| 【発明の名称】 |
海苔網設置構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】冨田 力雄
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| 【要約】 |
【課題】海面に対して海苔網を容易に接離することのできる海苔網設置構造を提供すること。
【解決手段】支持している海苔網1を反転させることにより海面に接している海中展張位置と海面から離間している干出位置とに変位させて保持する海苔網支持手段23を有することを特徴とする海苔網設置構造。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支持している海苔網を反転させることにより海面に接している海中展張位置と海面から離間している干出位置とに変位させて保持する海苔網支持手段を有することを特徴とする海苔網設置構造。 【請求項2】 一対の支持綱をその両端部を連結状態にして係止し、複数の前記海苔網支持手段を前記一対の支持綱を所定幅に展張するようにして支持綱の長手方向の複数箇所に設置し、前記一対の支持綱の間および前記海苔網支持手段の間に海苔網を展張させて、少なくとも1箇所の前記海苔網支持手段部分を反転させることにより全部の海苔網支持手段、支持綱および海苔網を反転させるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の海苔網設置構造。 【請求項3】 前記海苔網支持手段は、前記一対の支持綱を所定幅に展張する展張部材と、海苔網を海中展張位置に保持する第1浮子と、海苔網を干出位置に保持する第2浮子とを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の海苔網設置構造。 【請求項4】 前記第2浮子の前記海苔網の幅方向の設置範囲は、前記一対の支持綱の間隔以内とされていることを特徴とする請求項3に記載の海苔網設置構造。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、海苔養殖場において海苔網を海面に展張する海苔網設置構造に係り、特に、海苔網を海面より干出するのに好適な海苔網設置構造に関する。 【背景技術】 【0002】 一般に、海苔の養殖は、海苔網等に浮子を取着して海面に浮かすように展張して錨で止める浮き流し(べた張り)方式、あるいは、海底から立設した支柱に海苔網を展張した支柱方式によって行われている。この両方式の使い分けは、海苔養殖場の立地条件により決定されている。 【0003】 図6は従来の海苔の養殖に用いる浮き流し方式と称される海苔網設置構造における海苔網の展張状態の一例を示すものであり、海苔網(一部のみ図示)1は、四辺を形成する太い縁綱2に、縁綱2より細い複数の綱3が格子状などに編まれて帯状に形成されている。この海苔網1には、海苔網1に浮力を与え、さらに海苔網1の捻れを防止するために、軸方向に伸びるように形成された複数の伸子棒4が、その両端を海苔網1の長手方向に沿って位置する縁綱2に係止するようにして海苔網1の長手方向に沿って並列配置されている。そして、このように形成されている海苔網1は、複数の大浮子5、少浮子6および錨7等をもって海面に展張されている外側の大枠を形成する係留綱8と内部を平行に仕切る側綱9とによって区画されている領域に設置されている。即ち、各海苔網1の長手方向に伸びる縁綱2の複数箇所は吊り綱10をもって係留綱8若しくは側綱9に連結され、海苔網1の4隅部は手綱11をもって海苔網1の長手方向の端部に対面している係留綱8に連結されている。 【0004】 このように形成されている従来の海苔網設置構造12によれば、図7に示すように、海苔網1を海苔養殖場の海面SSに展張することができるようになっている。なお、海面は潮の満ち引きで海底からの高さ位置が変化するので、海苔網1は、潮位の変化によっては海苔養殖場の海水中に展張されることになる。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 ところで、海苔を育苗または育生する場合、海苔網1を海面SSから離間して、日中の天日によって海苔に付着した雑菌の殺菌をすることが高品質の海苔を得ることができるという意味で海苔の養殖には望ましい。 【0006】 しかしながら、前述した従来の海苔網設置構造12においては、海苔網1を海面SSに浮かすように設置されるため、海苔網1を海面SSから離間させて大気中に浮かせて保持することができず、日中の天日によって海苔に付着した雑菌の殺菌をすることができないという問題点があった。 【0007】 このような問題点に対処するために、図6に破線にて示すように、海苔網1の裏面側にU字状あるいはコ字状などの折曲形成した複数のパイプ体13を海苔網1の長手方向に沿って並列配置し、これらのパイプ体13の両端を海苔網1の長辺に沿って配設された側綱9および係留綱8に接続することによりパイプ体13を図7に両矢印にて示すように、海苔網1の長手方向に沿って起倒可能に形成している。そして、海苔網1を海面SSに展張する育苗時または育生時には、図7に実線にて示すように、パイプ体13が海苔網1の裏面の下方に横倒しとなる横倒し状態とする。また、雑菌の殺菌などを行うために海苔網1を海面SSの上方に位置する大気中に離間させる干出時には、パイプ体13に図示しないロープを取り付けて海苔網1の長手方向に沿って人手によって引っ張ることで、図7に破線にて示すように、パイプ体13を海苔網1の裏面の下方に起立した起立状態とすることが考えられる。 【0008】 しかしながら、海苔網1を海面SSの上方に離間させる干出時において、海苔網1の長手方向に沿って並列配置されている複数のパイプ体13のすべてを一度に起立させるには、作業船上からの人手による多大な労力を必要とするという問題点があった。 【0009】 なお、海苔網1を海面SSの上方に離間させる干出時において、ロープの先端に取着したフックをパイプ体13に係止して引っ張ることで、海苔網1の長手方向に沿って並列配置されている複数のパイプ体13を一つずつ個別に起立させることも可能であるが、この場合には、パイプ体13を起立させるための一回の操作に要する労力を低減することはできるものの、複数のパイプ体13のすべてを起立させて、海苔網1を海面SSから離間させるのに多大な時間を必要とするという問題点がある。 【0010】 そこで、海面SSに対して海苔網1を容易に接離することのできる海苔網設置構造が求められている。 【0011】 本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、海面に対して海苔網を容易に接離することのできる海苔網設置構造を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0012】 前述した目的を達成するため特許請求の範囲の請求項1に係る本発明の海苔網設置構造は、支持している海苔網を反転させることにより海面に接している海中展張位置と海面から離間している干出位置とに変位させて保持する海苔網支持手段を有することを特徴とする。そして、このような構成を採用したことにより、海苔網支持手段を反転させることにより海苔網も反転させて、海苔網を海面に接している海中展張位置と海面から離間している干出位置とに変位させて保持するすることができ、海面に対して海苔網を確実にかつ容易に接離させることができる。 【0013】 また、請求項2に係る本発明の海苔網設置構造は、請求項1において、一対の支持綱をその両端部を連結状態にして係止し、複数の前記海苔網支持手段を前記一対の支持綱を所定幅に展張するようにして支持綱の長手方向の複数箇所に設置し、前記一対の支持綱の間および前記海苔網支持手段の間に海苔網を展張させて、少なくとも1箇所の前記海苔網支持手段部分を反転させることにより全部の海苔網支持手段、支持綱および海苔網を反転させるように形成されていることを特徴とする。そして、このような構成を採用したことにより、少なくとも1箇所の海苔網支持手段部分を反転させることにより全部の海苔網支持手段、支持綱および海苔網を反転させて、海苔網を海面に接している海中展張位置と海面から離間している干出位置とに変位させて保持するすることができる。 【0014】 また、前記海苔網支持手段は、前記一対の支持綱を所定幅に展張する展張部材と、海苔網を海中展張位置保持する第1浮子と、海苔網を干出位置に保持する第2浮子とを有するように形成するとよい。そして、このような構成を採用したことにより、より確実に海苔網支持手段を反転させることによって海苔網も反転させて、海苔網を海面に接している海中展張位置と海面から離間している干出位置とに変位させて保持するすることができる。 【0015】 また、前記海苔網支持手段において、前記第2浮子の前記海苔網の幅方向の設置範囲を前記一対の支持綱の間隔以内とするとよい。そして、このような構成を採用したことにより、海苔網支持手段、支持綱および海苔網を確実にかつ簡単に反転させることができる。 【発明の効果】 【0016】 本発明の海苔網設置構造は以上のように形成され作用するものであるから、海苔網支持手段を反転させることにより海苔網も反転させて、海苔網を海面に接している海中展張位置と海面から離間している干出位置とに変位させて保持するすることができ、海面に対して海苔網を確実にかつ容易に接離させることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0017】 以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。なお、前述した従来のものと同一ないしは相当する構成については、図面中に同一の符号を付す。 【0018】 図1から図5は本発明に係る海苔網設置構造を用いて海苔養殖場に設置された海苔網の実施形態を示すものであり、図1は全体構成の要部を示す平面図、図2は要部の斜視図、図3は海苔網支持手段部分の拡大斜視図、図4は海中展張状態を示す要部の一部切断拡大図、図5は干出状態を示す要部の一部切断拡大図である。 【0019】 図1から図5に示すように、本実施の形態の海苔網設置構造21においては、従来例と同様にして錨に係留されている多数の浮子によって海面の所定位置に設置されている1対の係留綱8の間に、一対の支持綱22をその両端部を連結状態にして係留綱8に係止し、複数の海苔網支持手段23を一対の支持綱22の間を所定幅に展張するようにして支持綱22の長手方向の複数箇所に設置し、更に、この一対の支持綱22の間および海苔網支持手段23の間に海苔網1を展張させて形成されている。本実施の形態の海苔網設置構造21は図1において海苔網1の幅方向に複数個が並列設置されることになる。 【0020】 更に説明すると、海苔網支持手段23は、T字パイプ状の1対の連結具24の横パイプ部24aに支持綱22を挿通し、縦パイプ部24bの間に一対の支持綱22を所定幅に展張する展張部材25としての細長いパイプ若しくはシャフトの両端部を挿入している。この展張部材25の中央部には、海苔網1を海中展張位置に保持する円柱状の第1浮子26が取着けられている。また、展張部材25の中央部の第1浮子26と各連結具24との間には、それぞれT字状の1対の連結具27の横パイプ部27aに展張部材25を挿通し、縦シャフト部27bにそれぞれ海苔網1を干出位置に保持する球状の第2浮子28が装着されている。第2浮子28の上下部分の縦シャフト部27bにはゴムストッパ29をそれぞれ取付けて、第2浮子28の取付け位置を調整して固着するように形成されている。1対の第2浮子28の海苔網1の幅方向の設置範囲(長さ)は、海苔網支持手段23、支持綱22および海苔網1を確実にかつ簡単に反転させるために、一対の支持綱22の間隔以内とされている。また、第2浮子28の浮力は、海苔網1とともに海苔網支持手段23部分を大気中に位置させることができるように、第1浮子26の浮力より大きく形成されている。海苔網支持手段23部分の連結具24、27および展張部材25はFRP等の樹脂材若しくはアルミ合金等の軽金属によって形成するとよい。更に、1対の支持綱22には両者の間隔を維持するための伸子棒30が支持綱22の長手方向の適宜位置に設置されている。海苔網1は、図1および図2に示すように、支持綱22の長手方向両端部に配置されている海苔網支持手段23部分の内側の範囲において、海苔網2の縁綱3の適宜位置を支持綱22に適宜な固着具をもって固着される。また、海苔網1の4隅部は吊り綱5を支持綱22に固着されるようになっている。支持綱22の長手方向両端部に配置されている海苔網支持手段23部分の更に外側には、それぞれ第1浮子26のみを固着した展張部材25が連結具24をもって展張されている。そして、1対の支持綱22の両端の連結部は、図2に示すように、回り継手31を水平回転軸として回動可能にして係留綱8に取付けられている。このようにして少なくとも1箇所の海苔網支持手段23部分を反転させることにより全部の海苔網支持手段23、支持綱22および海苔網1を反転させるように形成されている。 【0021】 つぎに、前述した構成からなる本実施の形態の作用について説明する。 【0022】 図1から図4は海苔網1を海面SSに展張して海苔の育苗または育生を行う通常の育苗または育生状態を示しており、図5は海苔網反転動作が終了して海苔網1が大気中に位置する干出状態を示す図である。 【0023】 図1から図4に示すように、本実施形態の海苔網設置構造21による海苔網1を海面SSに展張して海中展張位置に保持することにより海苔の育苗または育生を行う通常の育苗または育生状態においては、各海苔網支持手段23の第1浮子26が海面SSに浮かぶように位置しており、第2浮子28は第1浮子26の上方で海面SSから離間した大気中に位置している。そして、各海苔網支持手段23の展張部材25および支持綱23に係止されている海苔網1は、海面SSに浮かぶようにして展張されている。したがって、本実施形態の海苔網設置構造21の育苗または育生状態においては、従来と同様に、海苔網1を海水に浸漬させて海苔の養殖を施すことができる。 【0024】 そして、海苔網支持手段23を水平軸回りに半回転させることで海苔網反転動作を実施し、これにより海苔網1を海面SSから離間させて大気中の干出位置に保持させる。 【0025】 この海苔網反転動作は、各海苔網支持手段23のうちの少なくとも一つを反転させることで行う。 【0026】 具体的には、以下に説明する海苔網反転動作により行うとよい。 【0027】 例えば、図2に示す海苔網1の長手方向の端部(図2の左端部)で、かつ、係留綱8の近傍に作業船を位置させて、海苔網1の長手方向の最端部の展張部材25より係留綱8側に伸びて回り継手31部分において連結されている1対の支持綱22を人手により直接あるいは図示しないフック付きのロープ等を用いて、例えば反時計方向に水平軸回りに回転させる。この動作により、図4に実線にて示す育苗または育生状態の海苔網1、支持綱22および海苔網支持手段23は、図4に鎖線にて示すように図4の反時計方向にほぼ90度回転して横倒しになる。この時、一対の支持綱22の両端がそれぞれ回り継手23を介して係留綱8に係止されているので、一対の支持綱22がその両端に配設された回り継手31を水平回転軸として回転する。よって、海苔網1の長手方向の最端部に位置する海苔網支持手段23を横倒しにすることで、残りの海苔網支持手段23は、横倒しとなった支海苔網支持手段23に隣位するものから順に連鎖的に横倒しになる。 【0028】 ついで、図4に鎖線にて示す横倒しとなった海苔網支持手段23を図4の反時計方向にさらにほぼ90度回転させて上下を反転させる。この時、一対の支持綱22の両端がそれぞれ回り継手31を介して係留綱8に係止されているので、上記の海苔網支持手段23を横倒しする時と同様に、海苔網1の長手方向の最端部に位置する海苔網支持手段23を図4の反時計方向にさらにほぼ90度回転させて上下を反転することにより、残りの海苔網支持手段23も、上下が反転した海苔網支持手段23に隣位するものから順に連鎖的に上下が反転する。この反転動作の際に、1対の第2浮子28の海苔網1の幅方向の設置範囲(長さ)を一対の支持綱22の間隔以内としているために、海苔網支持手段23、支持綱22および海苔網1を確実にかつ簡単に反転させることができる。このようにして上下が反転した海苔網支持手段23は、図5に示すように、海面SSに浮かんでいる2つの第2浮子28によって干出位置に確実かつ容易に保持される。その結果、海苔網1は表裏が反転した状態で海面SSから離間して大気中の干出位置に確実に保持され、雑菌の殺菌などが良好に施される。 【0029】 なお、図5に示す海苔網1が大気中に位置する干出状態は、例えば上記と逆の反転動作を行うことにより、図4に示す元の育苗または育生状態に容易に復帰する。 【0030】 本実施形態の海苔網設置構造21の支持綱22によれば、回り継手31によって係留綱8に回転可能に係止されているので、多大な労力を用いずとも容易に支持綱22を回転させることができる。これにより、海苔網1を容易に反転させることが可能である。 【0031】 したがって、本実施形態の海苔網設置構造21によれば、海苔網1の表裏を反転させるとともに、海面SSに対して海苔網1を接離することが容易かつ確実にできる。 【0032】 なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて変更することができる。例えば、図1に示す両端部の係留綱8を省略して、支持綱22の両端部を直接大浮子5に連結して海面に展張するように形成してもよい。 【図面の簡単な説明】 【0033】 【図1】本発明に係る海苔網設置構造を用いて海苔養殖場に設置された海苔網の育苗または育生状態の実施形態の全体構成を示す平面図 【図2】本発明の要部の斜視図 【図3】海苔網支持手段部分の拡大斜視図 【図4】海中展張状態を示す要部の一部切断拡大図 【図5】干出状態を示す要部の一部切断拡大図 【図6】従来の海苔網設置構造の要部を示す斜視図 【図7】従来の海苔網設置構造における海苔網の海面に対する接離動作を示す正面図 【符号の説明】 【0034】 1 海苔網 8 係留綱 21 海苔網設置構造 22 支持綱 23 海苔網支持手段 25 展張部材 26 第1浮子 28 第2浮子 31 回り継手 SS 海面
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| 【出願人】 |
【識別番号】000110882 【氏名又は名称】ニチモウ株式会社
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| 【出願日】 |
平成17年6月23日(2005.6.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100081282 【弁理士】 【氏名又は名称】中尾 俊輔
【識別番号】100085084 【弁理士】 【氏名又は名称】伊藤 高英
【識別番号】100115314 【弁理士】 【氏名又は名称】大倉 奈緒子
【識別番号】100117190 【弁理士】 【氏名又は名称】玉利 房枝
【識別番号】100120385 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴木 健之
【識別番号】100123858 【弁理士】 【氏名又は名称】磯田 志郎
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| 【公開番号】 |
特開2007−79(P2007−79A) |
| 【公開日】 |
平成19年1月11日(2007.1.11) |
| 【出願番号】 |
特願2005−183859(P2005−183859) |
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