な第1筒状リングと、交差する横向きの支柱に外嵌可能な第2筒状リングと、
前記第2筒状リングに固定されて、第1筒状リングに形成された第1ネジ受部に螺進退可能に螺合する杆状のネジ部と、
該ネジ部を固定した第2筒状リングに形成された第2ネジ受部と、
該第2ネジ受部に螺進退可能に螺合して前記第2筒状リング内の樹木を押圧するボルトなどの締付具とからなり、
前記第1ネジ受部と杆状のネジ部または第2ネジ受部と締付具を螺合位置で固定する固定手段を設けており、
補助支柱固定部材が、前記横向きの支柱に外嵌可能な第3筒状リングと、前記横向きの支柱の上方または下方で交差する横向きの別の支柱に外嵌可能な第4筒状リングとを所定の交差した姿勢で一体に固着しており、前記第3筒状リングに形成された第3ネジ受部に螺進退可能に螺合するボルトなどの第3締付具を設け、前記第4筒状リングに形成された第4ネジ受部に螺進退可能に螺合するボルトなどの第4締付具を設けており、
樹木の周囲を挟むように上下に配置されて横向きで交差する前記一対の横向きの支柱を補助支柱固定部材の第3筒状リングと第4筒状リングに嵌合して第3締付具および第4締付具でそれぞれ固定し、前記一方の横向きの支柱に前記支柱固定部材の第2筒状リングを嵌合し第2締付具で固定し、第1筒状リングに縦向きの支柱を嵌合し、該縦向きの支柱の先端を地面に打ち込んだ後に、前記固定手段で第1ネジ受部と杆状のネジ部または第2ネジ受部と締付具を螺合位置で固定してなることを特徴とする樹木支持構造。
【請求項9】
ネジ部と締付具とが、一方を正ネジとし、他方を逆ネジとしてなることを特徴とする請求項7または8に記載の樹木支持構造。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、街路樹などの樹木を支持するための鳥居型支柱などに用いる樹木支持用の支柱固定部材および樹木支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、街路樹などの樹木を支持するため鳥居型支柱(図示例は三脚鳥居型支柱)として、図10に示すように、樹木Tを囲むように丸太からなる支柱S1、S2,S3を縦、横に沿わせて、交差した個所に釘を打ち込んで固定し、更に交差した個所に鉄線を巻き付ける構成が用いられている。
しかし、釘を用いるので、点または線接触による固定であって、強力に固定することができず、また、これを補強するために鉄線を巻き付けるには熟練を要し、作業に手間と時間がかかるという問題点があった。
一方、例えば特開2001−258408では、芯材が金属性パイプで、表面を産業廃棄物利用のプラスチックを使用し擬木の形状で成形した支柱・横木・腕木・添え木からなって、ボルト・ナットで、樹木の成長に応じ固定及び固定位置の移動を可能にし、締結具で締結する構成が開示されている。
締結具は、材料をゴム又は再生ゴムを使用したベルト形で弾力性に優れ、弾性変形するもので、止金具で固定できるようになっている。
この構成の場合も縦向きの支柱と横向きの横木とは、交差した位置でボルト・ナットにより固定しており、樹木に掛け渡される前記締結具の端部も止金具を介して固定しているが、支柱と横木、腕木と横木の交差個所はボルト・ナットによる固定だけであるので、ボルト・ナットによる点または線による固定であって、強力に固定することができない欠点がある。
【0003】
【特許文献1】特開2001−258408号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、上記事情に鑑みて創案されたものであって、その主たる課題は、支柱固定部材の筒状リングを丸太からなる交差した支柱に嵌め込んで固定するので、筒状リングの内周面が支柱の外壁面と広範囲の面で接触し、交差する支柱を強固に固定し、熟練を要さず、誰でも簡単に作業を行うことができる樹木支持用の支柱固定部材および樹木支持構造を提供することにある。
また、この発明では、支柱固定部材と補助支柱固定部材とを用いることで、3方向に交差する支柱を簡単に且つ強固に固定することができる樹木支持用の支柱固定部材および樹木支持構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記課題を解決するために、請求項1の樹木支持用の支柱固定部材の発明では、
樹木を支持する支柱相互を交差する個所で固定する支柱固定部材において、
交差する一対の支柱間を固定する支柱固定部材が、
一方の支柱に外嵌可能な第1筒状リングと、他方の支柱に外嵌可能な第2筒状リングと、
前記第2筒状リングに固定されて、第1筒状リングに形成された第1ネジ受部に螺進退可能に螺合する杆状のネジ部と、
該ネジ部を固定した第2筒状リングに形成された第2ネジ受部と、
該第2ネジ受部に螺進退可能に螺合して前記第2筒状リング内の樹木を押圧するボルトなどの締付具とからなることを特徴とする。
請求項2の発明では、
ネジ部と締付具とが、一方を正ネジとし、他方を逆ネジとしてなることを特徴とする。
また、請求項3の発明では、
前記第1ネジ受部と杆状のネジ部を螺合位置で固定する固定手段と、第2ネジ受部と締付具を螺合位置で固定する固定手段の一方または両方を設けてなることを特徴とする。
【0006】
請求項4の発明では、
樹木を支持する支柱相互を交差する個所で固定する支柱固定部材において、
交差する支柱間を固定する補助用支柱固定部材が、
一方の支柱に外嵌可能な第3筒状リングと、他方の支柱に外嵌可能な第4筒状リングとを所定の交差した姿勢で一体に固着しており、
前記第3筒状リングに形成された第3ネジ受部に螺進退可能に螺合するボルトなどの第3締付具を設け、
前記第4筒状リングに形成された第4ネジ受部に螺進退可能に螺合するボルトなどの第4締付具を設けてなることを特徴とする。
また、請求項5の発明では、
樹木を支持する支柱相互を交差する個所で固定する支柱固定部材において、
支柱固定部材が、縦向きの支柱と横向きの支柱との交差する個所を固定する支柱固定部材と、前記横向きの支柱と上下に配置された横向きの別の支柱との交差する個所を固定する補助支柱固定部材とからなっており、
支柱固定部材が、縦向きの支柱に外嵌可能な第1筒状リングと、交差する横向きの支柱に外嵌可能な第2筒状リングと、
前記第2筒状リングに固定されて、第1筒状リングに形成された第1ネジ受部に螺進退可能に螺合する杆状のネジ部と、
該ネジ部を固定した第2筒状リングに形成された第2ネジ受部と、
該第2ネジ受部に螺進退可能に螺合して前記第2筒状リング内の樹木を押圧するボルトなどの締付具とからなり、
前記第1ネジ受部と杆状のネジ部または第2ネジ受部と締付具を螺合位置で固定する固定手段を設けてなり、
補助支柱固定部材が、前記横向きの支柱に外嵌可能な第3筒状リングと、前記横向きの2支柱の上方または下方で交差する横向きの別の支柱に外嵌可能な第4筒状リングとを所定の交差した姿勢で一体に固着しており、
前記第3筒状リングに形成された第3ネジ受部に螺進退可能に螺合するボルトなどの第3締付具を設け、
前記第4筒状リングに形成された第4ネジ受部に螺進退可能に螺合するボルトなどの第4締付具を設けてなることを特徴とする。
また、請求項6の発明では、
前記固定手段が、第1ネジ受部の外周面から内周面に貫通する貫通孔部と、該貫通孔部から挿入されて第1ネジ受部に螺合した杆状のネジ部のねじ山を潰すネジ潰し具とからなることを特徴とする。
【0007】
請求項7の樹木支持構造の発明では、
支柱を交差し支柱固定部材で支柱間を固定して樹木を支持する樹木支持構造において、
支柱固定部材が、縦向きの支柱に外嵌可能な第1筒状リングと、交差する横向きの支柱に外嵌可能な第2筒状リングと、
前記第2筒状リングに固定されて、第1筒状リングに形成された第1ネジ受部に螺進退可能に螺合する杆状のネジ部と、
該ネジ部を固定した第2筒状リングに形成された第2ネジ受部と、
該第2ネジ受部に螺進退可能に螺合して前記第2筒状リング内の樹木を押圧するボルトなどの締付具とからなり、
前記第1ネジ受部と杆状のネジ部または第2ネジ受部と締付具を螺合位置で固定する固定手段を設けており、前記横向きの支柱に前記支柱固定部材の第2筒状リングを嵌合し前記締付具で固定し、第1筒状リングに前記縦向きの支柱を嵌合し、該縦向きの支柱の先端を地面に打ち込んだ後に、前記固定手段で第1ネジ受部と杆状のネジ部または第2ネジ受部と締付具を螺合位置で固定してなることを特徴とする。
【0008】
また、請求項8の発明では、
支柱を交差し支柱固定部材で支柱間を固定して樹木を支持する樹木支持構造において、
支柱固定部材が、縦向きの支柱と横向きの支柱との交差する個所を固定する支柱固定部材と、上下に配置された横向きの支柱が交差する個所を固定する補助支柱固定部材とからなっており、
支柱固定部材が、縦向きの支柱に外嵌可能な第1筒状リングと、交差する横向きの支柱に外嵌可能な第2筒状リングと、
前記第2筒状リングに固定されて、第1筒状リングに形成された第1ネジ受部に螺進退可能に螺合する杆状のネジ部と、
該ネジ部を固定した第2筒状リングに形成された第2ネジ受部と、
該第2ネジ受部に螺進退可能に螺合して前記第2筒状リング内の樹木を押圧するボルトなどの締付具とからなり、
前記第1ネジ受部と杆状のネジ部または第2ネジ受部と締付具を螺合位置で固定する固定手段を設けており、
補助支柱固定部材が、前記横向きの支柱に外嵌可能な第3筒状リングと、前記横向きの支柱の上方または下方で交差する横向きの別の支柱に外嵌可能な第4筒状リングとを所定の交差した姿勢で一体に固着しており、前記第3筒状リングに形成された第3ネジ受部に螺進退可能に螺合するボルトなどの第3締付具を設け、前記第4筒状リングに形成された第4ネジ受部に螺進退可能に螺合するボルトなどの第4締付具を設けており、
樹木の周囲を挟むように上下に配置されて横向きで交差する前記一対の横向きの支柱を補助支柱固定部材の第3筒状リングと第4筒状リングに嵌合して第3締付具および第4締付具でそれぞれ固定し、前記一方の横向きの支柱に前記支柱固定部材の第2筒状リングを嵌合し第2締付具で固定し、第1筒状リングに縦向きの支柱を嵌合し、該縦向きの支柱の先端を地面に打ち込んだ後に、前記固定手段で第1ネジ受部と杆状のネジ部または第2ネジ受部と締付具を螺合位置で固定してなることを特徴とする。
更に、請求項9の発明では、
ネジ部と締付具とが、一方を正ネジとし、他方を逆ネジとしてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明の樹木支持用の支柱固定部材では、第1筒状リングと第2筒状リングとを杆状のネジ部で螺合して相対的に一方の筒状リングを回転可能としたので、縦向きの支柱を打ち込む際に、この第1筒状リングが嵌め込まれていても、前記縦向きの支柱の打ち込み角度に対応して回転することができ、第1筒状リングと第2筒状リングとを最適の交差角度で固定することができる。
また、縦向きの支柱の先端を地面に打ち込んで支柱を完成した状態で固定手段を用いて前記杆状のネジ部または締付具を第1ネジ受部または第2ネジ受部に固定して第1筒状リングと第2筒状リングの回転を阻止し固定することができる。
これにより、鉄線を巻き付けることなく、簡単な作業で誰でも鳥居型の支柱を完成することができる。
上記固定手段としては、ネジ潰し具によってネジ山を潰して固定したり、接着剤を充填、塗布して固定してもよい。
また、ネジ部と締付具とを、一方を正ネジとし、他方を逆ネジとすれば、同一方向に力が加わった際に、双方のネジが連動して緩む虞れが無くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
この発明では、第1筒状リングと第2筒状リングとを杆状のネジ部で螺着して連結すると共に、杆状のネジ部または締付具を螺合位置で固定手段により固定して、作業の容易性、迅速性という目的を、実現した。
【実施例1】
【0011】
以下にこの発明の好適実施例について、図面を参照しながら説明する。
図1(a)に示す支柱固定部材10は、縦向きの第1支柱S1に外嵌可能な第1筒状リング1および横向きの第2支柱S2に外観可能な第2筒状リング2と、前記第2筒状リング2に基端が固定されて第1筒状リング1に貫通形成された第1ネジ受部11に螺進退可能に螺合する杆状のネジ部13と、前記第2筒状リング2に形成された第2ネジ受部21と、該第2ネジ受部21に螺進退可能に螺合する締付具としてのボルト22からなっている。
【0012】
ここで、ネジ部13とボルト22とは、共にネジの方向を同じにしてもよいが、本実施例では一方を正ネジとし、他方を逆ネジとしている。
これにより、直列方向にネジ部13とボルト22とが並んでいても、緊締後に双方のネジが連動して緩む虞れが無くなる。
また、本実施例では、前記杆状のネジ部13を第1ネジ受部11に螺合した位置で固定する固定手段が設けられている。
【0013】
ここで樹木Tを固定する支柱は、木製の丸太からなっており、縦向きの第1支柱S1となる丸太は先端が鋭く削られた杭形状をしており、横向きの第2支柱S2となる丸太は両端が平らになった公知の形状をしている(図6参照)。
【0014】
そして、第1筒状リング1および第2筒状リング2は、ベルト状の金属製リングからなっており、前記支柱S1、S2より大径に設定されている。
第1筒状リング1には上記杆状のネジ部13を螺合するための第1ネジ受部11が形成されており、該第1ネジ受部11は、本実施例の場合、第1筒状リング1に形成された穴14と連通し内周面に雌ねじが刻設されたネジ孔15aを有するナット状の受部15を第1筒状リング1の外周面に固着した構成からなっている。
【0015】
第2筒状リング2は、その外周壁に前記杆状のネジ部13の基端を固着している。
ここで杆状のネジ部13に替えてボルトを用いてもよく、ボルトの頭部を第2筒状リング2の外周壁に溶着などで固定するものでもよい。
また、第2筒状リング2には、前記杆状のネジ部13の取付位置と対向する位置に第2ネジ受部21が形成されている。
【0016】
第2ネジ受部21は、本実施例の場合、第1ネジ受部11と同様に、第2筒状リング2に形成された穴24と連通し内周面に雌ねじが刻設されたネジ孔25aを有するナット状の受部25を第2筒状リング2の外周面に固着した構成からなっている。
この第2ネジ受部21に固定用のボルト22が螺合している。
ここで、ネジ部13とボルト22とはネジの向きが同じであっても、あるいは正逆異なるものであってもよい。
本実施例では、第2ネジ受部21の位置を杆状のネジ部13と対向する直径方向に配置したが、この配置は特に限定されるものではなく、杆状のネジ部13と衝合せず締付具が操作可能な位置に設けることができる(図4参照)。
【0017】
次ぎに、前記杆状のネジ部13を第1ネジ受部11に螺合した位置状態で固定する固定手段として、本実施例では、第1ネジ受部11が、第1筒状リング1に形成された穴14と、該穴14と連通するネジ受部15aを有するナット状のネジ受部15と、該ネジ受部15の外周面から内周面のネジ受部15aに貫通する貫通孔部16と、該貫通孔部16から挿入されてネジ受部15に螺合した前記杆状のネジ部13のねじ山を潰すネジ潰し具としての小さなネジまたはボルト17とからなっている(図1(b)参照)。
【0018】
この支柱固定部材10を用いて支柱を固定する例として、図6に示す二脚鳥居型にする場合には、図5に示すように、まず第2筒状リング2に横向きの第2支柱S2を嵌め込む。
そして、ボルト22を締付方向に回してボルト22を第2筒状リング2の内側に螺進させ、その先端を前記横向きの第2支柱S2に衝合ないし食い込ませて横向きの第2支柱S2に第2筒状リング2を固定する。
この際に、第1筒状リング1が縦向きの第1支柱S1の打ち込み方向Xに対してほぼ直角になるようにして、第2筒状リング2を固定しておく(図5(a)参照)。
【0019】
そして、第1筒状リング1をネジ部13を支点にして回転させてネジ部13の先端を第1筒状リング1の内側へ螺進させておき、その第1筒状リング1に縦向きの第1支柱S1を挿入し嵌め込む。
縦向きの第1支柱S1を差し込んだ際に前記杆状のネジ部13の先端が第1支柱S1に接するか接しない程度としておくことが好ましい。
【0020】
次いで、前記縦向きの第1支柱S1を第1筒状リング1に対してスライドさせながら地面に傾斜した状態で打ち込んでいく。
この打ち込みによって縦向きの第1支柱S1の向きが多少変化しても、第1筒状リング1の杆状のネジ部13を支点とする回動によって上記変化を吸収することができるので、第1筒状リング1が縦向きの第1支柱S1の外周面と密着した状態が維持される(図5(b))。
【0021】
そして、その状態で、第1ネジ受部11の貫通孔部16に螺合したネジ潰し具としての小さなネジ又はボルト17を締め付ける(図5(c))。
これによりネジ又はボルト17の螺進でその先端が第1ネジ受部11内で螺合している杆状のネジ部13のネジ山を潰して杆状のネジ部13と第1ネジ受部11との螺合状態を固定することができる。
【0022】
固定手段としては、例えば上記貫通孔部16から接着剤を充填して接着剤で前記螺合状態を固定するものでもよい。
あるいは、貫通孔部16を設けず、直接に前記杆状のネジ部に接着剤を塗布しておき、杆状のネジ部のねじ締めにより、接着剤により螺合状態を固定する構成であってもよい。
【実施例2】
【0023】
また、上記実施例1の第1筒状リング1に、第2筒状リング2の第2ネジ受部と同様の補助ネジ受部11’と、これに螺合するボルトと同様の補助ボルト12’を設けて、補助ボルト12’の緊締で縦向きの第1支柱S1を更に補助的に固定する構成を付加してもよい。
【0024】
図2に示す支柱固定部材10は、補助ネジ受部11’は、第1筒状リング1に形成された穴14’と連通し内周面に雌ねじが刻設されたネジ孔15’aを有するナット状の受部15’を第1筒状リング2の外周面に固着した構成からなっている。
この補助ネジ受部11’に固定用の補助ボルト12’が螺合している。
その他の構成は前記実施例1と同様である。
補助ネジ受部11’と 第1ネジ受部11とは直径方向に配置するものでもよいが、接近している方が縦向きの第1支柱S1を第1筒状リング1の内周面に幅広く衝合させることができる。
【実施例3】
【0025】
上記実施例では、固定手段として第1ネジ受部11と杆状のネジ部13との螺合状態を固定する構成を示したが、第2ネジ受部21とボルト23との螺合状態を固定する構成であってもよい。
図3に示す支柱固定部材10では、杆状のネジ部13が、ボルトからなって頭部が第2筒状リング2に溶着などで固定された構造からなっており、第1ネジ受部11が第1筒状リング1の穴14の外側にプレート18を固着し、内周面18aに雌ねじを刻設した構成からなっている。
その他の構成は前記実施例と同様である。
【0026】
この場合の固定手段としては、第2ネジ受部21のネジ受部25の外周面から内周面のネジ受部25aに貫通する貫通孔部26と、該貫通孔部26から挿入されてネジ受部25に螺合したボルトからなる第2締付具22のねじ山を潰すネジ潰し具としての小さなネジまたはボルト27とからなっている。
そして、第2締付具22を緊締して第2支柱S2を固定した状態で、前記ねじまたはボルト27を締めて前記第2締付具22のネジ山を潰し螺合状態を固定する。
【実施例4】
【0027】
上記実施例では、第1ネジ受部または第2ネジ受部に固定手段を設けて、いずれかの螺合状態を固定する場合を示したが、この発明では、固定手段を設けず、杆状のネジ部13や第2締付具22を締め付けるだけであってもよい。
従って、図4に示す支柱固定部材10では、第1ネジ受部11にも第2ネジ受部21にも固定手段を設けていない。
【0028】
また、第2ネジ受部21は、ネジ部13の延長方向に限らず、任意の位置に配置することができる。
本実施例では、ネジ部13の取付位置に対して略90度離間した位置に配置している。
その他の構成は、前記実施例1、3に準じるのでその説明を省略する。
【実施例5】
【0029】
図7には、前記実施例の支柱固定部材10と共に用いる補助支柱固定部材50を示す。
この場合、前記実施例の支柱固定部材10を補助支柱固定部材50と区別するために、この実施例5では支柱固定部材10とする。
補助支柱固定部材50は、横向きで上下に並んで交差する一方の第2支柱S2に外嵌可能な第3筒状リング3と、交差する他方の第3支柱S3に外嵌可能な第4筒状リング4とを略直角に交差した姿勢で一体に溶着し固定された構成からなっている。
【0030】
ここで第3筒状リング3および第4筒状リング4は、ベルト状の金属製リングからなっており、前記第2支柱S2、第3支柱S3より大径に設定されている。
第3筒状リング3には第3ネジ受部31が形成されている。
第3ネジ受部31は、本実施例の場合、第3筒状リング3に形成された穴34と連通し内周面に雌ねじが刻設されたネジ孔35aを有するナット状の受部35を第3筒状リング3の外周面に固着した構成からなっている。
この第3ネジ受部31に螺進して第2支柱S2を固定するためのボルトからなる第3締付具32が螺合している。
【0031】
同様に、第4筒状リング4には第4ネジ受部41が形成されている。
第4ネジ受部41は、本実施例の場合に第3ネジ受部31の延長方向に対して略直交する位置に形成されており、第4筒状リング4に形成された穴44と連通し内周面に雌ねじが刻設されたネジ孔45aを有するナット状の受部45を第4筒状リング4の外周面に固着した構成からなっている。
この第4ネジ受部41に螺進して第3支柱S3を固定するためのボルトからなる第4締付具42が螺合している。
【0032】
この支柱固定部材10、補助支柱固定部材50を用いて縦向きの第1支柱S1と、横向きの第2、第3支柱S2、S3を固定する例として、図9に示す三脚鳥居型にする場合には、図8(a)に示すように、まず上下で交差する横向きの第2支柱S2と第3支柱S3にそれぞれ第3筒状リング3および第4筒状リング4を嵌め込み、第3ネジ受部31に第3締付具32を螺合して第2支柱S2を固定し、第4ネジ受部41に第4締付具42を螺合して第3支柱S3を固定して第2、第3支柱S2、S3を交差状に組み立てる。
【0033】
次いで、図8(b)(c)に示すように、下段にある横向きの第2支柱S2に支柱固定部材10の第2筒状リング2を嵌め込み、第2ネジ受部21に第2締付具22を螺合して第2支柱S2を仮留めする。
そして、前述のように第1筒状リング1に縦向きの第1支柱S1を挿入して地面に所定深さまで打ち込み、固定手段で杆状のネジ部13の螺合位置を固定し、第2締付具22を本締めする(図8(d)参照)。
【0034】
これにより、上下で交差する横向きの第2、第3支柱S2、S3間を補助支柱固定部材50で固定し、上記第2支柱S2と縦向きの第1支柱S1との間を支柱固定部材10によって固定して、樹木を支持することができる。
ここで、第3支柱は第2支柱の上方で交差した例を図示したが、第3支柱は第2支柱の下方で交差するものでもよい。
換言すれば、図示例の場合、支柱固定部材10の第2筒状リング2は上段にある第3支柱S3に嵌め込み、固定して取り付けるものでもよい。
【0035】
樹木Tの支持構成は、上記実施例の鳥居型に限定されず、丸太からなる支柱を交差して樹木を支持する構成に用いることができる。
また、上記実施例では、支柱固定部材と補助支柱固定部材を用いた例を示したが、両方とも支柱固定部材を用いるものでもよい。
また、上記実施例では、補助支柱固定部材は支柱固定部材と共に使用する場合を例示したが、補助支柱固定部材単独で使用するものであってもよい。
また、各実施例におけるネジ部とボルト2とは前述のようにネジの向きを正逆異なるものとすることが好ましい。
その他、要するにこの発明の要旨を変更しない範囲で種々設計変更しうること勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】(a)は支柱固定部材の正面図、(b)は要部拡大図である。(実施例1)
【図2】支柱固定部材の異なる実施例の側面図である。(実施例2)
【図3】支柱固定部材の異なる実施例の正面図である。(実施例3)
【図4】固定手段を設けず、且つネジ受部の取付位置の異なる支柱固定部材の正面図である(実施例4)。
【図5】図1の支柱固定部材を用いて支柱を鳥居型に組み立てた状態を説明する図であって、(a)は横向きの支柱に取付けた状態の図、(b)は縦向きの支柱へも取付けた状態の図、(c)固定手段により杆状のネジ部を第1ネジ受部に固定した状態の図である。
【図6】支柱固定部材で鳥居型支柱を固定して樹木を支持した状態の側面図である。
【図7】補助支柱固定部材の正面図である。(実施例5)
【図8】支柱固定部材と補助支柱固定部材を用いて支柱を鳥居型に組み立てた状態を説明する図であって、(a)は上下で交差する横向きの支柱間に補助支柱固定部材を取付けた状態の図、(b)は横向きの支柱に支柱固定部材を取り付けた状態の図、(c)は同平面図、(d)支柱固定部材を縦向きの支柱に取り付けた状態の図である。
【図9】支柱固定部材と補助支柱固定部材とを用いた支柱の組立状態を示す要部斜視図である。
【図10】従来の鳥居型支柱による樹木の支持構造を示す側面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 第1筒状リング
2 第2筒状リング
3 第3筒状リング
4 第4筒状リング
10 支柱固定部材
11 第1ネジ受部
13 杆状のネジ部
14 穴
15 受部
15a ネジ穴
16 貫通孔部
17 ネジ潰し具としてのネジまたはボルト
21 第2ネジ受部
22 第2締付具としてのボルト
31 第3ネジ受部
32 第3締付具としてのボルト
41 第4ネジ受部
42 第4締付具としてのボルト
50 補助支柱固定部材
S1 第1支柱
S2 第2支柱
S3 第3支柱
T 樹木
【出願人】 【識別番号】399035939
【氏名又は名称】長畑 嗣男
【出願日】 平成17年7月7日(2005.7.7)
【代理人】 【識別番号】100083183
【弁理士】
【氏名又は名称】西 良久


【公開番号】 特開2007−14274(P2007−14274A)
【公開日】 平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願番号】 特願2005−199473(P2005−199473)