| 【発明の名称】 |
植栽マット及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】吉田 稔
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| 【要約】 |
【課題】敷設面の荷重負担を軽減すると共に施工や撤去を容易にし、かつ土壌を常に好条件に保つことができる植栽マット及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の植栽マットは、底部に開口部を穿設された複数のセルが上部が開口するように凹設された合成樹脂製のマットフレームと、前記セル内に詰められ、その表面をバインダ処理された軽量育成材とからなる。各セル内に補強部材を形設すると一層良好である。必要に応じて、軽量育成材の上部表面に播種、種子シートの固定、地被植物の植栽が可能である。そして、上記植栽マットの製造方法は、底部に開口部を穿設された複数のセルが上部が開口するように凹設された合成樹脂製のマットフレームの各セル内に軽量育成材を詰める第一工程、前記軽量育成材の表面をバインダ処理する第二工程とからなり、必要に応じて補強部材を形設する工程、播種、種子シートの固定、地被植物の植栽の工程を行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 底部に開口部を穿設されたセルが上部が開口するように凹設された合成樹脂製のマットフレームのセル内に軽量育成材を詰め、前記軽量育成材の少なくとも表面をバインダ処理することを特徴とする植栽マット。 【請求項2】 底部に開口部を穿設されたセルが上部が開口するように凹設された合成樹脂製のマットフレームのセル内に軽量育成材を詰める第一工程、前記軽量育成材の少なくとも表面をバインダ処理する第二工程とを有することを特徴とする植栽マットの製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、ビルの屋上、ベランダ、テラス等の人工地盤上に配設して、植物、特に芝生等の地被植物を育成する植栽マット及びその製造方法に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、ビルの屋上、ベランダ、テラスのように平面的な敷設面を有する箇所で植物を育成する場合、防水層及び防根層を形成し、又はシートを敷き、その上に土壌を盛って、芝生等の地被植物、草木、野菜などの植物を育成していた。(例えば特許文献1参照)。 【0003】 しかし、防水層や土壌等の施工には、非常な時間と労力を要する大がかりな作業となる一方、防水層や敷設面等に損傷を生じた場合に行う撤去、修復作業も大がかりになるという欠点があった。 【0004】 そして、上述の植栽設備では、敷設面の荷重負担が増大する傾向があるため、既存の建築物には適用し難く、新建築物においても荷重負担に耐えうる構造とすべくコスト負担が大きくなるという問題があった。 【0005】 さらに、一旦植栽設備を敷設した後も、土壌が雨水等で流出したり、乾燥して風で飛散したりすることから、土壌が減少して植物の育成が阻害されるおそれがあるという問題があった。 【0006】 また、消費者のニーズの多様化から、植栽設備の設置後に播種や植栽をするのみでなく、製造段階において予め播種や植栽が行われている植栽設備が切望されていた。 【0007】 【特許文献1】特開平4−99411号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、敷設面の荷重負担を軽減すると共に、施工、撤去を容易にする植栽マット及びその製造方法を提供することにある。 【0009】 また、他の目的は、土壌の減少を防止すると共に、土壌の圧迫を防いで植物の生育の培地となる土壌を常に好条件に保つことができる植栽マット及びその製造方法を提供することにある。 【0010】 さらに、他の目的は、植栽設備の敷設した後だけでなく、製造段階においても予め播種や植栽が可能である植栽マット及びその製造方法を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0011】 上記課題を解決するために本発明の植栽マットは、底部に開口部を穿設されたセルが上部が開口するように凹設され、該セル内に該セル側壁上端部を越えない高さで周囲がセル側壁と離間する補強部材が、該セルの底面に対して垂直方向に立設されたマットフレームと、該セル内に詰められ、表面をバインダ処理された軽量育成材とを有することを特徴とする。 【0012】 また、上記植栽マットにおいて、前記補強部材がセル底面に向かって低くなる片流れ傾斜面を有する、又、前記補強部材の頂面に小穴が穿設されていることを特徴とする。更に、これら植栽マットにおいて、軽量育成材に播種がなされている、若しくは軽量育成材の上部表面に種子シートを固定してなる、若しくは軽量育成材に地被植物が植栽されていることを特徴とする。 【0013】 また、本発明の植栽マットは、底部に開口部を穿設されたセルが上部が開口するように凹設され、板状部材を分離可能に係合若しくは嵌合して構成される補強部材が、該セル内に該セル側壁上端部を越えない高さで、該セルの底面に対して垂直方向に立設されたマットフレームと、該セル内に詰められ、表面をバインダ処理された軽量育成材とを有することを特徴とする。 【0014】 また、本発明の植栽マットの製造方法は、底部に開口部を穿設されたセルが上部が開口するように凹設され、該セル内に該セル側壁上端部を越えない高さで周囲がセル側壁と離間する補強部材が、該セルの底面に対して垂直方向に形成されたマットフレームと、該セル内に詰められ、表面をバインダ処理された軽量育成材とを有する植栽マットの製造方法であって、該セル内に軽量育成材を詰める第一工程と、該軽量育成材の表面をバインダ処理する第二工程とを備えることを特徴とする。 【0015】 更に、本発明の植栽マットの製造方法は、上記第二工程の後に、該軽量育成材に播種する工程、若しくは該軽量育成材の表面に種子シートを固定する工程、若しくは該軽量育成材に地被植物を植栽する工程を備えることを特徴とする。 【0016】 そして、本発明による植栽マットは、底部に開口部を穿設されたセルが上部が開口するように凹設された合成樹脂製のマットフレームのセル内に軽量育成材を詰め、前記軽量育成材の少なくとも表面をバインダ処理することを特徴とする。 また、本発明による植栽マットの製造方法は、底部に開口部を穿設されたセルが上部が開口するように凹設された合成樹脂製のマットフレームのセル内に軽量育成材を詰める第一工程、前記軽量育成材の少なくとも表面をバインダ処理する第二工程とを有することを特徴とする。 【0017】 また、上記製造方法において、マットフレームが、底部に開口部を穿設されたセルが上部が開口するように凹設されると共に、前記セル内に、セルの側壁上端部を越えない高さの補強部材を、セルの底面に対し垂直方向に一体成型された合成樹脂製のマットフレームであることを特徴とする。 【0018】 また、上記製造方法において、第一工程の前に、セル内に、セルの側壁上端部を越えない高さの別体の補強部材をセルの底面に対し垂直方向に形設する工程を行うことを特徴とする。 【0019】 さらに、これらの製造方法において、第二工程の前又は後に、軽量育成材に播種する工程を行うことを特徴とする。 【0020】 また、これらの製造方法において、第二工程の前又は後に、軽量育成材の上部表面に種子シートを固定する工程を行うことを特徴とする。 【0021】 また、これらの製造方法において、第二工程の後に、軽量育成材に播種する工程を行い、さらに播種した軽量育成材の少なくとも表面をバインダ処理する工程を行うことを特徴とする。 【0022】 また、これらの製造方法において、第二工程の後に、軽量育成材の上部表面に種子シートを固定する工程を行い、さらに種子シートの少なくとも前記表面をバインダ処理する工程を行うことを特徴とする。 【0023】 また、これらの製造方法において、第二工程の後に、軽量育成材に地被植物を植栽する工程を行うことを特徴とする。 【発明の効果】 【0024】 本発明の植栽マット及びその製造方法は上記構成により、敷設面の荷重負担を軽減すると共に、製造、運搬、施工、撤去等を容易にする効果を有する。従って、敷設時には大幅な経費節約ができ短期間で工期が完了すると同時に、撤去時にも全く人工地盤を汚さず敷設前の状態に戻すことが可能である。そして、土壌の減少を防止すると共に、土壌の圧迫を防いで植物の生育の培地となる土壌を常に好条件に保つことができる効果を有する。さらに、本発明の植栽マットは、植栽設備の敷設した後だけでなく、製造段階においても予め播種や植栽が可能であり、消費者の多様なニーズに応えることができる効果を奏する。従って、建造物の屋上や都市に点在する小規模空間の緑化にふさわしい緑化植物が長期にわたり生育できる育成環境を提供できるので、都市空間の簡易緑化に資するものである。 【0025】 より詳細には、本発明の植栽マットは、マットフレームの材質を合成樹脂製として土壌には軽量育成材を用いることから、軽量化を図ることができ、さらにはユニット化した置き式タイプであるから取り扱いが容易である。 【0026】 また、軽量育成材の少なくとも表面をバインダ処理して乾燥させたことにより、軽量育成材の少なくとも表面部分が分離飛散せず、その下部に位置する軽量育成材も移動することがない。従って、植栽マットの製造後は、運搬、敷き込み時、敷設後等を通じ、土壌は常に安定した状態となる。 【0027】 そして、補強部材を形設することにより、植栽マットの敷き詰め時、あるいはその後の播種、種子シートの取り付け、地被植物の植栽時又は敷設完了後の保守点検時において、植栽マットの上部を歩行した際に、上部からの圧力に対して高い強度を発揮させ、マットフレームの破損を防止すると共に土壌の圧迫を防いで植栽された切り芝等の地被植物の毛根へのダメージを和らげられる。さらに、形設された補強部材は、各セル内の軽量育成材の中央部が長期間の経過で沈下したり、軽量育成材がセル内で移動することを防止する。 【0028】 また、本発明の植栽マットは、製造工場あるいは敷設現場において軽量育成材の上部表面に播種し、又は種子シートを固定し、或いは地被植物を載置・固定するものであるから、任意の植栽マットを極めて取り扱いが容易に、かつ低コストで提供することが可能となる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0029】 以下、本発明を具体的な実施形態に基づいて説明するが、本発明は係る実施形態に限定されるものではない。 【0030】 本発明の植栽マット1は、図1に示す如く、底部に開口部7を穿設された複数の略方形のセル6が上部が開口するように凹設された合成樹脂製のマットフレーム2と、セル6内に詰められ、少なくともその表面をバインダ処理された軽量育成材8とからなる。 【0031】 マットフレーム2は、図2に示す如く、外周壁3a及び底面3bからなる方形フレーム3内を、外周壁3a以下の高さのセル形成用垂直側壁5を縦横に一体成型して区画し、複数個の略方形のセル6を凹設された形状である。従って、隣接するセル6相互はセル形成用垂直側壁5によって連接されることになる。本例では、セル形成用垂直側壁5を方形フレーム3と一体成型してあるが、両者を一体成型せずに、外周壁3a及び底面3bからなる方形フレーム3内に、別部材である格子状のセル形成用垂直側壁5を収納し配設してもよい。 【0032】 外周壁3aに隣接するセル6には、底面3b側部から外周壁3a下部にかけて開口部7が穿設されているとともに、前記セル6のセル底面6bの内方部分にも、適宜の大きさ、形状、数の開口部7(図示せず)が穿設されている。さらに、前記セル6の内側に位置するセル6のセル底面6bについても同様に、適宜の大きさ、形状、数の開口部7(図示せず)が穿設されている。 【0033】 但し、上記のように開口部7の大きさは適宜ではあるが、少なくとも植栽マット1への潅水に対応できる大きさとする。即ち、じょうろ等による植栽マット1への潅水する際の余剰水を排水するのに適した大きさとする。 【0034】 また、マットフレーム2において、図3の如く、凹設された複数の略方形のセル6におけるセル側壁6aの上端部で、セル6同士を互いに連結リブ9で連結する構成としてもよい。マットフレーム2の外周部分におけるセル側壁6a上端部には、連結リブ9の高さ以上の高さの周縁リブ4が設けられている。そして、各セル底面6b各辺の中心部付近には、セル底面6b側部からセル側壁6a下部にかけて、4箇所の開口部7が設けられている(図4参照)。かかるマットフレーム2では、各セル6相互は上端部で連結リブ9によって連結されているのみで独立しており、方形フレーム3内をセル形成用垂直側壁5で区画するマットフレーム2に比較し、敷設面の凹凸等(スラブ)の不陸に対して、より追従する可撓性を有する。従って、周縁リブ4や連結リブ9の厚さは可撓性を発揮する厚さのものとすると良好である。 【0035】 尚、マットフレーム2の形状は、上記例に限定されるものではなく、上部が開口するよう凹設され、区画された複数のセル6を有するものであればよい。また、セル6の形状も略方形に限るものではない。後述するように、マットフレーム2には各種の変形例がある。 【0036】 マットフレーム2の材質は合成樹脂製のものが良好であり、塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリスチレン等が用いられ、マットフレーム2は真空成型、ブロー成型、射出成型、押し出し型等の成型方法で形成される。 【0037】 マットフレーム2の厚さは、ある程度の可撓性を有し敷設面の凹凸等(スラブ)の不陸に追従すると同時に、マットフレーム2に直接又は歩行板を敷いて人が乗ってもつぶれない程度の強度を有することが必要であり、例えば0.4〜2.0mmの厚さとすると良好である。マットフレーム2の大きさは適宜であり、本実施形態では500×500×100mm程度とした。 【0038】 セル3内に敷き詰められる植物育成材である軽量育成材8(人工軽量土壌)は植物の培地となるものであり、例えば、軽石を下側に1/3〜2/3程度詰め、その上部にパーライト、バーミキュライト、ピートモス、バーク堆肥、チャフコン、木質腐朽有機物などの他、必要と思われる根腐れ防止用の珪酸塩白土などを、植栽の種類、環境などに応じて適宜選定し、保水性、排水性を良好にするためバランスよく配合したものである。かかる通気性良好な軽量育成材8を採用することにより、植物の根が傷むことを防止できる。これらの軽量育成材8による荷重は、従来の客土の約1/3であり、敷設面への荷重負荷を軽減することができる。 【0039】 また、別の軽量育成材8の例として、培養土をでんぷん糊などのバインダと共に所要形状の型枠に入れ、プレス機によって厚みが約半分になるようにプレスし、熱風を通過させて硬化させたものもある。 【0040】 セル6内に軽量育成材8を敷き詰める際は、軽量育成材8を直に敷き詰めてもよいが、図4の如くセル6内に先にフィルター10を敷設した後、フィルター10上に軽量育成材8を敷き詰めると一層良好である。フィルター10は、軽量育成材8内の微小成分の流出を防止するため、セル6内の開口部7を塞ぐように敷設される。フィルター10には不織布、ネット、チュール等を用いる。 【0041】 軽量育成材8の少なくとも表面をバインダ処理する際には、まず、アルギン酸溶液やでんぷん溶液等を散布する、バインダ粉の散布後にその散布面に温水等の水分を供給散布する、又はバインダシートを載置してそのシート上面に温水等の水分を供給散布する等の手段で行う。バインダ粉やバインダシートの場合には温水等の水分を供給散布することから、植栽マット1が汚れることを防いで製造上量産しやすい。前記散布或いは供給散布後には軽量育成材8の表面を乾燥させるが、乾燥させる手段としては、自然乾燥、強制乾燥のどちらでもよい。 【0042】 上述のバインダ処理手段は、植物の育成条件や軽量育成材8の混合物の性質、特長などを考慮して適宜選定する。そして、バインダ処理により、少なくとも軽量育成材8の表面は固定化されるので、土壌である軽量育成材8の飛散、移動が防止でき、取り扱いが極めて容易となる。 【0043】 更には、バインダ処理された軽量育成材8の上部表面には、植栽マット1の製造現場又は植栽マット1の設置場所で、播種や種子シート23の固定、地被植物の植栽が行われる。また、軽量育成材8の表面に播種又は種子シート23を載置・固定した場合、風等により種子又は種子シート23が飛ばないように、更にその上面にバインダ溶液を再度散布すると良好である。場合によっては、播種又は種子シート23の載置・固定を先に行い、その後にバインダ溶液を散布し、乾燥させてもよい。 【0044】 上記のバインダ処理に用いた溶液等は、植物を育成するため潅水を行う過程で徐々に流出するが、同時に潅水等で土壌が徐々に安定することから、バインダ溶液等の流出後も土壌が減少することを防止できる。また、バインダ溶液等は流出することから、植物の生育に影響を与えることはない。 【0045】 次に、植栽マット1のセル6内に補強部材11を設ける場合について説明する。図5に示す如く、略方形のセル6内の対角線方向に別部材である断面十字型で壁型の補強部材11がセル底面6bに対し垂直方向に嵌合、形設され、セル6内は補強部材11によって複数の画成部14に区画される。本実施形態における補強部材11の形状は断面十字型であるが、この他にも格子状或いは各セル6内の底面6bから垂直に立設する複数本の柱体等適宜である。補強部材11の高さは、セル6を連結する連結リブ9の高さと略同一の高さとしてあるが、これに限定されるものではなく、セル側壁6a上端部を越えない高さであればよい。 【0046】 補強部材11を嵌合したセル6の部分を拡大すると(図6)、補強部材11の中央部及び端部4箇所の上部には、肉厚部12が形成され、その頂面に小穴13を穿設されている。この小穴13は後述の種子シート23又は切り芝を使用する場合に、種子シート23や切り芝を固定する役割を果たす。そして、セル6のセル側壁6a下部からセル底面6b中心に向かって隆起部15が形成され、隆起部15のセル6中心付近である隆起部端部15aの上面には、通水口16が穿設されている。隆起部15の内側は逆U字型の空間で凹溝の開口部7になっており、余剰水は開口部7を通って排出される。 【0047】 壁型の補強部材11によりセル6を画成部14に区画する場合、本実施形態の如く通水のために画成部14ごとに通水口16や開口部7をセル6のセル底面6b付近に設けることが好ましいが、画成部14ごとに開口部7等を設けず、補強部材11の下部付近に画成部14相互の連通用切り欠き又は孔を形成して、セル底面6bに穿設した一箇所の開口部7で通水を行ってもよい。 【0048】 補強部材11の材質、成型方法は、特に限定するものではなく、合成樹脂製成型品やマットフレーム2と同一の材質のものを使用できる。その厚さは、セル6内を補強する機能を有すれば適宜である。 【0049】 ここでマットフレーム2と別体の補強部材11の変形例を示す。図7は上下に一体に嵌合する補強部材11であり、2枚の平板17aと17bを切り欠き18aと18bで上下に一体に嵌合させて補強部材11とする。この補強部材11は、切り欠き18a、18bの長手方向を中心としてある程度回動可能になっているので、セル6の形状の変化に対応できる。図8は凹凸に嵌合する補強部材11であり、2つの略直角である直角板19aと19bの中央部平面19cにおいて、凸部20aと凹部20bで凹凸に嵌合させて補強部材11とする。図9は円弧部を凹凸に係合する補強部材11であり、2枚の湾曲板21aと21bの中央部において、円弧凸部22aと円弧凹部22bで凹凸に係合させて補強部材11とする。 【0050】 これらに補強部材11は、いずれも分離可能であることから、製造、保管、管理、搬入等において場所をとらずに取り扱いやすく、さらに、図7(b)の補強部材11は嵌合状態で矢印の方向に回動させて折りたたむことが可能であり、分離せずともある程度上記と同様の作用がある。 【0051】 別体の補強部材11を用いた植栽マット1の一例を示すと、図10の如くである。本例は、図5の各セル6内に別体の補強部材11を嵌合したマットフレーム2において、補強部材11で区画された各画成部14に軽量育成材8を詰め、軽量育成材8の表面にバインダ溶液を散布し乾燥させた後に、軽量育成材8の上部表面に種子シート23を載置したものである。そして、補強部材11の中央部及び端部の上部に形成された肉厚部12の頂面に穿設された小穴13と、ピンや釘等の止め具24で、種子シート23を軽量育成材8の上部表面に固定している。 【0052】 種子シート23を固定することにより、種子シート23は軽量育成材8の上部表面に面接触し、浮き上がったり、飛ぶことがなく、水分を有効に吸収して発芽する。種子シート23の代わりに切り芝をマットフレーム2に固定する場合についても同様のことがいえる。 【0053】 上述の例では、補強部材11はマットフレーム2と別体としたが、補強部材11はマットフレーム2と一体成型することも可能である。以下には補強部材11をマットフレーム2と一体成型する例を示す。 【0054】 図10は、補強部材11をマットフレーム2と一体に成型した例である。マットフレーム2は、複数の略方形のセル6をセル側壁6aの上端部で連結リブ9を介して相互に連結すると同時に、補強部材11を各セル6内に十字型に一体成型してある。周縁リブ4と補強部材11の連結部分や連結リブ9と補強部材11の連結部分には、肉厚部12が形成されており、肉厚部12の頂面には小穴13が穿設されている。この場合、補強部材11の下部は、各セル6内のセル底面6b(図示せず)から浮いた状態のように短めに形成することもできる。 【0055】 さらに、補強部材11をマットフレーム2に一体成型する場合の変形例を図12、図13(a)に示す。マットフレーム2は、複数の略方形のセル6をセル側壁6aの上端部で連結リブ9を介して相互に連結すると同時に、補強部材11がセル6内でセル底面6bに対してクロス状に垂直方向に一体成型されており、補強部材11の周囲は各セル6の内側のセル側壁6aと離間して形成されている。補強部材11の高さは連結リブ9の上端部と略同一高さであり、その形状は、垂直壁25の外周が底面に向かって低くなる片流れ傾斜面となっている。そして、補強部材11の中央には小穴13が穿設されている。 【0056】 ここで、補強部材11の垂直壁25の大きさ、形成位置は適宜であり、図13(b)の如く、セル側壁6aに対して縦横平行でセル底面6bに垂直方向に一体成型し、垂直壁25の大きさを小さくしてもよい。図13(b)で開口部7の位置は、各セル6のセル底面6bの4隅とした。 【0057】 本例のマットフレーム2に用いるフィルター10には、フィルター10に補強部材11の形状に対応した切れ目26を予め入れたものを用いると便利である(図13(c)参照)。 【0058】 本例は、補強部材11の垂直壁25を4方向に形成したが、その他3方向、5方向等適宜である。成型方法としては、真空成型等を用いる。 【0059】 マットフレーム2を図12のような構成とすると、製造する過程で製造しやすくなり製造コストを低減することができ、さらにはフィルター10を配設しやすくすることができる。 【0060】 さらに、植栽マット1が不要になった場合において、マットフレーム2から軽量育成材8を取り出して分離する際に、補強部材11は片流れ傾斜面となっているので、マットフレーム2を返転させることにより、その内部の軽量育成材8を容易に排出することができ、マットフレーム2の再利用が容易である。そのマットフレーム2は、合成樹脂製であるから、再利用不能の場合は再成資源として処理することができる。 【0061】 尚、上記の片流れ傾斜面を有する補強部材11はマットフレーム2と一体成型したが、補強部材11を別体としてマットフレーム2に形設してもよい。例えば、マットフレーム2の各セル6のセル底面6bに上方に向かう凸部を設け、各補強部材11の各垂直壁25の底部に凹部を設けて、相応する凸部と凹部を凹凸に嵌着し、セル6内に補強部材11を形設することができる。 【0062】 補強部材11をマットフレーム2と一体成型したさらなる変形例として、方形フレーム3の底面3bに複数の開口部7(図示せず)を穿設し、複数のセル6を形成するセル形成用垂直側壁5と十字型の補強部材11を一体成型したマットフレーム2(図14)、複数の略方形のセル6をセル側壁6aの上端部で連結リブ9を介して相互に連結すると同時に、十字型の補強部材11を一体成型したマットフレーム2(図15)を示す。 【0063】 また、図16の如くマットフレーム2が、方形フレーム3と、セル形成用垂直側壁5と各セル6内を複数の画成部14に区画する補強部材11が一体成型された別体の画成部材27とからなり、方形フレーム3内に画成部材27を配設することにより、図14のマットフレーム2と同一形態となるようにしてもよい。 【0064】 さらに、図17の如く方形フレーム3内に、セル形成用垂直側壁5の高さを外周壁3aの上端部の高さよりも低く形成し、セル形成用垂直側壁5の高さの不足分を補う高さのセル形成用追加垂直側壁28を有する画成部材27を嵌合させてもよい。画成部材27には、セル6内を複数の画成部14に区画する断面十字型で壁型の補強部材11とセル形成用追加垂直側壁28が一体成型され、補強部材11とセル形成用追加垂直側壁28の連結部分の下部には、方形フレーム3の内側のセル底面6bに先端が届く切欠凹部29が形成されている。そして、切欠凹部29はセル形成用垂直側壁5に跨ぐように嵌合され、セル6内は補強部材11で完全に画成部14に区画されると共に、最終的に外周壁3aの上端部の高さは、セル形成用垂直側壁5とセル形成用追加垂直側壁28を合わせた高さと略同一になる。 【0065】 図18のように、外周壁3aの上端部の高さより、セル6相互間の連結リブ9の高さが低く一体成型されたマットフレーム2の場合も、補強部材11とセル形成用追加垂直側壁28を一体成型した前期と同様の画成部材27の切欠凹部29を、連結リブ9を跨ぐように嵌合させることができる。 【0066】 尚、これらの変形例でも、補強部材11の下側は、各セル6内の内側のセル底面6bから浮いた状態の短めであっても差し支えない。 【0067】 また、マットフレーム2における外周壁3aの上端部、周縁リブ4、連結リブ9、セル形成用垂直側壁5、補強部材11の高さの相違については特に限定するものではないが、切り芝等の植栽においては、外周壁3aの上端部や周縁リブ4の高さよりも、連結リブ9やセル形成用垂直側壁5の高さを10〜20mm低く形成すると良好な場合もある。 【0068】 即ち、連結リブ9やセル形成用垂直側壁5を周縁リブ4や外周壁3aの上端部より低くした場合には、軽量育成材8(植物育成材)を連結リブ9やセル形成用垂直側壁5の高さにまで詰めた後に、切り芝をその上面に並べて目土仕上げした際に、切り芝の先端を周縁リブ4やの外周壁3aの上端部と略同一平面とすることができるので、より見栄えの向上を図ることが可能になる。 【0069】 補強部材11を用いた場合には、マットフレーム2の上部からの圧力に対する強度を上げて補強できるので、マットフレーム2の敷き詰め時、植栽マット1の敷き詰め時、又は敷設完了後の保守、点検等において、その上部を歩行した際に、マットフレーム2の破損を防止し、植栽マット1内にある芝生等の植物の根へのダメージを和らげる作用がある。また、軽量育成材8がセル6内で移動することを防止することができ、植物の育成に対して軽量育成材8を常に好条件に保つことができる。 【0070】 次に、本発明による植栽マットの製造方法について説明する。植栽マット1を製造する場合、予め用意したマットフレーム2の各セル6又は画成部14のセル底面6bにフィルター10を敷設し、その上に植物育成材である軽量育成材8を敷き詰め、その軽量育成材8の少なくとも表面にバインダ溶液を散布して乾燥させる。 【0071】 具体的に植栽マット1の製造工程の一例を示すと次のようになる(図10参照)。まず、マットフレーム2の各セル6内に別体の断面十字型で壁型の補強部材11を嵌合し、補強部材11で区画された画成部14内に画成部14の底面に合う形状のフィルター10(図示せず)を敷設して、フィルター10上に軽量育成材8を詰める。次に、軽量育成材8の表面に、少なくとも軽量育成材8の表面部分が分離飛散しないようにバインダとなるアルギン酸溶液を散布する。そして、軽量育成材8の表面に熱風をかけ、前記散布溶液を乾燥させて軽量育成材8の表面を固定化する。最後に、軽量育成材8の表面に種子シート23を載置し、補強部材11の上面の小穴13に止め具24を挿入して種子シート23を固定する。 【0072】 以上の工程で、植栽マット1が完成する。そして、植栽マット1を使用する所要箇所に敷設した後に、載置された種子シート23の上面に給水することにより、発芽準備は完了する。 【0073】 尚、上記の植栽マット1の製造工程は種子シート23を用いた例であるが、種子シート23の載置は、製造工場において、又は敷設場所に搬入した後に、若しくは敷設場所に敷き並べた後等に常時可能である。これは、種子シート23を用いずに、軽量育成材8の表面への播種する場合や切り芝等の地被植物を植栽する場合も同様である。 【0074】 また、軽量育成材8の表面に播種又は種子シート23を載置・固定した場合、風等により種子又は種子シート23が飛ばないように、更にその上面にバインダ溶液を再度散布すると良好である。場合によっては、播種又は種子シート23の載置・固定を先に行い、その後にバインダ溶液を散布し、乾燥させてもよい。 【0075】 そして、上記植栽マット1の敷設に当たっては、人工地盤上に直接並設する、防水シート、防根シート、保水シートの上に並設する、潅水装置と組み合わせて配設するなど、適宜の敷設方法を許容するものである。 【産業上の利用可能性】 【0076】 本発明は、ビルの屋上、ベランダ、テラス等の人工地盤上に配設して植物を育成する植栽設備として利用することができる。 【図面の簡単な説明】 【0077】 【図1】本発明による植栽マットの一実施形態の斜視図。 【図2】上記実施形態のマットフレームの斜視図。 【図3】マットフレームの変形例の斜視図。 【図4】本発明による植栽マットの一実施形態のセル内構成図。 【図5】別体の補強部材を嵌合したマットフレームの斜視図。 【図6】(a)は別体の補強部材を嵌合したセルの拡大平面図。(b)はA−A線断面図。 【図7】(a)は上下に一体に嵌合する断面十字型の補強部材の斜視図。(b)は嵌合状態にある上記補強部材の斜視図。 【図8】凹凸部で嵌合する断面十字型の補強部材の斜視図。 【図9】円弧凹凸部で嵌合する湾曲型の補強部材の斜視図。 【図10】本発明の植栽マットの他の実施形態の斜視図。 【図11】補強部材を一体成型したマットフレームの斜視図。 【図12】補強部材をセル内壁と離間させてセルの底面に一体成型したマットフレームの斜視図。 【図13】(a)はセル内壁と離間して底面に一体成型された補強部材を有するセルの斜視図。(b)は上記補強部材を有するセルの変形例の斜視図。(c)は十字形状の切れ目を有するフィルターの斜視図。 【図14】補強部材を一体成型したマットフレームの変形例の斜視図。 【図15】補強部材を一体成型したマットフレームの他の変形例の斜視図。 【図16】方形フレームに画成部材を嵌合して画成部を形成するマットフレームの斜視図。 【図17】垂直側壁に画成部材の切欠凹部を嵌合して画成部を形成するマットフレームの斜視図。 【図18】連結リブに画成部材の切欠凹部を嵌合して画成部を形成するマットフレームの斜視図。 【符号の説明】 【0078】 1 植栽マット 2 マットフレーム 5 セル形成用垂直側壁 6 セル 7 開口部 8 軽量育成材 9 連結リブ 11 補強部材 23 種子シート 27 画成部材
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| 【出願人】 |
【識別番号】000162135 【氏名又は名称】共同カイテック株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年9月11日(2006.9.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100094536 【弁理士】 【氏名又は名称】高橋 隆二
【識別番号】100109243 【弁理士】 【氏名又は名称】元井 成幸
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| 【公開番号】 |
特開2007−149(P2007−149A) |
| 【公開日】 |
平成19年1月11日(2007.1.11) |
| 【出願番号】 |
特願2006−245042(P2006−245042) |
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